説明

転圧管理システムおよび転圧管理方法

【課題】小規模ないし中規模の転圧作業現場において、転圧機械の軌跡を簡便に管理し転圧作業の確実性と検証性を向上させること。
【解決手段】転圧作業の際に使用する転圧管理システム100であって、レーザ光を照射し、レーザ光の当たった物体までの距離を測定するレーザ距離センサ102と、物体までの距離が、予め設定した距離範囲内にあるか否かを判定する距離判定部141と、物体が前記距離範囲内にある時間を測定する時間計測部144と、時間計測部144により測定された時間に基づいて物体がロードローラ101であるか否かを判定するロードローラ判定部146と、ロードローラ101が前記距離範囲内に異なる時刻に所在した回数を計測する転圧回数計測部147と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盛土やアスファルト等を締め固める転圧管理システムおよび転圧管理方法に関し、特に、転圧機械の軌跡を簡便に管理し転圧作業の確実性・検証性を向上させる転圧管理システムおよび転圧管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路や大型施設を新設等する際に、土を搬入し、これをならして締め固めるにあたっては転圧機械(ロードローラ、締固め用機械)を用いた転圧作業がおこなわれている。具体的には、まず予備実験により実際に敷設する土を用いて設計強度に至るまでの締固め回数を決定し、現場ではその土をならした後、GPS(全地球測位システム)やTS(自動車追尾光波測定機)により転圧機械を追跡しながら、通過回数(転圧回数)を確認していく。そして、所定回数通過した後、次の土を盛り、ならし、順次転圧機械による転圧作業を繰り返して所定の厚みの締め固まった盛土を形成する。
【0003】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
まず、GPSを用いるシステムは、山影など山間部では追尾できない場合があるという問題点があった。また、転圧作業は、用いる土砂等を含めても工事単価が極めて安く、一方、GPSシステムを用いると経費がかさむので、たとえば、ダムや飛行場などの極めて規模の大きな工事でないと導入しづらいという問題点があった。また、GPSの情報は運転手にしか分からないので作業状況を他者が把握しづらいという問題点もあった。
【0004】
また、TSを用いるシステムの場合、遮蔽物に敏感であり、また、山間部ではGPSシステムと同様に導入しづらいという問題点があった。
【0005】
また、近年では作業がどのように行われたかという事後検証を可能にしておく必要があるという要請もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−185613号公報
【特許文献2】特開平10−185568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
すなわち、解決しようとする問題点は、小規模ないし中規模の転圧作業現場において、転圧機械の軌跡を簡便に管理し転圧作業の確実性と検証性を向上させることが可能な転圧管理システムおよび転圧管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の転圧管理システムは、転圧作業の際に使用する転圧管理システムであって、レーザ光を照射し、レーザ光の当たった物体までの距離を測定する距離センサと、物体までの距離が、予め設定した距離範囲内にあるか否かを判定する距離判定手段と、物体が前記距離範囲内にある時間を測定する時間測定手段と、時間測定手段により測定された時間に基づいて物体が転圧機械であるか否かを判定する転圧機械判定手段と、転圧機械が前記距離範囲内に異なる時刻に所在した回数を計測する転圧回数計測手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、転圧機械の通過回数を安価なセンサを用いて管理可能となる。これにより、転圧機械の軌跡を簡便に管理し転圧作業の確実性と検証性を向上させることが可能となる。
【0010】
なお、転圧機械は、通常、盛土やアスファルト上を一方向に直進し、端部でローラ幅分ずらして折り返し、これを繰り返すことにより全面を転圧していくが、必ずしも正確にローラ幅分折り返せるわけではない。そこで、距離範囲を設け、たとえば20m〜22mと設定し、この間を転圧機械が遮蔽したら通過したと判定することとしたものである。いわば、距離範囲とは、所定の幅をもった通過検証位置ということができる。後述するように離散した距離範囲を複数設け、転圧機械の直進方向に直角に交わる方向にレーザ光を照射するようにすれば、たとえば、50m×50m程度の中規模の現場の転圧管理が可能となる。なお、総ての遮蔽位置(通過位置)を管理せず離散した距離範囲(距離帯域)で通過管理をおこなうのでシステム構成を簡素化することも可能となる。
【0011】
また、時間測定手段が測定する時間とは、遮蔽時間すなわち通過にかかる連続した時間をいう。また、異なる時刻とは、転圧機械の軌跡や構造によっては、瞬間的に遮蔽が途切れることがあり、1回の通過を複数回として計測されることを防止するため、所定時間(たとえば5分)離れた時刻をいう。
【0012】
請求項2に記載の転圧管理システムは、請求項1に記載の転圧管理システムにおいて、前記距離範囲を、重複しないように複数設定する複数範囲設定手段を備え、転圧回数計測手段は、複数範囲設定手段により設定されたそれぞれの距離範囲毎に回数を計測することを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項2に係る発明は、照射方向が固定された一つの距離センサを用いてでも、転圧機械の幅方向(進行方向に垂直な方向でありレーザ光の照射方向)への移動を、離散した距離帯域により認識して軌跡を管理し、全域の転圧作業を把握ないし管理可能となる。なお、範囲の設定は、基準位置(10m、20m、30m、40m、50m)とローラ幅を考慮した許容幅とにより自由に設定することができる。たとえば、ローラ幅が2.5mであれば許容幅を2.5mとして、7.5m〜10m、17.5m〜20m、27.5m〜30m、37.5m〜40m、47.5m〜50mを距離範囲とする例を挙げることができる。なお、この範囲の設定は等間隔である必要はなく、たとえば、盛土の端部付近は品質良く転圧する必要があるので、基準位置は端部から15mまでは5m間隔に密にとり、それ以外は10m間隔とすることもできる。また、通過回数も領域によって適宜変更しても良い。また、許容幅もローラ幅を基準として適宜設定できる。
【0014】
請求項3に記載の転圧管理システムは、請求項2に記載の転圧管理システムにおいて、隣接した距離範囲の最短間隔を転圧機械のローラ幅の4倍以内としたことを特徴する。
【0015】
すなわち、請求項3に係る発明は、転圧機械の通過の確からしさを保ちつつ転圧管理を簡素化する。また、システム構成も簡素化可能となる。最短間隔がローラ幅の4倍を超えると、転圧機械が直進方向から斜めにずれて進んだような場合に累積ずれ幅が大きくなり転圧の品質が劣る可能性があり、これを考慮して4倍以内としている。また、運転手からすると、この間隔とすることにより、次の検証位置(距離範囲)を常に認識した運転を心がけることができ、この点からも、転圧作業の精度ないし確実性の向上を期待できる。なお、最短間隔とは、いわばレーン間距離ということができ、手前の距離範囲の遠い方と奥の距離範囲の近い方の距離をいう。
【0016】
請求項4に記載の転圧管理システムは、請求項1、2または3に記載の転圧管理システムにおいて、転圧機械の大きさと運転速度とに基づいて通過時間を設定する通過時間設定手段を備え、転圧機械判定手段は、時間測定手段により測定された時間が前記通過時間以上である場合に物体が転圧機械であると判定することを特徴とする。
【0017】
すなわち、請求項4に係る発明は、作業員の通過を転圧機械の通過と判定してしまうような誤検知を防止する。
【0018】
請求項5に記載の転圧管理システムは、請求項1〜4のいずれか一つに転圧管理システムにおいて転圧回数計測手段により計測された回数を表示する表示装置であって、作業現場に設置可能な表示装置を備えたことを特徴とする。
【0019】
すなわち、請求項5に係る発明は、運転手のみでなく、現場にいる作業員も転圧の進捗状況を把握可能となる。なお、作業現場とは、転圧作業をおこなう現場およびその周囲をいう。距離センサの近傍に設置しても良いし、センサに対向する場所に設置しても良い。また、作業現場に設置可能な、とは、屋外曝露に適した防水性、視認性、設置性等を有することを意味する。なお、表示装置の態様は特に限定されないが、たとえば、5つの距離範囲を設ける場合には横に33322という数字を電光掲示するようにする例を挙げることができる。
【0020】
請求項6に記載の転圧管理システムは、請求項5に記載の転圧管理システムにおいて、予め設定された回数以上となったとき表示色を変えて計測回数を表示する表示装置であることを特徴とする。
【0021】
すなわち、請求項6に係る発明は、遠方で数字が見にくい場合であっても、表示色により規定の転圧回数となったかを視認可能となる。
【0022】
請求項7に記載の転圧管理方法は、転圧機械を一方向に直進させて端部で略ローラ幅分ずらして折り返し、これを繰り返すことにより対象領域全面を転圧していく転圧管理方法であって、レーザ光の当たった物体までの距離を測定する距離センサを用いて、レーザ光を前記直進方向に対して略直角となるように照射し、レーザ光の当たる物体までの距離が予め設定した重複しない複数の距離範囲のいずれかにあり、かつ、当該距離範囲内でレーザ光が当たっている時間が所定時間以上である場合に、転圧機械が当該距離範囲内を通過していると判定し、転圧機械が前記複数の距離範囲内を異なる時刻に通過した回数をそれぞれの距離範囲毎に計測して転圧回数を管理することを特徴とする。
【0023】
すなわち、請求項7に係る発明は、照射方向が固定された一つの距離センサを用いてでも、転圧機械の幅方向(進行方向に垂直な方向でありレーザ光の照射方向)への移動を離散した距離帯域により認識して軌跡を管理し、全域の転圧作業を把握ないし管理可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、小規模ないし中規模の転圧作業現場において、転圧機械の軌跡を簡便に管理し転圧作業の確実性と検証性を向上させることが可能な転圧管理システムおよび転圧管理方法提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】転圧管理システムの構成概略を説明する説明図である。
【図2】転圧管理システムおよび転圧管理方法における複数の距離範囲を説明する説明図である。
【図3】転圧管理システムおよび転圧管理方法に用いる表示装置の一例を示した概要図である。
【図4】転圧管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態では、2.5mのローラ幅をもつロードローラ(転圧機械)を用いて、50m×50mの現場に盛土転圧処理を施す例について説明する。なお、転圧回数は6回で設計強度(密度)が達成される土砂を用いているものとする。
【0027】
図1は、本発明の転圧管理システムの構成概略を説明する説明図である。図2は、本発明の転圧管理システムおよび転圧管理方法における複数の距離範囲を説明する説明図である。このうち図2(a)は、ロードローラの進行方向から水平に作業現場を見通した概要図であり、図2(b)は、作業現場を上空から見下ろした概要図である。図3は、本発明の転圧管理システムおよび転圧管理方法に用いる表示装置の一例を示した概要図である。図4は、本発明の転圧管理システムのブロック図である。なお、これらの図では、説明の便宜上適宜構成を省略したり、縮尺を変えたりしている。
【0028】
転圧管理システム100は、ロードローラ101と、レーザ距離センサ102と、表示装置103と、処理装置104と、を有する。転圧管理システム100は、以降説明するように、離散した複数の所定距離範囲をロードローラ101が通過した回数を、レーザ距離センサ102の検知結果に基づいてカウントし、これにより、全面の転圧管理をおこなうシステムである。
【0029】
ロードローラ101は、通常の転圧作業と同様に運転される。すなわち、ならされた盛土上を一方向に直進し、端部で回転して略ローラ幅分横にずれて折り返し、そのまま直進して戻り、これを繰り返すことにより対象領域全面を転圧していく(以降では、便宜上直進方向を縦方向、幅方向を横方向と適宜称することとする)。
【0030】
転圧は、1回で終わるのでなく、全面転圧後再度同様に全面転圧し、予備試験により決定された締固め回数(通常5回〜7回)全面転圧を繰り返して締固め強度を確保する。この後、必要に応じて再度土砂を所定厚みに盛土してならし、同様に所定回数の全面転圧を繰り返していく。
【0031】
このとき、レーザ距離センサ102を用い、レーザを横方向へ照射し、遮蔽物(レーザ光の当たった物体)の距離を随時測定する。レーザ距離センサ102の距離導出方式は、特に限定されず、遮蔽物からの反射光を検知するものであっても、位相差を検知して距離を算出するものであってもよい。検出はたとえば、0.05mから50mまでの距離を±1.5mm程度の精度で検出できるセンサを用いる。このようなものとして、たとえば、株式会社村上技研産業製のLDS−6Aなどを挙げることができる。
【0032】
処理装置104は、レーザ距離センサ102により測定された遮蔽物までの距離が予め設定された重複しない複数の距離範囲のいずれかにあり、かつ、当該距離範囲内でレーザ光が連続して当たっている(遮蔽されている)時間に基づいて、当該遮蔽物がロードローラ101であって、当該距離範囲内を縦に通過中であると判定する。
【0033】
図2に示したように、距離範囲は予め設定した5つの基準位置とローラ幅を考慮した許容幅とにより、決定されている。レーザ距離センサ102は、遮蔽物までの距離を精度良く検出するので、基準位置のみを設定しても、ロードローラ101が丁度その位置を通過することは期待できず、また、ロードローラ101の表面には凹凸が当然あるので、幅をもたせて通過を検知すべく許容幅を設けている。
【0034】
転圧管理システム100は、GPSの正確な追尾に代えて、幅をもたせた離散位置の通過を検証することにより、システム構成を簡素化し、転圧作業の管理の簡便化、可視化を実現している。ここで、実際にロードローラを運転してみたところ、隣り合う距離範囲の間隔(最短間隔)をローラ幅の4倍以内とすると、直進性が確保され、また、転圧もれ(ローラ幅を超えた横方向の移動)も生じにくいことを確認した。これは、次の基準位置ないし距離範囲を意識した緊張感が持続できる運転となるからと考えられる。すなわち、GPSを用いた常時追尾でなく、離散した距離範囲によっても、転圧作業の信頼性が十分に確保できることを意味する。
【0035】
現場では全面転圧を予備実験で決定された回数分繰り返す必要がある。そこで、処理装置104は、ロードローラ101が複数の距離範囲内を異なる時刻に通過した回数を距離範囲毎に数え、表示装置103上で表示させる。
【0036】
図3に示したように、表示装置103では、距離範囲の場所順に通過回数が電光掲示される。ここで、予め決定してある規定の締固め回数(ここでは6回)に至らない間は赤色、規定の締固め回数に至った場合は緑色により通過回数が表示される。これにより、視認性が高まり、数字が読み取りにくい遠方からでも規定の締固め回数に到達したか否かを把握可能となる。また、表示装置103は、屋外曝露可能な防水性、設置容易性を兼ね備えたものとする。
【0037】
表示装置103は作業現場に設置されるので、ロードローラ101の運転手以外の作業者も転圧の進捗状況を把握できる。従来のGPSを用いたシステムは、運転手しか転圧作業の進捗を把握できなかったところ、本転圧管理システム100では、進捗状況を共有可能となる。また、GPSを用いたシステムではコンピュータ操作等が必要になり、運転手が限定される。しかしながら、本転圧管理システム100は、回数が表示されるだけであり、運転手を選ばない。また、前日に転圧作業が中途で終了した場合であっても、別の運転手に運転を代わってもらった場合であっても、どちら側の横方向に折り返すかも含めて、表示装置103により簡便に確認可能となる。
【0038】
次に、処理装置104を中心として、転圧管理システム100の構成を説明する(図4)。処理装置104は、距離判定部141と、距離範囲設定部142と、内部時計143と、時間計測部144と、通過時間設定部145と、ロードローラ判定部146と、転圧回数計測部147と、表示色変更部148と、を有する。
【0039】
距離判定部141は、距離センサ102から物体までの距離情報を入力し、予め設定した距離範囲内にあるか否かを判定する。この距離範囲は、距離範囲設定部142により設定され、基準位置(たとえば、10m、20m、30m、40m、50m)と許容幅(たとえば2.5m)を入力し、7.5m〜10m、17.5m〜20m、27.5m〜30m、37.5m〜40m、47.5m〜50mと設定される。
【0040】
時間計測部144は内部時計143から時間情報を常時入力し、物体が上述の距離範囲内に連続して存在する時間(滞在時間)を計測する。
【0041】
ロードローラ判定部146は、時間計測部144により測定された時間に基づいて物体がロードローラ101であるか否かを判定する。この時間は、通過時間設定部145により設定され、ロードローラ101の大きさ(特に車長)と転圧速度(運転速度)とにより設定される。
【0042】
転圧回数計測部147は、距離範囲設定部142により設定されたそれぞれの距離範囲毎にロードローラ101の通過回数をカウントし、表示装置103へ向けて回数情報を送出する。ここで、表示色変更部148は、予備実験で決定された規定締固め回数を設定し、転圧回数計測部147によるカウント数が規定締固め回数を上回った場合に、表示色を赤から青に変更する制御をおこなう。
【0043】
なお、処理装置104では、適宜情報を記憶し、必要に応じて作業情報、すなわち事後検証可能な情報を出力できるようにしていることはいうまでもない。
【0044】
以上説明したように、本転圧管理システム100によれば、安価に導入でき、簡便に転圧管理が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上の例では、距離センサ102が一つである場合について述べたが、たとえば、縦方向の距離が長い現場の場合には、縦に距離センサ102を複数配置することもできる。このとき、距離範囲の設定を同一とすれば、ロードローラ101の直進性も間接的に管理可能となる。
【符号の説明】
【0046】
100 転圧管理システム
101 ロードローラ
102 レーザ距離センサ
103 表示装置
104 処理装置
141 距離判定部
142 距離範囲設定部
143 内部時計
144 時間計測部
145 通過時間設定部
146 ロードローラ判定部
147 転圧回数計測部
148 表示色変更部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
転圧作業の際に使用する転圧管理システムであって、
レーザ光を照射し、レーザ光の当たった物体までの距離を測定する距離センサと、
物体までの距離が、予め設定した距離範囲内にあるか否かを判定する距離判定手段と、
物体が前記距離範囲内にある時間を測定する時間測定手段と、
時間測定手段により測定された時間に基づいて物体が転圧機械であるか否かを判定する転圧機械判定手段と、
転圧機械が前記距離範囲内に異なる時刻に所在した回数を計測する転圧回数計測手段と、
を備えたことを特徴とする転圧管理システム。
【請求項2】
前記距離範囲を、重複しないように複数設定する複数範囲設定手段を備え、
転圧回数計測手段は、複数範囲設定手段により設定されたそれぞれの距離範囲毎に回数を計測することを特徴とする請求項1に記載の転圧管理システム。
【請求項3】
隣接した距離範囲の最短間隔を転圧機械のローラ幅の4倍以内としたことを特徴する請求項2に記載の転圧管理システム。
【請求項4】
転圧機械の大きさと運転速度とに基づいて通過時間を設定する通過時間設定手段を備え、
転圧機械判定手段は、時間測定手段により測定された時間が前記通過時間以上である場合に物体が転圧機械であると判定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の転圧管理システム。
【請求項5】
転圧回数計測手段により計測された回数を表示する表示装置であって、作業現場に設置可能な表示装置を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の転圧管理システム。
【請求項6】
予め設定された回数以上となったとき表示色を変えて計測回数を表示する表示装置であることを特徴とする請求項5に記載の転圧管理システム。
【請求項7】
転圧機械を一方向に直進させて端部で略ローラ幅分ずらして折り返し、これを繰り返すことにより対象領域全面を転圧していく転圧管理方法であって、
レーザ光の当たった物体までの距離を測定する距離センサを用いて、レーザ光を前記直進方向に対して略直角となるように照射し、
レーザ光の当たる物体までの距離が予め設定した重複しない複数の距離範囲のいずれかにあり、かつ、当該距離範囲内でレーザ光が当たっている時間が所定時間以上である場合に、転圧機械が当該距離範囲内を通過していると判定し、
転圧機械が前記複数の距離範囲内を異なる時刻に通過した回数をそれぞれの距離範囲毎に計測して転圧回数を管理することを特徴とする転圧管理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−191060(P2011−191060A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54845(P2010−54845)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(500500446)松江土建株式会社 (11)
【Fターム(参考)】