説明

輪転印刷機およびその制御方法

【課題】 印刷胴の径が変更されても一定の印刷品質が確保される輪転印刷機を提供する。
【解決手段】 印刷胴15,17の径を変更することにより印刷胴上の画像が転移されるウェブ11のカットオフ長が変更可能とされ、カットオフ長を変更した場合でも、印刷時の印刷胴15,17の単位時間当たりの回転数が略一定として運転される輪転印刷機1において、印刷胴15,17の径が変更された際に、ウェブ11の走行速度の変化率が一定となるように、変化率の設定を変更することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輪転印刷機およびその制御方法に関し、特に、ウェブのカットオフ長が変更可能とされたバリアブルカットオフ式の輪転印刷機に用いられて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、商用オフセット輪転印刷機において、ウェブのカットオフ長(切断長さ)が変更可能とされたバリアブルカットオフ式が種々提案されている(特許文献1参照)。ウェブのカットオフ長の変更は、版胴やブランケット胴といった印刷胴の径を変更することにより行う。
【0003】
【特許文献1】特開2005−81557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなバリアブルカットオフ式輪転印刷機では、印刷胴の径の変更に伴い、印刷胴の周速が変化する。印刷胴の周速が変化すると、ウェブの走行速度が変化し、ウェブ走行速度の変化率も変化する。ウェブ走行速度の変化率は、ウェブに加わる張力に影響を及ぼすので、ウェブ走行速度の変化率が変化すると、ウェブに加わる張力も変化する。
例えば、小さな径の印刷胴から大きな径の印刷胴に変更した場合を考える。大きな径の印刷胴に変更した場合でも、同一の回転数(rpm)として運転すると、印刷胴の周速は大きくなり、これに伴いウェブの走行速度(mm/s)も増大する。ウェブの走行速度が増大すると、ウェブ走行速度の変化率(mm/s)も同様に増大する。このようにウェブ走行速度変化率が増大することにより、ウェブに加わる張力も増大することになる。ウェブに加わる張力が所定以上に増大すると、印刷にダブリや見当ズレ等が生じ、印刷品質に悪影響を及ぼすという問題がある。さらに、ウェブに加わる張力が大幅に大きくなった場合には、ウェブが切断してしまうということもある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、印刷胴の径が変更されても一定の印刷品質が確保される輪転印刷機およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の印刷機およびその制御方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる輪転印刷機は、印刷胴の径を変更することにより印刷胴上の画像が転移されるウェブのカットオフ長が変更可能とされ、カットオフ長を変更した場合でも、印刷時の前記印刷胴の単位時間当たりの回転数が略一定として運転される輪転印刷機において、前記印刷胴の径が変更された際に、前記ウェブの走行速度の変化率が一定となるように、該変化率の設定を変更することを特徴とする。
【0007】
輪転印刷機によって印刷されるウェブのカットオフ長を変更する際に、印刷胴の径が変更される。印刷胴の径が変更されても回転数(rpm)が略一定とされた状態で印刷がなされると、印刷胴の周速すなわちウェブの走行速度(mm/s)が変化する。例えば、大きい胴径へ変更されると、ウェブ走行速度が増加する。ウェブ走行速度が変化することに伴い、ウェブ走行速度の変化率(mm/s)も変化する。このウェブ走行速度変化率が変化すると、ウェブに加わる張力が変化する。
このようにウェブに加わる張力が変化すると、印刷にダブリや見当ズレ等が生じて印刷品質に影響を及ぼす。
本発明では、ウェブ走行速度変化率が一定となるように該変化率の設定を変更することとし、胴径が変更されてもウェブ走行速度変化率が変化しないようにした。これにより、ウェブ走行速度の変化に伴いウェブに加わる張力が大幅に変動することがなく、安定した品質の印刷物を出力することができる。
なお、印刷胴としては、オフセット輪転印刷機の場合、版胴およびブランケット胴が相当する。
【0008】
さらに、本発明の輪転印刷機は、前記印刷胴の径を第1径から他の径に変更する際に、該第1径における設定値を第1径設定値として記憶しておき、前記印刷胴の径を前記第1径に戻す場合に、前記第1径設定値をプリセット値として設定することを特徴とする。
【0009】
印刷胴の径を第1径に戻す際に、第1径設定値をプリセット値として設定することとしたので、第1径での印刷準備を速やかに行うことができる。
設定値としては、折機の鋸胴の位相、羽根車の位相や位置等が挙げられる。
【0010】
さらに、本発明の輪転印刷機は、変更された前記ウェブの走行速度の変化率となるように、前記印刷胴等の回転体の回転数の変化率を変更する制御部を備えていることを特徴とする。
【0011】
ウェブの走行速度の変化率(mm/s)となるように、印刷胴やインフィードローラといったウェブを走行させる回転体(ドラグローラ)の回転数の変化率(rpm/s)を変化させる。これを制御部により実現することにより、カットオフ長の変更に応じたウェブ走行速度の変更が迅速かつ確実に行われる。
なお、制御部は、印刷胴の径ごとに回転数変化率(rpm/s)の値を備えておき、印刷胴の径の変更を検知して自動的に設定値を変更することとしても良い。また、カットオフ長や印刷胴の径と回転変化率との間の関係式を備えておき、この関係式に基づいて得た回転数変化率を自動的に設定することとしても良い。
【0012】
さらに、本発明の輪転印刷機は、カットオフ長を変更した場合でも、前記ウェブに転写された印刷画像間で該ウェブが断裁されるように、前記印刷胴の位相が調整されることを特徴とする。
【0013】
カットオフ長が変更されても、印刷胴の径は変わるものの、印刷胴のウェブに対する印刷位置と、折機の断裁位置(切断位置)は変化しない。したがって、カットオフ長変更後も印刷位置から断裁位置までのパス長は一定とされる。したがって、カットオフ長が変更されると、ウェブに転写された印刷画像間の断裁位置が変化する。本発明は、印刷胴の位相を調整することにより、カットオフ長の変更にかかわらず、断裁位置を一定とすることができる。
【0014】
さらに、本発明の輪転印刷機は、前記印刷胴にインキを供給するインキ供給装置を備え、該インキ供給装置は、ウェブ走行速度に応じてインキ供給量を変更することを特徴とする。
【0015】
印刷胴の径が変更されることによりウェブ走行速度が変化すると、単位時間当たりのインキ消費量も変化する。本発明では、ウェブ走行速度に応じてインキ供給量を変化させることとしたので、印刷胴の径が変更されても印刷品質が一定に保たれる。
例えば、印刷胴の径が大きくなるとウェブ走行速度が増加するので、インキ供給量は増大するように制御される。
なお、インキ供給量と同様に、ウェブ走行速度に応じて供給量が変化する湿し水供給装置やシリコン塗布装置についても同様に制御することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明の輪転印刷機は、メンテナンス等を行うためにウェブ走行速度を低速とする緩動速モードの際に、前記印刷胴の径の変更にかかわらず、略一定のウェブ走行速度とすることを特徴とする。
【0017】
緩動速モードの際にはメンテナンスや紙送り等の作業が行われる。この際に、印刷胴の径が変更されてもウェブ走行速度が一定とされているので、作業者は印刷胴の径の変更を意識せずに通常通りの作業時間で所定作業を行うことができる。したがって、円滑な作業が実現される。
【0018】
また、本発明の輪転印刷機の制御方法は、印刷胴の径を変更することにより印刷胴上の画像が転移されるウェブのカットオフ長が変更可能とされ、カットオフ長を変更した場合でも、印刷時の前記印刷胴の単位時間当たりの回転数を略一定として運転される輪転印刷機の制御方法において、前記印刷胴の径が変更された際に、前記ウェブの走行速度の変化率が一定となるように、該変化率の設定を変更することを特徴とする。
【0019】
輪転印刷機によって印刷されるウェブのカットオフ長を変更する際に、印刷胴の径が変更される。印刷胴の径が変更されても回転数(rpm)が略一定とされた状態で印刷がなされると、印刷胴の周速すなわちウェブの走行速度(mm/s)が変化する。例えば、大きい胴径へ変更されると、ウェブ走行速度が増加する。ウェブ走行速度が変化することに伴い、ウェブ走行速度の変化率(mm/s)も変化する。このウェブ走行速度変化率が変化すると、ウェブに加わる張力が変化する。
このようにウェブに加わる張力が変化すると、印刷にダブリや見当ズレ等が生じて印刷品質に影響を及ぼす。
本発明では、ウェブ走行速度変化率が一定となるように該変化率の設定を変更することとし、胴径が変更されてもウェブ走行速度変化率が変化しないようにした。これにより、ウェブ走行速度の変化に伴いウェブに加わる張力が大幅に変動することがなく、安定した品質の印刷物を出力することができる。
【発明の効果】
【0020】
ウェブ走行速度変化率が一定となるように該変化率の設定を変更することとし、胴径が変更されてもウェブ走行速度変化率が変化しないようにしたので、ウェブ走行速度の変化に伴いウェブに加わる張力が大幅に変動することがなく、安定した品質の印刷物を出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
本実施形態は、本発明をウェブの両面に多色印刷を行うブランケット対向型の輪転印刷機に適用したものである。
図1は、オフセット輪転印刷機(以下「輪転印刷機」という。)1の全体概略構成を示す模式図である。この輪転印刷機1は、ウェブのカットオフ長(切断長さ)が変更可能とされたバリアブルカットオフ式とされている。本実施形態の輪転印刷機1は、カットオフ長が変更されても、印刷胴の回転数(rpm)は変更されずに一定とされた回転数で運転を行うものである。これにより、カットオフ長が変更されても一定の印刷速度(印刷部数/時間)が実現される。
【0022】
輪転印刷機1には、ウェブ11を供給する給紙装置3と、ウェブ11の張力を整えるインフィード部2と、印刷ユニット5と、印刷されたウェブを乾燥させる乾燥装置7と、ウェブ11を冷却する冷却装置8と、ウェブパス部10と、ウェブ11を断裁し折って折帳として排出する折機9とが備えられている。
【0023】
給紙装置3には、ウェブ11がロール状に巻かれた紙ロール13が2個保持できるように構成されている。一方の紙ロール13から給紙されている場合に、他方の紙ロール13が装着され、紙継ぎ準備がなされる。一方の紙ロール13のウェブ11が残り少なくなると、他方の紙ロール13のウェブ11に紙継ぎされる。他方の紙ロール13からウェブ11が供給されている間に一方の紙ロール13が装着され、次の紙継ぎ準備がなされる。
このようにして、ウェブ11は給紙装置3から印刷ユニット5へ連続的に繰り出されることになる。
【0024】
インフィード部2には、ウェブ11を送るローラ2rを駆動するための駆動モータ2Mが設けられている。
【0025】
印刷ユニット5は、印刷色数に相当するユニット数が設けられる。本実施形態では、印刷ユニット5は4ユニット設けられており、それぞれシアン、イエロー、マゼンダおよびスミを印刷し、これらの混色を利用してカラー印刷を行うものである。
【0026】
印刷ユニット5については後で詳述するが、版胴15a,15bとブランケット胴17a,17bとが2組設けられている。上方のブランケット胴17aと下方のブランケット胴17bとがウェブ11を挟んで対向して配置されており、相互に印圧を付与し合う機能を果たしている。
なお、各図において、符号の後ろにつくサフィックス“a”,“b”は、ウェブ11よりも上側、下側を区別するためのものであり、aは上側の部位や部材であることを示し、bは下側であることを示している。以後の明細書内では、上側、下側を区別する場合にはa,bを付記するが、特に区別しない場合にはa,bを省略して符号のみで各部位や部材を示すものとする。
ブランケット胴17a,17bの近傍には、印刷胴駆動モータ17aM,17bMがそれぞれ設けられている。印刷胴駆動モータ17aM,17bMは、輪転印刷機1の制御部からの指令により、回転数および位相が変更されるようになっている。また、版胴15及びブランケット胴17の印圧を調整する印圧調整モータ15aM,15bMがそれぞれ設けられている。なお、同図では省略されているが、印圧調整モータは、上版胴15aと上ブランケット胴17aとの間、下版胴15bと下ブランケット胴17bとの間、上ブランケット胴17aと下ブランケット胴17bとの間に、それぞれ操作側および駆動側に設けられており、1つの印刷ユニット5あたり合計6個設けられている。
【0027】
印刷ユニット5によって両面に印刷されたウェブ11は、乾燥装置7によって乾燥され、冷却装置8によって冷却された後に、ウェブパス部10を経て折機9に搬送される。
冷却装置8には、ウェブ11を送るための各ローラ8rを駆動する駆動モータ8Mが設けられている。
ウェブパス部10には、ウェブ11を送るための各ローラ10rを駆動する駆動モータ10Mが設けられている。
折機9では、搬送されてきたウェブ11が、縦切断されたり、三角板により縦折りされたり、さらに横折り、横切断されたりし、所望の折帳として排出される。折機9にも、各種モータが設けられているが、これについては後述する。
【0028】
上述した、インフィード部2の駆動モータ2M、印刷ユニット5の印刷胴駆動モータ17aM,17bM、冷却装置8の駆動モータ8M、ウェブパス部10の駆動モータ10M、折機9の駆動モータ(後述)は、ウェブ11の送り速度を決定するものである。すなわち、これらのモータによってウェブ11の張力が変化する。このようなモータは主機モータと称される。図において、主機モータは四角形の中に文字「M」が記された図形で表されている。したがって、ウェブ11のカットオフ長の変更の際に、これら主機モータの回転速度の変化率の設定が変更される。
この主機モータに対して、印刷ユニット5の印圧調整モータ15aM,15bMは、補機モータと称される。図において、補機モータは円形の中に文字「M」が記された図形で表されている。
主機モータおよび補機モータは、輪転印刷機1の制御部の指令に基づいて、その回転速度や位相が制御されるサーボモータとされている。
【0029】
図2は、本実施形態に係る輪転印刷機1の印刷ユニット5の全体概略構成を示す模式図である。印刷ユニット5には、ウェブ11を挟んで上下にそれぞれ印刷部6a,6bが設けられている。印刷部6a,6bは、ウェブ11の走行面を中心として略面対象の関係にある。
印刷部6a,6bには、印刷画像を形成するための刷版を装着した版胴15a,15bと、版胴15a,15bの刷版の画線部にインキを供給するインキ装置19a,19bと、版胴15a,15bの非画線部に湿し水を供給する湿し装置21a,21bと、版胴15a,15bの刷版に形成された画像をウェブ11に転写するブランケット胴17a,17bとが備えられている。
【0030】
なお、本実施形態の輪転印刷機1では、図2中に実線および二点鎖線で示すように、版胴15a,15bやブランケット胴17a,17bを直径の異なるものに変更できるようになっている。このようにして、例えば625mmのカットオフ長のA横全判(AY)と、546mmのカットオフ長のB縦半裁判(BT)との印刷を行えるようになっている。具体的には、版胴15a,15b及びブランケット胴17a,17bは、基軸ローラとその外周を覆う無端円筒状のスリーブとで構成されており、外径(厚さ)の異なるスリーブに変更することによって、胴の直径を変更するようになっている。
また、版胴15a,15bおよびブランケット胴17a,17bの直径の変更に伴い版胴15a,15b及びブランケット胴17a,17bの軸心位置は上下方向に変化することになる。
さらに、インキ装置19a,19bのインキ着けローラ20a,20bおよび湿し装置21a,21bの水着けローラ22a,22bの位置が変更されることになる。
【0031】
図2に示されているように、印刷ユニット5には、印刷胴駆動モータ17aM,17bMおよび印圧調整モータ15aM,15bMが設けられている。
インキ装置19a,19bのローラ群を駆動するための駆動モータ20aM,20bMが、インキ着けローラ20a,20bの近傍に設けられている。
インキ装置19a,19bのインキ元ローラ23a,23bの近傍には、駆動モータ23aM,23bMが設けられており、この駆動モータ23aM,23bMによってインキ元ローラの回転数(rpm)が制御される。
湿し装置21a,21bの水元ローラ25a,25bの近傍には、駆動モータ25aM,25bMが設けられており、この駆動モータ25aM,25bMによって水元ローラ25a,25bの回転数(rpm)が制御される。
【0032】
図3には、図2に示した印刷胴駆動モータ17aM,17bMおよびインキ装置19の駆動モータ20aM,20bMと、各ギアとの関係が示されている。
印刷胴駆動モータ17aM,17bMのギア17aG,17bGは、ブランケット胴用中間ギア30aG,30bGに噛合している。このブランケット胴用中間ギア30aG,30bGは、ブランケット胴17a,17bを駆動するブランケット胴ギア17aG,17bGに噛合している。さらに、ブランケット胴用中間ギア30aG,30bGは、版胴用中間ギア31aG,31bGに噛合している。
版胴用中間ギア31aG,31bGは、版胴15a,15bを駆動するための版胴ギア15aG,15bGに噛合している。
このように、版胴15及びブランケット胴17からなる印刷胴は、印刷胴駆動モータ17aM,17bMによって駆動される。
なお、版胴ギア15aG,15bGとブランケット胴ギア17aG,17bGとは噛合していない。
【0033】
インキ装置駆動モータ20aM,20bMのギア20aG,20bGは、各インキローラを駆動するギア19aGに噛合している。これにより、各インキローラは、インキ装置駆動モータ20aM,20bMによって駆動される。
【0034】
上述のように、印刷ユニット5には、2つの印刷胴駆動モータ17aM,17bMと、2つのインキ装置駆動モータ20aM,20bMとを有している。したがって、1つのモータによって印刷胴15,17およびインキ装置19を駆動する従来の構成において必要とされていた、印刷胴15,17とインキ装置19との間の駆動力の伝達を切り換えるクラッチが不要になる。これにより、コストの低下が実現される。
また、上下の印刷胴15,17を別々の駆動モータ17aM,17bMで駆動できるので、天地方向(印刷方向)の印刷ズレを独立して調整することができる。
また、印刷胴駆動モータ17aM,17bMとインキ装置駆動モータ20aM,20bMとを分けて、版胴15とインキ着けローラ20a,20bとをそれぞれ独立に駆動することとしたので、版胴15に対してインキ着けローラ20a,20bを僅かに(2〜3%)遅く回転させることにより、版胴15に対してインキ着けローラ20a,20bを安定的に転動させることができる。
【0035】
図4には、図1に示した折機9の詳細が示されている。
三角板40の下流には、一対のニッピングローラ42、一対の横ミシンローラ44、第1ウェブ切断装置46,第2ウェブ切断装置48が、この順番で設けられている。
三角板40は、ウェブ11を幅方向(印刷方向)に沿って二つ折りにする。二つ折りにされたウェブ11は、ニッピングローラ42へと送られ、対向するニッピングローラ42間に挟まれて押圧される。これにより、ウェブ11に対して縦方向(印刷方向)の折り目が確実に付与される。ニッピングローラ42は、駆動モータ42Mによって駆動される。
ニッピングローラ42によって送られたウェブ11は、横ミシンローラ44へと送られ、ウェブ11の幅方向にミシン目が形成される。横ミシンローラ44は、駆動モータ44Mによって駆動される。
ウェブ切断装置46,48は、ウェブ11を所定のカットオフ長で切断する。各ウェブ切断装置46は、対向する鋸胴と受胴から構成され、鋸胴に設けられたナイフによってウェブ11は切断される。第1切断装置46によってミシン目状に切断され、第2切断装置48によって最終的に切断される。各切断装置46,48の位相は、ウェブ11のカットオフ長によって変更され、それぞれ位相調整モータ46M,48Mによって変更される。
【0036】
第2切断装置48Mの下流には、搬送ベルト装置50と、咥え折り装置52とが設けられている。
搬送ベルト装置50は、切断されたウェブ11を無端(エンドレス)ベルト51a,51b間で挟んで送る装置である。さらに、この搬送ベルト装置50は、ウェブ11を受け取った後に、増速して、下流の咥え折り装置52へ送る機能をも有している。搬送ベルト装置50は、変速カムを備えた駆動モータ51aM,51bMによって駆動される。
【0037】
咥え折り装置52は、ウェブ11の搬送方向の略中間位置で咥えて、搬送方向に直角な折り目を与えて二つ折りにするものである。この咥え折り装置52には、各胴を駆動する駆動モータ52M1と、位相を調整する位相調整モータ52M2が設けられている。
咥え折り装置52では、胴が1回転することで2組の折帳が形成されるようになっている。このために、搬送ベルト装置50によってウェブ11が増速されるようになっている。
咥え折り装置52の下流側には、二つ折りにされたウェブ11(折帳)のラップ量(はみ出し量)を調整するラップ基準位置出しモータ53Mが設けられている。
咥え折り装置52によって形成された折帳は、直角羽根車54へと送られる。直角羽根車54によって、各折帳が1つずつ順番に下流側へと送り出され、下流コンベア(図示せず)にて瓦状に整列された状態で送られる。直角羽根車54は、駆動モータ54Mによって回転駆動される。
なお、並行折とする場合には、ウェブ11(折帳)は直角羽根車54へは送られず、そのまま排紙される。
【0038】
上記のように構成された輪転印刷機1のウェブ11のカットオフ長を変更する作業は、以下のように運転される。
オペレータは、カットオフ長の切り替え(図5及び図6参照)と、印刷ユニット5の印圧調整(図7及び図8参照)と、印刷ユニット5の版胴用スリーブおよびブランケット胴用スリーブの交換(図9及び図10参照)と、からなる3つの作業を、輪転印刷機1に付設されたタッチパネル上で指令する。
【0039】
図5には、カットオフ長の切り替えを行うタッチパネルの画面構成が示されている。
画面の右上に示されているように、「カットオフ切換モード」と、スリーブ交換に対応する「エクストラクタ同時起動」と、印圧調整に対応する「カットオフ切換(印圧設定)」の三つのボタンがあり、これらのいずれかを選択することにより、上記3つの作業のいずれかが行われることになる。図5の画面では、「カットオフ切換モード」が選択されている。
【0040】
オペレータは、カットオフ長の切り換えの際に、画面右端の「ロック解除」を押し、546mmまたは625mmのいずれかに対応したカットオフ長を選択し、「切替開始」を押す。なお、画面の左側には、各機器の動作状態が示される「動作完了モニタ」が表示されている。
【0041】
カットオフ長が選択されると(ステップS0)、図6に示すように、輪転印刷機1の制御部は、マシン停止状態か否か、即ち、輪転印刷機1が停止しているか否かを判断する(ステップS1)。このステップS1において、マシン即ち輪転印刷機1が停止していると判断されると、次のステップS2へと進む。ステップS2では、折機9のプロテクタが全閉となっているか否かを判断する。プロテクタが全閉となっている場合には、次のステップS3へと進む。
ステップS3では、「ロック解除」及び「開始」の操作が行われていることを確認する。これが確認されると、次のステップS4へと進む。
【0042】
ステップS4では、カットオフ長を変更する前の印刷胴15,17の径(第1径)における、折機9の各機器の位相および位置(第1径設定値)を制御部のメモリに格納する。具体的には、折機9のウェブ切断装置46,48の位相調整モータ46M,48M、搬送ベルト装置50の変速カムを備えた駆動モータ51aM,51bMの位相、咥え折り装置52の位相調整モータ52M、ラップ量基準位置出しモータ53Mの位相、直角羽根車54Mの位相等が制御部に記憶される。
【0043】
次に、折機9が他のパートに連結されているか否かを判断する。他のパートとは、図1に示した、印刷ユニット5、冷却装置8、ウェブパス部10等の独立して運転される各機器を指す。
折機9が連結されている場合には、ステップS6へと進み、折機9内の不良紙を自動的に排出する。不良紙の排出が完了すると(ステップS7)、次のステップS8へと進む。
折機9が連結されていない場合(個別)には、そのままステップS8へと進む。
【0044】
ステップS8以降のステップは、図6では順番に処理されるように示されているが、ほぼ同時に並列的処理される。
ステップS8では、カットオフ長の変更に伴い、給紙パラメータを、折機9の切断装置46,48に設けられた鋸胴の周長に基づいて変更する。これにより、給紙装置3(図1参照)における紙継ぎのタイミングを変更する。これは、ペースタ(紙継ぎ)した位置が、折機9の切断位置や、咥え折り装置52(図4参照)の咥え折りの位置に一致すると、紙詰まりの原因になりやすいので、これらの位置が一致しないように調整するものである。
ステップS9では、給紙パラメータ(パス長補正)の変更をする。つまり、給紙装置3の給紙位置から、折機9のウェブ切断装置46,48までのパス長に基づいて、給紙の位相を調整する。これは、カットオフ長が変更されると、パス長をカットオフ長で除した値が整数値でなくなるので、カット位置が所望の位置に設定されなくなる。そこで、パス長を変更後のカットオフ長で除した値が整数値となるように、給紙の位相を調整して、適切な位置でカットが行われるようにする。
上記ステップS8及びステップS9により、給紙装置3において紙継ぎが行われるテールコントロールのタイミングが適切に変更される。
【0045】
ステップS10では、天地見当の移動パルス量が変更される。カットオフ長の変更に伴い、印刷胴15,17の直径が変更されると、印刷胴15,17の単位回転角度(°)あたりの周方向の移動量(mm)が変化する。印刷ユニット5では、天地方向(印刷方向)の調整は、印刷胴駆動モータ17aM,17bMによって行われるので、この印刷胴駆動モータ17aM,17bMに与える移動パルス量を、印刷胴15,17の直径に応じた値に変更する。これにより、カットオフ長が変更された場合であっても、印刷物の天地方向(印刷方向)の見当を適切に調整することができる。
【0046】
ステップS11では、インキ装置19及び湿し装置21(図2参照)の供給量を決定する関数を切り替える。具体的には、インキ元ローラ23a,23bの駆動モータ23aM,23bM及び水元ローラ25a,25bの駆動モータ25aM,25bMに与える回転速度の関数を変更する。
湿し装置21の安定した印刷品質を実現するために、インキ装置19のインキ供給量および湿し装置21の水供給量は、ウェブ11の走行速度に概略比例して変化させるのが好ましい。カットオフ長の変更に伴い印刷胴15,17の直径が変更されても、印刷速度(部数/時間)を維持するためにカットオフ長の変更後も同じ回転数(rpm)で回転されるので、印刷胴15,17が変更されるとウェブ11の走行速度は大きく変化する。そこで、カットオフ長の変更に応じて、ウェブ11の単位走行距離あたりの供給量が一定となるように、インキ装置19及び湿し装置21の供給関数を切り替えることとしている。
なお、輪転印刷機1がシリコン塗布装置を備えている場合には、シリコン供給量も同様に調整される。
【0047】
ステップS12では、折機9から印刷ユニット5の印刷部(具体的には、ブランケット胴17a,17b間のニップ位置)までの距離に基づいて、印刷胴15,17の位相オフセット量を変更する。ブランケット胴17のニップ位置から折機9のウェブ切断装置46,48までの距離は、カットオフ長が変更されても変わらない。しかし、カットオフ長の変更に伴い、印刷胴15,17の周長が変更されるので、折機9のカット位置(断裁位置)が所望のカット位置とならない場合がある。具体的には、カットオフ長変更前は、ブランケット胴17のニップ位置から折機9のカット位置までの距離を、カットオフ長で除した値は整数値となっているが、カットオフ長を変更すると、上記距離をカットオフ長で除しても整数値になるとは限らない。これでは、印刷(画像)領域でカットされてしまうことになり、損紙の増大を招く。そこで、カットオフ長の変更に応じて、上記距離を変更後のカットオフ長で除しても整数値となるように、印刷胴15,17の位相オフセット量を変更する。これにより、適切な位置でウェブ11が切断されることになる。
【0048】
ステップS14〜S17では、ステップS4にて記憶しておいた値(第1径設定値)を読みとり、前回の同じカットオフ長の運転時に使用していた値をプリセット値として設定する。ステップS14では、ラップ基準位置出しモータ52の位相をプリセットする。ステップS15では、第1ウェブ切断装置46の第1鋸胴および横ミシンの位相をプリセットする。ステップS16では、咥え折り装置52に設けられた先端咥えカムの位相(位相調整モータ52M2の位相)をプリセットする。ステップS17では、直角羽根車54のセンタ(中心)の位置をプリセットする。
ステップS18では、折機9に設けられたチョッパ(図示せず)のタイミング関数を切り替える。これは、カットオフ長に応じてチョッパによってウェブ11をたたくタイミングが異なるので、カットオフ長に応じた適切な位置を設定するものである。
【0049】
ステップS19では、仮想マスタの加速度(すなわち、印刷胴15,17等の回転体の回転数の変化率)を切り替える。仮想マスタとは、インフィード部2の駆動モータ等の各主機モータに指示する速度指令の基準となる信号である。この仮想マスタの加速度をカットオフ長の変更に応じて変更する。具体的には、カットオフ長が変更すると、ウェブ11の走行速度が変化する。ウェブ走行速度(mm/s)が変化すると、ウェブ走行速度の変化率(mm/s)も変化する。ウェブ走行速度変化率すなわち加速度が変化すると、ウェブ11の張力が変化するので、印刷品質に悪影響を及ぼすようになる。そこで、カットオフ長が変更されてもウェブ11に加わる張力が一定となるように、カットオフ長に応じた仮想マスタの加速度を切り替えることとした。これにより、カットオフ長が変更されても、ウェブ11に加わる張力の状態は大幅に変更されることがないので、安定した印刷品質が実現される。
例えば、AY(625mm)時のカットオフ長をla、BT(546mm)時のカットオフ長をlb、AY時の加速度をαa(rpm/s)、BT時の加速度をαb(rpm/s)とすると、
αa=(lb/la)×αb
によって与えられる関係式によって、仮想マスタの加速度は与えられる。
【0050】
ステップS20では、紙(ウェブ)通しやブランケット胴17の洗浄といったメンテナンス等を行うためにウェブ走行速度を低速とする緩動速モード時に与えられる回転数を切り替える。すなわち、カットオフ長が変更されても、緩動速が一定となるように切り換えられる。具体的には、AY時には10rpmとし、BT時には12rpmとする。このように、カットオフ長が変更されてもウェブ走行速度が一定とされるので、作業者はカットオフ長の変更を意識せずに通常通りの作業時間で所定作業を行うことができる。
【0051】
ステップS21では、各印刷ユニット5の版胴15の版取付け・取外しの位置の切替が行われる。カットオフ長の変更に伴い、刷版の取付け(巻き始め位置、巻き終わり位置)・取外し(巻き出し位置、取外し位置)位置を切り替える。
【0052】
ステップS22では、ドラグローラの電子ギア比の切替が行われる。ドラグローラとは、インフィード部2の駆動ローラ2r等の、ウェブ11を引張り搬送するローラを意味する。各ドラグローラは、輪転印刷機1の制御部から与えられる電子ギア比に基づいて、その周速が決定されている。カットオフ長の変更により、各ローラの周速が変更されるので、この変更に追随するように、カットオフ長に応じて、制御部から与える電子ギア比を変更するようになっている。
【0053】
ステップS23では、折機9の搬送ベルト装置50のベルト51a,51bの駆動パターンを演算して切り替える。搬送ベルト装置50では、切断されたウェブ11を咥え折り装置52へ加速して受け渡す。この加速パターンは、カットオフ長の変更に伴い変化するので、カットオフ長に応じたベルト51a,51bの駆動パターンが演算され、切り替えられる。
【0054】
次に、図7及び図8を用いて、印刷ユニット5の印圧調整の動作について説明する。
オペレータは、図7に示したタッチパネル上で、「ロック解除」を押し、変更しようとするカットオフ長(546mmまたは625mm)を選択する(図8のステップS30)。そして、「開始」を押す。
すると、印刷ユニット5ごとに、アクチュエータが駆動される(ステップS31)。そして、カットオフ長に応じた位置まで印刷胴15,17が移動するまで待機し、移動が完了し、印圧調整がなされた後に、作業が完了する。
なお、印圧調整は、全ユニット同時に行うこともでき、また、印刷ユニット5(P1〜P4)ごとに行うこともできる。
【0055】
次に、図9及び図10を用いて、印刷ユニット5の版胴用スリーブおよびブランケット胴用スリーブの交換の動作について説明する。
オペレータは、図9に示したタッチパネル上で、「ロック解除」を押し、スリーブの交換を行う色(P1〜P4)の印刷ユニット5を選択する。あるいは、「ロック解除」を押した後に、「全色選択」のボタンを押す。そして、「開始」のボタンを押す。
そして、作業者は、図10のステップS40に示すように、スリーブを保持しているフレームを移動させる装置であるエクストラクタの近傍に設けられた「取外し」ボタンを押す。
ステップS41では、選択された印刷ユニット5に対して、スリーブを取り外すことができる脱位相まで印刷胴15,17を単独で回転させる。
そして、スリーブを保持しているフレームを移動させる装置であるエクストラクタが動作し、スリーブを取り外すことができる位置までフレームを移動させる(ステップS42)。
ステップS43では、エクストラクタの脱動作が完了するまで待機し、脱動作が完了すると、ステップS44へと進む。
ステップS44では、作業者が手動により、スリーブを交換する。
そして、ステップS45にて、エクストラクタ近傍に位置する「エクストラクタ取付け」のボタンを押して、エクストラクタを動作させて、フレームを元の位置まで戻す(ステップS46)。
【0056】
以上説明した本実施形態にかかる輪転印刷機によれば、以下の作用効果を奏する。
ウェブ走行速度変化率が一定となるように該変化率の設定を変更することとし、印刷胴15,17の径が変更されてもウェブ走行速度変化率が変化しないようにした(図6のステップ19参照)。これにより、ウェブ走行速度の変化に伴いウェブ11に加わる張力が大幅に変動することがなく、安定した品質の印刷物を出力することができる。
また、印刷胴15,17の径を、以前に用いていた径に戻す際に、以前に用いていた位相等のパラメータ(例えば折機9のウェブ切断装置の位相)をプリセット値として設定することとした(図6のステップS14〜S17参照)ので、カットオフ長変更後の印刷準備を速やかに行うことができる。
また、ウェブ11の走行速度の変化率(mm/s)が一定となるように、仮想マスタの加速度を変化させて、印刷胴15,17やインフィードローラ2rといったウェブ11を走行させる回転体(ドラグローラ)の回転数の変化率(rpm/s)を変化させることとしたので(図6のステップS19)、カットオフ長の変更に応じたウェブ走行速度の変更が迅速かつ確実に行うことができる。
また、カットオフ長の変更時に印刷胴15,17の位相を調整することとしたので(図6のステップS12参照)、カットオフ長の変更にかかわらず、断裁位置を一定とすることができる。
また、カットオフ長が変更されても、ウェブ走行速度に応じてインキ供給量や水供給量を変化させることとした(図6のステップS11参照)ので、印刷品質を一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の輪転印刷機の全体を示した概略図である。
【図2】図1の印刷ユニットを示した概略図である。
【図3】印刷胴駆動モータおよびインキ装置駆動モータと、各ギアとの関係を示した側面図である。
【図4】折機の概略構成を示した側面図である。
【図5】カットオフ長の切替時のタッチパネルの画面構成を示した図である。
【図6】カットオフ長の切替時の動作を示したフローチャートである。
【図7】印圧調整のタッチパネルの画面構成を示した図である。
【図8】印圧調整の動作を示したフローチャートである。
【図9】スリーブの交換を行うタッチパネルの画面構成を示した図である。
【図10】スリーブの交換の動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1 輪転印刷機(印刷機)
5 印刷ユニット
9 折機
11 ウェブ
15 版胴(印刷胴)
17 ブランケット胴(印刷胴)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷胴の径を変更することにより印刷胴上の画像が転移されるウェブのカットオフ長が変更可能とされ、
カットオフ長を変更した場合でも、印刷時の前記印刷胴の単位時間当たりの回転数が略一定として運転される輪転印刷機において、
前記印刷胴の径が変更された際に、前記ウェブの走行速度の変化率が一定となるように、該変化率の設定を変更することを特徴とする輪転印刷機。
【請求項2】
前記印刷胴の径を第1径から他の径に変更する際に、該第1径における設定値を第1径設定値として記憶しておき、
前記印刷胴の径を前記第1径に戻す場合に、前記第1径設定値をプリセット値として設定することを特徴とする請求項1記載の輪転印刷機。
【請求項3】
変更された前記ウェブの走行速度の変化率となるように、前記印刷胴等の回転体の回転数の変化率を変更する制御部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の輪転印刷機。
【請求項4】
カットオフ長を変更した場合でも、前記ウェブに転写された印刷画像間で該ウェブが断裁されるように、前記印刷胴の位相が調整されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の輪転印刷機。
【請求項5】
前記印刷胴にインキを供給するインキ供給装置を備え、
該インキ供給装置は、ウェブ走行速度に応じてインキ供給量を変更することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の輪転印刷機。
【請求項6】
メンテナンス等を行うためにウェブ走行速度を低速とする緩動速モードの際に、前記印刷胴の径の変更にかかわらず、略一定のウェブ走行速度とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の輪転印刷機。
【請求項7】
印刷胴の径を変更することにより印刷胴上の画像が転移されるウェブのカットオフ長が変更可能とされ、
カットオフ長を変更した場合でも、印刷時の前記印刷胴の単位時間当たりの回転数を略一定として運転される輪転印刷機の制御方法において、
前記印刷胴の径が変更された際に、前記ウェブの走行速度の変化率が一定となるように、該変化率の設定を変更することを特徴とする輪転印刷機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−118251(P2007−118251A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−310216(P2005−310216)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】