説明

農作業機

【課題】作業者が走行車から降りることなく走行車側接続部と作業機側接続部との接続および接続解除を行うことができる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機11は、配線接続部品である電動油圧シリンダと、この電動油圧シリンダに接続した配線70と、この配線70を支持する配線支持体76とを備える。配線支持体76は、走行車であるトラクタ12の近傍位置で、配線70を支持する配線支持部を有する。トラクタ12に乗った作業者がトラクタ側接続部26と作業機側接続部71との接続および接続解除をトラクタ12に乗ったまま行うことが可能となっている。配線支持体76の少なくとも一部が屈曲可能となっており、この屈曲により配線支持部の位置が調整可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線接続部品およびこの配線接続部品に接続された配線を備える農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された畦塗り機等の農作業機が知られている。
【0003】
そして、この種の農作業機は、図19に示すように、トラクタ等の走行車(図示せず)の後部に連結される作業機本体1と、この作業機本体1に設けられた電動油圧シリンダ等の配線接続部品2と、作業機側接続部3を先端部に有し基端部が配線接続部品2に接続されたハーネス等の配線4と、作業機本体1に設けられ配線4を支持する配線支持体5とを備えている。また、配線支持体5は、作業機本体1のトップマスト6の近傍に配設され配線4の先端部近傍を支持する支持棒7にて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−346405号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の農作業機では、走行車に乗った作業者の手が作業機本体1のトップマスト6の近傍位置に位置する作業機側接続部3には届かないため、作業者は、わざわざ走行車から降りて、走行車のバッテリおよび操作ボックス等に接続された配線の先端部の走行車側接続部(コネクタ部)と農作業機の配線4の先端部の作業機側接続部(コネクタ部)3との接続および接続解除を行わなければならない。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業者が走行車から降りることなく走行車側接続部と作業機側接続部との接続および接続解除を行うことができる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の農作業機は、走行車側接続部を有する走行車に連結される作業機本体と、この作業機本体に設けられた配線接続部品と、作業機側接続部を有し、前記配線接続部品に接続された配線と、前記作業機本体に設けられた配線支持体とを備え、前記配線支持体は、前記作業機本体が前記走行車に連結された状態時において、前記走行車の近傍位置で前記配線を支持する配線支持部を有し、前記走行車に乗った作業者が前記走行車側接続部と前記作業機側接続部との接続および接続解除を前記走行車に乗ったまま行うことが可能となっている農作業機であって、前記配線支持体の少なくとも一部が屈曲可能となっており、この屈曲により前記配線支持部の位置が調整可能であるものである。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、配線支持体は、第1アームと、この第1アームに回動調整可能に取り付けられ、先端側に配線支持部が取り付けられた第2アームとを有し、前記第2アームの前記第1アームに対する回動調整により前記配線支持体の一部が屈曲可能となっているものである。
【0009】
請求項3記載の農作業機は、請求項2記載の農作業機において、第1アームが作業機本体に回動調整可能に取り付けられているものである。
【0010】
請求項4記載の農作業機は、請求項3記載の農作業機において、作業機本体および第2アームは、いずれも凹凸部を有し、第1アームは、前記作業機本体の凹凸部と嵌脱可能に嵌合する基端側凹凸部および前記第2アームの凹凸部と嵌脱可能に嵌合する先端側凹凸部を有し、前記作業機本体の凹凸部と前記第1アームの基端側凹凸部とが互いに嵌合した状態では、前記第1アームの前記作業機本体に対する回動が規制され、前記作業機本体の凹凸部と前記第1アームの基端側凹凸部との嵌合が解除された状態では、前記第1アームの前記作業機本体に対する回動が許容され、前記第1アームの先端側凹凸部と前記第2アームの凹凸部とが互いに嵌合した状態では、前記第2アームの前記第1アームに対する回動が規制され、前記第1アームの先端側凹凸部と前記第2アームの凹凸部との嵌合が解除された状態では、前記第2アームの前記第1アームに対する回動が許容されるものである。
【0011】
請求項5記載の農作業機は、請求項2ないし4のいずれか一記載の農作業機において、第1アームおよび第2アームの少なくともいずれか一方が伸縮調整可能となっているものである。
【0012】
請求項6記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、配線支持体の全体が屈曲可能となっているものである。
【0013】
請求項7記載の農作業機は、請求項1ないし6のいずれか一記載の農作業機において、配線支持体は、複数の配線支持部を有するものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、配線支持体は作業機本体が走行車に連結された状態時において走行車の近傍位置で配線を支持する配線支持部を有し、走行車に乗った作業者が走行車側接続部と作業機側接続部との接続および接続解除を走行車に乗ったまま行うことが可能となっているため、作業者が走行車から降りることなく走行車側接続部と作業機側接続部との接続および接続解除を行うことができ、しかも、配線支持体の少なくとも一部が屈曲可能となっており、この屈曲により配線支持部の位置が調整可能であるため、大きさ等が異なる各種の走行車に適切に対応できる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、第2アームの第1アームに対する回動調整により配線支持体の一部が屈曲可能となっているため、第2アームの第1アームに対する回動調整によって配線支持部の位置を容易に調整できる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、第1アームが作業機本体に回動調整可能に取り付けられているため、第1アームの作業機本体に対する回動調整によっても配線支持部の位置を容易に調整できる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、作業機本体の凹凸部と第1アームの基端側凹凸部とを互いに嵌合させることにより第1アームの作業機本体に対する回動を適切に規制できるとともに、第1アームの先端側凹凸部と第2アームの凹凸部とを互いに嵌合させることにより第2アームの第1アームに対する回動を適切に規制できる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、第1アームおよび第2アームの少なくともいずれか一方の伸縮調整により、配線支持部の位置が調整可能であるため、大きさ等が異なる各種の走行車により一層適切に対応できる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、配線支持体の全体が屈曲可能となっているため、配線支持体の一部のみが屈曲可能な場合と比べて、広範囲にわたって配線支持部の位置を調整できる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、配線支持体は複数の配線支持部を有するため、例えば種類の異なる配線を適切に支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の側面図である。
【図2】同上農作業機の平面図である。
【図3】同上農作業機の要部平面図である。
【図4】同上農作業機の要部側面図である。
【図5】同上農作業機の要部側面図である。
【図6】(a)および(b)はクラッチ等の係合部材を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の要部平面図である。
【図8】同上農作業機の要部側面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の要部平面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る農作業機の要部平面図である。
【図11】同上農作業機の要部側面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る農作業機の要部平面図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る農作業機の要部平面図である。
【図14】同上農作業機の要部側面図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態に係る農作業機の要部平面図である。
【図16】同上農作業機の要部側面図である。
【図17】本発明の第8の実施の形態に係る農作業機の要部平面図である。
【図18】同上農作業機の要部側面図である。
【図19】従来の農作業機の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6を参照して説明する。
【0023】
図1および図2において、11は農作業機で、この農作業機11は、圃場を走行可能な走行車であるトラクタ(乗用トラクタ)12の後部に連結され、トラクタ12の走行により畦に沿って前方(進行方向)に移動しながら農作業である畦塗り作業(畦修復作業)をするものである。
【0024】
トラクタ12は、エンジン等を搭載したトラクタ本体13を備え、このトラクタ本体13の前部には左右1対の前輪14が設けられ、後部には左右1対の後輪15が設けられている。トラクタ本体13の後側上部には、作業者aが乗る運転部16を覆うキャビン17が設けられている。キャビン17は、安全フレーム18、天板19および回動可能なリアハッチ20等を有している。
【0025】
トラクタ本体13の後端部には、油圧機構(図示せず)によって作動して上下回動する油圧式のヒッチ部である3点リンクヒッチ部(作業機昇降支持装置)21およびエンジンからの動力で回転するPTO軸(図示せず)が設けられている。3点リンクヒッチ部21は、伸縮可能な1つのトップリンク22および左右1対のロワリンク23等を有している。
【0026】
また、トラクタ12は、図示しないが、蓄電手段であるバッテリを備えるとともに、トラクタ12の運転部16に乗った作業者aが操作する作業機用操作手段である操作ボックスを備えている。そして、バッテリおよび操作ボックスには、可撓性を有するハーネス等の配線25の基端部がそれぞれ接続され、各配線25は電気用の走行車側接続部であるトラクタ側接続部(コネクタ部)26を先端部に有している。また、各配線25の先端側は、運転部16の近傍に配設されている。なお、バッテリおよび操作ボックスから農作業機11側へ延びる走行車側配線である配線25は、電流(電源電流や信号電流等)が流れる電装配線である電気配線である。
【0027】
農作業機11は、トラクタ12の後部の3点リンクヒッチ部21にクイックカプラ30を介して脱着可能に連結され作業状態時に畦塗り作業をする作業機本体31を備えている。
【0028】
作業機本体31は、トラクタ12のトラクタ本体13に対して上下方向に回動可能となっている。つまり、作業機本体31は、3点リンクヒッチ部21の作動に基づく下方回動により略水平状の作業状態となり、3点リンクヒッチ部21の作動(作業機持上げ動作)に基づく上方回動により図1に示す前下り傾斜状の持上げ非作業状態である非作業状態となる。
【0029】
なお、図1に示す作業機本体31の非作業状態時における作業機本体31の前後水平方向に対する傾斜角度αは略30度であるが、この傾斜角度αは、トラクタ12の種類等によって異なるもので、例えば10度〜40度の範囲内の値である。
【0030】
作業機本体31は、図1および図2に示されるように、トラクタ12の3点リンクヒッチ部21にクイックカプラ30を介して脱着可能に連結された本体部である機体32と、この機体32に回転可能に設けられ回転しながら田面および畦(元畦)の土を耕耘して畦上に盛り上げるロータリ式の盛土部である盛土体33と、機体32に回転可能に設けられ盛土体33の後方で回転しながら盛土体33による盛土を締め固めて新たな畦(新畦)を形成する畦形成部である畦形成体34と、機体32に回転可能に設けられ盛土体33の前方で回転しながら畦上面を削る上面削り部である上面削り体35とを有している。なお、盛土体33、畦形成体34および上面削り体35にて、畦塗り作業をする作業手段36が構成されている。
【0031】
機体32は、固定機枠41を有し、この固定機枠41の3点連結部(走行車連結部)42がトラクタ12の3点リンクヒッチ部21にクイックカプラ30を介して脱着可能に連結されている。3点連結部42は、1つのトップマスト43および左右1対のロワアーム44等を有している。
【0032】
そして、突出部であるトップマスト43は、固定機枠41の左右方向長手状のフレーム部45の長手中央部上面に立設され、このフレーム部45からトラクタ12側である前方に向って突出している。つまり、トップマスト43は、作業機本体31の前端部に位置している。
【0033】
また、トップマスト43は、フレーム部45の長手中央部上面に固着されたマスト本体部46と、このマスト本体部46の前端部に固着されトップピン48を保持する平面視略U字状のピン保持部47とを有している。
【0034】
図3に示されるように、トップマスト43のマスト本体部46にはボルト用孔50が形成され、マスト本体部46の側面には略円板状の係合部である係合部材(菊座等)51が溶接等により固着されている。
【0035】
係合部材51の中央部には、図6(a)および(b)にも示されるように、マスト本体部46のボルト用孔50と一致するボルト用孔52が形成されている。係合部材51のマスト本体部46側とは反対側の面には、凹凸部53が形成されている。なお、凹凸部53は、係合部材51の径方向に沿って長手状に形成されボルト用孔52を中心として放射状にそれぞれ交互に位置する複数の凹部分および凸部分にて構成されている。
【0036】
また一方、図1に示されるように、固定機枠41の軸保持部55にて入力軸56が回転可能に保持され、この入力軸56がトラクタ12のPTO軸に動力伝達手段(図示せず)を介して接続されている。
【0037】
また、固定機枠41には、図1および図2に示されるように、入力軸56に接続された動力伝達手段(図示せず)から動力を受けてそれぞれ駆動回転する盛土体33、畦形成体34および上面削り体35を支持する可動機枠61が連結手段62を介して連結されている。つまり、可動機枠61が固定機枠41に連結手段(平行リンク)62を介して左右方向に移動可能に取り付けられている。
【0038】
連結手段62は、互いに平行に位置する左右1対の回動リンク63にて構成され、回動リンク63の前端部が前側の固定機枠41に上下方向の軸64を介して回動可能に取り付けられ、回動リンク63の後端部が後側の可動機枠61に上下方向の軸65を介して回動可能に取り付けられている。
【0039】
そして、固定機枠41と可動機枠61との間には、可動機枠61を固定機枠41に対して左右方向に移動させるオフセット位置調整用の伸縮可能な駆動手段としての配線接続部品である電動油圧シリンダ(電気部品)66が設けられている。
【0040】
電動油圧シリンダ66は、電動モータ、油圧ポンプ、バルブおよびシリンダが一体化されたもので、この電動油圧シリンダ66には、可撓性を有するハーネス等の配線70の基端部が接続され、この配線70はトラクタ側接続部26に解除可能に嵌合接続される作業機側接続部(コネクタ部)71を先端部に有している。
【0041】
この電動油圧シリンダ66からトラクタ12側へ延びる作業機側配線である配線70は、トラクタ12の配線25と同様、電流(電源電流や信号電流等)が流れる電装配線である電気配線である。つまり、この配線70は、例えばそれぞれ先端に嵌合部材であるコネクタ部材72を有する電源線73および信号線74等にて構成されている。
【0042】
そして、農作業機11は、図1ないし図5に示すように、作業機本体31の機体32の固定機枠41のトップマスト43に上下方向に回動調整可能に設けられ配線70の先端部近傍(先端部付近)を支持する長手状であるアーム状の配線支持体(ハーネスアーム)76を備えている。
【0043】
配線支持体76は、作業機本体31の3点連結部42がトラクタ12の3点リンクヒッチ部21に連結された状態時でかつ作業機本体31が前下り傾斜状の非作業状態に設定された状態時において、トップマスト43よりも前方の位置であってトラクタ12のトラクタ本体13の後端部の近傍位置(つまりトラクタ12に乗った作業者aの手が届く位置)で、電動油圧シリンダ66からの配線70の先端部近傍を支持する略円形環状の配線支持部(ハーネス通し部)77を例えば1つだけ先端側である先端部に有している。
【0044】
そして、この配線支持部77にて配線70の先端部近傍が支持されていることから、トラクタ12の運転部16に乗った作業者aが配線25の先端部のトラクタ側接続部26と配線70の先端部の作業機側接続部71との接続および接続解除をトラクタ12の運転部16に乗ったまま手動で行うことが可能となっている。
【0045】
ここで、配線支持体76は、図3ないし図5に示されるように、作業機本体31のトップマスト43の係合部である係合部材51に基端部(下端部)が取付具83にて左右方向の回動中心軸線Aを中心として回動調整可能に取り付けられた長手状の第1アーム81と、この第1アーム81の先端部(上端部)に基端部(後端部)が取付具84にて左右方向の回動中心軸線Bを中心として回動調整可能に取り付けられ先端部(前端部)に配線支持部77が例えば1つだけ取り付けられた長手状の第2アーム82とを有している。
【0046】
つまり、この農作業機11では、配線支持体76の少なくとも一部、すなわち例えば配線支持体76の長手方向中間部である長手方向略中央部のみが第2アーム82の第1アーム81に対する回動調整により屈曲可能となっており、この屈曲によりトラクタ12に対する配線支持部77の位置(前後位置および上下位置)が調整可能である。
【0047】
取付具83,84は、いずれもボルト83a,84aおよびナット83b,84bにて構成されている。
【0048】
なお、例えば、回動中心軸線Aを中心とする第1アーム81の作業機本体31に対する回動調整は図4に示す回動角度θ1の範囲内で行うことが可能であり、回動中心軸線Bを中心とする第2アーム82の第1アーム81に対する回動調整(配線支持体76の屈曲)は図4に示す回動角度θ2の範囲内で行うことが可能となっている。
【0049】
まず、第2アーム82は、細長い板状のアーム部86を有し、このアーム部86の先端部には配線支持部77が固着され、この配線支持部77内に配線70の一部が挿通されている。
【0050】
なお、配線支持部77は、配線70の一部を単に支持するもので、この配線70の一部である被支持部70aは配線支持部77に対して非固定状態(フリー状態)である。このため、トラクタ12の運転部16に乗った作業者aは、配線70をトラクタ12側に引っ張ることにより配線70を配線支持部77に支持させた状態のまま配線支持部77に対してスライドさせることが可能であり、配線70の先端部の作業機側接続部71の位置を任意の位置に変更可能である。
【0051】
また、アーム部86の基端部側面には、略円板状の係合部である係合部材(菊座等)87が固着されている。係合部材87は、図6に示す係合部材51と同一形状のもので、この係合部材87の中央部には、ボルト用孔88が形成されている。係合部材87のアーム部86側とは反対側の面には、凹凸部89が形成されている。なお、アーム部86の基端部には、係合部材87のボルト用孔88と一致するボルト用孔90が形成されている。
【0052】
また、第1アーム81は、細長い板状のアーム部91を有し、このアーム部91の長手方向寸法は第2アーム82のアーム部86の長手方向寸法より小さくなっている。
【0053】
アーム部91の基端部側面には、トップマスト43の係合部材51と係脱可能に係合する略円板状の係合部である係合部材(菊座等)92が固着されている。係合部材92は、図6に示す係合部材51と同一形状のもので、この係合部材92の中央部には、ボルト用孔93が形成されている。係合部材92のアーム部91側とは反対側の面には、トップマスト43の係合部材51の凹凸部53と嵌脱可能に嵌合する基端側凹凸部94が形成されている。なお、アーム部91の基端部には、係合部材92のボルト用孔93と一致するボルト用孔95が形成されている。
【0054】
アーム部91の先端部側面には、第2アーム82の係合部材87と係脱可能に係合する略円板状の係合部である係合部材(菊座等)97が固着されている。係合部材97は、図6に示す係合部材51と同一形状のもので、この係合部材97の中央部には、ボルト用孔98が形成されている。係合部材97のアーム部91側とは反対側の面には、第2アーム82の係合部材87の凹凸部89と嵌脱可能に嵌合する先端側凹凸部99が形成されている。なお、アーム部91の先端部には、係合部材97のボルト用孔98と一致するボルト用孔100が形成されている。
【0055】
そして、互いに一致したボルト用孔50,52,93,95にボルト83aが挿入され、このボルト83aにナット83bが螺合締付されることにより、第1アーム81の基端部が作業機本体31のトップマスト(アーム被取付部)43に対して固定されている。そして、この状態では、作業機本体31の凹凸部53と第1アーム81の基端側凹凸部94とが互いに嵌合し、この嵌合により第1アーム81の作業機本体31に対する回動が規制されている。
【0056】
なお、第1アーム81の作業機本体31に対する回動調整を行う際には、ナット83bを緩めて、凹凸部53と基端側凹凸部94との嵌合を解除し、第1アーム81の作業機本体31に対する固定を解除する。
【0057】
また、互いに一致したボルト用孔88,90,98,100にボルト84aが挿入され、このボルト84aにナット84bが螺合締付されることにより、第2アーム82の基端部が第1アーム81の先端部に対して固定されている。そして、この状態では、第1アーム81の先端側凹凸部99と第2アーム82の凹凸部89とが互いに嵌合し、この嵌合により第2アーム82の第1アーム81に対する回動が規制されている。
【0058】
なお、第2アーム82の第1アーム81に対する回動調整を行う際には、ナット84bを緩めて、先端側凹凸部99と凹凸部89との嵌合を解除し、第2アーム82の第1アーム81に対する固定を解除する。
【0059】
一方、作業機本体31の可動機枠61には、方向輪101が取り付けられている。また、可動機枠61には、盛土体用カバー102、畦形成体用カバー103および上面削り体用カバー104が取り付けられている。さらに、畦形成体34は、略截頭円錐状の側面形成部105および略円筒状の上面形成部106を有している。
【0060】
次に、農作業機11の作用等を説明する。
【0061】
農作業機11の前部の3点連結部42を、トラクタ12の後部の3点リンクヒッチ部21にクイックカプラ30を介して連結した後、作業者aは、トラクタ12が有する配線25の先端部のトラクタ側接続部26と、農作業機11が有する配線70の先端部の作業機側接続部71との接続を行う。
【0062】
このとき、図1に示すように、トラクタ12の3点リンクヒッチ部21の作動により作業機本体31を上方回動させて前下り傾斜状の非作業状態に設定すると、配線支持体76の配線支持部77がトラクタ12に近づき、その結果、配線70の先端部の作業機側接続部71が、トラクタ12の後端近傍位置(トラクタ12とは干渉しない位置)であって、トラクタ12の運転部16に乗った作業者aの手が届く位置に位置することとなる。
【0063】
そして、作業者aは、キャビン17のリアハッチ20を開き、トラクタ12の運転部16に乗ったまま、手を伸ばすようにして、配線25のトラクタ側接続部26と配線70の作業機側接続部71との接続を手動で行う。
【0064】
この配線接続後、作業者aは、トラクタ12の3点リンクヒッチ部21の作動により作業機本体31を下方回動させて作業状態に設定してから、操作ボックスのボタン等を操作して電動油圧シリンダ66を作動させて作業手段36のオフセット位置を調整する。
【0065】
その後、作業者aは、トラクタ12を運転し、農作業機11を畦に沿って進行方向へ移動させる。
【0066】
農作業機11が移動すると、作業機本体31の上面削り体35にて畦上面が削られて雑草等が除去され、この上面削り体35の後方では盛土体33にて田面および畦の土が耕耘されて畦上に盛り上げられ、この盛土体33の後方では畦形成体34にて盛土が締め固められて新畦が形成される。
【0067】
なお、畦塗り作業終了後、配線25のトラクタ側接続部26と配線70の作業機側接続部71との接続を解除する場合においても、作業者aは、上述した接続の場合と同様、トラクタ12の運転部16に乗ったまま、その接続解除を行う。
【0068】
そして、このような農作業機11によれば、配線支持体76は作業機本体31がトラクタ12に連結された状態時においてトラクタ12の近傍位置で配線70を支持する配線支持部77を先端部に有し、トラクタ12の運転部16に乗った作業者aがトラクタ側接続部26と作業機側接続部71との接続および接続解除をトラクタ12の運転部16に乗ったまま行うことが可能となっているため、作業者aがトラクタ12の運転部16から降りることなくトラクタ側接続部26と作業機側接続部71との接続および接続解除を行うことができる。よって、従来のようにトラクタ12から降りて行う煩雑な配線接続およびその接続の解除を行う必要がなく、作業者aへの負担の軽減を図ることができる。
【0069】
しかも、配線支持体76の第1アーム81の作業機本体31に対する回動調整および第2アーム82の第1アーム81に対する回動調整により、トラクタ12に対する配線支持部77の位置が容易に調整可能であるため、大きさ等が異なる各種のトラクタ12に適切に対応できる。
【0070】
すなわち例えばトラクタ12を大型のものから小型のものに換えた場合に、第1アーム81および第2アーム82の少なくともいずれか一方を回動調整することで、作業機本体31を持上げ非作業状態にした際にこの作業機本体31がトラクタ12に干渉することがないよう、配線支持部77を小型のトラクタ12に適した所望位置に位置させることができる。そして、一回調整すれば、次に農作業機11をトラクタ12に連結する際には再度の調整は不要である。
【0071】
さらに、作業機本体31の凹凸部53と第1アーム81の基端側凹凸部94とを互いに嵌合させることにより第1アーム81の作業機本体31に対する回動を適切に規制できるとともに、第1アーム81の先端側凹凸部99と第2アーム82の凹凸部89とを互いに嵌合させることにより第2アーム82の第1アーム81に対する回動を適切に規制できる。よって、第1アーム81や第2アーム82が不本意に回動するような不具合を防止できる。
【0072】
また、トラクタ12の運転部16に乗った作業者aは、配線70をトラクタ12側に引っ張ることにより配線70を配線支持部77に支持させた状態のまま配線支持部77に対してスライドさせることができ、配線70の先端部の作業機側接続部71の位置を任意の位置に変更可能であるので、配線70の被支持部70aが配線支持部77に対して固定された場合に比べて、トラクタ側接続部26と作業機側接続部71との接続および接続解除を容易に行うことができる。特に、例えば配線70が油圧配線である場合は、トラクタ12の油圧取出ポート(走行車側接続部)が固定配置されているため、油圧配線の先端部が固定されていると、別に接続ホースが必要となる。
【0073】
さらに、例えば配線支持体76が1本のアームのみで構成されている場合には、その1本のアームはトラクタ12の後部に当る可能性が高く、当った場合には角度が変わって先端部が上方に回動したりキャビン17を破損したりするおそれがあり、そして、当らなくすると、トラクタ12の運転部16に乗った作業者から手が届かなくなる。
【0074】
次に、本発明の第2の実施の形態を図7および図8を参照して説明する。
【0075】
この第2の実施の形態の農作業機11では、配線支持体76が伸縮調整可能となっている。つまり、配線支持体76の第1アーム81および第2アーム82の少なくともいずれか一方、すなわち例えば第1アーム81および第2アーム82の両方が長手方向に沿って伸縮調整可能となっている。なお、図示しないが、第1アーム81および第2アーム82のいずれか一方のみを伸縮調整可能としてもよい。
【0076】
図7および図8に示されるように、第1アーム81のアーム部91は、筒状部112を有する基端側部材111と、筒状部112内にスライド可能に挿入された棒状部114を有する先端側部材113とを備えている。筒状部112には、ボルト用孔115が形成され、このボルト用孔115の周辺部にはナット116が溶接等により固着されている。
【0077】
そして、ボルト117がナット116に螺合され、このボルト117の先端部がボルト用孔115に挿入されて棒状部114の周面に圧接し、この圧接により棒状部114が筒状部112に対して固定されている。また、第1アーム81の伸縮調整を行う際には、ボルト117を緩めて、棒状部114の筒状部112に対する固定を解除する。
【0078】
また同様に、第2アーム82のアーム部86は、筒状部122を有する基端側部材121と、筒状部122内にスライド可能に挿入された棒状部124を有する先端側部材123とを備えている。筒状部122には、ボルト用孔125が形成され、このボルト用孔125の周辺部にはナット126が溶接等により固着されている。
【0079】
そして、ボルト127がナット126に螺合され、このボルト127の先端部がボルト用孔125に挿入されて棒状部124の周面に圧接し、この圧接により棒状部124が筒状部122に対して固定されている。また、第2アーム82の伸縮調整を行う際には、ボルト127を緩めて、棒状部124の筒状部122に対する固定を解除する。なお、第2の実施の形態のその他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0080】
そして、この第2の実施の形態の農作業機11によれば、上述した第1の実施の形態の作用効果に加えて、第1アーム81および第2アーム82の少なくともいずれか一方の伸縮調整により、トラクタ12に対する配線支持体76の先端側の配線支持部77の位置が調整可能であるため、大きさ等が異なる各種のトラクタ12により一層適切に対応できる。
【0081】
次に、本発明の第3の実施の形態を図9を参照して説明する。
【0082】
この第3の実施の形態の農作業機11では、第2の実施の形態と同様、第1アーム81および第2アーム82が伸縮調整可能となっているが、第2の実施の形態とは異なり、ボルト117,127およびナット116,126の代わりに、脱着可能なRピン等のピン131,132を利用したものである。なお、第3の実施の形態のその他の構成は第2の実施の形態と同じである。
【0083】
図9に示されるように、第1アーム81のアーム部91の筒状部112には1つのピン用孔133が形成され、棒状部114には複数(例えば3つ)のピン用孔134が軸方向に間隔をおいて形成されている。そして、互いに一致したピン用孔133,134にピン131が挿入されることにより、棒状部114が筒状部112に対して固定されている。また、第1アーム81の伸縮調整を行う際には、ピン131を抜き取って、棒状部114の筒状部112に対する固定を解除する。
【0084】
また同様に、第2アーム82のアーム部86の筒状部122には1つのピン用孔136が形成され、棒状部124には複数(例えば3つ)のピン用孔137が軸方向に間隔をおいて形成されている。そして、互いに一致したピン用孔136,137にピン132が挿入されることにより、棒状部124が筒状部122に対して固定されている。また、第2アーム82の伸縮調整を行う際には、ピン132を抜き取って、棒状部124の筒状部122に対する固定を解除する。
【0085】
そして、この第3の実施の形態の農作業機11であっても、上述した第2の実施の形態と同じ作用効果を奏することができる。
【0086】
次に、本発明の第4の実施の形態を図10および図11を参照して説明する。
【0087】
この第4の実施の形態の農作業機11では、第2の実施の形態と同様、第1アーム81および第2アーム82が伸縮調整可能となっているが、第2の実施の形態とは異なり、長孔141,142を利用したものである。なお、第4の実施の形態のその他の構成は第2の実施の形態と同じである。
【0088】
図10および図11に示されるように、第1アーム81のアーム部91は、略円形状のボルト用孔144を有する細長板状の基端側部材143と、アーム部91の長手方向に沿った長孔状に形成された長孔141を有する細長板状の先端側部材145とを備えている。そして、長孔141のうちの所望部分およびボルト用孔144にボルト146が挿入され、このボルト146にナット147が螺合締付されることにより、先端側部材145が基端側部材143に対して固定されている。また、第1アーム81の伸縮調整を行う際には、ナット147を緩めて、先端側部材145の基端側部材143に対する固定を解除する。
【0089】
また同様に、第2アーム82のアーム部86は、略円形状のボルト用孔154を有する細長板状の基端側部材153と、アーム部86の長手方向に沿った長孔状に形成された長孔142を有する細長板状の先端側部材155とを備えている。そして、長孔142のうちの所望部分およびボルト用孔154にボルト156が挿入され、このボルト156にナット157が螺合締付されることにより、先端側部材155が基端側部材153に対して固定されている。また、第2アーム82の伸縮調整を行う際には、ナット157を緩めて、先端側部材155の基端側部材153に対する固定を解除する。
【0090】
そして、この第4の実施の形態の農作業機11であっても、上述した第2の実施の形態と同じ作用効果を奏することができる。
【0091】
なお、上記各実施の形態では、配線支持体76が先端部に配線支持部77を1つだけ有する構成について説明したが、例えば図12の第5の実施の形態のように、第2アーム82の先端部に複数、例えば2つの配線支持部77を取り付けた構成でもよい。
【0092】
つまり、この第5の実施の形態の農作業機11では、図12に示されるように、第2アーム82のアーム部86の先端部一側面(右側面)には、例えば1本の電気配線である配線70を支持する略円形環状の配線支持部77が固着されている。また、第2アーム82のアーム部86の先端部他側面(左側面)には、例えば2本の油圧配線である配線70を支持する略円形環状の配線支持部77が固着されている。この油圧配線である配線70の基端部は作業機本体31に設けられた油圧シリンダ等の配線接続部品(図示せず)に接続されており、この各配線70はトラクタ12が有する油圧用のトラクタ側接続部に解除可能に嵌合接続される作業機側接続部(コネクタ部)71を先端部に有している。
【0093】
そして、この第5の実施の形態の農作業機11によれば、上記実施の形態が奏する作用効果に加えて、配線支持体76が先端側に複数の配線支持部77を有するため、例えば種類の異なる配線70を適切に支持できるという作用効果を奏することができる。
【0094】
また、農作業機11は、配線支持体76の第1アーム81が作業機本体31に回動調整可能に取り付けられた構成には限定されず、例えば図13および図14に示す第6の実施の形態のように、第1アーム81の基端部が作業機本体31のトップマスト43の側面に溶接等により固着された構成でもよい。
【0095】
さらに、農作業機11は、例えば図15および図16に示すような第7の実施の形態の構成でもよい。
【0096】
この農作業機11の配線支持体76は、図15および図16に示されるように、作業機機本体31のトップマスト43の側面に基端部(下端部)が溶接等により固着された長手状の第1アーム81と、この第1アーム81の先端部(上端部)に基端部(後端部)が屈曲部材161を介して回動調整可能に取り付けられ先端部(前端部)に1つ或いは複数の配線支持部77が取り付けられた長手状の第2アーム82とを有している。つまり、第1アーム81の先端部と第2アーム82の基端部とが、屈曲可能でかつ伸縮可能な蛇腹形状をなす屈曲部材161にて連結されている。
【0097】
屈曲部材161は、例えば任意の位置で3次元的に屈曲可能な金属製(例えば鉄、ステンレス等)の筒状のフレキシブルパイプにて構成されている。また、屈曲部材161は、例えば作業者が所定の大きさ以上の外力を加えない限り、所望の形状を維持するもの、つまり所定の保形性を有するものである。このため、屈曲部材161は、例えば第2アーム82および配線70の先端側の重量や作業時の振動等によっては、変形しない。
【0098】
そして、この第7の実施の形態の農作業機11によれば、上記実施の形態が奏する作用効果に加えて、配線支持体76の一部のみが屈曲部材161によって屈曲可能であり、例えばその屈曲部材161を屈曲および伸縮させることにより、トラクタ12に対する配線支持部77の位置(前後位置、上下位置および左右位置)を広範囲にわたって3次元的に調整できるため、大きさ等が異なる各種のトラクタ12により一層適切に対応できる。
【0099】
また、農作業機11は、例えば図17および図18に示すような第8の実施の形態の構成でもよい。
【0100】
この農作業機11の配線支持体76は、図17および図18に示されるように、アーム81,82を有さず、長手状であるアーム状の1本の屈曲部材163およびこの屈曲部材163の先端部に取り付けられた配線支持部77のみで構成されている。
【0101】
つまり、屈曲可能でかつ伸縮可能な蛇腹形状をなす屈曲部材163の基端部(下端部)が作業機機本体31のトップマスト43の側面に溶接等により固着され、屈曲部材163の先端部(上端部)が自由端部となっており、この自由端部に配線支持部77が溶接等により固着されている。
【0102】
屈曲部材163は、前記第7の実施の形態の屈曲部材161と同様、例えば任意の位置で3次元的に屈曲可能な金属製(例えば鉄、ステンレス等)の筒状のフレキシブルパイプにて構成されている。また、屈曲部材163は、例えば作業者が所定の大きさ以上の外力を加えない限り、所望の形状を維持するもの、つまり所定の保形性を有するものである。このため、屈曲部材163は、例えば配線70の先端側の重量や作業時の振動等によっては、変形しない。
【0103】
そして、この第8の実施の形態の農作業機11によれば、上記実施の形態が奏する作用効果に加えて、配線支持体76の全体(略全体を含む意味)が屈曲部材163によって屈曲可能であり、例えばその屈曲部材163を屈曲および伸縮させることにより、トラクタ12に対する配線支持部77の位置(前後位置、上下位置および左右位置)をさらに広範囲にわたって3次元的に調整できるため、大きさ等が異なる各種のトラクタ12により一層適切に対応できる。
【0104】
なお、例えば図示しないが、両端面開口状にした筒状の屈曲部材163内に配線70を通し、この配線70の先端側を屈曲部材163の先端面開口から突出させるようにしてもよい。この場合、配線70のうち屈曲部材163内に位置する部分を屈曲部材163全体で支持することとなり、この屈曲部材163の先端部がトラクタ12の後端部の近傍位置で配線70を支持する配線支持部を構成する。
【0105】
また、屈曲部材161,163は、屈曲可能でかつ伸縮可能なものには限定されず、伸縮できず、屈曲のみ可能なものであってもよい。
【0106】
さらに、配線支持体76は、2本のアーム81,82を有するものには限定されず、例えばアームを3本以上有するものでもよい。
【0107】
また、例えば作業機本体31に長手状の配線支持体76を複数設けた構成でもよい。
【0108】
さらに、配線支持体76は、回動調整可能でかつ伸縮調整可能なものには限定されず、回動調整のみ可能なものでもよい。
【0109】
また、配線支持体76は、係合部材51,87,92,97を有しない構成でもよい。
【0110】
さらに、作業機本体31に長手状の配線支持体76を複数設けた構成でもよい。
【0111】
また、配線接続部品は、電気部品である電動油圧シリンダ66には限定されず、例えばセンサや電動モータ等でもよい。
【0112】
さらに、配線接続部品は、電気部品以外でもよく、例えば油圧モータ、油圧シリンダ、或いはエアシリンダ等の流体圧部品でもよく、この流体圧部品には油圧配線等の配線が接続される。
【0113】
また、作業機本体31は、畦塗り作業をするものには限定されず、走行者側接続部に接続する配線を有するものであれば、例えば溝掘り作業或いは耕耘作業等の他の農作業をするものでもよい。
【符号の説明】
【0114】
11 農作業機
12 走行車であるトラクタ
26 走行車側接続部であるトラクタ側接続部
31 作業機本体
53 凹凸部
66 配線接続部品である電動油圧シリンダ
70 配線
71 作業機側接続部
76 配線支持体
77 配線支持部
81 第1アーム
82 第2アーム
89 凹凸部
94 基端側凹凸部
99 先端側凹凸部
a 作業者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車側接続部を有する走行車に連結される作業機本体と、
この作業機本体に設けられた配線接続部品と、
作業機側接続部を有し、前記配線接続部品に接続された配線と、
前記作業機本体に設けられた配線支持体とを備え、
前記配線支持体は、前記作業機本体が前記走行車に連結された状態時において、前記走行車の近傍位置で前記配線を支持する配線支持部を有し、
前記走行車に乗った作業者が前記走行車側接続部と前記作業機側接続部との接続および接続解除を前記走行車に乗ったまま行うことが可能となっている農作業機であって、
前記配線支持体の少なくとも一部が屈曲可能となっており、この屈曲により前記配線支持部の位置が調整可能である
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
配線支持体は、
第1アームと、
この第1アームに回動調整可能に取り付けられ、先端側に配線支持部が取り付けられた第2アームとを有し、
前記第2アームの前記第1アームに対する回動調整により前記配線支持体の一部が屈曲可能となっている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
第1アームが作業機本体に回動調整可能に取り付けられている
ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。
【請求項4】
作業機本体および第2アームは、いずれも凹凸部を有し、
第1アームは、前記作業機本体の凹凸部と嵌脱可能に嵌合する基端側凹凸部および前記第2アームの凹凸部と嵌脱可能に嵌合する先端側凹凸部を有し、
前記作業機本体の凹凸部と前記第1アームの基端側凹凸部とが互いに嵌合した状態では、前記第1アームの前記作業機本体に対する回動が規制され、
前記作業機本体の凹凸部と前記第1アームの基端側凹凸部との嵌合が解除された状態では、前記第1アームの前記作業機本体に対する回動が許容され、
前記第1アームの先端側凹凸部と前記第2アームの凹凸部とが互いに嵌合した状態では、前記第2アームの前記第1アームに対する回動が規制され、
前記第1アームの先端側凹凸部と前記第2アームの凹凸部との嵌合が解除された状態では、前記第2アームの前記第1アームに対する回動が許容される
ことを特徴とする請求項3記載の農作業機。
【請求項5】
第1アームおよび第2アームの少なくともいずれか一方が伸縮調整可能となっている
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一記載の農作業機。
【請求項6】
配線支持体の全体が屈曲可能となっている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項7】
配線支持体は、複数の配線支持部を有する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−92126(P2011−92126A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250666(P2009−250666)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】