説明

農学的適用における超吸収性重合体

農学的適用における使用のための超吸収性重合体(SAP)生成物、及びそれを作製する方法及び使用する方法を開示する。一定のSAPsには、単量体又は単量体の混合物、アクリロニトリル以外のものが包含され、それを澱粉上で開始剤の存在下にグラフト重合して澱粉グラフト共重合体を形成し、それを架橋し、及びSAP生成物を分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本開示は超吸収性重合体生成物及び超吸収性重合体生成物の作製方法及び適用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
超吸収性重合体(Superabsorbent polymers, SAPs)は、水性流体において、それらの自重の少なくとも10倍を受け入れ又は吸収し、受け入れ又は吸収した水性流体を適当な圧力下で保持する物質である。受け入れ又は吸収した水性流体は、孔において含まれ、その孔から流体を絞ることによって排除することができるというよりは、SAPの分子構造中に取り込まれる。若干のSAPsは、水性流体において、それらの重量の1,000倍まで吸収することができる。
【0003】
農学的適用における使用のためにSAPを生産する1種の方法には、アクリロニトリルを、澱粉上で、セリウム(+4)塩のような、開始剤の存在下においてグラフト重合して、澱粉グラフト共重合体を形成すること、及びニトリル基を、アルカリ金属を用いて鹸化(けん化)し、カルボン酸アルカリ及びカルボキサミド基を持つ鹸化物(saponificate)を形成することが包含される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、鹸化は高価な機械類を必要とすることがあり、及びアンモニアを発生させ、それが腐食性で、除去するのに費用がかかり、及びそれを処分するのが高価であり得る。また、鹸化中に加えられる水酸化カリウム(KOH)は、鹸化した澱粉グラフト共重合体混合物を塩基性にする。酸、例は、塩酸、硝酸、硫酸、又はリン酸が混合物に添加され、澱粉グラフト共重合体混合物のpHが中和される。添加しなければならない酸の量が著しい場合、SAPの吸収性(absorbency)が減少する。もたらされる廃棄溶液はまた、それを処分するのが高価であり得、それは、それらにカリウム及びアンモニウム塩及び他の外来性の塩が含まれているからである。さらに、アクリロニトリルは処分するのが危険で、及び高価であり得る。
(概要)
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の開示は、農学的適用における使用のための超吸収性重合体(SAP)生成物、SAP生成物を生産する方法及び使用の方法を提案する。
【0006】
開示するSAP生成物を生産する一定の方法は、単量体としてのアクリロニトリルの使用を必要とせず、及び鹸化の工程を要しない。1種の具体例に従い、この方法には、(1)単量体の、アクリルニトリル以外のものを、澱粉上に開始剤の存在下でグラフト重合し、澱粉グラフト共重合体を形成する工程; (2)澱粉グラフト共重合体を架橋する工程で、例えば、メチレンビス-アクリルアミドのような、架橋剤を添加することによるもの; 及び(3)澱粉グラフト共重合体を分離する工程が包含される。開示する方法にはまた、架橋した澱粉グラフト共重合体のpHを調整する工程が含まれてよい。さらにまた、この方法には、澱粉グラフト共重合体を乾燥し、超吸収性である粒子を産生する工程が含まれてよい。超吸収性重合体生成物の粒子の分離は、様々な方法で、制限されないが、顆粒化(granularization)、押出、及び小球化(pelletization、ペレット化、造粒)を含むものによって起こしてもよい。
【0007】
上述の方法によって生産するSAPを用いて作物の生産を増加させる一定の方法を開示する。1種の方法には、SAPの直接的な土壌に対する適用が包含される。第2の方法には、根又は種子のSAPでの被覆が包含される。第3の方法には、SAP及び水(又は別の液体)のスラリの形成、及び得られるスラリの植物、根、種子、実生に対しての、又は直接的な土壌に対しての適用が包含され、土壌には、植物、根、種子、又は実生の1種が植えられる。
【0008】
また、農学的適用における使用のための一定のSAP生成物を開示する。SAP生成物には、澱粉又はセルロースのような多糖体(多糖類、polysaccharide)で、それにグラフト重合した単量体を持つものが包含される。単量体は、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸でよい。単量体はまた、アクリルアミド又はメタアクリルアミドでよい。2-アクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホン酸(AMPS)及びビニルスルホン酸のような、スルホン酸もまた足りるかもしれない。さらにまた、アクリル酸エチル及びアクリル酸カリウムのような、アクリル酸塩を用いることができる。上に挙げた単量体の誘導体及び混合物がまた、望ましいかもしれない。
(図面の簡潔な記載)
【0009】
図1は表1において記載する生育の結果に従う試料の高さの比較を描写するグラフである;
【0010】
図2は表1に記載する生育結果に従う試料の幅の比較を描写するグラフである; 及び
【0011】
図3は表1に記載する生育結果に従う試料の質量の比較を描写するグラフである。
(詳細な記載)
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
技術に熟練した者は、本明細書に開示する方法及び組成が、1種又はそれよりも多い種類の記載された特定の詳細を伴わずに、又は他の方法、成分、物質(材料)、等を伴って実行することができることを認める。いくつかの場合には、よく知られる物質、成分又は方法の工程を、詳しくは示していないか、又は記載していない。さらに、記載した方法の工程、成分、等は、1種又はそれよりも多い種類の具体例において任意の適切な様式で組み合わせることができる。また、本明細書において一般的に記載してあるような具体例の方法及び組成が多様な異なる配置において手配し、及び設計することができることが容易に理解される。
【0013】
開示する具体例と関連して記載する方法の工程又は作用の順序は、技術で熟練した者に明らかなように変化させることができる。このように、詳細な記載における任意の順序は、説明に役立つ目的だけのためのもので、及び必要な順序を暗示することを意味しない。
【0014】
大規模な農学的適用における使用のための超吸収性重合体(SAP)を作製する方法の1種の具体例は、(1)単量体を澱粉上に開始剤の存在下でグラフト重合し、澱粉グラフト共重合体を形成する工程; (2)澱粉グラフト共重合体を架橋する工程で、例えば、メチレンビス-アクリルアミドのような、架橋剤を添加し、澱粉グラフト共重合体を架橋することによるもの; (3)中和のような、架橋した澱粉グラフト共重合体のpHを調整する工程; (4)架橋した澱粉グラフト共重合体を分離する工程; 及び(5)架橋した澱粉グラフト共重合体を乾燥する工程を備える。
【0015】
上述の方法において用いるための模範的な単量体には、アクリル酸又はメタクリル酸が包含される。模範的な単量体にはまた、アクリルアミド又はメタクリルアミドが包含され得る。2-アクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホン酸(AMPS)及びビニルスルホン酸のような、スルホン酸がまた用いられ得る。さらに、アクリル酸エチル及びアクリル酸カリウムのような、アクリル酸をも用いてよい。上に挙げた単量体の誘導体及び混合物もまた望ましいことがある。
【0016】
例えば、いくつかの適用において、単量体としてアクリル酸を用いることが望ましいことがある。他の適用において、澱粉上にグラフト重合させるのにアクリル酸及びアクリルアミドの混合物を用いるのが望ましいことがある。他の代わりの適用では、2-アクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホン酸を用いることが望ましいことがある。
【0017】
アクリル酸を用いての適用では、それへのアクリルアミドの添加がグラフト重合を促すのを助け、及びSAPの吸収性に加わる。1例として、アクリル酸対アクリルアミドの重量比は約2:1でよい。代わりに、アクリル酸対アクリルアミドの比はまた、9:1の比にまで及び、更に超えるかもしれない。アクリルアミドは神経毒と考えられるので、アクリルアミド対アクリル酸の相対的量を、アクリル酸のグラフト重合を促す助けになるのに足りるように用いながら、減少させるのが望ましいことがある。
【0018】
代わりの適用において、アクリル酸は澱粉又は他の多糖体上でアクリルアミドの援助なくグラフト重合し得る。例えば、アクリル酸は熱及び/又は圧力の下に置くとき重合し得る。アクリルアミドの添加を伴わない重合は、例えば、1軸スクリュ又は2軸スクリュのような、加熱スクリュ押出機において達成し得る。
【0019】
上述の方法において用いる澱粉類には、澱粉、フラワ(flours、粉)、及びミール(meals、穀粉)が包含される。より一層詳しくは、模範的な澱粉類には、天然澱粉(例は、コーンスターチ(Pure Food Powder(ピュア フード パウダ)、A.E. Staley(スティリ社)によって製造)、蝋様トウモロコシ澱粉(waxy maize starch、Waxy(ワクシ)7350、A.E. Staleyによって製造)、コムギ澱粉(Midsol(ミッドソル)50、Midwest Grain Products(ミッドウエスト グレイン プロダクツ)によって製造)、ジャガイモ澱粉(Avebe(アベベ)、A.E. Staleyによって製造)、デキストリン澱粉(例は、Stadex(スタデックス)9、A.E. Staleyによって製造)、デキストラン澱粉(例は、Grade(グレード)2P、Pharmachem Corp.(ファーマケム社))、コーンミール、剥皮ユッカルート(peeled yucca root)(イトラン属の根)、非剥皮ユッカルート(unpeeled yucca root)、オートフラワ(oat flour、カラスムギ粉)、バナナフラワ、及びタピオカフラワが包含される。澱粉をゼラチン化し、最適な吸収性を提供することができる。模範的な澱粉はゼラチン化コーンスターチである。さらに、1種の具体例に従えば、澱粉対単量体の重量比は、約1:1及び約1:6の間の範囲にある。
【0020】
代わりの具体例では、セルロースのような、他の多糖体を、澱粉の代わりに用いることができる。したがって、前述の単量体は農学的適用の目的のためにセルロース上でグラフト重合することができる。
【0021】
単量体は澱粉上で開始剤の存在下にグラフト重合することができる。上述の方法において用いるための模範的な開始剤には: 硝酸セリウムアンモニウム(ceric ammonium nitrate)のような、セリウム(+4)塩; 過硫酸アンモニウム; 過硫酸ナトリウム; 過硫酸カリウム; 鉄(II)過酸化物; 硫酸アンモニウム鉄(II)-過酸化水素(ferrous ammonium sulfate-hydrogen peroxide); L-アスコルビン酸; 及び過マンガン酸カリウム-アスコルビン酸が包含される。技術に熟練した者に既知の他の適切な開始剤を、代わりの過硫酸塩及び過酸化水素、並びにバナジウム、マンガン、等のようなものを用いることができる。用いる開始剤の量は、選定する開始剤、選んだ単量体、及び選定する澱粉に基づいて変動させることができる。いくつかの開始剤、例は、過硫酸塩は、熱の存在を要することがある。開始剤は単一又は複数の工程において添加することができ、及び複数の開始剤を用いることができる。
【0022】
架橋剤を混合物に添加し、架橋した澱粉グラフト共重合体を形成することができる。澱粉グラフト共重合体にとっては、それが水性流体において架橋される前に溶ける場合には、架橋されるのが望ましい。架橋は、澱粉グラフト共重合体が溶解することなしに水性流体を吸収することを可能にする1種の方法である。しかし、添加される架橋剤の量は、典型的に、得られるSAP生成物の吸収性に間接的に比例する。模範的な架橋剤には: グリセリド; ジエポキシド; ジグリシジル; シクロヘキサジアミド(cyclohexadiamide); メチレン ビス-アクリルアミド; ビス-ヒドロキシプロピル アジパミド(hydroxypropyl adipamide)のような、ビス-ヒドロキシアルキルアミド; 尿素-ホルムアルデヒド及びメラミン-ホルムアルデヒドの樹脂のような、ホルムアルデヒド; ジ-又はトリ-イソシアン酸塩を含むイソシアン酸塩; 典型的には、塩基触媒の存在下での、エポキシ樹脂; 及びそれらの誘導体及び混合物が包含される。
【0023】
架橋の代わりの方法をまた採用することができる。例えば、固形のSAP生成物は、ガンマ又はx-線の電磁放射に対して、又は電子ビーム及び同様のものに対しての暴露のような、照射を介して架橋することができる。照射は、澱粉グラフト共重合体の架橋を、その共重合体の鎖における遊離基の創生によって促進する。いくつかの適用では、照射後のアニーリング又は融解処理を架橋した共重合体の鎖の再-構成(re-forming)において用い得る。さらに、比較的酸素のない雰囲気中で照射処理を行うことが望ましいことがある。
【0024】
架橋剤の添加がSAPsの生産において望ましいかもしれないが、また自己-架橋性共重合体を用いることもできる。自己-架橋性共重合体において、いずれかの単一の自己反応性(single self-reactive)官能基又は複数の自己反応性官能基又は複数の共-反応性(co-reactive)官能基を、混合物中に組み込むことができる。1種の模範的な共-反応性官能基はアクリル酸及びメタクリル酸グリシジルの共重合体である。
【0025】
一旦架橋した澱粉グラフト共重合体を形成し、架橋した澱粉グラフト共重合体のpHを、特定の農学的適用のための望ましい値に調整することができる。例えば、架橋した澱粉グラフト共重合体を中和し、カルボキシル基をカリウム塩に転換することができる。代わりのpH値は、土壌の種類、及び作物の種類に応じ望ましいものでよく、得られるSAPsが適用される。ほとんどの農学的適用用に得られるpHは、典型的に、約6.0から約8.0にまで及ぶ。望ましいpHは、特定の農学的適用用の要求に応じてこの範囲よりも高いか又は低くてよい。
【0026】
代わりに、いくつかの具体例において、澱粉グラフト共重合体のpH調整を架橋前に起こしてよい。鹸化を要するいくつかの代わりの方法と対比して、pH調整/中和の工程は、著しく速く、鹸化と比較してより一層簡便で、より一層安価であり得る。さらに、pHを調整することは、必ずしもアンモニアのような腐食性の及び危険な反応副産物を生成しない。pHの調整に効果を及ぼすのに用いることができる模範的な溶媒には、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、又はその混合物が包含され、それらの任意のものは、メタノール又は他の溶媒において随意に希釈することができる。
【0027】
代わりの具体例では、pH調整は必要でないこともある。例として、アクリル酸カリウムを単量体としてアクリル酸の代わりに用いる場合、得られる生成物は既に許容可能なpH範囲内であり得る。
【0028】
1種の具体例では、得られる、pH調整し、架橋した澱粉グラフト共重合体を、次いで分離することができる。分離の1種の模範的な方法には、例えば、加熱ドラム上で、又は風乾(空気-乾燥)によるような、架橋した澱粉グラフト共重合体の単純な乾燥が包含される。次いで、乾燥したSAP生成物を、この技術での技能を持つ者に既知の小球化の方法に従って小球化され得る。
【0029】
鹸化の工程を要するSAPsを生成するいくつかの代わりの方法と比較して、本明細書に記載する方法は、pH-調整し、架橋した澱粉グラフト共重合体の反応塊(reaction mass)で、ほんの少ししか外来性の塩を持たないものを提供する。結果的に、分離は、アルコール-フリーの環境において(in an alcohol-free environment)SAP生成物を乾燥する工程を介して果すことができる。対照的に、鹸化を要する方法は、著しい量の外来性の塩及びアンモニアを持つ澱粉グラフト共重合体をもたらして、及び従ってメタノールを用いて処置されなければならない。メタノールの使用は、SAP生成物を生産する費用に対して著しく加わり、その理由はメタノールの処分が高価であり得るからである。
【0030】
別の具体例では、澱粉グラフト共重合体を分離する工程には、架橋した澱粉グラフト共重合体を、加熱スクリュを介してのように押出し、SAP生成物の顆粒を形成するものが包含される。顆粒の再-凝集(re-agglomeration)を最小にするためには、顆粒を、それらが一緒に粘着する性質を減少させる除塵剤(dusting agent)で被覆することができる。模範的な除塵剤には、顆粒が一緒に付くことを妨げる、セルロース、クレイ(粘土)、澱粉、フラワ、及び他の天然又は合成の重合体が包含される。代わりに、顆粒は、メタノールを軽く噴霧することで、それらが一緒に粘着するのを妨げてよく、及び/又は押出を高圧の下で行うことができる。
【0031】
澱粉グラフト共重合体を分離する更に別の模範的な方法には、アルコール、例は、メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールのような水-混和性の溶媒を用いて、pH-調整し、架橋した澱粉グラフト共重合体を沈殿させることが包含される。アルコール中での架橋した澱粉グラフト共重合体の浸漬は、アルカリの澱粉グラフト共重合体を生じさせ、粒子に沈殿させることができ、それらは乾燥後に望ましい寸法に後選別される(later screened)。アルコールは、架橋した澱粉グラフト共重合体からの水及び外来性の塩を除去する。
【0032】
沈殿のこの方法の別の模範的な実施には、滑らかな分散を達成するのに十分なメタノールを、pH-調整し、架橋した澱粉グラフト共重合体中に配合することが包含される。次いで、滑らかな分散系を沈殿タンク中に圧送(be pumped、ポンプ輸送)することができ、それには、メタノールを激しく混ぜながら滑らかな架橋した澱粉グラフト共重合体の分散系において圧送することができる撹拌システムを包含し得る。一旦混合し、得られるメタノール及び架橋した澱粉グラフト共重合体の粒子を、メタノールを用いる傾斜(デカント)又は洗浄又は遠心分離によって収集し、及び収集、次いで約1パーセント及び約20パーセントの間の水分レベルにまで乾燥させ得る。
【0033】
メタノールを用いる沈殿を介した分離工程の第3の実施には、架橋した澱粉グラフト共重合体の表面を、小量のメタノールを用いて濡らすこと、次に、架橋した澱粉グラフト共重合体が互いに再-付着しない、より一層大きな“チャンク”に細断化(チョッピング)することが包含される。一旦架橋した澱粉グラフト共重合体の表面をメタノールで濡らすと、得られる物質は触ってみると滑り易く、及びもはや粘着性でない。この効果は固体の1部につき、メタノールの約1部及び約2部の間の組成比率を用いることによって達成することができる。
【0034】
一旦メタノールを添加すると、架橋した澱粉グラフト共重合体はイン-ラインのチョッパを介して圧送され、1インチ(約2.54cm)よりも小さい直径を持つチャンクを形成することができるか又は、代わりに、はさみを用いて手で細断化することができる。次いで、得られる混合物を、タンク又はワーリング配合機(Waring blender)中に供給し、それは架橋した澱粉グラフト共重合体の1ポンド(約453.6g)につき約1.5ガロン(1ガロン=英国式で約4.546L、米国式で約3.785穀量L)及び約2.0ガロンの間の付加的なメタノールを持つ。いくつかの具体例では、架橋した澱粉グラフト共重合体が、イン-ライン混合機又は砕解機のような、微粉砕機にかけられ、それは、塊を特定の適用のために望まれるようにより一層小さな小片に壊す。より一層大きなタンクにおいて、メタノールを、高速を達成し得るコールズ溶解機(Cowles dissolver)又は他の混合機を用いてかき混ぜることができる。
【0035】
メタノールを用いる沈殿を介した分離工程の第4の実施には、メタノール沈殿工程の前に粒度を予備-成形することが包含される。異なる形状及び直径を持つ繊維(ストランド)又は棒(ロッド)を形成するためのダイの使用は、粒度の形成処理を大いに改善することができる。この第4の実施は、最終的な粒度の高められた調節を与える。架橋した澱粉グラフト共重合体(中和又は未中和のもの)は、変動する直径(例は、約1/16インチから1/4インチよりも大きなものまで)及び変動する形状(例は、円形、星型、リボン状、等)の孔を持つダイプレートを介して押し通されてよい。
【0036】
ダイプレートを介して架橋した澱粉グラフト共重合体を押しやる方法には、手動でのプランジャ、スクリュ-供給、予断(auguring)、圧送、及び任意の他の普通に知られる方法を用いることが包含される。得られる繊維又は棒は、予備混合剤(premixing agent)としてメタノールの任意の更なる添加を伴わずに、沈殿タンク中に配置され得る。繊維又は棒を処置し、それらが一緒に粘着するのを、例えば、繊維又は棒をメタノールで濡らすか又は噴霧し、又はそれらを、例えば、セルロース、クレイ、澱粉、フラワ、又は他の天然又は合成の重合体のような、除塵剤で除塵することによって、妨げることができる。得られる繊維又は棒は、かき混ぜたメタノールを用いて沈殿させ、タンクから除去し、及び乾燥することができる。
【0037】
SAPを調製する方法における別の工程には、分離し、架橋した澱粉グラフト共重合体を望ましい寸法の粒子にまで形成すること、及び乾燥することが包含される。SAP生成物は約200メッシュよりも小さい粒度を持ち得る。望ましい粒度は意図する特定の農学的適用に依存し得る。澱粉グラフト共重合体を土壌中に直接に堆積させる農学的適用のための1種の具体例において、粒度は50メッシュ未満、より一層特に、約5メッシュ及び50メッシュの間、又は約5メッシュ及び25メッシュの間、又は約8メッシュ及び約25メッシュの間でよい。この粒度は、典型的に、産業において商業上入手可能な顆粒の塗布機(アプリケータ)と適合性がある。1立方フィート(1ft=約30.48cmとして約28.32L)につき約30ポンド及び約35ポンドの間の密度を持つ約8メッシュから約25メッシュまでのSAP生成物を、ほとんどの既存の適用装置を介して吸収性の粒子を散布するか又は計量するために用いることができる。
【0038】
種子被覆(コーティング)及び根の浸漬のような他の農学的適用には、より一層細かい粒度を用い得る。種子被覆にとって、望ましい粒度は、約200メッシュのような、約75メッシュ及び約300メッシュの間でよい。根の浸漬にとって、望ましい粒度は、約50メッシュのような、約30メッシュ及び約100メッシュの間でよい。
【0039】
代わりに、架橋した(cross-linked cross-linked)澱粉グラフト共重合体生成物を水のような溶媒と混合し、スラリを形成してよい。得られるスラリは、植物、根、種子、実生のような農学的媒質に対して、又は植物、根、種子、又は実生の1種をその中に植える土壌に対して直接的に適用させ得る。
【0040】
1種の模範的な方法で、それによって望ましい寸法の粒子を形成し得るものには、架橋した澱粉グラフト共重合体を棒-形状の(rod-shaped)形態にまで転換すること、及びそれらの形態を望ましい粒度にまで乾燥することが包含される。ダイ選択は、典型的に、棒-形状の形態の寸法及び形状を指図する。棒の直径は、直径において1/16-インチから1/4-インチまでのような、端板(エンドプレート)における孔あけの孔によって調節される。例えば、ダイは、選んだ寸法及び形状の孔を含むように、孔あけされるか又は形成されるプレートである。
【0041】
ダイからの押出に次いで、棒-形状の形態は、除塵剤で軽く被覆し得、それは、それらが一緒に粘着する性質を減少させ、及びそれらの粘着性を減少させる。模範的な除塵剤には、棒が一緒に粘着するのを妨げる、セルロース、クレイ、澱粉、フラワ、及び他の天然又は合成の重合体が包含される。代わりに、棒は、軽くメタノールで噴霧させ得、及び/又はそれらを圧力の下でのダイから押出し得る。被覆した粒子を、次いで乾燥する。模範的な乾燥の方法には、風乾又はオーブン-乾燥が包含される。乾燥に次いで、粒子を適した寸法に選別し得る。
【0042】
別の模範的な方法において、それによって望ましい寸法の粒子を形成し、架橋した澱粉グラフト共重合体を微粉にまで粉砕し、及び次いで望ましい寸法の小球にまで形成し得る。小球化は、重合体産業において普通のことであり、及びその技術における技能の者に既知である。上述のように、得られる小球を、除塵剤で軽く被覆し得、それは、それらが一緒に粘着する性質を減少させ、及びそれらの粘着性を減らす。
【0043】
本明細書において記載する方法によって作製されるSAP生成物はまた、この技術での技能の者に既知の、制限されないが、肥料及び/又は炭を添加することを含む、任意の着色方法を用いて着色し得る。また、肥料又は微量栄養素をSAP生成物に添加し得る。粒状のSAP生成物を形成してから、又は処理中の任意の段階で肥料又は微量栄養素を添加し得る。
【0044】
上述の方法によって作製されるSAPsの農学的適用は、より一層早い種子の発芽及び/又は開花(blooming、乳白化)、減少した用水の必要性、増加した増殖、増加した作物生長、増加した作物生産、及び減少した土壌クラスト形成(soil crusting)をもたらし得る。このように、本明細書に開示する方法によって作製されるSAPsは、大規模な農学的適用におけるSAPの形成及び使用にとって望ましい。
【実施例】
【0045】
次の例1-3は、本明細書に記載する方法(方法群)を用いてSAP生成物を形成するのに用いる模範的な手法を実証する:
(例1.)
【0046】
脱イオン化水(2,000mL)をコーンスターチ(200g; Cargill Gel Instant(カーギル ゲル インスタント)12030、米国アイオワ州、シーダーラピッズ(Cedar Rapids)のCargill Food and Pharma Specialties, Inc.(カーギル フード アンド ファーマ スペシャルティズ社)によって製造)に対し3-リッターの樹脂ケトル中に添加した。組合せ物を、均一な混合物が形成されるまで混合した。アクリル酸(200g; 99%の純度; コネチカット州、ウェストヘーブン(West Haven)のCity Chemical, LLC(シティケミカル社))を、冷却した混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。次に、アクリルアミド(100g; 99%の純度; コネチカット州、West HavenのCity Chemical LLC社)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。次いで、メチレンビス-アクリルアミド(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解した; Molecular Grade(分子等級); 99%の純度; ウィスコンシン州、マディソン(Madison)のPromega Corporation(プロメガ社)によって製造)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。最後に、過硫酸アンモニウム(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度; オレゴン州、シャーウッド(Sherwood)のCascade Columbia Distribution Co.(カスケード コロンビア ディストリビューション社)によって製造)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ170°Fに加熱しながら撹拌した。混合物をその温度で維持し、及びおよそ15分間撹拌した。得られる白い、粘性塊は3.7のpHを持ち、及び粘性塊の小試料の窒素試験は3.58%の窒素含量を示した。
【0047】
得られる粘性塊が酸性であったので、混合物を45%の水酸化カリウム(KOH)での滴定によって室温で中和した。滴定は7.0のpHが達せられるまで続け、それは約160g及び170gの間の45%KOHの添加を要した。
【0048】
架橋したSAP生成物を次いで、数ガロン(several gallons、5、6ガロンくらい)のメタノールへの中性pHの反応塊の添加によって単離した。得られる架橋したSAP生成物を、混転(タンブル)乾燥機において、1立方インチにつき6.6グラムの密度及び9.1%の水分量を持つ白い、粒状のSAP生成物が形成されるように、乾燥した。SAP生成物の窒素試験はおよそ3.19%の窒素含量を示した。SAP生成物は、水性流体において、その重量の約400及び約500の間の倍率で受け入れ又は吸収し、及び受け入れ又は吸収した水性流体を適当な圧力下に保持する能力を見せた。
(例2.)
【0049】
脱イオン化水(2,000mL)をコーンスターチ(200g; Corn Products #3005、Industrial Starch (インダストリアル スターチ(pearl starch(パールスターチ)))、イリノイ州、ウェストチェスター(Westchester)のCPC International, Inc.(CPCインターナショナル社)によって製造)に対して3-リッターの樹脂ケトルにおいて添加した。組合せ物を、均一な混合物が形成されるまで混合した。次いで、混合物を約185°F及び約190°Fの間にまで加熱ジャケットを用いて加熱した。混合物をこの温度におよそ30分間保ち、その時間で加熱ジャケットを切り、及び混合物を150°Fにまで冷却させた。
【0050】
アクリル酸(200g; 99%の純度; コネチカット州、West HavenのCity Chemical, LLC)を、冷却した混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。次に、アクリルアミド(100g; 99%の純度; コネチカット州、West HavenのCity Chemical LLC社)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。次いで、メチレンビス-アクリルアミド(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度; ウィスコンシン州、MadisonのPromega Corporationによって製造)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。最後に、過硫酸アンモニウム(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度; オレゴン州、SherwoodのCascade Columbia Distribution Co.によって製造)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ170°Fに加熱しながら撹拌した。混合物をその温度で維持し、及びおよそ15分間撹拌した。得られる白い、粘性塊は3.7のpHを持ち、及び粘性塊の小試料の窒素試験は3.58%の窒素含量を示した。
【0051】
得られる粘性塊が酸性であったので、混合物を45%の水酸化カリウム(KOH)での滴定によって室温で中和した。滴定は7.0のpHが達せられるまで続け、それは約160g及び170gの間の45%KOHの添加を要した。
【0052】
架橋したSAP生成物を次いで、数ガロンのメタノールへの中性pHの反応塊の添加によって単離した。得られる架橋したSAP生成物を、混転乾燥機において白い、粒状のSAP生成物が形成されるように乾燥した。SAP生成物は、水性流体において、その重量の約400及び約500の間の倍率で受け入れ又は吸収し、及び受け入れ又は吸収した水性流体を適当な圧力下に保持するする能力を見せた。
(例3.)
【0053】
脱イオン化水(2,000mL)を予備ゼラチン化(pregelatinized)イエロコーンフラワ(200g; #01965-00、イリノイ州、パリ(Paris)のCargill Dry Corn Ingredients, Inc.(カーギル ドライ コーン イングレディエンツ社)によって製造)に対して3-リッターの樹脂ケトルにおいて添加した。組合せ物を、均一な混合物が形成されるまで混合した。アクリル酸(200g; 99%の純度; コネチカット州、West HavenのCity Chemical, LLC)を冷却した混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。次に、アクリルアミド(100g; 99%の純度; コネチカット州、West HavenのCity Chemical LLC社)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。次いで、メチレンビス-アクリルアミド(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度; ウィスコンシン州、MadisonのPromega Corporationによって製造)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌した。最後に、過硫酸アンモニウム(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度; オレゴン州、SherwoodのCascade Columbia Distribution Co.によって製造)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ170°Fに加熱しながら撹拌した。混合物をその温度で維持し、及びおよそ15分間撹拌した。得られる白い、粘性塊は3.7のpHを持ち、及び粘性塊の小試料の窒素試験は3.58%の窒素含量を示した。
【0054】
得られる粘性塊が酸性であったので、混合物を45%の水酸化カリウム(KOH)での滴定によって室温で中和した。滴定は7.0のpHが達せられるまで続け、それには約160g及び170gの間の45%KOHの添加を要した。
【0055】
架橋したSAP生成物を次いで、数ガロンのメタノールへの中性pHの反応塊の添加によって単離した。得られる架橋したSAP生成物を、混転乾燥機において白い、粒状のSAP生成物が形成されるように乾燥した。SAP生成物は、水性流体において、その重量の約400及び約500の間の倍率で受け入れ又は吸収し、及び受け入れ又は吸収した水性流体を適当な圧力下に保持するする能力を見せた。
【0056】
次の例4及び5は、本明細書に記載する方法(方法群)を用いてSAP生成物を形成するのに使用し得る模範的な手法を実証する仮説上の例である。例4及び5は性質上仮説的である一方で、それらは、試験されたか、及び/又は熟慮された実際の実験的設計に基づく。
(例4.)
【0057】
脱イオン化水(2,000mL)をコーンスターチ(200g)に対し3-リッターの樹脂ケトル中に添加する。組合せ物を、均一な混合物が形成されるまで混合する。アクリル酸(200g; 99%の純度)を冷却した混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌する。次に、アクリルアミド(100g; 99%の純度)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌する。次いで、メチレンビス-アクリルアミド(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌する。最後に、過硫酸アンモニウム(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ170°Fに加熱しながら撹拌する。混合物をその温度で維持し、及びおよそ15分間撹拌する。
【0058】
得られる塊を45%の水酸化カリウム(KOH)での滴定によって室温で中和する。滴定は7.0のpHが達せられるまで続ける。次いで、架橋したSAP生成物を混転乾燥機において乾燥する。
(例5.)
【0059】
脱イオン化水(2,000mL)をコーンスターチ(200g)に対し3-リッターの樹脂ケトル中に添加する。組合せ物を、均一な混合物が形成されるまで混合する。アクリル酸(200g; 99%の純度)を冷却した混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌する。次に、アクリルアミド(100g; 99%の純度)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌する。次いで、メチレンビス-アクリルアミド(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ5分間撹拌する。最後に、過硫酸アンモニウム(0.5gを50mLの脱イオン化水中に溶解し; Molecular Grade; 99%の純度)を混合物に添加し、及び得られる混合物をおよそ170°Fに加熱しながら撹拌する。混合物をその温度で維持し、及びおよそ15分間撹拌する。
【0060】
得られる塊を45%の水酸化カリウム(KOH)での滴定によって室温で中和する。滴定は7.0のpHが達せられるまで続ける。中和し架橋した澱粉グラフト共重合体を、次いで、変動性直径(1/16インチから1/4インチまでの間)の孔を持つダイプレートを介して、スクリュ-供給する(screw-fed)。得られる繊維は、除塵剤としてのセルロースを用いて埃を払い、繊維が一緒に粘着するのを妨げる。得られる繊維を、次いで混転乾燥機において乾燥する。
(実験的比較)
【0061】
例1で記載する方法を用いて形成されるSAP生成物の有効性を試験し、及び変動する粒度を持つ種々の代わりのSAP生成物と比較して、及び対照(コントロール)対象物と比較して、分析した。
【0062】
試験を行うための一般的手法は次の通りであった。排水孔を持つ81(エイトワン)-ガロンのプラスチック製ポットが得られた。6種のポット(試料B-E、G、及びH)を、10gの選んだSAP生成物及びおよそ0.5ガロンのサンド(砂)の十分に組み合わせた混合物で充填し; 2種のポット(試料A及びF)を、対照ポットとし、それらを単純な、未処置砂で充填した。ポットの割り当て(AからHまで)は無作為に起こした。砂、むしろ土、生育媒質として選定し、それは砂が植物の生育のための栄養を提供しないからである。試料B-E、G、及びHは次のように形成した:
【0063】
試料Bは、約10から約20までのメッシュの粒度を持ち、及び単量体としてのアクリロニトリル及び澱粉としてのイエロコーンフラワを用いて作製する代わりのSAP生成物を含んだ;
【0064】
試料Cは、例1において記載する方法によって作製し、及び約8から約16までのメッシュの粒度を持つSAP生成物を含んだ;
【0065】
試料Dは、約8メッシュの粒度を持ち、及び単量体としてのアクリロニトリル及び澱粉としてのコーンスターチを用いて作製する別の代わりのSAP生成物を含んだ;
【0066】
試料Eは、約10から約20までのメッシュの粒度を持ち、及び単量体としてのアクリロニトリル及び澱粉としてのイエロコーンフラワ及びコーンスターチの50/50混合物を用いる更に別の代わりのSAP生成物を含んだ;
【0067】
試料Gは、約8メッシュよりも大きな粒度を持ち、及び単量体としてのアクリロニトリル及び澱粉としてのコーンスターチを用いて作製する更に別の代わりのSAP生成物を含んだ; 及び
【0068】
試料Hは、例1に記載する方法によって形成し、及び約20及び約40の間のメッシュの粒度を持つSAP生成物を含んだ。
【0069】
1種の6-インチ-高さのゼラニウム植物を、各々の充填ポットにおいて植えて、各ポットでの最終的な砂のレベルをポットのリムの下でおよそ1-インチであるようにした。およそ2リッターの水を各ポットに添加した; 24時間後、別のおよそ2リッターの水を各ポットに添加した。
【0070】
ポットを、次いで、蛍光光源の下で位置したプラスチック製プールにおいて配置し、光源がゼラニウム植物の頂部上およそ14インチであるようにした。プラスチック製プールを毎日わずかに回し、各ゼラニウム植物が同じ量の光を受け取るのを確からしくした。1週につき1回、更に各ゼラニウム植物が同じ量の光を受け取るのを確からしくするために、植物をプールにおいて再配列した。ゼラニウム植物は追加の水を受け取らず、及び65日間生育可能であった。65日の終わりに、ゼラニウム植物を収穫し、及び次の情報を集めた:
【0071】
【表1】

【0072】
図1は試料の高さの比較を表すグラフであり、そこではx-軸が各試料であり、及びy-軸がインチでの高さである。各植物の高さは砂の頂部から植物の最も高い点の頂部までで測定する。図2は試料の幅の比較を表すグラフであり、そこではx-軸が試料の同一性であり、及びy-軸がインチでの試料の幅である。各植物の幅は植物の最も広い点からどちら側でも測定される。図3は試料の質量の比較を表すグラフであり、そこではx-軸が試料の同一性であり、及びy-軸がグラムでの各試料の質量である。質量には全体の植物(根、茎、及び葉)の質量が含まれる。
【0073】
図1から3は、試料Eが、約10から約20までのメッシュの粒度を持ち、及び単量体としてのアクリロニトリル及び澱粉としてのイエロコーンフラワ及びコーンスターチの50/50混合物を用いる、代わりのSAP生成物を含み、最も大きな全体的な質量(67.6g)を持つ。しかし、試料C及びHは、実施例1に記載する方法によって形成するSAP生成物を双方共に含み、第2の最大の全体的な質量を分け合った。興味深いことに、試料C及びHについて用いる変動する粒度に基づく全体的な質量において顕著な相違がなかった。最も重要なことに、試料C及びHは双方共に対照試料(A及びF)と比べて十分な生育を示した。
【0074】
この技術における熟練を持つ者にとって、上述の具体例の詳細に対して多くの変化を与え得ることは明らかである。さらに、本明細書に開示する方法は、記載した方法を行うための1又はそれよりも多い種類の工程を備える。方法の工程及び/又は作用は互いに交換することができる。言い換えれば、特定の順序の工程又は作用が具体例の妥当な操作に求められなければ、特定の工程及び/又は作用の順序及び/又は使用を、次の特許請求の範囲に請求するような発明の範囲から逸脱することなく、修飾することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】試料の高さの比較を描写するグラフである。
【図2】試料の幅の比較を描写するグラフである。
【図3】試料の質量の比較を描写するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超吸収性重合体生成物であって:
多糖体; 及び
多糖体上で開始剤の存在においてグラフト重合し、多糖体グラフト重合体を形成する単量体を備え;
多糖体グラフト重合体が架橋され、及び更にアルコール-フリー環境において分離される生成物。
【請求項2】
単量体が次の: アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホン酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸カリウム、及びその誘導体及び混合物の少なくとも1種である、請求項1の超吸収性重合体生成物。
【請求項3】
単量体がアクリル酸及びアクリルアミドの混合物である、請求項1の超吸収性重合体生成物。
【請求項4】
混合物が約2又はそれよりも多い重量部のアクリル酸対約1重量部のアクリルアミドのものである請求項3の超吸収性重合体生成物。
【請求項5】
単量体が2-アクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホン酸及びその誘導体である、請求項1の超吸収性重合体生成物。
【請求項6】
多糖体が澱粉である、請求項1の超吸収性重合体生成物。
【請求項7】
澱粉が次の: コーンスターチ、蝋様トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、ジャガイモ澱粉、デキストリン澱粉、デキストラン澱粉、コーンミール、ユッカルート、オートフラワ、バナナフラワ、及びタピオカフラワの少なくとも1種である、請求項6の超吸収性重合体生成物。
【請求項8】
澱粉対単量体の重量比が、約1:1及び約1:6の間の範囲にある、請求項6の超吸収性重合体生成物。
【請求項9】
開始剤が過硫酸アンモニウムである、請求項1の超吸収性重合体生成物。
【請求項10】
開始剤が次の: セリウム(+4)の塩、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、鉄(II)過酸化物、硫酸アンモニウム鉄(II)-過酸化水素、L-アスコルビン酸、及び過マンガン酸カリウム-アスコルビン酸の少なくとも1種である、請求項1の超吸収性重合体生成物。
【請求項11】
超吸収性重合体を調製するための方法であって:
単量体を澱粉上で開始剤の存在においてグラフト重合させ、澱粉グラフト共重合体を形成する工程;
澱粉グラフト共重合体を架橋する工程; 及び
澱粉グラフト共重合体をアルコール-フリー環境において分離する工程
を備える方法。
【請求項12】
澱粉グラフト共重合体を乾燥する工程を更に備える、請求項11の方法。
【請求項13】
澱粉グラフト共重合体のpHを調整する工程を更に備える、請求項11の方法。
【請求項14】
pHを約6.0から約8.0までの範囲内に調整する、請求項13の方法。
【請求項15】
澱粉グラフト共重合体を分離する工程が澱粉グラフト共重合体を顆粒化する工程を備える、請求項11の方法。
【請求項16】
澱粉グラフト共重合体を分離する工程が澱粉グラフト共重合体を押出す工程を備える、請求項11の方法。
【請求項17】
澱粉グラフト共重合体を分離する工程が澱粉グラフト共重合体を小球化する工程を備える、請求項11の方法。
【請求項18】
澱粉グラフト共重合体を分離する工程が澱粉グラフト共重合体を乾燥する工程を備える、請求項11の方法。
【請求項19】
単量体がアクリル酸及びアクリルアミドの混合物である、請求項11の方法。
【請求項20】
単量体が次の: アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホン酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸カリウム、及びその誘導体及び混合物の少なくとも1種である、請求項11の方法。
【請求項21】
澱粉グラフト共重合体を架橋する工程が架橋剤を添加する工程を備える、請求項11の方法。
【請求項22】
農学的適用用の超吸収性重合体生成物を調製するための方法であって:
アクリル酸及びアクリルアミドの混合物を澱粉上で開始剤の存在においてグラフト重合させ、澱粉グラフト共重合体を形成する工程;
架橋剤を添加し、架橋した澱粉グラフト共重合体を形成する工程;
架橋した澱粉グラフト共重合体のpHを約6.0から約8.0までのpH範囲内に調整する工程; 及び
超吸収性重合体生成物を、架橋した澱粉グラフト共重合体の乾燥又は押出を介して分離する工程
を備える方法。
【請求項23】
超吸収性重合体生成物を用いる方法であって:
アルコール-フリー環境において分離される架橋した澱粉グラフト共重合体生成物を得る工程; 及び
架橋した澱粉グラフト共重合体生成物を農学的媒質に対して適用し、植物の生育を高める工程
を備える方法。
【請求項24】
架橋した澱粉グラフト共重合体生成物を農学的媒質に対して適用する工程が、架橋した澱粉グラフト共重合体生成物を土壌に対し適用する工程を備える、請求項23の方法。
【請求項25】
架橋した澱粉グラフト共重合体生成物を農学的媒質に対して適用する工程が、架橋した澱粉グラフト共重合体で種子を被覆する工程を備える、請求項23の方法。
【請求項26】
架橋した澱粉グラフト共重合体生成物を農学的媒質に対して適用する工程が、顆粒化した架橋澱粉グラフト共重合体で植物の根を被覆する工程を備える、請求項23の方法。
【請求項27】
架橋した澱粉グラフト共重合体生成物のスラリを、溶媒を用いて形成する工程を更に含み、そこで、架橋した澱粉グラフト共重合体生成物を農学的媒質に対して適用する工程が、スラリを次の: 植物、根、種子、実生、及び土壌の少なくとも1種に適用する工程を備える、請求項23の方法。
【請求項28】
架橋した澱粉グラフト共重合体生成物が、アクリル酸及びアクリルアミドの混合物を備え、それが澱粉上でグラフト重合される、請求項23の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2008−511726(P2008−511726A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530147(P2007−530147)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/030361
【国際公開番号】WO2006/026406
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(507061731)アブゾーバント テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【出願人】(507061720)ディーツー ポリマー テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】