説明

農業用作業機

【課題】 片側ナイフ体ユニットの土壌の内層への食い込み掘削動作に伴う問題解決を、トラクタを停止することなく解決する。
【解決手段】 トラクタ1に牽引される支持フレーム11の連結部13を挟むナイフ体ユニット12を付設した左右両側の第1部位11Lと第2部位11Rを昇降動作させる第1掘削深さ調整駆動機構24と第2掘削深さ調整駆動機構25とこれらの機構を同期させて第1部位11Lと第2部位11Rを同一ストロークで同時に昇降動作させる同期調整機構23とからなる掘削深さ調整機構22を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタに牽引されて用いられる農業用作業機に関し、さらに詳しくはトラクタに牽引されて走行する支持フレームに複数のナイフ体ユニットを付設し、これらナイフ体ユニットにより土壌を掘削して掘り起こし作業を施すサブソイラ等の農業用作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
圃場は、休耕、永年使用によるトラクタ等の踏圧、ロータリ耕耘機の使用による盤の形成、雨水の浸透による土壌の自然硬化の進行等により、硬化した土壌層が表面層だけではなく次第に内層まで成長しがちである。例えば、牧草地では、牛などの家畜による踏圧により硬い層が次第に成長し牧草の根の張りを阻害してしまう結果となる。
【0003】
圃場においては、例えばロータリ耕耘機による土壌の掘り起こし作業を施すことによって見かけ上の作土層を形成することが可能であるが、作土層の内層には硬い層が残ったままとなっている。硬化層は、透水性が著しく悪く(透水性が劣り)、通気性も悪いことから、雨水を地中の奥深くまで浸透させず、また少しの雨でも表面に滞水させる。圃場は、このために作土層が流出し、或いは作物に根腐れを生じさせていた。圃場は、硬化層により根の成長を妨げて収穫量を低下させるといった問題を生じさせる。
【0004】
したがって、圃場においては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されるトラクタに牽引されて走行するサブソイラによる土壌の掘り起こし作業が施される。サブソイラは、支持フレームに複数のナイフ体ユニットを付設し、これらナイフ体ユニットが土壌を掘削して掘り起こしを行う。圃場においては、サブソイラによる土壌の掘り起こし作業によって、表面側の作土層や硬化層ばかりでなく内層の心土層まで掘り起こして破砕が行われて土壌の透水性や通気性の回復が図られる。
【0005】
このサブソイラによる土壌の掘り起こし作業は、できるだけ深い位置の心土層まで土壌の掘り起こしを行って破砕することが効果的であるが、深い位置まで土壌の掘り起こしを行うことによりサブソイラを牽引するトラクタの負荷が増大する。サブソイラは、トラクタの負荷を低減して効率的な土壌の掘り起こしを可能とするために、上述した特許文献で提案されるように様々な対応が図られている。サブソイラは、例えばナイフ体ユニットのナイフ形状を改良した対応も図られる。しかしながら、かかる対応も、特に火山灰土壌の掘り起こし作業では、土壌がナイフに対してまるで粘土細工のように付着し、さらにこの土壌が他の土壌をを呼び込んで棒状となって走行抵抗を大きくすることによりしばしば作業を中断しなければならないといった問題があった。
【0006】
また、サブソイラにおいては、トラクタの牽引負荷を低減する対応も図られている(例えば、特許文献3を参照。)。かかる対応を図ったサブソイラは、ナイフ体ユニットのチゼル(ナイフ)の先端部がトラクタの駆動輪の軸下近くになるようにして設置することにより、トラクタの重心位置を下げて駆動輪の設置圧が大きくなるようにすることでトラクタにおいて大きな駆動力が作用されるようにする。なお、この先願サブソイラにおいては、最前の掘削体(ナイフ体ユニット)を上方へと持ち上げるようにしてリフトさせるシリンダを備え、このシリンダが複数個の掘削反転体のリフトを地面に対して同時に平行な状態とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4064807号公報
【特許文献2】特許第4142799号公報
【特許文献3】特開2005−6613公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
サブソイラは、一般に複数のナイフ体ユニットを付設する支持フレームが、トラクタの後輪トレッドよりも長尺の部材であり、中央部位に設けた連結部をトラクタの牽引部と連結される。サブソイラは、支持フレームが、連結部を挟む左右両側部位を左右後輪に対してそれぞれ側方へと突出した状態でトラクタに牽引される。サブソイラは、支持フレームの左右両側部位にそれぞれナイフ体ユニットを付設し、これらナイフ体ユニットによって後輪トレッドの両側に沿って土壌を溝状に掘削して掘り起こしを行う。
【0009】
ところで、サブソイラによる土壌の掘り起こし作業においては、圃場の状態が一様では無いことから、支持フレームの左右両側部位にそれぞれ付設したナイフ体ユニットによる土壌の掘削状態に差異が生じる。すなわち、サブソイラにおいては、複数のナイフ体ユニットが、土質が柔らかな領域では次第に地中深く内層へと食い込みながら掘削動作を行うとともに土質が硬い領域では内層へと食い込む掘削動作が行われない。サブソイラにおいては、トラクタの走行に伴って左右ナイフ体ユニットの掘削深さが次第に大きくなる。
【0010】
サブソイラにおいては、このために土壌の掘り起こしを均一に行い得ないといった問題があった。サブソイラにおいては、一方側のナイフ体ユニットの掘削深さが次第に大きくなってトラクタに対して一方側の牽引負荷を大きくすることにより、直進性を保てなくさせるとともに作業を中断となければならない事態が生じることもあった。サブソイラにおいては、一方側の牽引負荷が次第に大きくなりことにより、トラクタが直進できなくなるといった問題があった。サブソイラにおいては、トラクタの走行停止操作とナイフ体ユニットの引き上げ操作により土壌の掘り起こし作業の作業効率を大幅に低下させるといった問題があった。
【0011】
サブソイラにおいては、上述したようにナイフ体ユニットのナイフの形状や支持フレームに対する支持構造等の改良によりトラクタの牽引負荷を軽減して効率的な土壌の掘削を行う対応が図られている。しかしながら、サブソイラにおいては、かかる対応によっては上述した片側ナイフ体ユニットの内層への食い込み掘削動作に伴う問題の解決を図ることができなかった。サブソイラにおいては、例えばナイフ体ユニットの両側にゲージ輪を設ける対応が図られる。
【0012】
したがって、本発明は、従来のサブソイラやトラクタの基本的な構造の変更を不要とする簡易な構造であり、上述した片側ナイフ体ユニットの内層への食い込み掘削動作に伴う問題の解決を図るサブソイラ等の農業用作業機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成する本発明に係る農業用作業機は、トラクタに牽引されて走行する支持フレームに複数のナイフ体ユニットを付設し、これらナイフ体ユニットが土壌を掘削して掘り起こし作業を施す。農業用作業機は、中央部位に設けた連結部をトラクタの牽引部と連結することによりトラクタに牽引される支持フレームを備える。農業用作業機は、支持フレームの連結部を挟む左右両側の第1部位と第2部位を同一ストロークで同時に昇降動作させる掘削深さ調整機構を備える。
【0014】
農業用作業機は、支持フレームがトラクタの後輪トレッドよりも長尺の部材であり、連結部を挟む左右両側の第1部位及び第2部位が左右後輪に対してそれぞれ側方へと突出した状態でトラクタに牽引される。農業用作業機は、掘削深さ調整機構が、支持フレームの第1部位を昇降動作させる第1掘削深さ調整駆動機構と、支持フレームの第2部位を昇降動作させる第2掘削深さ調整駆動機構と、これら第1掘削深さ調整駆動機構と第2掘削深さ調整駆動機構を連結してその昇降動作が同一ストロークで同時に行われるようにする同期調整機構とから構成する。
【0015】
以上のように構成した農業用作業機においては、トラクタの走行に伴って支持フレームの第1部位と第2部位に付設したナイフ体ユニットが左右後輪のトレッドの外側に沿って土壌を掘削して内層土の掘り起こしを行う。農業用作業機においては、土質の状態等によって第1部位と第2部位に付設したナイフ体ユニットの掘削深さに差異が生じてトラクタの牽引負荷が左右で異なる状態となり、支持フレームばかりでなくトラクタにも傾きを発生させる。農業用作業機においては、掘削深さ調整機構を作動させることにより第1掘削深さ調整駆動機構による第1部位の昇降動作と第2掘削深さ調整駆動機構による第2部位の昇降動作が同時に行われる。農業用作業機においては、この第1部位と第2部位の昇降動作により異なった負荷の調整が行われ、トラクタの走行に伴って第1部位と第2部位に付設したナイフ体ユニットが初期に設定した深さ位置で土壌の掘削を行うことにより支持フレームが水平状態となって安定かつ効率的な土壌の掘削・掘り起こし作業が行われるようにする。農業用作業機においては、トラクタの停止操作と支持フレームの姿勢調整操作等を不要とするとともに、トラクタを安定した状態で走行させることが可能である。
【0016】
本発明に係る農業用作業機は、トラクタの左右後輪から側方に突出する支持フレームの第1部位及び第2部位にそれぞれ付設され、トラクタの走行にしたがって従動回転することにより第1部位と第2部位を所定の高さ位置に保持して支持フレームを走行させる左右一対の第1走行車輪体及び第2走行車輪体を備えてもよい。農業用作業機においては、第1走行車輪体と第2走行車輪体が掘削深さの基準ホイールとして機能し、また掘削深さ調整機構の第1掘削深さ調整駆動機構と第2掘削深さ調整駆動機構によって支持フレームの第1部位と第2部位の同一ストロークによる昇降動作が同時に行われる。
【0017】
また、本発明に係る農業用作業機は、掘削深さ調整機構が、第1掘削深さ調整機構に第1調整油圧シリンダを備え、第2掘削深さ調整機構に第2調整油圧シリンダを備え、同期調整機構に同期油圧シリンダを備えて構成してもよい。掘削深さ調整機構は、第1掘削深さ調整機構が、第1調整油圧シリンダをトラクタ側の作動油供給部と接続し、この作動油供給部から供給される作動油により第1ピストンロッドを駆動して第1走行車輪体の支持部に対して支持フレームの第1部位を昇降動作させる。掘削深さ調整機構は、第2掘削深さ調整機構が、第2調整油圧シリンダをトラクタ側の作動油供給部と接続し、この作動油供給部から供給される作動油により第2ピストンロッドを駆動して第2走行車輪体の支持部に対して支持フレームの第2部位を昇降動作させる。掘削深さ調整機構は、同期調整機構が、同期油圧シリンダを第1掘削深さ調整機構の第1調整油圧シリンダと第2掘削深さ調整機構の第2調整油圧シリンダと連結し、第1ピストンロッドと第2ピストンロッドを同方向に駆動させる。
【0018】
さらに、本発明に係る農業用作業機は、掘削深さ調整機構に、第1掘削深さ調整機構と第2掘削深さ調整機構のトラクタ側の作動油供給部との接続部に作動油量を調整する供給弁機構を設けてもよい。掘削深さ調整機構は、供給弁機構により第1掘削深さ調整機構の第1調整油圧シリンダと第2掘削深さ調整機構の第2調整油圧シリンダに供給する作動油量を調整することにより、支持フレームの昇降動作量を規定する。
【0019】
さらにまた、本発明に係る農業用作業機は、掘削深さ調整機構の同期調整機構に、第1掘削深さ調整機構側の第1調整油圧シリンダから供給される作動油量と第2掘削深さ調整機構側の第2調整油圧シリンダから供給される作動油量の差により動作する調整ピストンロッドと、この調整ピストンロッドの最大移動量を規定する移動量規定機構を設けてもよい。同期調整機構は、調整ピストンロッドの最大移動量を規定することによって、支持フレームの昇降動作量を規定する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る農業用作業機は、中央部に設けた連結部を牽引部と連結することによりトラクタに牽引される支持フレームの連結部を挟んで左右後輪に対してそれぞれ側方へと突出するとともにそれぞれナイフ体ユニットを付設した左右両側の第1部位及び第2部位に大きな傾きが生じた場合でも掘削深さ調整機構によりナイフ体ユニットを同時に昇降動作させてトラクタの牽引負荷が低減されるようにする。農業用作業機によれば、土質の状態等によって第1部位と第2部位に付設したナイフ体ユニットの掘削深さに差異が生じることによるトラクタに対する左右の負荷の差異或いは負荷の増大を低減することを可能とする。農業用作業機によれば、トラクタの走行に伴って支持フレームが水平状態となり安定かつ効率的な土壌の掘削・掘り起こし作業を行うことを可能とする。農業用作業機によれば、過大負荷によるトラクタの停止操作と支持フレームの姿勢調整操作等を不要とし、トラクタを安定した状態で走行させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る農業用作業機の実施の形態として示すサブソイラをトラクタに連結した状態の概略構成図である。
【図2】同サブソイラの基本構成を示す概略平面図である。
【図3】同サブソイラの側面図である。
【図4】同サブソイラに備える掘削深さ調整機構の油圧回路図である。
【図5】掘削深さ調整機構の動作説明図である。
【図6】同掘削深さ調整機構を構成する同期調整機構の要部斜視図である。
【図7】第2の実施の形態として示す掘削深さ調整機構の深さ調整油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る農業用作業機の実施の形態として図面に示したサブソイラ10について、以下詳細に説明する。サブソイラ10は、従来のサブソイラと基本的な構成を同様としており、図1に示すようにトラクタ1に牽引されて走行しながら圃場等の土壌を表面の作土層や硬化層ばかりでなく内層の心土層まで掘削して掘り起こしを行い、破砕することよりて土壌の透水性や通気性の回復を図る。なお、本発明は、サブソイラ10に限定されず、土壌の掘削機能を有する各種の農業用作業機にも展開されることは勿論である。
【0023】
サブソイラ10を牽引するトラクタ1は、既存の各種トラクタが用いられ、左右の後輪2L、2R(後輪2)間に配置されてサブソイラ10を連結して牽引する牽引部3が設けられる。トラクタ1は、牽引部3が詳細を省略するが牽引するサブソイラ10との間で3点リンク連結機構を構成するアッパリンク4とロアリンク5を有し、サブソイラ10を上下、左右方向に揺動自在に連結して牽引する。トラクタ1は、ロアリンク5を昇降動作させるリフト機構を有し、サブソイラ10の連結、離脱が行われるようにする。
【0024】
また、トラクタ1は、詳細を省略するがサブソイラ10を牽引して後述するように土壌の掘り起こし作業等を行っている際にサブソイラ10側から作用される大きな負荷による駆動輪のスリップ発生を検出するスリップ検出機能を備えている。トラクタ1は、スリップ検出機能が、左右いずれかに生じたスリップを検出する機能や駆動輪に作用される負荷量を検出する機能等を有する。さらに、トラクタ1は、牽引する各種機器に対してそれぞれの搭載機能の駆動源として電源の供給とともに、作動油を供給する作動油供給部6(図4)を有している。トラクタ1は、作動油供給部6からサブソイラ10に対して詳細を後述する掘削深さ調整機構22の駆動源として作動油を供給する。
【0025】
作動油供給部6は、詳細を省略するがトラクタ1側に設けられた左右駆動輪のスリップ検出手段から出力される検出信号に基づいて作動油供給弁機構7によるサブソイラ10への作動油の供給量を調整する。なお、作動油供給部6は、スリップ検出手段から出力される検出信号による作動油供給弁機構7の制御操作に限定されず、例えば左右駆動輪のスリップ状態を確認した運転者による手動操作により作動油供給弁機構7が制御されるようにしてもよい。
【0026】
サブソイラ10は、図1及び図2に示すように、掘削手段を構成する5個のナイフ体ユニット12A乃至12E(ナイフ体ユニット12)を付設した支持フレーム11と、トラクタ1の牽引部3に連結される連結部13と、梁アーム14等の部材によりフレーム体を構成する。サブソイラ10は、トラクタ1に牽引されてナイフ体ユニット12により比較的広範囲に亘って土壌の掘削を行う。
【0027】
支持フレーム11は、後述する掘削深さ調整機構22を設置する部位以外の基本的な構成を従来のサブソイラの支持フレームと同等とする。支持フレーム11は、機械的強度が大きな角パイプの鋼材等によりトラクタ1の後輪トレッドよりも長尺の部材として形成される。支持フレーム11は、図2に示すように、連結部13に連結される中央部11Cを頂点として、この中央部11Cを挟む両側の第1部位11L(走行方向に対して左側となる部位)と第2部位11R(走行方向に対して右側となる部位)が走行方向に対して次第に後方側に向かって後退する後退翼形状を呈した形状となっている。なお、支持フレーム11は、かかる後退翼形状に限定されないことは勿論であり、例えば直線状の部材であってもよい。
【0028】
支持フレーム11は、図2及び図3に示すように第1部位11Lと第2部位11Rとの間に梁アーム14を支架することにより、大きな機械的強度に保持される。梁アーム14は、後述するように掘削深さ調整機構22を構成する同期調整機構23の取付部位としても機能する。
【0029】
支持フレーム11には、従来のサブソイラと同等のナイフ体付設機構を介してナイフ体ユニット12が着脱自在に付設される。支持フレーム11は、上述した形状によりナイフ体ユニット12がトラクタ1に対して支障の無い位置において掘り起こし作業を施すようにする。支持フレーム11には、図2に示すように、中央部11Cに位置して1個のナイフ体ユニット12Cが着脱自在に付設される。支持フレーム11には、第1部位11Lに長さ方向に並んで2個のナイフ体ユニット12A及び12Bがそれぞれ着脱自在に付設される。支持フレーム11には、第2部位11Rに長さ方向に並んで2個のナイフ体ユニット12D及び12Eがそれぞれ着脱自在に付設される。
【0030】
ナイフ体付設機構は、詳細を省略するが、支持フレーム11に固定されてナイフ体ユニット12をそれぞれ取り付けるホルダ部材を有している。ナイフ体付設機構は、ホルダ部材を介してナイフ体ユニット12が走行方向に対して互いに平行な状態で支持フレーム11に付設されるようにする。ナイフ体ユニット12は、それぞれが略円弧状に形成されて基端部をナイフ体付設機構に取り付けられるナイフビームと、このナイフビームの先端に固定されたチゼルとから構成される。ナイフ体ユニット12には、チゼルを挟むようにして掘削した土壌を側方へと押し退けるウィング等の部材を設けてもよく、また掘削効率を向上させる適宜の部材を設けたものであってもよいことは勿論である。
【0031】
ナイフ体付設機構は、図1及び図3に示すようにナイフビームを支持フレーム11に固定されたホルダ部材に対して先端側をトラクタ1側に向かって突出されるようにして取り付ける。ナイフ体付設機構は、支持フレーム11に対してホルダ部材が例えばボルトを着脱することにより着脱自在とする。ナイフ体ユニット12は、ホルダ部材に対してナイフビームもボルトの着脱により着脱自在とする。したがって、ナイフ体ユニット12は、支持フレーム11に対し着脱することにより、保守等の対応や掘削溝数の設定等が図られるようにする。
【0032】
なお、ナイフ体付設機構は、説明の便宜上ホルダ部材を支持フレーム11に取り付ける構造として説明したが、かかる構成に限定されないことは勿論である。ナイフ体付設機構は、支持フレーム11にナイフ体付設部材を取り付け、このナイフ体付設部材を介してナイフ体ユニット12を付設する構造であってもよいことは勿論である。
【0033】
連結部13は、図1乃至図3に概略構造を示すように、支持フレーム11と連結されるマストビーム15と、このマストビーム15に一体に設けたマスト16と、マストビーム15側に設けたロア連結ユニット17と、マスト16側に設けたアッパ連結ユニット18等の部材により構成される。なお、連結部13については、かかる構成に限定されないことは勿論であり、トラクタに対してサブソイラを3点リンク連結機構を構成して連結する従来周知の適宜の連結構造であってもよいことは勿論である。
【0034】
連結部13は、図3に示すようにマストビーム15が、支持フレーム11に対して略同一面を構成してその中央部11Cと直交するようにして一体化される。マストビーム15には、両端側に左右一対のロア連結ユニット17L、17Rが設けられる。ロア連結ユニット17は、詳細を省略するがマストビーム15に対して揺動自在に取り付けた可動プレートや連結ピン等を有し、トラクタ1側のロアリンク5に対して着脱自在にリンク結合される。
【0035】
連結部13は、マスト16が、マストビーム15の中央部位から前方(トラクタ側)に向かって突出した状態で基端部を固定され、先端部にアッパ連結ユニット18が設けられる。アッパ連結ユニット18も、詳細を省略するがマスト16に対して揺動自在に取り付けた可動プレートや連結ピン等を有し、トラクタ1側のアッパリンク4に対して着脱自在にリンク結合される。連結部13は、ロア連結ユニット17及びアッパ連結ユニット18がトラクタ1側のロアリンク5及びアッパリンク4と共同して3点リンク連結機構を構成する。
【0036】
サブソイラ10には、支持フレーム11に走行車輪体(ゲージホイール)19が付設され、この走行車輪体19により移動することが可能であるとともに、トラクタ1に連結した状態でその走行にしたがって従動回転することにより牽引走行される。走行車輪体19は、図2に示すように支持フレーム11の第1部位側11L側に付設される第1走行車輪体19Lと、第2部位側11R側に付設される第2走行車輪体19Rの左右一対により構成される。
【0037】
走行車輪体19は、支持部を構成するハブ20と、このハブ20に取り付けられた車輪21とを備える。走行車輪体19は、詳細を省略するが第1走行車輪体19Lが、ハブ20Lにより一対の車輪21LL、21LRを回転自在に支持してなる。走行車輪体19は、同様に第2走行車輪体19Rが、詳細を省略するがハブ20Rにより一対の車輪21RL、21RRを回転自在に支持しなる。走行車輪体19は、ハブ20が後述する掘削深さ調整機構22を構成する同期調整機構23を介して支持フレーム11に対して回動自在に支持される。走行車輪体19は、サブソイラ10の走行機能とともに、ナイフ体ユニット12による土壌の掘削深さを規定する基準体機能を奏する。
【0038】
サブソイラ10は、掘削深さ調整機構22によって、支持フレーム11と走行車輪体19の高さ位置を設定することによりナイフ体ユニット12による土壌の掘削深さを設定する。また、サブソイラ10は、深さ調整機構22によって、掘削時において支持フレーム11の第1部位11L側のナイフ体ユニット12による掘削状態と第2部位11R側のナイフ体ユニット12による掘削状態に差異が生じた場合に、その調整が行われるようにする。
【0039】
深さ調整機構22は、支持フレーム11に対する左右の走行車輪体19の高さ位置の調整、すなわち第1部位11L側と第2部位11R側との深さ調整を行う際の左右の調整動作を同期させる同期調整機構23を備える。深さ調整機構22は、支持フレーム11の第1部位11L側を個別に昇降動作させる第1掘削深さ調整駆動機構24と、支持フレーム11の第2部位11Rを個別に昇降動作させる第2掘削深さ調整駆動機構25を備える。深さ調整機構22は、トラクタ1側の作動油供給部6と接続されて作動油を供給される図4に示す深さ調整油圧回路26を備える。
【0040】
深さ調整油圧回路26は、図4に示すようにトラクタ1側の作動油供給部6と接続される接続部27と、同期調整機構23に備える同期油圧シリンダ28と、第1掘削深さ調整駆動機構24に備える第1駆動油圧シリンダ29と、第2掘削深さ調整駆動機構25に備える第2駆動油圧シリンダ30とから構成される。深さ調整油圧回路26は、同期油圧シリンダ28と第1駆動油圧シリンダ29と第2駆動油圧シリンダ30が、後述するようにシリンダ空間部の両側に作動油の供給部を設け、これら供給部からシリンダ空間部への作動油の供給、排出を切り換えることによりピストンを往復動作させるいわゆる複動型油圧シリンダが用いられる。
【0041】
深さ調整油圧回路26は、第1掘削深さ調整駆動機構24の第1駆動油圧シリンダ29と第2掘削深さ調整駆動機構25の第2駆動油圧シリンダ30が接続部27を介してトラクタ1側の作動油供給部6から作動油の供給を受ける。深さ調整油圧回路26は、同期調整機構23の同期油圧シリンダ28に対して第1駆動油圧シリンダ29と第2駆動油圧シリンダ30がそれぞれ独立して接続される。深さ調整油圧回路26は、同期油圧シリンダ28が、個別に動作する第1駆動油圧シリンダ29と第2駆動油圧シリンダ30とを連動させて第1掘削深さ調整駆動機構24と第2掘削深さ調整駆動機構25の動作が同期して行われるようにする。
【0042】
深さ調整油圧回路26は、接続部27が、詳細を省略するがトラクタ1側の作動油供給部6に着脱されるコネクタ機構と、第1駆動油圧シリンダ29への作動油供給の開閉動作を行う第1開閉弁27Lと第2駆動油圧シリンダ30への作動油供給の開閉動作を行う第2開閉弁27Rとから構成される。深さ調整油圧回路26は、トラクタ1側の作動油供給弁機構7により動作制御が行われる。
【0043】
深さ調整油圧回路26は、詳細を後述するが、例えば第1開閉弁27Lが動作して第1駆動油圧シリンダ29への作動油の供給が行われることにより、同期油圧シリンダ28を介して第2駆動油圧シリンダ30が所定の動作を行うようにする。深さ調整油圧回路26は、同様にして第2開閉弁27Rが動作して第2駆動油圧シリンダ30への作動油の供給が行われることにより、同期油圧シリンダ28を介して第1駆動油圧シリンダ29が所定の動作を行うようにする。
【0044】
なお、第1開閉弁27L及び第2開閉弁27Rについては、例えば開放操作を行うことによりトラクタ1側からの作動油の供給が行われるようにするとともに、深さ調整油圧回路26側からの作動油の還流は開閉操作を不要とする。すなわち、第1開閉弁27L及び第2開閉弁27Rには、一方向開閉弁が用いられる。
【0045】
深さ調整機構22は、上述した深さ調整油圧回路26により同期調整機構23が個別に動作する第1掘削深さ調整駆動機構24と第2掘削深さ調整駆動機構25による調整動作が同期して行われるようにする。同期調整機構23は、同期油圧シリンダ28が、図2及び図4に示すように梁アーム14に設置される。同期油圧シリンダ28は、図4に示すように同期シリンダ空間部31の両側に作動油を選択的に供給する作動油供給部32(32L、32R)を設け、これら作動油供給部32からの作動油の供給を切り換えることにより同期シリンダ空間部31内において同期ピストン33を往復動作させる。
【0046】
同期油圧シリンダ28は、同期シリンダ空間部31が、同期ピストン33によって可変空間部である第1同期シリンダ空間部31Lと第2同期シリンダ空間部31Rとに区分される。同期油圧シリンダ28は、第1同期シリンダ空間部31Lが作動油供給部32Lを介して第1掘削深さ調整駆動機構24側と接続されるとともに、第2同期シリンダ空間部31Rが作動油供給部32Rを介して第2掘削深さ調整駆動機構25側と接続される。
【0047】
同期油圧シリンダ28においては、例えば作動油供給部32Lから第1同期シリンダ空間部31L内に作動油が供給されることにより、同期ピストン33が図4に示すように右側へと移動する。同期油圧シリンダ28においては、作動油供給部32Rから第2同期シリンダ空間部31R内に作動油が供給されることにより、同期ピストン33が同図において左側へと移動する。
【0048】
同期調整機構23は、図4に示すように同期油圧シリンダ28の同期シリンダ空間部31内を往復動作する同期ピストン33に設けたピストンロッド33Aの一端部が第1同期シリンダ空間部31Lから突出される。同期調整機構23は、梁アーム14にピストンロッド33Aの先端部に対向して所定の間隔を以ってストッパ機構42を設ける。ストッパ機構42は、例えば梁アーム14に同期油圧シリンダ28と対向して立設したブラケットと、このブラケットにネジ込まれピストンロッド33Aに対して接離される調整ネジにより構成する。ストッパ機構42は、調整ネジのねじ込み量によりピストンロッド33Aとの対向間隔を調整して深さ調整機構22による深さ調整量を規定する。
【0049】
同期調整機構23においては、上述したように第2掘削深さ調整駆動機構25側から作動油供給部32Rを介して第2同期シリンダ空間部31R内に作動油が供給されて同期ピストン33が移動すると、ピストンロッド33Aが同期油圧シリンダ28から突出する。同期調整機構23においては、ストッパ機構42が、ピストンロッド33Aの同期油圧シリンダ28からの突出量、換言すれば同期ピストン33の移動量を制限する。さらに、同期調整機構23においては、ストッパ機構42が、第2掘削深さ調整駆動機構25側から供給される作動油の供給量を制限する。同期調整機構23においては、上述したストッパ機構により、後述する作動油供給弁機構7の開閉操作による作動油の供給量、すなわち支持フレーム11の昇降動作量が制限されるようにする。
【0050】
なお、同期調整機構23においては、同期ピストン33が第2同期シリンダ空間部31R側の内壁に突き当たることにより、第1掘削深さ調整駆動機構24側から供給される作動油の供給量を制限する。同期調整機構23は、ピストンロッド33Aの一端部を第1同期シリンダ空間部31Lから突出させたが、第2同期シリンダ空間部31R側から突出させるとともにその先端部に対向してストッパを設けるようにしてもよい。
【0051】
第1掘削深さ調整駆動機構24は、後述するように第1走行車輪体19Lに対して支持フレーム11の第1部位11Lを昇降駆動させる。第1掘削深さ調整駆動機構24は、第1駆動油圧シリンダ29を、図3に示すようにその一方部位を支持フレーム11の第1部位11Lに設けた第1取付部34Lに取り付ける。第1駆動油圧シリンダ29も、第1駆動シリンダ空間部35が第1駆動ピストン36により、可変空間部である第1シリンダ空間部35Lと第2シリンダ空間部35Rとに区分される。第1駆動油圧シリンダ29も、第1シリンダ空間部35L側に作動油供給部37Lを設けるとともに第2シリンダ空間部35R側に作動油供給部37Rを設ける。
【0052】
第1駆動油圧シリンダ29は、第1駆動シリンダ空間部35が、第1シリンダ空間部35Lを、作動油供給部37L−作動油パイプ38A−作動油供給部32Lのルートにより同期油圧シリンダ28の第1同期シリンダ空間部31Lと連結する。第1駆動油圧シリンダ29は、第1駆動シリンダ空間部35が、第2シリンダ空間部35Rを、作動油供給部37R−作動油パイプ38B−接続部27の第1開閉弁27Lのルートによりトラクタ1の作動油供給部6と連結する。第1駆動油圧シリンダ29は、第1駆動シリンダ空間部35内を往復移動する第1駆動ピストン36に設けたピストンロッド36Aの一端部が第1シリンダ空間部35Lから突出される。
【0053】
第1掘削深さ調整駆動機構24は、上述したように第1駆動油圧シリンダ29の一方部位を支持フレーム11の第1取付部34Lに取り付ける。第1掘削深さ調整駆動機構24は、第1駆動油圧シリンダ29のピストンロッド36Aの一端部を第1走行車輪体19Lのハブ20Lに固定する。第1掘削深さ調整駆動機構24は、トラクタ1側からの作動油の供給によりピストンロッド36Aが第1シリンダ空間部35Lから大きく突出することによって第1走行車輪体19Lを基準として支持フレーム11の第1取付部34L、換言すれば第1部位11Lを押し上げる。
【0054】
なお、第1掘削深さ調整駆動機構24は、ピストンロッド36Aが第1シリンダ空間部35L内に引き込むことにより第1走行車輪体19Lを基準として支持フレーム11の第1取付部34L、換言すれば第1部位11Lを引き下げる。
【0055】
第2掘削深さ調整駆動機構25は、後述するように第2走行車輪体19Rに対して支持フレーム11の第1部位11Lを昇降駆動させる。第2掘削深さ調整駆動機構25は、第2駆動油圧シリンダ30を、図3に示すようにその一方部位を支持フレーム11の第2部位11Rに設けた第2取付部34Rに取り付ける。第2駆動油圧シリンダ30も、第2駆動シリンダ空間部39が第2駆動ピストン40により、可変空間部である第1シリンダ空間部39Lと第2シリンダ空間部39Rとに区分される。第2駆動油圧シリンダ30も、第1シリンダ空間部39L側に作動油供給部41Lを設けるとともに第2シリンダ空間部39R側に作動油供給部41Rを設ける。
【0056】
第2駆動油圧シリンダ30は、第2駆動シリンダ空間部39が、第1シリンダ空間部39Lを、作動油供給部41L−作動油パイプ38C−作動油供給部41Rのルートにより同期油圧シリンダ28の第2同期シリンダ空間部31Rと連結する。第2駆動油圧シリンダ30は、第2駆動シリンダ空間部39が、第2シリンダ空間部39Rを、作動油供給部41R−作動油パイプ38D−接続部27の第2開閉弁27Rのルートによりトラクタ1の作動油供給部6と連結する。第2駆動油圧シリンダ30は、作動油の供給により第2駆動シリンダ空間部39内を往復移動する第2駆動ピストン40に設けたピストンロッド40Aの一端部が第1シリンダ空間部39Lから突出される。
【0057】
第2掘削深さ調整駆動機構25は、上述したように第2駆動油圧シリンダ30の一方部位を支持フレーム11の第2取付部34Rに取り付ける。第2掘削深さ調整駆動機構25は、第2駆動ピストン40のピストンロッド40Aの一端部を第2走行車輪体19Rのハブ20Rに固定する。第2掘削深さ調整駆動機構25は、ピストンロッド40Aが第1シリンダ空間部39Lから大きく突出することにより第2走行車輪体19Rを基準として支持フレーム11の第2取付部34R、換言すれば第2部位11Rを押し上げる。第2掘削深さ調整駆動機構25は、ピストンロッド40Aが第1シリンダ空間部39L内に引き込むことにより第2走行車輪体19Rを基準として支持フレーム11の第2取付部34R、換言すれば第2部位11Rを引き下げる。
【0058】
掘削深さ調整機構22は、詳細を省略するが接続部27を、トラクタ1側に標準仕様として設けた作動油供給部6に対して所定のカップリング構造を以って接続されるようにする。掘削深さ調整機構22は、上述したように接続部27と、同期油圧シリンダ28と、第1駆動油圧シリンダ29と、第2駆動油圧シリンダ30との間をそれぞれ作動油パイプ38により接続する。掘削深さ調整機構22は、詳細を省略するが支持フレーム11や梁アーム14等に適宜ブラケット部材を設け、これらブラケット部材を介して作動油パイプ38の引き回しを行うようにする。
【0059】
以上のように構成された掘削深さ調整機構22においては、例えば接続部27の第1開閉弁27Lが開放動作するとトラクタ1側から第1掘削深さ調整駆動機構24の第1駆動油圧シリンダ29に対して作動油の供給が行われる。掘削深さ調整機構22においては、第1掘削深さ調整駆動機構24により第1走行車輪体19Lを基準とした支持フレーム11の第1部位11Lの押し下げ動作が行われる。
【0060】
掘削深さ調整機構22においては、第1掘削深さ調整駆動機構24の動作に伴って同期調整機構23の同期油圧シリンダ28の動作が行われ、この同期調整機構23を介して第2掘削深さ調整駆動機構25の第2駆動油圧シリンダ30に対して作動油の供給が行われる。掘削深さ調整機構22においては、第2掘削深さ調整駆動機構25により第2走行車輪体19Rを基準とした支持フレーム11の第2部位11Rの押し上げ動作が行われる。
【0061】
一方、掘削深さ調整機構22においては、例えば接続部27の第2開閉弁27Rが開放動作するとトラクタ1側から第2掘削深さ調整駆動機構25の第2駆動油圧シリンダ30に対して作動油の供給が行われる。掘削深さ調整機構22においては、第2掘削深さ調整駆動機構25により第2走行車輪体19Rを基準とした支持フレーム11の第2部位11Rの押し下げ動作が行われる。
【0062】
掘削深さ調整機構22においては、第2掘削深さ調整駆動機構25の動作に伴って同期調整機構23の同期油圧シリンダ28の動作が行われ、この同期調整機構23を介して第1掘削深さ調整駆動機構24の第1駆動油圧シリンダ29に対して作動油の供給が行われる。掘削深さ調整機構22においては、第1掘削深さ調整駆動機構24により第1走行車輪体19Lを基準とした支持フレーム11の第1部位11Lの押し下げ動作が行われる。
【0063】
サブソイラ10は、トラクタ1の牽引部3に連結部13を連結した状態でトラクタ1により圃場へと牽引された後に、リフト機構により支持フレーム11に対するナイフ体ユニット12の高さ位置を設定する所定の操作を行って掘削深さを設定するナイフ体ユニット12の設定操作が行われる。サブソイラ10は、リフト機構により支持フレーム11が回動されて掘削深さを設定されたナイフ体ユニット12が土壌に進出し、トラクタ1の走行に伴ってナイフ体ユニット12により圃場等の土壌を表面の作土層や硬化層ばかりでなく内層の心土層まで掘削して掘り起こしを行う。
【0064】
サブソイラ10においては、圃場の状態が一様では無いことから、土壌の掘り起こし作業中にトラクタ1の左右両側に張り出した支持フレーム11の第1部位11Lと第2部位11Rにそれぞれ付設したナイフ体ユニット12A、12Bとナイフ体ユニット12D、12Eによる土壌の掘削状態に差異が生じることがある。サブソイラ10においては、ナイフ体ユニット12が、圃場の土質が柔らかな領域では次第に地中深く内層へと食い込みながら掘削動作を行うとともに、土質が硬い領域では内層へと食い込む掘削動作が行われない。
【0065】
サブソイラ10においては、第1部位11Lと第2部位11Rでナイフ体ユニット12の掘削動作の差異により、トラクタ1に対する左右の牽引負荷を大きく異にさせる。サブソイラ10においては、ナイフ体ユニット12が土壌の内層に大きく食い込むにしたがってトラクタ1に対して牽引負荷を次第に増加させる。
【0066】
サブソイラ10においては、トラクタ1において左右の牽引負荷の大きな差異が例えば左右車輪のスリップ率の変化により検出されると、掘削深さ調整機構22により第1部位11L側のナイフ体ユニット12A、12Bと第2部位11R側のナイフ体ユニット12D、12Eの掘削深さ調整が行われる。サブソイラ10においては、例えば第1部位11L側のナイフ体ユニット12A、12Bが内層に深く食い込んだ状態で掘削動作を行っている場合に、トラクタ1を走行させた状態で、掘削深さ調整機構22により当該ナイフ体ユニット12A、12Bの引き上げ動作を行うとともにナイフ体ユニット12D、12Eの引き上げ動作も行われる。
【0067】
サブソイラ10においては、掘削深さ調整機構22による調整動作により、ナイフ体ユニット12が全体として第1部位11L側と第2部位11R側とで同等の深さ位置となって支持フレーム11が水平状態を保持して牽引されるようになる。
【0068】
サブソイラ10においては、第1部位11L側のナイフ体ユニット12A、12Bが土壌の内層に深く食い込んでおり、支持フレーム11の第1部位11Lが図5において実線で示した状態(第1部位11Lが第2部位11Rに対して下方に変位した状態)にある。サブソイラ10においては、図示しないが第2部位11R側のナイフ体ユニット12D、12Eが初期設定を行った深さ位置において土壌の掘削を行っている。したがって、サブソイラ10においては、支持フレーム11が第1部位11L側に傾いた状態で走行しながら土壌の掘削を行っている。
【0069】
サブソイラ10においては、接続部27の第1開閉弁27Lが開放操作されて第1掘削深さ調整駆動機構24側に作動油の供給が行われる。サブソイラ10においては、支持フレーム11の第1部位11L側の上昇動作が行われるとともに第2部位11R側の上昇動作も行われ、トラクタ1に対する牽引負荷を軽減させるとともに支持フレーム11が水平状態となって走行する。
【0070】
サブソイラ10においては、第1掘削深さ調整駆動機構24による第1部位11L側の上昇動作が同期調整機構23に伝達され、この同期調整機構23を介して第2掘削深さ調整駆動機構25においても支持フレーム11の第2部位11R側の上昇動作が行われるようにする。サブソイラ10においては、トラクタ1を停止させることなく牽引負荷を低減させて支持フレーム11が水平状態となって安定かつ効率的な土壌の掘削・掘り起こし作業が行われるようになる。
【0071】
掘削深さ調整機構22においては、第1開閉弁27Lの開放操作により、トラクタ1側から作動油が作動油パイプ38Bに流れ込んで第1掘削深さ調整駆動機構24へと供給される。第1掘削深さ調整駆動機構24においては、作動油が作動油供給部37Rを介して第1駆動油圧シリンダ29の第2シリンダ空間部35R内へと供給されることにより、第1駆動ピストン36の第1シリンダ空間部35L側への移動動作が行われる。
【0072】
第1掘削深さ調整駆動機構24においては、第1駆動ピストン36の移動動作によりピストンロッド36Aが第1駆動油圧シリンダ29から突出動作する。第1掘削深さ調整駆動機構24においては、上述したように第1駆動油圧シリンダ29が一端部を第1取付部34Lに固定されるとともに、ピストンロッド36Aが第1走行車輪体19Lのハブ20Lに固定されている。
【0073】
サブソイラ10においては、第1部位11L側のナイフ体ユニット12A、12Bが土壌の内層に深く食い込んでおり、支持フレーム11の第1部位11Lが図5において実線で示した状態(第1部位11Lが第2部位11Rに対して下方に変位した状態)にある。第1掘削深さ調整駆動機構24においては、上述した第1駆動油圧シリンダ29のピストンロッド36Aの突出動作により、支持フレーム11の第1部位11Lを同図鎖線で示すように第1走行車輪体19Lを基準として矢印の上方へと押し上げる動作を行う。
【0074】
サブソイラ10においては、上述した支持フレーム11の第1部位11Lの押し上げ動作により、当該第1部位11Lに付設されたナイフ体ユニット12A、12Bが表層側へと押し上げられて土壌の掘削動作が行われるようになる。サブソイラ10においては、トラクタ1に対するナイフ体ユニット12A、12Bによる牽引負荷の低減が図られるようにする。
【0075】
第1掘削深さ調整駆動機構24においては、上述したようにトラクタ1側から第1駆動油圧シリンダ29の第2シリンダ空間部35R内に作動油が供給されて第1駆動ピストン36が移動動作することにより、第1シリンダ空間部35L内の作動油を作動油供給部37Lから押し出す。掘削深さ調整機構22においては、作動油供給部37Lから押し出されて作動油パイプ38Aに流れ込んだ作動油を同期調整機構23へと供給する。
【0076】
同期調整機構23においては、作動油が作動油供給部32Lを介して同期油圧シリンダ28の第1同期シリンダ空間部31L内へと供給されることにより、同期ピストン33の第2同期シリンダ空間部31R側への移動動作が行われる。同期調整機構23においては、同期ピストン33の移動動作により、第2同期シリンダ空間部31R内の作動油を作動油供給部32Rから作動油パイプ38Dへと押し出す。
【0077】
掘削深さ調整機構22においては、作動油パイプ38Dに流れ込んだ作動油を第2掘削深さ調整駆動機構25へと供給する。第2掘削深さ調整駆動機構25においては、作動油が作動油供給部41Rを介して第2駆動油圧シリンダ30の第2シリンダ空間部39R内へと供給されることにより、第2駆動ピストン40の第1シリンダ空間部39L側への移動動作が行われる。
【0078】
第2掘削深さ調整駆動機構25においては、第2駆動ピストン40の移動動作によりピストンロッド40Aが第2駆動油圧シリンダ30から突出動作する。第2掘削深さ調整駆動機構25においては、上述したように第2駆動油圧シリンダ30が一端部を第2取付部34Rに固定されるとともに、ピストンロッド40Aが第2走行車輪体19Rのハブ20Rに固定されている。第2掘削深さ調整駆動機構25においては、上述した第2駆動油圧シリンダ30からのピストンロッド40Aの突出動作により、支持フレーム11の第2部位11Rを第2走行車輪体19Rを基準として上方へと押し上げる動作を行う。
【0079】
サブソイラ10においては、支持フレーム11が、上述した第1掘削深さ調整駆動機構24による第1部位11Lの押し上げ動作とともに、第2掘削深さ調整駆動機構25による第2部位11Rの押し上げ動作が行われる。サブソイラ10においては、ナイフ体ユニット12が内層に深く食い込んだ側ばかりでなく、全体を持ち上げる掘削深さの調整が行われる。サブソイラ10においては、左右で異なっていたトラクタ1の牽引負荷を調整して支持フレーム11がトラクタ1の走行に伴って水平状態で牽引されて安定かつ効率的な土壌の掘削・掘り起こし作業を行う。
【0080】
サブソイラ10においては、支持フレーム11の第1部位11L側の傾き調整動作について説明したが、第2部位11R側の傾き調整動作についも同様にして行われる。サブソイラ10においては、この場合に接続部27の第2開閉弁27Rを開放操作することにより第2掘削深さ調整駆動機構25の第1駆動油圧シリンダ30に対して作動油の供給が行われる。
【0081】
サブソイラ10においては、第2掘削深さ調整駆動機構25により支持フレーム11の第2部位11R側の引き上げ動作が行われるとともに、第2掘削深さ調整駆動機構25から作動油を同期調整機構23に供給し、この同期調整機構23を介して作動油を第1掘削深さ調整駆動機構24へと供給する。サブソイラ10においては、支持フレーム11が、第2掘削深さ調整駆動機構25による第2部位11R側の引き上げ動作とともに第1掘削深さ調整駆動機構24による第1部位11L側の引き上げ動作が行われる。なお、サブソイラ10においては、作動油を接続部27Rから第2駆動シリンダ空間部39Lに供給した時は、第2部位11R側の押し下げ動作が行われる。
【0082】
サブソイラ10においては、上述したように同期調整機構23にストッパ機構42を設けて支持フレーム11の昇降動作量を規定するように構成したが、かかるストッパ機構42を有する同期調整機構23に限定されないことは勿論である。サブソイラ10は、例えば図6に示した同期調整ユニット50を備えてもよい。同期調整ユニット50は、同期調整機構23と同様に梁アーム14に付設されるが、他の適宜の部位に付設することも可能である。
【0083】
同期調整ユニット50も、同期油圧シリンダ28を有し、同期シリンダ空間部31内を往復動作する同期ピストン33に設けたピストンロッド33Aの動作量を規定するとともに安定した移動動作が行われるように構成してなる。同期調整ユニット50は、第1ブラケット部材51及び第2ブラケット部材52と、第1ブラケット部材51を軸方向に移動自在に支持する第1支持部53と、第2ブラケット部材52を軸方向に移動自在に支持する第2支持部54とから構成される。
【0084】
第1ブラケット部材51は、横壁51Aの両側に相対する長軸の側壁51B、51Cを一体に形成した横長コ字状(略音叉形の形状)に形成され、側壁51B、51Cに相対して軸方向の長孔からなるガイド孔56A、56Bを形成してなる。第2ブラケット部材52も、横壁52Aの両側に相対する長軸の側壁52B、52Cを一体に形成した横長コ字状(略音叉形の形状)に形成され、側壁52B、52Cに相対して軸方向の長孔からなるガイド孔57A、57B(ガイド孔57Aについては図示せず)を形成してなる。
【0085】
第1ブラケット部材51は、幅寸法が横壁51Aが第2ブラケット部材52の横壁52Aの幅寸法よりも小さく、第1支持部53を介して梁アーム14に対して片持ち状態で支持される。第2ブラケット部材52は、第1ブラケット部材51に対して、横壁52Aを同期油圧シリンダ28を挟んで対向位置させるとともに側壁52B、52Cを相対する側壁51B、51Cの外側面に組み合わせるようにして、第2支持部54を介して梁アーム14に対して片持ち状態で支持される。
【0086】
同期調整ユニット50は、上述した第1ブラケット部材51と第2ブラケット部材52が、第1支持部53と第2支持部54に支持されて横長矩形の空間部を構成して組み合わされる。同期調整ユニット50は、空間部内に同期油圧シリンダ28を収納する。同期調整ユニット50は、第1ブラケット部材51と第2ブラケット部材52とが、側壁51Bに形成したガイド孔56Aと側壁52Bに形成したガイド孔57Aとにより一方側壁側に共同して軸方向のガイド孔を構成し、側壁51Cに形成したガイド孔56Bと側壁52Cに形成したガイド孔57Bとにより一方側壁側に共同して軸方向のガイド孔を構成する。
【0087】
第1支持部53は、第1ブラケット部材51の横壁51Aと対向して梁アーム14に立設されたブラケット53Aと、横壁51Aに一端を固定されてブラケット53Aに形成した貫通ネジ孔に嵌挿された支持ネジ軸53Bと、この支持ネジ軸53Bにねじ込まれたナット53Cとから構成される。第2支持部54も、第2ブラケット部材52の横壁52Aと対向して梁アーム14に立設されたブラケット54Aと、横壁52Aに一端を固定されてブラケット54Aに形成した貫通ネジ孔に嵌挿された支持ネジ軸54Bと、この支持ネジ軸54Bにねじ込まれたナット54Cとから構成される。
【0088】
同期油圧シリンダ28には、同期シリンダ空間部31から突出するピストンロッド33Aの先端部に直交状態でカムロッド55が取り付けられる。カムロッド55は、その一端部がガイド孔56Aとガイド孔57Aとにより構成したガイド孔に嵌挿されるとともに、その他端部がガイド孔56Bとガイド孔57Bとにより構成したガイド孔に嵌挿される。なお、カムロッド55は、先端部にそれぞれ設けた抜け止めリング55Aによりガイド孔からの脱落防止が図られている。
【0089】
以上のように構成された同期調整ユニット50は、同期油圧シリンダ28が、上述した同期調整機構23と同様に第1同期シリンダ空間部31Lが作動油供給部32Lを介して第1掘削深さ調整駆動機構24側と接続されるとともに、第2同期シリンダ空間部31Rが作動油供給部32Rを介して第2掘削深さ調整駆動機構25側と接続される。
【0090】
同期調整ユニット50は、作動油供給部32Lを介して第1掘削深さ調整駆動機構24側から作動油が第1同期シリンダ空間部31L内に供給されるとピストンロッド33Aが同期シリンダ空間部31内に引き込む。同期調整ユニット50は、作動油供給部32Rを介して第2掘削深さ調整駆動機構25側から作動油が第2同期シリンダ空間部31R内に供給されるとピストンロッド33Aが同期シリンダ空間部31から突出する。
【0091】
同期調整ユニット50においては、カムロッド55が第1ブラケット部材51と第2ブラケット部材52とにより構成されたガイド孔を移動することにより、ピストンロッド33Aの安定した移動動作が行われる。同期調整ユニット50においては、ガイド孔の長さ範囲でピストンロッド33Aの突出量、すなわち上述したように第1掘削深さ調整駆動機構24と第2掘削深さ調整駆動機構25による掘削深さ量を設定する。
【0092】
同期調整ユニット50においては、第1支持部53による第1ブラケット部材51の支持状態及び/又は第2支持部54による第2ブラケット部材52の支持状態により、ガイド孔の長さ、換言すれば第1掘削深さ調整駆動機構24と第2掘削深さ調整駆動機構25による掘削深さ量を調整する。同期調整ユニット50においては、第1支持部53において、ナット53Cをブラケット53A側へとねじ込み操作することにより、ブラケット53A側に第1ブラケット部材51を引き寄せて長孔の長さを大きくする。同期調整ユニット50においては、第2支持部54において、ナット54Cをブラケット54Aから離間する方向にとねじ込み操作することにより、ブラケット54Aに対して第1ブラケット部材51を離間させる。同期調整ユニット50においては、これにより長孔の長さを大きくする。
【0093】
同期調整ユニット50においては、上述した操作によって長孔の長さを大きくすることにより、ピストンロッド33Aの突出量を大きく設定する。同期調整ユニット50においては、これにより第1掘削深さ調整駆動機構24と第2掘削深さ調整駆動機構25による掘削深さの調整量を大きく設定する。なお、同期調整ユニット50においては、ナット53Cとナット54Cを上述したねじ込み操作と逆方向のねじ込み操作を行うことにより、長孔の長さを小さくして第1掘削深さ調整駆動機構24と第2掘削深さ調整駆動機構25による掘削深さの調整量を小さく設定する。
【0094】
図7は、第2の実施の形態として示した掘削深さ調整機構の深さ調整油圧回路60である。深さ調整油圧回路60は、ナイフ体ユニット12による掘削深さの調整操作の要否を検出する検出部61を備えた構成に特徴を有している。深さ調整油圧回路60は、その他の構成を上述した深さ調整油圧回路26と同等とすることから、対応する部位に同一符号を付して説明を省略する。
【0095】
深さ調整油圧回路60は、検出部61において上述した支持フレーム11の第1部位11L及び第2部位11Rにそれぞれ付設したナイフ体ユニット12による掘削深さに所定の差異が生じた状態を検出する。検出部61は、例えばトラクタ1側に設けられた左右駆動輪のスリップ率の差異、トラクタ1側に設けられた左右駆動輪の牽引負荷の差異、支持フレーム11の第1部位11Lと第2部位11Rの傾き率の差異等を検出要素とする機能を奏する部位である。検出部61は、上述した検出要素について基準値との比較で異常を検出すると制御信号を出力する。
【0096】
深さ調整油圧回路60においては、検出部61から制御信号が出力された作動油供給弁機構7において、第1駆動油圧シリンダ29への作動油供給の開閉動作を行う第1開閉弁27Lと第2駆動油圧シリンダ30への作動油供給の開閉動作を行う第2開閉弁27Rの開閉動作を制御する。深さ調整油圧回路60においては、これによりトラクタ1を走行させながら支持フレーム11の第1部位11L及び第2部位11Rにそれぞれ付設したナイフ体ユニット12により安定した土壌の掘削が行われるようにする。
【0097】
なお、深さ調整油圧回路60においては、検出部61が上述した検出要素を複合的に検出して支持フレーム11の第1部位11L及び第2部位11Rにそれぞれ付設したナイフ体ユニット12による掘削深さの差異調整を行うようにしてもよい。
【0098】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述した実施の形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及びその要旨を逸脱することなく、様々な変更、置換或いは同等に構成されることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0099】
1 トラクタ、2 後輪、3 牽引部、4 アッパリンク、5 ロアリンク、6 作動油供給部、7 作動油供給弁機構、10 サブソイラ、11 支持フレーム、11L 第1部位、11R 第2部位、12 ナイフ体ユニット、13 連結部、14 梁アーム、16 マスト、17 ロア連結ユニット、18 アッパ連結ユニット、19 走行車輪体、20 ハブ、21 車輪、22 排水路、10 側溝蓋、11 蓋本体、12 透水プレート体、14 透水プレート体嵌合凹部、15 区割り壁、16 底面部、17 排水孔、20 L形ブロック体、21 ブロック本体、22 掘削深さ調整機構、23 同期調整機構、24 第1掘削深さ調整駆動機構、25 第2掘削深さ調整駆動機構、26 深さ調整油圧回路、27 接続部、28 同期油圧シリンダ、29 第1駆動油圧シリンダ、30 第2駆動油圧シリンダ、31 同期シリンダ空間部、32 作動油供給部、33 同期ピストン、34 取付部、35 第1駆動シリンダ空間部、36 第1駆動ピストン、37 作動油供給部、38 作動油パイプ、39 第2駆動シリンダ空間部、40 第2駆動ピストン、41 作動油供給部、42 ストッパ機構、50 同期調整ユニット、51 第1ブラケット部材、52 第1ブラケット部材、53 第1支持部、54 第2支持部、55 カムロッド、56 ガイド孔 57 ガイド孔、60 深さ調整油圧回路、61 自動検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに牽引されて走行する支持フレームに複数のナイフ体ユニットを付設し、これらナイフ体ユニットが土壌を掘削して掘り起こし作業を施す農業用作業機において、
中央部位に設けた連結部が前記トラクタの牽引部と連結されるとともにこの連結部を挟む左右両側の前記ナイフ体ユニットをそれぞれ付設した第1部位及び第2部位が左右後輪に対してそれぞれ側方へ突出した状態で前記トラクタに牽引される前記支持フレームと、
前記支持フレームの前記第1部位を昇降動作させる第1掘削深さ調整駆動機構と、前記支持フレームの前記第2部位を昇降動作させる第2掘削深さ調整駆動機構と、これら第1掘削深さ調整駆動機構と第2掘削深さ調整駆動機構を連結してその昇降動作が同時に行われるようにする同期調整機構とからなる掘削深さ調整機構を備え、
前記トラクタが走行して前記ナイフ体ユニットによる掘削作業が行われて前記第1部位側と前記第2部位側とにおいて掘削深さに差異が生じた際に、前記掘削深さ調整機構により前記支持フレームの前記第1部位と前記第2部位を同一ストロークで同時に昇降動作が行われる農業用作業機。
【請求項2】
前記トラクタの左右後輪から側方に突出する前記支持フレームの前記第1部位及び前記第2部位にそれぞれ付設され、前記トラクタの走行にしたがって従動回転することにより、前記第1部位と前記第2部位を所定の高さ位置に保持して前記支持フレームを走行させる左右一対の第1走行車輪体及び第2走行車輪体を備え、
前記第1走行車輪体と前記第2走行車輪体を基準として、前記第1掘削深さ調整駆動機構と前記第2掘削深さ調整駆動機構による前記支持フレームの前記第1部位と前記第2部位の同一ストロークで同時に昇降動作を行う請求項1に記載の農業用作業機。
【請求項3】
前記掘削深さ調整機構は、
前記第1掘削深さ調整機構が、前記トラクタ側に設けた作動油供給部に接続して供給される作動油により前記第1走行車輪体の支持部を基準として前記支持フレームの前記第1部位を昇降動作させるピストンロッドを駆動する第1調整油圧シリンダを備え、
前記第2掘削深さ調整機構が、前記トラクタ側の前記作動油供給部に接続して供給される作動油により前記第2走行車輪体の支持部を基準として前記支持フレームの前記第2部位を昇降動作させるピストンロッドを駆動する第2調整油圧シリンダを備え、
前記同期調整機構が、前記第1掘削深さ調整機構の前記第1調整油圧シリンダと前記第2掘削深さ調整機構の前記第2調整油圧シリンダと連結して同方向に駆動させる同期油圧シリンダを備えて
構成される請求項2に記載の農業用作業機。
【請求項4】
前記掘削深さ調整機構には、前記第1掘削深さ調整機構と前記第2掘削深さ調整機構の前記トラクタ側の前記作動油供給部との接続部に作動油量を調整する供給弁機構が設けられる請求項3に記載の農業用作業機。
【請求項5】
前記掘削深さ調整機構は、
前記同期調整機構が、前記第1掘削深さ調整機構側の前記第1調整油圧シリンダから供給される作動油量と前記第2掘削深さ調整機構側の前記第2調整油圧シリンダから供給される作動油量の差により動作する調整ピストンロッドを有し、
前記調整ピストンロッドが、移動量規定機構により最大移動量を規定される請求項3又は請求項4に記載の農業用作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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