農業用被覆シ−トのはぎ取り装置
【課題】 トラクタに搭乗したままで、農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が可能な農業用被覆シ−トのはぎ取り装置を提供すること。
【解決手段】 トラクタTの後方に連結される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1において、農業用被覆シ−トの巻取り機構6を設け、該農業用被覆シ−トの巻取り機構6の後方にガイドロ−ラ8cを配置し、農業用被覆シ−トをガイドロ−ラ8cにかけ回してから農業用被覆シ−トの巻取り機構6に巻取らせることにより、斜め後方から農業用被覆シ−トが引き上げられるため、作物の茎等により農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が行われるため、短時間で確実に、農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取りが可能となる。
【解決手段】 トラクタTの後方に連結される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1において、農業用被覆シ−トの巻取り機構6を設け、該農業用被覆シ−トの巻取り機構6の後方にガイドロ−ラ8cを配置し、農業用被覆シ−トをガイドロ−ラ8cにかけ回してから農業用被覆シ−トの巻取り機構6に巻取らせることにより、斜め後方から農業用被覆シ−トが引き上げられるため、作物の茎等により農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が行われるため、短時間で確実に、農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取りが可能となる。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に関し、特に、トラクタの後方に連結される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、登録実用新案第3031248号公報により開示されている農業用被覆シ−トのはぎ取り装置は、図11に示すように、敷設されたマルチシ−ト(農業用被覆シ−ト)MSをその長手方向に対して横方向に引き上げるように回動すると共に、マルチシ−トMSを挟持する一対のロ−ラと、該ロ−ラにトラクタのPTO軸からの駆動力を伝達する動力伝達機構と、該動力伝達機構を支持するハウジング14とにより構成され、該ハウジング14がトラクタTの後方に設けられた三点リンクRに連結支持されており、一対のロ−ラ間にマルチシ−トMSの端部を挟持し、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置13をトラクタTの移動により移動させ、トラクタのPTO軸を回動させると、マルチシ−トMSは横方向に引き上げられ、畝Uと畝Uとの間に設けられた覆土Wがマルチシ−ト上を移動して側縁から滑り落ち、そのため、マルチシ−トMSには、むりな引張力がかかることがないため、破れることなく、短時間のうちに確実にマルチシ−トMSをはぎ取り、さらに、引き上げられたマルチシ−トMSを農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の進行方向後方に放下させ、天日により、十分に乾燥させた後、マルチシ−トMSは、人力に頼って巻きとられている。
また、近年不要となったマルチシ−トMSは、園場で焼却できず、まとめて回収業者に引き取られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、登録実用新案第3031248号公報により開示されている従来例においては、マルチシ−トを横方向に引っ張ると、タバコやばれいしょ等のように作物の茎が残っていることが多い場合には、茎にマルチシ−トが引っかかって切れてしまい、マルチシ−トのはぎ取りを連続して行えず、作業効率低下の原因となる。
またマルチシ−トをはぎ取った後、マルチシ−トシ−トをはぎ取り装置の進行方向後方に放下させるのみであり、マルチシ−トの回収は依然として人力に頼っており作業効率が悪く非常に重労働である。
さらに、使用済のマルチシ−トを回収業者に引き取ってもらうためにはコンパクトにまとめる必要があるが、人力では限界がある。
【0004】
本考案の目的は、上記課題を解決するために、トラクタに搭乗したまま軽労働で農業用被覆シ−トを確実にはぎ取ると共に巻き取ることが可能な農業用被覆シ−トのはぎ取り装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するため、トラクタの後方に連結される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、農業用被覆シ−トの巻取り機構を設けたことを特徴とするものである。
【0006】 請求項2の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、前記巻取り機構の後方に農業用被覆シ−トのガイドロ−ラを配置させたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するため、請求項1または請求項2のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、前記巻取り機構の一側部を縮小させる機能を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するめ、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、前記巻取り機構の両側部を拡開する形状としたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するめ、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、前記農業用被覆シ−トのはぎ取り装置にサブソイラを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1の考案によれば、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置を前進させながら農業用被覆シ−トの巻取り機構を回動させることにより、トラクタに搭乗したまま農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業を行うことができる。
【0011】
請求項2の考案によれば、農業用被覆シ−トをガイドロ−ラにかけ回してから巻取り機構に巻取らせることにより、斜め後方から農業用被覆シ−トが引き上げられるため、作物の茎等により農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業を行うことができる。
【0012】
請求項3の考案によれば、巻取り機構の一側部を縮小させることにより、巻取られた農業用被覆シ−トを巻取り機構から容易に取りはずすことができる。
【0013】
請求項4の考案によれば、巻取り装置の両側部を拡開形状とすることにより、農業用被覆シ−トの巻取り中に巻取り装置から外れることなく巻取られる。
【0014】
請求項5の考案では、サブソイラにより、農業用被覆シ−トの両端を覆っていた土がほぐされてから農業用被覆シ−トが引き上げられるため、農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業を行うことができる。
【0015】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を図1乃至図10に基いて説明する。なお、本実施の形態において従来例と同一部材は同一符号を使用する。
農業用被覆シ−トのはぎ取り装置は、図1及び図2に示すように、トラクタTに三点リンクRで支持される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1と、該農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1の他側1bに回動可能に軸支された軸4の内方端に嵌合され、固定ピン11で固定された農業用被覆シ−トの巻取り機構6と、該巻取り機構6の後方に配置されるガイドロ−ラ8cが設けられたガイドロ−ラ部8と、巻取り機構6に、トラクタTのPTO軸Pからユニバ−サルジョイントUJを介して回転動力を伝達するトルク伝達機構10とにより概略構成されている。
【0016】
ここで、農業用被覆シ−トは、作物の栽培された土壌の雨による侵食や土壌からの水分の蒸発を防ぐために、土壌を覆うように敷設され、農業用被覆シ−トには、ポリエチレンフィルム等からなる一定幅を有する長い帯状に形成されたマルチシ−トが使用される。
また、マルチシ−トは、作物の栽培のために土壌に形成されたかまぼこ状の高畝や平畝を覆うように敷設され、さらに、マルチシ−トが風に煽られて畝から剥れることのないようにマルチシ−トの両端部及び畝と畝との間の側縁部分に覆土がもられる。
【0017】
農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1は、一側1aの側方フレ−ム2a及び他側1bの側方フレ−ム2bと、両側方フレ−ム2a、2bの両端に架設された前端フレ−ム2c及び後端フレ−ム2dとにより平面視略ロ字状に形成されるフレ−ム本体2と、前端フレ−ム2cの両端部(トラクタ側)に直立に設けられた第1直立フレ−ム2eと、該第1直立フレ−ム2eの下端に接合されたプレ−ト2kと、他側1bの側方フレ−ム2bの中間部に直立に設けられた第2直立フレ−ム2fと、一側1aの第1直立フレ−ム2eの上端から一側1a側の後端フレ−ム2dに架設された円弧状フレ−ム2gと、他側1bの第1直立フレ−ム2eの上端から第2直立フレ−ム2fを通り後端フレ−ム2dの他側1b側に架設された円弧状フレ−ム2gとにより構成されている。
【0018】
また、円弧状フレ−ム2gは後端フレ−ム2dより後方に突出するように形成されており、該円弧状フレ−ム2gの突出部には、一側1aから他側1bにわたりフレ−ム2hが架設され、該フレ−ム2hの両端には、ガイドロ−ラ8cの支持部材8a(図4参照)の接合部2iが設けられている。
また、両側の第1直立フレ−ム2eの上端間には、前方上方フレ−ム(図示しない)が架設され、該前方上方フレ−ムの中間部には、トラクタのトップリンクTRの連結部2jが設けられており、該連結部2jにトップリンクTRが上下方向に回動可能に取付けられている。
なお、トップリンクTRは、長さを調節できるように構成されている。
第2直立フレ−ム2fのほぼ中間部には、軸受5を介して軸4が回動可能に嵌合されている。
また、プレ−ト2kの前端には、トラクタTのロアリンクLRの連結部が設けられ、ロアリンクLRの取付け幅に合わせて三段階2k1 〜2k3 に取付調整可能とされている。
【0019】
両側のプレ−ト2kの外方上端には、土をほぐすサブソイラ9の取付部が設けられており、該取付部に、サブソイラ9は、幅方向及び高さ方向に調整可能に設けられている。
サブソイラ9の取付部に取付られるサブソイラ9は、ア−ム部9aと、該ア−ム部9a先端の内側に折込まれた爪部9bとにより構成されている。
なお、サブソイラ9の取付部には、サブソイラ9の土中への侵入深さを目視できるように目盛が設けられている。
【0020】
農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1には、巻取り機構6(後述する)の一側1a及び他側1bの全面を覆うようにカバ−3a、3bが設けられており、一側1aのカバ−3aは、前側(トラクタ側)が第1直立フレ−ム2eの近傍で側方フレ−ム2aと円弧状フレ−ム2gとの間に設けられたフレ−ム2tにヒンジ3cにより回動自在に取付けられた扉体とされており、後側に設けられたノブ3eを回すことによりカバ−3aの開閉が可能とされている。
また、カバ−3a,3bには、複数の窓3dが形成されており、カバ−3aを開けることなく農業用被覆シ−トの巻き取り量を確認可能とされている。
【0021】
農業用被覆シ−トの巻取り機構6は、図5に示すように、回動軸4の内方端に嵌合される断面四角状の軸6aと、該軸6aの他側1bに正方状板体6bを介して十字状に接合される他端部材6cと、軸6aの一側1aに摺動可能に嵌合される短四角柱状の摺動体6dと、該摺動体6dの四面から直立させたヒンジ部材6eを介して十字状に連結された一端部材6fと、一端部材6fから他端部材6cにヒンジ6gを介して連結される棒体6hと、他端部材6cの各端部間にわたされた補強部材6iとにより構成されている。
また、摺動体6dの上側面には、軸6aに摺動体6dを固定するためのノブ付ボルト6kが設けられている。
ノブ付ボルト6kをねじ込むことによりノブ付ボルト6kの先端が軸6aに突当てられて摺動体6dが固定され、ノブ付ボルト6kを緩めることにより摺動体6dが軸6aに対して摺動可能となり、摺動体6dを他側1b側に移動させることによりヒンジ部材6eが図6の実線位置から点線位置に示す状態に移動し、一端部材6fが折込まれ、棒体6hが実線から点線に示す状態に傾斜して一側部が縮小される。
【0022】
さらに、一端部材6f及び他端部材6cの端部は、外側に拡開する形状とされており、農業用被覆シ−トが巻取り中に巻取り機構6から外れることなく巻取られ、一側1aを縮小させた時には、棒体6hと直線状とされて、巻取り機構6から容易に農業用被覆シ−トを取り外すことができるようになっている。
【0023】
さらにまた、棒体6hは、農業用被覆シ−トの巻き取り径を適度に大きくできるように一端部材6f及び他端部材6cの先端寄りに設けられているため、巻き取りの初期と終期で巻き取り径が大きく変わることがなく、農業用被覆シ−トの巻き取り速度をほぼ一定とすることができる。
一部の棒体6hには、図7に示すように、農業用被覆シ−トMSの巻き始め端部のはさみ込み機構7が設けられており、該はさみ込み機構7は、ヒンジ6gにより回動可能に支持される補助棒7aと、該補助棒7aの先端に設けられたスライド体7cと、棒体6hに設けられたピン7dとにより構成されており、図8に示すように、農業用被覆シ−トMSを棒体6hと補助棒7aとの間に挟持し、スライド体7cを一端部材6f側にスライドさせ、スライド体7cをピン7dに引っ掛けることにより、農業用被覆シ−トMSの巻き始め端部が巻取り機構6に固定される。
【0024】
ガイドロ−ラ部8は、図4に示すように、コ字状の支持部材8aと、該支持部材8aの端部に設けられたロ−ラ支持台8bと、該ロ−ラ支持台8bに回動可能に支持されたガイドロ−ラ8cと、支持部材8aの中間部に設けられた固定部と円弧状フレ−ム2gのガイドロ−ラ接合部2iより下方に設けられた固定部との間に架設された補強部材8f(図1参照)とにより構成され、支持部材8aの開口両端は、フレ−ム本体2のガイドロ−ラ接合部2iに接合されている。
また、支持部材8a及び補強部材8fは、どちらかを取外すことにより回動可能とされているために、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1の収納時には、回動させて、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1の全長を短くすることも可能である。
【0025】
トルク伝達機構10は、図2及び図3に示すように、トラクタTのPTO軸からユニバ−サルジョイントUJを介して連結される入力軸10aと、該入力軸10aに設けられた可変プ−リ10cを備えたベルト式無断変速機10bと、該可変プ−リ10cにVベルト10dで巻装されたプ−リ10eと、該プ−リ10eに連結された一方のベベルギア10fと、該一方のベベルギア10fが噛合する他方のベベルギア10gと、該他方のベベルギア10gに連結されたプ−リ10hと、該プ−リ10hにテンションロ−ラ10kを介してVベルト10iで巻装されたプ−リ10jとにより構成されており、該プ−リ10jは、軸4の外方端に軸4と一体に回転するように固定されている。
トラクタTのPTO軸からユニバ−サルジョイントUJを介して伝達された回転トルクは、入力軸10aに入力され、ベルト伝達機構、ベベルギア機構を介して軸4に伝達され、軸4に固定ピン11により固定された巻取り機構6が回転する。
【0026】
また、ベルト式無断変速機10bの支持台10pには、長孔10p1 が形成され、長孔10p1 は、フレ−ム本体2の一側1aから他側1bにかけて架設されたフレ−ム2mに螺合された一対のボルト10qにスライド自在に取付けられている。支持台10pの側部には、めねじが設けられており、このめねじには、操作ロッド10rのおねじ部が螺合されており、操作ロッド10rのおねじ部とは反対側の端部に設けたハンドル10sを回動させると、支持台10pが左右方向に移動し、これに伴って可変プ−リ10cに継合するVベルト10dの有効径が連続的に変化し、巻取り機構6の回転速度が調節される。
【0027】
また、テンションロ−ラ10kには、図3に示すように、ばね10mを嵌合したテンション調整ロッド10tの一端が揺動可能に結合されており、他端が第2直立フレ−ム2fに固定されたフレ−ム2pに取付けられており、テンション調整ロッド10tを摺動させることにより、Vベルト10iのテンションが調整されるようになっている。
なお、トルク伝達機構10への土等の侵入を防ぐため、トルク伝達機構10を覆うカバ−12が農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1に設けられている。
【0028】
本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置のトラクタへの取付け及び農業用被覆シ−トのはぎ取り作業を図1から図10により順を追って説明する。
(a)まず、図1に示すように、トラクタTの三点リンクRに農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1を取付けるが、ロアリンクLRをその取付け幅に合わせて三段階2k1 〜2k3 から選択して取付け、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1が水平になるようにトップリンクTRを調節した後、ユニバ−サルジョイントUJを入力軸10aに連結する。
(b)次に、トラクタTを移動し、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1が畝をまたぐように停車させ、サブソイラ9が10cm〜15cm土中に入るようにア−ム部9aの高さを調節する。その後、トラクタTを4m〜5m前進させて停止させ、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1の後方のサブソイラ9によりほぐされた土中から農業用被覆シ−トMSを引き出し、農業用被覆シ−トMSの巻き始め端部をガイドロ−ラ8cに掛け回すようにしながら巻取り機構6に固定する。この際、図7及び図8に示すように、農業用被覆シ−トMSを棒体6hと補助棒7aとの間に挟み込むようにして補助棒7aを棒体6hの方向に回動させた後,スライド体7cを一端部材6f側にスライドさせ、スライド体7cをピン7dに引っかけることにより行われる。
(c)次に、PTO軸の変速機を一速とし、トラクタTの変速機を走行速度が5km/hとなるように調節し、図9に示すように、実際に農業用被覆シ−トMSをはぎ始め、トラクタの進行速度に合わせて巻取り機構6の巻取り速度をハンドル10sにより調節する。
(d)さらにトラクタTを進行させると、次々に農業用被覆シ−トMSが畝からはぎ取られるが、ガイドロ−ラ8cにより緩やかに後方に引き上げられながら巻取り機構6により巻き取られるため、茎K等により切断されることなくはぎ取られる。
(e)土壌の端部までトラクタTが到着した後、さらにPTO軸Pを回転させて巻取り機構6を回転させておき、農業用被覆シ−トMSを残らず巻取り、その後、ノブ3eを回してカバ−3bを開き、図10に示すように、巻取り機構6のノブ付ボルト6kを緩めることにより摺動体6dを他側1bに移動させて一側1a側を縮小させて巻取り機構6から農業用被覆シ−トMSを取り出す。
(f)その後、トラクタ−TをUタ−ンさせ、次の畝に移り、(a)から(e)の作業を繰り返す。
【0029】
【考案の効果】
請求項1の考案では、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に農業用被覆シ−トの巻取り機構を設けたことにより、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置を前進させながら巻取り機構を回動させることにより、農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取りが行われるため、短時間で効率的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が可能となる。
【0030】
請求項2の考案では、巻取り機構の後方にガイドロ−ラ配置させたことにより、農業用被覆シ−トをガイドロ−ラにかけ回してから巻取り機構に巻取らせることにより、斜め後方から農業用被覆シ−トが引き上げられるため、作物の茎等により農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取りが行われるため、短時間で確実に、農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が可能となる。
【0031】
請求項3の考案では、巻取り機構の一側を縮小させる機能を設けたことにより、巻取り機構の一側部を縮小させることにより、巻上げられた農業用被覆シ−トを巻取り機構から容易に取りはずすことができる。
【0032】
請求項4の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案では、巻取り装置の両側部を拡開形状とすることにより、農業用被覆シ−トの巻取り中に農業用被覆シ−トが農業用被覆シ−トの巻取り装置から外れることなく巻取られるため、確実に、農業用被覆シ−トの巻取り作業が可能となる。
【0033】
請求項5の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案では、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置にサブソイラを設けたことにより、サブソイラにより、農業用被覆シ−トの両端を覆っていた土がほぐされてから農業用被覆シ−トが引き上げられるため、農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取りが行われるため、短時間で効率的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置がトラクタに支持された状態を示す図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図2のB−B矢視図である。
【図4】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置のガイドロ−ラ部を示す図である。
【図5】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の巻き取り機構部を示す図である。
【図6】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の巻き取り機構部の一側を収縮させた状態を示す図である。
【図7】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の巻き取り機構の農業用被覆シ−トのはさみ込み機構を示す図である。
【図8】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の巻き取り機構の農業用被覆シ−トのはさみ込み機構に農業用被覆シ−トをはさみ込む状態を示す図である。
【図9】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置により農業用被覆シ−トをはぎ取って、巻取り機構に巻取っている状態を示す図である。
【図10】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置により巻き取った農業用被覆シ−トを取り出す状態を示す図である。
【図11】従来例にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置により農業用被覆シ−トをはぎ取っている状態を示す図である。
【符号の説明】
1 農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体
2 フレ−ム本体
3 カバ−
6 巻取り機構
8 ガイドロ−ラ部
10 トルク伝達機構
T トラクタ
R 三点リンク
MS 農業用被覆シ−ト
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に関し、特に、トラクタの後方に連結される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、登録実用新案第3031248号公報により開示されている農業用被覆シ−トのはぎ取り装置は、図11に示すように、敷設されたマルチシ−ト(農業用被覆シ−ト)MSをその長手方向に対して横方向に引き上げるように回動すると共に、マルチシ−トMSを挟持する一対のロ−ラと、該ロ−ラにトラクタのPTO軸からの駆動力を伝達する動力伝達機構と、該動力伝達機構を支持するハウジング14とにより構成され、該ハウジング14がトラクタTの後方に設けられた三点リンクRに連結支持されており、一対のロ−ラ間にマルチシ−トMSの端部を挟持し、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置13をトラクタTの移動により移動させ、トラクタのPTO軸を回動させると、マルチシ−トMSは横方向に引き上げられ、畝Uと畝Uとの間に設けられた覆土Wがマルチシ−ト上を移動して側縁から滑り落ち、そのため、マルチシ−トMSには、むりな引張力がかかることがないため、破れることなく、短時間のうちに確実にマルチシ−トMSをはぎ取り、さらに、引き上げられたマルチシ−トMSを農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の進行方向後方に放下させ、天日により、十分に乾燥させた後、マルチシ−トMSは、人力に頼って巻きとられている。
また、近年不要となったマルチシ−トMSは、園場で焼却できず、まとめて回収業者に引き取られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、登録実用新案第3031248号公報により開示されている従来例においては、マルチシ−トを横方向に引っ張ると、タバコやばれいしょ等のように作物の茎が残っていることが多い場合には、茎にマルチシ−トが引っかかって切れてしまい、マルチシ−トのはぎ取りを連続して行えず、作業効率低下の原因となる。
またマルチシ−トをはぎ取った後、マルチシ−トシ−トをはぎ取り装置の進行方向後方に放下させるのみであり、マルチシ−トの回収は依然として人力に頼っており作業効率が悪く非常に重労働である。
さらに、使用済のマルチシ−トを回収業者に引き取ってもらうためにはコンパクトにまとめる必要があるが、人力では限界がある。
【0004】
本考案の目的は、上記課題を解決するために、トラクタに搭乗したまま軽労働で農業用被覆シ−トを確実にはぎ取ると共に巻き取ることが可能な農業用被覆シ−トのはぎ取り装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するため、トラクタの後方に連結される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、農業用被覆シ−トの巻取り機構を設けたことを特徴とするものである。
【0006】 請求項2の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、前記巻取り機構の後方に農業用被覆シ−トのガイドロ−ラを配置させたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するため、請求項1または請求項2のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、前記巻取り機構の一側部を縮小させる機能を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するめ、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、前記巻取り機構の両側部を拡開する形状としたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案は、上記課題を解決するめ、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、前記農業用被覆シ−トのはぎ取り装置にサブソイラを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1の考案によれば、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置を前進させながら農業用被覆シ−トの巻取り機構を回動させることにより、トラクタに搭乗したまま農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業を行うことができる。
【0011】
請求項2の考案によれば、農業用被覆シ−トをガイドロ−ラにかけ回してから巻取り機構に巻取らせることにより、斜め後方から農業用被覆シ−トが引き上げられるため、作物の茎等により農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業を行うことができる。
【0012】
請求項3の考案によれば、巻取り機構の一側部を縮小させることにより、巻取られた農業用被覆シ−トを巻取り機構から容易に取りはずすことができる。
【0013】
請求項4の考案によれば、巻取り装置の両側部を拡開形状とすることにより、農業用被覆シ−トの巻取り中に巻取り装置から外れることなく巻取られる。
【0014】
請求項5の考案では、サブソイラにより、農業用被覆シ−トの両端を覆っていた土がほぐされてから農業用被覆シ−トが引き上げられるため、農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業を行うことができる。
【0015】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を図1乃至図10に基いて説明する。なお、本実施の形態において従来例と同一部材は同一符号を使用する。
農業用被覆シ−トのはぎ取り装置は、図1及び図2に示すように、トラクタTに三点リンクRで支持される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1と、該農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1の他側1bに回動可能に軸支された軸4の内方端に嵌合され、固定ピン11で固定された農業用被覆シ−トの巻取り機構6と、該巻取り機構6の後方に配置されるガイドロ−ラ8cが設けられたガイドロ−ラ部8と、巻取り機構6に、トラクタTのPTO軸Pからユニバ−サルジョイントUJを介して回転動力を伝達するトルク伝達機構10とにより概略構成されている。
【0016】
ここで、農業用被覆シ−トは、作物の栽培された土壌の雨による侵食や土壌からの水分の蒸発を防ぐために、土壌を覆うように敷設され、農業用被覆シ−トには、ポリエチレンフィルム等からなる一定幅を有する長い帯状に形成されたマルチシ−トが使用される。
また、マルチシ−トは、作物の栽培のために土壌に形成されたかまぼこ状の高畝や平畝を覆うように敷設され、さらに、マルチシ−トが風に煽られて畝から剥れることのないようにマルチシ−トの両端部及び畝と畝との間の側縁部分に覆土がもられる。
【0017】
農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1は、一側1aの側方フレ−ム2a及び他側1bの側方フレ−ム2bと、両側方フレ−ム2a、2bの両端に架設された前端フレ−ム2c及び後端フレ−ム2dとにより平面視略ロ字状に形成されるフレ−ム本体2と、前端フレ−ム2cの両端部(トラクタ側)に直立に設けられた第1直立フレ−ム2eと、該第1直立フレ−ム2eの下端に接合されたプレ−ト2kと、他側1bの側方フレ−ム2bの中間部に直立に設けられた第2直立フレ−ム2fと、一側1aの第1直立フレ−ム2eの上端から一側1a側の後端フレ−ム2dに架設された円弧状フレ−ム2gと、他側1bの第1直立フレ−ム2eの上端から第2直立フレ−ム2fを通り後端フレ−ム2dの他側1b側に架設された円弧状フレ−ム2gとにより構成されている。
【0018】
また、円弧状フレ−ム2gは後端フレ−ム2dより後方に突出するように形成されており、該円弧状フレ−ム2gの突出部には、一側1aから他側1bにわたりフレ−ム2hが架設され、該フレ−ム2hの両端には、ガイドロ−ラ8cの支持部材8a(図4参照)の接合部2iが設けられている。
また、両側の第1直立フレ−ム2eの上端間には、前方上方フレ−ム(図示しない)が架設され、該前方上方フレ−ムの中間部には、トラクタのトップリンクTRの連結部2jが設けられており、該連結部2jにトップリンクTRが上下方向に回動可能に取付けられている。
なお、トップリンクTRは、長さを調節できるように構成されている。
第2直立フレ−ム2fのほぼ中間部には、軸受5を介して軸4が回動可能に嵌合されている。
また、プレ−ト2kの前端には、トラクタTのロアリンクLRの連結部が設けられ、ロアリンクLRの取付け幅に合わせて三段階2k1 〜2k3 に取付調整可能とされている。
【0019】
両側のプレ−ト2kの外方上端には、土をほぐすサブソイラ9の取付部が設けられており、該取付部に、サブソイラ9は、幅方向及び高さ方向に調整可能に設けられている。
サブソイラ9の取付部に取付られるサブソイラ9は、ア−ム部9aと、該ア−ム部9a先端の内側に折込まれた爪部9bとにより構成されている。
なお、サブソイラ9の取付部には、サブソイラ9の土中への侵入深さを目視できるように目盛が設けられている。
【0020】
農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1には、巻取り機構6(後述する)の一側1a及び他側1bの全面を覆うようにカバ−3a、3bが設けられており、一側1aのカバ−3aは、前側(トラクタ側)が第1直立フレ−ム2eの近傍で側方フレ−ム2aと円弧状フレ−ム2gとの間に設けられたフレ−ム2tにヒンジ3cにより回動自在に取付けられた扉体とされており、後側に設けられたノブ3eを回すことによりカバ−3aの開閉が可能とされている。
また、カバ−3a,3bには、複数の窓3dが形成されており、カバ−3aを開けることなく農業用被覆シ−トの巻き取り量を確認可能とされている。
【0021】
農業用被覆シ−トの巻取り機構6は、図5に示すように、回動軸4の内方端に嵌合される断面四角状の軸6aと、該軸6aの他側1bに正方状板体6bを介して十字状に接合される他端部材6cと、軸6aの一側1aに摺動可能に嵌合される短四角柱状の摺動体6dと、該摺動体6dの四面から直立させたヒンジ部材6eを介して十字状に連結された一端部材6fと、一端部材6fから他端部材6cにヒンジ6gを介して連結される棒体6hと、他端部材6cの各端部間にわたされた補強部材6iとにより構成されている。
また、摺動体6dの上側面には、軸6aに摺動体6dを固定するためのノブ付ボルト6kが設けられている。
ノブ付ボルト6kをねじ込むことによりノブ付ボルト6kの先端が軸6aに突当てられて摺動体6dが固定され、ノブ付ボルト6kを緩めることにより摺動体6dが軸6aに対して摺動可能となり、摺動体6dを他側1b側に移動させることによりヒンジ部材6eが図6の実線位置から点線位置に示す状態に移動し、一端部材6fが折込まれ、棒体6hが実線から点線に示す状態に傾斜して一側部が縮小される。
【0022】
さらに、一端部材6f及び他端部材6cの端部は、外側に拡開する形状とされており、農業用被覆シ−トが巻取り中に巻取り機構6から外れることなく巻取られ、一側1aを縮小させた時には、棒体6hと直線状とされて、巻取り機構6から容易に農業用被覆シ−トを取り外すことができるようになっている。
【0023】
さらにまた、棒体6hは、農業用被覆シ−トの巻き取り径を適度に大きくできるように一端部材6f及び他端部材6cの先端寄りに設けられているため、巻き取りの初期と終期で巻き取り径が大きく変わることがなく、農業用被覆シ−トの巻き取り速度をほぼ一定とすることができる。
一部の棒体6hには、図7に示すように、農業用被覆シ−トMSの巻き始め端部のはさみ込み機構7が設けられており、該はさみ込み機構7は、ヒンジ6gにより回動可能に支持される補助棒7aと、該補助棒7aの先端に設けられたスライド体7cと、棒体6hに設けられたピン7dとにより構成されており、図8に示すように、農業用被覆シ−トMSを棒体6hと補助棒7aとの間に挟持し、スライド体7cを一端部材6f側にスライドさせ、スライド体7cをピン7dに引っ掛けることにより、農業用被覆シ−トMSの巻き始め端部が巻取り機構6に固定される。
【0024】
ガイドロ−ラ部8は、図4に示すように、コ字状の支持部材8aと、該支持部材8aの端部に設けられたロ−ラ支持台8bと、該ロ−ラ支持台8bに回動可能に支持されたガイドロ−ラ8cと、支持部材8aの中間部に設けられた固定部と円弧状フレ−ム2gのガイドロ−ラ接合部2iより下方に設けられた固定部との間に架設された補強部材8f(図1参照)とにより構成され、支持部材8aの開口両端は、フレ−ム本体2のガイドロ−ラ接合部2iに接合されている。
また、支持部材8a及び補強部材8fは、どちらかを取外すことにより回動可能とされているために、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1の収納時には、回動させて、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1の全長を短くすることも可能である。
【0025】
トルク伝達機構10は、図2及び図3に示すように、トラクタTのPTO軸からユニバ−サルジョイントUJを介して連結される入力軸10aと、該入力軸10aに設けられた可変プ−リ10cを備えたベルト式無断変速機10bと、該可変プ−リ10cにVベルト10dで巻装されたプ−リ10eと、該プ−リ10eに連結された一方のベベルギア10fと、該一方のベベルギア10fが噛合する他方のベベルギア10gと、該他方のベベルギア10gに連結されたプ−リ10hと、該プ−リ10hにテンションロ−ラ10kを介してVベルト10iで巻装されたプ−リ10jとにより構成されており、該プ−リ10jは、軸4の外方端に軸4と一体に回転するように固定されている。
トラクタTのPTO軸からユニバ−サルジョイントUJを介して伝達された回転トルクは、入力軸10aに入力され、ベルト伝達機構、ベベルギア機構を介して軸4に伝達され、軸4に固定ピン11により固定された巻取り機構6が回転する。
【0026】
また、ベルト式無断変速機10bの支持台10pには、長孔10p1 が形成され、長孔10p1 は、フレ−ム本体2の一側1aから他側1bにかけて架設されたフレ−ム2mに螺合された一対のボルト10qにスライド自在に取付けられている。支持台10pの側部には、めねじが設けられており、このめねじには、操作ロッド10rのおねじ部が螺合されており、操作ロッド10rのおねじ部とは反対側の端部に設けたハンドル10sを回動させると、支持台10pが左右方向に移動し、これに伴って可変プ−リ10cに継合するVベルト10dの有効径が連続的に変化し、巻取り機構6の回転速度が調節される。
【0027】
また、テンションロ−ラ10kには、図3に示すように、ばね10mを嵌合したテンション調整ロッド10tの一端が揺動可能に結合されており、他端が第2直立フレ−ム2fに固定されたフレ−ム2pに取付けられており、テンション調整ロッド10tを摺動させることにより、Vベルト10iのテンションが調整されるようになっている。
なお、トルク伝達機構10への土等の侵入を防ぐため、トルク伝達機構10を覆うカバ−12が農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体1に設けられている。
【0028】
本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置のトラクタへの取付け及び農業用被覆シ−トのはぎ取り作業を図1から図10により順を追って説明する。
(a)まず、図1に示すように、トラクタTの三点リンクRに農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1を取付けるが、ロアリンクLRをその取付け幅に合わせて三段階2k1 〜2k3 から選択して取付け、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1が水平になるようにトップリンクTRを調節した後、ユニバ−サルジョイントUJを入力軸10aに連結する。
(b)次に、トラクタTを移動し、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1が畝をまたぐように停車させ、サブソイラ9が10cm〜15cm土中に入るようにア−ム部9aの高さを調節する。その後、トラクタTを4m〜5m前進させて停止させ、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置1の後方のサブソイラ9によりほぐされた土中から農業用被覆シ−トMSを引き出し、農業用被覆シ−トMSの巻き始め端部をガイドロ−ラ8cに掛け回すようにしながら巻取り機構6に固定する。この際、図7及び図8に示すように、農業用被覆シ−トMSを棒体6hと補助棒7aとの間に挟み込むようにして補助棒7aを棒体6hの方向に回動させた後,スライド体7cを一端部材6f側にスライドさせ、スライド体7cをピン7dに引っかけることにより行われる。
(c)次に、PTO軸の変速機を一速とし、トラクタTの変速機を走行速度が5km/hとなるように調節し、図9に示すように、実際に農業用被覆シ−トMSをはぎ始め、トラクタの進行速度に合わせて巻取り機構6の巻取り速度をハンドル10sにより調節する。
(d)さらにトラクタTを進行させると、次々に農業用被覆シ−トMSが畝からはぎ取られるが、ガイドロ−ラ8cにより緩やかに後方に引き上げられながら巻取り機構6により巻き取られるため、茎K等により切断されることなくはぎ取られる。
(e)土壌の端部までトラクタTが到着した後、さらにPTO軸Pを回転させて巻取り機構6を回転させておき、農業用被覆シ−トMSを残らず巻取り、その後、ノブ3eを回してカバ−3bを開き、図10に示すように、巻取り機構6のノブ付ボルト6kを緩めることにより摺動体6dを他側1bに移動させて一側1a側を縮小させて巻取り機構6から農業用被覆シ−トMSを取り出す。
(f)その後、トラクタ−TをUタ−ンさせ、次の畝に移り、(a)から(e)の作業を繰り返す。
【0029】
【考案の効果】
請求項1の考案では、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に農業用被覆シ−トの巻取り機構を設けたことにより、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置を前進させながら巻取り機構を回動させることにより、農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取りが行われるため、短時間で効率的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が可能となる。
【0030】
請求項2の考案では、巻取り機構の後方にガイドロ−ラ配置させたことにより、農業用被覆シ−トをガイドロ−ラにかけ回してから巻取り機構に巻取らせることにより、斜め後方から農業用被覆シ−トが引き上げられるため、作物の茎等により農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取りが行われるため、短時間で確実に、農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が可能となる。
【0031】
請求項3の考案では、巻取り機構の一側を縮小させる機能を設けたことにより、巻取り機構の一側部を縮小させることにより、巻上げられた農業用被覆シ−トを巻取り機構から容易に取りはずすことができる。
【0032】
請求項4の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案では、巻取り装置の両側部を拡開形状とすることにより、農業用被覆シ−トの巻取り中に農業用被覆シ−トが農業用被覆シ−トの巻取り装置から外れることなく巻取られるため、確実に、農業用被覆シ−トの巻取り作業が可能となる。
【0033】
請求項5の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置に係る考案では、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置にサブソイラを設けたことにより、サブソイラにより、農業用被覆シ−トの両端を覆っていた土がほぐされてから農業用被覆シ−トが引き上げられるため、農業用被覆シ−トが切断されることなく、連続的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取りが行われるため、短時間で効率的に農業用被覆シ−トのはぎ取り及び巻取り作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置がトラクタに支持された状態を示す図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図2のB−B矢視図である。
【図4】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置のガイドロ−ラ部を示す図である。
【図5】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の巻き取り機構部を示す図である。
【図6】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の巻き取り機構部の一側を収縮させた状態を示す図である。
【図7】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の巻き取り機構の農業用被覆シ−トのはさみ込み機構を示す図である。
【図8】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置の巻き取り機構の農業用被覆シ−トのはさみ込み機構に農業用被覆シ−トをはさみ込む状態を示す図である。
【図9】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置により農業用被覆シ−トをはぎ取って、巻取り機構に巻取っている状態を示す図である。
【図10】本考案の実施の形態にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置により巻き取った農業用被覆シ−トを取り出す状態を示す図である。
【図11】従来例にかかる農業用被覆シ−トのはぎ取り装置により農業用被覆シ−トをはぎ取っている状態を示す図である。
【符号の説明】
1 農業用被覆シ−トのはぎ取り装置本体
2 フレ−ム本体
3 カバ−
6 巻取り機構
8 ガイドロ−ラ部
10 トルク伝達機構
T トラクタ
R 三点リンク
MS 農業用被覆シ−ト
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 トラクタの後方に連結される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、農業用被覆シ−トの巻取り機構を設けたことを特徴とする農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項2】 前記巻取り機構の後方に農業用被覆シ−トのガイドロ−ラを配置したことを特徴とする請求項1記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項3】 前記巻取り機構の一側部を縮小させる機能を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項4】 前記巻取り機構の両側部を拡開する形状としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置にサブソイラを設けたことを特徴とする農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項1】 トラクタの後方に連結される農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、農業用被覆シ−トの巻取り機構を設けたことを特徴とする農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項2】 前記巻取り機構の後方に農業用被覆シ−トのガイドロ−ラを配置したことを特徴とする請求項1記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項3】 前記巻取り機構の一側部を縮小させる機能を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項4】 前記巻取り機構の両側部を拡開する形状としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の農業用被覆シ−トのはぎ取り装置において、農業用被覆シ−トのはぎ取り装置にサブソイラを設けたことを特徴とする農業用被覆シ−トのはぎ取り装置。
【図1】
【図6】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【登録番号】第3051315号
【登録日】平成10年(1998)6月3日
【発行日】平成10年(1998)8月21日
【考案の名称】農業用被覆シ−トのはぎ取り装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−474
【出願日】平成10年(1998)2月10日
【出願人】(390010928)株式会社デリカ (4)
【登録日】平成10年(1998)6月3日
【発行日】平成10年(1998)8月21日
【考案の名称】農業用被覆シ−トのはぎ取り装置
【国際特許分類】
【出願番号】実願平10−474
【出願日】平成10年(1998)2月10日
【出願人】(390010928)株式会社デリカ (4)
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