説明

農薬廃液の処理方法

【課題】従来行われている凝集剤、活性炭等による農薬除去の処理工程に先行し、農薬廃液のpH値を10前後(アルカリ性)に調整して、酸性がかなり強い凝集剤を多量に添加してもなお、農薬廃液のpH値を中性ないし弱アルカリ性に維持して凝集性の低下を防止することにより、前記農薬除去の処理工程を効率良く、かつ経済的に行うことができる農薬廃液の処理方法を提供する。
【解決手段】農薬廃液を、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤13を添加してpH値を10前後に調整した後に、凝集剤14、15および活性炭19を接触させて農薬を除去処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、農薬廃液の処理方法の技術分野に属し、更に云えば、農薬廃液を凝集剤および活性炭を接触させて農薬を除去処理する前に、予め農薬廃液のpH値(水素イオン指数)を10前後に調整して効率よく農薬を除去処理する農薬廃液の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
馬鈴薯、長芋などの種子の出荷工場においては、種子の病気を防止するため、通常、出荷時に殺菌用農薬液(種子消毒液)を種子に噴霧することが行われている。このような殺菌用農薬液、或いは散布液等の農薬廃液は、一般的な工場廃液等と比して、農薬成分の残留分が懸濁していることに加え、種子の表面に付着している土砂成分等も混入しているので、濁りが著しい。
このような濁りが著しい農薬廃液を水処理する技術について、従来、農薬廃液を凝集剤で凝集させて濁りを除去した後に活性炭吸着処理を行い無害化(無機化)する発明、或いは活性炭吸着処理を行った後に凝集剤で凝集させて濁りを除去して無害化する発明が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
前記特許文献1、2に係る発明は、農薬廃液に凝集剤および活性炭とを接触させて農薬を除去処理する技術であるが、農薬廃液の濁りは高濃度のため、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の凝集剤を多量に(工場廃液の場合の10〜30倍の量)使用する必要がある。
しかしながら、PAC等の凝集剤はかなり強い酸性のため、多量に使用することにより、農薬廃液が弱酸性となってしまい、凝集性が低下し、凝集後の上澄み水に濁りが残り、廃水の処理品質の確実性が低下するという問題があった。この問題は、処理済みの農薬廃液を河川に放流すると魚介類に悪影響を与え、環境汚染を招くなどの切実な問題に発展する虞がある。
その他、活性炭への負荷が大きく、高価な活性炭の寿命が短くなるなど不経済である点も指摘されている。
【0004】
そこで、前記問題を踏まえ、特許文献3には、前記特許文献1、2に係る発明の農薬除去の処理工程の後、さらに塩素系酸化剤と接触させることにより農薬廃液中の残存農薬を処理する酸化剤処理工程を行う発明が開示されている。
この特許文献3に係る発明によると、農薬廃液中の残留農薬量が少なくなり、処理済みの農薬廃液を河川に放流しても環境汚染を招く虞がない。
【0005】
【特許文献1】特公昭62−24156号公報
【特許文献2】特許第2639433号公報
【特許文献3】特許第3262920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献3に係る発明によると、前記特許文献1、2に係る発明と比して、残留農薬量を低減することができるので、一応の効果は認められる。
しかしながら、前記特許文献3に係る発明は、農薬廃液を凝集剤および活性炭と接触させた後の事後的な処理であるため、凝集性の低下を抜本的に解決するには至っていない。また、依然として活性炭への負荷も大きいままであり、不経済である点も解消されていない。
【0007】
本発明の目的は、従来行われている凝集剤、活性炭等による農薬除去の処理工程に先行し、農薬廃液のpH値を10前後(アルカリ性)に調整して、酸性がかなり強い凝集剤を多量に添加してもなお、農薬廃液のpH値を中性ないし弱アルカリ性に維持して凝集性の低下を防止することにより、前記農薬除去の処理工程を効率良く、かつ経済的に行うことができる農薬廃液の処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る農薬廃液の処理方法は、農薬廃液を、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加してpH値を10前後に調整した後に、凝集剤および活性炭を接触させて農薬を除去処理することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した農薬廃液の処理方法において、前記凝集剤は、無機凝集剤、有機凝集剤、又は高分子凝集剤であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明に係る農薬廃液の処理方法は、農薬廃液を、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加してpH値を10前後に調整する工程と、
前記pH値を10前後に調整した農薬廃液を、無機凝集剤と接触させる工程と、
前記無機凝集剤と接触させた農薬廃液を、さらに高分子凝集剤と接触させる工程と、
前記高分子凝集剤と接触させた農薬廃液を、脱水槽で脱水し、又は沈殿槽で沈殿処理して凝集体を除去する工程と、
前記凝集体を除去した農薬廃液を、活性炭と接触させて農薬を吸着除去処理する工程とからなることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した農薬廃液の処理方法において、前記農薬廃液は、自動制御装置により、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤でpH値を10前後に自動調整することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した農薬廃液の処理方法において、前記pH値は9〜11に調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る農薬廃液の処理方法によれば、凝集剤および活性炭とを接触させて農薬を除去する処理工程に先行し、予め前記農薬廃液を、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加してpH値を10前後に調整することにより、酸性がかなり強いポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を多量に添加してもなお、農薬廃液のpH値を中性ないし弱アルカリ性に維持できるので、凝集剤による凝集性の低下を防止することができる。
よって、その後に行う凝集剤の凝集性を飛躍的に高めることができると共に、凝集剤で凝集させた後の農薬廃液の上澄み水の水質が向上し、ひいては活性炭吸着後の最終的な処理水質が格段に向上する。
また、凝集剤で凝集させた後の農薬廃液の上澄み水の水質が向上することに伴い、高価でランニングコストが大変嵩むといわれる活性炭への負担が軽減され、活性炭の寿命が延びる。よって、経済性に非常に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る農薬廃液の処理方法は、農薬廃液に凝集剤および活性炭とを接触させて農薬を除去する処理工程に先行して、予め前記農薬廃液を、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加してpH値を10前後に調整することを主たる特徴とする。
【0015】
図1に示したフロー図は、本発明に係る農薬廃液の処理方法の一例を示している。
この実施例に係る農薬廃液の処理方法は、農薬廃液を、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤13を添加してpH値を10前後に調整する工程(pH値調整工程)と、
前記pH値を10前後に調整した農薬廃液を、無機凝集剤14と接触させる工程と、
前記無機凝集剤14と接触させた農薬廃液を、さらに高分子凝集剤15と接触させる工程(凝集剤接触工程)と、
前記高分子凝集剤15と接触させた農薬廃液を、脱水槽6で脱水し、又は沈殿槽で沈殿処理して凝集体(フロック)を除去する工程(凝集体除去工程)と、
前記凝集体を除去した農薬廃液を、活性炭19と接触させて農薬を吸着除去処理する工程(活性炭吸着工程)とからなる。
【0016】
(pH値調整工程)
本実施例では、pH調整槽3で農薬廃液をpH調整するにあたり、その前段階として、先ず、排水された農薬廃液を沈砂槽1へ断続的(本実施例では1日置きに)供給し、沈砂槽1内で一定時間滞留させて砂などの重い粒子を沈殿処理した農薬廃液をオーバーフロー方式により貯留槽2内へ貯留する。貯留槽2内へ貯留した農薬廃液は、ポンプ8を作動させ、調整バルブ9により流量を制御し、供給管12を通じてpH調整槽3内へ供給している。前記流量は、1日の農薬廃液の排水量、稼働時間、要求される処理能力等とを考慮して適宜調整される。ちなみに、図1中の符号10は流量計を示している。
なお、この段階での農薬廃液のpH値は、通常、6.5〜7.5(ほぼ中性)である。
【0017】
前記した手順を経てpH調整槽3内へ供給された農薬廃液は、pH電極(ガラス電極や白金電極など)を接続したpH計(図示省略)を備えたpH調整槽3内で、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤13を添加してpH値を10前後(特には9〜11)に調整される。前記pH値を調整する手段は、手動で行うこともできるし、自動制御装置を利用して行うこともできる。ちなみに、図1中の符号11は攪拌機を示している。
なお、本実施例では、水酸化ナトリウム13をpH調整剤として使用しているが勿論これに限定されず、アルカリ剤であればよく、水酸化カリウム等でも同様に実施できる。
【0018】
ここで、本発明に係る実施のバリエーション(実施形態)について説明する。
本実施例に係る農薬廃液は、馬鈴薯、長芋などの種子の出荷工場において種子消毒液として使用されるモンカットフロアブル、バクテサイド水和剤、銅ストレプトマイシン水和剤、ベンレートT水和剤等の殺菌用農薬液であるが、これに限定されず、本発明は、散布液、殺虫剤、除草剤、土壌処理剤、塗布剤等の農薬全般に適用可能である。
本実施例に係る沈砂槽1、貯留槽2、およびpH調整槽3等の容積は、種子の出荷シーズン中に毎日20m程度排出される農薬廃液を、効率よく且つ経済的に処理するのに適正な大きさで実施している。ちなみに、本実施例に係る沈砂槽1、貯留槽2の容積は、農薬廃液の排出量に合わせて20m程度の容積で実施しているが、これに限定されず、農薬廃液の1日の排出量に応じて適宜設計変更可能である。
本実施例では、農薬廃液を、沈砂槽1から貯留槽2を経てpH調整槽3内へ供給する手段で実施しているがこれに限定されず、農薬廃液の濃度が低い場合に沈砂槽1を省略し、直接貯留槽2内へ排出するなど、農薬廃液の処理方法として従来から汎用されている種々のバリエーションで実施可能である。
【0019】
(凝集剤接触工程)
本実施例では、pH調整槽3内でpH値を10前後のアルカリ性に調整した農薬廃液は、供給管16を通じて、無機凝集剤反応槽4内へ供給される。この反応槽4内に供給された農薬廃液は、薬液供給ポンプ(図示省略)により所定量(通常、農薬廃液の0.1〜0.3%程度)のポリ塩化アルミニウム(PAC)等の無機凝集剤14を連続的に添加することにより接触され、農薬廃液中、農薬に含まれる鉱物や種子に付着した泥等の固形成分が付着して凝集粒子が生成される。
無機凝集剤14と接触させて凝集粒子が生成された農薬廃液は、供給管17を通じて、高分子凝集剤反応槽5内へ供給される。前記無機凝集剤反応槽4内で生成された凝集粒子は、同反応槽4内に備えた攪拌機11の攪拌作用により同反応槽4内に沈殿することなく高分子凝集剤反応槽5内へ供給される。この反応槽5内に供給された農薬廃液は、薬液供給ポンプ(図示省略)により所定量の高分子凝集剤15を連続的に添加することにより接触され、前記凝集粒子に高分子凝集剤が付着してさらに大きな凝集体(以下、フロックと云う。)が生成される。
このような凝集剤接触工程を経た農薬廃液のpH値は6.5〜8.0の範囲内に収まることが本出願人らによる実験で分かっている。
【0020】
ここで、本発明に係る実施のバリエーション(実施形態)について説明する。
本実施例に係る無機凝集剤14は、ポリ塩化アルミニウムに限定されず、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等の無機凝集剤であればほぼ同様に実施できる。前記高分子凝集剤15としては、一例として、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
本実施例では、凝集剤として、無機凝集剤14と高分子凝集剤15を使用しているが、これに限定されず、無機凝集剤14の代わりに、アニオン系(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ノニオン系(例えば、ポリアクリルアミド)等の有機凝集剤を使用することもできる。
本実施例では、農薬廃液を無機凝集剤14と接触させて反応させた後に、高分子凝集剤15と反応させる手段で実施しているが、これに限定されず、同一の反応槽内に無機凝集剤14と高分子凝集剤15を同時期に投入して農薬廃液と接触させて反応させる手段で実施することもできる。
【0021】
(凝集体除去工程)
高分子凝集剤反応槽5内で高分子凝集剤15と接触させてフロックが生成された農薬廃液は、供給管18を通じて、脱水槽(濾過装置)6内へ供給される。前記反応槽5内で生成されたフロックは、同反応槽5内に備えた攪拌機11の攪拌作用により同反応槽5内に沈殿することなく前記脱水槽6内へ供給される。
本実施例に係る脱水槽6は、内槽6aと外槽6bとの二重構造からなる脱水槽6が好適であるが、この中でも特許第3541293号に係る泥水処理システムは、処理能力および経済性に非常に優れているので最適である。ちなみに、この泥水処理システムは、フロックを含む農薬廃液が投入されて当該フロックと農薬廃液とを分離する分離装置6aと、同分離装置6aの周側面に設けた微小孔から排出された農薬廃液(以下適宜、濾過液と云う。)を収容するボックス6bとで構成されている。
このような構成の脱水槽6により、フロックは、前記微小孔を通過することなく分離装置(内槽)6aの内部に堆積し、濾過液は、前記微小孔を通じてボックス(外槽)6b内へ排出される。
なお、本実施例では、農薬廃液を、前記脱水槽6により脱水(濾過)した後に、後述する活性炭吸着槽7へ供給する手段で実施しているが、これに限定されない。農薬廃水の濃度、要求される処理能力等に応じて、前記脱水槽6に代わり、一般的な沈殿槽で沈殿処理を行い、しかる後、活性炭吸着槽7へ供給する手段で実施することもできる。
【0022】
(活性炭吸着工程)
前記脱水槽6のボックス(外槽)6b内へ排水された濾過液は、ポンプ8を作動させ、調整バルブ9により流量を制御し、供給管20を通じて活性炭吸着槽(塔)7へ供給される。前記活性炭吸着槽7では、活性炭19中を濾過液が通過する際、濾過液中に含まれる農薬成分等が活性炭に吸着除去される。かくして、農薬成分が残存しない無害化した濾過液が供給管21を通じて外部へ放流等される。
ちなみに、活性炭吸着後の濾過液(処理液)のpH値は6.5〜8.0の範囲内に収まることが本出願人らによる実験で分かっており、この値は、一般的に要求される河川等に放流可能なpH基準値(pH5.6〜8.4)を十分に満たす。
前記活性炭としては、石炭、木炭等の粒状、粉末状等の活性炭が好適に用いられる。ちなみに、粒状の活性炭は、塔状の装置に充填して吸着操作を行う。粉末状の活性炭は凝集剤等と同様に処理する水に注入して接触させる。
なお、本実施例では、濾過液中の農薬成分を活性炭吸着法で除去しているが、これに限定されず、生物処理法、オゾン処理法のような一般的に高度処理プロセスと呼ばれる処理法であれば同様に実施できる。
【0023】
以上に実施例をフロー図に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る農薬廃液の処理方法を概略的に示したフロー図である。
【符号の説明】
【0025】
1 沈砂槽
2 貯留槽
3 pH調整槽
4 無機凝集剤反応槽
5 高分子凝集剤反応槽
6 脱水槽(濾過装置)
6a 分離装置(内槽)
6b ボックス(外槽)
7 活性炭吸着槽
8 ポンプ
9 調整バルブ
10 流量計
11 攪拌機
12、16、17、18、20、21 供給管
13 水酸化ナトリウム(アルカリ剤)
14 ポリ塩化アルミニウム(無機凝集剤)
15 高分子凝集剤
19 活性炭

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬廃液を、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加してpH値を10前後に調整した後に、凝集剤および活性炭を接触させて農薬を除去処理することを特徴とする、農薬廃液の処理方法。
【請求項2】
前記凝集剤は、無機凝集剤、有機凝集剤、又は高分子凝集剤であることを特徴とする、請求項1に記載した農薬廃液の処理方法。
【請求項3】
農薬廃液を、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を添加してpH値を10前後に調整する工程と、
前記pH値を10前後に調整した農薬廃液を、無機凝集剤と接触させる工程と、
前記無機凝集剤と接触させた農薬廃液を、さらに高分子凝集剤と接触させる工程と、
前記高分子凝集剤と接触させた農薬廃液を、脱水槽で脱水し、又は沈殿槽で沈殿処理して凝集体を除去する工程と、
前記凝集体を除去した農薬廃液を、活性炭と接触させて農薬を吸着除去処理する工程とからなることを特徴とする、農薬廃液の処理方法。
【請求項4】
前記農薬廃液は、自動制御装置により、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤でpH値を10前後に自動調整することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した農薬廃液の処理方法。
【請求項5】
前記pH値は9〜11に調整することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した農薬廃液の処理方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−125412(P2010−125412A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304404(P2008−304404)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000150110)株式会社竹中土木 (101)
【出願人】(598092133)有限会社中道環境開発 (3)
【Fターム(参考)】