説明

送液装置及びその運転方法

【課題】 送液ポンプの据え付けや保守の利便性に優れると共に、緊急時に液体の流路を迅速に遮断できる送液装置及びその運転方法を提供すること。
【解決手段】
液体貯留槽1と、該液体貯留槽1に開口する吸入口40aを備えたコラム管10と、該コラム管10内に設置される送液ポンプ30とを備え、液体貯留槽1に貯留された液体をコラム管10を通して移送先へ送液する送液装置において、コラム管10に、吸入口40aに当接しこれを閉止する蓋体42を備えてなるサクションバルブ機構40を設置し、送液ポンプ30が蓋体に載置された状態で吸込口40aが開口し、送液ポンプ30が蓋体42から離間すると吸入口40aが閉止するように構成し、送液ポンプ30の吸込口48に、緊急時に該吸込口48を閉止することで液体貯留槽1の液体のコラム管10への流入を阻止する緊急遮断弁50を設置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油やLPG、LNGその他の危険液である液体を液体貯留槽から移送先へ送液するコラム管と該コラム管内に設置される送液ポンプを備えた送液装置及びその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に、従来の液体貯留槽(貯留槽)に設置した送液装置の構成例を示す。また、図2に、図1に示す送液装置のコラム管内に設置した送液ポンプ及びコラム管下端の吸入口の部分拡大断面図を示す。ここで液体貯留槽に貯留される液体としては、石油やLPG、LNG等の危険液体がある。また液体貯留槽は、高深度地下貯留槽や、地上又地下の地表に近い位置に埋設された主として低温貯留槽などの地下貯留槽や貯留タンク等である。図1及び図2に示す送液装置は、下端部10aが貯留槽1内に配置された筒状部材からなるコラム管10と、該コラム管10の上方に設置した吊輪12から垂下して上端開口部10bに取り付けられた蓋部材11を貫通するロッド13と、ロッド13の下端部に取り付けられた吊ワイヤ14と、該吊ワイヤ14に吊下げられてコラム管10内に設置された送液ポンプ30とを備えている。
【0003】
コラム管10は、その軸方向が鉛直方向に延伸し、上端開口部10bが貯留槽1の外部の地上等に配置されている。コラム管10は、貯留槽1の設置深度に応じて、長さ寸法が数十mから数千mのものまで種々の寸法がある。送液ポンプ30は、コラム管10内の下端部10a近傍に設置されている。また、コラム管10の上部には、内部の液体を排出する排出口15が設けられている。そしてこの排出口15とコラム管10を連通する配管には、コラム管10内にパージガスを注入するパージガス注入口16が設けられている。なお、17は電気ケーブルである。
【0004】
送液ポンプ30は、図2に示すように、上部ケーシング(モータケーシング)31及び下部ケーシング(ポンプケーシング)32を備えた縦型ポンプである。上部ケーシング31内には、該上部ケーシング31内に嵌挿固定されたモータ固定子34aと、該モータ固定子34a内に配置されたモータ回転子34bからなるモータ34が設置され、モータ回転子34bにシャフト33が固着されている。また、下部ケーシング32内には、シャフト33に取り付けられた羽根車36と整流板37を設置すると共に該下部ケーシング32の上下端にそれぞれ吸込口32aと吐出口32bを有してなるポンプ部38が設けられている。この送液ポンプ30は、モータ34が起動することでシャフト33を介して羽根車36が回転し、吸込口32aから液体を吸込み下部ケーシング32内を上昇させて吐出口32bから吐出する。
【0005】
一方、コラム管10の下端部10aには、吸入口40aを有する開閉式のサクションバルブ(吸入弁)機構40が設置されている。このサクションバルブ機構40は、コラム管10の下端部10aに取り付けられた筒状の台座部材(弁座部材)41と、台座部材41の下端開口部41a(吸入口40a)に当接しこれを閉止する平板状の蓋体(弁体)42を備えている。また、蓋体42に固定されると共に台座部材41に上下動自在に支持されたロッド43と、該ロッド43の上端部に固着された係止部材44と該係止部材44と台座部材41の間に取り付けられたコイルスプリング45とを備え、コイルスプリング45の弾発力で蓋体42を上方に付勢し吸入口40aに密着させてこれを閉止するように構成されている。台座部材41の蓋体42と当接する部分(弁座部)には、リング状のガスケット46aを装着したシール部46が設けられており、蓋体42がシール部46に当接することで、吸入口40aを液密状態に閉止するようになっている。一方、送液ポンプ30は、コラム管10内において蓋体42上に載置されるようになっている。これにより、コラム管10内に送液ポンプ30を設置している間は、送液ポンプ30の自重がコイルスプリング45の弾発力に抗し蓋体42を下方に押し下げるため、吸入口40aが開口した状態に維持される。
【0006】
このように、送液ポンプ30を蓋体42に載置した状態で、常にサクションバルブ機構40の吸入口40aが開口しているので、貯留槽1内の液体が吸入口40aからコラム管10内に流入して送液ポンプ30の吸込口32aへ流入するようになっている。一方、送液ポンプ30の下部ケーシング32の外周部(下端部)には、ガスケット39aを装着したシール部39が設けられており、送液ポンプ30を蓋体42に載置すると、シール部39が送液ポンプ30の外周とコラム管10の内周との隙間を密封するようになっている。したがって、吸入口40aからコラム管10内に流入した液体は、送液ポンプ30を運転することで吸込口32aから吸い込まれて吐出口32bから吐出される。吐出口32bから吐出された液体はコラム管10内を通り、排出口15(図1参照)から外部へ排出される。なお、シール部39は、下記する図10のシール機構80のようなテーパ形状であってもよい。
【0007】
次に、図3を用いてコラム管10から送液ポンプ30を引き上げる手順を説明する。図3は送液ポンプ30の下部とサクションバルブ機構40を示す図である。同図(a)に示す送液ポンプ30の運転時には、送液ポンプ30が蓋体42に載置されて吸入口40aが開口した状態になっている。送液ポンプ30の点検・保守等の際には、吊ワイヤ14(図1参照)で送液ポンプ30を引き上げる。これにより、送液ポンプ30が蓋体42から離間し、同図(b)に示すように蓋体42がコイルスプリング45の弾発力で上方に引き上げられ、同図(c)に示すように吸入口40aを閉止する。このように、送液ポンプ30が引き上げられている間、コラム管10内と貯留槽1内が蓋体42で遮断されるので、貯留槽1の液体がコラム管10に流入することがない。また、同図(c)の状態で、パージガス注入口16(図1参照)からパージガスを供給すると、同図(d)に示すように、コラム管10の内圧が貯留槽1の内圧とコイルスプリング45の弾発力との合力に抗して蓋体42が押し下げられ、コラム管10内に残留する液体が貯留槽1へ排出される。このパージガスには、酸素含有が無く化学反応上極めて安定なN2ガス等が好適に用いられる。
【0008】
コラム管10内のすべての液体が排出されると、コラム管10内はパージガスが充満した状態になる。こうして吸入口40aからの液体の流入を停止した状態を保ちながらコラム管10内の残留液体を排出して安全なパージガスで置換することができる。このように、サクションバルブ機構40を設置したことで、簡単な手順でコラム管10内の液体を排出でき、安全を十分に確保することができるため、送液ポンプ30の据え付け及び引き上げ工事期間の画期的な短縮を実現できる。
【0009】
一方、石油やLPG、LNGその他の危険液体を、地上や地下に設置した貯留槽から他の場所に移送する送液装置においては、事故等の緊急時に液体の流通を即座に停止する緊急遮断機構を設置して安全を確保している。この緊急遮断機構として、地上あるいは地下の地表に近い位置に埋設された主として低温貯留槽では、液体を送液する配管に緊急遮断弁を設置することで、配管の下流側の背圧が貯留槽に掛かることを防止したり、貯留槽内の多量の液体が配管を流通して地上に流出することを防止している。さらに、事故等で配管に損傷が生じた場合、緊急遮断弁を即座に閉止することで損傷部分から貯留槽の液体が大量に流出することを防止している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、高深度地下貯留槽に設置された送液装置では、自然界から様々な力が作用するため配管の損傷などの事故の予測が極めて困難であるのに対して、地上又地下の地表に近い位置に埋設された主として低温貯留槽からの送液装置では、事故の予測がある程度可能であり、また液体の漏洩箇所が地上から明確に特定可能である。これらの理由により、地上又地下の地表に近い位置に埋設された主として低温貯留槽では、上記のように配管に緊急遮断弁を設置することや地表に防液堤等を設置することだけで、緊急時の安全対策は十分であると考えられていた。しかしながら、低温貯留槽においても緊急時に液体の漏洩を最小限に抑える必要があるため、図1に示す送液装置にも緊急遮断機構を設置することが好ましい。
【0011】
ここで、図1のコラム管10に設置されたサクションバルブ機構40は、送液ポンプ30の据付や保守の利便性を主目的として設置されたものであり、送液ポンプ30の設置には不可欠な機構であるが、吸入口40aを閉止するにはある程度の時間を要するため、緊急時にコラム管10への液体の流入を即座に停止する用途には適さない。そのためこの種のコラム管10を備えた送液装置には、サクションバルブ機構40とは別に緊急時における緊急遮断機構が必要である。特にLNG等の危険液体を備蓄する地下備蓄設備からの送液装置では、引火や爆発等の事故を未然に防止するため、緊急遮断機構が非常に重要である。
【0012】
また、地下数百m〜数千mに設置された高深度地下貯留槽から地上へ送液する送液装置においては、コラム管10の全長が極めて長いため、自然力など予想困難な外力の影響を受け易く事故が発生する確率が高い。また、事故等でコラム管10に損傷が生じた場合に漏洩した液体やガスが地上のいかなる場所に至るかの予測が困難であるため、損傷部位への液体の流入を迅速に停止して貯留槽1の液体の外部への放出を最小限に抑える必要があり、緊急遮断機構を設ける必要性は非常に高い。
【0013】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、送液ポンプの据付や保守の利便性に優れると共に、緊急時に液体の流路を迅速に遮断して液体貯留槽の液体が外部に漏洩することを防止する送液装置、及び該送液装置の運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、液体貯留槽と、該液体貯留槽に開口する吸入口を備えたコラム管と、該コラム管内に設置される送液ポンプとを備え、前記液体貯留槽に貯留された液体を前記コラム管を通して移送先へ送液する送液装置において、前記コラム管に、前記吸入口に当接しこれを閉止する蓋体を備えてなるサクションバルブ機構を設置し、該サクションバルブ機構は、前記送液ポンプを前記蓋体に載置すると前記蓋体が前記吸入口から離間して該吸入口が開口し、前記送液ポンプを前記蓋体から離間させると前記蓋体が前記吸入口に当接して該吸入口が閉止するように構成され、前記送液ポンプの吸込口に、緊急時に該吸込口を閉止して前記液体貯留槽の液体が前記コラム管へ流通することを阻止する緊急遮断弁を設置したことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の送液装置において、前記送液ポンプの外周面にシール部が設けられ、該シール部は、前記送液ポンプを前記蓋体に載置した位置において前記コラム管の内周面に密接して前記送液ポンプと前記コラム管との隙間を密封し、前記送液ポンプが前記蓋体から離間して前記コラム管の吸入口が前記蓋体で閉止されるまでの間、前記密封状態が維持されるように構成したことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、液体貯留槽と、該液体貯留槽に開口する吸入口を備えたコラム管と、該コラム管内に設置される送液ポンプとを備えた送液装置を運転する運転方法であって、前記液体貯留槽に貯留された液体を前記コラム管を通して移送先へ送液し、所定の検知手段が緊急事態を検知したら、前記送液ポンプの運転を停止し、その後、前記送液ポンプの吸込口を緊急遮断機構で緊急に閉止して前記液体貯留槽の液体の前記コラム管への流通を阻止することを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の送液装置の運転方法において、前記送液ポンプの吸込口を緊急に閉止した後に、前記コラム管内の液体を前記液体貯留槽へ排出することを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、液体貯留槽と、該液体貯留槽に開口する吸入口を備えたコラム管と、該コラム管内に設置される送液ポンプとを備え、前記液体貯留槽に貯留された液体を前記コラム管を通して移送先へ送液する送液装置において、前記コラム管に、前記吸入口に当接しこれを閉止する蓋体を備えてなるサクションバルブ機構を設置し、該サクションバルブ機構は、前記送液ポンプを前記蓋体に載置すると前記蓋体が前記吸入口から離間して該吸入口が開口し、前記送液ポンプを前記蓋体から離間させると前記蓋体が前記吸入口に当接して該吸入口が閉止するように構成され、前記送液ポンプは所定の吊下手段により前記コラム管内に吊下げられて前記蓋体に載置され、前記吊下手段に、該吊下手段を引き上げることで前記送液ポンプを前記蓋体から離間させる引上機構を設け、緊急時に、前記引上機構で前記送液ポンプを前記蓋体から離間させて前記コラム管の吸入口を前記蓋体で閉止し、前記液体貯留槽の液体のコラム管への流通を阻止する緊急遮断機構を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本願請求項1に記載の発明によれば、送液装置において、コラム管に、吸入口に当接しこれを閉止する蓋体を備えてなるサクションバルブ機構を設置し、送液ポンプの吸込口に、緊急時に該吸込口を閉止して液体貯留槽の液体がコラム管へ流通することを阻止する緊急遮断弁を設置したので、サクションバルブ機構の利便性により送液ポンプの据え付け及び引き上げ工事期間の短縮を実現できると共に、緊急遮断弁により貯留槽やコラム管の損傷等の緊急時に外部に危険液体が漏洩することを防止でき、特に高深度地下備蓄設備などにおける予測困難なコラム管の損傷など、突然の事故に対しても十分な安全を確保できる送液装置を提供することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、送液ポンプが蓋体から離間してコラム管の吸入口が蓋体で閉止されるまでの間、シール部の密封状態が維持されるように構成したので、緊急遮断弁を作動した後に送液ポンプを引き上げても、緊急遮断後のコラム管内が液体貯留槽と再度連通することを防止できるので、液体貯留槽の液体がコラム管に流入することがなく、損傷箇所に液体やガスが至ることを確実に防止でき、突然の事故に対しても十分な安全を確保できる送液装置を提供することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、送液ポンプの吸込口を閉止する前に送液ポンプの運転を停止するので、吸込液が無くなった状態で送液ポンプを運転する危険がなく、送液ポンプがキャビテーションや焼付きを生じる事故を防止でき、安全な状態で液体貯留槽の液体のコラム管への流通を阻止することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、送液ポンプの吸込口を閉止した後に、コラム管内の液体を液体貯留槽へ排出するので、緊急遮断後のコラム管内に残留する危険液体等を排出してコラム管内をより安全な状態にすることができ、事故を効果的に防ぐことができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、コラム管に、吸入口に当接しこれを閉止する蓋体を備えてなるサクションバルブ機構を設置し、送液ポンプは所定の吊下手段によりコラム管内に吊下げられて蓋体に載置され、吊下手段に、該吊下手段を引き上げることで送液ポンプを蓋体から離間させる引上機構を設け、緊急時に、引上機構で送液ポンプを蓋体から離間させてコラム管の吸入口を蓋体で閉止し、液体貯留槽の液体のコラム管への流通を阻止する緊急遮断機構を備えたので、簡単な構成で、サクションバルブ機構本来の機能と緊急遮断機能とを兼ね備えることが可能となる。これにより、送液ポンプの据え付け及び引き上げ工事の期間の短縮を実現できると共に、貯留槽やコラム管の損傷等の緊急時に危険液体等が漏洩することを防止する送液装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施形態における送液装置においては、図示する部分以外の構成は従来の送液装置と共通である。また、図示する部分においても従来構成と共通する箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【実施例1】
【0025】
図4は、本発明の一実施形態(第1実施形態)にかかる送液装置の一部を示す概略側断面図である。この送液装置は、その下端部10aが貯留槽1内に配置されたコラム管10(図1参照)と、コラム管10内に設置した送液ポンプ30とを備え、コラム管10の下端部10aに、図4に示すように吸入口40aを設けたサクションバルブ機構40を設置している。そして、送液ポンプ30の吸込口48に緊急遮断機構である緊急遮断弁50を設置している。
【0026】
送液ポンプ30の下部ケーシング47は、略筒状に形成された外周ケーシング47aと、その内側に配設された内周ケーシング47bを備え、外周ケーシング47aと内周ケーシング47bの間に吸込口48が設けられている。吸込口48は、外周ケーシング47aに設けた開口部47cにより下部ケーシング47の外部と連通している。緊急遮断弁50は、内周ケーシング47bの下端部を囲んで取り付けられた有底筒状の弁体51を備えている。そして弁体51の底部51aの中央に立接したロッド52の上端部に、内周ケーシング47bに形成されたシリンダ53内に配設され該シリンダ53内を上下に摺接移動するピストン54が設置されている。また、シリンダ53の下端部に設置した板状部材55とピストン54の下端部との間にコイルスプリング56が介在しており、該コイルスプリング56の弾発力によりピストン54及び弁体51が上方に付勢されている。弁体51の上端部にはガスケット57aを装着したシール部57が設けられている。弁体51が上方に移動し、シール部57が外周ケーシング47aに設けられた弁座部58に当接すると、吸込口48が液密状態で閉止されるようになっている。
【0027】
一方、シリンダ53内の上部には、ピストン54の上面に向けて圧力油や圧力ガスなどの加圧媒体を噴射供給する加圧媒体配管59が設置されている。この加圧媒体配管59は、コラム管10外部の地上等に設置した図示しない加圧媒体供給設備に連通している。ここで、油が氷結しない温度条件下に緊急遮断弁50を設置する場合は、加圧媒体に圧力油を用い、油が氷結する温度条件下に設置する場合は、加圧媒体にN2ガスなどを用いることができる。
【0028】
通常は、加圧媒体配管59からピストン54に向けて常時加圧媒体が噴射供給されており、この圧力がコイルスプリング56の弾発力に抗して弁体51が押し下げられた状態に保たれている。これにより、弁座部58と弁体51のシール部57との間に隙間60ができ、送液ポンプ30の吸込口48の流路が確保されている。一方、緊急時には加圧媒体の供給を停止することで、コイルスプリング56の復元力により弁体51を上方に押し上げて、隙間60を即座に閉止するようになっている。
【0029】
一方、緊急遮断弁50を設置した下部ケーシング47の外周面には、ガスケット61aを設置したシール部61が設けられている。送液ポンプ30が図4に示す位置にあるときは、このシール部61が台座部材41の内周面41bに密接してコラム管10と送液ポンプ30の隙間が密閉されており、貯留槽1内の液体は送液ポンプ30の吸込口48からのみコラム管10内に流入するようになっている。したがって、図4に示す送液ポンプ30の運転状態では、送液ポンプ30の羽根車36が回転することで、同図の矢印で示すように、吸入口40aから貯留槽1の液体が流入して送液ポンプ30の吸込口48に吸い込まれる。送液ポンプ30に吸い込まれた液体は上端部の吐出口32b(図2参照)から吐出されてコラム管10内に流入する。
【0030】
次に、上記の送液装置においてコラム管10が損傷するなどの事故が発生した際に、緊急遮断弁50を作動する手順を説明する。図5は、緊急遮断弁50が作動した状態を示す図である。コラム管10の外部に図示しないガス漏洩検知センサやガス漏洩検知装置を設置することで、これらセンサ等が作動して貯留液体やガスが漏洩する異常事態の発生を検知できる。この場合は、コラム管10の接続部分のガスケットなどからの予め想定されている漏洩と比較してその量が急激に増加し且つ継続する漏洩があると、特に損傷等の疑いが強いため、この種の漏洩を検知して信号を発するようにセンサ等を構成する。あるいは、人が監視して液体やガスの漏洩を判断してもよい。
【0031】
これらの手段により異常事態を検知したら、まず送液ポンプ30の運転を停止して液体の吸込みを停止する。送液ポンプ30の運転を停止した後所定時間が経過したら、加圧媒体供給設備からの加圧媒体の供給を停止する。すると弁体51にコイルスプリング56の弾発力と、貯留槽1の内圧とコラム管10の内圧の差圧が掛かり、これらの力により弁体51が上方に移動して緊急遮断弁50が作動する。これにより、送液ポンプ30の吸込口48を閉止し、貯留槽1からコラム管10への液体の流入を阻止することができる。ここで、送液ポンプ30の運転を停止する時期や、その後緊急遮断弁50を作動する時期等は、コラム管10内の残留液体の液面高さや、緊急遮断弁50を閉止した際に液体から発生する発生ガスの影響等を検討して決定する。
【0032】
液体やガスが大量に漏洩している場合は、迅速に緊急遮断弁50を作動する必要があるが、送液ポンプ30の保護も必要になるため、上記のように送液ポンプ30を停止してから緊急遮断弁50を作動することが望ましい。これにより、送液ポンプ30の吸込液が無くなることでキャビテーションや焼付きを生じる事故を防止できる。また、貯留槽1内に異常が発生した場合にも、直ちに送液ポンプ30を停止すると共に送液ポンプ30の停止から所定時間が経過した後に緊急遮断弁50を作動して、貯留槽1内の液体の外部への排出を緊急に停止することで、貯留槽1を外部(大気側)に対して遮断することができる。なお、状況に応じて送液ポンプ30の運転を停止する前に緊急遮断弁50を作動することも可能である。
【0033】
図5に示す緊急遮断弁50が作動した状態では、コラム管10と貯留槽1は緊急遮断弁50により遮断されているが、コラム管10内には緊急遮断弁50の作動前に流入した液体が残留している。そこで、コラム管10内の液体を排出するため、パージガス注入口(図1参照)からパージガスを供給してコラム管10内を加圧する。そして、加圧媒体配管59から若干の加圧媒体を供給することで弁体51を僅かに押下げる。これにより開口した吸込口48から、コラム管10内の液面に印加されたパージガスの圧力で押圧された液体が噴出して貯留槽1に排出される。このように緊急遮断弁50が作動した状態でコラム管10内の液体を排出して安全なパージガスで置換することができるので、損傷箇所等に液体やガスが至ることを確実に防止できる。
【0034】
また、図5に示す緊急遮断弁50が作動した状態から、吊ワイヤ14(図1参照)で送液ポンプ30を引き上げると、蓋体42に掛かる送液ポンプ30の自重が次第に軽減されて蓋体42が上昇し、図6に示すように吸入口40aが蓋体42によって閉止される。ここで、図5に示す、下部ケーシング47の外周面に設けたシール部61が台座部材41の内周面41bに当接しその密封状態が有効に継続する範囲のストローク寸法である長さ寸法Aが、蓋体42の上下移動のストローク寸法である長さ寸法B以上になる(即ち、A≧Bとなる)ように各部材の寸法を形成しておくことで、図6に示すように、蓋体42が上昇して吸入口40aを閉止するまでの間、シール部61の密封状態が維持されるように構成できる。これにより、緊急遮断弁50を作動してコラム管10の液体の流通を停止した後に送液ポンプ30を引き上げても、緊急遮断後のコラム管10が貯留槽1と再度連通することを防止できるので、貯留槽1の液体がコラム管10に流入して損傷箇所に液体やガスが至ることを確実に防止でき、突然の事故に対しても十分に安全を確保できる送液装置となる。
【0035】
図6に示す状態からさらに吊ワイヤ14で送液ポンプ30を引き上げると、図7に示すように、シール部61と台座部材41の内周面41bとが離間してこれらの間の密封状態が解除される。なお、このとき既に吸入口40aは閉止しているので、貯留槽1からコラム管10に新たに液体が流入することはない。この状態でコラム管10内にパージガスを供給することで、蓋体42を下降させてコラム管10の残留液体を貯留槽1へ排出することができる。あるいは、図8に示すように、送液ポンプ30をコラム管10から完全に引き上げた後、コラム管10内にパージガスを供給し残留液体を排出することも可能である。このようにコラム管10内の残留液体を排出してパージガスで置換することにより、コラム管10内をより安全な状態にすることができる。
【0036】
上記のように緊急遮断弁50やサクションバルブ機構40によりコラム管10内の残留液体を排出する以外にも、例えば、図示は省略するが地上からコラム管10内に連通する配管を設置して、残留液体にこの配管の入口を浸漬し、その状態でコラム管10内にパージガスを供給して残留液体の液面を加圧すれば、配管の入口に残留液体が流入して地上まで輸送され、残留液体をコラム管10の外部に排出することができる。
【0037】
なお上記の送液装置において、シリンダ53の内周面53aのピストン54が摺接する部分にダイヤモンドをコーティングすれば、ピストン54の潤滑性が向上する。また、台座部材41のロッド43に摺接する内周面には潤滑用のスリーブ49が設置されているが、このスリーブ49にダイヤモンドをコーティングした部材を用いることで、ロッド43の潤滑性が向上する。さらに、シャフト33が摺接する部分にもダイヤモンドをコーティングしたスリーブ62を設置することができる。このように部材同士が摺接する部位にダイヤモンドをコーティングした部材を採用することで、貯留槽1の液体が低粘度液体である場合においても、摺接部の低摩擦係数化を図ることができ、部材の寿命が伸張する。特に高深度貯留槽に設置した送液装置においては、使用する部材の寿命を長くすることでメンテナンス間隔を長くできるので、保守の手間を軽減することが可能となる。さらにシャフト33とスリーブ62が摺接する部分に潤滑媒体を供給する潤滑媒体供給ライン63を設置することで、シャフト33の潤滑性を向上させることができる。
【0038】
また緊急遮断弁50は、図示のように通常時にピストン54に加圧媒体を供給して吸込口48を開状態に維持する構成以外にも、緊急時に、これと逆方向、即ち吸込口48を閉鎖する方向に弁体51を移動させるように加圧媒体を供給することで、吸込口48を即座に閉じる構成とすることや、あるいはこれら両方の構成を備えることも可能である。
【実施例2】
【0039】
図9は、本発明の他の実施形態(第2実施形態)にかかる送液装置が備える緊急遮断機構の構成を示す概略側断面図である。本実施形態では、第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。以下の実施形態においても同様とする。本実施形態にかかる送液装置は、図1に示す従来の送液装置におけるコラム管10の上端開口部10bに取り付けた各部品の構成を変更し、図9に示すように構成したものである。即ち、同図に示すように、ロッド13の上端部に吊輪12を介して引上機構65を取り付けている。また引上機構65には、電気信号ライン66を介して異常検知手段67が接続されている。この異常検知手段67には、ガス漏洩検知センサやガス漏洩検知装置などを用いることができる。異常検知手段67が異常を検知すると、引上機構65にその旨の信号が送信されることで、引上機構65が作動し、即座にロッド13を上昇させて送液ポンプ30を引き上げるように構成されている。これにより、緊急時に、蓋体42に掛かる送液ポンプ30の自重を取り除きサクションバルブ機構40の吸入口40aを閉鎖することができる。このように、サクションバルブ機構40が緊急遮断機構を備えるように構成した。なおこの場合も、緊急遮断後のコラム管10内の残留液体は、コラム管10内にパージガスを供給して加圧することで排出すればよい。
【0040】
コラム管10の上端開口部10bに設置した蓋部材11の上面には、共にロッド13の外周を囲む第1支持部材70と該第1支持部材70の内側に配置された第2支持部材71が設置されている。第1支持部材70と第2支持部材71の内周には、各々ロッド13の外周に摺接する第1ロッドシール(外側シール)72と第2ロッドシール(内側シール)73が設置されている。また、第1支持部材70と第2支持部材71の間の空間は、パージガスを導入するバッファゾーン74になっている。即ち、図示しないパージガス供給源からパージガス供給口74aを介してパージガスを供給し、バッファゾーン74内に充填することができる。このように第1、第2ロッドシール72,73の2段のロッドシールを設置していることや、コラム管10からロッド13が突出する蓋部材11の上部にバッファゾーン74を設けていることで、コラム管10内の液体や該液体から発生したガスが蓋部材11とロッド13の隙間から外部に漏洩することを確実に防止し、安全を確保する構造になっている。
【実施例3】
【0041】
図10は、本発明の他の実施形態(第3実施形態)にかかる送液装置が備えるサクションバルブ機構40と送液ポンプ30を示す部分側断面図である。本実施形態の送液装置は、第1実施形態の送液装置における下部ケーシング47の外周に設けたシール部61にかえて、図10に示すように台座部材41の内周面41bに形成したテーパ形状の傾斜面80aと、下部ケーシング47外周部の台座部材41の内周面41bに当接する位置に形成したテーパ形状の傾斜面80bとからなるシール機構80を設置したものである。このシール機構80は、傾斜面80aと傾斜面80bが互いに当接して係合することで、送液ポンプ30とコラム管10の隙間を密封するようになっている。このように、シール機構としてテーパ形状面80a,80b同士の接触(金属面接触)によるシール機構80を用いることができる。
【0042】
以上説明したように本発明によれば、サクションバルブ機構を備えた送液装置に緊急遮断機構を付加したことで、サクションバルブ機構による送液ポンプの設置の利便性を活かしつつ緊急時には液体の流路を迅速に遮断可能な送液装置を提供できる。また、本発明によれば、特に高深度地下備蓄設備などにおける予測困難なコラム管の損傷など、突然の事故に対しても十分な安全の確保が可能な送液装置を提供できる。さらに、緊急遮断弁を作動して貯留槽とコラム管を遮断した後に、コラム管内に残留した液体を貯留槽に排出し、コラム管内の雰囲気を安全なパージガスで置換することで、損傷箇所等に危険液体やガスが至ることを確実に防止して安全を確保できる。
【0043】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、各実施形態では、本発明にかかる送液装置の例としてLNG等の液体を貯留した地下貯留槽から地上へ連通するコラム管内に縦型ポンプを設置した場合を説明したが、貯留液体はLNGに限らず、LPGや原油、石油など他の液体でもよいし、貯留槽は地上に設置した貯留タンク等でもよい。また送液ポンプは、実施形態や図面の記載に限らず他の形式のポンプでもよく、図示する以外の構成の縦型ポンプや、あるいは横型ポンプ等でもよい。
【0044】
また、上記各実施形態の送液ポンプ30において、送液媒体であるLNG等に含有する水分は氷結して絶縁性を示すため、送液ポンプ30の絶縁部に悪影響を及ぼさないが、LNG等に水分以外の金属成分等の導電性物質が万一混入していると、これによりモータ34の絶縁部や電気ケーブル17などが絶縁低下を示すおそれがある。そこでこの予防策として、モータ34の絶縁部をキャンド構造にしたり、電気ケーブル17を蛇腹管路中に包含させた構造のコルゲートケーブルを採用したりすることで、送液ポンプ30に導電性物質混入防止対策を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】従来の送液装置の構成例を示す側断面図である。
【図2】送液装置のコラム管に設置したサクションバルブ機構及び送液ポンプを示す部分拡大断面図である。
【図3】コラム管から送液ポンプを引き上げる手順を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態(第1実施形態)にかかる送液装置の一部を示す側断面図である。
【図5】緊急遮断弁が作動した状態を示す図である。
【図6】送液ポンプが上昇してコラム管の吸入口が閉止した状態を示す図である。
【図7】送液ポンプがコラム管から取外された状態を示す図である。
【図8】コラム管内の残留液体を排出する手順を説明するための図である。
【図9】本発明の他の実施形態(第2実施形態)にかかる送液装置の一部を示す側断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態(第3実施形態)にかかる送液装置の一部を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 貯留槽
10 コラム管
11 蓋部材
12 吊輪
13 ロッド
14 吊ワイヤ
15 排出口
16 パージガス注入口
30 送液ポンプ
31 上部ケーシング
32 下部ケーシング
32a 吸込口
32b 吐出口
33 シャフト
34 モータ
36 羽根車
37 整流板
38 ポンプ部
39 シール部
40 サクションバルブ機構
40a 吸入口
41 台座部材
42 蓋体
43 ロッド
44 係止部材
45 コイルスプリング
46 シール部
47 下部ケーシング
47a 外周ケーシング
47b 内周ケーシング
48 吸込口
49 スリーブ
50 緊急遮断弁
51 弁体
52 ロッド
53 シリンダ
54 ピストン
55 板状部材
56 コイルスプリング
57 シール部
58 弁座部
59 加圧媒体配管
60 隙間
61 シール部
62 スリーブ
63 潤滑媒体供給ライン
65 引上機構
66 電気信号ライン
67 異常検知手段
70 第1支持部材
71 第2支持部材
72 第1ロッドシール
73 第2ロッドシール
74 バッファゾーン
74a パージガス供給口
80 シール機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体貯留槽と、該液体貯留槽に開口する吸入口を備えたコラム管と、該コラム管内に設置される送液ポンプとを備え、前記液体貯留槽に貯留された液体を前記コラム管を通して移送先へ送液する送液装置において、
前記コラム管に、前記吸入口に当接しこれを閉止する蓋体を備えてなるサクションバルブ機構を設置し、該サクションバルブ機構は、前記送液ポンプを前記蓋体に載置すると前記蓋体が前記吸入口から離間して該吸入口が開口し、前記送液ポンプを前記蓋体から離間させると前記蓋体が前記吸入口に当接して該吸入口が閉止するように構成され、
前記送液ポンプの吸込口に、緊急時に該吸込口を閉止して前記液体貯留槽の液体が前記コラム管へ流通することを阻止する緊急遮断弁を設置したことを特徴とする送液装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送液装置において、
前記送液ポンプの外周面にシール部が設けられ、該シール部は、前記送液ポンプを前記蓋体に載置した位置において前記コラム管の内周面に密接して前記送液ポンプと前記コラム管との隙間を密封し、
前記送液ポンプが前記蓋体から離間して前記コラム管の吸入口が前記蓋体で閉止されるまでの間、前記密封状態が維持されるように構成したことを特徴とする送液装置。
【請求項3】
液体貯留槽と、該液体貯留槽に開口する吸入口を備えたコラム管と、該コラム管内に設置される送液ポンプとを備えた送液装置を運転する運転方法であって、
前記液体貯留槽に貯留された液体を前記コラム管を通して移送先へ送液し、
所定の検知手段が緊急事態を検知したら、前記送液ポンプの運転を停止し、その後、前記送液ポンプの吸込口を緊急遮断機構で緊急に閉止して前記液体貯留槽の液体の前記コラム管への流通を阻止することを特徴とする送液装置の運転方法。
【請求項4】
請求項3に記載の送液装置の運転方法において、
前記送液ポンプの吸込口を緊急に閉止した後に、前記コラム管内の液体を前記液体貯留槽へ排出することを特徴とする送液装置の運転方法。
【請求項5】
液体貯留槽と、該液体貯留槽に開口する吸入口を備えたコラム管と、該コラム管内に設置される送液ポンプとを備え、前記液体貯留槽に貯留された液体を前記コラム管を通して移送先へ送液する送液装置において、
前記コラム管に、前記吸入口に当接しこれを閉止する蓋体を備えてなるサクションバルブ機構を設置し、該サクションバルブ機構は、前記送液ポンプを前記蓋体に載置すると前記蓋体が前記吸入口から離間して該吸入口が開口し、前記送液ポンプを前記蓋体から離間させると前記蓋体が前記吸入口に当接して該吸入口が閉止するように構成され、
前記送液ポンプは所定の吊下手段により前記コラム管内に吊下げられて前記蓋体に載置され、
前記吊下手段に、該吊下手段を引き上げることで前記送液ポンプを前記蓋体から離間させる引上機構を設け、
緊急時に、前記引上機構で前記送液ポンプを前記蓋体から離間させて前記コラム管の吸入口を前記蓋体で閉止し、前記液体貯留槽の液体のコラム管への流通を阻止する緊急遮断機構を備えたことを特徴とする送液装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−64065(P2007−64065A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249704(P2005−249704)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】