説明

通信システム及び通信方法

【課題】複数の送受信局から送信されたパケットが衝突した際に、勝ち残れなかった送受信局が自身宛に送信されたパケットのデータを受信できなくなる可能性を低減することができる通信システム及び通信方法を提供する。
【解決手段】複数の送受信局の一の送受信局は、任意のタイミングで送信先情報12cを含むヘッダ12及びデータ11を有するパケット10を有線通信回線に送信する。一の送受信局は、パケット10の先頭に所定バイト数のダミーデータを付加して有線通信回線に送信し、一の送受信局及び送信先情報12cに一致する送受信局は、ダミーデータ13の付加されたパケット10を受信する。一の送受信局は、受信したダミーデータ13の付加されたパケット10に基づき該パケット10と他の送受信局の送信したパケットとの衝突の有無を判断するとともに、該衝突有りの判断時にパケット10の送信を中止して受信状態に切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の送受信局間が有線通信回線で接続される通信システム及び通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通信システムとしては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この通信システムは、複数の送受信局としての室外ユニット及び室内ユニットと、これら室外ユニット及び室内ユニット間を接続する有線通信回線とを備えている。従って、室外ユニット及び室内ユニットは、有線通信回線を介して相互に情報(データ)をやり取りしていると推定される。
【0003】
ところで、こうした通信システムでは、例えば電気的構成を簡素化するために、各種団体(例えばIEEEなど)によって制定された規格(通信プロトコル)ではなく、独自の規格で情報をやり取りすることがある。
【0004】
例えば複数の送受信局A,B,…と、これら送受信局A,B,…間を接続する有線通信回線LNとを備えた通信システム(図1参照)において、各送受信局A,B,…は、有線通信回線LNから自分宛のパケットを受信する。また、各送受信局A,B,…は、任意のタイミングでパケットを有線通信回線LNに送信する。この際、当該パケットを送信した送受信局A,B,…は、有線通信回線LNから自身のパケットを受信してその異常の有無を監視する。これは、複数の送受信局A,B,…からパケットが略同時に有線通信回線LNに送信されたとき、パケットの衝突で勝ち残った1つ以下の送受信局A,B,…以外の送受信局(勝ち残れなかった送受信局)は、パケットの送信を中止して受信状態に切り替わるように設定されているためである。
【0005】
図6は、各送受信局A,B,…が送受信するパケット90の構成を示す概略図である。同図に示すように、パケット90は、送受信する内容を表す所定バイト数(8バイト)のデータ91と、該データ91の頭に付加されるヘッダ92とを有する。そして、ヘッダ92は、データ91の頭に付加される所定バイト数(2バイト)のデータ長情報92a、該データ長情報92aの頭に付加される所定バイト数(1バイト)の送信元情報92b及び該送信元情報92bの頭に付加される所定バイト数(1バイト)の送信先情報(宛先情報)92cからなる。
【0006】
そして、各送受信局A,B,…は、有線通信回線LNにパケット90を送信するとき以外は、基本的に有線通信回線LNを監視して自身の送信先情報92cを含むパケット90を受信する受信状態を維持する。従って、各送受信局A,B,…は、受信状態(当然ながらパケットの衝突なし)であれば、他の送受信局A,B,…の送信したパケット90の先頭(送信先情報92c)に基づいて自分宛のパケット90を受信することができる。
【0007】
一方、パケット90を送信した送受信局A,B,…は、同時に有線通信回線LNから自身のパケット90を受信する。そして、送受信局A,B,…は、当該パケット90を所定バイト数(1バイト)ごとのデータ領域に分割して、該データ領域ごとに順次、パケット90の衝突の有無を判断する。このとき、パケット90の衝突があると判断されると、送受信局A,B,…は、当該パケット90の残りの送信を中止して受信状態に切り替わる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−309087号公報(第[0019]段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、パケット90を送信した送受信局A,B,…は、所定バイト数(1バイト)のデータ領域ごとにパケット90の衝突の有無を判断する。従って、該パケット90の衝突有りを判断した時点で直ちに受信状態に切り替わったとしても、例えば勝ち残った送受信局A,B,…の送信したパケット90の先頭の情報、即ち送信先情報92cを読み取ることができないことがある。この場合、勝ち残れなかった送受信局A,B,…は、勝ち残った送受信局が自身の送信先情報92cを含むパケット90を送信していたとしてもこれを受信することができず、該パケット90はそのまま読み捨てられることになる。
【0010】
本発明の目的は、複数の送受信局間が有線通信回線で接続され、各送受信局が任意のタイミングで有線通信回線にパケットを送信する通信システムにおいて、複数の送受信局から送信されたパケットが衝突した際に、勝ち残れなかった送受信局が自身宛に送信されたパケットのデータを受信できなくなる可能性を低減することができる通信システム及び通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の送受信局間が有線通信回線で接続され、一の前記送受信局が任意のタイミングで宛先情報を含むヘッダ及びデータを有するパケットを前記有線通信回線に送信するとともに、前記パケットを送信した前記一の送受信局及び前記宛先情報に一致する前記送受信局が前記パケットを受信し、前記一の送受信局が前記受信したパケットに基づき該パケットと他の前記送受信局の送信したパケットとの衝突を検知したときに前記パケットの送信を中止して受信状態に切り替わる通信システムにおいて、前記一の送受信局は、前記パケットの先頭に所定情報量のダミーデータを付加して前記有線通信回線に送信するとともに、該ダミーデータの付加された前記パケットに基づき前記衝突を検知することを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、任意である前記一の送受信局は、前記ダミーデータの付加された前記パケットを前記有線通信回線に送信するとともに、当該パケットを自ら受信して前記他の送受信局の送信したパケットとの衝突を検知する。この際、前記ダミーデータの前記所定情報量内で、即ち前記他の送受信局がパケットの宛先情報を送信する前に前記衝突が検知されれば、前記一の送受信局は、前記他の送受信局の送信したパケットの宛先情報が自身のものに一致しているときに、その後の受信状態への切り替えによって当該パケットを受信することができる。以上により、前記複数の送受信局から送信されたパケットが衝突した際に、勝ち残れなかった送受信局が自身宛に送信されたパケットのデータを受信できなくなる可能性を低減することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信システムにおいて、前記パケットには、前記ダミーデータと前記ヘッダとの間に所定の空き時間が設定されていることを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、前記一の送受信局は、前記ダミーデータに基づき前記衝突を検知してから受信状態に切り替わるまでに遅延時間が生じたとしても、該遅延時間を前記空き時間で吸収することで、前記他の送受信局の送信した自身の宛先情報に一致するパケットをより確実に受信することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の通信システムにおいて、前記ダミーデータは、前記複数の送受信局の全ての宛先情報と異なるビットパターンを有することを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、いずれかの前記送受信局が前記ダミーデータを宛先情報として認識し、その後のデータを誤って受信してしまう可能性を低減できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、前記一の送受信局は、前記受信した前記ダミーデータの付加されたパケットを前記所定情報量からなる複数のデータ領域に分割して、該データ領域ごとに順次、前記他の送受信局の送信したパケットとの衝突を検知することを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、例えば前記各送受信局が前記有線通信回線の空き状態を確認して前記パケットを送信するように設定されている場合、複数の前記送受信局の各々から前記パケットが略同時に送信されて衝突が起きる可能性が高い。つまり、前記各送受信局は、前記受信した自身のパケットの最初の前記データ領域で前記衝突を検知する可能性が高い。従って、前記各送受信局は、前記ダミーデータの情報量に一致する最初の前記データ領域で前記衝突を検知することで、受信状態への切り替えに遅れることなく最大限に前記ダミーデータを活用して前記衝突を検知することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、複数の送受信局間が有線通信回線で接続され、一の前記送受信局が任意のタイミングで宛先情報を含むヘッダ及びデータを有するパケットを前記有線通信回線に送信する通信方法において、前記一の送受信局は、前記パケットの先頭に所定情報量のダミーデータを付加して前記有線通信回線に送信し、前記一の送受信局及び前記宛先情報に一致する前記送受信局は、前記ダミーデータの付加されたパケットを受信し、前記一の送受信局は、前記受信した前記ダミーデータの付加されたパケットに基づき該パケットと他の前記送受信局の送信したパケットとの衝突の有無を判断するとともに、該衝突有りの判断時に前記パケットの送信を中止して受信状態に切り替わることを要旨とする。
【0019】
同構成によれば、前記複数の送受信局から送信されたパケットが衝突した際に、勝ち残れなかった送受信局が自身宛に送信されたパケットのデータを受信できなくなる可能性を低減することができる通信方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、複数の送受信局から送信されたパケットが衝突した際に、勝ち残れなかった送受信局が自身宛に送信されたパケットのデータを受信できなくなる可能性を低減することができる通信システム及び通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態を示す模式図。
【図2】同実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態のパケットを示す構成図。
【図4】同実施形態の通信制御態様を示すフローチャート。
【図5】本発明の変形形態のパケットを示す構成図。
【図6】従来形態のパケットを示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態に係る通信システムを示す模式図である。同図に示すように、この通信システムは、複数の送受信局A,B,…と、これら送受信局A,B,…間を接続する有線通信回線LNとを備える。すなわち、図2に示すように、各送受信局A,B,…は、通信に係る制御を司る通信制御部1と、例えば不揮発性メモリからなる記憶部2とを備えており、通信制御部1において有線通信回線LNと接続されている。通信制御部1は、送信部1a及び受信部1bを有しており、送信部1aを通じて有線通信回線LNにパケットを送信するとともに、受信部1bを通じて有線通信回線LNからパケットを受信する。なお、記憶部2には、自身を備える送受信局A,B,…の宛先情報及び他の送受信局A,B,…の宛先情報がそれぞれ送信元情報及び送信先情報として記憶されている。あるいは、記憶部2には、他の送受信局A,B,…との間でやり取りを要する各種データ等が記憶されている。
【0023】
ここで、各送受信局A,B,…(通信制御部1)は、図3に示す構成のパケット10を任意のタイミングでランダムに有線通信回線LNに送信する。このパケット10は、送受信する内容を表す所定バイト数(8バイト)のデータ11と、該データ11の頭に付加されるヘッダ12と、該ヘッダ12の頭(パケット10の先頭)に付加されるダミーデータ13とを有する。そして、ヘッダ12は、データ11の頭に付加される所定バイト数(2バイト)のデータ長情報12a、該データ長情報12aの頭に付加される所定バイト数(1バイト)の送信元情報12b及び該送信元情報12bの頭に付加される所定バイト数(1バイト)の送信先情報(宛先情報)12cからなる。また、ダミーデータ13は、その情報量が送信先情報12cと同等の所定バイト数(1バイト)に設定されており、複数の送受信局A,B,…の全ての送信先情報12cと異なるビットパターンを有する。
【0024】
なお、各送受信局A,B,…は、有線通信回線LNにパケット10を送信するとき以外は、基本的に有線通信回線LNを監視して自身の送信先情報12cを含むパケット10を受信する受信状態を維持する。そして、各送受信局A,B,…は、ダミーデータ13の後に送られる送信先情報12cが自分宛であることで、その後に送られるデータ11を受け取る。
【0025】
また、各送受信局A,B,…は、有線通信回線LNが他の送受信局A,B,…からのパケット10の送信がない空き状態にあることを確認して、パケット10を送信するように設定されている。この場合、例えば複数の送受信局A,B,…により略同時に有線通信回線LNの空き状態が確認されてパケット10が送信されると、パケット10が衝突して異常を来すことがある。従って、本実施形態では、各送受信局A,B,…は、有線通信回線LNにパケット10を送信する際、有線通信回線LNから当該パケット10を自ら受信してその異常の有無を監視する。具体的には、各送受信局A,B,…は、有線通信回線LNから受信した自身のパケット10を所定バイト数(1バイト)からなる複数のデータ領域に分割して、該データ領域ごとに送信時のパケット10と比較して前記衝突の有無を判断する。従って、パケット10を送信した各送受信局A,B,…は、早くてもパケット10の最初のデータ領域、即ちダミーデータ13の送信完了後に前記衝突の有無を判断可能となる。
【0026】
そして、パケット10の衝突有りと判断しなかった1つ以下の送受信局A,B,…、即ちパケット10の衝突で勝ち残った1つ以下の送受信局A,B,…は、そのままパケット10の送信を継続する。一方、パケット10の衝突有りと判断した他の送受信局A,B,…、即ちパケット10の衝突で勝ち残れなかった送受信局A,B,…は、パケット10の残りの送信を即時に中止して受信状態に切り替わるように設定されている。従って、勝ち残れなかった送受信局A,B,…は、その送信したパケット10のダミーデータ13によって衝突有りと判断し、勝ち残った送受信局A,B,…がパケット10の送信先情報12cを送信するまでに受信状態に切り替わることで、自身の送信先情報12cを含むパケット10のデータ11を受信できる。
【0027】
次に、各送受信局A,B,…(通信制御部1)による通信制御態様について図4のフローチャートに基づき総括して説明する。なお、既述のように、各送受信局A,B,…は、基本的に有線通信回線LNを監視する受信状態に維持されている。
【0028】
同図に示すように、受信状態にあるとき(S1)、パケット10の送信が必要か否かが判断される(S2)。そして、パケット10の送信が不要と判断されると受信状態に維持され、必要と判断されると送信処理が実行(開始)される(S3)。すなわち、前述の態様でダミーデータ13の付加されたパケット10が生成され、有線通信回線LNが空き状態にあることを前提に該有線通信回線LNに当該パケット10が送信される。
【0029】
そして、有線通信回線LNから受信した自身のパケット10に基づいて、前記衝突の有無が判断される(S4)。ここで、前記衝突がないと判断されると、パケット10の送信が完了したかが判断される(S5)。そして、パケット10の送信が完了していないと判断されると、S3に戻って同様の処理が繰り返される。また、S4において前記衝突があると判断され、あるいはS5においてパケット10の送信が完了したと判断されると、S1に戻って即時に受信状態に切り替えられる。
【0030】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、任意である一の送受信局A,B,…は、ダミーデータ13の付加されたパケット10を有線通信回線LNに送信するとともに、当該パケット10を自ら受信して他の送受信局A,B,…の送信したパケットとの衝突を検知(衝突の有無を判断)する。この際、ダミーデータ13の所定情報量(1バイト)内で、即ち他の送受信局A,B,…がパケットの送信先情報12cを送信する前に前記衝突が検知されれば、一の送受信局A,B,…は、他の送受信局A,B,…の送信したパケットの送信先情報12cが自身のものに一致しているときに、その後の受信状態への切り替えによって当該パケットを正常に受信することができる。以上により、複数の送受信局A,B,…から送信されたパケット10が衝突した際に、勝ち残れなかった送受信局A,B,…が自身宛に送信されたパケット10のデータ11を受信できなくなる可能性を低減することができる。
【0031】
(2)本実施形態では、ダミーデータ13は、複数の送受信局A,B,…の全ての送信先情報12cと異なるビットパターンを有することで、いずれかの送受信局A,B,…がダミーデータ13を送信先情報12cとして認識し、その後のデータ11を誤って受信してしまう可能性を低減できる。
【0032】
(3)本実施形態では、各送受信局A,B,…が有線通信回線LNの空き状態を確認してパケット10を送信するように設定されていることで、複数の送受信局A,B,…の各々からパケット10が略同時に送信されて衝突が起きる可能性が高い。つまり、各送受信局A,B,…は、受信した自身のパケット10の最初のデータ領域で前記衝突を検知する可能性が高い。従って、各送受信局A,B,…は、ダミーデータ13の情報量(1バイト)に一致する最初のデータ領域で前記衝突を検知することで、受信状態への切り替えに遅れることなく最大限にダミーデータ13を活用して前記衝突を検知することができる。
【0033】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図5に示すように、ダミーデータ13とヘッダ12との間に所定の空き時間Tが設定されるパケット20であってもよい。この空き時間Tは、例えば1バイト分の情報、即ち衝突検知に係る1つのデータ領域の送信に要する時間に設定することが好ましい。このように変更することで、パケット20を送信する一の送受信局A,B,…は、ダミーデータ13に基づき前記衝突を検知してから受信状態に切り替わるまでに遅延時間が生じたとしても、該遅延時間を空き時間Tで吸収することで、他の送受信局の送信した自身の送信先情報12cに一致するパケット20をより確実に受信することができる。また、各送受信局A,B,…は、受信するパケット20のダミーデータ13とその後のヘッダ12とを空き時間Tによって必要な情報の先頭をより明確に認識でき、パケット20のデータ11を正常に受信できる可能性を高めることができる。
【0034】
・前記各実施形態において、パケット10,20のダミーデータ13のバイト数は、衝突検知に係る1つのデータ領域のバイト数より多くてもよい。
・前記各実施形態において、パケット10,20の各情報のバイト数は一例である。
【0035】
・前記各実施形態において、有線通信回線LNは、全ての送受信局A,B,…で監視可能であれば、途中で分岐していてもよい。
【符号の説明】
【0036】
A,B,…送受信局、LN…有線通信回線、T…空き時間、10,20…パケット、11…データ、12…ヘッダ、13…ダミーデータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送受信局間が有線通信回線で接続され、一の前記送受信局が任意のタイミングで宛先情報を含むヘッダ及びデータを有するパケットを前記有線通信回線に送信するとともに、前記パケットを送信した前記一の送受信局及び前記宛先情報に一致する前記送受信局が前記パケットを受信し、前記一の送受信局が前記受信したパケットに基づき該パケットと他の前記送受信局の送信したパケットとの衝突を検知したときに前記パケットの送信を中止して受信状態に切り替わる通信システムにおいて、
前記一の送受信局は、前記パケットの先頭に所定情報量のダミーデータを付加して前記有線通信回線に送信するとともに、該ダミーデータの付加された前記パケットに基づき前記衝突を検知することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記パケットには、前記ダミーデータと前記ヘッダとの間に所定の空き時間が設定されていることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信システムにおいて、
前記ダミーデータは、前記複数の送受信局の全ての宛先情報と異なるビットパターンを有することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、
前記一の送受信局は、前記受信した前記ダミーデータの付加されたパケットを前記所定情報量からなる複数のデータ領域に分割して、該データ領域ごとに順次、前記他の送受信局の送信したパケットとの衝突を検知することを特徴とする通信システム。
【請求項5】
複数の送受信局間が有線通信回線で接続され、一の前記送受信局が任意のタイミングで宛先情報を含むヘッダ及びデータを有するパケットを前記有線通信回線に送信する通信方法において、
前記一の送受信局は、前記パケットの先頭に所定情報量のダミーデータを付加して前記有線通信回線に送信し、
前記一の送受信局及び前記宛先情報に一致する前記送受信局は、前記ダミーデータの付加されたパケットを受信し、
前記一の送受信局は、前記受信した前記ダミーデータの付加されたパケットに基づき該パケットと他の前記送受信局の送信したパケットとの衝突の有無を判断するとともに、該衝突有りの判断時に前記パケットの送信を中止して受信状態に切り替わることを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−250272(P2011−250272A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122815(P2010−122815)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】