説明

通気性布帛、通気性ウエア及びアウトドア製品

【課題】内部に蓄積する熱気と湿気を外部に効率よく放散することができ、しかも雨水が内部に侵入せず、常に快適な状態に保つ、ベンチュレーション機能付きの通気性布帛、該通気性布帛を使用した通気性ウエア及びアウトドア製品を提供することである。
【解決手段】上下に配置された上段布帛と下段布帛とで重ね合せ部を設け、該重ね合せ部の下段布帛の上端部を外側に折り返して堰を形成して、該堰の端部に三次元立体編物の上端部を接続し、該三次元立体編物の下端部を上段布帛の端部に接続して、該堰と上段布帛との間に第一の通気口を設け、該上段布帛の端部と下段布帛の重ね合せ部との間に第二の通気口を設けるとともに、該下段布帛の上端部と重ね合せ部の上段布帛をスポット的に止着して第二の開口が大きく開くことを防止するよう構成したことを特徴とする通気性布帛

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気構造を有する布帛及び該布帛を使用した通気性ウエアやテント、幕、傘などのアウトドア製品に関するものである。
本発明の通気構造を有する布帛は、内部に蓄積する熱気と湿気を外部に効率よく放散することができ、しかも雨水が内部に侵入しないため、特に防水加工されて生地自体の通気性が乏しい、例えば雨衣、各種作業着、ヤッケ、アノラック、ウインドブレーカー、トレーナー、ポンチョ、登山衣、ブルゾン、ジャンバーなどの各種ウエア、仮設用、レジャー用、オートキャンプ用、仮設建築としてのテント、トラックや乗用車などの幌、建築における幌などに好ましく使用される。
また、本発明の通気構造を有する布帛は、強風時に受ける風圧を外部に効率よく放散して風圧を減衰させるため、露天での設営に使用される幔幕、陣幕、工事現場で使用される養生幕、広告宣伝用の横断幕、懸垂幕・垂れ幕、さらに雨傘、日傘、レインコートのフードなどにも使用される。
【背景技術】
【0002】
従来より通気性ウエア、特に雨天に着用する雨衣などは、防水性に加えて通気性や透湿性が要求される。最近雨衣などに使用される布帛として、防水透湿性フィルムの表面に織物の表生地を積層し、その裏面に裏生地を積層した防水透湿性布帛が提案されている。(特許文献1、特許文献2等)。
【0003】
しかしながら防水透湿性布帛は長年の使用によりウエア表面の撥水性能が低下して表面に水膜ができたり、綿生地のような保水性のアンダーウエアを着用した場合は、綿生地が汗を吸って濡れて水膜の役割をする。水膜は透湿性を阻害するためウエアの内部が蒸れる。また、防水透湿性布はウエア内部の蒸気圧が外気圧より上昇しないとウエア内部で発生した水蒸気が透過しないため、ウエア内部の蒸気圧が上昇するまでは内部が蒸れた状態となる。更に、防水透湿性フィルムの強度を上げるためにフィルムの裏表に積層する織物等の生地を積層するため防水透湿性ウエアは高価である。また、防水透湿性布帛からなるウエアは、ゴルフ等の用途において、スイング時や風にあおられた時などに発生する布帛からの音が耳障りで不快であり、特にゴルフではスイング時に耳障りな音が発生したり、ウエアの上衣が体にまとわりつくためスムースなスイングができないという問題があった。また、テント、特に宿営用テントなどでは、長期間にわたり居住者が生活することや、パソコン等の電子機器、通信機器等が長期間設置されることなどから、テント内部が蒸れて居住性が低下するため、通気性、防水性が良好であることが要求される。
【0004】
本発明者は、従来の防水又は無水透性布帛を使用したウエアの上記問題点を徹底的に検討した結果、防水透湿性布帛はその透湿メカニズムから基本的に上記問題の解決が困難であることに到達し、ウエアに通気用の開口を設け、しかも該開口からの雨水の侵入を確実に阻止することにより上記問題が解決できることを見出し、更に検討した結果、防水透湿性布帛や無透湿性布帛を上下に分割し、該分割された上段布帛の下部と下段布帛の上部を重ねて、重ね合せ部を設け、該下段布帛の上端部を外側に折り返して雨水浸入防止用堰を形成し、該上段布帛との間に第一の通気口を設け、該上段布帛の端部と下段布帛の重ね合せ部に第二の通気口を設け、該折り返し部と上段布帛の端部を連結手段で連結した通気性ウエアを提案した(特許文献3)。
【0005】
本発明者が提案した通気性ウエアは、三次元立体織物の平面を流路としたため通気量が大幅に増加し、ウエア内部で発生する水蒸気がウエア内部に流入する大量の空気とともに外部に排出され、ウエア内部が蒸れることがない。更に、上段布片の端部と重ね合せ部の下段布片を細い布帛で連結することで、風の強い時に上段布片が捲き上がることも防止できる。
上記提案は、従来の防水透湿性布帛を使用した通気性ウエアの蒸れと雨水の侵入防止という相反する課題を解決した画期的な提案であったが、風雨が激しい時に、下段布片に形成された雨水浸入防止用堰と上段布片との間に設けられた第一の開口が、大きく開いて通気性ウエアが型崩れする恐れがあった。また、着用者が前かがみの姿勢を取った時に第一の開口が圧迫されて閉ざされて、通気量が減少する部分が発生し、着用者の体が部分的に冷えて体に負担をかけるという問題があった。
通気性に優れ、しかも内部に流入する空気量が増加、又は減少する部分の少ないベンチュレーション機能付きの通気性布帛を提供することである。
本発明の他の目的は、内部に蓄積する熱と湿気を効率よく外部に放散し、内部を常に快適な状態に保つベンチュレーション機能付きの通気性布帛を提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開昭60−39014号公報
【特許文献2】 特開平10−298869号公報
【特許文献3】 特開2009−299251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、特許文献3に提案された通気性ウエアを改良した、通気性に優れ、しかも内部に流入する空気量が増加、又は減少する部分の少ないベンチュレーション機能付きの通気性布帛を提供することである。
本発明の他の目的は、上記通気性布帛を使用した通気性ウエア及びアウトドア製品を提供することである。
更に、本発明の目的は、季節や使用場所の環境変化に係わらず暑い時期は内部に蓄積する熱と湿気を効率よく放散し、寒い時期は内部の熱を外部に逃がさない、通気性ウエア又はアウトドア製品を提供することである。
本発明の目的は、強風時に受ける風圧を外部に効率よく放散して、風圧を減衰させる雨衣のフード、幕、傘などを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、
(1)上下に配置された上段布帛と下段布帛とで重ね合せ部を設け、該重ね合せ部の下段布帛の上端部を外側に折り返して堰を形成して、該堰の端部に三次元立体編物の上端部を接続し、該三次元立体編物の下端部を上段布帛の端部に接続して、該堰と上段布帛との間に第一の通気口を設け、該上段布帛の端部と下段布帛の重ね合せ部との間に第二の通気口を設けるとともに、該下段布帛の上端部と重ね合せ部の上段布帛をスポット的に止着して第二の開口が大きく開くことを防止するよう構成したことを特徴とする通気性布帛である。
(2)該上段布帛の端部と重ね合せ部の下段布帛をスポット的に止着又は連結部材で連結して、上段布帛の捲き上がりを防止するよう構成した上記(1)記載の通気性布帛である。
(3)該三次元立体織物と上段布帛の先端部及び該三次元立体織物と該上段布帛の先端部から少なくとも0.5cm離れた二カ所を縫着した上記(1)記載の通気性布帛である。
(4)該三次元立体編物が耐水性のメッシュで包まれていることを特徴とする上記(1)記載の通気性布帛である。
(5)上記(1)記載の通気性布帛の内側に、メッシュ状布帛が取り付けられた上衣及び/又はズボンからなる通気性ウエアである。
(6)該上衣及び/又はズボンの上下2か所に重ね合せ部を設け、下部重ね合せ部に設けられた第二通気口からウエア内部に侵入する空気を、上部重ね合せ部に設けられた第二の通気口から排出するよう構成したことを特徴とする上記(5)記載の通気性ウエアである。
(7)正面に開口部を有し、該開口部と対向する背面部に少なくとも一つの重ね合わせ部を設けたフードを備えたことを特徴とする上記(5)記載の通気性ウエアである。
(8)該上衣の袖口に設けられた重ね合わせ部の下段布帛の先端部に手首締め付け手段を設けたことを特徴とする上記(5)記載の通気性ウエアである。
(9)該上段布帛の端部と、該重ね合せ部より下方の下段布帛にスライドファスナーの支持テープを取着し、該ファスナーのスライダーを移動させて、第二の開口を開閉するよう構成したことを特徴とする上記(5)記載の通気性ウエアである。
(10)上記(1)記載の通気性布帛を使用したテントである。
(11)該上段布帛の端部と、該重ね合せ部より下方の下段布帛及び/又は該下段布帛の先端部に設けられた堰と該重ね合せ部より上方の上段布帛にスライドファスナーの支持テープを取着し、該ファスナーのスライダーを移動させて第二の開口及び/又は第一の開口を開閉するよう構成したことを特徴とする上記(10)記載のテントである。
(12)上記(1)記載の通気性布帛を使用した傘及びパラソル並びに幕である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の通気性布帛、通気性ウエア及びアウトドア製品は、重ね合せ部の下段布帛の端部に三次元立体織物の上端部を接続し、該三次元立体織物の下端部を上段布帛に接続し、かつ下段布帛の上端部と重ね合せ部の上段布帛をスポット的に縫着して第二の開口が大きく開くことを防止したため型崩れがなく、かつ通気性に優れ、しかも内部に流入する外気量が増加、又は減少する部分が少ないため体が部分的に冷やされることがないという効果を奏している。
また、第一及び/又は第二の開口を開閉するスライドファスナーを設けることにより、第一又は第二の開口の開度が自由に調整でき、内部を常に快適な状態に保つことができる。
更に、強風で破損したり、吹き飛ばされる恐れがある幕、傘、パラソル等では第二の開口から風が抜けて風圧が減衰されるため、飛ばされたり、破損することが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】通気性布帛の模式図
【図2】通気性布帛の裏側模式図
【図3】図1の通気性布帛の重ね合せ部の詳細模式図
【図4】重ね合せ部で外気が流通する状態を説明する模式図
【図5】他の重ね合せ部の模式図
【図6】上着の前身頃の模式図
【図7】上着の後見頃の模式図
【図8】袖口の模式図
【図9】ズボンの模式図
【図10】フードの模式図
【図11】傘又はパラソルの模式図
【図12】屋外遮蔽幕の模式図
【図13】テントの模式図
【図14】幌付きトラックの模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
【実施例】
次に本発明の通気性布帛の一実施例を図面にて説明する。図1は上下に連結された二枚の布帛からなる通気性布帛1の模式図であり、上段布帛2の下部と下段布帛3の上部が重ねられて、重ね合せ部4を形成している。また、該下段布帛3の上端部は外側に折り返えされて雨水侵入防止用堰5を形成し、該雨水侵入防止用堰5と上段布帛との間に第一の開口6、該上段布帛2の端部と下段布帛3との間に第二の開口7が設けられている。
該雨水侵入防止用堰5の内側から上段布帛の端部の間に第一の三次元立体織物8が配置され、該立体織物8の端部が雨水侵入防止用堰5に逢着されている。
16は縫着ラインである。11は縫着ラインである。また、該雨水侵入防止用堰5の端部から上段布帛2の端部の間に第二の三次元立体織物9が配置され、該第一の三次元立体織物8と重畳一体化されている。該第一の三次元立体編物と重畳一体化された第二の三次元立体編物の他面の端部と上段布帛が縫着されている。10は縫着ラインである。縫着ライン10から少なくとも0.5cm上部の三次元立体編物と上段布帛が縫着されている。第二の三次元立体編物と上段布帛を二カ所逢着することで型崩れが防止される。12は縫着ラインである。13は上段布帛2の端部と重ね合せ部4の下部の下段布帛3を例えば5〜10cm間隔でスポット的に止着したスナップ等の留め具である。
【0012】
図2は、通気性布帛の裏側模式図であり、下段布帛の折返し部5の頂部と上段布帛が縫着部15でスポット的に止着されている。縫着の代わりに留め具で接合してもよいが、留め具が衣服の内側に突出して着用者に違和感を与えないよう考慮する必要がある。アウトドア製品の場合は、厚い布帛を使用するため縫着や留め具での接合が困難である。そのため、細幅の布帛や紐状体などの連結部材で下段布帛の上端部と上段布帛を連結するのが好ましい。下段布帛3の折返し部5と上段布帛2をスポット的に止着又は連結部材で連結することで第一の開口6が大きく開くことが防止される。スポット的に止着又は連結部材で連結する間隔は型崩れせず、しかも空気の流通に影響を与えないような間隔であればよい。衣服では通常10〜15cm間隔が適当である。アウトドア製品では20〜30cm間隔が適当である。また、衣服では内側にメッシュ状布帛14を取り付けると第一の開口6が外部から見えないため好ましい。
【0013】
本発明の通気性布帛1を通気性ウエアに使用する場合は、ウエアとアンダーウエアとの密着を防止するため、通気性布帛1の内側全体にメッシュ状布帛14を設けることが好ましい。該メッシュ布帛14により、アンダーウエアと通気性ウエアとの間に隙間が形成され、ウエアの内側でのアンダーウエアとのべとつき等が防止される。また上着を着用する時に重ね合せ部の第一及び第二の開口6、7に手指を差し込むことがなくスムーズに通気性ウエアが着用できる。
通気性布帛をアウトドア製品に使用する場合はメッシュ状布帛を取り付けなくてもよい。
【0014】
図3は重ね合せ部4の詳細図であり、下段布帛3の先端部は外側に折り返されてV字状の折り返し部(雨水侵入防止用堰)5を形成している。該折り返し部の長さは0.5〜5cm、通常1〜3cmが適当である。0.5cm未満では、堰で止められた雨滴が堰を越えて第一の開口から内部に進入する恐れがあり、5cmを超えると堰を形成する折り返し部が変形して雨滴の通路が形成される恐れがある。また、折り返しは単層であっても複層であっても良い。複数層の場合は、重合する複数の折目の近傍を縫製してV字状の堰を一体化する必要がある。複層の場合は折り返し部の長さが短くても確実に風雨の進入が防止でき好適である。重ね合せ部4の上段布帛2下部と下段布帛3上部の重なり部分は、2〜10cm、通常2〜5cmが適当である。2cm未満では重ね合せ部4の製作が困難であり、10cmを超えると通気性が低下する恐れがある。
【0015】
図3(1)では、折返し部5の内側から上段布帛の端部の間に第一の三次元立体織物8が配置されている。本発明で使用する第一の三次元立体織物8及び第二の三次元立体織物9は、市販の三次元立体編物を使用することができる。市販の三次元立体編物の厚さは通常3〜15mmである。本発明の第一の三次元立体編物8は、その先端部を折返し部5の内側に挿入して、折返し部を常時開放させ、折返し部が下段布帛へ付着することを防止する。そのため第一の三次元立体編物8の厚さは薄いほど好ましい。通常厚さ3〜5mmが適当である。
また、第二の三次元立体編物9の全面を上段布帛2と接合する場合は、空気が第二の三次元立体編物9の切断面からウエア内部に流入するためある程度の断面積(厚み)が必要である。第二の三次元立体編物9の一部を上段布帛2と接合する場合は、三次元立体編物は通気抵抗が少ないため通常5〜10mmの厚さが適当である。その場合空気は第二の3次元立体編物9の平面部を横断してウエア内部に流入するため厚さは薄くても構わない。通常3〜8mmが適当である。
【0016】
第一の三次元立体織物8の先端部は折返し部5の内側に挿入され、折返し部と接合されている。該折返し部5の端部から上段布帛2の端部の間に第二の三次元立体織物9が配置され、該第一の三次元立体織物8と重畳一体化される。また、第一の三次元立体織物8と重畳一体化された第二の三次元立体織物9の他面に上段布帛2が重ねられて重畳され、第二の三次元立体編物の端部が上段布帛と接合一体化される。重畳された第一の三次元立体織物8と第二の三次元立体織物9、又は第二の三次元立体織物9と上段布帛2は、例えば接着、圧着、縫製等により一体化される。通常工程簡略化のため縫製一体化が適当である。
第二の三次元立体織物9の端部を第一の三次元立体織物8の端部から突出させて一体化すると、該突出部を後述する下段布帛3と上段布帛2の止着部又は連結部材の取り付け部とすることができ好ましい。また、二枚の三次元立体織物を重畳一体化する代わりに、一枚の厚い三次元立体織物の端部表面を削り取って折返し部5の内側に挿入する薄い突出部を設けてもよい。
【0017】
図3(2)は重ね合せ部4の他の例の詳細図であり、下段布帛3の先端部の折り返えし部5が下段布帛3に密着することを防止するため、折返し部の内側に閉塞防止手段17を設けている。該閉塞防止手段17は折返し部の内側に設ければよく、折り返し部の内側又は該折り返し部と対向する下段布帛のどちらか一方に設ければよい。閉塞防止手段は耐水性の樹脂シート、織物などが用いられる。図3(2)では薄い三次元立体織物が取付けられている。閉塞防止手段17として設けられた第一の三次元立体織物の幅は、折返し部の長さより短い、通常0.5〜2cmが適当である。また、上段布帛2の端部から折返し部5の外側に第二の3次元立体織物9が配置され、その端部が折返し部5に接合されている。16は縫着ラインである。
【0018】
また、図3(3)は重ね合せ部4の他の例の詳細図であり、上段布帛2の端部から折返し部5の間に第二の三次元立体織物9が配置され、その先端部が折返し部5の内側に挿入されている。そのため折返し部が常時開放され、折返し部が下段布帛へ付着して閉止することが防止される。第二の三次元立体織物9の先端部と折返し部5及び第二の3次元立体織物9の他端部は縫製により一体化されている。上段布帛の型崩れを防止するため、三次元立体編物の下端部と上段布帛の端部縫着ライン10と、該縫着ライン10から少なくとも0.5cm、通常0.8〜1.5mm上部の二カ所縫着されている。12は上部縫着ラインである。
【0019】
また、図3(4)に示すように、重畳一体化された二枚の三次元立体織物8、9を耐水性の樹脂等からなるメッシュ18で包むと三次元立体織物の断面の毛羽立ち隠すことができ、また連結糸の脱落を防止できるため好ましい。19は二枚の三次元立体織物8、9を逢着一体化した縫製部である。図3(2)及び図3(3)に示す第二の三次元立体織物もメッシュで包むことが好ましい。メッシュは開口率が小さいと通気性が阻害されるため、通気性に影響を与えない開口率を有するメッシュを選定することが好ましい。
【0020】
図4は、重ね合せ部4で空気が流通する状態を説明する説明図であり、図4(1)は第二の三次元立体織物9の全面が上段布帛2と接合一体化されたケースであり、図4(2)は第二の三次元立体織物9の下端部と上段布帛2の先端部の縫着ライン10と、該縫着ラインから少なくとも0.5mm、通常0.8〜1.5mmの上部が縫着された例である。12は上部縫着ラインである。図4(1)では、第二の開口7から流入した空気は矢印のように第二の三次元立体織物9の端部断面を通って第一の開口6からウエア内部に流入する。一方図4(2)では、第二の開口7から流入した空気は矢印のように第二の三次元立体織物9の端部断面及び上段布帛と接合されていない部分を通って第一の開口6からウエア内部に流入する。また、このケースでは、強風で第二の開口7が拡大する恐れがあるため、上段布帛2の端部と、重ね合せ部4より下方の下段布帛3を細幅の布帛や紐等の連結部材20で連結することにより、上段布帛2の捲り上がりを防止している。連結部材の代わりに下段布帛3と上段布帛2の端部を縫製、ピン、ボタン、スナップ等の留め具でスポット的に止着することもできる。
下段布帛3と上段布帛2の端部は少なくとも5〜10cm間隔で連結、又は止着される。間隔が開きすぎると上段布帛1が強風で捲り上がる恐れがあり、狭すぎると通気性が低下する恐れがある。
第二の三次元立体織物9と上段布帛2との接合範囲は、3次元立体織物9の外気透過性能と厚さによって適宜決定される。外気の流通量を増大するには、図4(1)のケースでは三次元立体織物9は厚いほど好ましいが、見栄え等を考慮すると5〜10mmが適当である。一方図4(2)のケースでは三次元立体織物9は薄いほど外気の流通量が増加して好ましい。通常3〜8mmが適当である。
【0021】
本発明の通気性布帛1を通気性ウエアに使用する場合は、ウエアと衣服との密着を防止するため、通気性布帛1の内側全体にメッシュ状布帛14を設けることが好ましい。該メッシュ状布帛14により、衣服と通気性ウエアとの間に隙間が形成され、ウエアの内側での衣服のべとつき等が防止される。また上着を着用する時に重ね合せ部の第一及び第二の通気口6、7に手指を差し込むことがなくスムーズに通気性ウエアが着用できる。通気性布帛をアウトドア製品に使用する場合はメッシュ状布帛を取り付けなくてもよい。
【0022】
本発明で使用する3次元立体織物は、表裏面二層の編地と、該二層の編地を連結する連結糸とから構成された立体編物であり、特開平10−102363号公報、特開20002−138352号公報、特開平02−74648号公報等に記載されている。
【0023】
3次元立体織物は、通常ダブルラッセル編機、ダブルトリコット編機、ダブル丸編機、Vベッドを有する横編機等で編成される。表裏面二層の編地を構成する糸としてはポリエステル系繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維などの非吸水性の繊維が用いられる。また表裏面二層の編地を連結する連結糸は上記表裏面二層の編地と同じ繊維が使用されるが、通常圧縮回復率の優れたポリエステル系繊維が用いられる。
【0024】
また、3次元立体編物は繊維メーカー各社から商品化されている。例えば、ユニチカ(株)の「キュービックアイ」、住江織物(株)の「スウィングネット」、旭化成せんい(株)の「フュージョン」、東洋紡(株)の「ブレスエアー」などが知られている。
本発明では上記各社の3次元立体編物が使用できる。
【0025】
図5(1)は、本発明の通気性布帛の重ね合せ部の他の例であり、通気性布帛1を構成する上段布帛2の端部と、該上段布帛2と下段布帛3の重ね合せ部4の下方の下段布帛3にスライドファスナー21の支持テープ22、23が取り付けられている。図5(2)は、通気性布帛の重ね合せ部の他の例であり、該通気性布帛1の下段布帛3に設けられた堰5と、該上段布帛2と下段布帛3の重ね合せ部4の上方の上段布帛にスライドファスナー21の支持テープ22、23が取り付けられている。該スライドファスナーのスライダー24を移動させて第二の通気口7又は第一の開口6を開閉することにより、第二の開口7又は第一の開口6から流入する空気量や、ウエア内部から排出される空気の排出量を調整することができる。
【0026】
通気性ウエアでは外部からスライドファスナーが操作できるように、通常図5(1)に示す重ね合せ部が設けられる。第二の開口から流入する空気量を調整することで寒い時期や登山、海上などで通気性ウエアを着用した場合に、着用者の体温が奪われて低体温症になることを防止できる。下段布帛に取付けられるスライドファスナー21の支持テープ22、23は、上段及び下段布帛2、3に沿って流下する雨水を滞留させないよう下向きに取付けることが好ましい。
テントでは、図5(2)のようにテント内部から第一の開口6を開閉するようにスライドファスナー21が取り付けられた重ね合せ部が設けられている。テントの場合、図5(1)のように外部からスライドファスナーを開閉するようにしても構わない。また、図5(1)と図5(2)のように第二の通気口7及び第一の開口6の両方を開閉するようにスライドファスナー21を取り付けることもできる。
【0027】
通気性ウエアの上衣では、ウエアの少なくとも上下2か所に重ね合せ部4を設けることにより、ウエア下部の第二の開口7から外気を吸い込み、ウエア上部の第一の開口6からウエア内部の暖かく湿った空気を排出するベンチュレーション効果で通気性が向上する。
【0028】
図6(1)及び図6(2)は、通気性ウエアの上着の前身頃と後見頃の一例をモデル的に示す模式図であり、図7(1)及び図7(2)は通気性ウエアの上着の前身頃と後見頃の他の一例をモデル的に示す模式図である。
図6(1)及び図6(2)に示すように、上着の左右前身頃a、a‘及び後見頃bは、上段布帛25の下端部が中間段布帛11の上端部と重ねられて、上部重ね合せ部28、また中間段布帛26の下端部が下段布帛27の上端部と重ねられて下部重ね合せ部29が設けられている。また、右前身頃aの右端部と後見頃bの右端部は右縫い合せラインに沿って縫製一体化され、右前身頃aの左端部は右中心縫い合せラインに沿って右前見返しcと縫製一体化されている。
また、左前身頃a’の左端部と後見頃bの左端部は左縫い合せラインに沿って縫製一体化され、左前身頃aの右端部は左中心縫い合せラインに沿って左見返しc‘と縫製一体化されている。右前見返しcと左見返しc‘にスライドファスナーの支持テープが取り付けられている。
左右の前身頃a、a‘及び後見頃bにそれぞれ左右の袖d、d’が縫い合せラインに沿って縫製により取り付けられ上着が製作される。袖に設けられる上部重ね合せ部29は湿気が溜まりやすい脇の近くに設けることが好ましい。袖の先端に袖口30が設けられる。31は下部重ね合せ部である。また、重ね合せ部29の代わりに、袖の脇の下に複数の開口を設けてもよい。後見頃bも前身頃と同じであり、説明を省略する。
【0029】
図7(1)は、上着の前身頃の他の例であり、肩ヨークeと左右の前身頃a、a‘で重ね合せ部32が設けられている。また左右の袖ぐりから左右の見返しの端部に伸ばした左右の前身頃a、a’が左右の脇見頃f、f‘が縫着され、該縫着部に重ね合せ部33が設けられている。31は袖口に設けられた重ね合せ部である。図7(2)に示すように、後見頃gと肩ヨークeにも重ね合せ部34が設けられている。また、左右の袖ぐりから、すそ線に対する角度60〜80度で斜めに伸ばした後見頃が左右の脇見頃h、h’と縫着され、該縫着部に重ね合せ部35が設けられている。各重ね合せ部では、上段の布帛と下段の布帛がスポット的にスナップ等の留め具で止着されて、上段の布帛が強風時に捲り上がらないようにしている。空気は、矢印で示すように左右の前身頃と脇見頃に設けられた重ね合せ部○と袖口○から侵入し、上着内の蒸れた空気を伴って、前身頃と肩ヨークの重ね合せ部○から外部へ排出される。また、袖ぐりから斜めに伸ばした後見頃と左右の脇見頃の重ね合せ部から侵入する空気は、上着内の蒸れた空気を伴って、後身頃と肩ヨークの重ね合せ部34から外部へ排出される。上着に複数の重ね合せ部を設けることにより、高いベンチュレーション効果が実現できる。
【0030】
図8は、本発明の通気性布帛を円筒状に縫製・加工した左右の袖口の例であり、下部重ね合せ部31が袖口となる。袖口の先端方向に向けて下段布帛36の直径が漸次縮小されている。また、袖口を構成する下段布帛36の先端から雨滴の侵入を防止するため、下段布帛の先端に面ファスナー37が取り付けられている。面ファスナー37の代わりに下段布帛の先端全周にリング状の空洞を設け、この空洞内にゴム又は細紐を挿入して、着用者の手首を締め付けるようにしてもよい。面ファスナーを使用すると下段布帛の先端部を手首に締め付ける作業が容易で好ましい。38は上段布帛と三次元立体織物の縫着ラインである。
【0031】
図9(1)は通気性ウエアのズボンの一例をモデル的に示す模式図である。図9(2)は通気性ウエアのズボンの他の一例をモデル的に示す模式図である。
ズボンでは、図9(1)に示すように、重ね合せ部39は脚を動かせやすいように膝下部に設けるのが好ましい。また、ズボンのベルト芯縫付ラインと上段布帛との間に、幅1〜8cm、通常2〜3cmのメッシュ布帛40が取り付けられている。膝下部に設けられた重ね合せ部39から流入する空気は、ベンチュレーション効果によって内部の水蒸気などを伴ってメッシュ布帛40から排出される。該メッシュ布帛40の幅が8cmを超えるとズボンの強度が劣り、デザイン的にも問題がある。また幅が1cm未満ではメッシュ布帛の取り付けが面倒で、通気性も劣るという問題がある。また、メッシュ布帛の強度を補強するため、ベルト芯縫付ラインと上段布帛の間を等間隔で補強部材41、例えば細幅の布帛などで連結することが好ましい。上着を着用するとズボン上部が隠れるため、ベルト付近にメッシュ布帛40を設けても外観上支障はない。
【0032】
図9(2)はズボンの他の例であり、左右の前身頃i、i’と後見頃(図示せず)の内側縫着部に重ね合せ部42が設けられている。また、左右の股下部に設けられた縫着部に重ね合せ部43が設けられている。空気は矢印のように重ね合せ部42から流入して、内部の水蒸気などを伴って重ね合せ部43から排出される。
【0033】
上着及びズボンに設けられた重ね合せ部の位置と形状は、通気性ウエアの種類、着用者の身体の大きさ、着用場所、デザイン等を考慮して適宜決定される。また、各縫い合せラインには、日が暮れるのが早い雨天の日の安全性を確保するため、再帰反射素材のパイピングなどを施すことが好ましい。
本発明の通気性ウエアは、縫付縫製に限らず、各種の縫製方法、例えば接着縫製法などで製造できる。
【0034】
図10は、通気性ウエアの上衣Cの頭部に備えたフードの模式図であり、正面には開口部が設けられている。また、該開口部と対向する背面部に重ね合せ部44が設けられている。通気性ウエアの着用者が自転車で走行すると、運転者は正面から風圧を受けることとなる。このため、従来の通気性ウエアでは、走行風による風圧でフードが後方に飛ばされてしまう恐れがあり、運転者は片手でフードを抑えながら運転することを余儀なくされ、これにより走行時の安全性を欠くこととなってしまう、特に、雨天時は水たまりなどが発生するため、走行中の危険度がより一層増大することとなる。また、着用者が自転車の走行中でなく歩行中であっても、正面からの強風により、フードEが飛ばされてしまう事態も想定される。
本発明では、フードの背面部に少なくとも一つの重ね合せ部44を設け、フード内に侵入する風を重ね合せ部に設けられた第一及び第二の開口(図示せず)を通過させて外部へ逃がすため、フードが受ける風圧を減衰させることができ、フードが風圧で脱げる事態を回避できる。45はフードの内部に設けたメッシュ布帛である。また、着用者の耳の部分に重ね合せ部を設けるとフードを被った着用者が外部の音を聞くことができ自転車運転時の安全性を向上させることができる。
【0035】
本発明の通気性ウエアに適用する通気性布帛は、レインウエアでは通気性及び浸水性のないナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらを併用したもの等を用いることができる。さらに裏面をウレタンコーティング、ウレタンラミネートあるいはアクリルコーティングで防水加工を施したものを用いてもよい。また、特許文献1及び特許文献2に記載された防水透湿性布帛も使用することができる。
作業用ユニフォーム、運動用衣服では通常ポリエステル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、綿・麻などの天然繊維、再生繊維等の任意の繊維が用いられる。
【0036】
図11は、本発明の傘又はパラソル(以下傘という)の模式図である。傘に使用する傘布46は通気性に劣り、しかも雨水が流下しやすいようにお椀を伏せた形状をしているため、風が強いと力を込めて持たねばならず、傘が飛ばされたり、破損する危険があったが、図に示すように傘布46に通気性布帛を使用して、重ね合せ部47を傘の上部に設けることで傘の内側に侵入する風を第一及び第二の開口(図示せず)から外部へ逃がして、傘が受ける風圧を減衰させることできる。そのため風の強いときでも安心して傘をさすことができる。
重ね合せ部は、傘の大きさ、使用目的等により、複数設けてもよい。また、傘骨間に設ける重ね合せ部の数は同じでも、異なっていてもよい。傘又はパラソルに使用する布帛は、綿や麻等の天然繊維からなる織物、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からなる織物又はシートが使用される。また、雨傘では織物又はシートの表面に撥水処理が施されている。
【0037】
図12は、屋外で使用される幕の模式図であり、屋外における着替えやシャワー用として使用される屋外用遮蔽幕である。該遮蔽幕は4本のパイプ状支柱48を連結パイプで49で連結し、その周囲を通気性布帛50で囲んでいる。重ね合せ部51は遮蔽幕の上下部に設けられている。人の出入りは、スライドファスナー52を開閉することで行う。
【0038】
図13は、キャンプ用の簡易設営テントの模式図であり、4本の支柱53と各支柱間に通気性布帛54が張設されて4つの屋根面を形成している。また、4つの屋根面の内の一つには出入口55が設けられ、屋根の上下部に重ね合せ部56が設けられる。上部重ね合せ部は屋根近くにの頂部に設けることが好ましい。図14は、幌付トラックの一実施例を示す模式図である。トラックの荷台に複数の幌枠57が設けられ、該幌枠57に幌58が張設されている。また、幌の上下に重ね合せ部59設けられている。
【0039】
上記遮蔽幕、テント及びトラックの幌の下部に設けられた第二の通気口(図示せず)から空気を吸い込み、上部に設られた第二の通気口(図示せず)から内部の暖かく湿った空気を、吸い込まれた空気とともに排出するベンチュレーション効果で通気性が向上し、内部を快適な空間とすることができる。該遮蔽幕、テント及びトラックの幌は必要に応じて図5に示すようなスライドファスナーを取り付けると内部に流入する空気量を調整することができる。
遮蔽幕、テント及び幌に使用される通気性布帛は、通常塩化ビニル樹脂などの樹脂層内部に、強度を確保するために補強用基布が埋設されている。この補強用基布としては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、全芳香族ポリエステル繊維、そして全芳香族ポリアミド繊維、ガラス繊維などの糸を平織、綾織、朱子織などに製織した織物が使用される。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の通気性布帛は、型崩れがなく、かつ通気性に優れ、しかも内部に流入する外気量が増加、又は減少する部分が少ないため、作業服、ユニフォーム、カッターシャツ、ジャンバー、ワイシャツ、学生服等の衣服に使用される。
また、本発明の通気構造を有する布帛は、内部に蓄積する熱気と湿気を外部に効率よく放散するとともに、雨水の侵入が防止できるため、防水加工されて通気性が乏しい布帛を使用した雨衣、ヤッケ、アノラックなどの衣服や、各種テント、トラックや乗用車などの幌、幕などのアウトドア製品に使用される。
また、通気性が優れているため風圧により飛ばされたり、破損する恐れのある幕、雨傘、日傘、レインコートのフードなどに使用される。
【符号の説明】
【0041】
1:通気性布帛
2:上段布帛
3:下段布帛
4:重ね合せ部
5:折返し部
6:第一の開口
7:第二の開口
8:第一の3次元立体編物
9:第二の3次元立体編物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に配置された上段布帛と下段布帛とで重ね合せ部を設け、該重ね合せ部の下段布帛の上端部を外側に折り返して堰を形成して、該堰の端部に三次元立体編物の上端部を接続し、該三次元立体編物の下端部を上段布帛の端部に接続して、該堰と上段布帛との間に第一の通気口を設け、該上段布帛の端部と下段布帛の重ね合せ部との間に第二の通気口を設けるとともに、該下段布帛の上端部と重ね合せ部の上段布帛をスポット的に止着して第二の開口が大きく開くことを防止するよう構成したことを特徴とする通気性布帛。
【請求項2】
該上段布帛の端部と重ね合せ部の下段布帛をスポット的に止着又は連結部材で連結して、上段布帛の捲き上がりを防止するよう構成した請求項1記載の通気性布帛。
【請求項3】
該三次元立体織物と上段布帛の先端部及び該三次元立体織物と該上段布帛の先端部から少なくとも0.5cm離れた二カ所を縫着した請求項1記載の通気性布帛。
【請求項4】
該三次元立体編物が耐水性のメッシュで包まれていることを特徴とする請求項1記載の通気性布帛。
【請求項5】
請求項1記載の通気性布帛の内側に、メッシュ状布帛が取り付けられた上衣及び/又はズボンからなる通気性ウエア。
【請求項6】
該上衣及び/又はズボンの上下2か所に重ね合せ部を設け、下部重ね合せ部に設けられた第二通気口からウエア内部に侵入する空気を、上部重ね合せ部に設けられた第二の通気口から排出するよう構成したことを特徴とする請求項5記載の通気性ウエア。
【請求項7】
正面に開口部を有し、該開口部と対向する背面部に少なくとも一つの重ね合わせ部を設けたフードを備えたことを特徴とする請求項5記載の通気性ウエア。
【請求項8】
該上衣の袖口に設けられた重ね合わせ部の下段布帛の先端部に手首締め付け手段を設けたことを特徴とする請求項5記載の通気性ウエア。
【請求項9】
該上段布帛の端部と、該重ね合せ部より下方の下段布帛にスライドファスナーの支持テープを取着し、該ファスナーのスライダーを移動させて、第二の開口を開閉するよう構成したことを特徴とする請求項5記載の通気性ウエア。
【請求項10】
請求項1記載の通気性布帛を使用したテント。
【請求項11】
該上段布帛の端部と、該重ね合せ部より下方の下段布帛及び/又は該下段布帛の先端部に設けられた堰と該重ね合せ部より上方の上段布帛にスライドファスナーの支持テープを取着し、該ファスナーのスライダーを移動させて第二の開口及び/又は第一の開口を開閉するよう構成したことを特徴とする請求項10記載のテント。
【請求項12】
請求項1記載の通気性布帛を使用した傘及びパラソル並びに幕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−255242(P2012−255242A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136752(P2011−136752)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(300045846)
【Fターム(参考)】