説明

速度制御装置

【課題】移動体の運転速度に関係なく、制御系の時間遅れに伴う着床位置誤差の影響を解消し、所望の着床位置での位置決め精度を向上した速度制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】移動距離設定器26で予め設定した移動距離L*から遅れ時間移動距離演算器31で求めた移動距離Lを減算した値(L*−L)を移動距離の目標値としてクリープレス運転演算器33に入力する。クリープレス運転演算器33では、位置検出器12から位置検出信号が入力された時点のモータ速度指令値N*および移動距離目標値(L*−L)に基づいてクリープレス運転開始時の加速度の初期値α(0)と加加速度jを演算し、加速度指令発生器23が出力する加速度指令α*をクリープレス運転演算器33で演算した加速度指令α(0)に書き換える。速度指令発生器24では、加速度指令α(0)に基づいて得られる時々刻々の速度指令値N*を出力し、所望の着床位置Cでかご7を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータを含む昇降装置,横行装置などの移動体を所定位置に移動するようモータを制御する速度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下では、移動体の位置を移動する移動装置としてエレベータを例にして説明する。一般的なエレベータの停止制御では、エレベータのかごが着床位置に近づくと微速のクリープ速度まで減速し、クリープ速度のまま一定時間移動した後に所望の着床位置で減速停止している。このような停止制御では、目標とする着床位置での位置決め精度をよくするために、停止前にクリープ速度で一定時間運転する、いわゆるクリープ運転を実施している。このクリープ運転は、着床位置手前で一定時間微速のクリープ速度による運転を実施しているために、停止までの時間が長くなりエレベータの稼動効率が悪くなるという問題がある。そこで、近年はクリープ運転を省略したクリープレス運転によるエレベータの停止制御も行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図3は、クリープレス運転を行う従来のエレベータの速度制御装置の構成図である。
図3において、1は誘導電動機や同期電動機等のモータ、2はブレーキ、3は減速機、4はモータ1によって駆動されるシーブ、5はシーブ4の近傍に設けたそらせ車、6はシーブ4およびそらせ車5に巻き掛けられるロープ、7はロープ6の一端に結合されたかご(移動体)、8は同じくロープ6の他端に結合されたカウンタウエイトであり、モータ1を回転駆動するとモータ1の動力が減速機3を介してシーブ4に伝達され、シーブ4に巻き掛けられたロープ6に結合されたかご7およびカウンタウエイト8を昇降させる。
【0004】
11は減速開始位置Aを検出して減速開始信号SAを発する位置検出器、12はクリープレス運転の開始位置Bを検出してクリープレス運転開始信号SBを発する位置検出器、13は着床位置Cとなる到達階床である。15はモータ1の速度制御を行うインバータ等の電力変換器であり、整流電源等の直流電源および半導体スイッチ素子とダイオードの逆並列回路を3相ブリッジ接続してなる逆変換回路等から構成されている。16はモータ1の回転速度Nを検出するロータリエンコーダ等のモータ速度検出器である。
【0005】
21は設定器であり、モータの速度設定値N0*、零から速度設定値N0*まで到達する加速時間、速度設定値N0*から零まで到達する減速時間、加減速の開始および加速度を零にする際のショックを緩和する期間を加減速時間の割合で設定するS字範囲、エレベータ定格速度V、モータ定格速度N等の各設定値を設定する。22は設定器21で設定された各設定値に基づいて加加速度指令j*を演算して出力する加加速度指令発生器、23は加加速度指令j*に基づいて加速度指令α*を演算して出力する加速度指令発生器、24は加速度指令α*に基づいて速度指令N*を演算して出力する速度指令発生器であり、25は速度指令N*と速度検出値Nとの偏差を調節演算して得られるトルク指令値と速度検出値Nから演算して得られる磁束指令値とに基づくベクトル演算を行い電力変換器15に指令信号を出力する速度制御器、26はクリープレス運転の開始位置Bから着床位置Cまでの移動距離L*を設定する移動距離設定器、27はクリープレス運転開始信号SBの入力に基づいてクリープレス運転時の加速度指令と加加速度指令を演算するクリープレス運転演算器である。
【0006】
以下に図4(a)の減速時の動作を示したタイムチャートを参照しながらエレベータの停止制御動作を説明する。
まず、一定速度Nhの状態において時刻tAhでかご7が減速開始位置Aに到達したことを位置検出器11で検出すると減速開始信号SAを発する。この減速開始信号SAを受けて設定器21で設定した減速時間およびS字範囲に従ってモータ1の減速を開始する。そして減速中の時刻tBhでかご7がクリープレス運転開始位置Bに到達したことを位置検出器12で検出するとクリープレス運転開始信号SBを発する。クリープレス運転演算器27では、時刻tBh時点のモータ速度指令値N*および移動距離設定器26で予め設定した移動距離L*から、速度指令N*が零になるときに移動距離L*となるような加速度指令の初期値α(0)と加加速度指令jを演算する。そして、加速度指令発生器23が出力する加速度指令α*をクリープレス運転演算器27で演算した加速度指令α(0)に書き換える。以降は、クリープレス運転演算器27で演算する加速度指令α(0)と加加速度指令jに従って時々刻々の速度指令N*を演算し、時刻tChで速度指令N*が零になってかご7が所望の着床位置Cで停止する。
【0007】
クリープレス運転について詳細に説明する。時刻tBhでクリープレス運転開始位置Bに到達してクリープレス運転開始信号SBが入力されたとすると、時刻tにおけるモータ速度N(t),加速度指令α(t),加加速度指令jの間には次の式が成り立つ。ここで、クリープレス運転開始時点である時刻tBhにおけるモータ速度指令をN(0)とする。
【0008】
【数1】




【0009】
【数2】




【0010】
時刻tChで着床位置Cに到着して速度が零に到達するが、時刻tBhから時刻tChまでの時間をt1(=tCh−tBh)とし、時間t1が経過したときに速度が零になったとすると、この時間t1経過時点で加速度が零であればショックもなくスムーズに停止することができる。よって数2から加加速度jは数3で表される。
【0011】
【数3】




【0012】
数1に数2および数3を代入すると数4が得られ、N(t1)=0から数4を整理すると数5が得られる。
【0013】
【数4】




【0014】
【数5】




【0015】
一方、エレベータ定格速度(移動体定格速度)Vとそのときのモータ定格速度Nとの係数比をγ(=V/N)とすると、時間t1の間にかご7が移動する距離Lは次の数6となる。
【0016】
【数6】




【0017】
クリープレス運転では、移動距離設定器26によりクリープレス運転開始位置Bから着床位置Cまでの移動距離L*を予め設定しているので、数6から数7が得られる。
【0018】
【数7】




【0019】
数3,数5,数7から加速度α(0)と加加速度jはそれぞれ数8,数9となる。
【0020】
【数8】




【0021】
【数9】




【0022】
クリープレス運転演算器27では、上記数8,数9を用いてクリープレス運転開始時の加速度の初期値α(0)と加加速度jを演算し、加速度指令発生器23が出力する加速度指令α*を書き換える。速度指令発生器24では、この加速度α(0)に基づいて得られる時々刻々の速度指令値N*を出力することにより、時刻tChで速度指令値N*も零になって所望の着床位置Cでかご7が停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開平11−191999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
上述のクリープレス運転においては、かご7がクリープレス運転の開始位置Bを通過したことを位置検出器12が検出してクリープレス運転開始信号SBを発するが、位置検出器12からの信号に時間的な遅れが存在すると、この制御系の時間遅れによりかご7の着床位置Cに誤差が生じる。特に移動する着床数に応じてエレベータ運転速度を切り換えるエレベータシステムでは上記誤差を解消することができない。
【0025】
以下に誤差が生じる理由について説明する。
図4は減速時の動作を示したタイムチャートであり、(a)はモータ速度Nhから減速する高速運転時の減速停止動作を示したものであり、(b)はモータ速度Nl(Nl<Nh)から減速する低速運転時の減速停止動作を示したものである。また、図5は図4の一部を拡大したタイムチャートであり、同様に(a)は高速運転時の減速停止動作を示したものであり、(b)は低速運転時の減速停止動作を示したものである。
【0026】
図4(a)の高速運転時および図4(b)の低速運転時において、減速開始位置Aから着床位置Cまでの距離は速度に関係なく同じであり、この移動距離は速度を積分したものであるから、低速運転から減速する場合、その減速時間は高速運転時の減速時間よりも長くなるようなタイムチャートになる。
【0027】
また、クリープレス運転開始位置Bから着床位置Cまでの距離も速度に関係なく同じであるので、クリープレス運転開始位置Bから着床位置Cまでの減速時間は高速運転時が時間th、低速運転時が時間tlとするとth<tlの関係となり、低速運転時の時間tlのほうが高速運転時の時間thよりも長くなる。一方、クリープレス運転開始信号SBが入力された時のモータ速度Nは、高速運転時のモータ速度がNh(0)、低速運転時のモータ速度がNl(0)とするとNh(0)>Nl(0)の関係となる。
【0028】
図4(a)(b)に網掛けで示した部分の面積はそれぞれの移動距離を示し、位置検出器12の信号に制御遅れがなければ、図4(a)に示した面積Lhと図4(b)に示した面積Llとが同一面積になる。
【0029】
しかしながら、位置検出器12の信号に制御遅れが存在すると遅れ時間tdelayが発生し、図5に示すように遅れ時間tdelayの間もかご7は移動する。この遅れ時間tdelayの間に移動する距離は、高速運転時の移動距離をLdh、低速運転時の移動距離をLdlとすると、それぞれ数10,数11となる。
【0030】
【数10】




【0031】
【数11】




【0032】
このように高速運転時にはLdhの着床位置誤差が発生し、低速運転時にはLdlの着床位置誤差が発生するため、この誤差の分だけ本来の着床位置Cからかご7の停止位置がずれることになる。ここで、高速運転時と低速運転時との移動距離の関係はLdh>Ldlであり、高速運転時と低速運転時との間にも(Ldh−Ldl)の着床位置誤差が発生し、運転速度によって着床位置誤差は変化することになる。
【0033】
この発明は、移動体の運転速度に影響されることなく、制御系の時間遅れに伴う着床位置誤差の影響を解消し、所望の着床位置での位置決め精度を向上した速度制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記目的を達成するために、この発明は、加速度指令から速度指令を演算し、この速度指令に基づいてモータの速度制御を行い、移動体を所定位置に移動するよう前記モータを制御する速度制御装置において、前記移動体の位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器からの移動距離を設定する移動距離設定器と、前記位置検出器の信号の制御遅れによる遅れ時間移動距離を演算する遅れ時間移動距離演算器と、前記位置検出器の検出信号が入力された時点のモータ速度と前記移動距離および前記遅れ時間移動距離から求めた移動距離目標値とから速度指令が零になるときに前記移動距離目標値となるような加速度指令を演算するクリープレス運転演算器とを備えるものとする。
【発明の効果】
【0035】
この発明によれば、位置検出器の検出信号が入力された時点のモータ速度と移動距離および遅れ時間移動距離とから速度指令が零になるときに移動距離目標値となるような加速度指令を演算することにより、位置検出器の信号に制御遅れがある場合でも、移動体の速度に関係なく着床位置の位置決め精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1の動作を説明するタイムチャートである。
【図3】従来例を示す構成図である。
【図4】図3の動作を説明するタイムチャートであり、(a)は高速運転時のタイムチャート、(b)は低速運転時のタイムチャートである。
【図5】図4の一部を拡大したタイムチャートであり、(a)は高速運転時のタイムチャート、(b)は低速運転時のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1はこの発明の実施の形態の示す構成図であり、図3と同一機能を有するものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図1において、31は遅れ時間移動距離演算器であり、位置検出器12からクリープレス運転演算器33にクリープレス運転開始信号SBが入力された時点の加速度指令α(0),加加速度指令jおよびモータ速度指令N(0)を取得するとともに、予め設定されているエレベータ定格速度Vとそのときのモータ定格速度Nとの係数比γ(=V/N)に基づいて、次の数12〜14に従って遅れ時間tdelayの間に移動した距離Lを演算する。なお、遅れ時間tdelayは予め実機等で確認した値を設定できるようにし、設定された遅れ時間tdelayは内部のメモリ等に記憶している。
【0038】
【数12】




【0039】
【数13】




【0040】
【数14】




【0041】
32は加算器であり、移動距離設定器26で予め設定した移動距離L*から数12で求めた移動距離Lを減算した移動距離目標値(L*−L)を求める。33はクリープレス運転演算器であり、クリープレス運転開始信号SBの入力に基づいて前述の数8,数9を用いて速度指令発生器24が出力する速度指令N*が零になるときに移動距離目標値(L*−L)となるような加速度指令α(0)と加加速度指令jを演算する。
【0042】
図2は図1の動作を示すタイムチャートであり、以下では図2を参照しながら図1の動作を説明する。
まず、一定速度の状態において時刻t11でかご7が減速開始位置Aに到達したことを位置検出器11で検出すると減速開始信号SAを発する。この減速開始信号SAを受けて設定器21で設定した減速時間およびS字範囲に従ってモータ1の減速を開始する。時刻t11〜t12は減速開始時のショックを緩和する期間(S字範囲)であり、加加速度が一定となるよう制御される。その後、時刻t12〜t13は加速度を一定値として減速し、時刻t13からは加速度αを零にする際のショックを緩和するために再度加加速度が一定となるよう減速する。
【0043】
この減速中の時刻t14でかご7がクリープレス運転開始位置Bに到達するが、位置検出器12の信号に制御遅れが存在すると、遅れ時間tdelayが経過した時刻t15でクリープレス運転演算器33にクリープレス運転開始信号SBが入力される。遅れ時間移動距離演算器31では、時刻t15時点の加速度指令α(0),加加速度指令jおよびモータ速度指令N(0)を取得し、上記数12〜14に従って遅れ時間tdelayの間に移動した距離Lを演算する。
【0044】
加算器32では、予め設定した移動距離L*から数12で求めた移動距離Lを減算した値(L*−L)を移動距離の目標値としてクリープレス運転演算器33に入力する。クリープレス運転演算器33では、時刻t15時点のモータ速度指令値N*および移動距離目標値(L*−L)に基づいて、前述の数8,数9を用いてクリープレス運転開始時の加速度の初期値α(0)と加加速度jを演算し、加速度指令発生器23が出力する加速度指令α*をクリープレス運転演算器33で演算した加速度指令α(0)に書き換える。速度指令発生器24では、加速度指令α(0)に基づいて得られる時々刻々の速度指令値N*を出力し、その後、時刻t16で速度指令値N*も零になって所望の着床位置Cでかご7が停止する。
【0045】
なお、上記では時刻t15時点のモータ速度として速度指令値N*をクリープレス運転演算器33に入力するようにしているが、速度指令値N*に代えてモータ速度検出器16からの速度検出値Nを用いるようにしてもよい。
【0046】
このように位置検出器12からのクリープレス運転開始信号SBが入力された時点の加速度指令α(0),加加速度指令jおよびモータ速度指令N(0)を取得して遅れ時間tdelayの間に移動した距離Lを演算し、予め設定した移動距離L*から移動距離Lを減算した値(L*−L)を移動距離の目標値として加速度指令α(0),加加速度指令jを演算することにより、位置検出器12の信号に制御遅れがある場合でも、移動体の速度に関係なく着床位置の位置決め精度を向上することができる。
【0047】
次に、この発明の別の実施の形態について説明する。
この実施の形態では、遅れ時間tdelayの間に移動した距離を演算する際に、前述の数12に代えて以下の数15を用いて移動距離L’を演算するものであり、その他の構成は図1,2で説明した実施の形態と同じである。数15はモータ速度指令の変化を直線に近似して移動距離の計算を簡易化している。
【0048】
すなわち、遅れ時間移動距離演算器31では、位置検出器12からクリープレス運転演算器33にクリープレス運転開始信号SBが入力された時点の加速度指令α(0)およびモータ速度指令N(0)を取得し、この取得した加速度指令α(0)およびモータ速度指令N(0)と、予め設定した遅れ時間tdelayおよび移動体定格速度Vとそのときのモータ定格速度Nとの係数比γとに基づいて、次の数15に従って遅れ時間tdelayの間に移動した距離L’を演算する。
【0049】
【数15】




【0050】
この数15で求めたL’を加算器32に入力して(L*−L’)を求め、移動距離の目標値として(L*−L’)をクリープレス運転演算器33に入力し、前述の数8,数9を用いてクリープレス運転開始時の加速度指令α(0)と加加速度指令jを演算する。
【0051】
そして、図1,2で説明した実施の形態と同様に、加速度指令発生器23が出力する加速度指令α*をクリープレス運転演算器33で演算した加速度指令α(0)に書き換えてクリープレス運転を実行する。
【0052】
このように位置検出器12からのクリープレス運転開始信号SBが入力された時点の加速度指令α(0)およびモータ速度指令N(0)を取得して遅れ時間tdelayの間に移動した距離L’を演算し、予め設定した移動距離L*から移動距離L’を減算した値(L*−L’)を移動距離の目標値として加速度指令α(0),加加速度指令jを演算することにより、位置検出器12の信号に制御遅れがある場合でも、移動体の速度に関係なく着床位置の位置決め精度を向上することができる。
【0053】
さらに、数15を用いて遅れ時間tdelayの間に移動した距離L’を演算することにより、図1,2で説明した実施の形態に比べて計算が簡易化でき、ソフトの記憶容量の減少および実行時間の短縮を図り、最適なソフトウエア構成とすることができる。
【符号の説明】
【0054】
1…モータ、2…ブレーキ、3…減速機、4…シーブ、5…そらせ車、6…ロープ、7…かご、8…カウンタウエイト、15…電力変換器、21…設定器、22…加加速度指令発生器、23…加速度指令発生器、24…速度指令発生器、25…速度制御器、26…移動距離設定器、31…遅れ時間移動距離演算器、33…クリープレス運転演算器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度指令から速度指令を演算し、この速度指令に基づいてモータの速度制御を行い、移動体を所定位置に移動するよう前記モータを制御する速度制御装置において、
前記移動体の位置を検出する位置検出器と、
前記位置検出器からの移動距離を設定する移動距離設定器と、
前記位置検出器の信号の制御遅れによる遅れ時間移動距離を演算する遅れ時間移動距離演算器と、
前記位置検出器の検出信号が入力された時点のモータ速度と前記移動距離および前記遅れ時間移動距離から求めた移動距離目標値とから速度指令が零になるときに前記移動距離目標値となるような加速度指令を演算するクリープレス運転演算器とを備えたことを特徴とする速度制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の速度制御装置において、
前記移動距離目標値は、前記移動距離から前記遅れ時間移動距離を減算して求めることを特徴とする速度制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の速度制御装置において、
前記遅れ時間移動距離は、前記位置検出器の検出信号が入力された時点のモータ速度,加速度指令および加加速度指令を取得し、これら取得した値と予め設定した遅れ時間,移動体定格速度,モータ定格速度とに基づいて演算することを特徴とする速度制御装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の速度制御装置において、
前記遅れ時間移動距離は、前記位置検出器の検出信号が入力された時点のモータ速度および加速度指令を取得し、これら取得した値と予め設定した遅れ時間,移動体定格速度,モータ定格速度とに基づいて演算することを特徴とする速度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−90516(P2013−90516A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231248(P2011−231248)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】