説明

連結固定具

【課題】パイプ等の被連結体を確実且つ強固に固定できると共に、使い勝手が良好な連結固定具を提供する。
【解決手段】一方の被連結体を他方の被連結体にスライド自在に挿入して連結された一対の被連結体を所望の位置で固定するための連結固定具であって、前記他方の被連結体に外嵌される固定具本体2と、該固定具本体2に設けられて、前記各被連結体に形成された固定孔38、39に挿着される凸状体3とを備え、前記固定具本体2は、一端部が回動自在に接続され、且つ他端部に相互に固定可能な固定手段を有する一対の嵌合部材4、5からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスライド自在に挿通された一対のパイプ等を所望の位置で固定することのできる連結固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のパイプ用連結固定具としては、例えば次のようなものが存在する。即ち、この従来のものは、弾性を有するCの字状の固定具本体と、該固定具本体の内周面中央部に突設された連結ピンと、該連結ピンの背面側に位置する前記固定具本体の外周面中央部に突設された摘み部とを備えている。また、パイプから連結固定具が不用意に離脱しないように、固定具本体は相当の弾性力を有するように構成されている。かかる連結固定具は、例えばスライド自在に連結された一対のパイプを所望の位置で固定する場合に使用される。
【0003】
この場合は、各パイプに形成された貫通孔の位置を一致させて、この状態を維持しつつ固定具本体の弾性力に抗しながら、連結ピンを各パイプの貫通孔に挿着する。パイプは固定具本体の弾性力により強固に挟持された状態で、両パイプは連結ピンを介して連結される。一方、連結固定具をパイプから取外す場合は、固定具本体の弾性力に抗しつつ、連結ピンの摘み部を摘まみながら、該連結ピンをパイプの貫通孔から離脱させる(特許文献1の図6参照)。
【特許文献1】特開平11−294688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の連結固定具に於いては、その固定具本体が相当の弾性力を有しているために、パイプへの取付け及び取外しという作業は容易ではなく、特に高齢者等のように指先の力が弱い者にとっては、非常に使い勝手の悪いものであった。
【0005】
これに対して、固定具本体の弾性力を低減することも可能ではあるが、このように構成すると、例えば連結固定具に外力等が作用した場合に於いて、不用意にパイプから離脱するという虞が多分にあり、十分な安全性を確保できなくなる。このような不都合は、連結ピンの挿通状態を維持する手段として、固定具本体の弾性力を利用することに起因して生じるものである。
【0006】
それ故に、本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パイプ等の被連結体を確実且つ強固に固定できると共に、使い勝手が良好な連結固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る連結固定具は、一方の被連結体を他方の被連結体にスライド自在に挿入して連結された一対の被連結体を所望の位置で固定するための連結固定具であって、前記他方の被連結体に外嵌される固定具本体と、該固定具本体に設けられて、前記各被連結体に形成された固定孔に挿着される凸状体とを備え、前記固定具本体は、一端部が回動自在に接続され、且つ他端部に相互に固定可能な固定手段を有する一対の嵌合部材からなるものである。
【0008】
かかる連結固定具を使用して、一対の被連結体を固定する場合は、先ず各被連結体の固定孔が一致するように他方の被連結体を所望の位置にスライドさせる。そして、嵌合部材を開放した状態で、連結固定具の凸状体を両固定孔に挿通する。更に、各嵌合部材を閉鎖するように被連結体側に回動した後、その固定手段により固定する。固定孔への凸状体の挿着により被連結体のスライド移動が規制されると共に、固定具本体の被連結体への外嵌により前記凸状体の挿着状態が維持される結果、一対の被連結体が所望の位置で確実且つ強固に固定されることになる。
【0009】
また、凸状体の固定孔への挿着は、両嵌合部材を相互に開放した状態で行うことができるために、該嵌合部材が凸状体の挿着作業に支障を与えるようなこともない。更に、かかる凸状体の挿着状態は、作業者が固定具本体から手を離しても維持されるために、その後の各嵌合部材の回動及び固定手段による固定という作業も極めて容易に行うことができる。また、例えば固定具本体に外力等が加わって、固定手段による固定状態が解除されたとしても、固定孔への凸状体の挿着状態は維持される。このため、連結固定具が被連結体から不用意に離脱するようなこともなく、安全性が確保される。
【0010】
一方、連結固定具を被連結体から取外す場合は、固定手段による固定を解除した後に、各嵌合部材が開放状態となるように回動し、凸状体を各被連結体の固定孔から離脱すればよい。この場合も、嵌合部材が凸状体の離脱作業に支障を与えるようなことはなく、簡易に行うことができる。このため、指先の力が弱い高齢者や身障者等にも非常に使い勝手が良好なものとなる。
【0011】
このように、本発明に係る連結固定具は、従来のものとは異なり、固定具本体を構成する各嵌合部材の弾性力を利用して被連結体に外嵌固定するものではないために、嵌合部材の弾性力が、凸状体と固定孔との挿着及び離脱作業に支障を与えるということは一切ない。
【0012】
また、前記嵌合部材の一端部を接続ピンにより回動自在に接続すると共に、該接続ピンを介して前記凸状体を固定具本体の内周面に内向きに設けるようにしてもよい。
【0013】
この場合は、固定具本体の内方位置に凸状体が配されるために、該凸状体を固定具本体から外部に表出させることなく、固定具本体を被連結体に外嵌することができる。よって、外観体裁が要求されるような被連結体については大変有用である。
【0014】
更に、前記他方の被連結体の外周面に凹溝を軸方向に形成すると共に、該被連結体に固定具本体を外嵌させた際に、前記凹溝の内側部に係合可能な係合凸部を、各嵌合部材の内周面に設けることも可能である。
【0015】
これによれば、各嵌合部材の係合凸部が被連結体の凹溝の各内側部に夫々係合するために、固定具本体による被連結体への外嵌状態を更に強固に維持することが可能になる。
【0016】
また、前記固定手段は、一方の嵌合部材の他端部に設けられた係止孔と、該係止孔に係止すべく他方の嵌合部材に設けられた係止凸部とから構成してもよい。
【0017】
これによると、係止凸部を係止孔に係止させることにより各嵌合部材の他端部が確実に固定されるために、固定具本体による被連結体への外嵌状態が良好に維持される。
【0018】
更に、前記各嵌合部材の一端部は、凸状体に設けられた軸部を介して回動自在に接続するようにしても構わない。
【0019】
これによると、上述した接続ピンは不要となるために、全体として部品点数の削減が図れることになる。
【0020】
また、前記凸状体に設けられた軸部を一方の嵌合部材の他端部に回転自在に取付けると共に、前記固定手段を、凸状体の軸部と、該軸部に係止させるべく他方の嵌合部材の他端部に設けた係止部とから構成してもよい。
【0021】
これによると、被連結体への固定具本体の固定は、一方の嵌合部材の係止部を凸状体の軸部に係止させて行う。この場合も部品点数を削減することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る連結固定具は、全体の構成が極めて簡易であるために、その製作も容易に且つ安価に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明に係る連結固定具によれば、パイプ等の一対の被連結体を確実に且つ強固に固定できると共に、被連結体への着脱作業を極めて簡易に行うことができる。このため、握力が弱くて余り指先に力が入らないような高齢者等には大変有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る連結固定具の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0025】
<第1実施形態>
図1は本実施形態に係る連結固定具1の平面図を示す。かかる連結固定具1は、パイプ等の被連結体に外嵌固定される略環状の固定具本体2と、該固定具本体2の中央に配すべくその内周面に内向きに設けられたピン状の凸状体3とを備えている。本実施形態では、固定具本体2を合成樹脂で構成し、凸状体3を金属で構成している。但し、これら各部材の具体的な材質は、決してこれに限定されるものではない。例えば、対象となる被連結体の種類やその材質、或いは要求される強度等に応じて適宜変更が可能である。
【0026】
固定具本体2は、夫々略Cの字状に形成された一対の嵌合部材4、5からなり、各嵌合部材4、5の一端部は回動自在にピン接続されている。即ち、図2に示すように各嵌合部材4、5の一端部には、所定間隔を有して対向配置される取付部6、7が夫々設けられており、一方の嵌合部材4の取付部6間に他方の嵌合部材5の取付部7を配した状態で、各取付部6、7に形成した取付孔(図示せず)に金属製の接続ピン8を挿通して接続されている。また、他方の嵌合部材5の取付部7間に前記凸状体3の基端部が配されるように、該基端部に前記接続ピン8が挿通されている。
【0027】
各嵌合部材4、5の他端部には、該他端部を相互に固定するための固定手段が設けられている。この固定手段は、図3に示すように、一方の嵌合部材4に設けた把持片9の先端部側に形成される係止孔10と、該係止孔10に係止させるべく他方の嵌合部材5の他端部に外向きに突設される係止凸部11とから構成されている。また、把持片9の基端部側に位置する一方の嵌合部材4の内周面と、他方の嵌合部材5の他端部内周面とには、夫々係合凸部12、13が設けられている。
【0028】
更に、係止凸部11を係止孔10に係止させた状態では、前記凸状体3の先端部は、把持片9の内周面と他方の嵌合部材5の先端面とにより形成される空間部14内に配されるように構成されている。また、一方の嵌合部材4の把持片9を除いて、各嵌合部材4、5の両側部には、図2及び図3に示すようにリブ15が外向きに形成されている。
【0029】
本実施形態に係る連結固定具は、以上のように構成されている。かかる連結固定具1は、例えばスライド自在に連結された一方のパイプを所望の位置で固定する場合に使用される。このようなパイプ構造は、種々の製品について幅広く採用されている。例えば、杖、パイプ家具、建設用足場用パイプ等であるが、本発明に係る連結固定具1はこれらの物品について幅広く適用することができる。ここでは、その一例として当該パイプ構造を脚部に採用した椅子について説明する。
【0030】
この椅子30は、図4に示すように、組立式の所謂シャワーベンチと称されるものであって、介護製品に属するものである。かかる椅子30は、上部略平面状の座部31と、該座部31上に取付けられる着座シート32と、座部31の背部側に設けられる背もたれ33と、座部31の四隅に下向きに設けられる脚部34とを備えており、これらの各部材は座部31に対して着脱自在に構成されている。
【0031】
脚部34は、上方側のパイプ34a(以下、「上パイプ」という。)に下方側のパイプ34b(以下、「下パイプ」という。)をスライド自在に挿入して連結されたものである。上パイプ34aの外周面には、図5(a)に示すように凹溝35が軸方向に沿って設けられており、これにより内周面には凸部36が形成されることになる。この凸部36は下パイプ34bの外周面に軸方向に沿って形成された凹溝37に嵌合しており、これが下パイプ34bのスライド時に於けるガイド的な機能を果たすことになる。
【0032】
また、外パイプ34aの下部側には、前記凸状体3が挿通可能な固定孔38が貫通形成されており、この固定孔38は前記凹溝35の中央位置に配されるように構成されている。一方、内パイプ34bにも、前記凸状体3が挿通可能な複数の固定孔39が所定間隔を有して軸方向に貫通形成されており、該固定孔39は前記凹溝37の中央位置に配されるように構成されている。
【0033】
尚、外パイプ34aの下端部には、図4及び図6に示すように、その先端面を被覆するために、合成樹脂製の保護用リング40が装着されている。また、内パイプ34bの上端部にも保護用リング(図示せず)が装着されている。更に、内パイプ34bの下端部にはゴム製の滑り止め41が装着されている。
【0034】
このような構成からなる椅子30に於いて、その脚部34を組立てる場合は、先ず外パイプ34aに内パイプ34bを挿入し、脚部34が所望の長さとなるように内パイプ34bをスライドさせる。そして、図5(a)に示すように、各パイプ34a、34bの固定孔38、39を一致させた状態で、嵌合部材4、5を開放しながらこの固定孔38、39に連結固定具1の凸状体3を挿通する。
【0035】
この場合、上パイプ34aの凸部36は下パイプ34bの凹溝37に嵌合されているために、各固定孔38、39の位置合わせを簡単に行うことができる。また、各固定孔38、39への凸状体3の挿通状態は、作業者が連結固定具1から手を離しても維持されるために、内パイプ34bが不用意にスライドするようなこともない。このように、作業者は連結固定具1を保持する必要がないので、次の作業を容易に行うことができる。
【0036】
即ち、他方の嵌合部材5を閉鎖するように外パイプ34a側に回動させると共に、一方の嵌合部材4を外パイプ34a側に回動させる。そして、各嵌合部材4、5の他端部側が接近するように若干押圧すると、一方の嵌合部材4に設けた把持片9が他方の嵌合部材5の係止凸部11により外向きの押圧力を受けて外方に撓み、図5(b)及び図6に示すように、前記係止孔10に係止凸部11が係止されて固定される。この場合、前記把持部9にはリブ15が設けられていないために、比較的容易に係止凸部11を係止孔10に係止させることができる。
【0037】
これにより、固定具本体2は外パイプ34aに確実に外嵌され、しかもこの状態では各嵌合部材4、5の他端部内周面に設けた係合凸部12、13が外パイプ34aの凹溝35の各側部に係合するために、凸状体3が固定孔38、39から離脱するようなことはなく、両パイプ34a、34bの連結状態を良好に維持することができる。
【0038】
また、例えば固定具本体2に外力等が作用して、前記係止孔10と係止凸部11との係止状態が解除されたとしても、固定孔38、39への凸状体3の挿通状態は維持される。このため、不用意に連結固定具1が脚部34から離脱するような事態を回避できる結果、椅子30の安全性を十分に確保することが可能となる。
【0039】
更に、凸状体3は固定具本体2の中央に配すべくその内周面に内向きに設けられているために、凸状体3を固定具本体2から外部に表出させることなく、固定具本体2を外パイプ34aに外嵌することができる。このため、外観体裁が要求されるような被連結体については大変有用である。
【0040】
一方、例えば脚部34の長さを調整したり、椅子30を分解したりする場合等に於いて、連結固定具1を椅子30の脚部34から取外す場合は、一方の嵌合部材4の把持部9を外向きに押圧して、その係止孔10と他方の嵌合部材5の係止凸部11との係止状態を解除する。この場合も、把持部9はリブ15を有していないので、比較的容易に撓ませることができる。その後、連結固定具1の凸状体3を各パイプ34a、34bの固定孔38、39から離脱させればよい。
【0041】
以上で説明したように、本実施形態に係る連結固定具は、基本的に固定具本体2を構成する各嵌合部材4、5の弾性力を利用してパイプ34a、34bに外嵌固定するものではないために、嵌合部材4、5の弾性力が、凸状体3と固定孔38、39との挿着、離脱作業に支障を与えるということは一切ない。このため、高齢者や身障者等でも一連の着脱作業を簡易に行うことができるのである。
【0042】
<第2実施形態>
上記第1実施形態に於いては、固定具本体2の各嵌合部材4、5を接続ピン8により回動自在に接続すると共に、該接続ピン8を介して凸状体3を固定具本体2に取付けている。しかるに、次のように凸状体3によって各嵌合部材4、5を回動自在に接続することも可能である。これによれば、前記接続ピン8は不要となるために、部品点数の削減を図ることができる。
【0043】
即ち、図7に示すように本実施形態では、各嵌合部材4、5の一端部に筒状部50、51が設けられている。また、固定手段は、同図(a)に示すように一方の嵌合部材4の他端部に設けられた係止凸部52と、該係止凸部52を係止させるべく他方の嵌合部材5の他端部に設けられた係止孔53とから構成されている。更に、凸状体3は略Lの字状に形成されており、その基端部に設けた軸部54が前記筒状部50、51に挿通されて、各嵌合部材4、5が回動自在に接続されている。尚、軸部54は各筒状部50、51の内面側に軸方向に形成した切溝55、56から装着される。
【0044】
この場合は、凸状体3の先端部側は固定具本位2から外方に表出するようになるが、第1実施形態と同様にして、各嵌合部材4、5を開放した状態で凸状体3を各パイプ334a、34bの固定孔38、39に挿通し、この状態で各嵌合部材4、5を閉鎖してその係止凸部52を係止孔53に係止すればよい。本実施形態に於いても、各パイプ34a、34bは所望の位置で強固に固定される共に、着脱作業も容易に行うことができる。
【0045】
<第3実施形態>
また、第2実施形態のように、凸状体3を嵌合部材4、5の接続手段として構成するのではなく、各嵌合部材4、5の固定手段の一部として機能するように構成することも可能である。即ち、図8に於いて、一方の嵌合部材4の一端部には所定間隔を有して一対の筒状部60、61が形成されている。また、他方の嵌合部材5の一端部中央には、前記一方の嵌合部材4の筒状部60、61間に介装される接続部62が設けられている。更に、該接続部62の両端には、筒状部60、61内に挿着されるピン63が幅方向に突設されている。
【0046】
また、他方の嵌合部材5の他端部には、所定間隔を有して筒状部64、65が設けられている。この筒状部64、65には、第2実施形態と同様の構成からなる凸状体3の軸部66が回転自在に装着されている。一方の嵌合部材4の他端部には、凸状体3の軸部66に係止可能な係止部67が設けられており、これらの各部材により固定手段が構成されている。
【0047】
本実施形態に於いても、凸状体3の先端部側は固定具本位2から外方に表出するようになるが、上記各実施形態と同様に、各嵌合部材4、5を開放した状態で凸状体3を各パイプ34a、34bの固定孔38、39に挿通し、この状態で各嵌合部材4、5を閉鎖してその係止部67を凸状体3の軸部66に係止すればよい。本実施形態に於いても、各パイプ34a、34bは所望の位置で強固に固定される共に、一連の着脱作業も容易に行うことができる。
【0048】
また、各実施形態に係る連結固定具1は、全体の構成が極めて簡易であるために、その製作も容易に且つ安価に行うことができる。
【0049】
尚、上記実施形態に於いては、被連結体として上下一対のパイプ34a、34bを固定する場合について説明したが、本発明が適用可能な被連結体は決してこれに限定されるものではない。例えば、相互にスライド自在に接続された中実状の棒状体とパイプとを所定位置で固定する場合にも適用可能である。
【0050】
また、固定具本体2の形状は、外嵌すべき被連結体の外形に応じた任意な変更が可能である。
【0051】
更に、上記実施形態では、各嵌合部材4、5の内周面に、外パイプ34aの凹溝35の各側部に係合する係合凸部12、13を設けたが、これは被連結体の形状等に応じて適宜設ければよいものであり、省略しても構わない。
【0052】
その他、被連結体の形状や固定手段の具体的な構成も本発明の意図する範囲内に於いて任意に設計変更自在である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明は、スライド自在に連結された一対の被連結体を所望の位置に固定することのできる連結固定具について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る一実施形態を示し、連結固定具の平面図である。
【図2】同要部拡大側面図である。
【図3】同断面図である。
【図4】連結固定具を使用した椅子を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】連結固定具の使用状態を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図6】同断面図である。
【図7】第2実施形態に係る連結固定具を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図8】第3実施形態に係る連結固定具を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 連結固定具
2 固定具本体
3 凸状体
4、5 嵌合部材
8 接続ピン
10 係止孔
11 係止凸部
12、13 係合凸部
35 凹溝
38、39 固定孔
54、66 軸部
67 係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の被連結体を他方の被連結体にスライド自在に挿入して連結された一対の被連結体を所望の位置で固定するための連結固定具であって、
前記他方の被連結体に外嵌される固定具本体と、
該固定具本体に設けられて、前記各被連結体に形成された固定孔に挿着される凸状体と、を備え、
前記固定具本体は、一端部が回動自在に接続され、且つ他端部に相互に固定可能な固定手段を有する一対の嵌合部材からなることを特徴とする連結固定具。
【請求項2】
前記嵌合部材の一端部が接続ピンにより回動自在に接続される共に、該接続ピンを介して前記凸状体が固定具本体の内周面に内向きに設けられてなる請求項1記載の連結固定具。
【請求項3】
前記他方の被連結体の外周面に凹溝が軸方向に形成されると共に、該被連結体に固定具本体を外嵌させた際に、前記凹溝の内側部に係合可能な係合凸部が、各嵌合部材の内周面に設けられてなる請求項1又は2記載の連結固定具。
【請求項4】
前記固定手段が、一方の嵌合部材の他端部に設けられた係止孔と、該係止孔に係止すべく他方の嵌合部材に設けられた係止凸部とからなる請求項1乃至3の何れか一つに記載の連結固定具。
【請求項5】
前記各嵌合部材の一端部が、凸状体に設けられた軸部を介して回動自在に接続されてなる請求項1、3、4の何れか一つに記載の連結固定具。
【請求項6】
前記凸状体に設けられた軸部が一方の嵌合部材の他端部に回転自在に取付けられると共に、前記固定手段が、凸状体の軸部と、該軸部に係止させるべく他方の嵌合部材の他端部に設けられた係止部とからなる請求項1又は3記載の連結固定具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−121759(P2010−121759A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298028(P2008−298028)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】