説明

連結材の連結構造及び風呂用清掃具

【課題】 両連結材の連結解除作業を迅速、容易に行う。
【解決手段】 一方の連結材の雄側連結筒部2と他方の連結材の雌側連結筒部3とが、雌側連結筒部3に形成されている係止孔17と雄側連結筒部2に形成されている係止孔19とが径方向で合致する状態にまで筒軸芯方向から脱着自在に嵌合接続され、雌側連結筒部3には、径方向外方から両係止孔17,19に係合する係合突起22を備えた拡径側に弾性変形可能な連結操作体23が外装され、この連結操作体23には、係合突起22が少なくとも雄側連結筒部2の係止孔19から抜け出す係合解除状態にまで連結操作体23を拡径側に弾性変形操作する操作手段24が設けられ、連結操作体23の周方向一端部が、雌側連結筒部3側に止着する止着手段25が設けられ、連結操作体23の周方向他端には、連結材を把持した手の指操作で連結操作体23を係合解除状態に拡径操作可能な操作手段24の操作部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の連結材の雄側連結筒部と他方の連結材の雌側連結筒部とを脱着自在に連結する連結構造及び連結構造を備えた風呂用清掃具の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の連結材の連結構造では、一方のパイプ状の連結材の雄側連結筒部と他方のパイプ状の連結材の雌側連結筒部とが、雌側連結筒部に形成されている係止孔と雄側連結筒部に形成されている係止孔とが径方向で合致する状態にまで筒軸芯方向から脱着自在に嵌合接続されているとともに、前記雌側連結筒部の外周面には、径方向外方から両係止孔に係合する係合突起を備えた拡径側に弾性変形可能な横断面略C字状又は周方向1箇所が切断されたリング状の連結操作体が外装されている。
【0003】
そして、特許文献1に示す連結構造では、C字状の連結操作体の周方向両端部の外周面に、係合突起が少なくとも雄側連結筒部の係止孔から抜け出す係合解除状態にまで連結操作体を拡径側に弾性変形させながら径方向外方に押し出し操作するための指かけ凸部が形成されているとともに、連結操作体の周方向両端部の内周面には、係合突起が係止孔から抜け出す係合解除状態に押し出し操作されたとき、雄側連結筒部の外周面の周方向二箇所に形成された窪み部に係合して連結操作体を係合解除された弾性変形状態に維持する掛止突起が一体形成されている。
【0004】
また、特許文献2に示す連結構造では、リング状の連結操作体の周方向両端部を重合させるとともに、連結操作体の周方向一端部の外周面には、係合突起が少なくとも雄側連結筒部の係止孔から抜け出す係合解除状態にまで連結操作体を拡径側に弾性変形させるための指かけ操作突起が一体形成され、更に、係合突起が係止孔から抜け出す係合解除状態に押し操作されたとき、連結操作体の周方向両端部の端面同士が周方向から当接して連結操作体を係合解除された弾性変形状態に維持するように構成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−122108号公報
【特許文献2】特開2002−155911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前者の連結構造では、両連結材の連結を解除する場合、C字状の連結操作体の周方向両端部に形成されている指かけ凸部を二本の指で同時に押し出し操作して、係合突起が少なくとも雄側連結筒部の係止孔から抜け出す係合解除状態にまで連結操作体を拡径側に弾性変形させる必要があるため、連結材を把持した手の指操作では手間取り易く、連結操作体の係合解除操作と両連結材の分離操作とを動作的に分けて行う必要がある。
【0007】
また、後者の連結構造では、両連結材の連結を解除する場合、リング状の連結操作体の周方向他端側を押えた状態で連結操作体の周方向一端に形成された指かけ操作突起を押し操作して、係合突起が少なくとも雄側連結筒部の係止孔から抜け出す係合解除状態にまで連結操作体を拡径側に弾性変形させ、その状態で連結操作体の周方向両端部の端面同士を周方向から当接させる必要があるため、連結材を把持した手の指操作では手間取り易く、前者と同様に、連結操作体の係合解除操作と両連結材の分離操作とを動作的に分けて行う必要がある。
【0008】
また、従来の風呂用清掃具では、パイプ状の一本の柄の一端部に、清掃部の取付け部に対して脱着自在に嵌合連結される雄側連結筒部を形成するとともに、柄の他端部にグリップが形成されている。
そのため、風呂場における距離の異なる複数箇所を楽な姿勢で清掃するためには、各清掃箇所の距離に対応した長さの異なる複数本のグリップ付き柄を準備する必要があり、全部揃える為にはコスト的に高く付く不都合がある。
【0009】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる第1の課題は、両連結材の連結解除作業を迅速、容易に行うことのできる連結材の連結構造を提供する点にあり、第2の課題は、風呂場における距離の異なる複数の清掃箇所を楽な姿勢で清掃するためのコストを大幅に低減できる有用な風呂用清掃具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による第1の特徴構成は、一方の連結材の雄側連結筒部と他方の連結材の雌側連結筒部とが、雌側連結筒部に形成されている係止孔と雄側連結筒部に形成されている係止孔とが径方向で合致する状態にまで筒軸芯方向から脱着自在に嵌合接続されているとともに、前記雌側連結筒部には、径方向外方から両係止孔に係合する係合突起を備えた拡径側に弾性変形可能な連結操作体が外装され、この連結操作体には、係合突起が少なくとも雄側連結筒部の係止孔から抜け出す係合解除状態にまで連結操作体を拡径側に弾性変形操作する操作手段が設けられている連結材の連結構造であって、
前記連結操作体の周方向一端部が、雌側連結筒部側に止着する止着手段が設けられているとともに、前記連結操作体の周方向他端には、連結材を把持した手の指操作で連結操作体を係合解除状態に拡径操作可能な操作手段の操作部が形成されている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、両連結材の連結を解除する場合、連結操作体の周方向一端部が雌側連結筒部側に止着されているため、連結操作体の周方向他端に形成された操作手段の操作部を、連結材を把持した手の指操作で容易に操作することができるばかりでなく、連結操作体の全体を小さな操作力で大きく弾性変形させることができる。
【0012】
従って、連結操作体の係合解除操作と両連結材の分離操作とを、両連結材を両手で把持したままの指操作で同時に能率良く容易に行うことができる。
【0013】
本発明による第2の特徴構成は、前記雌側連結筒部に、雄側連結筒部の先端を雌側連結筒部内に導入案内するガイド面を備えた筒状の継手部材が外装され、この継手部材には連結操作体の係合突起が径方向外方から挿通される装着孔が形成されているとともに、前記継手部材に外装された連結操作体の係合突起が継手部材の装着孔を通して雌側連結筒部の係止孔に係合されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、前記雌側連結筒部に外装された継手部材のガイド面により、雄側連結筒部の先端を雌側連結筒部内に確実、スムーズに導入案内することができるとともに、この雌側連結筒部に対して継手部材を所定装着位置で固定するにあたっても、雌雄の両連結筒部を抜止め固定するために設けられている連結操作体の係合突起を利用して、雌側連結筒部と継手部とを抜止め状態で回り止め係合することができるから、構造の簡素化と製造コストの低廉化とを図ることができる。
【0015】
本発明による第3の特徴構成は、前記連結操作体に、継手部材に形成された周方向に沿うガイド溝に係合して、連結操作体の最大係合解除操作位置を規制する操作規制突起が設けられている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、両連結材の連結を解除する場合、連結操作体に設けた操作規制突起と継手部材に形成されたガイド溝との係合により、連結操作体の最大係合解除操作位置を規制することができるから、係合突起が両連結筒部の係止孔から完全に抜け出して連結操作体が継手部材から分離されることがなく、連結操作体を必要最小限の操作で係合解除することができるばかりでなく、連結操作体の紛失も回避することができる。
【0017】
本発明による第4の特徴構成は、前記継手部材のガイド面が、前記雌側連結筒部と雄側連結筒部が所定位置にまで嵌合接続されたとき、相手側の連結材における縮径の雄側連結筒部に連続するテーパー筒部に対して筒軸芯方向から当接するテーパー面に形成されている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、雌側連結筒部に外装された継手部材のガイド面により、雄側連結筒部の先端を雌側連結筒部内に確実、スムーズに導入案内することができるばかりでなく、両連結筒部が所定位置にまで嵌合接続された状態では、継手部材のテーパー面が相手側の連結材における縮径の雄側連結筒部に連続するテーパー筒部に対して筒軸芯方向から当接するから、雌側連結筒部に外装された継手部材のガタツキを防止することができるとともに、継手部材と連結材の芯出し精度を高めることができる。
【0019】
本発明による第5の特徴構成は、前記止着手段が、連結操作体の周方向一端部と継手部材との相対向する部位に設けられた筒軸芯方向に沿う止着ピンと該止着ピンに対して相対回動自在に嵌合する嵌合孔から構成されているとともに、前記嵌合孔には、連結操作体の周方向他端部側に向かって開口する止着ピンの脱着口が形成されている点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、前記止着ピンと嵌合孔との嵌合箇所を支点として、連結操作体に加えられる拡径側への係合解除操作力に抗して、連結操作体の周方向一端部を強固に嵌合支持しながらも、嵌合孔の脱着口を通して止着ピンを簡単に脱着することができるから、組付け作業の容易化、能率化を達成することができる。
【0021】
本発明による第6の特徴構成は、風呂用清掃部の取付け筒部とグリップとを連結する柄が、清掃部の取付け筒部に対して脱着自在に嵌合連結されるパイプ状の第1連結材と、該第1連結材の他端側の雄側連結筒部に対して脱着自在に嵌合接続される雌側連結筒部を一端に備え、かつ、他端側に第1連結材の雄側連結筒部と同一構造の雄側連結筒部を備えた1本又は複数本の第2連結材とから構成されているとともに、前記グリップには、第1連結材の雄側連結筒部と第2連結材の雄側連結筒部を選択的に脱着自在に嵌合接続可能な雌側連結筒部が形成されている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、清掃部の取付け筒部に嵌合接続された第1連結材の雄側連結筒部に対してグリップの雌側連結筒部を嵌合接続することにより、最小長さの風呂用清掃具を現出することができ、また、前記第1連結材の雄側連結筒部とグリップの雌側連結筒部との間に1本又は複数本の第2連結材を嵌合接続することにより、中間長さ又は最大長さの風呂用清掃具を現出することができる。
【0023】
従って、従来の風呂用清掃具に比して、風呂場における距離の異なる複数の清掃箇所を楽な姿勢で清掃するためのコストを大幅に低減することができるとともに、非使用時にはコンパクトに格納することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔第1実施形態〕
図1〜図4は風呂用清掃具を示し、風呂用清掃部の一例である洗浄ブラシAの筒状の取付け筒部1とグリップBとを連結する柄Cが、洗浄ブラシAの取付け筒部1に対して脱着自在に嵌合連結されるパイプ状のアルミニウム合金製の第1連結材C1と、該第1連結材C1の他端側の雄側連結筒部2に対して脱着自在に嵌合接続される雌側連結筒部3を一端に備え、かつ、他端側に第1連結材C1の雄側連結筒部2と同一構造の雄側連結筒部2を備えた1本又は複数本のパイプ状のアルミニウム合金製の第2連結材C2とから構成されているとともに、前記グリップBには、第1連結材C1の雄側連結筒部2と第2連結材C2の雄側連結筒部2を選択的に脱着自在に嵌合接続可能な雌側連結筒部4が形成されている。
【0025】
そして、当該実施形態では一本の第1連結材C1と二本の第2連結材C2を用いて、図2に示すように、洗浄ブラシAの取付け筒部1に嵌合接続された第1連結材C1の雄側連結筒部2に対してグリップBの雌側連結筒部4を嵌合接続することにより、最小長さの風呂用清掃具を現出することができ、また、図3に示すように、前記第1連結材C1の雄側連結筒部2とグリップBの雌側連結筒部4との間に1本の第2連結材C2を嵌合接続することにより、中間長さ風呂用清掃具を現出することができ、更に、図4に示すように、前記第1連結材C1の雄側連結筒部2とグリップBの雌側連結筒部4との間に2本の第2連結材C2を嵌合接続することにより、最大長さ風呂用清掃具を現出することができる。
【0026】
前記洗浄ブラシAは、図1〜図4に示すように、ブラシ毛5を植設してあるブラシ本体6の上面に左右一対のブラケット7を突設し、このブラケット7に、取付け筒部1の前端部を水平軸芯周りで揺動自在に枢支ピン8にて枢着して構成されている。
【0027】
前記第1連結材C1の一端側の雌側連結筒部9には、図5、図6に示すように、洗浄ブラシAの取付け筒部1内への挿入に連れて径方向内方に弾性変形する板バネ部11Aを備えた合成樹脂製の連結係止部材11が嵌合固定されているとともに、前記板バネ部11Aの先端側には、第1連結材C1の雌側連結筒部9が洗浄ブラシAの取付け筒部1内の所定連結位置にまで嵌合接続されたとき、洗浄ブラシAの取付け筒部1に形成されている係止孔1Aに係合する半球状の係止突起11Bが一体形成されている。
【0028】
前記第1連結材C1の雌側連結筒部9と洗浄ブラシAの取付け筒部1との嵌合接続を解除する場合には、取付け筒部1の係止孔1Aを通して連結係止部材11の係止突起11Bを径方向内方側に押し込み操作した状態で、第1連結材C1と取付け筒部1とを引抜き操作する。
【0029】
次に、前記第1連結材C1と第2連結材C2の連結構造及び第2連結材C2同士の連結構造について説明する。
図7〜図13に示すように、前記第1連結材C1の他端側には、第2連結材C2の雌側連結筒部3及びグリップBの雌側連結筒部4の内径よりも僅かに小なる外径にまで縮径された雄側連結筒部2と、これに連続するテーパー筒部13とが絞り形成されているとともに、前記雄側連結筒部2には、これが第2連結材C2の雌側連結筒部3又はグリップBの雌側連結筒部4内の所定位置にまで嵌合接続されたとき、第2連結材C2の雌側連結筒部3に貫通形成されている第1係止孔17又はグリップBの雌側連結筒部4に貫通形成されている第2係止孔18と径方向で合致する第3係止孔19が形成されている。
【0030】
前記第2連結材C2の他端側にも、前述の第1連結材C1の他端側と同様に、グリップBの雌側連結筒部4の内径よりも僅かに小なる外径にまで縮径された雄側連結筒部2と、これに連続するテーパー筒部13とが絞り形成されているとともに、これが第2連結材C2の雌側連結筒部3又はグリップBの雌側連結筒部4内の所定位置にまで嵌合接続されたとき、第2連結材C2の雌側連結筒部3に貫通形成されている第1係止孔17又はグリップBの雌側連結筒部4に貫通形成されている第2係止孔18と径方向で合致する第3係止孔19が形成されている。
【0031】
前記第2連結材C2の雌側連結筒部3は、これに連続する中間筒部14と同径に構成されているとともに、この雌側連結筒部3には、雄側連結筒部2の先端を雌側連結筒部3内に導入案内するガイド面15を備えた合成樹脂製の筒状の継手部材16が外装され、更に、前記継手部材16のガイド面15が、前記雌側連結筒部3と雄側連結筒部2が所定位置にまで嵌合接続されたとき、相手側の第1連結材C1又は第2連結材C2における縮径の雄側連結筒部2に連続するテーパー筒部13に対して筒軸芯X方向から当接するテーパー面に形成されている。
【0032】
前記継手部材16の外周面に形成された環状装着溝20の底面には、雌側連結筒部3の第1係止孔17と径方向で連通する装着孔21が形成されているとともに、前記環状装着溝20には、径方向外方から両係止孔17,19に係合する係合突起22を備えた拡径側に弾性変形可能な合成樹脂製の略Cの字状の連結操作体23が外装され、この連結操作体23には、係合突起22が少なくとも雄側連結筒部2の係止孔19から抜け出す係合解除状態にまで連結操作体23を拡径側に弾性変形操作する操作手段24が設けられている。
【0033】
前記連結操作体23の周方向一端部が、雌側連結筒部3に装着された継手部材16に止着する止着手段25が設けられているとともに、前記連結操作体23の周方向他端には、第2連結材C2を把持した手の指操作で連結操作体23を係合解除状態に拡径操作可能な操作手段24を構成する操作部が、継手部材16の外周面よりも外方に突出する状態で形成され、更に、前記連結操作体23には、継手部材16に形成された周方向に沿うガイド溝26に係合して、連結操作体23の最大係合解除操作位置を規制する操作規制突起27が一体形成されている。
【0034】
前記連結操作体23の係合突起22が嵌合接続された雌雄の両連結筒部3,2の係止孔17,19に係合している非操作状態では、前記操作規制突起27はガイド溝26の一端側に位置し、連結操作体23の係合突起22が雄側連結筒部2の係止孔19から径方向外方に離脱した係合解除状態では、前記操作規制突起27はガイド溝26の他端に当接位置し、この位置が最大係合解除操作位置に設定されている。
【0035】
前記連結操作体23の係合突起22の先端面には、径方向内方に向かって突出するカムフォロアー28が一体形成されているとともに、前記雄側連結筒部2には、雌側連結筒部3に対する雄側連結筒部2嵌合接続に連れて連結操作体23のカムフォロアー28の先端面を雄側連結筒部2の外径にまで径方向外方に摺動案内することにより、連結操作体23の係合突起22による係合を解除させるテーパー状のカム溝29が絞り形成されている。
【0036】
前記止着手段25を構成するに、継手部材16の外周面における環状装着溝20の両側脇で、かつ、連結操作体23の周方向一端部と筒軸芯X方向で相対向する部位に突設された膨出支持部16Aには、筒軸芯X方向に沿う止着ピン25Aが一体形成されているとともに、連結操作体23の周方向一端部には、継手部材16の止着ピン25Aに対して筒軸芯X方向に沿う軸芯周りで相対回動自在に嵌合する嵌合孔25Bが形成され、更に、前記嵌合孔25Bには、連結操作体23の周方向他端部側に向かって開口する止着ピン25Aの脱着口25Cが形成されている。
【0037】
前記雌側連結筒部3に対する継手部材16の接続内周面16Bは、開口側が若干大径となるテーパー面に形成されているとともに、この継手部材16の接続内周面16Bには、嵌合接続された雌側連結筒部3の外周面との当接に伴って弾性変形する周方向複数本の弾性挾持用の突条30と、雌側連結筒部3の先端側の周方向二箇所に切欠き形成された凹部31に筒軸芯X方向から係合する回り止め用の凸部32が形成されている。
【0038】
次に、前記グリップBの雌側連結筒部4と第1連結材C1の雄側連結筒部2又は第2連結材C2の雄側連結筒部2との連結構造について説明する。
図14、図15に示すように、前記グリップBの雌側連結筒部4の内周面には、雄側連結筒部2が嵌合接続される直管内周面状の第1接続内周面4Aとテーパー筒部13が嵌合接続されるテーパー状の第2接続内周面4Bが形成されているとともに、前記雌側連結筒部4の外周面には、係合突起22を備えた拡径側に弾性変形可能な前記の連結操作体23を外装するための第2環状装着溝33が形成されているとともに、この第2環状装着溝33の底面には、雌側連結筒部3の第1係止孔17と径方向で連通する第2係止孔18が形成されている。
【0039】
そして、前記雌側連結筒部4の第2環状装着溝33に装着された連結操作体23の係合突起22を、嵌合接続されている雌側連結筒部4の第2係止孔18と雄側連結筒部2の第1係止孔19とに対して径方向外方から係合させることにより、グリップBの雌側連結筒部4と第1連結材C1の雄側連結筒部2又は第2連結材C2の雄側連結筒部2とをガタのない状態で抜止め固定することができる。
【0040】
また、前記グリップBの雌側連結筒部4と第1連結材C1の雄側連結筒部2又は第2連結材C2の雄側連結筒部2との嵌合接続を解除する場合には、操作規制突起27がガイド溝26の他端側の最大係合解除操作位置に到達するまで連結操作体23の操作部24を操作することにより、連結操作体23の係合突起22が雄側連結筒部2の係止孔19から径方向外方に抜け出した係合解除状態となる。
【0041】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の第1実施形態では、前記連結操作体23の周方向一端部を、前記雌側連結筒部3に外装された継手部材16に止着したが、この継手部材16が存在しない場合には、連結操作体23の周方向一端部を雌側連結筒部3に直接に止着してもよい。
また、前記止着手段25としては、第1連結材C1又は第2連結材C2を把持した手の指操作で連結操作体23を係合解除状態に拡径操作する際、連結操作体23の周方向一端部が移動しないように雌側連結筒部3側に止め付けておくことのできるものであれば、如何なる構造に構成してもよい。
(2)前記雌側連結筒部3とこれに外装される継手部材16との間に、雌側連結筒部3に対して継手部材16を固定する固定手段を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本願発明の風呂用清掃具の分解平面図
【図2】最小長さの風呂用清掃具を示す平面図と側面図
【図3】中間長さの風呂用清掃具を示す平面図と側面図
【図4】最大長さの風呂用清掃具を示す平面図と側面図
【図5】洗浄ブラシと第1連結材との連結構造を示す接続時の断面側面図
【図6】洗浄ブラシと第1連結材との連結構造を示す分離時の断面側面図
【図7】第1連結材と第2連結材又は第2連結材同士の連結構造を示す接続時の断面側面図
【図8】連結構造の分離時の断面底面図
【図9】連結操作体を備えた継手部材の断面側面図
【図10】図9におけるX−X線断面図
【図11】連結操作体と継手部材の分離状態を示す一方向からの斜視図
【図12】連結操作体と継手部材の分離状態を示す他方向からの斜視図
【図13】係合解除操作時の断面正面図
【図14】グリップと第1連結材又は第2連結材との連結構造を示す接続時の断面側面図
【図15】連結構造の分離時の断面側面図
【符号の説明】
【0043】
A 風呂用清掃部(洗浄ブラシ)
B グリップ
C 柄
C1 第1連結材
C2 第2連結材
X 筒軸芯
1 取付け筒部
2 雄側連結筒部
3 雌側連結筒部
4 雄側連結筒部
13 テーパー筒部(第2テーパー筒部)
15 ガイド面
16 継手部材
17 係止孔(第1係止孔)
18 係止孔(第2係止孔)
19 係止孔(第3係止孔)
22 係合突起
23 連結操作体
24 操作手段(操作部)
25 止着手段
25A 止着ピン
25B 嵌合孔
25C 脱着口
26 ガイド溝
27 操作規制突起


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の連結材の雄側連結筒部と他方の連結材の雌側連結筒部とが、雌側連結筒部に形成されている係止孔と雄側連結筒部に形成されている係止孔とが径方向で合致する状態にまで筒軸芯方向から脱着自在に嵌合接続されているとともに、前記雌側連結筒部には、径方向外方から両係止孔に係合する係合突起を備えた拡径側に弾性変形可能な連結操作体が外装され、この連結操作体には、係合突起が少なくとも雄側連結筒部の係止孔から抜け出す係合解除状態にまで連結操作体を拡径側に弾性変形操作する操作手段が設けられている連結材の連結構造であって、
前記連結操作体の周方向一端部が、雌側連結筒部側に止着する止着手段が設けられているとともに、前記連結操作体の周方向他端には、連結材を把持した手の指操作で連結操作体を係合解除状態に拡径操作可能な操作手段の操作部が形成されている連結材の連結構造。
【請求項2】
前記雌側連結筒部には、雄側連結筒部の先端を雌側連結筒部内に導入案内するガイド面を備えた筒状の継手部材が外装され、この継手部材には連結操作体の係合突起が径方向外方から挿通される装着孔が形成されているとともに、前記継手部材に外装された連結操作体の係合突起が継手部材の装着孔を通して雌側連結筒部の係止孔に係合されている請求項1記載の連結材の連結構造。
【請求項3】
前記連結操作体には、継手部材に形成された周方向に沿うガイド溝に係合して、連結操作体の最大係合解除操作位置を規制する操作規制突起が設けられている請求項2記載の連結材の連結構造。
【請求項4】
前記継手部材のガイド面が、前記雌側連結筒部と雄側連結筒部が所定位置にまで嵌合接続されたとき、相手側の連結材における縮径の雄側連結筒部に連続するテーパー筒部に対して筒軸芯方向から当接するテーパー面に形成されている請求項2又は3記載の連結材の連結構造。
【請求項5】
前記止着手段が、連結操作体の周方向一端部と継手部材との相対向する部位に設けられた筒軸芯方向に沿う止着ピンと該止着ピンに対して相対回動自在に嵌合する嵌合孔から構成されているとともに、前記嵌合孔には、連結操作体の周方向他端部側に向かって開口する止着ピンの脱着口が形成されている請求項2,3又は4記載の連結材の連結構造。
【請求項6】
風呂用清掃部の取付け筒部とグリップとを連結する柄が、清掃部の取付け筒部に対して脱着自在に嵌合連結されるパイプ状の第1連結材と、該第1連結材の他端側の雄側連結筒部に対して脱着自在に嵌合接続される雌側連結筒部を一端に備え、かつ、他端側に第1連結材の雄側連結筒部と同一構造の雄側連結筒部を備えた1本又は複数本の第2連結材とから構成されているとともに、前記グリップには、第1連結材の雄側連結筒部と第2連結材の雄側連結筒部を選択的に脱着自在に嵌合接続可能な雌側連結筒部が形成されている風呂用清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−300093(P2006−300093A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118355(P2005−118355)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000100850)アイセン工業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】