連結装置
【課題】設置工程における過大な負荷のみならず、組み立て又は予備組み立ての際の不正確さによって、ボルトが空気間隙の中心ではなく部材に若干片寄って配置され、振動がボルトを介して伝搬することを防止することができる連結装置を提供する。
【解決手段】本発明の連結装置は、ボルト(4)と、第1固定要素(5)(5’)(5”)と、第2固定要素(6)(6’)とを備えている。ボルト(4)が第1固定要素(5)(5’)(5”)及び第2固定要素(6)(6’)を相互に連結している。振動減衰素材よりなる中間層(7)が、第1固定要素(5)(5’)(5”)及び第2固定要素(6)(6’)のうち少なくとも1つの側に配置されている。ボルト(4)が振動減衰素材よりなる付加中間層(8)により少なくとも部分的に覆われている。
【解決手段】本発明の連結装置は、ボルト(4)と、第1固定要素(5)(5’)(5”)と、第2固定要素(6)(6’)とを備えている。ボルト(4)が第1固定要素(5)(5’)(5”)及び第2固定要素(6)(6’)を相互に連結している。振動減衰素材よりなる中間層(7)が、第1固定要素(5)(5’)(5”)及び第2固定要素(6)(6’)のうち少なくとも1つの側に配置されている。ボルト(4)が振動減衰素材よりなる付加中間層(8)により少なくとも部分的に覆われている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造家屋における床材、壁材、天井材又は木造建築物を含む任意の複数の部材を相互に連結するための連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連結装置は、木造家屋等の比較的重い木造建築物を、その内側箇所で生じた振動がこの連結装置を介して他の部材に伝搬しないように相互に連結するために用いられる。特に、例えば木造家屋の内部の足音及び構造由来の音の伝搬を防止することが必要である。相互に連結される部材は木造家屋の床材、壁材又は天井材である。
【0003】
先行技術1によれば、モルタルが充填されたパイプを通るアンカーボルトを足部において用いることにより、このモルタルが振動吸収効果を奏するように、コンクリート基礎部分とプレキャストで補強されたコンクリート壁部分とが連結される(特許文献1参照)。
【0004】
先行技術2によれば、ともに壁コラムにボルトにより固定され、振動減衰素材に加えられるエネルギーの伝達を低減するハウジングと、振動を減衰させるディスクとが用いられている(特許文献2参照)。
【0005】
そのほか、当該タイプの連結装置が提案されている(特許文献3参照)。この装置はねじである。ねじのシャフトはボルトを構成する。ねじ溝が第1固定要素を構成し、ねじ頭が第2固定要素を構成する。構造物内で振動又は音波の伝搬を防止するため、振動減衰素材からなる中間層がねじ頭、すなわち第2固定要素に対して配置することが提案されている。ボルトは、部材において若干大径の孔部に設けられ、ボルトと部材との間に空気の間隙が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国特開2003−147862号公報
【特許文献2】米国特許公開公報 US2008/0017780A1
【特許文献3】独国特許公報 DE19932589C1(図10など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、先行技術3において、設置工程における過大な負荷のみならず、組み立て又は予備組み立ての際の不正確さによって、ボルトが空気間隙の中心ではなく部材に若干片寄って配置される。このため、振動がボルトを介して伝搬する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、前記事態の発生を防止するために前記のようなタイプの連結装置の改善を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つのボルトと、前記ボルトを前記複数の部材のうち一の部材に固定するための第1固定要素と、前記ボルトを前記複数の部材のうち他の部材に固定するための第2固定要素とを備え、前記ボルトが前記第1固定要素及び前記第2固定要素を相互に連結し、振動減衰素材よりなる少なくとも1つの中間層が、前記第1固定要素及び前記第2固定要素のうち少なくとも1つの側に配置されている連結装置に関する。
【0010】
本発明の目的は、前記ボルトが振動減衰素材よりなる少なくとも1つの付加中間層により少なくとも部分的に覆われていることにより達成される。
【0011】
本発明によれば、固定要素及び部材の間に1つの中間層のみならず、振動減衰素材からなるさらなる中間層によりボルトが覆われている。これにより、ボルトが、振動減衰素材からなる付加中間層を介して少なくとも一の部材に対して設けられる。先行技術における振動減衰素材からなる中間層と、少なくとも1つの固定要素の傍に付加的に設けられた中間層とが、組み立て位置において部材と固定要素との間に配置され、この位置における振動の伝搬が防止される。
【0012】
ボルト経由の振動伝搬を最大限防止するためには、前記ボルトの表面が、縦軸線方向及び周方向のうち一方又は両方について、振動減衰素材からなる付加中間層により完全に覆われていてもよい。ただし、設計及び予測される振動によっては、当該構成は必須ではない。前記ボルトの表面の20%以上、好ましくは50%以上が、縦軸線方向及び周方向のうち一方又は両方について、振動減衰素材からなる付加中間層により覆われていてもよい。
【0013】
振動減衰素材、振動遮断素材又は音吸収素材は好ましくは弾性素材である。当該素材の静的弾性係数は0.025〜5[N/m2]の範囲内にある。当該素材は好ましくはエラストマーである。それは、例えば発砲性のポリウレタンエラストマー、ゴムエラストマー又は熱可塑性エラストマーであってもよい。
【0014】
第1固定要素は、先行技術と同様に、木材にねじ込まれるようにボルトに設けられているねじ溝であってもよい。本発明の他の態様において、第1固定要素はボルトに対して固定又は固定されている取付板である。ボルトは、取付板の表面に対して垂直に配置されてもよい。好ましくは、取付板は、例えばねじを用いて木材に対して取付板を固定するための孔部を有している。
【0015】
本発明の他の態様において、第1固定要素はボルトのねじ溝に螺合するナットであってもよい。第2固定要素は好ましくはボルトのねじ溝等に螺合するナットにより構成されている。第2固定要素はボルトに対して固定して設けられている、すなわちボルトに対して動かないねじ頭であってもよい。
【0016】
本発明の一態様によれば、連結装置を固定するため、ボルトの縦軸線方向について固定要素間の間隔が調節可能とされている。これは木造家屋等の比較的重い木造建築物の場合に有効であり、負荷の増大、設置又はその他の木材の動きのために、固定要素間の元の間隔が、相互に連結される部材間の堅固な又は遊びのない保持に適さなくなった場合、連結装置それ自体を固定すること及び再固定することができる。固定要素間の間隔の変更により、当該固定要素が再固定される。ここで「調節可能」とは、異なる間隔が設定可能であり、補正または設定された間隔が摩擦力等によって維持されることを意味する。
【0017】
ボルト、固定要素及び介在要素が振動減衰素材よりも硬質であることが好ましい。ボルト、固定要素及び適当である場合には介在要素がスティール又はアルミニウム等の金属により構成され、少なくとも金属を含有していることが好ましい。木造家屋の建築について、ボルトは、10〜30mm、好ましくは16〜24mmの範囲内の径を有している。ボルトのタイプに応じて、ボルトは12〜80cmの範囲内の長さを有することが好ましい。
【0018】
木材からなる複数の部材が本発明の連結装置により相互に連結され、前記第1固定要素が前記複数の部材のうち一の部材に支持又は固定され、前記第2固定要素が前記複数の部材のうち他の部材に支持又は固定されている木造建築物、特に木造家屋において、前記複数の部材のうち少なくとも1つの部材に支持又は固定されている前記ボルト及び前記固定要素が、振動減衰素材からなる前記中間層及び振動減衰素材からなる前記付加中間層の中間位置を除いて当該部材に対して連結されていることが好ましい。
【0019】
美観性だけではなく、安定性の観点から、ボルト及び固定要素は好ましくは完全な組み立て状態において前記木造建築物の孔部及び切削部のうち一方又は両方の内側に位置することが好ましい。連結装置経由の音又は振動の伝搬を軽減するだけではなく、当該伝搬を完全に消滅させるため、木造建築物の前記複数の部材は、前記振動減衰素材の中間位置を除いて相互に連結されていることが好ましい。ここで、中間層及び付加中間層に同じ振動減衰素材が用いられてもよい。
【0020】
本発明の連結装置は、特に木造家屋の壁材、及び天井材又は床材をその他の部材と連結するために用いられる。連結装置は、壁材及び天井材、又は壁材及び床材などの2つの部材を連結するために用いられる。そのほか、本発明の連結部材は、離間している2つの壁材とその間にある天井材とを連結するために用いられうる。このように、本発明の連結装置が2つの部材を相互に連結するためだけに用いられるのではない。連結装置は、3以上の部材を相互に連結するように構成されてもよい。
【0021】
本発明のさらなる詳細及び特徴は以下の図面に示されている本発明の実施形態によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図2】本発明の第1実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【図3】本発明の第2実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図4】本発明の第2実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【図5】本発明の第3実施形態の連結装置の構成説明図。
【図6】本発明の第4実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図7】本発明の第4実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【図8】本発明の第5実施形態の連結装置の構成説明図。
【図9】本発明の第6実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図10】本発明の第6実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【図11】本発明の第7実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図12】本発明の第7実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、木材家屋の部材1及び2を相互に連結するために用いられる本発明の第1実施形態の連結装置が示されている。部材1は木造家屋の壁材であり、部材2は床材である。組み立て終了状態において、ボルト4及び固定要素は完全に部材の内側にあり、一部が図1に示されていない孔部16に配置され、その他の部分が図1に示されている切削部17に配置されている。
【0024】
振動及び音が部材1及び2の間で直接伝搬することができないように、振動減衰素材の隔離層18が部材1及び2の間に公知の形態で配置されている。連結装置経由の振動又は音の伝搬を消滅させるため、本発明の連結装置は、断面図である図2に示されている形態で構成されている。
【0025】
まずボルト4がみえる。このボルト4は、両端部に各固定要素5又は6を有している。第1実施形態では、第1固定要素5は、木材にねじ込ませるようにボルト4に形成されているねじ溝により構成されている。第1実施形態では、第2固定要素6は、ボルト4のねじ溝に螺合するナットにより構成されている。
【0026】
ナット又は第2固定要素6を回転させることにより、ボルト4の縦軸線14の方向について固定要素5及び6の間隔13が調節される。これにより、初期組立過程で連結を堅固なものにすることができる。負荷の増加、木材の縮み、又は設置形態などに由来して切削部17と第2固定要素6との間隔が変化した場合、連結装置を再固定することができる。切削部17が形成されていることで、第2固定要素6に対して定常的に到達することができる。その一方、連結装置は美観を損ねないように部材1及び2に隠されている。
【0027】
第2固定要素6又はナットは介在要素11、ここではワッシャーを介して、切削部17の対応する肩部に配置されている中間層7に支持されている。中間層7は、第2固定要素6経由の振動又は音の伝搬を消滅させる振動減衰素材からなる。ボルト4が設置、組み立ての不正確さ、又は構造のゆがみ若しくはひずみなどによって部材1の孔部16の壁面に接触しないように、本発明によればボルト4が振動減衰素材からなる付加中間層8により覆われている。本実施形態では付加中間層8は筒状である。ボルト4は当該筒の中心孔に設けられている。
【0028】
図1及び図2に示されている第1実施形態では、付加中間層8は部材1の孔部16の全長、かつ、ボルト4の長さの20%を超える範囲にわたり延設されている。連結装置を介して2つの部材1及び2の間での音の伝搬を遮断するため、ボルト4が中間層7及び8を介してのみ部材1又は2に対して配置されている。
【0029】
図1及び図2の第1実施形態では、部材1は堅い木材の壁であり、連結装置を部材1に適合させるために孔部16及び上方に設けられている切削部17が設けられている必要がある。
【0030】
図3には本発明の他の実施形態の連結装置が示されている。第1実施形態と異なり、壁材1及び3は重厚なものではなく、コラム構造により構成されているため、第2固定要素6に対して到達するための切削部17が設けられる必要はない。図3には、上壁材1、天井材2及び下壁材3の配列の側面図が示され、部材1〜3は本発明の連結装置により相互に連結されている。
【0031】
連結装置の第1固定要素5’としてボルト4に対して溶接等により固定されている取付板が設けられている。ボルト4は取付板5’の表面9に対して垂直に配置されている。図4に示されているように、取付板は、取付板とともに連結装置の全体を部材2に固定させるための孔部10を有している。この固定はねじにより実現されるが、接着剤等のそのほかの固定手段により実現されてもよい。図3及び図4に示されている実施形態では、取付板5’は、振動減衰素材からなる隔離層18の間隙19に配置されている。第2実施形態の連結装置は、第1固定要素5’を取付板として構成することを除く構成は、図1及び図2に示されている第1実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0032】
図4には、図3に示されている本発明の第2実施形態の連結装置により、重厚な構造の壁材1及び3を天井材2に連結させる具体例が示されている。このため、切削部17及び孔部16は壁材1に設けられる必要がある。
【0033】
図5には、図4の連結装置に大部分が一致する一方、振動減衰素材からなる付加中間層8が短い点で異なる変形実施形態が示されている。当該実施形態により、第2中間層8が孔部16の全長にわたって延設される必要がない例が示されている。第2中間層8の長さ又はサイズは、ボルト4が各部材1及び3に対して直接的に当接しない範囲でさまざまに選択されてもよい。
【0034】
図5に示されている実施形態と異なり、中間層7の下又は近傍に付加中間層8が直接的に配置される必要はない。短縮された付加中間層8は、ボルト4が孔部16の内壁又は部材1若しくは2に対して当接する可能性があるあらゆる箇所に配置される必要がある。
【0035】
前記実施形態ではボルト4の表面はボルト4の周方向15について、振動減衰素材からなる付加中間層8により完全に覆われていたが、図6及び図7に示されている本発明の変形実施形態によればそうではない。図6の部分断面図から明らかなように、当該実施形態では孔部16の代わりに切削部17が設けられている。これにより、ボルト4画素の周方向15について完全に覆われている必要はない。図6から明らかなように、振動減衰素材からなる付加中間層8は、ここではボルト4をその周方向について50%程度にわたり覆っている。図6においては、図7に示されている連結装置の部材のうち付加中間層8の上にあるものは図示が省略されていることに注意を要する。
【0036】
図1〜図7にしたがって説明された前記実施形態において、切削部17は第2固定要素6に対する到達の必要のために設けられている。図8には、切削部が孔部16に置換された変形実施形態が示されている。連結装置の基本的構成が変更される必要はない。当該基本的構成は図3及び図4を用いて説明されたものである。本実施形態における当該基本的構成の相違点について次に説明する。
【0037】
第1の相違点は、第2固定要素6が孔部16の内壁に支持されるための介在要素11の形状に関する点である。孔部16の内壁の形状又は輪郭に適合するため、振動減衰素材からなる中間層7が当接する介在要素11の支持面12は本実施形態では円弧状に形成され、これに対して前記実施形態では支持面12が平坦に形成されている。支持面12は円弧状とは異なる形状の曲面であってもよい。連結装置が固定されていない状態では、通常のワッシャーと同様に介在要素11はボルト4に対して取り外し可能に取り付けられる。
【0038】
図3及び図4に示されている実施形態との第2の相違点は、隔離層18の間隙19が省略されている点である。図8に示されている実施形態によれば、ボルト4及び適当である場合には付加中間層8が案内される孔部が形成されている。
【0039】
本発明の前記実施形態は2つ部材1、2又は3を相互に連結するためのものであったが、図9及び図10に示されている本発明の実施形態によれば、3つの部材1、2及び3(壁材1、天井材2及び別の壁材3)が相互に連結される。
【0040】
本実施形態では、第1固定要素5”は、第2固定要素6と同様にボルト4のねじ溝に螺合するナットにより構成されている。介在要素11の形状は図8に示されている実施形態と同様である。図10に透視図的に示されているように、本実施形態では連結装置は、3つの部材1、2及び3を連結するための単一の連続的なボルトを有している。第1固定要素5”及び第2固定要素6は孔部16を通じて到達可能である。ボルト4は部材1、2及び3の他の孔部16に案内される。本実施形態では、付加中間層8がボルト4の縦軸線14の方向の間隔13のすべてにわたって延設されている。本実施形態によれば、第1固定要素5”及び第2固定要素6の両方によって連結装置の再固定が可能である。
【0041】
図11及び図12に示されているさらなる実施形態は、図1及び図2に示されている第1実施形態に対応している。当該実施形態では第2固定要素6’として、ボルト4のねじ溝に螺合するナットではなく、ボルト4に対して固定されたねじ頭が設けられている。
【0042】
これは、図11及び図12に示されている実施形態において、固定要素5と6’との間隔13が、当該固定要素を再度固定するために調節されえないことを意味している。これは、ねじ頭6’と第1固定要素としてのねじ溝(図11には示されていないが、図1及び図2と同様の構成である。)
他の実施形態において、第2固定要素6’がボルト4に固定されたねじ頭の形態で設けられてもよく、堅固にするためにボルト4の他端側に取付板5’のねじ溝に螺着されてもよい(図示略)。当該他の実施形態によれば、ボルト4を回転させ、螺合しているねじ溝にしたがって前進又は後退させることにより、ねじ頭及び取付板として構成されている固定要素間の間隔を調節することができる。
【0043】
本発明の実施形態の多様性から明らかなように、本発明は前記された実施形態に限定されない。異なる実施形態における個々の構成が前記とは異なる形態で組み合わせられてもよい。前記実施形態は説明の便宜上のためのものにしか過ぎない。
【符号の説明】
【0044】
1‥部材、2‥部材、3‥部材、4‥ボルト、5,5’,5”‥第1固定要素、6,6’‥第2固定要素、7‥中間層、8‥付加中間層、9‥外側表面、10‥孔部、11‥介在要素、12‥支持面、13‥間隔、14‥縦軸線、15‥周方向、16‥孔部、17‥切削部、18‥隔離層、19‥間隙。
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造家屋における床材、壁材、天井材又は木造建築物を含む任意の複数の部材を相互に連結するための連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連結装置は、木造家屋等の比較的重い木造建築物を、その内側箇所で生じた振動がこの連結装置を介して他の部材に伝搬しないように相互に連結するために用いられる。特に、例えば木造家屋の内部の足音及び構造由来の音の伝搬を防止することが必要である。相互に連結される部材は木造家屋の床材、壁材又は天井材である。
【0003】
先行技術1によれば、モルタルが充填されたパイプを通るアンカーボルトを足部において用いることにより、このモルタルが振動吸収効果を奏するように、コンクリート基礎部分とプレキャストで補強されたコンクリート壁部分とが連結される(特許文献1参照)。
【0004】
先行技術2によれば、ともに壁コラムにボルトにより固定され、振動減衰素材に加えられるエネルギーの伝達を低減するハウジングと、振動を減衰させるディスクとが用いられている(特許文献2参照)。
【0005】
そのほか、当該タイプの連結装置が提案されている(特許文献3参照)。この装置はねじである。ねじのシャフトはボルトを構成する。ねじ溝が第1固定要素を構成し、ねじ頭が第2固定要素を構成する。構造物内で振動又は音波の伝搬を防止するため、振動減衰素材からなる中間層がねじ頭、すなわち第2固定要素に対して配置することが提案されている。ボルトは、部材において若干大径の孔部に設けられ、ボルトと部材との間に空気の間隙が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国特開2003−147862号公報
【特許文献2】米国特許公開公報 US2008/0017780A1
【特許文献3】独国特許公報 DE19932589C1(図10など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、先行技術3において、設置工程における過大な負荷のみならず、組み立て又は予備組み立ての際の不正確さによって、ボルトが空気間隙の中心ではなく部材に若干片寄って配置される。このため、振動がボルトを介して伝搬する可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、前記事態の発生を防止するために前記のようなタイプの連結装置の改善を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つのボルトと、前記ボルトを前記複数の部材のうち一の部材に固定するための第1固定要素と、前記ボルトを前記複数の部材のうち他の部材に固定するための第2固定要素とを備え、前記ボルトが前記第1固定要素及び前記第2固定要素を相互に連結し、振動減衰素材よりなる少なくとも1つの中間層が、前記第1固定要素及び前記第2固定要素のうち少なくとも1つの側に配置されている連結装置に関する。
【0010】
本発明の目的は、前記ボルトが振動減衰素材よりなる少なくとも1つの付加中間層により少なくとも部分的に覆われていることにより達成される。
【0011】
本発明によれば、固定要素及び部材の間に1つの中間層のみならず、振動減衰素材からなるさらなる中間層によりボルトが覆われている。これにより、ボルトが、振動減衰素材からなる付加中間層を介して少なくとも一の部材に対して設けられる。先行技術における振動減衰素材からなる中間層と、少なくとも1つの固定要素の傍に付加的に設けられた中間層とが、組み立て位置において部材と固定要素との間に配置され、この位置における振動の伝搬が防止される。
【0012】
ボルト経由の振動伝搬を最大限防止するためには、前記ボルトの表面が、縦軸線方向及び周方向のうち一方又は両方について、振動減衰素材からなる付加中間層により完全に覆われていてもよい。ただし、設計及び予測される振動によっては、当該構成は必須ではない。前記ボルトの表面の20%以上、好ましくは50%以上が、縦軸線方向及び周方向のうち一方又は両方について、振動減衰素材からなる付加中間層により覆われていてもよい。
【0013】
振動減衰素材、振動遮断素材又は音吸収素材は好ましくは弾性素材である。当該素材の静的弾性係数は0.025〜5[N/m2]の範囲内にある。当該素材は好ましくはエラストマーである。それは、例えば発砲性のポリウレタンエラストマー、ゴムエラストマー又は熱可塑性エラストマーであってもよい。
【0014】
第1固定要素は、先行技術と同様に、木材にねじ込まれるようにボルトに設けられているねじ溝であってもよい。本発明の他の態様において、第1固定要素はボルトに対して固定又は固定されている取付板である。ボルトは、取付板の表面に対して垂直に配置されてもよい。好ましくは、取付板は、例えばねじを用いて木材に対して取付板を固定するための孔部を有している。
【0015】
本発明の他の態様において、第1固定要素はボルトのねじ溝に螺合するナットであってもよい。第2固定要素は好ましくはボルトのねじ溝等に螺合するナットにより構成されている。第2固定要素はボルトに対して固定して設けられている、すなわちボルトに対して動かないねじ頭であってもよい。
【0016】
本発明の一態様によれば、連結装置を固定するため、ボルトの縦軸線方向について固定要素間の間隔が調節可能とされている。これは木造家屋等の比較的重い木造建築物の場合に有効であり、負荷の増大、設置又はその他の木材の動きのために、固定要素間の元の間隔が、相互に連結される部材間の堅固な又は遊びのない保持に適さなくなった場合、連結装置それ自体を固定すること及び再固定することができる。固定要素間の間隔の変更により、当該固定要素が再固定される。ここで「調節可能」とは、異なる間隔が設定可能であり、補正または設定された間隔が摩擦力等によって維持されることを意味する。
【0017】
ボルト、固定要素及び介在要素が振動減衰素材よりも硬質であることが好ましい。ボルト、固定要素及び適当である場合には介在要素がスティール又はアルミニウム等の金属により構成され、少なくとも金属を含有していることが好ましい。木造家屋の建築について、ボルトは、10〜30mm、好ましくは16〜24mmの範囲内の径を有している。ボルトのタイプに応じて、ボルトは12〜80cmの範囲内の長さを有することが好ましい。
【0018】
木材からなる複数の部材が本発明の連結装置により相互に連結され、前記第1固定要素が前記複数の部材のうち一の部材に支持又は固定され、前記第2固定要素が前記複数の部材のうち他の部材に支持又は固定されている木造建築物、特に木造家屋において、前記複数の部材のうち少なくとも1つの部材に支持又は固定されている前記ボルト及び前記固定要素が、振動減衰素材からなる前記中間層及び振動減衰素材からなる前記付加中間層の中間位置を除いて当該部材に対して連結されていることが好ましい。
【0019】
美観性だけではなく、安定性の観点から、ボルト及び固定要素は好ましくは完全な組み立て状態において前記木造建築物の孔部及び切削部のうち一方又は両方の内側に位置することが好ましい。連結装置経由の音又は振動の伝搬を軽減するだけではなく、当該伝搬を完全に消滅させるため、木造建築物の前記複数の部材は、前記振動減衰素材の中間位置を除いて相互に連結されていることが好ましい。ここで、中間層及び付加中間層に同じ振動減衰素材が用いられてもよい。
【0020】
本発明の連結装置は、特に木造家屋の壁材、及び天井材又は床材をその他の部材と連結するために用いられる。連結装置は、壁材及び天井材、又は壁材及び床材などの2つの部材を連結するために用いられる。そのほか、本発明の連結部材は、離間している2つの壁材とその間にある天井材とを連結するために用いられうる。このように、本発明の連結装置が2つの部材を相互に連結するためだけに用いられるのではない。連結装置は、3以上の部材を相互に連結するように構成されてもよい。
【0021】
本発明のさらなる詳細及び特徴は以下の図面に示されている本発明の実施形態によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図2】本発明の第1実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【図3】本発明の第2実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図4】本発明の第2実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【図5】本発明の第3実施形態の連結装置の構成説明図。
【図6】本発明の第4実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図7】本発明の第4実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【図8】本発明の第5実施形態の連結装置の構成説明図。
【図9】本発明の第6実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図10】本発明の第6実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【図11】本発明の第7実施形態の連結装置の構成説明図(その1)。
【図12】本発明の第7実施形態の連結装置の構成説明図(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、木材家屋の部材1及び2を相互に連結するために用いられる本発明の第1実施形態の連結装置が示されている。部材1は木造家屋の壁材であり、部材2は床材である。組み立て終了状態において、ボルト4及び固定要素は完全に部材の内側にあり、一部が図1に示されていない孔部16に配置され、その他の部分が図1に示されている切削部17に配置されている。
【0024】
振動及び音が部材1及び2の間で直接伝搬することができないように、振動減衰素材の隔離層18が部材1及び2の間に公知の形態で配置されている。連結装置経由の振動又は音の伝搬を消滅させるため、本発明の連結装置は、断面図である図2に示されている形態で構成されている。
【0025】
まずボルト4がみえる。このボルト4は、両端部に各固定要素5又は6を有している。第1実施形態では、第1固定要素5は、木材にねじ込ませるようにボルト4に形成されているねじ溝により構成されている。第1実施形態では、第2固定要素6は、ボルト4のねじ溝に螺合するナットにより構成されている。
【0026】
ナット又は第2固定要素6を回転させることにより、ボルト4の縦軸線14の方向について固定要素5及び6の間隔13が調節される。これにより、初期組立過程で連結を堅固なものにすることができる。負荷の増加、木材の縮み、又は設置形態などに由来して切削部17と第2固定要素6との間隔が変化した場合、連結装置を再固定することができる。切削部17が形成されていることで、第2固定要素6に対して定常的に到達することができる。その一方、連結装置は美観を損ねないように部材1及び2に隠されている。
【0027】
第2固定要素6又はナットは介在要素11、ここではワッシャーを介して、切削部17の対応する肩部に配置されている中間層7に支持されている。中間層7は、第2固定要素6経由の振動又は音の伝搬を消滅させる振動減衰素材からなる。ボルト4が設置、組み立ての不正確さ、又は構造のゆがみ若しくはひずみなどによって部材1の孔部16の壁面に接触しないように、本発明によればボルト4が振動減衰素材からなる付加中間層8により覆われている。本実施形態では付加中間層8は筒状である。ボルト4は当該筒の中心孔に設けられている。
【0028】
図1及び図2に示されている第1実施形態では、付加中間層8は部材1の孔部16の全長、かつ、ボルト4の長さの20%を超える範囲にわたり延設されている。連結装置を介して2つの部材1及び2の間での音の伝搬を遮断するため、ボルト4が中間層7及び8を介してのみ部材1又は2に対して配置されている。
【0029】
図1及び図2の第1実施形態では、部材1は堅い木材の壁であり、連結装置を部材1に適合させるために孔部16及び上方に設けられている切削部17が設けられている必要がある。
【0030】
図3には本発明の他の実施形態の連結装置が示されている。第1実施形態と異なり、壁材1及び3は重厚なものではなく、コラム構造により構成されているため、第2固定要素6に対して到達するための切削部17が設けられる必要はない。図3には、上壁材1、天井材2及び下壁材3の配列の側面図が示され、部材1〜3は本発明の連結装置により相互に連結されている。
【0031】
連結装置の第1固定要素5’としてボルト4に対して溶接等により固定されている取付板が設けられている。ボルト4は取付板5’の表面9に対して垂直に配置されている。図4に示されているように、取付板は、取付板とともに連結装置の全体を部材2に固定させるための孔部10を有している。この固定はねじにより実現されるが、接着剤等のそのほかの固定手段により実現されてもよい。図3及び図4に示されている実施形態では、取付板5’は、振動減衰素材からなる隔離層18の間隙19に配置されている。第2実施形態の連結装置は、第1固定要素5’を取付板として構成することを除く構成は、図1及び図2に示されている第1実施形態と同様なので、その説明を省略する。
【0032】
図4には、図3に示されている本発明の第2実施形態の連結装置により、重厚な構造の壁材1及び3を天井材2に連結させる具体例が示されている。このため、切削部17及び孔部16は壁材1に設けられる必要がある。
【0033】
図5には、図4の連結装置に大部分が一致する一方、振動減衰素材からなる付加中間層8が短い点で異なる変形実施形態が示されている。当該実施形態により、第2中間層8が孔部16の全長にわたって延設される必要がない例が示されている。第2中間層8の長さ又はサイズは、ボルト4が各部材1及び3に対して直接的に当接しない範囲でさまざまに選択されてもよい。
【0034】
図5に示されている実施形態と異なり、中間層7の下又は近傍に付加中間層8が直接的に配置される必要はない。短縮された付加中間層8は、ボルト4が孔部16の内壁又は部材1若しくは2に対して当接する可能性があるあらゆる箇所に配置される必要がある。
【0035】
前記実施形態ではボルト4の表面はボルト4の周方向15について、振動減衰素材からなる付加中間層8により完全に覆われていたが、図6及び図7に示されている本発明の変形実施形態によればそうではない。図6の部分断面図から明らかなように、当該実施形態では孔部16の代わりに切削部17が設けられている。これにより、ボルト4画素の周方向15について完全に覆われている必要はない。図6から明らかなように、振動減衰素材からなる付加中間層8は、ここではボルト4をその周方向について50%程度にわたり覆っている。図6においては、図7に示されている連結装置の部材のうち付加中間層8の上にあるものは図示が省略されていることに注意を要する。
【0036】
図1〜図7にしたがって説明された前記実施形態において、切削部17は第2固定要素6に対する到達の必要のために設けられている。図8には、切削部が孔部16に置換された変形実施形態が示されている。連結装置の基本的構成が変更される必要はない。当該基本的構成は図3及び図4を用いて説明されたものである。本実施形態における当該基本的構成の相違点について次に説明する。
【0037】
第1の相違点は、第2固定要素6が孔部16の内壁に支持されるための介在要素11の形状に関する点である。孔部16の内壁の形状又は輪郭に適合するため、振動減衰素材からなる中間層7が当接する介在要素11の支持面12は本実施形態では円弧状に形成され、これに対して前記実施形態では支持面12が平坦に形成されている。支持面12は円弧状とは異なる形状の曲面であってもよい。連結装置が固定されていない状態では、通常のワッシャーと同様に介在要素11はボルト4に対して取り外し可能に取り付けられる。
【0038】
図3及び図4に示されている実施形態との第2の相違点は、隔離層18の間隙19が省略されている点である。図8に示されている実施形態によれば、ボルト4及び適当である場合には付加中間層8が案内される孔部が形成されている。
【0039】
本発明の前記実施形態は2つ部材1、2又は3を相互に連結するためのものであったが、図9及び図10に示されている本発明の実施形態によれば、3つの部材1、2及び3(壁材1、天井材2及び別の壁材3)が相互に連結される。
【0040】
本実施形態では、第1固定要素5”は、第2固定要素6と同様にボルト4のねじ溝に螺合するナットにより構成されている。介在要素11の形状は図8に示されている実施形態と同様である。図10に透視図的に示されているように、本実施形態では連結装置は、3つの部材1、2及び3を連結するための単一の連続的なボルトを有している。第1固定要素5”及び第2固定要素6は孔部16を通じて到達可能である。ボルト4は部材1、2及び3の他の孔部16に案内される。本実施形態では、付加中間層8がボルト4の縦軸線14の方向の間隔13のすべてにわたって延設されている。本実施形態によれば、第1固定要素5”及び第2固定要素6の両方によって連結装置の再固定が可能である。
【0041】
図11及び図12に示されているさらなる実施形態は、図1及び図2に示されている第1実施形態に対応している。当該実施形態では第2固定要素6’として、ボルト4のねじ溝に螺合するナットではなく、ボルト4に対して固定されたねじ頭が設けられている。
【0042】
これは、図11及び図12に示されている実施形態において、固定要素5と6’との間隔13が、当該固定要素を再度固定するために調節されえないことを意味している。これは、ねじ頭6’と第1固定要素としてのねじ溝(図11には示されていないが、図1及び図2と同様の構成である。)
他の実施形態において、第2固定要素6’がボルト4に固定されたねじ頭の形態で設けられてもよく、堅固にするためにボルト4の他端側に取付板5’のねじ溝に螺着されてもよい(図示略)。当該他の実施形態によれば、ボルト4を回転させ、螺合しているねじ溝にしたがって前進又は後退させることにより、ねじ頭及び取付板として構成されている固定要素間の間隔を調節することができる。
【0043】
本発明の実施形態の多様性から明らかなように、本発明は前記された実施形態に限定されない。異なる実施形態における個々の構成が前記とは異なる形態で組み合わせられてもよい。前記実施形態は説明の便宜上のためのものにしか過ぎない。
【符号の説明】
【0044】
1‥部材、2‥部材、3‥部材、4‥ボルト、5,5’,5”‥第1固定要素、6,6’‥第2固定要素、7‥中間層、8‥付加中間層、9‥外側表面、10‥孔部、11‥介在要素、12‥支持面、13‥間隔、14‥縦軸線、15‥周方向、16‥孔部、17‥切削部、18‥隔離層、19‥間隙。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造家屋における床材、壁材、天井材又は木造建築物などの複数の部材(1)(2)(3)を相互に連結するための連結装置であって、
少なくとも1つのボルト(4)と、
前記ボルト(4)を前記複数の部材(1)(2)(3)のうち一の部材に固定するための第1固定要素(5)(5’)(5”)と、
前記ボルト(4)を前記複数の部材(1)(2)(3)のうち他の部材に固定するための第2固定要素(6)(6’)とを備え、
前記ボルト(4)が前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)を相互に連結させ、
振動減衰素材よりなる少なくとも1つの中間層(7)が、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)のうち少なくとも1つの側に配置され、
前記ボルト(4)が振動減衰素材よりなる少なくとも1つの付加中間層(8)により少なくとも部分的に覆われていることを特徴とする連結装置。
【請求項2】
請求項1記載の連結装置において、
前記第1固定要素(5)が、木材にねじ込まれる前記ボルト(4)に形成されているねじ溝であることを特徴とする連結装置。
【請求項3】
請求項1記載の連結装置において、
前記第1固定要素(5’)が、前記ボルトに対して固定又は固定されている取付板であることを特徴とする連結装置。
【請求項4】
請求項3記載の連結装置において、
前記ボルト(4)が、前記取付板の表面(9)に対して垂直方向であり、これに代えて又は加えて、前記取付板が、前記取付板を前記複数の部材(1)(2)(3)のうち1つに対して固定させるための孔部(10)を備えていることを特徴とする連結装置。
【請求項5】
請求項1記載の連結装置において、
前記第1固定要素(5”)が前記ボルトのねじ溝に螺合するナットであることを特徴とする連結装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記第2固定要素(6)(6’)が前記ボルトのねじ溝に螺合するナット又は前記ボルト(4)に対して固定されているねじ頭であることを特徴とする連結装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の連結装置において、
前記ナット又は前記ねじ頭に対して離間して対向する支持面(12)であって、振動減衰素材からなる前記中間層(7)が前記支持面(12)に対して当接している取り付け位置において前記ナット又は前記ねじ頭を支持するための支持面(12)を有する少なくとも1つの介在要素(11)が前記ボルト(4)に対して設けられている又は取り外し可能に設けられていることを特徴とする連結装置。
【請求項8】
請求項7記載の連結装置において、
前記支持面(12)が平面、曲面又は円弧状曲面に形成されていることを特徴とする連結装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記連結装置を固定するため、前記ボルト(4)の縦軸線(14)の方向について前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)の間の間隔が調節可能とされていることを特徴とする連結装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記ボルト(4)の表面が、前記ボルト(4)の縦軸線(14)の方向及び周方向(15)のうち一方又は両方について、振動減衰素材からなる付加中間層(8)により20%以上、50%以上又は完全に覆われていることを特徴とする連結装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記ボルト(4)、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)並びに介在要素(11)がスティール又はアルミニウムなどの金属を含有し、これに代えて又は加えて、前記ボルト(4)、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)が前記振動減衰素材よりも硬質であることを特徴とする連結装置。
【請求項12】
請求項1〜11のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記ボルト(4)が、10〜30mm又は16〜24mmの範囲内の径を有し、これに代えて又は加えて12〜80cmの範囲内の長さを有することを特徴とする連結装置。
【請求項13】
木製部材などの複数の部材(1)(2)(3)が請求項1〜12のうちいずれか1つに記載の連結装置により相互に連結され、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)が前記複数の部材(1)(2)(3)のうち一の部材に支持又は固定され、前記第2固定要素(6)(6’)が前記複数の部材(1)(2)(3)のうち他の部材に支持又は固定されている木造家屋等の木造建築物であって、
前記複数の部材(1)(2)(3)のうち少なくとも1つの部材に支持又は固定されている前記ボルト(4)、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)が、振動減衰素材からなる前記中間層(7)及び振動減衰素材からなる前記付加中間層(8)の中間位置を除いて当該部材に対して連結されていることを特徴とする木造建築物。
【請求項14】
請求項13記載の木造建築物において、
前記ボルト(4)、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)が、少なくとも組み立て状態において、前記木造建築物の孔部(16)及び切削部(17)のうち一方又は両方の内側に位置することを特徴とする木造建築物。
【請求項15】
請求項13又は14記載の木造建築物において、
前記複数の部材(1)(2)(3)は、前記振動減衰素材の中間位置を除いて相互に連結されていることを特徴とする木造建築物。
【請求項1】
木造家屋における床材、壁材、天井材又は木造建築物などの複数の部材(1)(2)(3)を相互に連結するための連結装置であって、
少なくとも1つのボルト(4)と、
前記ボルト(4)を前記複数の部材(1)(2)(3)のうち一の部材に固定するための第1固定要素(5)(5’)(5”)と、
前記ボルト(4)を前記複数の部材(1)(2)(3)のうち他の部材に固定するための第2固定要素(6)(6’)とを備え、
前記ボルト(4)が前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)を相互に連結させ、
振動減衰素材よりなる少なくとも1つの中間層(7)が、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)のうち少なくとも1つの側に配置され、
前記ボルト(4)が振動減衰素材よりなる少なくとも1つの付加中間層(8)により少なくとも部分的に覆われていることを特徴とする連結装置。
【請求項2】
請求項1記載の連結装置において、
前記第1固定要素(5)が、木材にねじ込まれる前記ボルト(4)に形成されているねじ溝であることを特徴とする連結装置。
【請求項3】
請求項1記載の連結装置において、
前記第1固定要素(5’)が、前記ボルトに対して固定又は固定されている取付板であることを特徴とする連結装置。
【請求項4】
請求項3記載の連結装置において、
前記ボルト(4)が、前記取付板の表面(9)に対して垂直方向であり、これに代えて又は加えて、前記取付板が、前記取付板を前記複数の部材(1)(2)(3)のうち1つに対して固定させるための孔部(10)を備えていることを特徴とする連結装置。
【請求項5】
請求項1記載の連結装置において、
前記第1固定要素(5”)が前記ボルトのねじ溝に螺合するナットであることを特徴とする連結装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記第2固定要素(6)(6’)が前記ボルトのねじ溝に螺合するナット又は前記ボルト(4)に対して固定されているねじ頭であることを特徴とする連結装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の連結装置において、
前記ナット又は前記ねじ頭に対して離間して対向する支持面(12)であって、振動減衰素材からなる前記中間層(7)が前記支持面(12)に対して当接している取り付け位置において前記ナット又は前記ねじ頭を支持するための支持面(12)を有する少なくとも1つの介在要素(11)が前記ボルト(4)に対して設けられている又は取り外し可能に設けられていることを特徴とする連結装置。
【請求項8】
請求項7記載の連結装置において、
前記支持面(12)が平面、曲面又は円弧状曲面に形成されていることを特徴とする連結装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記連結装置を固定するため、前記ボルト(4)の縦軸線(14)の方向について前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)の間の間隔が調節可能とされていることを特徴とする連結装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記ボルト(4)の表面が、前記ボルト(4)の縦軸線(14)の方向及び周方向(15)のうち一方又は両方について、振動減衰素材からなる付加中間層(8)により20%以上、50%以上又は完全に覆われていることを特徴とする連結装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記ボルト(4)、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)並びに介在要素(11)がスティール又はアルミニウムなどの金属を含有し、これに代えて又は加えて、前記ボルト(4)、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)が前記振動減衰素材よりも硬質であることを特徴とする連結装置。
【請求項12】
請求項1〜11のうちいずれか1つに記載の連結装置において、
前記ボルト(4)が、10〜30mm又は16〜24mmの範囲内の径を有し、これに代えて又は加えて12〜80cmの範囲内の長さを有することを特徴とする連結装置。
【請求項13】
木製部材などの複数の部材(1)(2)(3)が請求項1〜12のうちいずれか1つに記載の連結装置により相互に連結され、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)が前記複数の部材(1)(2)(3)のうち一の部材に支持又は固定され、前記第2固定要素(6)(6’)が前記複数の部材(1)(2)(3)のうち他の部材に支持又は固定されている木造家屋等の木造建築物であって、
前記複数の部材(1)(2)(3)のうち少なくとも1つの部材に支持又は固定されている前記ボルト(4)、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)が、振動減衰素材からなる前記中間層(7)及び振動減衰素材からなる前記付加中間層(8)の中間位置を除いて当該部材に対して連結されていることを特徴とする木造建築物。
【請求項14】
請求項13記載の木造建築物において、
前記ボルト(4)、前記第1固定要素(5)(5’)(5”)及び前記第2固定要素(6)(6’)が、少なくとも組み立て状態において、前記木造建築物の孔部(16)及び切削部(17)のうち一方又は両方の内側に位置することを特徴とする木造建築物。
【請求項15】
請求項13又は14記載の木造建築物において、
前記複数の部材(1)(2)(3)は、前記振動減衰素材の中間位置を除いて相互に連結されていることを特徴とする木造建築物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−525513(P2012−525513A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507541(P2012−507541)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000074
【国際公開番号】WO2010/124306
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511262544)ゲツナー ヴェルクストッフ ホールディング ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000074
【国際公開番号】WO2010/124306
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511262544)ゲツナー ヴェルクストッフ ホールディング ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】
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