連続部材の揺動供給装置
【課題】モータの速度や加速度を抑制しつつ、揺動部の移動の高速化、高加速度化を図ることができる連続部材の揺動供給装置等を提供すること。
【解決手段】本発明の連続部材の揺動供給装置1は、連続搬送される帯状のシート2上に、連続部材3を、該シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに揺動させながら供給する連続部材の揺動供給装置であり、前記交差方向Yに揺動可能な揺動部8と、前記揺動部8をそれぞれ交差方向Yに移動させて揺動させる第1移動手段6及び第2移動手段7と、第1移動手段6及び第2移動手段7を制御する制御部9とを備えており、揺動部8に設けられた導出部から前記シート3に対して連続部材3を供給するようになされている。
【解決手段】本発明の連続部材の揺動供給装置1は、連続搬送される帯状のシート2上に、連続部材3を、該シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに揺動させながら供給する連続部材の揺動供給装置であり、前記交差方向Yに揺動可能な揺動部8と、前記揺動部8をそれぞれ交差方向Yに移動させて揺動させる第1移動手段6及び第2移動手段7と、第1移動手段6及び第2移動手段7を制御する制御部9とを備えており、揺動部8に設けられた導出部から前記シート3に対して連続部材3を供給するようになされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続部材の揺動供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨ておむつ等の製造においては、ギャザーを形成するための弾性部材を曲線状に配するために、連続搬送されるシートに対して、弾性部材を、該シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら供給することが行われている。
例えば、特許文献1には、サーボモータを用いた揺動機構により、紙オムツに曲線状のギャザーを形成する装置が記載されており、具体的な揺動機構としては、駆動プーリ、従動プーリ、これらに掛け渡されたタイミングベルトを有し、サーボモータにより、駆動プーリを、特定の制御データに従って駆動させることで、タイミングベルトに係止されたガイド部を揺動させる機構が記載されている。そのガイド部には、弾性部材を導出する孔部が設けられており、該ガイド部を揺動させながら弾性部材を導出することで、弾性部材を上下のシート間に曲線状に配置することができる。
【0003】
しかし、ゴムの配置位置を決めるガイド部を、サーボモータの回転により揺動させる場合、設備の高速化や、弾性部材を配置する配置形状の変更を行おうとすると、ガイド部の速度や加速度などの機械的条件により制限されることがある。例えば、設備の高速化や配置形状の変更によりガイド部の速度が高速化すると、加速度はその二乗に比例し増加するので、それに見合った大きなトルクを出力可能なモータが必要になる。
【0004】
トルクの大きなモータは、モータ自体のイナーシャが大きくなるため、モータ自身を高速回転させるのに大きなトルクが必要となり、結果的にガイド部の速度や加速度を上げることが難しく、特許文献1に記載の技術では、設備の高速化やガイド部の速度や加速度を上げる弾性部材の配置形状の変更に対応することが困難な場合がある。
【0005】
また、特許文献2には、サーボモータを用いた揺動機構により、2枚のシート間に弾性部材を揺動させながら導入するに当たり、弾性部材を配する曲線形状に応じてシートの速度を加減速して、シートの速度に応じてガイド部を移動することで、ガイド部の速度、加速度を下げ、モータの回転速度や加速度を低減することで上述の不具合を解消する技術が記載されている。
【0006】
しかし、弾性部材を固定するシート側の速度を加減速すると、シートのテンションが変動し、シートに弛みやシワが生じ、出来上がった製品に品質上の不具合を発生させたり、巻付きや切れなどのトラブルを引き起こし生産性を悪化させる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−70412号公報
【特許文献2】特開2010−88750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る、連続部材の揺動供給装置及びそれを用いた伸縮性シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、連続搬送される帯状のシート上に、連続部材を、該シートの流れ方向と交差する交差方向に揺動させながら供給する連続部材の揺動供給装置を提供する。連続部材の揺動供給装置は、交差方向に揺動可能な揺動部と、前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第1移動手段と、該第1移動手段の一部又は全体を前記交差方向に移動させることで前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第2移動手段と、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御する制御部とを備えている。また、連続部材の揺動供給装置は、前記揺動部に設けられた導出部から前記シートに対して前記連続部材を供給するようになされている。
【0010】
また、本発明は、シートに連続部材が曲線状に固定されている複合シートの製造方法であって、連続搬送されるシート上に前記連続部材を連続的に供給する供給工程を備えており、前記供給工程において、前記連続部材を、連続部材の揺動供給装置により、前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら供給する、複合シートの製造方法を提供するものである。
【0011】
なお、帯状のシート上に連続部材を供給するという表現には、帯状のシート上に連続部材を供給した後に、該シートにおける連続部材を供給した面側に他の帯状シート等を合流させる場合や、帯状のシート上に連続部材を供給すると同時に該シートにおける連続部材を供給する面側に他の帯状シート等を合流させる場合(2枚のシートの合流部に直接連続部材を導入する場合)等も含まれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の連続部材の揺動供給装置及び複合シートの製造方法によれば、モータの速度や加速度を抑制しつつ、揺動部の移動の高速化、高加速度化を図ることができる。そのため、例えば、該連続部材を用いた各種製品の製造設備の高速化や、連続部材を配置する曲線形状の変更によりもたらされる揺動部の高速化や高加速度化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である弾性部材の揺動供給装置及び該装置を用いて伸縮性シート(複合シート)を製造する様子を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態の装置を用いて弾性部材を供給する箇所を側方から見た模式図である。
【図3】図3は、第1実施形態の装置を用いてパンツ型使い捨ておむつの外装体連続体(伸縮性シート)を製造する様子を示す斜視図である。
【図4】図4は、ベルトの回動による揺動部の移動量とベルトの移動による揺動部の移動量の一例(合計が揺動部の移動量)を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図11】図11は、第1実施形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態に係る弾性部材(揺動部材)の揺動供給装置1は、図1に示すように、連続搬送される帯状のシート上2に、弾性部材3を、該シート2の流れ方向Xと交差する方向Yに揺動させながら供給する装置である。図1においては、弾性部材3の揺動の態様を示すために、帯状のシート2の流れ方向(搬送方向)Xを図1の右側から左側に向かう方向として示してあるが、実際の流れ方向(搬送方向)Xは、紙面に対して略垂直な方向である。また、弾性部材3の導入方向についても同様である。
弾性部材の揺動供給装置1は、複数のプーリ4間に掛け渡された無端状の第1ベルト5を回動させるベルト回動手段6(第1移動手段)、該第1ベルト5をシート2の流れ方向Xと交差する方向Yに移動させるベルト移動手段7(第2移動手段)、第1ベルト5に固定され、第1ベルト5の回動と移動に伴い、前記交差方向Yに揺動する揺動部8、及び該第1ベルト5の回動と移動を制御する制御部9を備えており、揺動部8に設けられた導出部81からシート2に対して弾性部材3を供給するようになされている。
【0015】
本実施形態の弾性部材の揺動供給装置1は、第1ベルト5を回動させるベルト回動手段6と、第1ベルト5を移動させるベルト移動手段7を備えている。
第1ベルト5は、無端状のタイミングベルトであり、駆動プーリ43、スライダ71,72上に設けられた従動プーリ41,42、及び非可動式の従動プーリ44,45に掛け渡されている。そして、駆動プーリ43を、第1サーボモータ61により回転駆動することで、第1ベルト5を正逆両方向に回転(回動)させることができる。この第1ベルト5の回動は、仮にスライダ71,72の位置を固定し、総てのプーリの位置を固定した状態下に、駆動プーリ43を回転させても生じ得る回動である。
本実施形態におけるベルト回動手段6(第1移動手段)は、駆動源としての第1サーボモータ61及び該モータ61の回転を駆動プーリ43に伝達するギアの組み合わせ等からなる公知の動力伝達機構62を備えている。
【0016】
ベルト移動手段7(本実施形態における第2移動手段)は、第1ベルト5における、少なくとも揺動部8が固定された部分の位置を、シート2の流れ方向と交差する方向Yに移動させる手段である。本実施形態の装置1におけるベルト移動手段7は、図1に示すように、従動プーリ41,42が回転自在に設けられたスライダ71,72と、両スライダ71,72それぞれがスライドする方向を決めるスライドガイド73,74と、両スライダ71,72に対して連結された第2のベルト75と、第2ベルト75が掛け渡された駆動プーリ76、従動プーリ77及び78とを備えている。第2のベルト75は、複数のスライダ71,72を連結する手段でもある。そして、駆動プーリ76を、第2サーボモータ79により回転駆動することで、従動プーリ77及び78が従動して回動し、これらのプーリ76〜78の回転に伴って、第2ベルト75及びそれに結合したスライダ71,72が、図中a’又はb’方向に移動する。第2ベルト75もタイミングベルトであることが好ましい。
ベルト移動手段7は、駆動源としての第2サーボモータ79及び該モータ79の回転を駆動プーリ76に伝達するギアの組み合わせ等からなる公知の動力伝達機構80を備えている。
【0017】
本実施形態におけるベルト移動手段7(第2移動手段)は、スライダ71,72が、ベルト回動手段6(第1移動手段)の一部を構成する従動プーリ41,42に連結されており、ベルト回動手段6(第1移動手段)の一部である従動プーリ41の位置を、前記交差方向Yに移動させることで、該揺動部8を前記交差方向Yに移動させて揺動させる。他方、本実施形態におけるベルト移動手段7(第2移動手段)は、ベルト回動手段6(第1移動手段)における、駆動プーリ43,第1サーボモータ61(駆動源),動力伝達機構62等の位置を移動させない。
【0018】
前記揺動部8は、第1ベルト5に固定されており、従動プーリ41と従動プーリ44との間に位置している。前記揺動部8は、図2に示すように、第1ベルト5に固定されたブロック状の固定部分82に2つの貫通孔を有し、該貫通孔にそれぞれ挿通された2本のスライドシャフト83に沿って揺動する。揺動部8のスライドシャフト83は、互いに平行に且つ前記交差方向Yに沿って配置されている。スライドシャフト83は、揺動部8や上述したスライダ71,72の移動方向を規制するスライドガイドの一例であり、スライドガイドとしては、このようなスライドシャフトに代えてスライドレール等を用いることもできる。
【0019】
揺動部8は、固定部分82から斜めに延びる延出部分84を有しており、その先端部に、弾性部材3が挿通されるガイド孔(図示せず)を有する弾性部材3の導出部81が形成されている。弾性部材の導出部81は、ガイド孔に代えて、ガイド溝等を備えたものであっても良い。また、図1には、揺動部8から導出される弾性部材3が一本のみ示されているが、一つの揺動部8により揺動させる弾性部材3は、一本でも複数本でも良く、揺動部8には、揺動させる弾性部材の本数に等しいガイド孔又はガイド溝等を設けることが好ましい。
【0020】
第1及び第2のサーボモータ61,79は、それぞれ、その回転及び停止、回転方向、回転位置、速度等を電気的に制御可能であり、制御部9によって、これらを制御することにより、揺動部8を、製品1枚毎に周期的に変化する基準信号に基づき、所望のパターンで揺動させることができる。
具体的には、制御部9は、第1ベルト5を回転させる第1サーボモータ61を制御するサーボアンプ91と、第1ベルト5を移動させる第2サーボモータ79を制御するサーボアンプ92と、演算処理部93とを備えている。
演算処理部93は、予め設定したベルトの回動パターンとベルトの移動パターンと、設備内に設けられたロータリーエンコーダ、例えば製品を1枚ずつに切断するロータリーカッター等に接続されたロータリーエンコーダから発せられる連続的に変化し、製品1枚を製造する度にリセットされる基準信号95に基づき、それぞれのパターンに応じた運転制御信号をサーボアンプ91,92に対して出力する。前記製品とは、例えば、本装置1を用いて得られる複合シートや、本装置1で得られる複合シートを製造ラインに導入して製造される吸収性物品(使い捨ておむつ10等)の製品である。
【0021】
演算処理部93に対するベルトの回動パターンやベルトの移動パターンの入力は、図示しない操作部から行っても良いし、通信回線を介して入力したりUSBメモリ等の記憶媒体を介して行っても良い。また、ベルトの回動パターン及びベルトの移動パターンは、演算処理部93に、それぞれを入力してもよいし、揺動部の揺動パターン(ベルトの回動パターンとベルトの移動パターンとの合成パターン)を入力し、別途入力した配分法則や予め設定してある配分法則に従って、その揺動パターンから、ベルトの回動パターン及びベルトの移動パターンを算出させても良い。また基準信号は、揺動供給装置1を設置する設備を制御するコントローラで生成されるものを演算処理部93に入力しても良いし、演算処理部93内部で生成しても良い。演算処理部93としては、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)や市販のパーソナルコンピュータに各種のインターフェースを付加したもの等を用いることができる。
【0022】
次に、上述した弾性部材の揺動供給装置1を用いて、伸縮性シートを製造する方法の一例について説明する。
本実施形態の製造方法においては、図2及び図3に示すように、連続搬送される帯状のシート2上に、弾性部材3を、上述した弾性部材の揺動供給装置1を用いて、シート2の流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給すると共に、連続搬送される帯状のシート2’上に、弾性部材3’を、上述した弾性部材の揺動供給装置と同様の構成を有する第2の揺動供給装置(揺動部8’及びそれが固定された第1ベルト5’を図2に図示)を用いて、シート2’の流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給する(供給工程)。そして、弾性部材3,3’及び上下のシート2,2’を、シート2,2’間に弾性部材3,3’を挟んだ状態で、一対のロール20,20により挟圧して一体化させること(一体化工程)により、伸縮性シート11として、パンツ型使い捨ておむつ10の外装体連続体11が得られる。
弾性部材の揺動供給装置1と第2の揺動供給装置とは、ロール20,20の共通接面Sを挟んで相対向するように設置されることが好ましい。第2の揺動供給装置も、弾性部材の揺動供給装置1の演算処理部93と同様の演算処理部を備えていても良いし、揺動供給装置1と第2の揺動供給装置の双方を1台の演算処理部93で制御しても良い。
【0023】
好ましくは、弾性部材3を供給する前のシート2上に、図示しない接着剤塗工装置により接着剤を塗工し、また、弾性部材3’を供給する前のシート2’上にも、図示しない接着剤塗工装置により接着剤を塗工する。接着剤塗工装置は、それぞれ、非接触式の塗工装置でも接触式の塗工装置でも良い。シート2及び/又はシート2’に接着剤を塗工する装置や方法、塗工パターン等は、両シート2,2’間に、弾性部材3,3’を、弾性部材の揺動により付与される所定の曲線形状を保持できるように固定できるものを特に制限なく用いることができる。弾性部材3は、シート2上ないしシート2,2’間に伸長状態で導入することが好ましく、弾性部材3’は、シート2’上ないしシート2,2’間に伸長状態で導入することが好ましい。
【0024】
また、弾性部材3を、接着剤を塗工していないシート2上に供給した後、該シート2と、接着剤を塗工したシート2’とを重ねて一体化させても良く、同様に、弾性部材3’を、接着剤を塗工していないシート2’上に供給した後、該シート2’と、接着剤を塗工したシート2とを重ねて一体化させても良い。また、シート2及びシート2’の両者に対して接着剤を塗工するのに代えて、何れか一方のみに接着剤を塗工しても良い。また、一方のシートに対しては全面的に塗工し、他方のシートに対しては、特に強力な接着力が必要とされる部分のみに接着剤を間欠的に塗工するなど、一方のシートと他方のシートとで接着剤の塗工パターンを異ならせることもできる。
【0025】
パンツ型使い捨ておむつ10は、上記のようにして得られた外装体連続体11を用いる以外は、いわゆる横流れ方式のパンツ型使い捨ておむつの公知の製造方法と同様にして製造することができる。例えば、図3に示すように、外装体連続体11を得る伸縮性シートの製造工程後に、吸収性本体12を間欠的に順次配置固定する吸収性本体12の配置工程、外装体連続体11にレッグ開口部形成用の開口13を形成する開口形成工程、開口を形成した後の連続体14を幅方向に二つ折りする二つ折り工程、二つ折りした連続体に、サイドシール部15,15を形成する工程、及びそれにより得られたおむつ連続体16を個々のおむつ10の寸法に切断する分離工程を、順次行うことで、切断された外装体連続体11からなる外装体11’を備えたパンツ型使い捨ておむつ10を得ることができる。
【0026】
なお、上記のパンツ型使い捨ておむつ10における吸収性本体12は、肌当接面を形成する液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の防漏シート及びこれらの間に配された液保持性の吸収体(何れも図示せず)を具備してなる。
また、図中13aは、レッグ開口部形成用の開口13を形成するために除去したトリムである。
また、図3に示す例においては、伸縮性シートの製造工程において、ウエスト開口部の周縁部にウエストギャザーを形成するための弾性部材17,17を、シート2,2’の流れ方向に揺動させることなく導入している。このように、本発明で製造する伸縮性シートは、揺動しつつ導入された弾性部材3に加えて、揺動することなく導入された弾性部材17を有するものであっても良い。また、前記の開口形成工程は、前記の吸収性本体の配置工程の前に行っても同時に行っても良い。
【0027】
図4に、製品1個を製造する周期を横軸にとり、揺動部8の移動パターン、すなわち揺動パターンSと、第1ベルト5の回動による揺動部8の移動パターン、すなわち回動パターンS1及び、第2移動手段によって生じる第1ベルト5の移動による該揺動部8の移動パターン、すなわち移動パターンS2を示す。本装置では、製品上の弾性部材3の配置形状によって求められる揺動パターンSは、回動パターンS1と移動パターンS2の合成となるため、第1(回動)、第2(移動)のサーボモータによる移動量、速度、加速度を揺動パターンSと比べ、低減することが可能である。ここでS1、S2をどのように分配するかは、仮に回動パターンS1と移動パターンS2を揺動パターンSの50%ずつとしても良いが、第1、第2のサーボモータの容量やイナーシャ、それぞれに接続されたプーリやガイドなどの部品のイナーシャによって、サーボモータが回転可能な速度、加速度が異なってくる。従って、本装置では、回動パターンS1と移動パターンS2のバランスを変えることで、例えば、それぞれのサーボモータの負荷率を合わせることで装置の高速化を効率的に行うことが可能である。好ましい形態としては、回動パターンS1と移動パターンS2は揺動パターンSの50%ずつに分配するか、又はそれぞれのサーボモータの負荷率が一致するよう回動パターンS1と移動パターンS2を分配することが挙げられる。
【0028】
具体的な揺動部8の揺動について、図1を用いて説明する。揺動部8を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E1側から他端E2側に向かって移動させる際には、駆動プーリ43を矢印a方向に回転させて第1ベルト5を時計回り方向に回転させると共に、スライダ71,72を矢印a’方向に移動させて第1ベルト5(特に揺動部8が固定されている部分)の位置を矢印A方向に移動させる。他方、揺動部8を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E2から他端E1側に向かって移動させる際には、駆動プーリ43を矢印b方向に回転させて第1ベルト5を反時計回り方向に回転させると共に、スライダ71,72を矢印b’方向に移動させて第1ベルト5(特に揺動部8が固定されている部分)を矢印B方向に移動させる。
第2の弾性部材の揺動供給装置は、図3に示すように、伸縮性シート11の長手方向に沿う直線に対して、弾性部材3’が、弾性部材3と略対象形状の曲線を描くように揺動部を揺動させる以外は、弾性部材の揺動供給装置1と同様の構成とすることができる。
また、図4では揺動パターンSに対し、S1、S2を一定の比率で分配しているが、効率的に負荷率を分担するために、周期内で比率を変えても良い。
【0029】
なお、本発明における第1移動手段は、図10に示す装置における第1移動手段6Aのように、揺動部が固定されたベルトを回動させることによって該揺動部を移動させるベルト回動手段に限られない。第1移動手段がベルト回動手段でない場合においても、揺動部の揺動パターンSが、第1移動手段による移動パターンS1と、第2移動手段による移動パターンS2との合成となるように制御しながら複合シートを製造することは、好ましい実施態様である。また、同様に、第1移動手段の駆動源としてのサーボモータやリニアモータの負荷率と、第2移動手段の駆動源としてのサーボモータやリニアモータの負荷率とが一致するよう、第1移動手段による移動パターンS1と第2移動手段による移動パターンS2を分配することも好ましい。
【0030】
上述した本実施形態の弾性部材の揺動供給装置1及びそれを用いた伸縮性シート11の製造方法によれば、揺動部8の往復運動(揺動)を、第1ベルト5を回動させる手段と第1ベルト5の位置の移動させる手段との協働により実現させるため、例えば、第1ベルト5の回動のみにより実現した場合に比して、それぞれの駆動源の運動速度(回転速度)やトルク等を小さくすることができる。そのため、駆動源の負荷を抑制しつつ、揺動部の移動速度や加速度を高速度化することができるため、設備の高速化や、弾性部材を配置する曲線形状の変更が、より容易になる。
【0031】
本実施形態におけるように、ベルト回動手段6及びベルト移動手段7は、サーボモータ61,79によって駆動されることが、より高精度に揺動部8の位置を制御できることから好ましい。
【0032】
また、本実施形態におけるように、ベルト移動手段7は、第1ベルト5と係合する従動プーリ41,42を有する複数のスライダ71,72と、該スライダ71,72の位置を移動させる駆動源(サーボモータ79等)を備えることが、第1ベルト5を移動するために移動させなくてはならない機器を最小化でき、揺動部の移動速度や加速度をより高速化可能とする観点から好ましい。
【0033】
また、スライダ71,72の位置を移動させる駆動源は、サーボモータであることが、より高精度に揺動部8の位置を制御できる観点から好ましい。また、位置決め可能なリニアモータを用いることが、機構をシンプルにできる観点から好ましい。
なお、複数のスライダ71,72を移動させる駆動源は、本実施形態のように、複数のスライダに対して一つの駆動源(サーボータ等)が設けられていても良いし、後述する第2実施形態のように、一つのスライダ毎に一つ設けられていても良い。
【0034】
また、本実施形態の装置1においては、複数のスライダ71,72に結合した第2ベルト75を、サーボモータ79によって駆動することで、両スライダ71,72の移動が連動するようになしてある。両スライダ71,72の移動を連動させることで、揺動部8の揺動を高精度に制御可能である。
また、図11に示すように、プーリ77にもサーボモータ79を設置し、ベルト移動をプーリ76のサーボモータ79と合わせて複数のサーボモータで行う場合、例えばスライダ71と72の慣性や摩擦抵抗が異なる場合であっても、スライダ71とスライダ72が機械的に連結されているため、高精度にベルトの移動を実施することが可能である。
図11は、第1実施形態の変形例を示す図で、図1に示す装置と同様の構成要素には同一の符号を付してある。図11に示す装置は、プーリ77を駆動するサーボモータ79を有し、制御部9により、プーリ77をプーリ76と同様のパターンで回転させるようにした以外は、図1に示す装置の構成を有する。
【0035】
また、第1実施形態の装置1(図11に示す第1実施形態の変形例及び後述する第2実施形態も同様)においては、スライダ71のスライド方向を揺動部8の揺動方向(Y方向)と平行とする一方、スライダ72のスライド方向を揺動部8の揺動方向と略直交する方向に配置している。このように、スライド方向が相異なる複数のスライダ71,72を設けることで、装置や発明の実施スペースの省スペース化を図ることができる。
【0036】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、第1実施形態と異なる点について説明し、同様の点については、同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない点については、上述した第1実施形態に関する説明が適宜適用される。
【0037】
第2実施形態の弾性部材の揺動供給装置は、図5に示すように、複数のスライダ71,72の位置を移動させて、第1ベルト5(特に揺動部8が固定されている部分)の位置をY方向に移動させるベルト移動手段として、スライダ71,72毎に別個に設けられたスライダ駆動手段7A,7Bを備えている。スライダ駆動手段7A,7Bは、それぞれ、スライダに固定された無端状の第2ベルト75と、第2ベルト75が掛け渡された駆動プーリ76及び従動プーリ77を備えている。そして、駆動プーリ76を、第2サーボモータ79により回転駆動することで、第2ベルト75及びそれに結合したスライダ71,72が、図中a’又はb’方向に移動する。
【0038】
第2実施形態においては、制御部9の演算処理部93が、サーボアンプ92,94に対して、第2サーボモータ79を同期して運転させる運転制御信号を出力することで、両スライダ71,72の移動を連動させる。即ち、一方のスライダ71がa’方向に移動するときには、他方のスライダ72もa’方向に同一速度で移動し、一方のスライダ71がb’方向に移動するときには、他方のスライダ72もb’方向に同一速度で移動する。
このことにより、第2のサーボモータ79の1台あたりの負荷を低減することができるため、ベルト移動手段の高速化が可能になる。また、第2ベルト75を短くすることができるため、ベルトの蛇行や撓みを低減可能である。
【0039】
第3実施形態の弾性部材の揺動供給装置は、図6に示すように、複数のスライダ71,72の位置を移動させて、第1ベルト5(特に揺動部8が固定されている部分)の位置をY方向に移動させるベルト移動手段(第2移動手段)が、スライダ71,72毎に別個に設けられたスライダ駆動手段7A,7Bを備えている。また、一方のスライダ駆動手段7Aによるスライダ71のスライド方向と、他方のスライダ駆動手段7Bによるスライダ72のスライド方向とが、何れもシートの流れ方向に交差する交差方向(Y方向)となっている。そして、駆動プーリ76を、第2サーボモータ79により回転駆動することで、第2ベルト75及びそれに結合したスライダ71又は72が、図中a’又はb’方向に移動する。なお、第3実施形態におけるベルト回動手段6(第1移動手段)も、駆動源としての第1サーボモータ61及び該モータ61の回転を駆動プーリ43に伝達するギアの組み合わせ等からなる公知の動力伝達機構を備えている。スライダ駆動手段7A,7Bが、ベルト移動手段(第2移動手段)を構成している。
第3実施形態においても、第2実施形態と同様の方法により、両スライダ71,72の移動を連動させる。第1実施形態と比べ第2実施形態と同様な効果が得られる他、シート流れ方向の省スペース化が可能である。
【0040】
第4実施形態の弾性部材の揺動供給装置は、図7に示すように、スライドガイド73に沿って、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する移動台70上に、第1ベルト5が掛け渡された複数の従動プーリ41,42が回動自在に設けられており、該第1ベルト5が、移動台70の横に配置された駆動プーリ43で回転駆動される。
第5実施形態の弾性部材の揺動供給装置は、図8に示すように、スライドガイド73に沿って、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する移動台70上に、第1ベルト5が掛け渡された複数のプーリ41,43と、プーリ(駆動プーリ)43を駆動し、第1ベルト5を回転させるサーボモータ61が設けられている。
【0041】
第4及び第5実施形態における、ベルト移動手段7C(第2移動手段)は、上述した移動台70及び該移動台70をY方向にさせる第3サーボモータ79’等からなり、第3サーボモータ79’の回転力が、プーリやギア等の任意の動力伝達機構により、ボールネジ80’に伝達され、ボールネジ80’が、該移動台70に設けられた図示しない雌ねじ部と螺合した状態で回転することによって、移動台70がY方向に移動する。
第4及び第5実施形態においても、移動台70の移動による第1ベルト5の位置の移動と、第1ベルト5の回動とを協働させて揺動部8を揺動させることにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。ベルト移動手段にボールネジを用いることで、より高精度にベルトの移動を行うことが可能になる。
【0042】
第6実施形態の弾性部材の揺動供給装置においては、図9に示すように、リニアモータ85によって、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する移動台70上に、第1ベルト5が掛け渡された複数のプーリ41、43とそのうちの駆動プーリ43を駆動し、第1ベルト5を回転させるサーボモータ61が設けられている。サーボモータ61によって駆動されるベルト回動手段6(第1移動手段)と、リニアモータ85によって第1ベルト5の位置を移動させるベルト移動手段7D(第2移動手段)とを協働させて、揺動部8を揺動させることにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、リニアモータを用いることで機構をシンプルな構造にすることができ、部品点数を減らせることからメンテナンス作業を低減できる。
【0043】
なお、リニアモータは、コイルを有する可動子と磁石を有する固定子を有する市販のリニアモータ等を用いることができ、例えば、可動子を移動台70の裏面に設ける一方、固定子を、移動台70裏面に対向するスライドガイド73間等に配置する。図9及び図10中、85’,87’は、リニアモータのコイルに電流を供給する可動ケーブルである。
【0044】
第7実施形態の弾性部材の揺動供給装置においては、図10に示すように、リニアモータ85によって、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する移動台(移動体)70上に、リニアモータ87によって、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する揺動部8が設けられている。第1のリニアモータ85と第2のリニアモータ87を協働させて、揺動部8を揺動させることにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。本実施形態における第1移動手段6Aは、移動台70上において、揺動部8を揺動させる第2のリニアモータ87及び移動台70上における揺動部8のスライド方向を図中Y方向に規制するスライドガイド(図示せず)から構成され、第2移動手段7Dは、移動台70を移動させる第1のリニアモータ85及びその移動台70のスライド方向を図中Y方向に規制するスライドガイド(図示せず)から構成されている。
【0045】
第7実施形態においても、揺動部8を、その揺動範囲(振幅)の一端E1から他端E2側に向かって移動させる際には、第2のリニアモータ87により揺動部8を、移動台70上において前記交差方向に沿うa方向に移動させると共に、移動台70自体を、第1のリニアモータ85により該交差方向Yに沿ってa’方向に移動させる。他方、揺動部8を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E2から他端E1側に向かって移動させる際には、第2のリニアモータ87により揺動部8を、移動台70上において前記交差方向に沿うb方向に移動させると共に、移動台70自体を、第1のリニアモータ85により、該交差方向Yに沿ってb’方向に移動させる。
【0046】
第7実施形態の弾性部材の揺動供給装置及びそれを用いた伸縮性シートの製造方法によれば、揺動部8の往復運動(揺動)を、第1及び第2のリニアモータの協働により実現させるため、両モータの運動速度や加速度等を小さくでき、1台のリニアモータで揺動部8を移動させるよりも高速化が可能である。また、第6実施形態同様、リニアモータを用いることで機構をシンプルな構造にすることができ、部品点数を減らせることからメンテナンス作業を低減できる。
【0047】
本発明は、上述した実施態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。
【0048】
例えば、連続部材として供給する弾性部材は、糸状又は細幅帯状の弾性部材(糸ゴム,平ゴム等)の他、細幅のシート状部材の片面やシート間に糸ゴム等を伸長状態で固定してなる複合弾性部材や、細幅の弾性フィルム等であっても良い。また、連続部材は、弾性部材に限られず、弾性のない糸状の部材(カラー糸等)や、弾性を有しない細幅のシート状部材等であっても良い。細幅のシート状部材の幅は、少なくともそれが揺動されて供給される帯状シートの幅以下であることが好ましく、より好ましくは10〜50mm、更に好ましくは15〜30mmである。
また、連続部材は、弾性部材でなくても良いので、本発明の複合シートの製造方法で製造する複合シートは、伸縮性を有しない複合シートであっても良い。
【0049】
また、伸縮性シートは、一枚のシートと該シートの片面に固定された単数又は複数本の弾性部材のみからなるものであっても良い。また、伸縮性シートは、一本のみの弾性部材を固定したものであっても良い。また、複数本の弾性部材がシート間に固定された伸縮性シートを得る場合、弾性部材の総てを、互いに平行な曲線を描くように導入しても良い。
【0050】
また、伸縮性シートとして、パンツ型着用物品の外装体連続体を製造する場合、そのパンツ型着用物品は、使い捨ておむつに代えて、ショーツ型ナプキン等であっても良い。
【0051】
第1及び第2弾性部材の湾曲形状は、それぞれ、図2や図3に示すような湾曲形状に制限されず、例えば、純粋な正弦曲線状でもよい。
また、上述した実施形態においては、一方の弾性部材3が最初にシート2と接触し、他方の弾性部材3’が最初のシート2’と接触するように導入する例を示したが、両弾性部材3,3’が共に同じシートに対して最初に接触するように導入することもできる。
【0052】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の揺動供給装置及び複合シートの製造方法を開示する
【0053】
<1> 連続搬送される帯状のシート上に、連続部材を、該シートの流れ方向と交差する交差方向に揺動させながら供給する連続部材の揺動供給装置であって、
前記交差方向に揺動可能な揺動部と、前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第1移動手段と、該第1移動手段の一部又は全体を前記交差方向に移動させることで前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第2移動手段と、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御する制御部とを備えており、
前記揺動部に設けられた導出部から前記シートに対して前記連続部材を供給するようになされている連続部材の揺動供給装置。
<2> 前記第2移動手段は、前記第1移動手段に連結されている前記<1>記載の連続部材の揺動供給装置。
<3> 前記第1移動手段及び前記第2移動手段は、それぞれ1つ以上のサーボモータ又はリニアモータからなる駆動源を有する前記<1>又は<2>記載の連続部材の揺動供給装置。
<4> 前記制御部は、基準信号に応じて、前記第1移動手段と前記第2移動手段を制御し、前記揺動部の揺動を制御する、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<5> 前記第1移動手段は、前記揺動部を固定された無端状のベルトと、前記ベルトと係合する複数のプーリと、前記プーリのうち何れか一つ以上に連結された一つ以上の駆動源を備える前記<1>〜<4>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
【0054】
<6> 前記第2移動手段は、前記ベルトと係合する前記プーリをそれぞれ有する複数のスライダと、前記複数のスライダを連結する手段と、連結された前記複数のスライダを移動させる1つ以上の駆動源を備える前記<5>記載の連続部材の揺動供給装置。
<7> 前記複数のスライダを連結する前記手段を、前記サーボモータによって駆動することで、前記複数のスライダの移動が連動するようになされている、前記<6>記載の連続部材の揺動供給装置。
<8> 一つのスライダのスライド方向を前記揺動部の揺動方向と平行とする一方、他のスライダのスライド方向を前記揺動部の揺動方向と略直交する方向としてある前記<6>又は<7>記載の連続部材の揺動供給装置。
<9> 前記第2移動手段は、前記ベルトと係合する前記プーリをそれぞれ有する複数のスライダと、前記スライダの位置をそれぞれ移動させる1つ以上の駆動源を備える前記<5>記載の連続部材の揺動供給装置。
<10> 前記第2移動手段として、前記スライダ毎に別個に設けられたスライダ駆動手段を備えており、該スライダ駆動手段は、それぞれ、前記スライダに固定された無端状の第2ベルトと、該第2ベルトが掛け渡された駆動プーリ及び従動プーリとを備えている、前記<9>記載の連続部材の揺動供給装置。
【0055】
<11> 前記第2移動手段として、前記スライダ毎に別個に設けられたスライダ駆動手段を備えており、一方のスライダ駆動手段によるスライダのスライド方向と、他方のスライダ駆動手段によるスライダのスライド方向とが、何れも前記シートの流れ方向に交差する交差方向(Y方向)となっている前記<9>記載の連続部材の揺動供給装置。
<12> 前記第1移動手段が、複数のプーリ間に掛け渡された無端状のベルトを回動させるベルト回動手段、前記第2移動手段が、前記ベルトを前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動させるベルト移動手段であり、前記揺動部は、前記ベルトの回動と移動に伴い、前記交差方向に揺動する、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<13> 前記第2移動手段は、スライドガイドに沿って、前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動する移動台を備え、該移動台上に、前記ベルトが掛け渡された複数の従動プーリが設けられている前記<12>記載の連続部材の揺動供給装置。
<14> 前記第2移動手段は、スライドガイドに沿って、前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動する移動台を備え、該移動台上に、前記ベルトが掛け渡された従動プーリ及び駆動プーリが設けられている前記<12>記載の連続部材の揺動供給装置。
<15> 前記第2移動手段にボールネジを用いる前記<13>又は<14>に記載の連続部材の揺動供給装置。
【0056】
<16> 前記第2移動手段は、リニアモータによって前記ベルトの位置を移動させるベルト移動手段であり、前記ベルト回動手段と前記ベルト移動手段とを協働させて、前記揺動部を揺動させる前記<12>記載の連続部材の揺動供給装置。
<17> 前記揺動部は、前記ベルトに固定されたブロック状の固定部分に2つの貫通孔を有し、該貫通孔にそれぞれ挿通された2本のスライドシャフトに沿って揺動する前記<1>〜<16>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<18> 前記揺動部は、前記固定部分から斜めに延びる延出部分を有しており、その先端部に、前記連続部材が挿通されるガイド孔又はガイド溝を有する前記導出部が形成されている前記<1>〜<17>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<19> 前記第1移動手段が、第2のリニアモータ87によって、前記揺動部を前記シートの流れ方向とする交差方向に移動させる手段であり、前記第2移動手段が、第1のリニアモータ85によって、該第1移動手段を前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動させる手段であり、第1のリニアモータ85と第2のリニアモータ87とを協働させて、前記揺動部8を揺動させる前記<1>〜<4>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<20> シートに連続部材が曲線状に固定されている複合シートの製造方法であって、
連続搬送されるシート上に前記連続部材を連続的に供給する供給工程を備えており、
前記供給工程において、前記連続部材を、前記<1>〜<19>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置により、前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら供給する、複合シートの製造方法。
【0057】
<21> 前記供給工程において、連続搬送される帯状の第1の前記シート上に、第1の前記連続部材を、第1の前記揺動供給装置を用いて、該第1のシートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給すると共に、連続搬送される帯状の第2のシート上に、第2の前記連続部材を、第1の前記揺動供給装置と同様の構成を有する第2の前記揺動供給装置を用いて、第2の前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給する、前記<20>に記載の複合シートの製造方法。
<22> 前記第1の揺動供給装置1と前記第2の揺動供給装置とは、前記第1及び第2の連続部材及び前記第1及び第2のシートを、該シート間に連続部材を挟んだ状態で挟圧する一対のロールの共通接面Sを挟んで相対向するように設置されている、前記<21>記載の複合シートの製造方法。
<23> 前記第1の連続部材を供給する前の前記第1のシート上に、接着剤塗工装置により接着剤を塗工し、また、前記第2の連続部材を供給する前の前記第2のシート上に、接着剤塗工装置により接着剤を塗工する、前記<21>又は<22>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<24> 前記第2の揺動供給装置は、前記複合シートの長手方向に沿う直線に対して、前記第2の連続部材が、前記第1の連続部材と略対象形状の曲線を描くように、前記第2の揺動供給装置の揺動部を揺動させる、前記<20>〜<23>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<25> 揺動部の揺動パターンSが、第1移動手段による移動パターンS1と、第2移動手段による移動パターンS2との合成となるように制御しながら前記複合シートを製造する前記<20>〜<24>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<26> 複合シート上の前記連続部材の配置形状によって求められる揺動パターンSを、回動パーンS1と移動パターンS2の合成とする、前記<20>〜<25>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<27> 前記回動又は移動パターンS1と前記移動パターンS2は揺動パターンSの50%ずつに分配する前記<25>又は<26>に記載の複合シートの製造方法。
<28> 第1移動手段及び第2移動手段の駆動源がサーボモータであり、両サーボモータの負荷率が一致するよう第1移動手段による移動パターンS1と第2移動手段による移動パターンS2を分配する、前記<25>〜<27>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<29> 前記揺動供給装置における前記揺動部を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E1側から他端E2側に向かって移動させる際には、前記揺動供給装置の駆動プーリを、矢印a方向(一方向)に回転させると共に、該揺動供給装置の複数のスライダを前記シートの流れ方向と交差する矢印a’方向に移動させて、前記ベルトの位置を、前記シートの流れ方向と交差する矢印A方向に移動させる一方、前記揺動部を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E2から他端E1側に向かって移動させる際には、前記駆動プーリを前記矢印a方向とは反対方向である矢印b方向に回転させると共に、前記複数のスライダを前記矢印a’方向とは反対方向である矢印b’方向に移動させて、前記ベルトの位置を、前記矢印A方向とは反対方向である矢印B方向に移動させる、前記<20>〜<28>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<30> 前記連続部材が弾性部材であり、前記複合シートとして、該弾性部材が伸長状態で固定されている伸縮性シートを製造する前記<20>〜<29>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<31> 前記<20>〜<29>の何れか1に記載の複合シートの製造方法により得られた複合シートを外装体連続体として用いてパンツ型使い捨ておむつを製造する方法であって、
前記外装体連続体を得る伸縮性シートの製造工程後に、吸収性本体を間欠的に順次配置固定する吸収性本体の配置工程、前記外装体連続体にレッグ開口部形成用の開口を形成する開口形成工程、開口を形成した後の外装体連続体を幅方向に二つ折りする二つ折り工程、二つ折りした外装体連続体にサイドシール部を形成する工程、サイドシール部を形成したおむつ連続体を個々のパンツ型使い捨ておむつに切断する分離工程を具備する、パンツ型使い捨ておむつの製造方法。
【符号の説明】
【0058】
1 弾性部材の揺動供給装置(連続部材の揺動供給装置)
2,2’ シート
3 弾性部材(連続部材)
5 第1ベルト
6 ベルト回動手段(第1移動手段)
61 サーボモータ
7 ベルト移動手段(第2移動手段)
7A,7B スライダ駆動手段
70 移動台(移動体)
71,72 スライダ
75 第2ベルト
79 第2サーボモータ
8 揺動部
81 導出部
82 固定部分
83 スライドシャフト
93 演算処理部
9 制御部
11 外装体連続体(伸縮性シート,複合シート)
12 吸収性本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続部材の揺動供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨ておむつ等の製造においては、ギャザーを形成するための弾性部材を曲線状に配するために、連続搬送されるシートに対して、弾性部材を、該シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら供給することが行われている。
例えば、特許文献1には、サーボモータを用いた揺動機構により、紙オムツに曲線状のギャザーを形成する装置が記載されており、具体的な揺動機構としては、駆動プーリ、従動プーリ、これらに掛け渡されたタイミングベルトを有し、サーボモータにより、駆動プーリを、特定の制御データに従って駆動させることで、タイミングベルトに係止されたガイド部を揺動させる機構が記載されている。そのガイド部には、弾性部材を導出する孔部が設けられており、該ガイド部を揺動させながら弾性部材を導出することで、弾性部材を上下のシート間に曲線状に配置することができる。
【0003】
しかし、ゴムの配置位置を決めるガイド部を、サーボモータの回転により揺動させる場合、設備の高速化や、弾性部材を配置する配置形状の変更を行おうとすると、ガイド部の速度や加速度などの機械的条件により制限されることがある。例えば、設備の高速化や配置形状の変更によりガイド部の速度が高速化すると、加速度はその二乗に比例し増加するので、それに見合った大きなトルクを出力可能なモータが必要になる。
【0004】
トルクの大きなモータは、モータ自体のイナーシャが大きくなるため、モータ自身を高速回転させるのに大きなトルクが必要となり、結果的にガイド部の速度や加速度を上げることが難しく、特許文献1に記載の技術では、設備の高速化やガイド部の速度や加速度を上げる弾性部材の配置形状の変更に対応することが困難な場合がある。
【0005】
また、特許文献2には、サーボモータを用いた揺動機構により、2枚のシート間に弾性部材を揺動させながら導入するに当たり、弾性部材を配する曲線形状に応じてシートの速度を加減速して、シートの速度に応じてガイド部を移動することで、ガイド部の速度、加速度を下げ、モータの回転速度や加速度を低減することで上述の不具合を解消する技術が記載されている。
【0006】
しかし、弾性部材を固定するシート側の速度を加減速すると、シートのテンションが変動し、シートに弛みやシワが生じ、出来上がった製品に品質上の不具合を発生させたり、巻付きや切れなどのトラブルを引き起こし生産性を悪化させる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−70412号公報
【特許文献2】特開2010−88750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る、連続部材の揺動供給装置及びそれを用いた伸縮性シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、連続搬送される帯状のシート上に、連続部材を、該シートの流れ方向と交差する交差方向に揺動させながら供給する連続部材の揺動供給装置を提供する。連続部材の揺動供給装置は、交差方向に揺動可能な揺動部と、前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第1移動手段と、該第1移動手段の一部又は全体を前記交差方向に移動させることで前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第2移動手段と、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御する制御部とを備えている。また、連続部材の揺動供給装置は、前記揺動部に設けられた導出部から前記シートに対して前記連続部材を供給するようになされている。
【0010】
また、本発明は、シートに連続部材が曲線状に固定されている複合シートの製造方法であって、連続搬送されるシート上に前記連続部材を連続的に供給する供給工程を備えており、前記供給工程において、前記連続部材を、連続部材の揺動供給装置により、前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら供給する、複合シートの製造方法を提供するものである。
【0011】
なお、帯状のシート上に連続部材を供給するという表現には、帯状のシート上に連続部材を供給した後に、該シートにおける連続部材を供給した面側に他の帯状シート等を合流させる場合や、帯状のシート上に連続部材を供給すると同時に該シートにおける連続部材を供給する面側に他の帯状シート等を合流させる場合(2枚のシートの合流部に直接連続部材を導入する場合)等も含まれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の連続部材の揺動供給装置及び複合シートの製造方法によれば、モータの速度や加速度を抑制しつつ、揺動部の移動の高速化、高加速度化を図ることができる。そのため、例えば、該連続部材を用いた各種製品の製造設備の高速化や、連続部材を配置する曲線形状の変更によりもたらされる揺動部の高速化や高加速度化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である弾性部材の揺動供給装置及び該装置を用いて伸縮性シート(複合シート)を製造する様子を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態の装置を用いて弾性部材を供給する箇所を側方から見た模式図である。
【図3】図3は、第1実施形態の装置を用いてパンツ型使い捨ておむつの外装体連続体(伸縮性シート)を製造する様子を示す斜視図である。
【図4】図4は、ベルトの回動による揺動部の移動量とベルトの移動による揺動部の移動量の一例(合計が揺動部の移動量)を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態を示す図である。
【図11】図11は、第1実施形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態に係る弾性部材(揺動部材)の揺動供給装置1は、図1に示すように、連続搬送される帯状のシート上2に、弾性部材3を、該シート2の流れ方向Xと交差する方向Yに揺動させながら供給する装置である。図1においては、弾性部材3の揺動の態様を示すために、帯状のシート2の流れ方向(搬送方向)Xを図1の右側から左側に向かう方向として示してあるが、実際の流れ方向(搬送方向)Xは、紙面に対して略垂直な方向である。また、弾性部材3の導入方向についても同様である。
弾性部材の揺動供給装置1は、複数のプーリ4間に掛け渡された無端状の第1ベルト5を回動させるベルト回動手段6(第1移動手段)、該第1ベルト5をシート2の流れ方向Xと交差する方向Yに移動させるベルト移動手段7(第2移動手段)、第1ベルト5に固定され、第1ベルト5の回動と移動に伴い、前記交差方向Yに揺動する揺動部8、及び該第1ベルト5の回動と移動を制御する制御部9を備えており、揺動部8に設けられた導出部81からシート2に対して弾性部材3を供給するようになされている。
【0015】
本実施形態の弾性部材の揺動供給装置1は、第1ベルト5を回動させるベルト回動手段6と、第1ベルト5を移動させるベルト移動手段7を備えている。
第1ベルト5は、無端状のタイミングベルトであり、駆動プーリ43、スライダ71,72上に設けられた従動プーリ41,42、及び非可動式の従動プーリ44,45に掛け渡されている。そして、駆動プーリ43を、第1サーボモータ61により回転駆動することで、第1ベルト5を正逆両方向に回転(回動)させることができる。この第1ベルト5の回動は、仮にスライダ71,72の位置を固定し、総てのプーリの位置を固定した状態下に、駆動プーリ43を回転させても生じ得る回動である。
本実施形態におけるベルト回動手段6(第1移動手段)は、駆動源としての第1サーボモータ61及び該モータ61の回転を駆動プーリ43に伝達するギアの組み合わせ等からなる公知の動力伝達機構62を備えている。
【0016】
ベルト移動手段7(本実施形態における第2移動手段)は、第1ベルト5における、少なくとも揺動部8が固定された部分の位置を、シート2の流れ方向と交差する方向Yに移動させる手段である。本実施形態の装置1におけるベルト移動手段7は、図1に示すように、従動プーリ41,42が回転自在に設けられたスライダ71,72と、両スライダ71,72それぞれがスライドする方向を決めるスライドガイド73,74と、両スライダ71,72に対して連結された第2のベルト75と、第2ベルト75が掛け渡された駆動プーリ76、従動プーリ77及び78とを備えている。第2のベルト75は、複数のスライダ71,72を連結する手段でもある。そして、駆動プーリ76を、第2サーボモータ79により回転駆動することで、従動プーリ77及び78が従動して回動し、これらのプーリ76〜78の回転に伴って、第2ベルト75及びそれに結合したスライダ71,72が、図中a’又はb’方向に移動する。第2ベルト75もタイミングベルトであることが好ましい。
ベルト移動手段7は、駆動源としての第2サーボモータ79及び該モータ79の回転を駆動プーリ76に伝達するギアの組み合わせ等からなる公知の動力伝達機構80を備えている。
【0017】
本実施形態におけるベルト移動手段7(第2移動手段)は、スライダ71,72が、ベルト回動手段6(第1移動手段)の一部を構成する従動プーリ41,42に連結されており、ベルト回動手段6(第1移動手段)の一部である従動プーリ41の位置を、前記交差方向Yに移動させることで、該揺動部8を前記交差方向Yに移動させて揺動させる。他方、本実施形態におけるベルト移動手段7(第2移動手段)は、ベルト回動手段6(第1移動手段)における、駆動プーリ43,第1サーボモータ61(駆動源),動力伝達機構62等の位置を移動させない。
【0018】
前記揺動部8は、第1ベルト5に固定されており、従動プーリ41と従動プーリ44との間に位置している。前記揺動部8は、図2に示すように、第1ベルト5に固定されたブロック状の固定部分82に2つの貫通孔を有し、該貫通孔にそれぞれ挿通された2本のスライドシャフト83に沿って揺動する。揺動部8のスライドシャフト83は、互いに平行に且つ前記交差方向Yに沿って配置されている。スライドシャフト83は、揺動部8や上述したスライダ71,72の移動方向を規制するスライドガイドの一例であり、スライドガイドとしては、このようなスライドシャフトに代えてスライドレール等を用いることもできる。
【0019】
揺動部8は、固定部分82から斜めに延びる延出部分84を有しており、その先端部に、弾性部材3が挿通されるガイド孔(図示せず)を有する弾性部材3の導出部81が形成されている。弾性部材の導出部81は、ガイド孔に代えて、ガイド溝等を備えたものであっても良い。また、図1には、揺動部8から導出される弾性部材3が一本のみ示されているが、一つの揺動部8により揺動させる弾性部材3は、一本でも複数本でも良く、揺動部8には、揺動させる弾性部材の本数に等しいガイド孔又はガイド溝等を設けることが好ましい。
【0020】
第1及び第2のサーボモータ61,79は、それぞれ、その回転及び停止、回転方向、回転位置、速度等を電気的に制御可能であり、制御部9によって、これらを制御することにより、揺動部8を、製品1枚毎に周期的に変化する基準信号に基づき、所望のパターンで揺動させることができる。
具体的には、制御部9は、第1ベルト5を回転させる第1サーボモータ61を制御するサーボアンプ91と、第1ベルト5を移動させる第2サーボモータ79を制御するサーボアンプ92と、演算処理部93とを備えている。
演算処理部93は、予め設定したベルトの回動パターンとベルトの移動パターンと、設備内に設けられたロータリーエンコーダ、例えば製品を1枚ずつに切断するロータリーカッター等に接続されたロータリーエンコーダから発せられる連続的に変化し、製品1枚を製造する度にリセットされる基準信号95に基づき、それぞれのパターンに応じた運転制御信号をサーボアンプ91,92に対して出力する。前記製品とは、例えば、本装置1を用いて得られる複合シートや、本装置1で得られる複合シートを製造ラインに導入して製造される吸収性物品(使い捨ておむつ10等)の製品である。
【0021】
演算処理部93に対するベルトの回動パターンやベルトの移動パターンの入力は、図示しない操作部から行っても良いし、通信回線を介して入力したりUSBメモリ等の記憶媒体を介して行っても良い。また、ベルトの回動パターン及びベルトの移動パターンは、演算処理部93に、それぞれを入力してもよいし、揺動部の揺動パターン(ベルトの回動パターンとベルトの移動パターンとの合成パターン)を入力し、別途入力した配分法則や予め設定してある配分法則に従って、その揺動パターンから、ベルトの回動パターン及びベルトの移動パターンを算出させても良い。また基準信号は、揺動供給装置1を設置する設備を制御するコントローラで生成されるものを演算処理部93に入力しても良いし、演算処理部93内部で生成しても良い。演算処理部93としては、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)や市販のパーソナルコンピュータに各種のインターフェースを付加したもの等を用いることができる。
【0022】
次に、上述した弾性部材の揺動供給装置1を用いて、伸縮性シートを製造する方法の一例について説明する。
本実施形態の製造方法においては、図2及び図3に示すように、連続搬送される帯状のシート2上に、弾性部材3を、上述した弾性部材の揺動供給装置1を用いて、シート2の流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給すると共に、連続搬送される帯状のシート2’上に、弾性部材3’を、上述した弾性部材の揺動供給装置と同様の構成を有する第2の揺動供給装置(揺動部8’及びそれが固定された第1ベルト5’を図2に図示)を用いて、シート2’の流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給する(供給工程)。そして、弾性部材3,3’及び上下のシート2,2’を、シート2,2’間に弾性部材3,3’を挟んだ状態で、一対のロール20,20により挟圧して一体化させること(一体化工程)により、伸縮性シート11として、パンツ型使い捨ておむつ10の外装体連続体11が得られる。
弾性部材の揺動供給装置1と第2の揺動供給装置とは、ロール20,20の共通接面Sを挟んで相対向するように設置されることが好ましい。第2の揺動供給装置も、弾性部材の揺動供給装置1の演算処理部93と同様の演算処理部を備えていても良いし、揺動供給装置1と第2の揺動供給装置の双方を1台の演算処理部93で制御しても良い。
【0023】
好ましくは、弾性部材3を供給する前のシート2上に、図示しない接着剤塗工装置により接着剤を塗工し、また、弾性部材3’を供給する前のシート2’上にも、図示しない接着剤塗工装置により接着剤を塗工する。接着剤塗工装置は、それぞれ、非接触式の塗工装置でも接触式の塗工装置でも良い。シート2及び/又はシート2’に接着剤を塗工する装置や方法、塗工パターン等は、両シート2,2’間に、弾性部材3,3’を、弾性部材の揺動により付与される所定の曲線形状を保持できるように固定できるものを特に制限なく用いることができる。弾性部材3は、シート2上ないしシート2,2’間に伸長状態で導入することが好ましく、弾性部材3’は、シート2’上ないしシート2,2’間に伸長状態で導入することが好ましい。
【0024】
また、弾性部材3を、接着剤を塗工していないシート2上に供給した後、該シート2と、接着剤を塗工したシート2’とを重ねて一体化させても良く、同様に、弾性部材3’を、接着剤を塗工していないシート2’上に供給した後、該シート2’と、接着剤を塗工したシート2とを重ねて一体化させても良い。また、シート2及びシート2’の両者に対して接着剤を塗工するのに代えて、何れか一方のみに接着剤を塗工しても良い。また、一方のシートに対しては全面的に塗工し、他方のシートに対しては、特に強力な接着力が必要とされる部分のみに接着剤を間欠的に塗工するなど、一方のシートと他方のシートとで接着剤の塗工パターンを異ならせることもできる。
【0025】
パンツ型使い捨ておむつ10は、上記のようにして得られた外装体連続体11を用いる以外は、いわゆる横流れ方式のパンツ型使い捨ておむつの公知の製造方法と同様にして製造することができる。例えば、図3に示すように、外装体連続体11を得る伸縮性シートの製造工程後に、吸収性本体12を間欠的に順次配置固定する吸収性本体12の配置工程、外装体連続体11にレッグ開口部形成用の開口13を形成する開口形成工程、開口を形成した後の連続体14を幅方向に二つ折りする二つ折り工程、二つ折りした連続体に、サイドシール部15,15を形成する工程、及びそれにより得られたおむつ連続体16を個々のおむつ10の寸法に切断する分離工程を、順次行うことで、切断された外装体連続体11からなる外装体11’を備えたパンツ型使い捨ておむつ10を得ることができる。
【0026】
なお、上記のパンツ型使い捨ておむつ10における吸収性本体12は、肌当接面を形成する液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の防漏シート及びこれらの間に配された液保持性の吸収体(何れも図示せず)を具備してなる。
また、図中13aは、レッグ開口部形成用の開口13を形成するために除去したトリムである。
また、図3に示す例においては、伸縮性シートの製造工程において、ウエスト開口部の周縁部にウエストギャザーを形成するための弾性部材17,17を、シート2,2’の流れ方向に揺動させることなく導入している。このように、本発明で製造する伸縮性シートは、揺動しつつ導入された弾性部材3に加えて、揺動することなく導入された弾性部材17を有するものであっても良い。また、前記の開口形成工程は、前記の吸収性本体の配置工程の前に行っても同時に行っても良い。
【0027】
図4に、製品1個を製造する周期を横軸にとり、揺動部8の移動パターン、すなわち揺動パターンSと、第1ベルト5の回動による揺動部8の移動パターン、すなわち回動パターンS1及び、第2移動手段によって生じる第1ベルト5の移動による該揺動部8の移動パターン、すなわち移動パターンS2を示す。本装置では、製品上の弾性部材3の配置形状によって求められる揺動パターンSは、回動パターンS1と移動パターンS2の合成となるため、第1(回動)、第2(移動)のサーボモータによる移動量、速度、加速度を揺動パターンSと比べ、低減することが可能である。ここでS1、S2をどのように分配するかは、仮に回動パターンS1と移動パターンS2を揺動パターンSの50%ずつとしても良いが、第1、第2のサーボモータの容量やイナーシャ、それぞれに接続されたプーリやガイドなどの部品のイナーシャによって、サーボモータが回転可能な速度、加速度が異なってくる。従って、本装置では、回動パターンS1と移動パターンS2のバランスを変えることで、例えば、それぞれのサーボモータの負荷率を合わせることで装置の高速化を効率的に行うことが可能である。好ましい形態としては、回動パターンS1と移動パターンS2は揺動パターンSの50%ずつに分配するか、又はそれぞれのサーボモータの負荷率が一致するよう回動パターンS1と移動パターンS2を分配することが挙げられる。
【0028】
具体的な揺動部8の揺動について、図1を用いて説明する。揺動部8を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E1側から他端E2側に向かって移動させる際には、駆動プーリ43を矢印a方向に回転させて第1ベルト5を時計回り方向に回転させると共に、スライダ71,72を矢印a’方向に移動させて第1ベルト5(特に揺動部8が固定されている部分)の位置を矢印A方向に移動させる。他方、揺動部8を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E2から他端E1側に向かって移動させる際には、駆動プーリ43を矢印b方向に回転させて第1ベルト5を反時計回り方向に回転させると共に、スライダ71,72を矢印b’方向に移動させて第1ベルト5(特に揺動部8が固定されている部分)を矢印B方向に移動させる。
第2の弾性部材の揺動供給装置は、図3に示すように、伸縮性シート11の長手方向に沿う直線に対して、弾性部材3’が、弾性部材3と略対象形状の曲線を描くように揺動部を揺動させる以外は、弾性部材の揺動供給装置1と同様の構成とすることができる。
また、図4では揺動パターンSに対し、S1、S2を一定の比率で分配しているが、効率的に負荷率を分担するために、周期内で比率を変えても良い。
【0029】
なお、本発明における第1移動手段は、図10に示す装置における第1移動手段6Aのように、揺動部が固定されたベルトを回動させることによって該揺動部を移動させるベルト回動手段に限られない。第1移動手段がベルト回動手段でない場合においても、揺動部の揺動パターンSが、第1移動手段による移動パターンS1と、第2移動手段による移動パターンS2との合成となるように制御しながら複合シートを製造することは、好ましい実施態様である。また、同様に、第1移動手段の駆動源としてのサーボモータやリニアモータの負荷率と、第2移動手段の駆動源としてのサーボモータやリニアモータの負荷率とが一致するよう、第1移動手段による移動パターンS1と第2移動手段による移動パターンS2を分配することも好ましい。
【0030】
上述した本実施形態の弾性部材の揺動供給装置1及びそれを用いた伸縮性シート11の製造方法によれば、揺動部8の往復運動(揺動)を、第1ベルト5を回動させる手段と第1ベルト5の位置の移動させる手段との協働により実現させるため、例えば、第1ベルト5の回動のみにより実現した場合に比して、それぞれの駆動源の運動速度(回転速度)やトルク等を小さくすることができる。そのため、駆動源の負荷を抑制しつつ、揺動部の移動速度や加速度を高速度化することができるため、設備の高速化や、弾性部材を配置する曲線形状の変更が、より容易になる。
【0031】
本実施形態におけるように、ベルト回動手段6及びベルト移動手段7は、サーボモータ61,79によって駆動されることが、より高精度に揺動部8の位置を制御できることから好ましい。
【0032】
また、本実施形態におけるように、ベルト移動手段7は、第1ベルト5と係合する従動プーリ41,42を有する複数のスライダ71,72と、該スライダ71,72の位置を移動させる駆動源(サーボモータ79等)を備えることが、第1ベルト5を移動するために移動させなくてはならない機器を最小化でき、揺動部の移動速度や加速度をより高速化可能とする観点から好ましい。
【0033】
また、スライダ71,72の位置を移動させる駆動源は、サーボモータであることが、より高精度に揺動部8の位置を制御できる観点から好ましい。また、位置決め可能なリニアモータを用いることが、機構をシンプルにできる観点から好ましい。
なお、複数のスライダ71,72を移動させる駆動源は、本実施形態のように、複数のスライダに対して一つの駆動源(サーボータ等)が設けられていても良いし、後述する第2実施形態のように、一つのスライダ毎に一つ設けられていても良い。
【0034】
また、本実施形態の装置1においては、複数のスライダ71,72に結合した第2ベルト75を、サーボモータ79によって駆動することで、両スライダ71,72の移動が連動するようになしてある。両スライダ71,72の移動を連動させることで、揺動部8の揺動を高精度に制御可能である。
また、図11に示すように、プーリ77にもサーボモータ79を設置し、ベルト移動をプーリ76のサーボモータ79と合わせて複数のサーボモータで行う場合、例えばスライダ71と72の慣性や摩擦抵抗が異なる場合であっても、スライダ71とスライダ72が機械的に連結されているため、高精度にベルトの移動を実施することが可能である。
図11は、第1実施形態の変形例を示す図で、図1に示す装置と同様の構成要素には同一の符号を付してある。図11に示す装置は、プーリ77を駆動するサーボモータ79を有し、制御部9により、プーリ77をプーリ76と同様のパターンで回転させるようにした以外は、図1に示す装置の構成を有する。
【0035】
また、第1実施形態の装置1(図11に示す第1実施形態の変形例及び後述する第2実施形態も同様)においては、スライダ71のスライド方向を揺動部8の揺動方向(Y方向)と平行とする一方、スライダ72のスライド方向を揺動部8の揺動方向と略直交する方向に配置している。このように、スライド方向が相異なる複数のスライダ71,72を設けることで、装置や発明の実施スペースの省スペース化を図ることができる。
【0036】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、第1実施形態と異なる点について説明し、同様の点については、同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない点については、上述した第1実施形態に関する説明が適宜適用される。
【0037】
第2実施形態の弾性部材の揺動供給装置は、図5に示すように、複数のスライダ71,72の位置を移動させて、第1ベルト5(特に揺動部8が固定されている部分)の位置をY方向に移動させるベルト移動手段として、スライダ71,72毎に別個に設けられたスライダ駆動手段7A,7Bを備えている。スライダ駆動手段7A,7Bは、それぞれ、スライダに固定された無端状の第2ベルト75と、第2ベルト75が掛け渡された駆動プーリ76及び従動プーリ77を備えている。そして、駆動プーリ76を、第2サーボモータ79により回転駆動することで、第2ベルト75及びそれに結合したスライダ71,72が、図中a’又はb’方向に移動する。
【0038】
第2実施形態においては、制御部9の演算処理部93が、サーボアンプ92,94に対して、第2サーボモータ79を同期して運転させる運転制御信号を出力することで、両スライダ71,72の移動を連動させる。即ち、一方のスライダ71がa’方向に移動するときには、他方のスライダ72もa’方向に同一速度で移動し、一方のスライダ71がb’方向に移動するときには、他方のスライダ72もb’方向に同一速度で移動する。
このことにより、第2のサーボモータ79の1台あたりの負荷を低減することができるため、ベルト移動手段の高速化が可能になる。また、第2ベルト75を短くすることができるため、ベルトの蛇行や撓みを低減可能である。
【0039】
第3実施形態の弾性部材の揺動供給装置は、図6に示すように、複数のスライダ71,72の位置を移動させて、第1ベルト5(特に揺動部8が固定されている部分)の位置をY方向に移動させるベルト移動手段(第2移動手段)が、スライダ71,72毎に別個に設けられたスライダ駆動手段7A,7Bを備えている。また、一方のスライダ駆動手段7Aによるスライダ71のスライド方向と、他方のスライダ駆動手段7Bによるスライダ72のスライド方向とが、何れもシートの流れ方向に交差する交差方向(Y方向)となっている。そして、駆動プーリ76を、第2サーボモータ79により回転駆動することで、第2ベルト75及びそれに結合したスライダ71又は72が、図中a’又はb’方向に移動する。なお、第3実施形態におけるベルト回動手段6(第1移動手段)も、駆動源としての第1サーボモータ61及び該モータ61の回転を駆動プーリ43に伝達するギアの組み合わせ等からなる公知の動力伝達機構を備えている。スライダ駆動手段7A,7Bが、ベルト移動手段(第2移動手段)を構成している。
第3実施形態においても、第2実施形態と同様の方法により、両スライダ71,72の移動を連動させる。第1実施形態と比べ第2実施形態と同様な効果が得られる他、シート流れ方向の省スペース化が可能である。
【0040】
第4実施形態の弾性部材の揺動供給装置は、図7に示すように、スライドガイド73に沿って、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する移動台70上に、第1ベルト5が掛け渡された複数の従動プーリ41,42が回動自在に設けられており、該第1ベルト5が、移動台70の横に配置された駆動プーリ43で回転駆動される。
第5実施形態の弾性部材の揺動供給装置は、図8に示すように、スライドガイド73に沿って、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する移動台70上に、第1ベルト5が掛け渡された複数のプーリ41,43と、プーリ(駆動プーリ)43を駆動し、第1ベルト5を回転させるサーボモータ61が設けられている。
【0041】
第4及び第5実施形態における、ベルト移動手段7C(第2移動手段)は、上述した移動台70及び該移動台70をY方向にさせる第3サーボモータ79’等からなり、第3サーボモータ79’の回転力が、プーリやギア等の任意の動力伝達機構により、ボールネジ80’に伝達され、ボールネジ80’が、該移動台70に設けられた図示しない雌ねじ部と螺合した状態で回転することによって、移動台70がY方向に移動する。
第4及び第5実施形態においても、移動台70の移動による第1ベルト5の位置の移動と、第1ベルト5の回動とを協働させて揺動部8を揺動させることにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。ベルト移動手段にボールネジを用いることで、より高精度にベルトの移動を行うことが可能になる。
【0042】
第6実施形態の弾性部材の揺動供給装置においては、図9に示すように、リニアモータ85によって、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する移動台70上に、第1ベルト5が掛け渡された複数のプーリ41、43とそのうちの駆動プーリ43を駆動し、第1ベルト5を回転させるサーボモータ61が設けられている。サーボモータ61によって駆動されるベルト回動手段6(第1移動手段)と、リニアモータ85によって第1ベルト5の位置を移動させるベルト移動手段7D(第2移動手段)とを協働させて、揺動部8を揺動させることにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、リニアモータを用いることで機構をシンプルな構造にすることができ、部品点数を減らせることからメンテナンス作業を低減できる。
【0043】
なお、リニアモータは、コイルを有する可動子と磁石を有する固定子を有する市販のリニアモータ等を用いることができ、例えば、可動子を移動台70の裏面に設ける一方、固定子を、移動台70裏面に対向するスライドガイド73間等に配置する。図9及び図10中、85’,87’は、リニアモータのコイルに電流を供給する可動ケーブルである。
【0044】
第7実施形態の弾性部材の揺動供給装置においては、図10に示すように、リニアモータ85によって、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する移動台(移動体)70上に、リニアモータ87によって、シート2の流れ方向と交差する交差方向Yに移動する揺動部8が設けられている。第1のリニアモータ85と第2のリニアモータ87を協働させて、揺動部8を揺動させることにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。本実施形態における第1移動手段6Aは、移動台70上において、揺動部8を揺動させる第2のリニアモータ87及び移動台70上における揺動部8のスライド方向を図中Y方向に規制するスライドガイド(図示せず)から構成され、第2移動手段7Dは、移動台70を移動させる第1のリニアモータ85及びその移動台70のスライド方向を図中Y方向に規制するスライドガイド(図示せず)から構成されている。
【0045】
第7実施形態においても、揺動部8を、その揺動範囲(振幅)の一端E1から他端E2側に向かって移動させる際には、第2のリニアモータ87により揺動部8を、移動台70上において前記交差方向に沿うa方向に移動させると共に、移動台70自体を、第1のリニアモータ85により該交差方向Yに沿ってa’方向に移動させる。他方、揺動部8を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E2から他端E1側に向かって移動させる際には、第2のリニアモータ87により揺動部8を、移動台70上において前記交差方向に沿うb方向に移動させると共に、移動台70自体を、第1のリニアモータ85により、該交差方向Yに沿ってb’方向に移動させる。
【0046】
第7実施形態の弾性部材の揺動供給装置及びそれを用いた伸縮性シートの製造方法によれば、揺動部8の往復運動(揺動)を、第1及び第2のリニアモータの協働により実現させるため、両モータの運動速度や加速度等を小さくでき、1台のリニアモータで揺動部8を移動させるよりも高速化が可能である。また、第6実施形態同様、リニアモータを用いることで機構をシンプルな構造にすることができ、部品点数を減らせることからメンテナンス作業を低減できる。
【0047】
本発明は、上述した実施態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更が可能である。
【0048】
例えば、連続部材として供給する弾性部材は、糸状又は細幅帯状の弾性部材(糸ゴム,平ゴム等)の他、細幅のシート状部材の片面やシート間に糸ゴム等を伸長状態で固定してなる複合弾性部材や、細幅の弾性フィルム等であっても良い。また、連続部材は、弾性部材に限られず、弾性のない糸状の部材(カラー糸等)や、弾性を有しない細幅のシート状部材等であっても良い。細幅のシート状部材の幅は、少なくともそれが揺動されて供給される帯状シートの幅以下であることが好ましく、より好ましくは10〜50mm、更に好ましくは15〜30mmである。
また、連続部材は、弾性部材でなくても良いので、本発明の複合シートの製造方法で製造する複合シートは、伸縮性を有しない複合シートであっても良い。
【0049】
また、伸縮性シートは、一枚のシートと該シートの片面に固定された単数又は複数本の弾性部材のみからなるものであっても良い。また、伸縮性シートは、一本のみの弾性部材を固定したものであっても良い。また、複数本の弾性部材がシート間に固定された伸縮性シートを得る場合、弾性部材の総てを、互いに平行な曲線を描くように導入しても良い。
【0050】
また、伸縮性シートとして、パンツ型着用物品の外装体連続体を製造する場合、そのパンツ型着用物品は、使い捨ておむつに代えて、ショーツ型ナプキン等であっても良い。
【0051】
第1及び第2弾性部材の湾曲形状は、それぞれ、図2や図3に示すような湾曲形状に制限されず、例えば、純粋な正弦曲線状でもよい。
また、上述した実施形態においては、一方の弾性部材3が最初にシート2と接触し、他方の弾性部材3’が最初のシート2’と接触するように導入する例を示したが、両弾性部材3,3’が共に同じシートに対して最初に接触するように導入することもできる。
【0052】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の揺動供給装置及び複合シートの製造方法を開示する
【0053】
<1> 連続搬送される帯状のシート上に、連続部材を、該シートの流れ方向と交差する交差方向に揺動させながら供給する連続部材の揺動供給装置であって、
前記交差方向に揺動可能な揺動部と、前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第1移動手段と、該第1移動手段の一部又は全体を前記交差方向に移動させることで前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第2移動手段と、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御する制御部とを備えており、
前記揺動部に設けられた導出部から前記シートに対して前記連続部材を供給するようになされている連続部材の揺動供給装置。
<2> 前記第2移動手段は、前記第1移動手段に連結されている前記<1>記載の連続部材の揺動供給装置。
<3> 前記第1移動手段及び前記第2移動手段は、それぞれ1つ以上のサーボモータ又はリニアモータからなる駆動源を有する前記<1>又は<2>記載の連続部材の揺動供給装置。
<4> 前記制御部は、基準信号に応じて、前記第1移動手段と前記第2移動手段を制御し、前記揺動部の揺動を制御する、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<5> 前記第1移動手段は、前記揺動部を固定された無端状のベルトと、前記ベルトと係合する複数のプーリと、前記プーリのうち何れか一つ以上に連結された一つ以上の駆動源を備える前記<1>〜<4>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
【0054】
<6> 前記第2移動手段は、前記ベルトと係合する前記プーリをそれぞれ有する複数のスライダと、前記複数のスライダを連結する手段と、連結された前記複数のスライダを移動させる1つ以上の駆動源を備える前記<5>記載の連続部材の揺動供給装置。
<7> 前記複数のスライダを連結する前記手段を、前記サーボモータによって駆動することで、前記複数のスライダの移動が連動するようになされている、前記<6>記載の連続部材の揺動供給装置。
<8> 一つのスライダのスライド方向を前記揺動部の揺動方向と平行とする一方、他のスライダのスライド方向を前記揺動部の揺動方向と略直交する方向としてある前記<6>又は<7>記載の連続部材の揺動供給装置。
<9> 前記第2移動手段は、前記ベルトと係合する前記プーリをそれぞれ有する複数のスライダと、前記スライダの位置をそれぞれ移動させる1つ以上の駆動源を備える前記<5>記載の連続部材の揺動供給装置。
<10> 前記第2移動手段として、前記スライダ毎に別個に設けられたスライダ駆動手段を備えており、該スライダ駆動手段は、それぞれ、前記スライダに固定された無端状の第2ベルトと、該第2ベルトが掛け渡された駆動プーリ及び従動プーリとを備えている、前記<9>記載の連続部材の揺動供給装置。
【0055】
<11> 前記第2移動手段として、前記スライダ毎に別個に設けられたスライダ駆動手段を備えており、一方のスライダ駆動手段によるスライダのスライド方向と、他方のスライダ駆動手段によるスライダのスライド方向とが、何れも前記シートの流れ方向に交差する交差方向(Y方向)となっている前記<9>記載の連続部材の揺動供給装置。
<12> 前記第1移動手段が、複数のプーリ間に掛け渡された無端状のベルトを回動させるベルト回動手段、前記第2移動手段が、前記ベルトを前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動させるベルト移動手段であり、前記揺動部は、前記ベルトの回動と移動に伴い、前記交差方向に揺動する、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<13> 前記第2移動手段は、スライドガイドに沿って、前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動する移動台を備え、該移動台上に、前記ベルトが掛け渡された複数の従動プーリが設けられている前記<12>記載の連続部材の揺動供給装置。
<14> 前記第2移動手段は、スライドガイドに沿って、前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動する移動台を備え、該移動台上に、前記ベルトが掛け渡された従動プーリ及び駆動プーリが設けられている前記<12>記載の連続部材の揺動供給装置。
<15> 前記第2移動手段にボールネジを用いる前記<13>又は<14>に記載の連続部材の揺動供給装置。
【0056】
<16> 前記第2移動手段は、リニアモータによって前記ベルトの位置を移動させるベルト移動手段であり、前記ベルト回動手段と前記ベルト移動手段とを協働させて、前記揺動部を揺動させる前記<12>記載の連続部材の揺動供給装置。
<17> 前記揺動部は、前記ベルトに固定されたブロック状の固定部分に2つの貫通孔を有し、該貫通孔にそれぞれ挿通された2本のスライドシャフトに沿って揺動する前記<1>〜<16>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<18> 前記揺動部は、前記固定部分から斜めに延びる延出部分を有しており、その先端部に、前記連続部材が挿通されるガイド孔又はガイド溝を有する前記導出部が形成されている前記<1>〜<17>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<19> 前記第1移動手段が、第2のリニアモータ87によって、前記揺動部を前記シートの流れ方向とする交差方向に移動させる手段であり、前記第2移動手段が、第1のリニアモータ85によって、該第1移動手段を前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動させる手段であり、第1のリニアモータ85と第2のリニアモータ87とを協働させて、前記揺動部8を揺動させる前記<1>〜<4>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置。
<20> シートに連続部材が曲線状に固定されている複合シートの製造方法であって、
連続搬送されるシート上に前記連続部材を連続的に供給する供給工程を備えており、
前記供給工程において、前記連続部材を、前記<1>〜<19>の何れか1に記載の連続部材の揺動供給装置により、前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら供給する、複合シートの製造方法。
【0057】
<21> 前記供給工程において、連続搬送される帯状の第1の前記シート上に、第1の前記連続部材を、第1の前記揺動供給装置を用いて、該第1のシートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給すると共に、連続搬送される帯状の第2のシート上に、第2の前記連続部材を、第1の前記揺動供給装置と同様の構成を有する第2の前記揺動供給装置を用いて、第2の前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給する、前記<20>に記載の複合シートの製造方法。
<22> 前記第1の揺動供給装置1と前記第2の揺動供給装置とは、前記第1及び第2の連続部材及び前記第1及び第2のシートを、該シート間に連続部材を挟んだ状態で挟圧する一対のロールの共通接面Sを挟んで相対向するように設置されている、前記<21>記載の複合シートの製造方法。
<23> 前記第1の連続部材を供給する前の前記第1のシート上に、接着剤塗工装置により接着剤を塗工し、また、前記第2の連続部材を供給する前の前記第2のシート上に、接着剤塗工装置により接着剤を塗工する、前記<21>又は<22>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<24> 前記第2の揺動供給装置は、前記複合シートの長手方向に沿う直線に対して、前記第2の連続部材が、前記第1の連続部材と略対象形状の曲線を描くように、前記第2の揺動供給装置の揺動部を揺動させる、前記<20>〜<23>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<25> 揺動部の揺動パターンSが、第1移動手段による移動パターンS1と、第2移動手段による移動パターンS2との合成となるように制御しながら前記複合シートを製造する前記<20>〜<24>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<26> 複合シート上の前記連続部材の配置形状によって求められる揺動パターンSを、回動パーンS1と移動パターンS2の合成とする、前記<20>〜<25>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<27> 前記回動又は移動パターンS1と前記移動パターンS2は揺動パターンSの50%ずつに分配する前記<25>又は<26>に記載の複合シートの製造方法。
<28> 第1移動手段及び第2移動手段の駆動源がサーボモータであり、両サーボモータの負荷率が一致するよう第1移動手段による移動パターンS1と第2移動手段による移動パターンS2を分配する、前記<25>〜<27>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<29> 前記揺動供給装置における前記揺動部を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E1側から他端E2側に向かって移動させる際には、前記揺動供給装置の駆動プーリを、矢印a方向(一方向)に回転させると共に、該揺動供給装置の複数のスライダを前記シートの流れ方向と交差する矢印a’方向に移動させて、前記ベルトの位置を、前記シートの流れ方向と交差する矢印A方向に移動させる一方、前記揺動部を、その揺動範囲(振幅)Wの一端E2から他端E1側に向かって移動させる際には、前記駆動プーリを前記矢印a方向とは反対方向である矢印b方向に回転させると共に、前記複数のスライダを前記矢印a’方向とは反対方向である矢印b’方向に移動させて、前記ベルトの位置を、前記矢印A方向とは反対方向である矢印B方向に移動させる、前記<20>〜<28>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<30> 前記連続部材が弾性部材であり、前記複合シートとして、該弾性部材が伸長状態で固定されている伸縮性シートを製造する前記<20>〜<29>の何れか1に記載の複合シートの製造方法。
<31> 前記<20>〜<29>の何れか1に記載の複合シートの製造方法により得られた複合シートを外装体連続体として用いてパンツ型使い捨ておむつを製造する方法であって、
前記外装体連続体を得る伸縮性シートの製造工程後に、吸収性本体を間欠的に順次配置固定する吸収性本体の配置工程、前記外装体連続体にレッグ開口部形成用の開口を形成する開口形成工程、開口を形成した後の外装体連続体を幅方向に二つ折りする二つ折り工程、二つ折りした外装体連続体にサイドシール部を形成する工程、サイドシール部を形成したおむつ連続体を個々のパンツ型使い捨ておむつに切断する分離工程を具備する、パンツ型使い捨ておむつの製造方法。
【符号の説明】
【0058】
1 弾性部材の揺動供給装置(連続部材の揺動供給装置)
2,2’ シート
3 弾性部材(連続部材)
5 第1ベルト
6 ベルト回動手段(第1移動手段)
61 サーボモータ
7 ベルト移動手段(第2移動手段)
7A,7B スライダ駆動手段
70 移動台(移動体)
71,72 スライダ
75 第2ベルト
79 第2サーボモータ
8 揺動部
81 導出部
82 固定部分
83 スライドシャフト
93 演算処理部
9 制御部
11 外装体連続体(伸縮性シート,複合シート)
12 吸収性本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続搬送される帯状のシート上に、連続部材を、該シートの流れ方向と交差する交差方向に揺動させながら供給する連続部材の揺動供給装置であって、
前記交差方向に揺動可能な揺動部と、前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第1移動手段と、第1移動手段の一部又は全体を前記交差方向に移動させることで前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第2移動手段と、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御する制御部とを備えており、
前記揺動部に設けられた導出部から前記シートに対して前記連続部材を供給するようになされている連続部材の揺動供給装置。
【請求項2】
前記第2移動手段は、前記第1移動手段に連結されている請求項1記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項3】
前記第1移動手段及び前記第2移動手段は、それぞれ1つ以上のサーボモータ又はリニアモータからなる駆動源を有する請求項1又は2記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項4】
前記制御部は、基準信号に応じて、前記第1移動手段と前記第2移動手段を制御し、前記揺動部の揺動を制御する、請求項1〜3の何れか1項記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項5】
前記第1移動手段は、前記揺動部を固定された無端状のベルトと、前記ベルトと係合する複数のプーリと、前記プーリのうち何れか一つ以上に連結された一つ以上の駆動源を備える請求項4記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項6】
前記第2移動手段は、前記ベルトと係合する前記プーリをそれぞれ有する複数のスライダと、前記複数のスライダを連結する手段と、連結された前記複数のスライダを移動させる1つ以上の駆動源を備える請求項5記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項7】
前記第2移動手段は、前記ベルトと係合する前記プーリをそれぞれ有する複数のスライダと、前記スライダの位置をそれぞれ移動させる1つ以上の駆動源を備える請求項5記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項8】
前記第1移動手段が、複数のプーリ間に掛け渡された無端状のベルトを回動させるベルト回動手段、前記第2移動手段が、前記ベルトを前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動させるベルト移動手段であり、前記揺動部は、前記ベルトの回動と移動に伴い、前記交差方向に揺動する、請求項1〜4の何れか1項記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項9】
シートに連続部材が曲線状に固定されている複合シートの製造方法であって、
連続搬送されるシート上に前記連続部材を連続的に供給する供給工程を備えており、
前記供給工程において、前記連続部材を、請求項1〜8の何れか1項に記載の連続部材の揺動供給装置により、前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら供給する、複合シートの製造方法。
【請求項10】
前記供給工程において、連続搬送される帯状の第1の前記シート上に、第1の前記連続部材を、第1の前記揺動供給装置を用いて、該第1のシートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給すると共に、連続搬送される帯状の第2のシート上に、第2の前記連続部材を、第1の前記揺動供給装置と同様の構成を有する第2の前記揺動供給装置を用いて、第2の前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給する、請求項9記載の複合シートの製造方法。
【請求項11】
前記連続部材が弾性部材であり、前記複合シートとして、該弾性部材が伸長状態で固定されている伸縮性シートを製造する請求項9又は10記載の複合シートの製造方法。
【請求項12】
前記揺動部の揺動パターンSが、第1移動手段による移動パターンS1と、第2移動手段による移動パターンS2との合成となるように制御しながら前記複合シートを製造する請求項9〜11の何れか1項に記載の複合シートの製造方法。
【請求項13】
第1移動手段及び第2移動手段の駆動源がサーボモータであり、両サーボモータの負荷率が一致するよう第1移動手段による移動パターンS1と第2移動手段による移動パターンS2を分配する、請求項9〜12の何れか1項に記載の複合シートの製造方法。
【請求項14】
請求項9〜13の何れか1項記載の複合シートの製造方法により得られた複合シートを外装体連続体として用いてパンツ型使い捨ておむつを製造する方法であって、
前記外装体連続体を得る伸縮性シートの製造工程後に、吸収性本体を間欠的に順次配置固定する吸収性本体の配置工程、前記外装体連続体にレッグ開口部形成用の開口を形成する開口形成工程、開口を形成した後の外装体連続体を幅方向に二つ折りする二つ折り工程、二つ折りした外装体連続体にサイドシール部を形成する工程、サイドシール部を形成したおむつ連続体を個々のパンツ型使い捨ておむつに切断する分離工程を具備する、パンツ型使い捨ておむつの製造方法。
【請求項1】
連続搬送される帯状のシート上に、連続部材を、該シートの流れ方向と交差する交差方向に揺動させながら供給する連続部材の揺動供給装置であって、
前記交差方向に揺動可能な揺動部と、前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第1移動手段と、第1移動手段の一部又は全体を前記交差方向に移動させることで前記揺動部を前記交差方向に移動させて揺動させる第2移動手段と、前記第1移動手段及び前記第2移動手段を制御する制御部とを備えており、
前記揺動部に設けられた導出部から前記シートに対して前記連続部材を供給するようになされている連続部材の揺動供給装置。
【請求項2】
前記第2移動手段は、前記第1移動手段に連結されている請求項1記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項3】
前記第1移動手段及び前記第2移動手段は、それぞれ1つ以上のサーボモータ又はリニアモータからなる駆動源を有する請求項1又は2記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項4】
前記制御部は、基準信号に応じて、前記第1移動手段と前記第2移動手段を制御し、前記揺動部の揺動を制御する、請求項1〜3の何れか1項記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項5】
前記第1移動手段は、前記揺動部を固定された無端状のベルトと、前記ベルトと係合する複数のプーリと、前記プーリのうち何れか一つ以上に連結された一つ以上の駆動源を備える請求項4記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項6】
前記第2移動手段は、前記ベルトと係合する前記プーリをそれぞれ有する複数のスライダと、前記複数のスライダを連結する手段と、連結された前記複数のスライダを移動させる1つ以上の駆動源を備える請求項5記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項7】
前記第2移動手段は、前記ベルトと係合する前記プーリをそれぞれ有する複数のスライダと、前記スライダの位置をそれぞれ移動させる1つ以上の駆動源を備える請求項5記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項8】
前記第1移動手段が、複数のプーリ間に掛け渡された無端状のベルトを回動させるベルト回動手段、前記第2移動手段が、前記ベルトを前記シートの流れ方向と交差する交差方向に移動させるベルト移動手段であり、前記揺動部は、前記ベルトの回動と移動に伴い、前記交差方向に揺動する、請求項1〜4の何れか1項記載の連続部材の揺動供給装置。
【請求項9】
シートに連続部材が曲線状に固定されている複合シートの製造方法であって、
連続搬送されるシート上に前記連続部材を連続的に供給する供給工程を備えており、
前記供給工程において、前記連続部材を、請求項1〜8の何れか1項に記載の連続部材の揺動供給装置により、前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら供給する、複合シートの製造方法。
【請求項10】
前記供給工程において、連続搬送される帯状の第1の前記シート上に、第1の前記連続部材を、第1の前記揺動供給装置を用いて、該第1のシートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給すると共に、連続搬送される帯状の第2のシート上に、第2の前記連続部材を、第1の前記揺動供給装置と同様の構成を有する第2の前記揺動供給装置を用いて、第2の前記シートの流れ方向に交差する方向に揺動させながら連続的に供給する、請求項9記載の複合シートの製造方法。
【請求項11】
前記連続部材が弾性部材であり、前記複合シートとして、該弾性部材が伸長状態で固定されている伸縮性シートを製造する請求項9又は10記載の複合シートの製造方法。
【請求項12】
前記揺動部の揺動パターンSが、第1移動手段による移動パターンS1と、第2移動手段による移動パターンS2との合成となるように制御しながら前記複合シートを製造する請求項9〜11の何れか1項に記載の複合シートの製造方法。
【請求項13】
第1移動手段及び第2移動手段の駆動源がサーボモータであり、両サーボモータの負荷率が一致するよう第1移動手段による移動パターンS1と第2移動手段による移動パターンS2を分配する、請求項9〜12の何れか1項に記載の複合シートの製造方法。
【請求項14】
請求項9〜13の何れか1項記載の複合シートの製造方法により得られた複合シートを外装体連続体として用いてパンツ型使い捨ておむつを製造する方法であって、
前記外装体連続体を得る伸縮性シートの製造工程後に、吸収性本体を間欠的に順次配置固定する吸収性本体の配置工程、前記外装体連続体にレッグ開口部形成用の開口を形成する開口形成工程、開口を形成した後の外装体連続体を幅方向に二つ折りする二つ折り工程、二つ折りした外装体連続体にサイドシール部を形成する工程、サイドシール部を形成したおむつ連続体を個々のパンツ型使い捨ておむつに切断する分離工程を具備する、パンツ型使い捨ておむつの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−75153(P2013−75153A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197188(P2012−197188)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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