説明

遅延測定システム及び遅延測定方法

【課題】本発明は、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても、一方向の遅延時間を正確に測定可能な遅延測定システム及び遅延測定方法の提供を目的とする。
【解決手段】本願発明の遅延測定システムは、送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20が共通クロック源30からの共通時刻Tを取得して共通時刻Tに時刻同期する送信側クロック部12及び受信側クロック部22を備え、送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20が共通時刻Tを取得できない環境下においても互いに時刻同期を維持することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2地点間を伝達する信号の遅延時間を測定する遅延測定システム及び遅延測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2地点間を伝達する信号の遅延時間を測定する遅延測定システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の遅延測定システムは、2つの装置が遅延測定用の被測定信号を送受信することで、一方の装置から他方の装置までの被測定信号の遅延時間を測定する。2つの装置は、互いに時刻同期するために、共通クロック源と通信を行い、共通クロック源から共通時刻を取得しながら被測定信号を送受信する。共通クロック源には、NTP(Network Time Protocol)サーバや衛星測位システムの衛星が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−118270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2地点間を伝達する信号の遅延時間の測定を行おうとすると、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境である場合がある。例えば、ネットワークの開通時や保守時に装置が持ち込まれる局舎内である。局舎内は、ネットワークが接続されていないため、NTPサーバから共通時刻を取得することはできない。また、局舎内は衛星測位システムの衛星からの電波も届かないため、衛星から共通時刻を取得することもできない。このため、特許文献1の遅延測定システムでは、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においては2つの装置の時刻同期を行うことができないという問題があった。
【0005】
一方、1台の装置を用いて被測定信号の往復時間を測定する方法も考えられる。しかし、この方法では、一方向の遅延時間を分離して測定することができないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても、一方向の遅延時間を正確に測定可能な遅延測定システム及び遅延測定方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明の遅延測定システムは、共通クロック源からの共通時刻を取得する送信側時刻取得部(11)、独立した発振器で時刻を刻み、定期的又は外部からの指示により前記送信側時刻取得部の取得する共通時刻に時刻同期し、送信側時刻を出力する送信側クロック部(12)及び前記送信側クロック部から送信側時刻を取得し、被測定信号の送信時における送信側時刻を載せて前記被測定信号を送信する時刻情報送信部(13)を備える送信側遅延測定装置(10)と、前記共通クロック源からの共通時刻を取得する受信側時刻取得部(21)、独立した発振器で時刻を刻み、定期的又は外部からの指示により前記受信側時刻取得部の取得する共通時刻に時刻同期し、受信側時刻を出力する受信側クロック部(22)、前記時刻情報送信部の送信する被測定信号を受信して前記被測定信号に載せられている送信側時刻を出力する時刻情報受信部(23)及び前記受信側クロック部から受信側時刻が入力され、前記被測定信号の受信時における受信側時刻を検出し、検出する受信側時刻及び前記時刻情報受信部からの送信側時刻を用いて前記時刻情報送信部から前記時刻情報受信部までの前記被測定信号の遅延時間を算出する遅延算出部(24)を備える受信側遅延測定装置(20)と、を備える。
【0008】
送信側遅延測定装置(10)が時刻情報送信部(13)を備え、受信側遅延測定装置(20)が時刻情報受信部(23)及び遅延算出部(24)を備えるため、時刻情報送信部(13)から時刻情報受信部(23)までの被測定信号の遅延時間を算出することができる。ここで、送信側遅延測定装置(10)が送信側時刻取得部(11)及び送信側クロック部(12)を備え、受信側遅延測定装置(20)が受信側時刻取得部(21)及び受信側クロック部(22)を備えるため、共通のクロック源で時刻同期した後、それぞれ独立した発振器で時刻を刻み、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても送信側遅延測定装置(10)と受信側遅延測定装置(20)の時刻同期を維持することができる。これにより、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても、一方向の遅延時間を、送信側遅延測定装置(10)及び受信側遅延測定装置(20)に実装されている発振器の精度に依存した精度で測定することができる。したがって、本願発明の遅延測定システムは、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても、一方向の遅延時間を正確に測定することができる。
【0009】
本願発明の遅延測定システムでは、前記送信側遅延測定装置は、前記送信側時刻取得部から共通時刻を取得するとともに前記送信側クロック部から送信側時刻を取得し、共通時刻と送信側時刻との間の送信側遅進を算出する送信側遅進算出部(15)と、前記送信側遅進算出部の取得する送信側遅進を用いて、前記送信側クロック部の出力する送信側時刻を補正する送信側時刻補正部(16)と、を備え、前記受信側遅延測定装置は、前記受信側時刻取得部から共通時刻を取得するとともに前記受信側クロック部から受信側時刻を取得し、共通時刻と受信側時刻との間の受信側遅進を算出する受信側遅進算出部(25)と、前記受信側遅進算出部の取得する受信側遅進を用いて、前記受信側クロック部の出力する受信側時刻を補正する受信側時刻補正部(26)と、を備え、前記送信側時刻取得部及び前記受信側時刻取得部は、前記共通クロック源からの共通時刻を複数回取得し、前記時刻情報送信部は、前記送信側時刻補正部から補正後の送信側時刻を取得し、被測定信号の送信時における送信側時刻を載せて前記被測定信号を送信し、前記遅延算出部は、前記受信側時刻補正部から補正後の受信側時刻が入力され、前記被測定信号の受信時における受信側時刻を検出し、検出する受信側時刻及び前記時刻情報受信部からの送信側時刻を用いて前記時刻情報送信部から前記時刻情報受信部までの前記被測定信号の遅延時間を算出してもよい。ここで、送信側遅進は、送信側時刻が共通時刻に対してどれだけ遅れるか又は進むかをいう。また、受信側遅進は、受信側時刻が共通時刻に対してどれだけ遅れるか又は進むかをいう。
送信側遅延測定装置(10)が送信側遅進算出部(15)及び送信側時刻補正部(16)を備えるため、独立した発振器が刻んだ時刻を送信側遅進で補正して、補正後の送信側時刻を被測定信号に載せることができる。受信側遅延測定装置(20)が受信側遅進算出部(25)及び受信側時刻補正部(26)を備えるため、独立した発振器が刻んだ時刻を受信側遅進で補正して、補正後の受信側時刻を用いることができる。
【0010】
本願発明の遅延測定システムでは、前記送信側遅延測定装置は、前記送信側時刻取得部から共通時刻を取得するとともに前記送信側クロック部から送信側時刻を取得し、共通時刻と送信側時刻との間の送信側遅進を算出する送信側遅進算出部(15)を備え、前記受信側遅延測定装置は、前記受信側時刻取得部から共通時刻を取得するとともに前記受信側クロック部から受信側時刻を取得し、共通時刻と受信側時刻との間の受信側遅進を算出する受信側遅進算出部(25)を備え、前記送信側時刻取得部及び前記受信側時刻取得部は、前記共通クロック源からの共通時刻を複数回取得し、前記時刻情報送信部は、前記送信側遅進算出部から送信側遅進を取得し、前記送信側遅進をさらに載せた前記被測定信号を送信し、前記時刻情報受信部は、前記被測定信号に載せられている送信側遅進をさらに出力し、前記遅延算出部は、前記時刻情報受信部からさらに送信側遅進を取得して前記送信側時刻を補正し、前記受信側遅進算出部から受信側遅進を取得して前記受信側時刻を補正し、補正後の送信側時刻及び受信側時刻を用いて、前記時刻情報送信部から前記時刻情報受信部までの前記被測定信号の遅延時間を算出してもよい。
送信側遅延測定装置(10)が送信側遅進算出部(15)を備えるため、独立した発振器が刻んだ時刻を補正可能な送信側遅進を被測定信号に載せることができる。受信側遅延測定装置(20)が受信側遅進算出部(25)を備えるため、独立した発振器が刻んだ時刻を補正可能な受信側遅進を取得することができる。このため、遅延算出部(24)は、送信側遅進を用いて送信側時刻を補正し、受信側遅進を用いて受信側時刻を補正することができる。
【0011】
上記目的を達成するために、本願発明の遅延測定方法は、送信側遅延測定装置(10)及び受信側遅延測定装置(20)が共通クロック源からの共通時刻を取得し、独立した発振器で時刻を刻み、定期的又は外部からの指示により前記送信側遅延測定装置内の送信側時刻及び前記受信側遅延測定装置内の受信側時刻を時刻同期させる時刻同期手順(S101)と、被測定信号の送信時における送信側時刻を載せた前記被測定信号を前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置へ送信する被測定信号送信手順(S102)と、前記被測定信号の受信時における受信側時刻及び前記被測定信号に載せられている送信側時刻を用いて前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置までの前記被測定信号の遅延時間を算出する遅延算出手順(S103)と、を順に有する。
【0012】
被測定信号送信手順(S102)と、遅延算出手順(S103)と、を順に有するため、送信側遅延測定装置(10)から受信側遅延測定装置(20)までの被測定信号の遅延時間を算出することができる。ここで、被測定信号送信手順(S102)の前に時刻同期手順(S101)を有するため、共通のクロック源で時刻同期した後、それぞれ独立した発振器で時刻を刻み、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても送信側遅延測定装置(10)と受信側遅延測定装置(20)の時刻同期を維持することができる。これにより、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても、一方向の遅延時間を、送信側遅延測定装置(10)及び受信側遅延測定装置(20)に実装されている発振器の精度に依存した精度で測定することができる。したがって、本願発明の遅延測定方法は、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても、一方向の遅延時間を正確に測定することができる。
【0013】
本願発明の遅延測定方法では、前記時刻同期手順から一定時間後に前記共通クロック源からの共通時刻を前記送信側遅延測定装置及び前記受信側遅延測定装置で取得し、前記送信側遅延測定装置の取得した共通時刻と送信側時刻の間の送信側遅進を用いて送信側時刻を補正するとともに、前記受信側遅延測定装置の取得した共通時刻と受信側時刻の間の受信側遅進を用いて受信側時刻を補正する時刻補正手順(S104)を、前記時刻同期手順及び前記被測定信号送信手順の間にさらに有し、前記被測定信号送信手順において、前記時刻補正手順で補正した送信側時刻を載せた前記被測定信号を前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置へ送信し、前記遅延算出手順において、前記時刻補正手順で補正した受信側時刻を用いて前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置までの前記被測定信号の遅延時間を算出してもよい。
被測定信号送信手順(S102)の前に時刻補正手順(S104)を有するため、独立した発振器が刻んだ時刻を送信側遅進及び受信側遅進で補正して、補正後の送信側時刻を被測定信号に載せ、補正後の受信側時刻を用いて被測定信号の遅延時間を算出することができる。
【0014】
本願発明の遅延測定方法では、前記時刻同期手順から一定時間後に前記共通クロック源からの共通時刻を前記送信側遅延測定装置及び前記受信側遅延測定装置で取得し、前記送信側遅延測定装置の取得した共通時刻と送信側時刻の間の送信側遅進を算出するとともに、前記受信側遅延測定装置の取得した共通時刻と受信側時刻の間の受信側遅進を算出する遅進算出手順(S105)を、前記時刻同期手順及び前記被測定信号送信手順の間にさらに有し、前記被測定信号送信手順において、前記遅進算出手順で算出した送信側遅進を前記被測定信号にさらに載せて前記被測定信号を前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置へ送信し、前記遅延算出手順において、前記被測定信号送信手順において送信した送信側遅進を用いて前記送信側時刻を補正し、前記遅進算出手順で算出した受信側遅進を用いて前記受信側時刻を補正し、補正後の送信側時刻及び受信側時刻を用いて、前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置までの前記被測定信号の遅延時間を算出してもよい。
被測定信号送信手順(S102)の前に遅進算出手順(S105)を有するため、独立した発振器が刻んだ時刻を補正可能な送信側遅進及び受信側遅進を取得することができる。このため、遅延算出手順において、送信側遅進を用いて送信側時刻を補正し、受信側遅進を用いて受信側時刻を補正することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、NTPサーバや衛星と通信を行えない環境においても、一方向の遅延時間を正確に測定可能な遅延測定システム及び遅延測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1に係る遅延測定システムの一例を示す。
【図2】実施形態1に係る遅延測定方法の一例を示す。
【図3】時刻同期の具体例であり、(a)は共通時刻Tを示し、(b)送信側時刻Tを示し、(c)は受信側時刻Tを示す。
【図4】実施形態2に係る遅延測定システムの一例を示す。
【図5】実施形態2に係る遅延測定方法の一例を示す。
【図6】送信側時刻T及び受信側時刻Tの補正例であり、(a)は共通時刻Tを示し、(b)送信側時刻Tを示し、(c)は受信側時刻Tを示す。
【図7】実施形態3に係る遅延測定システムの一例を示す。
【図8】実施形態3に係る遅延測定方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0018】
(実施形態1)
図1に、実施形態1に係る遅延測定システムの一例を示す。実施形態1に係る遅延測定システムは、送信側遅延測定装置10と、受信側遅延測定装置20と、を備える。送信側遅延測定装置10は、送信側時刻取得部11と、送信側クロック部12と、時刻情報送信部13と、発振器17と、アンテナ18と、を備える。受信側遅延測定装置20は、受信側時刻取得部21と、受信側クロック部22と、時刻情報受信部23と、遅延算出部24と、発振器27と、を備える。
【0019】
送信側クロック部12は、独立した発振器17からのタイミングに従って時刻を刻み、送信側時刻Tを出力する。受信側クロック部22は、独立した発振器27からのタイミングに従って時刻を刻み、受信側時刻Tを出力する。
【0020】
図2に、実施形態1に係る遅延測定方法の一例を示す。実施形態1に係る遅延測定方法は、時刻同期手順S101と、被測定信号送信手順S102と、遅延算出手順S103と、を順に有する。以下、実施形態1に係る遅延測定方法の詳細について、図1を参照しながら説明する。
【0021】
時刻同期手順S101では、送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20の時刻同期を行う。例えば、送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20が共通クロック源30からの共通時刻Tを取得し、送信側遅延測定装置10内の送信側時刻T及び受信側遅延測定装置20内の受信側時刻Tを時刻同期させる。
【0022】
例えば、アンテナ18は、共通クロック源30からの電波を受信する。送信側時刻取得部11は、共通クロック源30からの共通時刻Tを取得する。送信側クロック部12は、送信側時刻取得部11の取得する共通時刻Tに時刻同期する。一方、アンテナ28は、共通クロック源30からの電波を受信する。受信側時刻取得部21は、共通クロック源30からの共通時刻Tを取得する。受信側クロック部22は、受信側時刻取得部21の取得する共通時刻Tに時刻同期する。これにより、送信側クロック部12の出力する送信側時刻Tと受信側クロック部22の出力する受信側時刻Tを時刻同期させることができる。
【0023】
図3は、時刻同期の具体例であり、(a)は共通時刻Tを示し、(b)送信側時刻Tを示し、(c)は受信側時刻Tを示す。送信側時刻取得部11及び受信側時刻取得部21は、例えば、共通時刻T「10時00分00秒」を取得する。送信側クロック部12は、発振器17からのタイミングによって刻む次の時刻を「10時00分01秒」にして出力する。この後、送信側クロック部12は、発振器17からのタイミングに従って、「10時00分02秒」、「10時00分03秒」・・・と送信側時刻Tを刻む。受信側クロック部22は、発振器27からのタイミングによって刻む次の時刻を「10時00分01秒」にして出力する。この後、受信側クロック部22は、発振器27からのタイミングに従って、「10時00分02秒」、「10時00分03秒」・・・と送信側時刻Tを刻む。
【0024】
ここで、時刻同期手順S101は、定期的又は外部からの指示により実行する。定期的は、例えば、一定の共通時刻T又は送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20の立ち上げ後一定時間ごとである。外部からの指示は、例えば、送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20に備わる入力手段を用いて時刻同期の指示を送信側クロック部12及び受信側クロック部22に入力する。時刻同期手順S101では、共通クロック源30からの電波を受信する必要があるため、局舎内に入る前の衛星と通信を行える環境において実行する。
【0025】
局舎内に入った後に、被測定信号送信手順S102を実行する。被測定信号送信手順S102では、被測定信号Sを送信側遅延測定装置10から受信側遅延測定装置20へ、通信ネットワーク100を介して送信する。このとき、被測定信号Sには、被測定信号Sの送信時における送信側時刻Tを載せる。被測定信号Sは、例えば、宛先アドレスに受信側遅延測定装置20のIPアドレスが載せられ、送信元アドレスに送信側遅延測定装置10のIPアドレスが載せられたパケットである。
【0026】
例えば、時刻情報送信部13は、送信側クロック部12から送信側時刻T「10時00分03秒」を取得する。そして、時刻情報送信部13は、被測定信号Sの送信時における送信側時刻T「10時00分03秒」を載せて、被測定信号Sを送信する。時刻情報受信部23は、時刻情報送信部13の送信する被測定信号Sを受信して被測定信号Sに載せられている送信側時刻T「10時00分03秒」を出力する。
【0027】
遅延算出手順S103では、被測定信号Sの受信時における受信側時刻T及び被測定信号Sに載せられている送信側時刻Tを用いて送信側遅延測定装置10から受信側遅延測定装置20までの被測定信号Sの遅延時間を算出する。
【0028】
例えば、遅延算出部24は、受信側クロック部22から受信側時刻T「10時00分30秒」が入力され、被測定信号Sの受信時における受信側時刻T「10時00分30秒」を検出する。また、遅延算出部24は、検出する受信側時刻T「10時00分30秒」及び時刻情報受信部23からの送信側時刻T「10時00分03秒」を用いて時刻情報送信部13から時刻情報受信部23までの被測定信号Sの遅延時間「27秒」を算出する。
【0029】
送信側クロック部12が独立した発振器17で時刻を刻み、受信側クロック部22が独立した発振器27で時刻を刻むため、送信側時刻T及び受信側時刻Tの同期を発振器17及び発振器27の精度に依存した精度で維持することができる。発振器17及び発振器27の精度は時刻に比較して非常に高いため、本実施形態に係る遅延測定システム及び遅延測定方法は、局舎内でも時刻同期を維持した状態で被測定信号を送受信することができる。
【0030】
なお、送信側時刻取得部11は及び受信側時刻取得部21は、アンテナ18及びアンテナ28を用いて衛星測位システムの衛星から共通時刻Tを取得したが、これに限定されない。例えば、送信側時刻取得部11及び受信側時刻取得部21は、NTP(Network Time Protocol)サーバとの通信手段を備え、NTPから共通時刻Tを取得してもよい。
【0031】
送信側遅延測定装置10は、送信側時刻取得部11が共通時刻Tを取得した日時を記憶する履歴記憶部(不図示)と、履歴記憶部に記憶されている最新の日時から一定時間を過ぎると当該一定時間を経過した旨を表示する表示部(不図示)と、を設けてもよい。当該一定時間は、任意に設定することができ、例えば送信側クロック部12と受信側クロック部22の時刻同期が外れ始める時間に設定する。表示部には、例えば、「時刻同期されていない可能性があります。時刻同期を開始してください。」と表示する。この場合、受信側遅延測定装置20についても、履歴記憶部(不図示)及び表示部(不図示)を設ける。このように、送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20が履歴記憶部(不図示)及び表示部を備えることで、送信側クロック部12及び受信側クロック部22の時刻同期の信頼性を維持することができる。これにより、より正確な遅延時間の測定を行うことができる。
【0032】
また、局舎内で送信側時刻取得部11が共通クロック源30から共通時刻Tを取得できる場合、被測定信号送信手順S102においても送信側時刻取得部11は共通時刻Tを取得してもよい。この場合、共通時刻Tの取得を継続する旨の命令を送信側時刻取得部11に出力する時刻同期選択スイッチを設けることが好ましい。
【0033】
局舎内で受信側時刻取得部21が共通クロック源30から共通時刻Tを取得できる場合、遅延算出手順S103においても受送信側時刻取得部21は共通時刻Tを取得してもよい。この場合、共通時刻Tの取得を継続する旨の命令を受送信側時刻取得部21に出力する時刻同期選択スイッチを設けることが好ましい。
【0034】
(実施形態2)
図4に、本実施形態に係る遅延測定システムの一例を示す。本実施形態の遅延測定システムは、送信側時刻T及び受信側時刻Tの共通時刻Tに対する遅進を補正するための構成を備える。例えば、本実施形態の送信側遅延測定装置10は、実施形態1の送信側遅延測定装置10に、送信側遅進算出部15と、送信側時刻補正部16と、をさらに備える。本実施形態の受信側遅延測定装置20は、実施形態1の受信側遅延測定装置20に、受信側遅進算出部25と、受信側時刻補正部26と、をさらに備える。
【0035】
図5に、本実施形態に係る遅延測定方法の一例を示す。本実施形態の遅延測定方法は、実施形態1で説明した時刻同期手順S101と被測定信号送信手順S102の間に、時刻補正手順S104をさらに有する。
【0036】
時刻補正手順S104では、時刻同期手順S101から一定時間後に共通クロック源30からの共通時刻Tを送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20で取得する。一定時間後は、任意の時間後であり、送信側クロック部12及び受信側クロック部22の精度に応じて決定する。送信側遅延測定装置10の取得した共通時刻Tと送信側時刻Tの間の送信側遅進TSDを用いて送信側時刻Tを補正するとともに、受信側遅延測定装置20の取得した共通時刻Tと受信側時刻Tの間の受信側遅進TRDを用いて受信側時刻Tを補正する。
【0037】
例えば、送信側時刻取得部11が、共通クロック源30からの共通時刻Tを複数回取得する。送信側時刻取得部11が共通時刻Tを取得するタイミングは任意であり、例えば一定時間ごとである。送信側遅進算出部15は、送信側時刻取得部11から共通時刻Tを取得するとともに送信側クロック部12から送信側時刻Tを取得し、共通時刻Tと送信側時刻Tとの間の送信側遅進TSDを算出する。送信側時刻補正部16は、送信側遅進算出部15の取得する送信側遅進TSDを用いて、送信側クロック部12の出力する送信側時刻Tを補正し、補正後の送信側時刻TSCを出力する。
【0038】
一方、受信側時刻取得部21が、共通クロック源30からの共通時刻Tを複数回取得する。受信側時刻取得部21が共通時刻Tを取得するタイミングは任意であり、例えば一定時間ごとである。受信側遅進算出部25は、受信側時刻取得部21から共通時刻Tを取得するとともに受信側クロック部22から受信側時刻Tを取得し、共通時刻Tと受信側時刻Tとの間の受信側遅進TRDを算出する。受信側時刻補正部26は、受信側遅進算出部25の取得する受信側遅進TRDを用いて、受信側クロック部22の出力する受信側時刻Tを補正し、補正後の受信側時刻TRCを出力する。受信側遅進TRC及び補正後の受信側時刻TRCについても、送信側遅進TSDと同様に算出することができる。
【0039】
図6は、送信側時刻T及び受信側時刻Tの補正例であり、(a)は共通時刻Tを示し、(b)送信側時刻Tを示し、(c)は受信側時刻Tを示す。時刻同期手順S101で取得した共通時刻Tが「10時00分00秒」であり、一定時間後が3秒後であるとする。この場合、送信側遅進算出部15及び受信側遅進算出部25が「10時00分03秒」を共通時刻Tとして取得して時刻同期する。
【0040】
送信側遅進算出部15は、送信側クロック部12から、共通時刻Tを取得時の送信側時刻T「10時00分05秒」を取得する。この場合、送信側遅進算出部15は、送信側遅進TSDを「3秒あたり2秒の進み」と算出する。そして、送信側時刻補正部16は、送信側時刻Tが「10時00分06秒」であれば、時刻同期を行った時刻「10時00分03秒」から送信側時刻T「10時00分06秒」までの時間3秒を算出し、3秒×(3/5)を算出することにより補正後の送信側時刻TSCを「10時00分04秒」と算出する。
【0041】
受信側遅進算出部25は、送信側クロック部12から、共通時刻Tを取得時の受信側時刻T「10時00分02秒」を取得する。この場合、受信側遅進算出部25は、受信側遅進TRDを「3秒あたり1秒の遅れ」と算出する。そして、受信側時刻補正部26は、受信側時刻Tが「10時00分30秒」であれば、時刻同期を行った時刻「10時00分03秒」から受信側時刻T「10時00分30秒」までの時間27秒を算出し、27秒×(3/2)を算出することにより、補正後の受信側時刻TRCを「10時00分40秒」と算出する。
【0042】
被測定信号送信手順S102において、時刻補正手順S104で補正した補正後の送信側時刻TSCを載せた被測定信号Sを送信側遅延測定装置10から受信側遅延測定装置20へ送信する。例えば、被測定信号Sの送信時における送信側時刻Tが「10時00分06秒」であれば、時刻情報送信部13は、送信側時刻補正部16から補正後の送信側時刻TSC「10時00分04秒」を取得し、被測定信号Sの送信時における送信側時刻TSC「10時00分04秒」を載せて被測定信号Sを送信する。
【0043】
遅延算出手順S103において、時刻補正手順S104で補正した受信側時刻TRCを用いて送信側遅延測定装置10から受信側遅延測定装置20までの被測定信号Sの遅延時間を算出する。例えば、被測定信号Sの受信時における受信側時刻Tが「10時00分30秒」であれば、遅延算出部24に、受信側時刻補正部26から補正後の受信側時刻TRC「10時00分40秒」が入力され、被測定信号Sの受信時における受信側時刻TRC「10時00分40秒」を検出する。そして、遅延算出部24は、検出する受信側時刻TRC「10時00分40秒」及び時刻情報受信部23からの送信側時刻TSC「10時00分04秒」を用いて、時刻情報送信部13から時刻情報受信部23までの被測定信号Sの遅延時間「36秒」を算出する。
【0044】
本実施形態に係る遅延測定システム及び遅延測定方法は、時刻補正手順S104を有するため、発振器17及び発振器27のタイミングのずれに起因して発生する共通時刻Tと送信側時刻T及び受信側時刻Tとのずれを補正することができる。これにより、送信側時刻T及び受信側時刻Tの時刻同期を維持する精度を高めることができる。なお、時刻補正手順S104では、共通時刻Tの取得を1回のみ行ったが、2回以上であってもよい。
【0045】
(実施形態3)
図7に、本実施形態に係る遅延測定システムの一例を示す。本実施形態の遅延測定システムは、送信側時刻T及び受信側時刻Tの共通時刻Tに対する遅進を補正するための構成を備える。例えば、本実施形態の送信側遅延測定装置10は、実施形態1の送信側遅延測定装置10に、送信側遅進算出部15をさらに備える。本実施形態の受信側遅延測定装置20は、実施形態1の受信側遅延測定装置20に、受信側遅進算出部25をさらに備える。
【0046】
図8に、本実施形態に係る遅延測定方法の一例を示す。本実施形態の遅延測定方法は、実施形態1で説明した時刻同期手順S101と被測定信号送信手順S102の間に、遅進算出手順S105をさらに有する。
【0047】
遅進算出手順S105では、時刻同期手順S101から一定時間後に共通クロック源30からの共通時刻Tを送信側遅延測定装置10及び受信側遅延測定装置20で取得する。一定時間後は、任意の時間後であり、送信側クロック部12及び受信側クロック部22の精度に応じて決定する。送信側遅延測定装置10の取得した共通時刻Tと送信側時刻Tの間の送信側遅進TSDを算出するとともに、受信側遅延測定装置20の取得した共通時刻Tと受信側時刻Tの間の受信側遅進TRDを算出する。
【0048】
例えば、送信側時刻取得部11が、共通クロック源30からの共通時刻Tを複数回取得する。送信側時刻取得部11が共通時刻Tを取得するタイミングは任意であり、例えば一定時間ごとである。送信側遅進算出部15は、送信側時刻取得部11から共通時刻Tを取得するとともに送信側クロック部12から送信側時刻Tを取得し、共通時刻Tと送信側時刻Tとの間の送信側遅進TSDを算出する。送信側遅進TSDの具体的な算出例については、実施形態2で説明したとおりである。
【0049】
一方、受信側時刻取得部21が、共通クロック源30からの共通時刻Tを複数回取得する。受信側時刻取得部21が共通時刻Tを取得するタイミングは任意であり、例えば一定時間ごとである。受信側遅進算出部25は、受信側時刻取得部21から共通時刻Tを取得するとともに受信側クロック部22から受信側時刻Tを取得し、共通時刻Tと受信側時刻Tとの間の受信側遅進TRDを算出する。受信側遅進TRDの具体的な算出例については、実施形態2で説明したとおりである。
【0050】
被測定信号送信手順S102において、送信側遅進TSDを被測定信号Sにさらに載せて被測定信号Sを送信側遅延測定装置10から受信側遅延測定装置20へ送信する。例えば、時刻情報送信部13は、送信側クロック部12から送信側時刻Tを取得するとともに、送信側遅進算出部15から送信側遅進TSDを取得し、送信側時刻T及び送信側遅進TSDを載せた被測定信号Sを送信する。
【0051】
遅延算出手順S103において、遅進算出手順S105で算出した受信側遅進TRDを用いて受信側時刻Tを補正し、被測定信号送信手順S102において送信した送信側遅進TSDを用いて送信側時刻Tを補正し、送信側遅延測定装置10から受信側遅延測定装置20までの被測定信号Sの遅延時間を算出する。
【0052】
例えば、時刻情報受信部23は、被測定信号Sに載せられている送信側時刻T「10時00分06秒」及び送信側遅進TSD「3秒あたり2秒の進み」を出力する。遅延算出部24は、時刻情報受信部23から送信側時刻T「10時00分06秒」及び送信側遅進TSD「3秒あたり2秒の進み」を取得し、受信側クロック部22から受信側時刻T「10時00分30秒」を取得し、受信側遅進算出部25から受信側遅進TRD「3秒あたり1秒の遅れ」を取得する。
【0053】
そして、遅延算出部24は、送信側遅進TSDを用いて送信側時刻Tを補正する。例えば、送信側遅進TSDが「3秒あたり2秒の進み」であり、送信側時刻Tが「10時00分06秒」であれば、実施形態2で説明したように、補正後の送信側時刻TSCを「10時00分04秒」と算出する。
【0054】
また、遅延算出部24は、受信側遅進TRDを用いて受信側時刻Tを補正する。例えば、受信側遅進TRDが「3秒あたり1秒の遅れ」であり、受信側時刻Tが「10時00分30秒」であれば、実施形態2で説明したように、補正後の受信側時刻TRCを「10時00分40秒」と算出する。
【0055】
そして、遅延算出部24は、補正後の送信側時刻TSC及び受信側時刻TRCを用いて時刻情報送信部13から時刻情報受信部23までの被測定信号Sの遅延時間を算出する。例えば、補正後の受信側時刻TRC「10時00分40秒」から補正後の送信側時刻TSC「10時00分04秒」を減算する。これにより、送信側遅延測定装置10から受信側遅延測定装置20までの被測定信号Sの遅延時間を「36秒」と算出することができる。
【0056】
本実施形態に係る遅延測定システム及び遅延測定方法は、遅進算出手順S105を有するため、発振器17及び発振器27のタイミングのずれに起因して発生する共通時刻Tと送信側時刻T及び受信側時刻Tとのずれを補正することができる。これにより、送信側時刻T及び受信側時刻Tの時刻同期を維持する精度を高めることができる。なお、遅進算出手順S105では、共通時刻Tの取得を1回のみ行ったが、2回以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
10:送信側遅延測定装置
11:送信側時刻取得部
12:送信側クロック部
13:時刻情報送信部
15:送信側遅進算出部
16:送信側時刻補正部
17:発振器
18:アンテナ
20:受信側遅延測定装置
21:受信側時刻取得部
22:受信側クロック部
23:時刻情報受信部
24:遅延算出部
25:受信側遅進算出部
26:受信側時刻補正部
27:発振器
28:アンテナ
30:共通クロック源
100:通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通クロック源からの共通時刻を取得する送信側時刻取得部(11)、独立した発振器で時刻を刻み、定期的又は外部からの指示により前記送信側時刻取得部の取得する共通時刻に時刻同期し、送信側時刻を出力する送信側クロック部(12)及び前記送信側クロック部から送信側時刻を取得し、被測定信号の送信時における送信側時刻を載せて前記被測定信号を送信する時刻情報送信部(13)を備える送信側遅延測定装置(10)と、
前記共通クロック源からの共通時刻を取得する受信側時刻取得部(21)、独立した発振器で時刻を刻み、定期的又は外部からの指示により前記受信側時刻取得部の取得する共通時刻に時刻同期し、受信側時刻を出力する受信側クロック部(22)、前記時刻情報送信部の送信する前記被測定信号を受信して前記被測定信号に載せられている送信側時刻を出力する時刻情報受信部(23)及び前記受信側クロック部から受信側時刻が入力され、前記被測定信号の受信時における受信側時刻を検出し、検出する受信側時刻及び前記時刻情報受信部からの前記送信側時刻を用いて前記時刻情報送信部から前記時刻情報受信部までの前記被測定信号の遅延時間を算出する遅延算出部(24)を備える受信側遅延測定装置(20)と、
を備える遅延測定システム。
【請求項2】
前記送信側遅延測定装置は、
前記送信側時刻取得部から共通時刻を取得するとともに前記送信側クロック部から送信側時刻を取得し、共通時刻と送信側時刻との間の送信側遅進を算出する送信側遅進算出部(15)と、
前記送信側遅進算出部の取得する送信側遅進を用いて、前記送信側クロック部の出力する送信側時刻を補正する送信側時刻補正部(16)と、
を備え、
前記受信側遅延測定装置は、
前記受信側時刻取得部から共通時刻を取得するとともに前記受信側クロック部から受信側時刻を取得し、共通時刻と受信側時刻との間の受信側遅進を算出する受信側遅進算出部(25)と、
前記受信側遅進算出部の取得する受信側遅進を用いて、前記受信側クロック部の出力する受信側時刻を補正する受信側時刻補正部(26)と、
を備え、
前記送信側時刻取得部及び前記受信側時刻取得部は、前記共通クロック源からの共通時刻を複数回取得し、
前記時刻情報送信部は、前記送信側時刻補正部から補正後の送信側時刻を取得し、被測定信号の送信時における送信側時刻を載せて前記被測定信号を送信し、
前記遅延算出部は、前記受信側時刻補正部から補正後の受信側時刻が入力され、前記被測定信号の受信時における受信側時刻を検出し、検出する受信側時刻及び前記時刻情報受信部からの送信側時刻を用いて前記時刻情報送信部から前記時刻情報受信部までの前記被測定信号の遅延時間を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の遅延測定システム。
【請求項3】
前記送信側遅延測定装置は、
前記送信側時刻取得部から共通時刻を取得するとともに前記送信側クロック部から送信側時刻を取得し、共通時刻と送信側時刻との間の送信側遅進を算出する送信側遅進算出部(15)を備え、
前記受信側遅延測定装置は、
前記受信側時刻取得部から共通時刻を取得するとともに前記受信側クロック部から受信側時刻を取得し、共通時刻と受信側時刻との間の受信側遅進を算出する受信側遅進算出部(25)を備え、
前記送信側時刻取得部及び前記受信側時刻取得部は、前記共通クロック源からの共通時刻を複数回取得し、
前記時刻情報送信部は、前記送信側遅進算出部から送信側遅進を取得し、前記送信側遅進をさらに載せた前記被測定信号を送信し、
前記時刻情報受信部は、前記被測定信号に載せられている送信側遅進をさらに出力し、
前記遅延算出部は、前記時刻情報受信部からさらに送信側遅進を取得して前記送信側時刻を補正し、前記受信側遅進算出部から受信側遅進を取得して前記受信側時刻を補正し、補正後の送信側時刻及び受信側時刻を用いて、前記時刻情報送信部から前記時刻情報受信部までの前記被測定信号の遅延時間を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の遅延測定システム。
【請求項4】
送信側遅延測定装置(10)及び受信側遅延測定装置(20)が共通クロック源からの共通時刻を取得し、独立した発振器で時刻を刻み、定期的又は外部からの指示により前記送信側遅延測定装置内の送信側時刻及び前記受信側遅延測定装置内の受信側時刻を時刻同期させる時刻同期手順(S101)と、
被測定信号の送信時における送信側時刻を載せた前記被測定信号を前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置へ送信する被測定信号送信手順(S102)と、
前記被測定信号の受信時における受信側時刻及び前記被測定信号に載せられている送信側時刻を用いて前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置までの前記被測定信号の遅延時間を算出する遅延算出手順(S103)と、
を順に有する遅延測定方法。
【請求項5】
前記時刻同期手順から一定時間後に前記共通クロック源からの共通時刻を前記送信側遅延測定装置及び前記受信側遅延測定装置で取得し、前記送信側遅延測定装置の取得した共通時刻と送信側時刻の間の送信側遅進を用いて送信側時刻を補正するとともに、前記受信側遅延測定装置の取得した共通時刻と受信側時刻の間の受信側遅進を用いて受信側時刻を補正する時刻補正手順(S104)を、前記時刻同期手順及び前記被測定信号送信手順の間にさらに有し、
前記被測定信号送信手順において、前記時刻補正手順で補正した送信側時刻を載せた前記被測定信号を前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置へ送信し、
前記遅延算出手順において、前記時刻補正手順で補正した受信側時刻を用いて前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置までの前記被測定信号の遅延時間を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の遅延測定方法。
【請求項6】
前記時刻同期手順から一定時間後に前記共通クロック源からの共通時刻を前記送信側遅延測定装置及び前記受信側遅延測定装置で取得し、前記送信側遅延測定装置の取得した共通時刻と送信側時刻の間の送信側遅進を算出するとともに、前記受信側遅延測定装置の取得した共通時刻と受信側時刻の間の受信側遅進を算出する遅進算出手順(S105)を、前記時刻同期手順及び前記被測定信号送信手順の間にさらに有し、
前記被測定信号送信手順において、前記遅進算出手順で算出した送信側遅進を前記被測定信号にさらに載せて前記被測定信号を前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置へ送信し、
前記遅延算出手順において、前記被測定信号送信手順において送信した送信側遅進を用いて前記送信側時刻を補正し、前記遅進算出手順で算出した受信側遅進を用いて前記受信側時刻を補正し、補正後の送信側時刻及び受信側時刻を用いて、前記送信側遅延測定装置から前記受信側遅延測定装置までの前記被測定信号の遅延時間を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の遅延測定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−9960(P2012−9960A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142072(P2010−142072)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】