説明

遠心噴霧装置

【課題】 従来の水タンクから水を圧送し、水を噴出溝から粒子状にして、噴出する構造である。しかし、粒子の粒が粗くなり、大型粒子が発生する。そして、大型粒子を、遠方まで飛散するには、回転板の回転数及び/又はスピード・送風量の拡大が必要となり、消費電力、エネルギー消費と、環境破壊を助成すること等の問題が発生する。飛散しなかった大型粒子の滴下による作物又は家畜へ濡れ、疾病発生が生じる課題がある。
【構成】 開放形のケーシングに架承した回転軸に固止した回転羽根、回転羽根を回転するモータと、ケーシングには、間隔をおいて、基端側が閉塞された噴霧用の筒体、筒体に内設した環状体に回転板を設け、回転板に水を圧送するポンプを付設し、環状体の円周面(X面)の短手方向に、傾斜した多数枚の傾斜突条及び貫通孔を繞設し、傾斜突条の傾斜面は、円周面(X面)の長手方向に対して、略90°の曲がりで立設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウス、畜舎、工場等の建屋で冷房又は加湿を行うことで、建屋内の温湿度の偏差を解消し、作物、家畜の生育環境、労働環境の向上に寄与する遠心噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、天候、気象条件に影響を受けずに、建屋における作物を栽培し又は家畜を飼育し、年中に亘り、人々が望む食物を収穫するという目的のもと、ビニールハウス等のハウス栽培が重宝されてきた。しかし、これらのハウスは、天井面、妻面に換気扇、循環扇を設置しないとハウス内での外気及び/又は内気の送風又は循環がなく、略密封された空間であるため、ハウス栽培で生育する作物は疫病にかかりやすかった。次に、畜舎においても、畜舎内の換気が充分に行えないため、畜舎で飼育する豚、牛、鶏等の家禽が疾病にかかりやすく、その生育環境の改善が求められていた。
【0003】
また、作物の種類によっては、温度と湿度の偏差により、作物の結露、着霜、葉核病、疫病等の疾病が発生し、収穫量の減少、良質な作物が収穫できなくなり、また、害虫が発生し、ハウス栽培の効率化が図れない等の様々な問題点があった。
【0004】
また、前記と同様に、工場内においても、工場の占有面積が広大であると、その工場に設けた冷房機器だけ充分な冷房が行えず、作業者にとって、酷であり、昨今多発している熱中症等の病気を併発し、安全な労働環境が求められてきた。
【0005】
そこで、このような問題を解決するための手段として、細霧及び/又は散霧を噴霧する装置又は方法が開示されていたので、本願発明に係る先行文献調査に基づく公報を幾つか下記に例示する。
【0006】
文献(1)は、特開2001−141268号の「加湿装置」がある。この概要は、送風ファンの送風作用で吸入口を通じて吸入された空気を吐出口へ吐出し、この送風ファンの下側に加湿用の水が貯蔵される水タンクを備えたケーシングと、水タンクの水を水道管に強制圧送するポンプと、ケーシングの吸入口及び吐出口の間に位置し、この送風ファンの中心から放射状に多数形成された長方形の水の噴出溝を備えた水を噴霧する回転体と、回転体の外周縁を覆うように形成し、かつこの円周方向に多数のスリット溝が形成され、ハウジングの一側面にネジ固定された固定体でなる構成であり、点検及び保守の作業性の向上を自由に移動可能な一体型の構造を提供することを意図する。
【0007】
また、文献(2)は、実用新案登録第3068525号の「ミストファン及びミストファンキット」がある。この概要は、ミストファンは、送風扇を備えている送風扇枠の前面に、送風扇の羽根径に見合ったサイズで4個の噴出口を有するリング状の送液管を設置し、この送液管に設けられている水供給口から所定の圧力(1kgf/cm2 〜8kgf/cm2 )をかけた水を供給すると共に、送風扇を回転させて、この風圧で、噴出口からミストを温室内に拡散し、このミストの気化潜熱により、温室内を冷房する。このミストファンには、下方に水受けを設置することにより、送液管において結露した水滴を、下方で受け止める構成であり、送液管内に消毒液や水を一定以上の圧力をかけて供給し、かつ送風扇を作動させて、送液管の噴出口から噴霧されるミストを、ビニールハウス、温室、又は畜舎内に拡散させ、室内の消毒や気化潜熱による冷房を意図する。
【0008】
また、文献(3)は、再公表1998−05432号の「散霧装置および散霧方法物」がある。この概要は、互いに対向配置された対向円盤の間に中心から外周方向に延びた複数の羽根を挟んで配置した羽根車を構成し、その中央に、給水用の開口を形成する。また、の対向円盤の間の空間に、給水開口から流入した水が衝突するように複数の邪魔部材を配設する構成であって、ビニールハウスないし温室、畜舎、農作物等に大量の噴霧を行う構成とし、簡易な装置によって、大量の細霧を発生させ、広い領域に散布可能とすることを意図する。
【0009】
【特許文献1】特開2001−141268号
【特許文献2】実用新案登録第3068525号
【特許文献3】再公表1998−05432号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
文献(1)は、水タンクから加湿用の水を圧送して、この水を噴出溝から粒子状にて、噴出する構造であるが、この構造における粒子の粒が粗くなり、大型粒子(微細粒子よりも大型な粒子)が発生すると考えられる。この大型粒子を、遠方まで飛散するには、例えば、回転板の回転数及び/又はスピード・送風量の拡大と、ポンプの大型化が必要となり、消費電力、エネルギーを消費すること、環境破壊を助成すること等の問題が発生する。そして、また、回転板の回転数を上げることから、通常の回転数では、飛散しなかった大型粒子の滴下による作物又は家畜へ水滴による濡れが発生し、この濡れによって、疾病発生が生じること、又は水滴の濡れがあることから、水漏れによる無駄があり、改良の余地が考えられる。
【0011】
次に、文献(2)は、送風扇枠の前面に、4個の噴出口を有するリング状の送液管を設置し、これらの噴出口から水を噴霧する構造であるが、この構造上、噴出口の形状が大きいため、前記文献(1)と同様に粒子の大きさが大きくなり、大型粒子が発生すると考えられる。また、これらの噴出口を4個に分散して設けているが、送液管の噴出口以外からは、水の噴霧が行われないため、所定の水量から、一気に、多くの微細粒子が発生(噴出)しない課題と、また、仮に、回転羽根による送風量を増加しても、大型粒子のため、遠方まで噴霧されないこと、前述した噴霧能力では、充分な効果は期待できないこと、等の改良点が挙げられる。そして、この発明では、ミストファンキッドを、多数台設置が必要となり、メンテナンスの煩雑化、管理に手間がかかること、稼動コストの上昇等の問題も発生する。
【0012】
また、文献(3)は、文献(1)、文献(2)と構成は異なるが、文献(1)と同様に大型粒子が発生し、前述したような各種の問題が発生すると考えられる。
【0013】
そして、前記文献(1)〜文献(3)では、本発明が意図する構造・効果、即ち、大型粒子の微細粒子化を図るために、この大型粒子を、傾斜突条及び/又は貫通孔の構造、及び/又は、傾斜突条及び/又は貫通孔の形状の特性を発揮し、後述する(イ)〜(へ)の効果を達成することは、困難視される。
【0014】
上記に鑑み、本発明は、下記の構造と、(イ)〜(へ)の効果の達成を意図する。
(イ)回転板と、環状体に設けた傾斜突条の傾斜面と、貫通孔の孔壁面で形成されるエリミネーター機構を介して、回転板からの風により、細霧粒子は、拡散(飛散)される。この細霧粒子は、略乾燥状態の傾斜面と、孔壁面との衝突し、微細粒子となり(微粒子化され)、この微細粒子は、回転板及び回転羽根(ファン)による送風で、ケーシングの内周面から、その外側に向かって飛散され、かつ遠方まで噴霧及び/又は拡散(飛散)される特徴と、また、水及び/又は空気の圧送損失の減少化が図れ、かつ、エネルギー資源の軽減化(省エネ化)に役立つ効果がある。
(ロ)環状体の円周面に、傾斜突条及び/又は貫通孔を繞設し、粒子を確実に微細粒子化することで、ケーシングの他方端、又は筒体の自由端側(先端側)から、水滴の垂れ防止と、作物又は家畜、機械部品等の各分野での農畜産作業者、工場作業者(当事者)等の濡れ防止と、作物・畜産の品質の劣化防止と、その濡れによる疾病防止を図り、また、当事者の安全な農作業・加工作業及び/又は優れた労働環境を提供できる特徴がある。
(ハ)傾斜突条及び/又は貫通孔を設け、圧送損失を回避することで、ハウス、畜舎、工場等の建屋における遠方への微細粒子噴射及び広域的な細霧冷房と、加湿効果が図れる。従って、例えば、ハウスの作物、又は畜舎の家畜の生育と、工場の機械部品の品質向上と、また、当事者の身体等に対して、効率よく細霧、噴霧が行えることで、作業の能率化と、職場環境維持と、健康維持等に寄与できる効果がある。
(ニ)環状体の円周面(X面)の短手方向に対して、多数枚の傾斜突条及び多数個の貫通孔を繞設し、この傾斜突条の傾斜面は、円周面(X面)の長手方向に対して、略90°の曲がり(Y)で立設する(斜設する)ことで、細霧粒子の衝突角度を維持しつつ(細霧粒子と傾斜面の衝突を図り)、この細霧粒子から変換された微細粒子は、傾斜突条の傾斜面における基端部(折曲げ部基端側)から自由端部及び折曲げ部の先端部に移動し、それぞれの先端部からの飛散を確保できる。従って、微細粒子の生成を促進し、かつ効率的な発生が図れる効果がある。そして、ハウス、畜舎では、保温性、通気性の向上等を介して、生育環境を整えることで、良質な農作物、又は畜産製品を提供でき、また、この農作物、又は畜産製品の収穫量の拡充を図れる実益がある。また、工場では、保温性、通気性、環境の向上等を介して、作業の能率化、生産性の向上が図れる効果がある。
(ホ)また、細霧粒子が、傾斜突条の傾斜面及び/又は貫通孔の孔壁面に衝突し、微細粒子となり、そして、この細霧粒子は、この傾斜突条の傾斜面が、円周面(X面)の短手方向に傾き、かつその長手方向に略90°の曲がり(Y)で立設する構造であるため、微細粒子となり、しかも回転板からの風の遠心力が働き、それぞれの先端部から飛散する。従って、傾斜突条の傾斜面及び/又は貫通孔の孔壁面には、細霧粒子、又はこの細霧粒子の結合で発生する大型粒子群が滞留することなく、この傾斜面及び/又は孔壁面は、略乾燥された状態となることから、微細粒子化と、傾斜面及び/又は孔壁面の衝突が、常時保証されること、微細粒子の発生が効率よく行え、かつ細霧粒子の微細化が図れる効果がある。
(へ)微細粒子の遠方までの飛散が可能となる。従って、例えば、ハウス内に設置する細霧装置、循環扇等の機材の減少化が図れること、また、メンテナンス・その他の管理の容易化、簡略化と、さらには、ランニングコスト・省エネルギー資源の低廉化・経済性に貢献できること等の効果がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、上記の(イ)〜(へ)の目的を達成することを意図する。
【0016】
請求項1は、一方端に吸込口、他方端に吐出口を有するケーシングには、このケーシングに架承したモータと、このモータに設けた回転軸と、この回転軸に固止した回転羽根を設けるとともに、このケーシングには、間隔をおいて設けた基端側が閉塞された噴霧用の筒体と、この筒体に隙間を置いて内設した環状体と、この環状体に環状端部を近接して設けた回転板と、この回転板を回転するモータを設け、また、ケーシングには、前記回転板に向って、水を圧送するポンプを付設する構成とした遠心噴霧装置であって、
前記環状体には、この環状体の円周面(X面)の長手方向に対して、略90°の曲がり(Y)で立設する多数枚の傾斜突条、及びこの多数枚の傾斜突条に隣接し、かつこの傾斜突条の曲がり面部と同じ形状の貫通孔をそれぞれ設ける構成とするとともに、この多数枚の傾斜突条は、この環状体の円周面(X面)の短手方向に対して傾斜する構造とした遠心噴霧装置である。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成するのに最適な突条及び/又は貫通孔の形状を提供することを意図する。
【0018】
請求項2は、請求項1に記載の貫通孔は、放射方向(Z方向)より、俯瞰視して、方形状であり、かつこの貫通孔は、前記環状体の円周面(X面)の短手方向に対して、偏倚して開設されている構造とした遠心噴霧装置である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明は、一方端に吸込口、他方端に吐出口を有するケーシングには、モータ、回転軸、並びに回転羽根を設け、かつケーシングには、間隔をおいて設けた基端側が閉塞された噴霧用の筒体に隙間を置いて内設した環状体と、環状体に環状端部を近接して設けた回転板と、回転板用のモータと、水を圧送するポンプを付設する構成とした遠心噴霧装置であって、
環状体には、環状体の円周面(X面)の長手方向に対して、略90°の曲がり(Y)で立設する多数枚の傾斜突条、及び多数枚の傾斜突条に隣接し、かつ傾斜突条の曲がり面部と同じ形状の貫通孔をそれぞれ設ける構成とするとともに、多数枚の傾斜突条は、環状体の円周面(X面)の短手方向に対して傾斜する構造とした遠心噴霧装置である。
【0020】
この請求項1の特徴と、実益は、
(イ)回転板と、環状体に設けた傾斜突条の傾斜面と、貫通孔の孔壁面で形成されるエリミネーター機構を介して、回転板からの風により、細霧粒子は、拡散(飛散)される。この細霧粒子は、略乾燥状態の傾斜面と、孔壁面との衝突し、微細粒子となり(微粒子化され)、この微細粒子は、回転板及び回転羽根(ファン)による送風で、ケーシングの内周面から、その外側に向かって飛散され、かつ遠方まで噴霧及び/又は拡散(飛散)される特徴と、また、水及び/又は空気の圧送損失の減少化が図れ、かつ、エネルギー資源の軽減化(省エネ化)に役立つ効果がある。
(ロ)環状体の円周面に、傾斜突条及び/又は貫通孔を繞設し、粒子を確実に微細粒子化することで、ケーシングの他方端、又は筒体の自由端側(先端側)から、水滴の垂れ防止と、作物又は家畜、機械部品等の各分野での農畜産作業者、工場作業者(当事者)等の濡れ防止と、作物・畜産の品質の劣化防止と、その濡れによる疾病防止を図り、また、当事者の安全な農作業・加工作業及び/又は優れた労働環境を提供できる特徴がある。
(ハ)傾斜突条及び/又は貫通孔を設け、圧送損失を回避することで、ハウス、畜舎、工場等の建屋における遠方への微細粒子噴射及び広域的な細霧冷房と、加湿効果が図れる。従って、例えば、ハウスの作物、又は畜舎の家畜の生育と、工場の機械部品の品質向上と、また、当事者の身体等に対して、効率よく細霧、噴霧が行えることで、作業の能率化と、職場環境維持と、健康維持等に寄与できる効果がある。
(ニ)環状体の円周面(X面)の短手方向に対して、多数枚の傾斜突条及び多数個の貫通孔を繞設し、この傾斜突条の傾斜面は、円周面(X面)の長手方向に対して、略90°の曲がり(Y)で立設する(斜設する)ことで、細霧粒子の衝突角度を維持しつつ(細霧粒子と傾斜面の衝突を図り)、この細霧粒子から変換された微細粒子は、傾斜突条の傾斜面における基端部(折曲げ部基端側)から自由端部及び折曲げ部の先端部に移動し、それぞれの先端部からの飛散を確保できる。従って、微細粒子の生成を促進し、かつ効率的な発生が図れる効果がある。そして、ハウス、畜舎では、保温性、通気性の向上等を介して、生育環境を整えることで、良質な農作物、又は畜産製品を提供でき、また、この農作物、又は畜産製品の収穫量の拡充を図れる実益がある。また、工場では、保温性、通気性、環境の向上等を介して、作業の能率化、生産性の向上が図れる効果がある。
(ホ)また、細霧粒子が、傾斜突条の傾斜面及び/又は貫通孔の孔壁面に衝突し、微細粒子となり、そして、この細霧粒子は、この傾斜突条の傾斜面が、円周面(X面)の短手方向に傾き、かつその長手方向に略90°の曲がり(Y)で立設する構造であるため、微細粒子となり、しかも回転板からの風の遠心力が働き、それぞれの先端部から飛散する。従って、傾斜突条の傾斜面及び/又は貫通孔の孔壁面には、細霧粒子、又はこの細霧粒子の結合で発生する大型粒子群が滞留することなく、この傾斜面及び/又は孔壁面は、略乾燥された状態となることから、微細粒子化と、傾斜面及び/又は孔壁面の衝突が、常時保証されること、微細粒子の発生が効率よく行え、かつ細霧粒子の微細化が図れる効果がある。
(へ)微細粒子の遠方までの飛散が可能となる。従って、例えば、ハウス内に設置する細霧装置、循環扇等の機材の減少化が図れること、また、メンテナンス・その他の管理の容易化、簡略化と、さらには、ランニングコスト・省エネルギー資源の低廉化・経済性に貢献できること等の効果がある。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1に記載の貫通孔は、放射方向(Z方向)より、俯瞰視して、方形状であり、かつこの貫通孔は、前記環状体の円周面(X面)の短手方向に対して、偏倚して開設されている構造とした遠心噴霧装置である。
【0022】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成できること、この目的を達成するのに最適な傾斜突条及び/又は貫通孔の形状を提供できること、等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の図面の説明をすると、図1は、遠心噴霧装置の一例を示した断面側面図、図2は、図1の正面図、図3は、図1の背面図、図4は、図1の環状体及び筒体の要部における一部を示した斜視拡大俯瞰図、図4−1は、環状体の一部の展開状態を示した拡大展開図、図4−2は、環状体の一部の展開状態を示した拡大展開図、図4−3は、環状体の一部の展開状態を示した要部拡大斜視図であり、微細粒子の飛散の流れを示す摸式図、図4−4は、環状体の組み立て状態を示した正面模式図、図5は、図1の側面図、図6は、使用状態を示した第一の参考斜視図、図7は、使用状態を示した第二の参考斜視図、図8−1は、本発明における微細粒子が傾斜突条及び貫通孔に衝突した際の粒子の流れを示した模式図、図8−2は、従来技術における微細粒子が、単に立設した突条及び貫通孔に衝突した際の大型粒子群の流れを示した模式図、図8−3は、図8−2の例における大型粒子群の流れを示した模式図である。
【0024】
本発明は、細霧粒子及び/又は微細粒子を生成する遠心細霧装置と、この細霧粒子の生成と、拡散を図る回転板と、エリミネ―ター機構として機能する環状体を主構成とする。そして、各構成を分節にして説明し、その後、細霧粒子の生成と、微細粒子の生成、並びにその飛散(微細粒子の流れ)を説明である。
【0025】
(1)遠心細霧装置の構造を説明する。
【0026】
図1において、遠心細霧装置1について説明する。この遠心細霧装置1は、ハウス、工場、建物等(以下、建屋Aとする)に設置するが、この遠心噴霧装置1は、ハウス、畜舎、工場等の、栽培、飼育、敷地面積の大きさ、温湿度の程度と、又は作物・家畜の生育条件、設置場所により、工場環境(作業)等により、その配置場所・配置数は、適宜変更される。
【0027】
そして、この遠心細霧装置1の外郭体を説明すると、この外郭体は、開放型の略筒状のケーシング2であって、このケーシング2の一方端2aを吸込口3に、また、他方端2bを吐出口4とする。このケーシング2の一方端2aに設けた吸込口3から、建屋Aの外気及び/又は滞留、循環する内気(外気とする)を吸込み、この外気は、他方端2bの吐出口4に向かって送られる。この送りを確保するために、このケーシング2内には、吸込み兼送風用の回転羽根6を設ける。この回転羽根6は、ケーシング2に架承したモータ8の出力軸7に軸止する構造とし、モータ8の駆動と、出力軸7の回転で、所定の回転数で回転する。従って、前述の如く、回転し、この回転を介して、吸込口3からの外気の吸込み、吐出口4に送風する。具体的には、この回転羽根6は、建屋A内外気の吸込みと、この内外気の送風をする構造である。前述した内外気の送風を担持するために、回転羽根6は、ケーシング2の内周面との間に、間隔Sを設けて、架承されている。そして、この構造を採用することから、この回転羽根6のスムーズな回転が図れ、また、騒音発生を抑制できるものと考えられる。
【0028】
このケーシング2の他方端2bの内方に、噴霧手段用の筒体10を設ける。また、このケーシング2の内周面と、筒体10との間には間隙Sを設ける。この間隙Sは、前記回転羽根6で生成された風の送風通路となる。尚、この筒体10の基端側10a(モータ側)には、その内周面に所定の間隔S1を設けて環状体11が内装されている。さらに、この筒体10には、その短手方向X1の自由端側10bに帯状の環体部10cを形成する。この環体部10cは、ホース21の貫通箇所となり、かつ回転板12からの水滴が、垂れた場合は、この環体部10cでキャッチし、水滴を受入れる構造(水の回収に役立つ構造)とし、水滴の垂れに起因する濡れと、この濡れに起因する各種の病気、品質劣化等の弊害を回避できる。そして、また、この筒体10の短手方向X1の基端側10aに設けた内側鍔片10dには、環状体11の後方内鍔片11eを添接し、内側鍔片10dと後方内鍔片11eを、螺子14を介して一体とするとともに、この内側鍔片10dと、後述する環状体11の後面板1000との間に隙間を形成し、この隙間に、回転板12を設ける構造である。また、この環状体11より延設した後面板1000には、モータケース8000と、モータケース8000に設けたモータ8とを支持する(モータ8の支持は、ケーシング2とブラケットで、可能である)。尚、前記後端内鍔片11eには、後面板1000を取付けて、環状体11の基端側11aを閉塞し、細霧粒子C、又は微細粒子Dの無駄な飛散をなくす。
【0029】
前記環状体11には、その内面より間隔S1をおいて、表面に凹凸条を備えた円盤(浅皿)形状の回転板12を内装する。この環状体11には、僅かな隙間を置いて、この回転板12の環状端部12aを近接し、この回転板12から飛散される細霧粒子Cを適確に、後述する傾斜突条及び/又は貫通孔の壁面に衝突させる。そして、この回転板12の後端は、前述したように、筒体10の後面板1000でカバーされるとともに、この回転板12は、前記モータ13の出力軸13aに固止されている。従って、この回転板12は、モータ13の回転を介して、適宜の回転数で回る。尚、この回転板12の円盤形状の凹凸条は、回転板12の表面積の拡大が図れることから、例えば、給水手段から供給される水を、その広い表面で捉え、かつ水の滞留時間を確保できることと、水を放射方向(Z方向)に拡散し、表面の端部に、確実に流動できること等の特徴がある。また、この回転板12の凹凸条は、強度の向上及び/又は肉薄化が図れる特徴がある。尚、この凹凸条の形状及び/又は本数は、限定されない。
【0030】
(2)回転板の構造を説明する。
【0031】
回転板12の中心ボス部は、モータ13の出力軸13aに軸支されており、前述の如く、モータ13の運転により回転する。なお、この回転体12は、前記環状体11に内装できる径であり、この環状体11に接触せずに、スムーズかつ盲動することなく回転するので、水の効率的な飛散及び/又は噴霧化に役立つこと、並びに水の効率的な利用、又は風圧の損失の回避等が図れる。
【0032】
そして、この回転板12の表面には、水を供給するためホース21の開口が隣接して設けられている。このホース21の下端は、水を貯留するタンク20にあり、このタンク20は、ケーシング2の下部に添設、又は別置きされている。なお、このタンク20の貯水量を適宜調整するため、タンク20に水位センサ22を配備する。また、図示しないが、この水位センサ22に、電磁弁を配備した構成例では、水道等の給水設備から、随時、水の供給又は停止が図れ、有益であり、省人化に寄与できる。図中23は、この水道等の給水設備から水の供給を行う供給口である。また、図中25は、ポンプであり、前記供給口23から供給された水を随時搬送する。
【0033】
24は、噴霧量を調整するために、ケーシング2に添設又は別置きされた調整バルブである。なお、この調整バルブ24は、正転することでその噴霧量を減少し、反転することで噴霧量を増加させる構造とする。
【0034】
(3)環状体の構造を説明する。
【0035】
環状体11は、帯体11−1を環状に形成した構造であり、図示したように、この例においては、短手方向X1の後側を基端側11aで、前側を自由端側11bとする。そして、この基端側11aには、帯体11−1を曲折して形成した後端内鍔片11eを備えている。また、環状体11の基端側11aは、前記筒体10に設けた後面板1000で閉塞されている。尚、自由端側11bは、帯体11−1の前側であって、開放されているが、この自由端側11bは、ケーシング2の他方側2bの内側(短手方向X1において、後側)に位置する。この環状体11の基端側11aより自由端側11bに亘った幅(帯体11−1の帯幅)の略1/2の部位11−2の円周方向(X方向)に形成する円周面(X面)には、この環状体11の円周面(X面)の短手方向X1に対して、傾斜して設けた多数枚の傾斜突条110と、この多数枚の傾斜突条110の間に開設した多数個の貫通孔111を繞設する。そして、この傾斜突条110は、円周面(X面)の長手方向X2に対して、略90の曲がり(Y)で立設する(斜設する)構造である。この傾斜突条110の円周面(X面)の短手方向X1に対しての傾斜角度は、略5°〜略20°程度とする。この傾斜角度は、一例であり、限定されないが、例えば、噴霧量と、微細粒子等の条件で、この傾斜角度を調整する。また、この傾斜角度の調整で、この遠心噴霧装置1の汎用性と、利便性を確保する。そして、図8−1に示したように、回転板12より飛散された細霧粒子Cは、傾斜突条110の傾斜面110aに衝突するか、又は貫通孔111の孔壁面111aに衝突し、微細粒子Dとなるが、その流れの一例を説明する。この細霧粒子Cは、矢印「A」の如く、傾斜面110aの全平面、又は鋭角の基端側110a1に衝突し、微細粒子Dに変換された後、この傾斜面110aの開放側の自由端側110a2、110a3等に、回転板12の風圧で吹飛ばされ、この自由端側110a2、110a3等から、筒体10の自由端側10bを経由し(矢印「B」)、ケーシング1の吐出口4に向かって拡散される(矢印「C」)。また、この細霧粒子Cは、孔壁面111aに衝突し、微細粒子Dに変換された後、その円周面から、前述と同様なルートを辿ることもあり得る。そして、この際に、常に、傾斜突条110の傾斜面110aが、略乾燥した状態を確保できれば、微細粒子Dの確実な生成が図れる。しかし、この傾斜面110aに、例えば、細霧粒子C、又は次に飛散される細霧粒子Cと、合体して、大型粒子群(図示しない)が存在する状態では、続いて飛散される細霧粒子Cが、直接、傾斜面110aに衝突せず、残留する細霧粒子Cに衝突し、微細粒子化は図れない弊害がある。即ち、残留する細霧粒子C、又は大型粒子群(図示しない)がクッションの役目をして、微細粒子化を妨げることになる。従って、この傾斜面110aは、常に、略乾燥した状態(細霧粒子Cと、合体して、大型粒子群(図示しない)がない状態)が必要である。そして、この略乾燥された傾斜突条110の傾斜面110a及び/又は貫通孔111の孔壁面111aが存在することで、例えば、回転板12より放射方向に飛散された細霧粒子Cと、傾斜面110a及び/又は貫通孔111の孔壁面111aの衝突が常時、保証されることで、微細粒子化された微細粒子Dの発生と、この微細粒子Dとの発生の促進化(エリミネーター機構としての機能)が図れる特徴がある。
【0036】
また、前記円周面(X面)の短手方向X1の傾斜角度は、前記の角度が望ましく、その効果は、例えば、回転板12より飛散される細霧粒子Cが、傾斜突条110の傾斜面110a及び/又は貫通孔111の孔壁面111aに衝突し、この衝突で発生する微細粒子Dの歩留まりの向上(微細粒子Dの発生が効率)により、また、回転板12の回転数の減少化が可能と考えられること、さらに、ポンプ25からの水及び/又は回転羽根6による空気の圧送損失の減少化に寄与できること、等の利点が挙げられる。しかし、諸所の条件、又は使用の方法により、この角度は、適宜変更(調節)される。
【0037】
そして、他の例としては、傾斜突条110の傾斜面110aが、略乾燥状態で、かつ前記角度を有することで、細霧粒子Cは、傾斜面110aの衝突面積が大きくなり、その衝突の機会及び/又は程度が増加し、微細粒子Dの発生量が増加する。
【0038】
尚、図8−2及び図8−3に、従来の従来技術(同じ名称を使用する)における細霧粒子0Cが、折曲げ突条0110及び貫通孔0111に衝突した際の細霧粒子0Cの流れを示した模式図であるが、この場合は、回転板(図示しない)から飛散した細霧粒子0Cが、折曲げ突条0110の平面0110a及び貫通孔0111の孔壁面0111aに衝突するが、短手方向X1の傾斜がなく、長手方向X2の立上傾斜であることから、この平面0110aに付着する確立が多い。それがため、この付着した細霧粒子0C(残留噴霧粒子00C)と、次に回転板から飛散される細霧粒子00Cと、合体して、大型粒子群0Eが形成される確立が高い。この大型粒子群0Eは、前述のように、作物又は家畜、機械部品、人体等の濡れが発生したり、作物等の品質の劣化、並びにこの濡れに起因する疾病が発生したりする問題が生じる。また、微細粒子の生成及び/又は微細粒子の量不足等の深刻な問題が発生する。さらには、回転板の通常の回転数では飛散しないため、回転数の増加が必要であり、エネルギーロスと、機器の故障の発生等の要因となり、多くの問題を抱えることになる。これに対して、本発明の微細粒子の発生メカニズムは、前述の通りであり、図8−1に示してある。尚、この傾斜突条110の傾斜面110a及び/又は貫通孔111の孔壁面111aに衝突しない細霧粒子C、又は大型粒子群(図示しない)は、後述するように、帯環部112により、効率よく回収され、水粒子の再利用が図れることなどの様々な効果を生じる。尚、この噴霧粒子Cの中で、傾斜面110a及び/又は貫通孔111の孔壁面111aに衝突しない粒子は、放射方向に風圧により流され、帯環部112で回収される。この帯環部112を詳細に説明すると、この環状体11の自由端側11bより略中心位置(短手方向X1の略2分の1)で、この傾斜突条110及び/又は貫通孔111が設けられてない部位(外周面)に帯環部112を設ける。この帯環部112は、傾斜突条110及び/又は貫通孔111を介して、飛散及び/又は噴霧されなかった水を、筒体10の下端部に設けた水回収用の回収孔100に、誘導するものであり、水道としての役割をする。この構造で、環状体11から、筒体10への水の流れ(水滴の流れ)と、水滴の飛散又は漏れ防止等の各種弊害からの解消を図る。
【0039】
そして、環状体11の自由端側11bに設けた帯環部112は、この環状体11を流れる水の道とする。そして、この環状体11の表面に、梨子地(ショットブラスト)加工、電飾加工等の加工を施し、その表面を微細な凹凸形状を形成することで、水の滞留時間の確保、及び/又は急速な流下を回避すること、等を意図する。また、この環状体11に設けた多数個の傾斜突条110の表面に、梨子地加工、電飾加工等の加工を施し、その表面を微細な凹凸形状を形成することで、細霧粒子Cとの衝突度数の向上を図り、微粒子化を促進すること、等を意図する。
【0040】
前記回転板12の回転により拡散又は飛散(飛散とする)された水が、傾斜突条110と、この凹凸形状との衝突を介して、微細粒子Dとなる。また、この凹凸形状は、微細粒子Dを、環状体11及び/又は傾斜突条110の表面に残留させるための効果と、この微細粒子Dの表面張力による球体化を回避し、この傾斜突条110が傾斜角度を設けたことで、水滴の発生回避と、水滴の飛散及び/又は滴下をなくすこと、並びにこれらに纏わる前述の各弊害解消と、水の有効利用と、また、省エネルギー及び/又は環境維持の確保等を図ることができる。
【0041】
尚、この貫通孔111の形状は、適宜変更ができるが、貫通孔111の面積確保(微細粒子Dの飛散エリア確保)と、傾斜突条110を立ち上げ、この立ち上げの容易化、また、製造の容易化等を意図して、足付きの方形状スペースHを切落として形成する。このような構造において、この傾斜突条110を、前述の如く、所定の傾斜角度に立ち上げ(曲がり)を形成し、その後に、板体11fの一方端と他方端を係止し、環状体11を完成する。図4−1、及び図4−2、図4−3に関しては、貫通孔111を明瞭にするため、ハッチンを付した。そして、傾斜突条110の曲がり面部110dは、貫通孔111の開口孔と相似形とし、成形の確実性と、容易化を図るとともに、この曲がり面部110dを形成する。
【0042】
(4)遠方噴霧装置における流れを説明する。
【0043】
この遠方噴霧装置の構造は、詳述したので、この遠方噴霧装置の水の流れ、風の流れについて、以下に説明する。
【0044】
まず、回転羽根6の吸引により吸い込まれた建屋Aの内気及び/又は外気は、ケーシング2の吸込口3から吐出口4の方向へと順送される。
【0045】
また、前記タンク20よりホース21を介して圧送された水は、回転板12の回転(遠心力)で、放射方向(Z方向)へと、細霧粒子Cとなって、飛散される。この飛散した細霧粒子Cは、傾斜突条110の傾斜面110a及び/又は貫通孔111の孔壁面111aに衝突し易くなり、また、飛散した大型粒子群(図示しない)は、放射方向(Z方向)より放射状に飛散することで、略乾燥状態の傾斜突条110の傾斜面110a及び/又は貫通孔111の孔壁面111aに衝突し、細霧粒子Cの微細粒子化を促進し、かつエリミネーターとして機能を充分、発揮できることから、微粒子化された微細粒子Dの発生と、この発生の促進化が図れる。
【0046】
この生成された微細粒子Dは、前記環状体11の帯状の帯環部112の表面に形成された凹凸形状のため、この帯環部112に残留し、その後、送風により、吐出口4から送出(排出)される。尚、この送風で送出できなかった水滴又は大型粒子群(図示しない)は、帯環部112を流れ、筒体10の下部に設けた水回収用の回収孔100まで流下する。この回収孔100まで流下した水は、タンク20に貯留され、噴霧用の水として、再利用される。この帯環部112を流れる水は、筒体10にも流れこむ構造であり、水が大量に流れこんだ場合には、その水が筒体10外へと流出する危険性も生じる弊害が考えられる。そこで、本発明は、筒体10の開放側の下端部に、水漏れ防止用の防止壁101を設置する。これにより、この筒体10より、その外側に、水が溢れることなく、回収孔100によって、スムーズに回収される。
【0047】
(5)その他の構造を説明する。
【0048】
このケーシング2には、その上部に吊り具40を係止するための係止部材41を数箇所備えており、この係止部材41を介して、建屋Aにおける作業者が望む位置・向きに設置することが可能となり、重宝すること、微細粒子Dを自由、かつ広範囲に噴霧できること、又は取付け・メンテナンスの有効性が確保できる。
【0049】
また、この吊り具40の長さを変更することにより、遠心細霧装置1は、水平状態から俯角調整を行うことも可能である。この俯角調整が可能となることより、作物へ直接的な加湿及び冷却が行え、遠方まで微細粒子Dを噴霧することで、保温性、通気性の向上等の生育環境を整えることを図り、良質な作物が提供でき、作物の収穫量の拡充を図ることができる。尚、この俯角幅は、帯環部112が、水の流路となることを考慮すると、水の溢れに関して考慮する必要があるが、原則として、限定されない。また、この水(水滴)の溢れを防止するためにも、防止壁101の高さ、大きさ、形状を変更することも考える必要がある。尚、その他としては、遠心細霧装置1の設置箇所は、その敷地内の面積等の各種条件によって、変更される。そして、場合により、遠心細霧装置1から吐出口される微細粒子D及び/又は風の衝突で、室内の空気の流れを撹乱し、効率よく細霧冷房を図ることもあり得る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、遠心噴霧装置の一例を示した断面側面図
【図2】図2は、図1の正面図
【図3】図3は、図1の背面図
【図4】図4は、図1の環状体及び筒体の要部における一部を示した斜視拡大俯瞰図
【図4−1】図4−1は、環状体の一部の展開状態を示した拡大展開図
【図4−2】図4−2は、環状体の一部の展開状態を示した拡大展開図
【図4−3】図4−3は、環状体の一部の展開状態を示した要部拡大斜視図であり、微細粒子の飛散の流れを示す摸式図
【図4−4】図4−4は、環状体の組み立て状態を示した正面模式図
【図5】図5は、図1の側面図
【図6】図6は、使用状態を示した第一の参考斜視図
【図7】図7は、使用状態を示した第二の参考斜視図
【図8−1】図8−1は、本発明における微細粒子が傾斜突条及び貫通孔に衝突した際の粒子の流れを示した模式図
【図8−2】図8−2は、従来技術における微細粒子が単に立設した突条及び貫通孔に衝突した際の大型粒子群の流れを示した模式図
【図8−3】図8−3は、図8−2の例における大型粒子群の流れを示した模式図
【符号の説明】
【0051】
1 遠心細霧装置
2 ケーシング
2a 一方端
2b 他方端
3 吸込口
4 吐出口
6 回転羽根
7 回転軸
8 モータ
8000 モータケース
10 筒体
10a 基端側
10b 自由端側
10c 環体部
10d 内側鍔片
100 回収孔
101 防止壁
1000 後面板
11 環状体
11−1 帯体
11−2 幅の略1/2の部位
11a 基端側
11b 自由端側
11e 後端内鍔片
11f 板体
110 傾斜突条
110a 傾斜面
110a 基端側
110a2 自由端側
110a3 自由端側
110b 先端部
110b1 折曲げ先端部
110c 基端部
110d 曲がり面部
111 貫通孔
111a 孔壁面
112 帯環部
0C 細霧粒子
00C 残留噴霧粒子
0E 大型粒子群
0110 折曲げ突条
0110a 平面
0111 貫通孔
0111a 孔壁面
12 回転板
13 モータ
13a 出力軸
14 螺子
20 タンク
21 ホース
22 水位センサ
23 供給口
24 調整バルブ
25 ポンプ
40 吊り具
41 係止部材
A 建屋
C 噴霧粒子
D 微細粒子
S 間隙
S1 間隙
H 方形状スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方端に吸込口、他方端に吐出口を有するケーシングには、このケーシングに架承したモータと、このモータに設けた回転軸と、この回転軸に固止した回転羽根を設けるとともに、このケーシングには、間隔をおいて設けた基端側が閉塞された噴霧用の筒体と、この筒体に隙間を置いて内設した環状体と、この環状体に環状端部を近接して設けた回転板と、この回転板を回転するモータを設け、また、ケーシングには、前記回転板に向って、水を圧送するポンプを付設する構成とした遠心噴霧装置であって、
前記環状体には、この環状体の円周面(X面)の長手方向に対して、略90°の曲がり(Y)で立設する多数枚の傾斜突条、及びこの多数枚の傾斜突条に隣接し、かつこの傾斜突条の曲がり面部と同じ形状の貫通孔をそれぞれ設ける構成とするとともに、この多数枚の傾斜突条は、この環状体の円周面(X面)の短手方向に対して傾斜する構造とした遠心噴霧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の貫通孔は、放射方向(Z方向)より、俯瞰視して、方形状であり、かつこの貫通孔は、前記環状体の円周面(X面)の短手方向に対して、偏倚して開設されている構造とした遠心噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【公開番号】特開2009−270812(P2009−270812A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307576(P2008−307576)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(391008294)フルタ電機株式会社 (176)
【Fターム(参考)】