説明

遠隔操作装置

【課題】車両走行中は同乗者席からだけ確実に操作できる、安全な車両走行に効果を有する遠隔操作装置を提供する。
【解決手段】複数の表示部20に対して表示制御部が所定の点灯パターンでLED点灯等の表示制御を行なう。この点灯パターンに対応して同乗者席側からのみ視認又は操作可能な操作スイッチ30によりスイッチ操作を行ない、解除判断部が点灯パターンと操作スイッチ30の操作状態が合致しているかどうかを判断して車載機器の操作制限の解除をするかどうか判断する。これにより、点灯パターンと操作部の操作状態が合致したと判断された場合には、車両走行中であってもこの車載機器の操作制限の解除を行なって、この車載機器の操作を可能とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両の運転者席から操作されて、車両が停止していないときには所定の機能しか実行させることができないメイン操作部と、運転者席からは操作不可能でかつ運転者席以外の席からは操作可能な位置に設けられて車両の停止の検出に拘わらず複数の機能を実行させることができる同乗者専用操作部を備えた遠隔操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この遠隔操作装置によれば、車両が停止していないときには運転者は所定の機能のみを実行させることができるメイン操作部しか操作できず、複数の機能を実行させることができる同乗者専用操作部は同乗者だけが操作できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11―301364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の遠隔操作装置は、メイン操作部と同乗者専用操作部の2つの操作部を設ける必要がある。車両が停止している状態では、運転者と同乗者のどちらも同じ操作を可能とするから、2つの操作部を設けることは配置スペース及び搭載コストの観点から問題があった。
【0006】
本発明の目的は、車両走行中は同乗者席からだけ確実に操作できる、安全な車両走行に効果を有する遠隔操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、上記目的を達成するために、複数の表示部とそれに対応して設けられた操作部を有し、車両走行中の車載機器の操作制限の解除操作を同乗者席側から行なう操作制限解除用のスイッチ装置と、前記スイッチ装置の前記表示部を所定の表示パターンで表示させる表示制御部と、前記表示パターンと前記操作部の操作状態が合致しているかどうかを判断して前記車載機器の操作制限の解除を判断する解除判断部とを有する制御部と、を有することを特徴とする遠隔操作装置を提供する。
【0008】
[2]前記スイッチ装置は、前記表示部が運転者席側から容易には視認できない、又は、前記操作部が運転者席側から容易には操作できないものであることを特徴とする上記[1]に記載の遠隔操作装置であってもよい。
【0009】
[3]また、前記制御部は、前記表示制御部により前記複数の表示部のいくつかを所定の表示パターンで表示させることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の遠隔操作装置であってもよい。
【0010】
[4]また、前記制御部は、前記表示制御部により前記表示部を所定の順序で表示させることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の遠隔操作装置であってもよい。
【0011】
[5]また、前記制御部は、前記表示制御部により前記表示部の表示パターンを所定のタイミングで表示させ、前記タイミングと前記操作部の操作状態が合致しているかどうかを判断することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の遠隔操作装置であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車両走行中は同乗者席からだけ確実に操作できる、安全な車両走行に効果を有する遠隔操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る遠隔操作装置のスイッチ装置の配置状態の一例を示す車両内部の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1におけるスイッチ装置を拡大して示す拡大斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る遠隔操作装置の概略ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態に係る遠隔操作装置のスイッチ装置の点灯状態の一例を示す正面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6(a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る遠隔操作装置のスイッチ装置の点灯状態の一例を示す正面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8(a)、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る遠隔操作装置のスイッチ装置の表示部の点灯タイミングと操作部のタイミングを示すV−t図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本発明の第1の実施の形態]
(遠隔操作装置の構成)
本発明の第1の実施の形態に係る遠隔操作装置10は、複数の表示部20とそれに対応して設けられた操作部である操作スイッチ30を有し、車両走行中の車載機器の操作制限の解除操作を同乗者席側から行なう操作制限解除用のスイッチ装置である許可スイッチ100と、許可スイッチ100の表示部20を所定の点灯パターンで点灯させる表示制御部210と、点灯パターンと操作スイッチ30の操作状態が合致しているかどうかを判断して車載機器の操作制限の解除を判断する解除判断部120とを有する制御部200と、を有して構成されている。なお、表示部20は、例えば、文字、マーク、図形等の表示によるもので、上記示したような点灯表示以外の表示であってもよい。
【0015】
この遠隔操作装置10は、複数の表示部20に対して表示制御部110が所定の点灯パターンでLED点灯等の表示制御を行なう。この点灯パターンに対応して同乗者席側からのみ視認又は操作可能な操作スイッチ30によりスイッチ操作を行ない、解除判断部120が点灯パターンと操作スイッチ30の操作状態が合致しているかどうかを判断して車載機器の操作制限の解除をするかどうか判断するものである。点灯パターンと操作部の操作状態が合致したと判断された場合には、車両走行中であってもこの車載機器の操作制限の解除を行なって、この車載機器の操作を可能とするものである。
【0016】
本実施の形態に係る遠隔操作装置10は、例えば、遠隔操作によりナビゲーション装置を操作する遠隔ナビ等に好適に適用可能である。
【0017】
図1は、本発明の形態に係る遠隔操作装置の配置状態の一例を示す車両内部の概略斜視図である。図2は、図1における遠隔操作装置の許可スイッチ100を拡大して示す拡大斜視図である。
【0018】
図1に示すように、遠隔操作装置10は、例えば、車両1のセンターコンソール4に載置される。図2に示すように、遠隔操作装置10の本体部40は、その上面40bに遠隔操作のためのセンサパッド50を備えている。センサパッド50は、例えば、静電容量方式による入力装置であって、操作者が指等でタッチしたりなぞり操作をすることにより種々の入力操作をすることが可能である。センサパッド50を操作することで、車両に搭載された車載機器を遠隔操作することができる。また、このセンサパッド50へのタッチは、後述する点灯パターンの呈示のトリガとすることができる。
【0019】
許可スイッチ100は、表示部20a、20b、20c、20dと、それぞれの表示部に対応して押圧操作によりオン、オフ操作される操作スイッチ30a、30b、30c、30dから構成されている。各表示部は、例えば、LEDを内蔵して表示制御部210に制御されて所定の点灯パターン、又は、所定の点灯タイミングで点灯する。本実施の形態では、表示部と操作スイッチ(例えば、20aと30a)は、同一領域に配置される構成としたが、表示部と操作スイッチが分離して配置される構成であっても、それらの対応が明確にわかる配置であればよい。例えば、表示部と操作スイッチが隣接して配置され、あるいは、表示部と操作スイッチが図形、文字、マーク等により対応表示がなされている場合等である。
【0020】
この許可スイッチ100は、本体部40の同乗者席8の側の側面部40aに配置されている。許可スイッチ100は、表示部20が運転者席側から容易には視認できない、又は、操作スイッチ30が運転者席側から容易には操作できない配置とされている。運転者席側から容易には視認できない、とは、運転者席6に着座した運転者が通常の運転姿勢では視認できず、身を大きく乗り出す等の通常の運転姿勢でない状態でなければ視認できないことをいう。また、容易には操作できない、とは、運転者席6に着座した運転者が通常の運転姿勢では操作できず、身を大きく乗り出す等の通常の運転姿勢でない状態でなければ操作できないことをいう。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態に係る遠隔操作装置の概略ブロック図である。制御部200は、表示制御部210、解除判断部220を有して構成されている。制御部200は、所定のプログラムにより制御又は判断を行なうCPU、プログラムやパラメータ等を格納する記憶部、作業領域としてのRAM等から構成される。また、外部機器との接続を行なうインターフェース部等を有している。制御部200には、許可スイッチ100、センサパッド50が接続されると共に、LIN、CAN等の車載LAN300を介して、例えば、カーナビゲーション装置310、エアコン装置320、オーディオ装置330等の車載機器が接続されている。
【0022】
(第1の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る遠隔操作装置のスイッチ装置の点灯状態の一例を示す正面図である。許可スイッチ100において、表示部20a、20b、20c、20dのうち、例えば、表示部20a、20b、20dが点灯し表示部20cが消灯する、点灯パターンで点灯表示を行なう。第1の実施の形態では、複数の表示部の一部又は全部を順次又は同時に点灯させ、その点灯した表示部に対応するすべての操作スイッチを押圧操作によりオン操作した場合に、点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。上記の例では、表示部20a、20b、20dに対応する操作スイッチ30a、30b、30dが順次オン操作された場合、又は、同時にオン操作された場合に点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。
【0023】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を示すフローチャートである。遠隔操作装置10が動作を開始すると、制御部200において表示制御部210及び解除判断部220は以下のようなフローに従って動作を行なう。以下、このフローチャートに従って、第1の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を説明する。
【0024】
Step01において、センサパッド50は、タッチ検出したかどうかを検出する。遠隔操作装置10は、センサパッド50を操作することで、車両に搭載された車載機器を遠隔操作することができるが、操作開始の条件としてセンサパッド50へのタッチ操作を必要とする。このタッチ操作が点灯パターンの呈示のトリガとなる。センサパッド50によりタッチ検出された場合は、Step02へ進み、タッチ検出されない場合は、Step01の最初に戻って繰り返してタッチ検出を行なう。
【0025】
Step02において、表示制御部210は、表示部20を所定の点灯パターンで点灯させる。この点灯パターンは、Step01においてタッチ検出により動作開始する毎に新たな点灯パターンを呈示する。例えば、ランダム信号等により点灯パターンを生成して呈示する。
【0026】
Step03において、解除判断部220は、点灯パターンに対応したすべての操作スイッチ30がオン操作されたかどうかを判断する。例えば、許可スイッチ100において、表示部20a、20b、20c、20dのうち、表示部20a、20b、20dが点灯し表示部20cが消灯した場合、その点灯した表示部に対応するすべての操作スイッチを押圧操作によりオン操作した場合に、点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。すなわち、表示部20a、20b、20dに対応する操作スイッチ30a、30b、30dが順次オン操作された場合、又は、同時にオン操作された場合に点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断された場合は、Step04へ進み、点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断されない場合は、動作を終了する。
【0027】
Step04において、解除判断部220は、車載機器の操作制限を解除する。これにより、車両走行中であっても遠隔操作装置10を操作することが可能となる。車載機器の操作制限を解除した後、一連の動作フローは終了する。
【0028】
[本発明の第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、表示部20を所定の順序で点灯させ、それに対応した許可スイッチ100が押圧操作によりオン操作された場合に、次の表示部20を点灯させる。このように、所定の点灯パターンで表示部20を点灯させる毎に許可スイッチ100の押圧操作によるオン操作を判断し、すべての点灯パターンに対して操作スイッチの操作状態が合致しているかどうかを判断する。
【0029】
遠隔操作装置10の構成は、第1の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【0030】
(第2の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作)
図6(a)〜(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る遠隔操作装置のスイッチ装置の点灯状態の一例を示す正面図である。まず、図6(a)に示すように、許可スイッチ100において、表示部20a、20b、20c、20dのうち、例えば、表示部20aを点灯させ表示部20b、20c、20dを消灯させる、点灯パターンで点灯表示を行なう。これに対応して、操作スイッチ30aがオン操作された場合に点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。次に、図6(b)に示すように、表示部20cを点灯させ他の表示を消灯させる、点灯パターンで点灯表示を行なう。これに対応して、操作スイッチ30cがオン操作された場合に点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。同様に、図6(c)に示すように、表示部20bを点灯させ他の表示を消灯させる、点灯パターンで点灯表示を行なう。これに対応して、操作スイッチ30bがオン操作された場合に点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。
【0031】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を示すフローチャートである。遠隔操作装置10が動作を開始すると、制御部200において表示制御部210及び解除判断部220は以下のようなフローに従って動作を行なう。以下、このフローチャートに従って、第2の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を説明する。
【0032】
Step11において、センサパッド50は、タッチ検出したかどうかを検出する。遠隔操作装置10は、センサパッド50を操作することで、車両に搭載された車載機器を遠隔操作することができるが、操作開始の条件としてセンサパッド50へのタッチ操作を必要とする。このタッチ操作が点灯パターンの呈示のトリガとなる。センサパッド50によりタッチ検出された場合は、Step12へ進み、タッチ検出されない場合は、Step11の最初に戻って繰り返してタッチ検出を行なう。
【0033】
Step12において、表示制御部210は、表示部20のうちの1つを点灯させる。この点灯は、Step11においてタッチ検出により動作開始する毎に新たに決定された点灯パターンのうちの最初の点灯である。
【0034】
Step13において、解除判断部220は、表示部20の点灯に対応した操作スイッチ30がオン操作されたかどうかを判断する。例えば、図6(a)に示したように、許可スイッチ100において、表示部20a、20b、20c、20dのうち、例えば、表示部20aが点灯した場合には、操作スイッチ30aがオン操作された場合に点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断された場合は、Step14へ進み、点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断されない場合は、動作を終了する。
【0035】
Step14において、解除判断部220は、点灯パターンのすべてを点灯表示したかどうかを判断する。点灯パターンのすべてを点灯表示した場合は、Step15へ進み、点灯パターンのすべてを点灯表示していない場合は、Step12へ戻る。これにより、表示部20の点灯において、点灯パターンに従って次の表示部20(20a〜20dのいずれか)が点灯される。
【0036】
Step15において、解除判断部220は、車載機器の操作制限を解除する。これにより、車両走行中であっても遠隔操作装置10を操作することが可能となる。車載機器の操作制限を解除した後、一連の動作フローは終了する。
【0037】
[本発明の第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、1つの表示部20の表示パターンを所定のタイミングで点灯させ、その点灯タイミングと操作スイッチの操作状態が合致しているかどうかを判断する。
【0038】
遠隔操作装置10の構成は、第1又は第2の実施の形態と同様であり、説明を省略する。ただし、第3の実施の形態では、1つの表示部20のみを使用する構成とすることができるので、図2、図3等に示した許可スイッチ100において、表示部20及び操作スイッチ30を1つだけ備えた構成とすることも可能である。
【0039】
(第3の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作)
図8(a)、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る遠隔操作装置のスイッチ装置の表示部の点灯タイミングと操作部のタイミングを示すV−t図である。図8(a)は、t1からt2の点灯時間において、表示部20の駆動電圧をV1としてLED点灯を行なう。図8(b)は、図8(a)で示した点灯タイミングに対応して操作スイッチ30がオン、オフ操作されたときの、操作スイッチ30の出力を示すもので、所定の閾値を超えたV2をオン出力とする。
【0040】
図8(a)で示した点灯タイミングに対応して、操作者が操作スイッチ30をオン操作して表示部20が点灯している間だけ押圧操作し、表示部20が消灯したタイミングで押圧操作をやめることで操作スイッチ30をオフ操作する。操作者が操作スイッチ30をオン、オフ操作するタイミングは、表示部の点灯タイミングよりも必ず遅延するので、その遅延時間は、それぞれ所定の遅延時間td1、td2以内であれば、点灯タイミングと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。
【0041】
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を示すフローチャートである。遠隔操作装置10が動作を開始すると、制御部200において表示制御部210及び解除判断部220は以下のようなフローに従って動作を行なう。以下、このフローチャートに従って、第3の実施の形態に係る遠隔操作装置の動作を説明する。
【0042】
Step21において、センサパッド50は、タッチ検出したかどうかを検出する。遠隔操作装置10は、センサパッド50を操作することで、車両に搭載された車載機器を遠隔操作することができるが、操作開始の条件としてセンサパッド50へのタッチ操作を必要とする。このタッチ操作が点灯タイミングの呈示のトリガとなる。センサパッド50によりタッチ検出された場合は、Step22へ進み、タッチ検出されない場合は、Step21の最初に戻って繰り返してタッチ検出を行なう。
【0043】
Step22において、表示制御部210は、表示部を所定のタイミングで点灯させる。
【0044】
Step23において、解除判断部220は、所定の表示部20の点灯タイミングに対応して操作スイッチ30がオン操作されたかどうかを判断する。例えば、図8(a)で示した点灯タイミングに対応して、それぞれ所定の遅延時間td1、td2以内に、操作スイッチ30がオン、オフ操作されたかどうかを判断する。それぞれ所定の遅延時間td1、td2以内に、操作スイッチ30がオン、オフ操作された場合には、点灯タイミングと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。点灯タイミングと操作スイッチの操作状態が合致していると判断された場合は、Step24へ進み、点灯タイミングと操作スイッチの操作状態が合致していると判断されない場合は、動作を終了する。
【0045】
Step24において、解除判断部220は、所定の点灯タイミングでのすべての点灯パターンを点灯表示したかどうかを判断する。点灯パターンのすべてを点灯表示した場合は、Step25へ進み、点灯パターンのすべてを点灯表示していない場合は、Step22へ戻る。これにより、表示部20の点灯において、点灯パターンに従って次の表示部20が所定の点灯タイミングで点灯される。
【0046】
Step25において、解除判断部220は、車載機器の操作制限を解除する。これにより、車両走行中であっても遠隔操作装置10を操作することが可能となる。車載機器の操作制限を解除した後、一連の動作フローは終了する。
【0047】
なお、第3の実施の形態において、点灯タイミングに対応して操作スイッチ30がオン、オフ操作されたかどうかを判断することで、点灯タイミングと操作スイッチの操作状態との合致を判断したが、例えば、点灯開始に対応して操作スイッチ30がオン操作されたかどうかを判断することで、点灯タイミングと操作スイッチの操作状態との合致を判断する等してもよい。
【0048】
(本発明の実施の形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、次のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係る遠隔操作装置10は、複数の表示部20に対して表示制御部110が所定の点灯パターンでLED点灯等の表示制御を行なう。この点灯パターンに対応して同乗者席側からのみ視認又は操作可能な操作スイッチ30によりスイッチ操作を行ない、解除判断部120が点灯パターンと操作スイッチ30の操作状態が合致しているかどうかを判断して車載機器の操作制限の解除をするかどうか判断する。車載機器の操作制限が解除されることにより、車両走行中であっても同乗者席側から遠隔操作装置10を操作することが可能となる。これにより、車両走行中は同乗者席からだけ確実に操作できる、安全な車両走行に効果を有する遠隔操作装置を提供することができる。
(2)第1の実施の形態では、複数の表示部の一部又は全部を順次又は同時に点灯させ、その点灯した表示部に対応するすべての操作スイッチを押圧操作によりオン操作した場合に、点灯パターンと操作スイッチの操作状態が合致していると判断する。複数の表示部を点灯させるので点灯パターンの組合せ数が多く、確実に同乗者席からだけの合致操作を判断できる効果を有する。
(3)第2の実施の形態は、表示部20を所定の順序で点灯させ、それに対応した許可スイッチ100が押圧操作によりオン操作された場合に、次の表示部20を点灯させる。このように、所定の点灯パターンで表示部20を点灯させる毎に許可スイッチ100の押圧操作によるオン操作を判断し、すべての点灯パターンに対して操作スイッチの操作状態が合致しているかどうかを判断する。1つの表示部20の点灯に対応して操作スイッチを押圧操作すればよいので、操作方法がわかりやすく簡単である。
(4)第3の実施の形態は、1つの表示部20の表示パターンを所定のタイミングで点灯させ、その点灯タイミングと操作スイッチの操作状態が合致しているかどうかを判断する。複数の表示部、操作スイッチを必要とせず、それぞれ1つずつあれば遠隔操作装置を構成することができるので、小型、低コストの遠隔操作装置を実現できる効果を有する。
【0049】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1…車両
4…センターコンソール
6…運転者席
8…同乗者席
10…遠隔操作装置
20、20a、20b、20c、20d…表示部
30、30a、30b、30c、30d…操作スイッチ
40…本体部
40a…側面部
40b…上面
50…センサパッド
100…許可スイッチ
110…表示制御部
120…解除判断部
200…制御部
210…表示制御部
220…解除判断部
300…車載LAN
310…カーナビゲーション装置
320…エアコン装置
330…オーディオ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示部とそれに対応して設けられた操作部を有し、車両走行中の車載機器の操作制限の解除操作を同乗者席側から行なう操作制限解除用のスイッチ装置と、
前記スイッチ装置の前記表示部を所定の表示パターンで表示させる表示制御部と、前記表示パターンと前記操作部の操作状態が合致しているかどうかを判断して前記車載機器の操作制限の解除を判断する解除判断部とを有する制御部と、
を有することを特徴とする遠隔操作装置。
【請求項2】
前記スイッチ装置は、前記表示部が運転者席側から容易には視認できない、又は、前記操作部が運転者席側から容易には操作できないものであることを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示制御部により前記複数の表示部のいくつかを所定の表示パターンで表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示制御部により前記表示部を所定の順序で表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔操作装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示制御部により前記表示部の表示パターンを所定のタイミングで表示させ、前記タイミングと前記操作部の操作状態が合致しているかどうかを判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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