説明

遠隔統合機能付きキャビネット

少なくとも1つの分配装置に保管されるように構成されるアイテムを遠隔で管理する装置、システム、および方法を説明する。これは、ホスト・コンピュータ・システムで、分配装置から遠隔に配置される電子装置からユーザID情報を受信することを含む。また、ホスト・コンピュータ・システムから電子装置へ、患者に関連付けられている少なくとも1つのアイテムの処置を送信することも含む。さらに、これは、ホスト・コンピュータ・システムで、遠隔電子装置から送られる、分配装置に基づくアイテムに関する情報を受信することも含み、情報はアイテムのさらなる処置も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、保管システムからのアイテムの遠隔管理、分配の文書化、および監視に関する。特に、本発明は、医療環境で使用されるアイテムの遠隔管理、分配、分配の文書化、および監視に関する。多くの場合、これは、分配ユニットとの間の、薬物、薬剤、および医療用品の分配、配給、返却、および廃棄を含む。
【背景技術】
【0002】
多くの業界において、アイテムを特定の場所で使用できるように入手可能とする必要がある。たとえば、病院で、医療関係者らは、患者が治療される場所の近くに薬物や医療用品のアイテムを置くことが好都合だと考える。看護師室はそうした場所の1つであり、看護師が一定の薬物や用品が容易に利用できればより効率的であると考える。分配されるアイテムは、文書化する必要がある。この文書化の必要は、法令、規則、または窃盗の可能性のためである。これらおよび他の理由から、分配装置は施錠しておく必要がある。分配対象のアイテムの種類、アイテムを使用する環境、および他の変数に応じて、様々な分配ユニットおよびキャビネットが採用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、文書または情報は、薬物、用品、または他のアイテムが認証ユーザによって取り去られる前に、分配装置に直接入力することができる。こうした情報の入力は時間がかかり、不便で、分配装置へのアクセスを待つユーザの未処理の入力部分を生じさせることがある。したがって、これらの問題に対処し、分配ユニットとの直接対話の量を最小限にするシステム、方法、または装置を提供することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、どの程度の量が使用されたかの説明も含め、薬物または用品アイテムの保管および分配を簡易化する各種システム、方法、および装置を提供する。多くの場合、要求される文書が、そのようなアイテムを保管するために採用される分配ユニットまたは装置で直接ではなく、好都合な場所および時間で入力できるように、様々なアクセスポイントを介護人に提供することによって効率化が図られる。場合によっては、分配装置(たとえば、キャビネット、引出し、および棚)はアイテムを保管する多数の容器を含むことができ、いくつかの容器は、患者固有の保管および分配機能を指定して利用可能な患者固有の容器として割り当てることができる。アイテムが移動、返却、廃棄、あるいは説明責任を担う度に、医療従事者が分配装置と直接インタフェース接続するのではなく、介護者は、様々なアクセスポイントで適切な情報を遠隔から提供することができる。これらのアクセスポイントは、ラップトップ、端末、臨床装置、携帯装置、またはウェブページを表示可能な装置を含むことができる。アクセスポイントは、保護された病院ネットワークなどのプライベートネットワークでも、またはインターネットなどのパブリックネットワークを介してもアクセス可能である。
【0005】
たとえば、本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの分配装置に保管されるように構成されたアイテムを遠隔管理する方法が提供される。ログイン情報などのユーザID情報は、分配装置の遠隔に配置された電子装置から送信される。ユーザは遠隔装置で、分配装置のうちの1つに基づく少なくとも1つのアイテムの処置を要求する。アイテムに関する情報は、分配装置の遠隔に配置される電子装置で受信される。この情報または処置は、アイテムの廃棄、アイテムの分配装置への返却、またはアイテムのその他の処置に関連させる。ユーザは、遠隔電子装置から既に移動されたアイテムに関する情報を送信する。このように介護者は、後でアイテムを返却する、あるいはアイテムを廃棄する要求を遠隔で出し、その要求に関するフォローアップ情報を遠隔で提供する。
【0006】
介護者が遠隔管理している可能性があるアイテムは、薬剤および医療用品などの管理された医薬品とすることができる。さらに介護者は、すべてのアイテムを返却または廃棄する予定ではない可能性もある。むしろ、アイテムの一部を使用して、さらなる処置はアイテムの残りの部分のみに必要とする場合もある。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態では、アイテムを分配するシステムが提供される。システムは1つまたはそれ以上のキャビネットなどの分配装置を含む。これらの分配装置は1つまたはそれ以上のアイテムを保持するように構成される。分配装置はプロセッサを介してユーザ入力を受け入れる。システムはホストシステムを含む。このホストシステムは、分配装置と通信するように構成される。ユーザID情報は電子装置に入力される。電子装置は分配装置の遠隔に配置される。介護者などからの、分配装置に基づくアイテムの処置に関するユーザ入力は遠隔電子装置で行う。このように、介護者は、遠隔位置からアイテムを返却または廃棄する要求を出すことができる。アイテムのさらなる処置に関する情報を遠隔電子装置に送信することもできる。その後、介護者またはユーザは、遠隔電子装置からアイテムのさらなる処置に関する情報を文書化および送信する。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態では、アイテムの分配を監視する方法が存在する。該方法は、投与記録システムから検索される第1の患者記録に含まれるデータのサブセットを含む。患者の薬物に関する情報用のフィールドを含む第2の患者記録は、ホストシステム上に作成する。第1の患者記録に含まれるデータの少なくとも一部は第2の患者記録に組み込む。第2の患者記録の一部またはすべてを電子装置に送信する。電子装置は分配装置の遠隔に配置される。この第2の患者記録は遠隔電子装置で修正される。そのような修正は、管理された医薬品、医療用品、または分配装置に保管される他のアイテムの処置を含む。このように、介護者または他のユーザは、投与記録システム内に既存の患者記録を有する患者のために患者記録を作成しなければならない手間を省くことができる。その後、介護者は、管理された医薬品、薬物、または患者に関連するアイテムの返却または廃棄に関連する情報を文書化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】遠隔統合機能付き分配システムの一実施形態を示す。
【図2】遠隔統合機能付き分配システムの別の実施形態を示す。
【図3】分配装置の一実施形態を示す。
【図4】分配装置の別の実施形態を示す。
【図4b】分配装置の別の実施形態を示す。
【図5】ログインウィンドウの一実施形態を示す。
【図6】メニューウィンドウの一実施形態を示す。
【図7】廃棄および返却ウィンドウの一実施形態を示す。
【図8】立会人ウィンドウの一実施形態を示す。
【図9】廃棄理由ウィンドウの一実施形態を示す。
【図10】廃棄分配警告ウィンドウの一実施形態を示す。
【図11】アイテムに関する質問を有する廃棄分配警告ウィンドウの別の実施形態を示す。
【図12】返却ウィンドウの一実施形態を示す。
【図12b】保留返却ウィンドウの一実施形態を示す。
【図13】患者記録情報の受信方法の一実施形態を示す。
【図14】アイテムまたはアイテムの一部の廃棄方法の一実施形態を示す。
【図15】アイテムまたはアイテムの一部を分配装置に返却する方法の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の本質および利点は、以下の図面を参照してさらに理解することができる。添付図面では、類似の構成要素および特徴には同じ参照符号を付す場合がある。さらに、同じ種類の様々な構成要素は、参照符号の後に類似の構成要素を区別する第2の参照符号を加えることによって区別可能である。明細書内で第1の参照符号のみが使用される場合、第2の参照符号に関係なく、第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちいずれにも適用可能である。
【0011】
本発明は、効率的にアイテムを分配し、該アイテムの明細を説明する方法を提供する。本発明は、そのようなアイテムを保管し分配する広範な分配装置と関連させて使用することができる。そのような分配装置は、アイテムを保管する各種保管位置を有するキャビネットから構成することができる。分配装置は、キャビネット、引出し、容器、棚、またはそれらの組み合わせを含むことができる。これらの分配装置は、自由にアクセス可能である、あるいは各種施錠により保護することができる。これは、薬剤、管理された医療用品、および他の管理されたアイテムを保管する際にも当てはまることが多い。
【0012】
アイテムの位置および処置は監視、記録、または文書化されることが必要な場合がある。そのような要件は、法令、病院の方針、または安全のために遵守する必要があるだろう。これらのアイテムの位置は絶えず監視する必要があるが、看護師、医師、または他の医療専門家などのユーザはアイテムに頻繁にアクセスする必要がある場合がある。たとえばユーザは、各食事後に患者にアイテムを投与するため、1日に数回、分配装置からアイテムを移動させることが必要な場合がある。場合によっては、アイテムの一部のみが患者に投与される。投与量を文書化し、アイテムの残りの部分を分配装置に返却する。別の例として、ユーザは最初に分配装置からアイテムを移動させ、その後、アイテムを移動させるべきでなかったと判定する場合がある。そのような場合、ユーザは、アイテム全体を分配装置に返却し、その返却を文書化することが必要となる。
【0013】
したがって、アイテムを分配装置から移動させる、破棄する、破壊する、あるいは分配装置に返却する必要がある様々な状況が発生する。アイテムに責任を負う人物は、要求される行動を文書化するための情報を提供しなければならないだろう。必要な情報は、アイテムを配給/移動、返却、破棄、または破壊する理由、アイテムの返却、破棄、または破壊の立会人のID、患者情報、日時情報、または他の関連情報を含む。そのような情報は分配装置を介して文書化するが、これが問題を引き起こす場合もある。たとえば、あるユーザが分配装置で保管されたアイテムに関わる自身の行動を文書化している間、他のユーザの行動の文書化が遅延される場合がある。また、他のユーザが分配装置からのアイテムの配給/移動が妨害される場合がある。いくつかの実施形態では、本発明は、分配装置から遠隔の装置での文書化および情報収集を提供する。分配装置またはホスト・コンピュータ・システムは、コンピュータ端末、携帯電子装置、ラップトップコンピュータ、または類似装置などの遠隔装置と通信する。これにより、ユーザは分配装置から離れて、アイテムの使用の文書化に必要な情報の一部またはすべてを提供することができる。
【0014】
遠隔での文書化および情報収集によって、ユーザが分配装置で提供しなければならない情報の量を低減し、分配装置への物理的な訪問の必要性をなくすことができる。管理された医薬品に関わる通常の手順は「廃棄」と称する。「廃棄」は、アイテムまたはアイテムの一部の物理的破壊、またはアイテムまたはアイテムの一部の破棄を意味する。分配装置から遠隔でのアイテムまたはアイテムの一部の破棄または物理的破壊の文書化により、ユーザは分配装置への訪問を完全に回避することができる。このことは、時間、労力、および効率の大きな節約を意味するであろう。分配装置が別のフロアおよび別の建物のうちの少なくとも一方に位置する場合、これらの利点は特に自明である。
【0015】
ユーザまたはユーザの代理人がアイテムまたはアイテムの一部を返却するために分配装置を物理的に訪れる必要はあるものの、遠隔でのアイテムの返却の文書化は、ユーザおよび他のユーザにとって大きな時間の節約となり得る。遠隔での返却の文書化は、分配装置でとは対照的に、たとえば机自宅では一層好都合であり、特に他のユーザが分配装置へのアクセスを待っている場合、時間効率がより高い。遠隔での返却の文書化により、ユーザは必要な情報の大半を遠隔から提供し、ユーザのユーザ名およびパスワードのみなど最小の情報を分配装置で提供することができる。
【0016】
さらに、アイテムまたはアイテムの一部の分配装置への返却または廃棄の文書化は、臨床投与システムを必要としない。臨床投与システムは患者への薬物の投与前、投与中、または投与後に、あるいは用品の使用前、使用中、または使用後に文書化を実行することを求める。たとえば、薬物が患者に与えられると、薬物に関連付けられるバーコードと患者に関連付けられるバーコードとはスキャンする必要がない。類似のシステムは電子投与文書または電子薬物投与記録を含む。そのようなシステムは、薬剤が投与されたときの投与量、日付、時間、および患者を文書化するために使用される。コンピュータなどの遠隔装置がサーバまたは分配システムのホストとして働く他の装置と適時遠隔で通信可能である限り、他のシステムへのさらなる依存は存在しない。遠隔統合機能システムと対話する遠隔装置により、アイテムまたはアイテムの一部が廃棄を要望される位置で、廃棄を文書化することができる。
【0017】
臨床投与システムを必要としないにもかかわらず、遠隔統合機能付き分配システムは、様々な製造業社製の各種臨床投与システムと対話する機能を有することができる。たとえば、遠隔統合機能付き分配システムは、OMNICELL製のSAFETYMEDや他の製造業者の臨床投与システムと対話することができる。臨床投与システムを組み込むことで、用品および薬剤の位置と使用に関して追加の説明責任のレイヤを生成することができる。さらに、そのような臨床投与システムを統合することにより、遠隔統合機能システムへの情報の入力を簡素化し、速めることができる。1例として、看護師が分配キャビネットから薬A500mgを移動させれば、薬A300mgの患者の投与に関して臨床投与システムを使用した結果、遠隔統合機能付き分配システムは薬A200mgについてのみ説明ができないまま残っていると通知する。薬A300mgは、遠隔統合機能システムにおいて患者に投与されたと自動的に示される。患者に投与された量を自動的に示すことに加えて、他の値も遠隔統合機能システムに自動的に入力する。そのような値は、廃棄が未処理であるかどうかとその量、返却が未処理であるかとその量、返却または廃棄されねばならない量を含むことができる。
【0018】
図1を参照すると、遠隔統合機能付き分配システム100の例が示されている。そのようなシステムは、アイテムを保管、管理、および分配するために使用することができる。これらのアイテムは、薬物、薬剤、医療用品、管理された医薬品、管理された医療用品(シリンジなど)など(以下「アイテム」と総称する)を含むこと。もしくは、これらのアイテムは、制御して保管、管理、または分配されるよう所望される任意の対象とすることができる。これらのアイテムの使用は、文書化されることおよび立ち会いが行われることのうちの一方の必要がある。システム100は、アイテムを分配する分配装置120−a(たとえば、棚、引出し、または容器などの多数の保管位置を有するキャビネット)を含む。システムは、データ記憶装置110、中央分配ユニット115、および分配装置120−aと通信可能に接続されるサーバ・コンピュータ・システム105も含む。いくつかの実施形態では、これらの構成要素のうち1つまたはそれ以上を取り除く、あるいは他の装置と置き換えることができる。
【0019】
分配装置は、医療施設内の患者用の薬物を保管するキャビネットなどの、アイテムを分配する任意の装置とする。他の実施形態では、システムの態様において、広範な様々な対象物を分配するためにさまざまな状況で使用する。分配装置は、病院の特定の領域に供する看護キャビネットのように固定式であってもよく、引出し付きのカートのように可動式であってもよい。いくつかの成功した分配キャビネットの例は、米国特許第6,760,643号、6,609,047号、6,272,394号、6,385,505号、5,805,455号、5,805,456号、5,745,366号、5,905,653号、5,927,540号、6,039,467号、6,151,536号、5,377,864号、および5,190,185号に記載されており、その全文を引用により本明細書に組み込む。分配装置120−aは、中央サーバ・コンピュータ・システム105と有線または無線通信することができる。
【0020】
分配装置120−aは、多数の病室を管理する看護師室、手術室、救急治療室、集中治療室、または当業者にとって明らかな医療分野内外の他の多数の場所に配置することができる。分配装置は患者別にプロファイルされ、特定の患者は分配装置内に特定の領域を割り当てられる。いくつかの実施形態では、分配装置は特定のアイテムまたは薬物を備蓄される。そのような実施形態では、特定のアイテムまたは薬物の要求は、いかなる患者であっても分配装置から配給することができる。分配装置120−aは移動可能であってもよい。分配装置120−aは、分配装置でのアイテムの保管および配布を管理するように構成され、サーバ・コンピュータ・システム105と連続的にまたは適時通信するようにネットワークで結ばれるコンピュータとコンソールとを含む。分配装置120−a内の特定のセクションまたは容器に関しては様々なセキュリティレベルを設けることができる。分配装置120−aの一部のセクションは施錠され、別のセクションはする一方施錠されない場合もある。
【0021】
分配装置120−aで保管されるアイテムは中央分配ユニット115に保管することもできる。中央分配ユニット115は、キャビネット、分配装置、倉庫、薬局、または分配装置120−aに備蓄するアイテムを保管できる他の場所であってもよい。中央分配ユニット115は中央サーバ・コンピュータ・システム105と通信することができる。そのような通信により、分配ユニット120−aの備蓄の追跡が可能となる。
【0022】
分配装置120−aは中央サーバ・コンピュータ・システム105と通信する。患者、内容、および分配装置へのアクセスに関連するデータは中央サーバコンピュータに記憶する。いくつかの実施形態では、データは分配装置120−aに記憶されてもよい。中央サーバ・コンピュータ・システム105は多数のデータ記憶装置110と通信する。データ記憶装置110は中央サーバ・コンピュータ・システム105に局所的に配置されてもよく、遠隔に配置されてもよい。データ記憶装置110は、患者、分配装置の内容、分配装置にアクセスするユーザに関する情報、またはシステム100の動作に関連する他の情報を記憶する。いくつかの実施形態では、複数の分配装置120が存在し、各々が中央サーバ・コンピュータ・システム105に接続される。いくつかの実施形態では、中央サーバ・コンピュータ・システム105およびデータ記憶装置110の機能は、分配装置120−aまたは分配装置120と一体化させることができる。
【0023】
図2を参照すると、遠隔統合機能付き分配システム200の一実施形態の概略ブロック図が示されている。図2のシステム200は、図1を参照して説明されるシステム100の代替的な実施形態を示す。システム200は、中央サーバ・コンピュータ・システム105などの図1のシステム100と同じ構成要素のいくつかを含む。
【0024】
図2のシステム200は、分配装置220の各々と通信可能に接続される中央サーバ・コンピュータ・システム105を含む。図2の中央サーバ・コンピュータ・システム105は、図1の中央サーバ・コンピュータ・システム105を参照して先述の機能のいずれかを実行する。中央サーバ・コンピュータ・システム105は、ネットワーク210を通じて遠隔無線端末250、遠隔有線端末240、およびユーザ端末230のうちの少なくとも一つと通信可能に接続する。中央サーバ・コンピュータ・システム105は任意数の端末に接続する。これらの端末は中央サーバ・コンピュータ・システム105および分配装置に局所的であるか、あるいは遠隔である。
【0025】
遠隔無線端末250は、コンピュータ、ワークステーション、ラップトップ、モバイル装置、携帯電子装置、または中央サーバ・コンピュータ・システム105と無線通信可能な他の装置である。遠隔無線端末250はウェブページを表示可能な任意の装置である。遠隔無線端末250は無線ルータを介してネットワーク210とインタフェース接続する。遠隔有線端末240は、ワークステーション、ラップトップ、キオスク、または中央サーバ・コンピュータ・システム105と通信可能な他の装置である。遠隔有線端末240はウェブページを表示可能な任意の装置である。遠隔有線端末240は、ローカルエリアネットワークケーブルなどを介して、ネットワーク210との物理的接続を有する。遠隔有線端末240および遠隔無線端末250が中央サーバ・コンピュータ・システム105と対話できる能力は、類似していてもよく、異なる機能を含んでいてもよい。遠隔無線端末250と遠隔有線端末240は分配装置220から物理的に分離する。代替的には、遠隔無線端末250と遠隔有線端末240は分配装置220に隣接して配置することができる。
【0026】
ユーザ端末230は分配装置220の遠隔に配置されるか、あるいは分配装置220に局所的に配置される。いくつかの実施形態では、ユーザ端末230は、分配装置220と一体化されるコンピュータであってもよい。ユーザ端末230は、ネットワーク210または中央サーバ・コンピュータ・システム105と通信して、ウェブページを表示することのできる任意の装置である。
【0027】
分配装置220で利用可能な機能は端末230、240、および250でも利用可能である。この機能は、アイテムの使用を文書化する性能を含む。たとえば、認証ユーザが分配装置220からアイテムを移動させようとする場合、該ユーザ自身、患者、アイテム名、アイテムの量、処方する医師、患者に投与される時間、およびアイテムの移動(配給とも称される)に関連する他の情報を識別するように要求される場合がある。ユーザが入力を要求される、あるいはユーザが利用可能な情報は、業界、分配装置のある場所を管理する法令、または分配装置を管轄する事業体の規則に応じて変動する。必要な情報は分配装置220で入力することができる。端末230、240、および250により、この情報の少なくとも一部を分配キャビネットの遠隔で入力することができる。
【0028】
分配装置220に関する4つの代表的な動作は、アイテムの配給、アイテムの配布、アイテムの少なくとも一部の返却、および分配装置220または他の保管庫に保管される、あるいはそこから移動されるアイテムの少なくとも一部の廃棄である。ユーザは、分配装置220からアイテムが配給されるように要求する。分配装置からのアイテムの配給を要請する際、ユーザは医師、医療関係者、または他の認証ユーザからの許可を得ることが必要な場合がある。この許可は、中央サーバ・コンピュータ・システム105を通じて、口頭で、あるいは書面で得ることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは分配装置220からのアイテムの配給前に薬局で許可を得ることが必要な場合がある。
【0029】
いくつかの実施形態では、ユーザは、医師、医療関係者、または他の認証ユーザ、および薬局またはアイテムの管理を行う他の部局からの許可を要求する。緊急の状況では、ユーザは分配装置220および中央サーバ・コンピュータ・システム105への認可に応じて、認可または文書化の要件を無効にすることができる。そのような無効化により、認可なしで分配装置220からアイテムを配給する。いくつかの実施形態では、緊急状態が収束した後に、ユーザが必要な情報の入力を要求される。たとえば、医療施設では、看護師が、患者の生命、薬局または医師からの許可を得る時間がなく、患者の生命を救うため特定の処方薬がすぐに必要であると判定することができる。看護師は、分配装置220の認可要件を無効にし、必要なアイテムにアクセスすることができる。看護師はその後、分配装置、無線端末、有線端末、またはユーザ端末で関連情報を入力することができる。
【0030】
アイテムの配給要求は、中央サーバ・コンピュータ・システム105と通信可能な端末230、240、250のいずれからでも行うことができる。アイテムは、先述のように、臨床投与製品に代えて、それとは別に、またはそれと統合することができ、ユーザは分配装置を物理的に訪れる前にアイテムを遠隔で要求することができる。ユーザが分配装置220からアイテムの配給を受けるために提供しなければならない報告要件は、ユーザのアクセスレベル、要求されるアイテム、病院の方針、および現地の法令に応じて様々に設定することができる。
【0031】
さらに、分配装置からのアイテムの移動または配給は分配装置からとして説明される場合が多いが、アイテムは他の位置から配給することもできる。たとえば、アイテムは、薬局、中央分配場、またはいくつかの他の保管庫からユーザに配給することができる。分配装置以外の保管庫から最初に配給されたアイテムは、遠隔統合機能付き分配システムの使用に影響を及ぼさない。たとえば、アイテムが直接薬局からユーザに配給される場合、アイテムをさらに遠隔統合機能付き分配システムを用いて文書化および廃棄する場合がある。あるいは返却を要する場合、アイテムは文書化され、分配装置または他のいくつかの保管庫に返却される場合がある。返却に関するいくつかの実施形態では、アイテムの最初の配給元である位置または装置は、アイテムを返却する位置または装置とは関係しない。
【0032】
図3は、分配装置310の一実施形態を示す。本実施形態の患者分配装置は、各種透明パネル314を有するキャビネットフレーム312から構成されるキャビネット310である。キャビネット310は、キャビネット310内に一連の棚320を包囲する一対のドア316および318をさらに含む。これらの包囲領域は各種実施形態において温度制御される、または冷蔵される。棚320は、調節可能な仕切り322を用いて様々な保管位置に分割する。さらに、各保管位置は、押すアイテムボタン324と関連付けられて、各保管位置からのアイテムの配給または移動、あるいは各保管位置へのアイテムの配置を記録する。ライト326は各アイテムボタンに隣接して配置し、ユーザを特定の保管位置に誘導する。さらに、ラベル328は各保管位置と関連付け、特定の保管位置に保管されるアイテムに関する情報を含む。任意で、ドア316および318は施錠され、適切なID情報がコンピュータ330に、または遠隔端末、装置、またはコンピュータで入力された場合のみに開放させる。したがって、アイテムを棚320の1つから移動させる際に、ユーザはコンピュータ330に直接適切なID情報を入力して、その関連情報を遠隔装置またはコンピュータを介して入力する。他の実施形態では、保管位置または保管区域は、サイズ、構造、およびセキュリティを変化させる。保管位置は患者固有の容器(patient specific bin : PSB)として患者に割り当てられて、利用可能な位置は、現在および予定の使用レベルおよび占有係数に応じて調整可能である。PSB割当と患者容器割当はコンピュータ330によって行う、あるいは遠隔位置(たとえば、図1Aの中央サーバ・コンピュータ・システム105)から受信する。位置はアイテムのサイズ、種類、分類、セキュリティレベル、冷蔵の必要性、アルファベット順、または他の整理スキームによって割り当てることもできる。
【0033】
情報の入力を簡易化するため、コンピュータ330は従来のキーボード332と数字キーを含むキーパッド333とを含む。タッチパッド333aはキーパッド333の上方に配置され、且つ使用されて、ディスプレイスクリーン334上のポインタを制御する。キーパッド333の下方には、ディスプレイスクリーン334のコントラストを制御し、スピーカ333bから発せられる音声を制御するキーが配置される。キーボード332の下方には、プリントされたレシートまたはラベルが出力可能なレシートポート333cが配置される。キーボード332を含むパネルは下方に回転させて、レシートプリンタにアクセスする。図示されるコンピュータ構成は単に例示のためである。他の実施形態では、任意の特徴のサブセットを採用することができ、特定の実施と入力装置は変更することもできる。
【0034】
コンピュータ330における様々な入力装置の使用の1つは、ユーザに移動させる1つまたはそれ以上のアイテムを選択することを許可する。情報が遠隔端末、装置、またはコンピュータでユーザによって入力されると、コンピュータ330で入力しなければならない情報の量を低減することができる。コンピュータ330によって生成された、あるいは中央サーバ・コンピュータ・システム105から受信したアイテムのリストは、ディスプレイスクリーン334に表示される。さらに、ディスプレイスクリーン334は、ディスプレイスクリーン334上でタッチすることによって各種アイテムを簡単に選択できるタッチ・スクリーン・ディスプレイであってもよい。コンピュータ330は、任意の種類のコンピュータネットワークに接続されて、各種情報が(たとえば、図1Aの中央サーバ・コンピュータ・システム105によって)コンピュータ330に提供される。たとえば、中央サーバ・コンピュータ・システム105から備蓄または補充リストを送信して、アイテムのクリーニングまたは他の移動のためのリストを作成する。
【0035】
適切なアイテムが選択されると、(ドア316および318が既に施錠されている場合)ドア316および318を解錠し、適切なライト326が点灯し、選択されたアイテムにユーザを誘導する。アイテムの配給または移動時、ユーザは、移動させるアイテムの数に応じた回数、アイテムボタン324を押す。同様のプロセスが、アイテムを保管位置に補充するときにも使用される。
【0036】
キャビネット310は、追加のセキュリティを必要とする薬剤アイテムまたは他の種類のアイテムを保持する様々な引出し338付きの薬局セクション336をさらに含むことができる。適切な情報がコンピュータ330に入力されると、適切な引出し338が解錠され、引出しのライト340が点灯してユーザを適切なドアに誘導する。引出し338は、様々なアイテム、アイテムのカテゴリ、または患者に割当可能な各種容器、棚、または保管位置を好適に含み、アイテムに追加のセキュリティを提供する施錠可能な蓋が任意に設けられる。選択されたアイテムを有する容器に対応する蓋は解錠され、ユーザは棚320で説明したように解錠された容器にライトを用いて誘導される。
【0037】
一実施形態では、薬局セクション336は分配ユニット領域342をさらに備える。概略すると、分配ユニット領域342は、キャビネット310のキャビネットフレーム312に挿入可能な分配ユニットフレームを含む。分配装置のフレームにアクセスできるように、開放可能なドア346が分配ユニットフレームに結合される。分配機構は通常、多数の患者により使用されるアイテムに関連付けられるが、いくつかの実施形態では、分配機構に関連付けられる特定の容器を患者に割り当てることができる。分配装置フレームの下には、そのようなアイテムがコンピュータ330で選択された後、分配機構から落ちてくるアイテムを受け取る分配引出し352が配置される。分配引出し352内の容器は、一時的またはより永久的にPSBとして特定の患者に割り当てることができる。分配引出し352は、分配動作中にユーザを分配引出し352に誘導するライト354を含む。ドア346の開放を簡易化するように、取っ手356をドア346に設けられる。ドア346は、分配動作中にユーザをドア346に誘導するライト357を含む。
【0038】
場合によっては、配給されるアイテムをキャビネット310に返却することが必要な場合がある。状況によっては、様々な法令、規則、または施設の方針によって、配給されたアイテムのキャビネット310への返却が禁じられる。そのような場合、開放可能なスライド式(または回転式)ドア360を有する返却ユニット358がキャビネット310に装着されて(あるいは他の形で統合されて)、返却ユニット358内にアイテムが配置される。アイテムを返却する際、返却に関する情報をコンピュータ330に入力する。返却ユニット358のライト362が点灯されて、アイテムを返却されたことをユーザに示す。返却ユニット358は好ましくは、いったんアイテムがユニットに配置されると、補充ユーザまたは技術者がアクセス権を許可されない限り、アイテムを返却ユニット358から回収することができないように構成される。たとえば、補充技術者は、中のアイテムにアクセスできるように返却ユニット358を解錠させるため、コンピュータ330に適切な情報を入力するよう要求される。
【0039】
キャビネット310の具体的な構成を1つ説明したが、上記構成要素の任意のサブセットまたは組み合わせが様々な分配キャビネットで使用できるものと理解されたい。たとえば、分配機構およびユニットは、薬剤を分配するためのみに使用されるキャビネット内に配置され、引出し338に類似する引出しのみを含むことができる。代替的な選択肢として、そのような機構およびユニットは、棚320に類似する棚のみを含むキャビネットに配置される。さらにそのような機構およびユニットは、縦方向に並べて配置される複数の棚および引出しのうちの少なくとも一方を有するキャビネット内で使用することができる。さらに、分配キャビネットは複数の分配ユニット領域342を含むことができる。これらは同じサイズであってもよく、異なるサイズであってもよい。なおさらに、場合によっては、そのような分配キャビネットは、他の種類の棚、ラック、引出しなどを含んで、アイテムの保管を簡易化することができる。
【0040】
図1および2の分配装置120および220には多数の別の種類の異なる構造がある。図4は、そのような装置の別の種類の例を示す。図示される分配装置410は、図1のシステム100を参照して説明した患者分配装置120の機能の1つまたはすべてを含む。よって、装置410は、中央サーバ・コンピュータ・システム105と有線または無線通信する。
【0041】
分配装置410は、多数の引込み可能な引出し414を有するキャビネット412を含む。12個の引出しが図示されているが、引出しの数は変動可能である。キャビネット412はキャスタ416上に配置されて、医療施設全体において分配装置410を転がして移動させることができる。キャビネットはバッテリで駆動されて、(たとえば、移動の間も通信できるように)無線通信可能に構成することができる。キャビネット412は様々な寸法で構成することができる。
【0042】
分配装置410は、一体型コンピュータ(キャビネット412内に隠れている)とコンピュータに各種情報を入力するキーボード418とをさらに備える。たとえばキーボード418を採用して、コンピュータに患者ID情報、ユーザID情報、アイテムの備蓄、配給、移動などの要求を入力する。任意で、分配装置410は、コンピュータに接続される第2の入力装置420と、ハイライトされるアイテムを選択するためにユーザが各種情報リストをスクロールできるスクリーン422とをさらに備える。たとえば、介護者は、特定の患者を選択する、あるいはアイテムの移動、配給、または備蓄の要求を入力するため、患者名またはアイテム名のリストをスクロールさせる。一実施形態では、スクリーンはカラー・タッチ・スクリーンであってもよい。タッチスクリーンは、ユーザが直接選択をタッチすることができるタッチスクリーン機能としてキーボード、マウス、または他の従来の方法を、使用の必要性の有無にかかわらず、ユーザが分配キャビネットと対話できるように構成することができる。タッチスクリーンはカラー・タッチ・スクリーンとすることができ、色の違いにより、ユーザへの通知および誘導を行うことができる(たとえば、警告または警報は黄色、入手不能なアイテムは灰色、次のステップは緑)。
【0043】
プリンタ424をキャビネット412に設けて、コンピュータによって生成される様々なレポートまたはラベルを印刷する。他の実施形態では、装置410のコンピュータ機能の一部(たとえば、ディスプレイ、入力装置、リーダなど)は装置410から取外し可能である、または他の形で分離される場合もあり、装置410または中央サーバ・コンピュータ・システム105と無線通信することもできる。
【0044】
キャビネット412は、磁気バーコード、RFID、データ収集装置、またはコンピュータに(直接または無線で)接続される他のリーダ425をさらに備えることができる。そのようなリーダ425は、本明細書に記載の分配装置120のいずれかで採用することができる。該リーダは、キャビネット512または中央コンピュータシステム105に提供する種類およびその関連する量、あるいはレベルに関してデータを手動で、または自動的に走査するように構成される。リーダ425は、ユーザ、患者、または特定の薬物または他の用品を識別するように提供される。たとえば、識別子(たとえば、磁気バーコード、RFID、または他の識別子)は、アイテムが備蓄、補充、または移動されるときに薬物容器から読み取る。その後、識別子(および量)は在庫の追跡のため、中央サーバ・コンピュータ・システム105に送信する、あるいは他の形で記憶することができる。同様に、識別子(たとえば、磁気バーコード、RFID、またはアクセスカードまたは他の機器からの他の識別子)は、装置のユーザまたは装置に関連する患者から読み取ることができる。リーダ425が、引出しと関連付けられる識別装置を読み取るために採用される場合もある。
【0045】
特定の患者のアイテムを検索または移動させるため、ユーザ(たとえば、看護師ユーザまたは他の介護者、患者、自動システムなど)は、キーボード418、リーダ425、または入力装置420を使用してユーザID(たとえば、パスワード、PIN、スマートカード、RFID、それらの組み合わせなど)を入力する。その後、ユーザ(またはコンピュータ330)は患者を識別する。患者IDはユーザによってキーボード418、リーダ425、または入力装置420を用いて入力される。ユーザが所望の薬物または他の用品を選択するか、あるいはコンピュータ(または中央サーバ・コンピュータ・システム105)がユーザに(たとえば、ライトまたはリストを介して)命じる。ユーザは、患者のために移動または回収される予定の選択した種類のアイテムの数も入力する。次にユーザは適切な引出しを引き出し、正しい保管所に導かれる。移動または供給された特定の種類のアイテムの数と残りの数とをキーボード418または入力装置420を介して入力するようにユーザに指示することによって、取り出されたアイテムの数を確認するステップを設けてもよい。この事象の記録はコンピュータ内に保持するか、あるいは図1の中央サーバ・コンピュータ・システム105または他の場所に送信する。様々な他の移動の選択肢も利用することができる。
【0046】
アイテムを分配装置410に備蓄および補充するため、薬局または他の中央分配ユニット(たとえば、図1の中央分配ユニット115)は、特定のPSBまたはPSBのセットに、特定のカート一杯分のすべてのアイテムを、1セットのパッケージまたは他の容器に入れて準備する。カートは、患者毎に分別されない各種アイテムで満たされる。たとえば、カート内の特定の位置は常時、特定のアイテムを備えるか、あるいはカート内のアイテムは現在または将来の需要に応じて変化させる。PSBの使用が望ましい場合、所与のPSBに関してすべての薬物は、カートに置かれる前に薬局または他の中央分配ユニットに回収および集約する。キャビネット410用のコンピュータ、またはおそらくは図1の中央サーバ・コンピュータ・システム105は補充リストを薬局に送信するか、あるいはリストは薬局において局所的に処理される。したがって、特定のPSBでの用品の回収および集約プロセスは、分配装置410の代わりに薬局または他の中央分配ユニットで行うことができる。このため、より安全な環境が提供され、損失が減る。看護師ユーザの代わりに薬剤師がこれらのタスクを実行する方がより効率的な場合もある。
【0047】
カートにアイテムを備蓄または補充するため、ユーザはキーボード418、リーダ425、または入力装置420を用いてユーザ、患者、およびパッケージ/容器ID(たとえば、パスワード、PIN、ラベル、通し番号、バーコード、識別装置、スマートカード、RFIDなど)のうちの少なくとも一方を入力する。ユーザ、患者、またはパッケージ/容器ID情報(またはその任意の組み合わせ)を入力することで、補充プロセスを始動させる。(おそらく図1の中央サーバ・コンピュータ・システム105によって制御される)キャビネット410用のコンピュータは、(たとえば、ライトまたはスクリーン情報を介して)パッケージ/容器を適切な位置またはPSBに配置するようにユーザに命じる。行動は記録され、また中央サーバ・コンピュータ・システム105に送信されてもよい。
【0048】
他の実施形態では、薬局または他の分配事業体に補充アイテムを集約させる代わりに、個々のアイテムを、分配装置410ではアイテム毎に、引出し、保管位置、またはPSBに配置することができる。たとえば、薬局または他の中央分配ユニット(たとえば、図1の中央分配ユニット115)または図1の中央サーバ・コンピュータ・システム105は、分配装置と頻繁に連絡を取る。情報、特に、各分配装置における各アイテムの手元のその時の量に関する特定の情報を分配装置と交換する。(たとえば、毎朝)定期的な時間間隔で、分配装置に搬送される各アイテムの総量を詳述した補充リストを分配装置毎に作成して、各引出し、保管位置、棚、またはPSB内の量を所定の(または動的に算出された)平均レベルとする。
【0049】
他の例として、1つまたはそれ以上の容器、棚、引出し、または保管位置に関して予め備蓄された定期便を、薬局、中央分配ユニット、または他の場所で準備する。交換定期便は、容器およびアイテムの同じ構成あるいは容器およびアイテムの異なる構成を有するように設定される。様々な他の補充システムも使用することができる。回収および備蓄を図4のキャビネット410を参照して説明したが、これらの手順は他の分配装置(たとえば、図1の分配装置120)にも適用することができる。備蓄または補充は、2、3例を挙げると、患者が最初に病院にチェックインしたとき、補充の必要があるとき、あるいは移送を管理する際に実行される。
【0050】
図4Bは、遠隔統合機能付き分配システムと合わせて使用可能なカート427の一実施形態を示す。このカート427はOMNICELL製のRIOカートであってもよく、他のいくつかのカートであってもよい。図4Bのカート427は単に例であって、引出しまたは容器の構造の異なる他のカートを使用することができる。カート427は、支柱460に装着される多数の引出し450を有する。これらの引出し450は引出しコントローラによって制御される。引出しコントローラは各引出し450を施錠または解錠する。いくつかの実施形態では、引出し450が存在しない。給電のためにバッテリ470をカート427に装着する。支柱460は、回転ベース480に搭載される。回転ベース480により、カートを患者、病室、および分配装置間で転がして移動させることができる。カート427は作業面440も含む。そのような面は、書き込み、薬剤または用品の準備、保管、あるいは任意の他のアイテムまたは活動のために使用される。カート427は誘導ライト(図示せず)も有する。そのような誘導ライトは、特定の患者に関連付けられるアイテムの位置を示すこと、および特定の薬剤またはアイテムの位置を示すことのうちの少なくとも一方ができる。誘導ライトは、アイテムの配置場所、または返却物が配置されるべき場所をユーザに視覚的に示す上で有用である。
【0051】
コンピュータ/モニタ430は、無線でまたはケーブルを介してネットワークに接続される端末であってもよい。そのような端末は、中央サーバ・コンピュータ・システムとの通信と遠隔統合機能付き分配システムとの対話を可能にする。コンピュータ/モニタ430は、分配システムと対話可能な他の端末として機能する。引出し450は特定の薬剤または特定の患者に固有なものとする。ユーザまたは看護師は、自らが必要とするか、あるいは責任を負う薬物、用品、または患者のリストを、遠隔統合機能付き分配システムを通じて検索する。このリストは、遠隔統合機能付き分配システムによって自動的に作成される。代替的には、ユーザは、遠隔統合機能付き分配システムを介して自己の患者のリストを作成する。次に遠隔統合機能付き分配システムは、ユーザが分配装置、薬局、または他のいくつかの中央位置からカート427に搭載しなければならない薬剤または用品のリストを作成する。これは、遠隔統合機能付き分配システムによって患者がカート427上の特定の引出しを割り当てられる自動割当プロセスを含む。カート427を備蓄するリストの作成は、分配装置へのアクセスをユーザに自動的に許可する。備蓄プロセスの結果、ユーザはカートの引出し450の一部またはすべてへのアクセスが許可される。遠隔統合機能付き分配システムは、カート427またはユーザが関連付けられる患者、薬剤、または用品のリストをカート427に送信する。次に、ユーザはカートから薬剤または用品を移動させ、患者に投与する、廃棄する、あるいは分配キャビネットまたは他の保管センタに返却する。カート427への指示の送信は、代替的に構成される移動式カートで行う。いくつかの実施形態では、患者にはカート427上の1つの引出しが割り当てられる。他の実施形態では、複数の患者に1つの引出しを割り当てるか、あるいは1人の患者に複数の引出しを割り当てる。
【0052】
端末230、240、または250で、ユーザにはID認証のためにログインしてパスワードまたは他の識別子を提供することが求められる場合がある。図5は、図2の230、240、または250などの遠隔端末用のログインウィンドウ500の一実施形態を示す。ユーザには、ユーザID510の入力が求められる。ID番号は番号、ユーザ名、またはスクリーン名であってもよい。さらにユーザは、パスワード520の入力も求められる。いくつかの実施形態では、ユーザID510およびパスワード520は、指紋スキャナまたは網膜スキャナなどのユーザのIDを識別および認証することが可能な生体認証装置と置き換えることができる。さらに、いくつかの実施形態では、ユーザID510は磁気ストライプ付きのIDカードまたはバーコードから入力することができる。その後、ユーザのアイデンティティの認証は、パスワードまたは生体認証IDの形式を用いて完了させる。
【0053】
中央コンピュータ・サーバ・システム105は直接あるいはネットワーク210を通じて、投与記録コンピュータ・サーバ・システム260と通信する。これにより、情報は投与記録から患者に関連するアイテムを管理する記録へ自動的にまたは手動でインポートする。たとえば、患者名、部屋番号、患者ID、アレルギー、および処方などの情報は、情報を手動で中央サーバ・コンピュータ・システム105に手動で入力しなくてもよいように、投与記録コンピュータ・サーバ・システム260からコピーすることができる。いくつかの実施形態では、投与記録コンピュータ・サーバ・システム260は中央サーバ・コンピュータ・システム105に組み込まれる。
【0054】
中央コンピュータ・サーバ・システム105と臨床投与システムなどの投与記録コンピュータ・サーバ・システム260との対話は付加的恩恵をもたらす。上述したように、投与記録コンピュータ・サーバ・システム260に記憶される情報は遠隔統合機能付き分配システム200によって使用され、どの程度の廃棄が未処理であるか、いずれかの返却が未処理であるかどうか、廃棄の必要があるアイテムの量、および分配装置に返却する必要があるアイテムの量を判定する。そのような情報は、ユーザからの値を要求するウィンドウにおける廃棄および返却の予想値でフィールドを自動的に満たすために使用される。さらに、遠隔統合機能付き分配システム200と投与記録コンピュータ・サーバ・システム260間の統合によって、分配装置から移動または配給されているが、まだ投与、廃棄、または分配装置に返却されていないアイテムまたは薬物のレポートを自動的に作成する。そのようなレポートは、患者別であってもよく、担当のユーザまたは医療専門家に基づいていてもよい。
【0055】
ユーザID510およびパスワード520は、端末、分配ユニット、または中央サーバ・コンピュータ・システムで認証される。ユーザの適切なID、たとえば有効なユーザID510およびパスワード520を提供することにより、分配ユニットと対話するインタフェースへのアクセスが許可される。
【0056】
アクセスが許可されると、ユーザに図6のメニュー600などのメニューを提示することができる。メニュースクリーンは、「キャビネット要求保留」610、「患者プロフィール」620、「私の患者ワークシート」630、および「廃棄および返却」640などの各種メニューオプションを含む。「キャビネット要求保留」610オプションは、ユーザが分配装置から配給する薬物とその量のリストを迅速に作成できるようなスクリーンを表示する。「患者プロフィール」620オプションでは、ユーザが対象とする患者を選択、走査、あるいは他の方法で識別する。このオプションは、特定の患者に関連する薬物情報を表示する。「私の患者ワークシート」630オプションは、ユーザの患者の概要を提供する。この概要は、患者に投与されることになっているアイテムなどの情報を含む。
【0057】
メニュースクリーン600は、「廃棄および返却」640などのメニューアイテムを含む。いくつかの実施形態では、「廃棄および返却」640を選択すると、分配装置へのアイテムの廃棄および返却に関係する情報とオプションのウィンドウが表示される。「廃棄」は、アイテムまたはアイテムの一部の物理的破壊、またはアイテムまたはアイテムの一部の破棄を意味する。アイテムの返却とは分配装置または他の保管庫から移動されたアイテムを指し、同じ分配装置または異なる分配装置に戻されることになる。これは全アイテムまたはアイテムの一部を指す。
【0058】
図7は、図6の「廃棄および返却」640などのメニュー選択がどのように見えるかについての一実施形態を示す。そのような表示は、図4を参照して説明されたような遠隔端末上で行う。図6の「廃棄および返却」640を選択することで、図7の廃棄および返却スクリーン700を表示するか、あるいは異なる廃棄および返却スクリーンを表示する。同様に、廃棄および返却スクリーン700は、メニューオプションと関連付けることができ、図6の廃棄および返却640は、異なるメニュー上の異なるメニューオプションと関連付けることができる。たとえば、廃棄および返却スクリーン700は、タブで「薬物廃棄」710および「キャビネット返却要求」715セクションと表題の付いた別個のセクションに分割する。いくつかの実施形態では、これらのセクションは1つのスクリーンで提供される。
【0059】
図7の実施形態では、廃棄薬物710のタブが現在有効である。したがって、アイテムの廃棄に関係する情報が表示される。図示される実施形態では、ユーザが廃棄を要求する薬物が示される。いくつかの実施形態では、患者に関係する薬物またはアイテムの廃棄が要求されているかどうかにかかわらず、すべての患者またはユーザに関係するすべての患者を表示する。廃棄および返却スクリーン700では、患者名730が表示される。この患者と関連付けられるのは、以下のカテゴリ見出し:薬物736、配給731、文書化732、予定733、未文書化734、投与735、および廃棄736である。当業者が理解するように、維持されるデータのカテゴリは、アイテムが使用される業界や分野に基づき変化する場合がある。
【0060】
廃棄薬物スクリーンを介して廃棄情報を入力することで、ユーザは遠隔でアイテムの廃棄を完了させる。これにより、ユーザの分配ユニットへの訪問回数を低減することができる。ユーザがアイテムの廃棄を完了したいと思う場所から分配ユニットが遠く離れている場合、これは特に有用である。たとえば、病院複合施設では、ユーザは、分配装置の位置とは異なる建物で廃棄を完了させたいと思う場合がある。廃棄が立会人を要する場合、これで少なくとも2人の人物が分配装置を訪れる手間を省くことができる。廃棄に必要なすべての情報が廃棄および返却スクリーン700と同様のインタフェースなどの遠隔装置を介して文書化される場合、分配装置への返却訪問がなくなる。
【0061】
薬物736は、廃棄されるべき、患者730に関連付けられる薬物またはアイテムのリストを作成する。この例では、薬物736はモルヒネである。薬物736の見出しは薬物の商品名または一般名を指す。代替名は、括弧内に表示されるか、あるいは薬物の基本名から他の形で目立たせることができる。
【0062】
配給731の見出しは、患者730に配給されるアイテムまたは薬物の量および強度のうちの少なくとも一方を表す。配給の量と単位を表示することができる。同じく「配給」という別の見出しも提示することができる。このフィールドは、配給日時などの配給に関係する追加情報を提供することができる。「文書化」732のヘッダは、患者730に投与された薬物736の量からキャンセルされた投与量を引いたものをリストにする。「予定」733の見出しは、薬物736が配給されたときに投与予定量として指定された薬物736の量をリストにする。薬物736の量が廃棄されたときにこの量はクリアすることができる。「未文書化」734の見出しは、まだ文書化されていない薬物736の量をリストにする。
【0063】
「投与」735という見出しによって、ユーザはボックスをチェック(および未チェック)し、数量を入力する。いくつかの実施形態では、選択する数値のリストをユーザに与えることができる。ボックスが未チェックの場合、ユーザが投与量を入力するのを防止する。投与735の見出し下で量を入力した後、ユーザは「薬物文書化」ボタン770を選択して、新規の情報を伴う表示を保存し更新する。「閉じる」775を選択しても、薬物廃棄710を保存および更新して、ユーザを図6のメニュースクリーン600などのメニューに戻す。
【0064】
「廃棄」738の見出しによって、ユーザはボックスをチェック(および未チェック)し、数量を入力する。いくつかの実施形態では、選択する数値のリストをユーザに与えることができる。立会人が廃棄プロセスのために要求される場合、アイコン737または他の表示が、廃棄手順に立会人が必要なことをユーザに警告する。アイコン737を選択すると、ユーザまたは立会人に、追加情報、オプション、または別個のメニューを提示する。ボックスが未チェックの場合、ユーザが廃棄量を入力するのを防止する。「廃棄」738の見出しの下に量を入力した後、ユーザは「薬物文書化」ボタン770を選択して、新規の情報を伴う表示を保存し更新する。「閉じる」775を選択すると、薬物廃棄710を保存および更新して、ユーザを図6のメニュースクリーン600などのメニューに戻す。別個の「廃棄」750の見出しは、廃棄される日時と量760を示して表示する。
【0065】
多目的用途の薬物などのいくつかの薬物の場合、「廃棄」738の見出し下に廃棄量を自動的に記入する。ユーザはこのデフォルト量を編集してもよく、編集しなくてもよい。ユーザが入力する量に応じて、他の量を、文書化され廃棄された量の合計が総未文書化量となるように自動的に調節する。いくつかの実施形態では、ユーザは任意の量を指定して、合計量が「配給」または「未文書化」量であるかどうかは判定されない。
【0066】
患者名725および730に加えて、追加情報を表示する。患者のID番号780および部屋番号785のうちの少なくとも一方を表示する。患者が、表示されるアイテムまたは薬物に対して現在有効なまたは将来のオーダーを有していない場合、アイコン727または他の警告は、患者が薬物736の現在有効なオーダーを有していないとユーザに警告する表示を行う。ユーザがアイコン727をクリックすると、追加情報を表示する。関連メニューを伴う「患者選択」720の見出しによって、ユーザは患者のリストを選別する。たとえば、ユーザは、ユーザに関連付けられるすべての患者、特定の患者、または廃棄される保留薬物またはアイテムを有するすべての患者を表示する。また、ユーザおよび場所/領域を表示する。現在ログイン中のユーザ名および場所/領域(「救急室」など)のうちの少なくとも一方を表示することで、ユーザが別のユーザのアカウントにログインして薬物またはアイテムを廃棄または返却することが防止される。
【0067】
ユーザが「廃棄」738などの廃棄、「薬物の文書化」770、または「閉じる」775に関連するオプションを選択すると、立会人情報を求めるポップアップウィンドウまたは他の表示が現れる。立会人アイコン737が存在する場合も、そのような表示が現れる。
【0068】
図8は、ユーザが立会人を要する薬物またはアイテムの廃棄を試みる場合に現れる立会人ウィンドウ800の一実施形態を示す。ディスプレイ800は、図7の廃棄および返却スクリーン700と関連付けるか、あるいは他のいくつかの廃棄または返却システムと関連付ける。立会人は、ユーザID810およびパスワード820を指定するよう要求される。ユーザは、立会人のログイン情報が遠隔端末、分配装置、または中央サーバ・コンピュータ・システムで認証されるまで、廃棄プロセスの継続を許可されない。代替的には、立会人は自己の名前を入力するのみでよい。いくつかの実施形態では、患者名840、および廃棄されるアイテムの量860および名前850が表示される。いくつかの実施形態では、立会人ポップアップウィンドウが、廃棄を要する2つ以上のアイテムまたは薬剤のリストを作成する。遠隔端末、中央サーバ・コンピュータ・システム、または分配装置で、立会人がユーザとは異なるかどうかを確認される。このため、ユーザがアイテムまたは薬剤を廃棄する人物と立会人の両方の役割を果たすことが防止される。
【0069】
立会人ウィンドウ800などで立会人を遠隔で入力し文書化できる機能は、アイテムの廃棄と返却の両方にとって特に有用であろう。ある人物は立会人になる時間はあるが、ほんの短い時間しか立ち会えない場合がある。たとえばある同僚の看護師は、アイテムの廃棄に立ち会いたいと思えば、遠隔装置において遠隔で廃棄を迅速に文書化する。しかし同じ看護師でも、廃棄の文書化のために不便な場所にある分配装置を訪れることを必要とする場合、アイテムの廃棄に立ち会いたいと思わない場合がある。
【0070】
図9の廃棄ウィンドウ900などで廃棄理由に関する質問に回答するようにユーザに指示することができる。そのようなウィンドウは、図8の立会人ウィンドウ800などの立会人ウィンドウの後に、前に、またはその代わりに表示する。たとえば、特定のアイテムは廃棄理由を要求する。廃棄理由ウィンドウ900は、常時表示するか、あるいは理由を要求するアイテムまたは薬剤のみに対して表示する。ユーザは廃棄の理由を手動で入力するか(910)、あるいは廃棄の理由をリストから選択する(920)。
【0071】
分配装置の遠隔で質問に回答することが可能であることは特に有用である。性急なユーザが分配装置の使用を待っている場合、分配装置で詳細かつ正確な回答を提供することは困難である場合がある。また、分配ユニットで立って操作する場合とは対照的に、机に座りながらラップトップまたはコンピュータなどの遠隔装置から詳細な説明を入力する方が容易であろう。
【0072】
廃棄プロセス中に他の警告を表示させることもできる。図10の廃棄分配警告ウィンドウ1000は、図8の立会人ウィンドウ800、図9の廃棄理由ウィンドウ900、または図7の廃棄および返却ウィンドウ700などの後で表示させる。廃棄分配警告ウィンドウ1000は、廃棄されるアイテムまたは薬剤毎に現れる。廃棄分配警告ウィンドウ1000は、患者名1030と、廃棄されるアイテムまたは薬剤1020をその量と共に表示する。廃棄の確認がユーザに促される(1010)。ユーザには、廃棄の継続か(1050)キャンセルか(1040)のオプションを提示する。
【0073】
図11は別の廃棄分配警告1100を示す。この警告は、アイテムまたは薬物の廃棄を要求するユーザの選択後に表示させる。いくつかのアイテムまたは薬物の中では、アイテムまたは薬物に関して回答する具体的な質問を要求されるものがある。警告が質問を発し、ユーザは回答選択肢1110の中から選択する。特定のアイテムまたは薬物に関しては1つまたは複数の質問を有する。ここでも、ユーザは、「OK」1130と応答することにより廃棄を継続するか、あるいは「キャンセル」1120と応答することにより廃棄をキャンセルするオプションを有する。
【0074】
ユーザが確認、立会人、および理由に関連するすべてのステップを完了すると、廃棄プロセスが完了する。いくつかの実施形態では、ユーザによってデータが入力された遠隔端末または分配装置を記録することができる。いくつかの実施形態では、図7の廃棄および返却ウィンドウ700に表示される患者情報は、完了した廃棄情報で更新される。
【0075】
廃棄に加えて、ユーザはアイテムの分配ユニットへの返却を決定することができる。たとえば、アイテムが将来、別の患者での使用が実現可能である場合、ユーザは、最初にアイテムを移動させたものと同じ分配装置あるいは異なる分配装置にアイテムまたは薬物を保管するように希望するか、あるいは保管するように求められる。アイテムが最初に中央薬局などの他の分配位置から入手された場合、それらのアイテムは、最初にアイテムを入手した分配装置または分配位置に返却できることになっている。物理的アイテムは分配ユニットに物理的に配置する必要があるが、返却を伴う情報は、分配ユニットまたは遠隔位置から中央コンピュータ・サーバ・システムに提供される。
【0076】
遠隔装置から返却スクリーンを介して返却情報を入力することで、ユーザは遠隔でアイテムまたはアイテムの一部の返却の文書化を少なくとも部分的に完了させる。これにより、ユーザが分配ユニットへの情報の入力に費やす時間を低減することができる。このことは、複数のユーザが分配ユニットを使用したいと思う場合、あるいは大量の情報が返却の文書化を要求する場合、特に有用となり得る。たとえば病院で、ユーザは自分の机上で返却を文書化したいと考え、より好都合な時間にアイテムを渡す。ユーザは依然として分配装置を物理的に訪れる必要とするが、ユーザのユーザ名とパスワードのみなどの最小限の情報を分配装置に提供する必要があるだけである。
【0077】
図12は、返却手続きを遠隔でまたは局所的に実施するために使用することのできる返却ウィンドウ1200の一実施形態を示す。返却ウィンドウ1200は、図7に示されるように「廃棄および返却」ウィンドウのタブ1210として機能するか、または別個の独立型ウィンドウとして機能する。返却ウィンドウ1200は、患者名、患者のID番号、および患者の部屋番号のうちの少なくとも一方などの情報1215を提供する。返却ウィンドウ1200は、患者に関連付けられるすべての薬物のリストまたは返却が求められる薬物のみのリストを提供する。十分な量のアイテムが返却できる場合のみ、アイテムを返却ウィンドウ1200に表示する。たとえば、アイテムが少なくともパッケージサイズである場合にのみ返却できることになっている。特定の薬剤が100mgパケットで入手可能な場合、100mgが返却することになっていれば、アイテムを返却ウィンドウ1200に表示する。100mgのうち50mgが使用されていれば、薬剤は返却ウィンドウ1200に表示されない。
【0078】
返却ウィンドウは、投薬1220、配給1230、文書化1240、予定1250、返却1260、廃棄1270、未文書化1280、および返却量1290などのカテゴリを含む、返却される患者およびアイテムまたは薬剤に関する情報のいくつかのカテゴリを提供する。これらの情報カテゴリはそれぞれ図7の「廃棄および返却」ウィンドウに関連して説明したカテゴリに類似する情報であってもよい。当業者が理解するように、表示される情報は、業界または文書化されるアイテムの種類に応じて大きく変化する。「返却量」1290により、ユーザは返却されるアイテムの量を指定する。「返却量」1290はパッケージ量によってリストにされる。「返却量」1290はプラス/マイナス制御で、ユーザに返却されるアイテムの全パッケージ数を入力させる。立会人に、有効な返却の実行が要求される。アイコン1285は、立会人が返却に必要であることを特定するために使用される。立会人の要求の結果、図8に示されるものと同様のウィンドウとプロンプトが生じる。いくつかの実施形態では、返却は分配ユニットで物理的に実行されなければならないため、立会人が分配装置のところに現れるまで、ID情報または確認情報を提供できない。立会人が物理的に分配装置に存在する必要性にもかかわらず、いまだ看護師にとっては多大な時間の節約になる。たとえば看護師は、立会人が必要であることを前もって知っていれば、分配装置まで出かけ、立会人情報を求められてから、有効な立会人を探し始める時間を節約する。そうではなく、看護師は最初に分配装置に出かける際に有効な立会人を見つけることができる。
【0079】
患者1215が薬物1220に関する現在有効なまたは将来のオーダーを有していない場合、アイコン1217または他の警告を表示する。返却量の入力後、ユーザは返却要求1291を生成するか、あるいは、閉じる1292を選択して返却をキャンセルする。続行に必要な情報が提供されなかった場合、返却されるアイテムのリストの編集を中断させる。また、遠隔装置または分配装置のネットワーク接続が適切に機能していない場合、リストを編集不能とする。
【0080】
要求の生成後、返却が分配装置によって受け取られるまで、返却は「未完了」または「保留」として表示または標記する。図12bの保留返却ウィンドウ1200bは、ユーザによってアクセス可能な保留返却ウィンドウの可能な一実施形態を示す。ウィンドウ1200bは別のウィンドウを通じてタブ1210bとしてアクセス可能であってもよく、あるいは単独型ウィンドウであってもよい。ユーザは、返却量の調節1230b、あるいは返却のキャンセルすること(1240b)ができる。分配装置または位置1220bは、アイテムが返却されるべき場所としてリストにされる。アイテムが分配装置で受領された後、返却は「返却保留」ウィンドウ1210bから移動されて「完了」と標記するか、分配装置に返却されたと他の方法で示す。
【0081】
図13は、患者記録情報を受信する方法1300の一実施形態を示す。そのような方法は、図2に示されるような投与記録コンピュータ・サーバ・システムから中央サーバ・コンピュータ・システムに情報をインポートするために使用される。中央コンピュータ・サーバ・システムは、遠隔端末からユーザ名(1301)およびパスワード(1303)を受信する。その後、中央コンピュータ・サーバ・システムはユーザ名とパスワードを確認する(1305)。確認1305は、ユーザが中央コンピュータ・サーバ・システム、分配装置、およびユーザのうちの少なくとも一方の近傍の特定の分配装置へのアクセスしているかどうかを判定することを含むことができる。ユーザ名とIDが確認されると(1305)、メニューオプションを端末に送信する。ユーザは、新規のまたは修正された患者記録に関する更新要求(1309)を、中央コンピュータ・サーバ・システムに選択および送信する。いくつかの実施形態では、新規の患者は中央コンピュータ・サーバ・システムに自動的にインポートされるため、ユーザは更新を要求する必要がない。
【0082】
更新要求(1309)の受信後、中央コンピュータ・サーバ・システムは投与記録コンピュータ・サーバ・システムからの記録を要求する。いくつかの実施形態では、投与記録コンピュータ・サーバ・システムは、利用可能なときはいつでも、あるいは10分毎などの既定の時間の後に、新規のまたは更新された患者記録を中央コンピュータ・サーバ・システムに自動的に送信する。いくつかの実施形態では、中央コンピュータ・サーバ・システムは投与記録コンピュータ・サーバ・システムに組み込まれ、更新が不要である。記録の要求(1310)に続いて、中央コンピュータ・サーバ・システムは新規のまたは修正された記録を受信する(1320)。記録は全体をインポートされる(1330)場合もあれば、記録の選択された部分がインポートされる場合もある。たとえば患者名、病室番号、および患者ID番号はインポートされるが、症状や眼の色はインポートされない場合もある。いくつかの実施形態では、患者の全情報がインポートされる。
【0083】
中央コンピュータ・サーバ・システムで情報を記録にインポートしたか、あるいは組み込んだ後、新規の記録を遠隔装置に送信する(1340)。その後、ユーザはその記録を検討して、修正する。最後に、中央コンピュータ・サーバ・システムは、遠隔装置から記録に関する新規のまたは修正された情報を受信する(1350)。そのような情報は、患者に投与されるアイテムまたは薬物に関連させることができる。新規の情報がユーザまたは投与記録コンピュータ・サーバ・システムで入手可能となった際には、この方法の部分を繰り返して中央コンピュータ・サーバ・システム上の記録を更新または修正する。
【0084】
図14は、分配装置から移動させられるアイテムの一部の廃棄方法1400の一実施形態を示す。まず、ユーザにログインを要求する。これにより、遠隔装置から中央コンピュータ・サーバ・システムへのユーザのユーザ名1405およびパスワード1410のうちの少なくとも一方の送信が要求される。代替的に、または追加的には、生体認証情報が使用されて、ユーザのIDを確認する。ユーザ名とパスワードが中央コンピュータ・サーバ・システムによって受信されると、中央コンピュータ・サーバ・システム、分配装置、またはユーザの近傍の分配装置へのユーザのアクセス許可が認証される。ユーザが中央コンピュータ・サーバ・システムへのアクセス権を有すると確認されると、メニューオプションが遠隔端末に送信される(1413)。代替的には、ユーザのIDは遠隔端末で認証することができ、中央コンピュータ・サーバ・システムには送信されない。
【0085】
その後、中央コンピュータ・サーバ・システムはメニューからの選択を受信する(1414)。遠隔端末でユーザが行った選択は、廃棄されるべきアイテムの特定を含む。中央コンピュータ・サーバ・システムは、患者情報1415を遠隔装置に送信する。この患者情報は、患者での使用のために分配装置から移動されるアイテムのリスト、アイテムの投与量、患者名、および患者の病室番号を含むことができる。患者情報はユーザに関連するすべての患者を含むことができる、あるいは廃棄を要求するアイテムと関連する患者のみとすることができる。中央コンピュータ・サーバ・システムは、廃棄を要求されるアイテムのリストを送信する(1420)。
【0086】
その後、中央コンピュータ・サーバ・システムは廃棄に関連する情報を受信する(1425)。この情報は、廃棄されるアイテムの量を含む。この廃棄情報の受信に応じて、中央コンピュータ・サーバ・システムは立会人要件を送信する(1430)。この立会人要件は図8の立会人ウィンドウ800と類似していてもよく、あるいはいくつかの異なる立会人情報であってもよい。これに応答して、中央コンピュータ・サーバ・システムは遠隔端末で立会人から、立会人のユーザ名(1435)およびパスワード(1440)などの情報を受信する。次に、中央コンピュータ・サーバ・システム1445は、立会人がユーザと異なる人物であることを確認する。
【0087】
いくつかの実施形態では、中央コンピュータ・サーバ・システムは、ユーザまたは立会人から要求されるアイテムの廃棄理由の要求を送信する(1450)。アイテムの廃棄理由の要求は、図9のウィンドウ900のようなウィンドウ形式または他の形式とすることができる。その後、中央コンピュータ・サーバ・システムは廃棄理由を受信する(1455)。次いで、中央コンピュータ・サーバ・システムは追加質問を送信し(1460)、続いて、それらの質問への回答を受信する(1465)。
【0088】
最後に、廃棄を確認する確認を中央コンピュータ・サーバ・システムから遠隔装置へ送信する(1470)。確認は図10のウィンドウ1000などのウィンドウ形式で表示する。その後、ユーザは続行またはキャンセルすることができる。ユーザが続行する場合、中央コンピュータ・サーバ・システムは廃棄の確認を受信する(1475)。次に、更新された患者情報は遠隔装置に送信される(1480)。
【0089】
図15は、分配装置から既に移動された、あるいは他の方法でユーザに配給されるか借り出されたアイテムまたはアイテムの一部の返却方法1400の一実施形態を示す。まず、ユーザにログインを要求する。これにより、遠隔装置から中央コンピュータ・サーバ・システムにユーザのユーザ名(1505)およびパスワード(1510)のうちの少なくとも一方を送信することを要求する。代替的にまたは追加的には、生体認証情報を使用してユーザのIDを確認する。ユーザ名とパスワードが中央コンピュータ・サーバ・システムに受信されると、中央コンピュータ・サーバ・システム、分配装置、またはユーザの近傍の分配装置へのユーザのアクセス許可が認証される。ユーザが中央コンピュータ・サーバ・システムへのアクセス権を有することが確認されると、メニューオプションが遠隔端末に送信される(1513)。代替的には、ユーザのIDは遠隔端末で認証され、中央コンピュータ・サーバ・システムには送信されない。
【0090】
その後、中央コンピュータ・サーバ・システムはメニューからの選択を受信する(1514)。遠隔端末でユーザが行う選択は、廃棄されるべきアイテムの特定を含む。中央コンピュータ・サーバ・システムは、患者情報を遠隔装置に送信する(1515)。この患者情報は、患者に使用するために分配装置から移動されるアイテム、アイテムの投与量、患者名、および患者の病室番号のリストを含む。患者情報は、ユーザと関連付けられるすべての患者でもよく、廃棄を要するアイテムと関連付けられる患者のみでもよい。中央コンピュータ・サーバ・システムは、返却を要求されるアイテムのリストを送信するか(1520)、またはアイテムの一部が返却されることを求める。
【0091】
その後、中央コンピュータ・サーバ・システムは返却に関連する情報を受信する(1525)。この情報は、返却すべきアイテムの量を含む。返却に関連する情報に基づき、中央サーバ・コンピュータ・システムは、量が分配装置に返却されるのに十分であるかどうかを判定する(1527)。十分でない場合、プロセスを休止させるか、あるいはユーザにアイテムの残りを廃棄するように指示する。この廃棄情報に応答して、中央コンピュータ・サーバ・システムは立会人要件を送信する(1530)。この立会人要件は図8の立会人ウィンドウ800と類似していてもよく、あるいは異なる立会人情報を要求してもよい。これに応答して、中央コンピュータ・サーバ・システムは遠隔端末で立会人から、立会人のユーザ名(1535)およびパスワード(1540)などの情報を受信する。次に中央コンピュータ・サーバ・システムは、立会人がユーザと異なる人物であることを確認する(1545)。
【0092】
いくつかの実施形態では、中央コンピュータ・サーバ・システムは、ユーザまたは立会人から要求され得るアイテムの返却理由の要求を送信する(1550)。アイテムの廃棄理由の要求は図9のウィンドウ900などのウィンドウ形式でもよく、いくつかの別の形式でもよい。その後、中央コンピュータ・サーバ・システムは返却理由を受信する(1555)。次に、中央コンピュータ・サーバ・システムは追加の質問を送信し(1560)、それらの質問に対する回答を受信する(1565)。
【0093】
中央コンピュータ・サーバ・システムから遠隔装置に、返却を確認する保留状態が送信される(1570)。返却が分配装置で受け入れられるまで、返却は保留状態を維持する。保留状態の送信1570は、ユーザがアイテムまたはアイテムの一部を返却するというメッセージを1つの分配装置または複数の分配装置に送信することも含む。その後、中央コンピュータ・サーバ・システムは分配装置からログイン情報を受信する。これは、ユーザのIDを確認することであってもよく、あるいは、中央コンピュータ・サーバ・システムに記憶される保留状態とユーザとを関連付けることであってもよい。いくつかの実施形態では、中央コンピュータ・サーバ・システムに送信せずに、分配装置でユーザを認証する。次に、分配装置で追加情報を入力するように要求することができる。次いで、ユーザはアイテムを分配装置に返却する。アイテムまたはアイテムの一部が分配装置で受け取られると、中央サーバ・コンピュータ・システムは、分配装置から確認を受信する(1575)。その後、更新された患者情報は遠隔装置に送信する(1580)。
【0094】
上述の方法、システム、および装置は単に例であることに留意すべきである。各種実施形態は必要に応じて各種手順または構成要素を省略、置換、または追加することができることを強調しておかねばならない。たとえば、別の実施形態では、方法は説明とは異なる順序で実行でき、様々なステップを追加、省略、または組み合わせることができるものと理解されたい。さらに、一定の実施形態に関して説明された特徴は、他の各種の実施形態と組み合わせることができる。実施形態の様々な態様や要素も同様に組み合わせることができる。また、技術は進化することを強調しておくべきであり、したがって、構成要素の多くは単なる例であり、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0095】
実施形態を十分に理解してもらうために具体的な詳細が明細書で提供されている。しかし、当業者はこれらの具体的な詳細なしに実施形態を実行できるものと理解されたい。たとえば曖昧な実施形態を防ぐために、周知の回路、工程、構造、および手法は不要な細部を省略して示した。
【0096】
また、実施形態は、フロー図またはブロック図として示されるプロセスとして説明できることを留意しておく。各実施形態は順次的なプロセスとして動作を説明している場合があるが、動作の多くは並行して、または同時に実行可能である。また、動作の順序は並べ替えることができる。プロセスは図に含まれない追加ステップを有することができる。
【0097】
さらに、本明細書に開示されるように、「データ記憶装置」、「中央サーバ・コンピュータ・システム」、および「投与記録コンピュータ・サーバ・システム」という用語は、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置、または情報を記憶する他のコンピュータ読取可能媒体などの1つまたはそれ以上の装置を表すことができる。「コンピュータ読取可能媒体」という用語は、携帯または固定記憶装置、光学記憶装置、無線チャネル、SIMカード、他のスマートカード、および指示またはデータを記憶、保有、または持ち出すことのできる他の各種媒体を含むがそれらに限定されない。
【0098】
さらに、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの組み合わせによって実行できる。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実行される際、必要なタスクを実行するプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体などのコンピュータ読取可能媒体に記憶させることができる。プロセッサは必要なタスクを実行することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの分配装置に保管されるように構成されるアイテムを遠隔管理する方法であって、
ホスト・コンピュータ・システムで、前記分配装置から離れて配置される電子装置からユーザID情報を受信すること、
前記ホスト・コンピュータ・システムから前記電子装置へ、患者に関連付けられる少なくとも1つのアイテムの処置を送信すること、
前記ホスト・コンピュータ・システムで、前記分配装置に基づくアイテムに関する情報を遠隔電子装置から受信することであって、前記情報が前記アイテムのさらなる処置を含む、前記情報を受信すること、
を備える、方法。
【請求項2】
前記ホスト・コンピュータ・システムで、前記電子装置から前記患者の患者ID情報を受信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
患者にまだ投与されていないか、まだ廃棄されていないか、あるいは前記分配装置にまだ返却されていない、ユーザが前記分配装置から移動させたアイテムのリストを、前記ホスト・コンピュータ・システムから前記遠隔電子装置へ送信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アイテムのリストが、廃棄されるアイテムの少なくとも一部または前記分配装置に返却されるアイテムの少なくとも一部を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記アイテムの少なくとも一部は、管理された医薬品または医療用品である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アイテムのさらなる処置が、前記分配装置に返却されている前記管理された医薬品または医療用品の少なくとも一部を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ホスト装置で前記遠隔電子装置から受信した、前記管理される医薬品または医療用品の前記少なくとも一部に関する情報の少なくとも一部を前記ホスト装置から前記分配装置へ送信することをさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ホスト・コンピュータ・システムで、前記管理された医薬品または医療用品の少なくとも一部が移動されていることの確認を前記分配装置から受信することをさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記分配装置が施錠により保護され、前記アイテムの返却前に解錠することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記遠隔電子装置がグラフィカル・ユーザ・インタフェースを備え、ユーザ入力の少なくとも一部が前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースを通じて受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記グラフィカル・ユーザ・インタフェースがウェブブラウザを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記管理された医薬品または医療用品のさらなる処置が、前記分配装置に返却されている前記管理された医薬品または医療用品の少なくとも一部の廃棄を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記管理された医薬品または医療用品のさらなる処置が前記アイテムの少なくとも一部の廃棄を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記ホスト・コンピュータ・システムから前記遠隔電子装置へ前記管理された医薬品または医療用品の少なくとも一部の廃棄に関する情報を送信することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ホスト・コンピュータ・システムで、前記遠隔電子装置から前記管理された医薬品または医療用品の少なくとも一部の廃棄に関する情報を受信することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ホスト・コンピュータ・システムで、前記遠隔電子装置から前記管理された医薬品または医療用品の少なくとも一部の廃棄理由を受信することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ホスト・コンピュータ・システムで、前記遠隔電子装置から前記アイテムの少なくとも一部の廃棄に立ち会う立会人に関する情報を受信する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記立会人識別情報が前記立会人のログオン情報を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記立会人に関する情報をユーザに関する情報と比較すること、
前記立会人がユーザでないことを判定すること、
をさらに備える請求項17の方法。
【請求項20】
前記ホスト・コンピュータ・システムと前記分配装置が同じ装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
アイテムを分配するシステムであって、
複数のアイテムを保持するように構成される少なくとも1つの分配装置であって、ユーザ入力を受信するように構成されるプロセッサを含む前記少なくとも1つの分配装置と、
前記分配装置でプロセッサと通信するように構成されるホストシステムであって、
前記分配装置の遠隔に配置される電子装置からユーザID情報を受信し、
前記分配装置に基づくアイテムの処置のユーザ要求を前記電子装置から受信し、前記アイテムが患者に関連付けられており、
前記アイテムのさらなる処置に関する情報を前記遠隔電子装置に送信し、
前記アイテムのさらなる処置に関してユーザから情報を受信するように構成される前記ホストシステムと、
を備える、システム。
【請求項22】
前記ホストシステムが前記電子装置から患者の患者ID情報を受信するようにさらに構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
第1の分配装置と第2の分配装置が保護されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のアイテムが複数の医療用品および薬剤である、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
第1の分配装置と第2の分配装置が同じ分配装置である、請求項21に記載のシステム。
【請求項26】
前記ホストシステムと前記分配装置が一体化されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項27】
前記遠隔ユーザシステムがウェブブラウザを備え、ユーザ入力の少なくとも一部がウェブブラウザに受信される、請求項21のシステム。
【請求項28】
アイテムの配布を監視する方法であって、
ホスト・コンピュータ・システムで、投与記録システムから第1の患者記録に含まれるデータの少なくとも1つのサブセットを受信すること、
前記ホスト・コンピュータ・システムで、患者の薬物に関する情報用のフィールドを含む第2の患者記録を作製すること、
前記ホスト・コンピュータ・システムで、前記第1の患者記録に含まれる前記データのサブセットの少なくとも一部を前記第2の患者記録に組み入れること、
前記第2の患者記録の少なくとも一部を前記ホスト・コンピュータ・システムから前記分配装置の遠隔に配置される電子装置に送信すること、
前記ホスト・コンピュータ・システムで、前記第2の患者記録の修正または前記第2の患者記録への追加を受信し、前記修正または追加が前記分配装置に保管される管理された医薬品または医療用品の処置を含むことを備える方法。
【請求項29】
前記ホスト・コンピュータ・システムと前記電子投与記録システムが同じシステムである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ホスト・コンピュータ・システムと前記分配装置が一体化されている、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の患者記録の前記修正または追加が、前記管理された医薬品または医療用品の少なくとも一部の廃棄に関する情報を含む、請求項28の方法。
【請求項32】
前記第2の患者記録の前記修正または追加が、前記管理された医薬品または医療用品の少なくとも一部の返却に関する情報を含む、請求項28の方法。
【請求項33】
アイテムを分配するシステムであって、
複数のアイテムを保持するように構成される少なくとも1つの分配装置であって、ユーザ入力を受信するように構成されるプロセッサを含む前記少なくとも1つの分配装置と、
カートベースの電子装置と、複数の患者と関連付けられるアイテムを保管するように構成される複数の引出しとを含むカートと、
前記分配装置のプロセッサおよび前記カートベースの電子装置と通信するように構成されるホストシステムであって、
前記複数の患者用の第1のセットの構成データを、前記カートベースの電子装置に送信し、
前記複数の患者の少なくとも1人の患者への前記複数の引出しのうちの少なくとも1つの引出しの割当を決定する第2のセットの構成データを、前記カートベースの電子装置に送信するように構成されるホスト・コンピュータ・システムとを備える、システム。

【図3】
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【図4】
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【図4b】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図12b】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−533136(P2012−533136A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520721(P2012−520721)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/041834
【国際公開番号】WO2011/008765
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(505411125)オムニセル, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】