説明

遮熱性を有する遮光性布帛及びその製造方法

【課題】薄く軽量であり、優れた遮光性を有し、かつ赤外線の平均反射率が高く高温になり難い遮光性布帛を提供すること。
【解決手段】布帛12の少なくとも片面に遮光性赤外線反射層14を設けた遮光性布帛11において、前記遮光性赤外線反射層14には遮光顔料と赤外線反射顔料とが2:1〜1:10の重量割合で含まれており、該遮光性布帛11は、JIS L1055A法で99.99%以上の遮光性を有し、かつ800〜2500nmにおける赤外線の平均反射率が55%以上であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば傘地、テント、衣料或いはカーテンに好適に使用できる遮光性布帛及びその製造方法に関する。詳細には、薄く軽量であり、優れた遮光性を有し、かつ赤外線の平均反射率が高く高温になり難い優れた遮熱性を有する遮光性布帛及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、傘地、テント、衣料或いはカーテンに好適に使用できる遮光性布帛としては、染色され、撥水加工された布帛の裏面に、バインダーと酸化チタンと黒色顔料を固形分重量比率で10:10〜4:1.2〜0.5割合で含む黒色の下塗コーティング層を固形分で20〜50g/mの厚さにコーティング形成し、その上に、着色料を含む上塗コーティング層を固形分で8〜25g/mの割合でコーティングしたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この遮光性布帛にあっては、カーボンブラックなどを主成分とする黒色顔料を用いることで遮光性を導き出しており、1枚の布帛で完全な遮光性を得ることができ、重量感のあるカーテンの他に、樹脂層の存在をあまり感じさせることができない傘地や衣料などの用途にも適用することができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−115488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、カーボンブラックなどを主成分とする黒色顔料は赤外線吸収率が高いことから、遮光性を高めれば高めるほど、赤外線吸収率が高くなる。赤外線を吸収した黒色顔料は顔料内部で赤外線を熱に変換するので、上記遮光性布帛は、高い遮光性を得る一方で赤外線を吸収して高温になりやすいという不具合を有していた。
【0006】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、薄く軽量であり、優れた遮光性を有し、かつ赤外線の平均反射率が高く高温になり難い優れた遮熱性を有する遮光性布帛及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、布帛の少なくとも片面に遮光性赤外線反射層を設けた遮光性布帛において、前記遮光性赤外線反射層には遮光顔料と赤外線反射顔料とが2:1〜1:10の重量割合で含まれており、該遮光性布帛は、JIS L1055A法で99.99%以上の遮光性を有し、かつ800〜2500nmにおける赤外線の平均反射率が55%以上であることを特徴とする遮光性布帛をその要旨とした。
【0008】
請求項2に記載の発明は、遮光性赤外線反射層が遮光顔料を含む遮光層と赤外線反射顔料を含む赤外線反射層とからなることを特徴とする請求項1に記載の遮光性布帛をその要旨とした。
【0009】
請求項3に記載の発明は、遮光性赤外線反射層の光照射される表面側に赤外線反射層が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の遮光性布帛をその要旨とした。
【0010】
請求項4に記載の発明は、遮光顔料がカーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン黒鉛、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び硫酸バリウムから選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性布帛をその要旨とした。
【0011】
請求項5に記載の発明は、赤外線反射顔料が、Fe−Cr−O顔料、ビスマスマンガン酸化物顔料、アルカリ土類−マンガン酸化物顔料及び銅−マグネシウム化合物顔料から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性布帛をその要旨とした。
【0012】
請求項6に記載の発明は、遮光性赤外線反射層が布帛上に固形分で10〜100g/mの割合でコーティングされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遮光性布帛をその要旨とした。
【0013】
請求項7に記載の発明は、遮光性赤外線反射層の内側に撥水層が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遮光性布帛をその要旨とした。
【0014】
請求項8に記載の発明は、布帛の少なくとも片面に遮光性赤外線反射層を設けた遮光性布帛の製造方法であって、前記布帛の少なくとも片面に赤外線反射顔料とバインダー材料とを含む赤外線反射コーティング組成物を塗布して赤外線反射層を形成し、次いで、前記赤外線反射層上面に遮光顔料とバインダー材料とを含む遮光コーティング組成物を塗布して遮光層を形成することを特徴とする遮光性布帛の製造方法をその要旨とした。
【0015】
請求項9に記載の発明は、遮光層を赤外線反射層上面に固形分で3〜50g/mの割合となるように塗布すると共に、赤外線反射層を布帛上面に固形分で7〜70g/mの割合となるように塗布することを特徴とする請求項8に記載の遮光性布帛の製造方法をその要旨とした。
【発明の効果】
【0016】
本発明の遮光性布帛にあっては、布帛の少なくとも片面に設けた遮光性赤外線反射層に遮光顔料と赤外線反射顔料とが2:1〜1:10の重量割合で含まれており、JIS L1055A法で99.99%以上の遮光性を有し、かつ800〜2500nmにおける赤外線の平均反射率が55%以上であることから、薄く軽量であり、優れた遮光性を有し、かつ赤外線の平均反射率が高く高温になり難い優れた遮熱性を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の遮光性布帛を示す要部拡大断面図。
【図2】本発明の遮光性布帛の別の形態を示す要部拡大断面図。
【図3】本発明の遮光性布帛のさらに別の形態を示す要部拡大断面図。
【図4】本発明の遮光性布帛の遮光性及び赤外線反射率を測定する装置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の遮光性布帛及びその製造方法を更に詳しく説明する。図1及び図2に示すように、本発明の遮光性布帛11は、布帛12の少なくとも片面に遮光性赤外線反射層14を設けたものである。本発明の遮光性布帛に用いる布帛としては特に限定されず、傘地、テント、衣料或いはカーテンなど、その用途や使用状態に応じて適宜決定することができ、例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維等の合成繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維を単独で或いは2種以上の混合したものを構成繊維とする布帛を使用することができる。
【0019】
布帛の組織としては、織物、編物および不織布から選ばれた少なくとも1種を使用することができるが、これらの中でも、木綿やポリエステル繊維を素材とする織物が好ましく、ポリエステル繊維としては、長繊維、短繊維あるいはこれらを混合したものを用いることができ、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、或いはこれらに例えばポリエチレングリコールやイソフタル酸などを共重合したり、ブレンドしたりして得られるポリエステルからなる繊維を挙げることができる。
【0020】
布帛には、後述の遮光性赤外線反射層を設ける際に、該遮光性赤外線反射層を構成するコーティング組成物が布帛に深く浸透して、布帛本来の風合いを損ねたり、該組成物が布帛表面に滲み出したりするのを防止するため、図1及び図2に示すように撥水処理を施して布帛12表面に撥水層13を設けることが好ましい。撥水処理に用いる撥水処理剤としては、従来より知られるフッ素系、シリコン系、ワックス系のものを用いることができる。
【0021】
撥水処理剤の布帛への付与方法としては、浸漬法、スプレー法、ロータリータッチ法など、従来より知られた方法を用いることができる。
【0022】
この布帛の少なくとも片面に遮光性赤外線反射層が設けられている。この遮光性赤外線反射層には、遮光顔料と赤外線反射顔料とが含まれている。遮光顔料は、可視光線の入射を阻止することで、或いは可視光線を効果的に吸収してその入射を阻止することで、遮光性を付与する成分であり、具体的にはカーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び硫酸バリウムから選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の混合物を挙げることができる。中でも、吸収率、分散安定性、コストの点から、カーボンブラックが特に好ましい。また、遮光顔料は、分散安定性の点から平均粒径0.001〜20μmのものが好ましい。
【0023】
遮光性赤外線反射層は、布帛上に固形分で10〜100g/mの割合でコーティングされていることが望ましく、この遮光性赤外線反射層における遮光顔料の含有量としては、布帛上に塗布したときに、固形分で1〜10g/mの割合となるようにするのが望ましい。遮光顔料の含有量が上記範囲外の場合、十分な遮光性を得ることができなかったり、布帛の風合いを損ねたりする恐れがあるからである。
【0024】
赤外線反射顔料は、赤外線を反射して赤外線吸収による布帛の温度上昇を効果的に抑制する成分であり、具体的にはFe−Cr−O顔料、ビスマスマンガン酸化物顔料、アルカリ土類−マンガン酸化物顔料及び銅−マグネシウム化合物顔料から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の混合物を挙げることができる。
【0025】
遮光性赤外線反射層における赤外線反射顔料の含有量としては、布帛上に塗布したときに、固形分で1〜30g/mの割合となるようにするのが望ましい。赤外線反射顔料の含有量が上記範囲外の場合、十分な赤外線反射効果を得ることができなかったり、布帛の風合いを損ねたりする恐れがある。
【0026】
遮光性赤外線反射層は、上記遮光顔料及び赤外線反射顔料を含むコーティング組成物を布帛に塗布することで得ることができる。コーティング組成物には、遮光顔料及び赤外線反射顔料の他に、これら遮光顔料及び赤外線反射顔料を布帛に固着させるバインダーポリマーと、前記遮光顔料及び赤外線反射顔料とバインダーポリマーとを分散させる水又は有機溶剤と界面活性剤と分散剤とを配合したものを用いることができる。
【0027】
バインダーポリマーとしては、例えばアクリルポリマー、アクリルスチレンコポリマー、アクリルウレタンコポリマー、アクリルスチレンコポリマー、アクリルマレイン酸コポリマー、アクリルブタジエンコポリマー、アクリル酢酸ビニルコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、SBR、NBRなどを挙げることができる。
【0028】
有機溶剤としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノールなどを挙げることができる。また、界面活性剤としては、例えばポリエーテル誘導体、ポリビニルピロリドン誘導体などの非イオン性界面活性剤、スルホン酸やカルボン酸、およびそれらの塩を含有するポリマーなどのアニオン性界面活性剤、アミン系化合物やイミダゾリンなどのカチオン性界面活性剤などを挙げることができる。分散剤としては、例えばポリアクリル酸やポリメタアクリル酸などを挙げることができる。
【0029】
コーティング組成物を構成する水又は有機溶剤、界面活性剤、分散剤の種類、配合割合などは任意であり、本発明の遮光布帛の用途や使用状態、遮光顔料及び赤外線反射顔料の種類、布帛の素材や種類などを考慮して適宜決定すると良い。
【0030】
遮光性赤外線反射層は、ナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ディッピング法などの従来より知られた塗布方法により、上記コーティング組成物を布帛表面に塗布することにより形成することができる。
【0031】
また、遮光性赤外線反射層は、遮光顔料と赤外線反射顔料とがともに1層中に含まれる形態の他に、例えば図1及び図2に示すように、遮光顔料を含む遮光層15と赤外線反射顔料を含む赤外線反射層16とからなる形態を採ることもできる。
【0032】
以下、図1及び図2に示す形態について説明する。図1は、布帛12の片面に遮光性赤外線反射層14を設けた形態を示したものであり、図2は、布帛12の両面に遮光性赤外線反射層14を設けた形態を示したものである。図1及び図2のいずれの形態を選択するかは、用途や使用状態に応じて適宜決定すると良い。例えば本発明の遮光性布帛を傘地、衣料などの用途に適用する場合、布帛12の片面に遮光性赤外線反射層14を設けた図1に示す形態のものが好ましく、本発明の遮光性布帛をテントなどの用途に適用する場合には、布帛12の両面に遮光性赤外線反射層14を設けた図2に示す形態のものが好ましい。
【0033】
図1に示す遮光性布帛11は、布帛12の片面に遮光顔料を含む遮光層15と赤外線反射顔料を含む赤外線反射層16とからなる遮光性赤外線反射層14を設けたものである。図1に示す遮光性布帛11は傘地に適用する場合を想定したものであり、この場合、布帛12側が日照側となり、遮光性赤外線反射層14が形成される側が人体側となるように、光照射される布帛側には赤外線反射層16が設けられ、この赤外線反射層16の外側に遮光顔料を含む遮光層15が重ねて設けられており、布帛12を透過した太陽光からの赤外線が遮光性赤外線反射層14の内側の赤外線反射層16に含まれる赤外線反射顔料によって効果的に反射され、赤外線反射層16を透過した可視光線が遮光性赤外線反射層14の外側の遮光層15に含まれる遮光顔料によって確実に遮光されるようになっている。
【0034】
図1に示す遮光性布帛11における遮光性赤外線反射層14は、赤外線反射顔料とバインダー材料とを含む赤外線反射コーティング組成物を布帛の片面に塗布して赤外線反射層16を形成し、次いで、前記赤外線反射層16上面に遮光顔料とバインダー材料とを含む遮光コーティング組成物を塗布して遮光層15を形成するという方法で形成できる。
【0035】
尚、本発明の遮光性布帛11にあっては、例えば遮光性赤外線反射層14が形成される側が日照側となり、布帛12側が人体側となるような用途の場合には、図3に示すように、布帛12の片面に遮光層15を形成し、その遮光層15の上面に赤外線反射層16を形成した形態を採ることもできる。
【0036】
遮光層15の形成に用いる遮光コーティング組成物には、上述した遮光顔料と、バインダーポリマーと、これら遮光顔料及びバインダーポリマーを分散させる水又は有機溶剤と界面活性剤と分散剤とを配合したものを用いることができる。遮光コーティング組成物の各成分の配合割合は任意であり、本発明の遮光布帛の用途や使用状態、遮光顔料の種類、布帛の素材や種類などを考慮して適宜決定すると良い。
【0037】
赤外線反射層16の形成に用いる赤外線反射コーティング組成物には、上述した赤外線反射顔料と、バインダーポリマーと、これら赤外線反射顔料及びバインダーポリマーを分散させる水又は有機溶剤と界面活性剤と分散剤とを配合したものを用いることができる。赤外線反射コーティング組成物の各成分の配合割合は任意であり、本発明の遮光布帛の用途や使用状態、遮光顔料の種類、布帛の素材や種類などを考慮して適宜決定すると良い。
【0038】
遮光層15並びに赤外線反射層16は、いずれもナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ディッピング法などの従来より知られた塗布方法により、上記遮光コーティング組成物並びに赤外線反射コーティング組成物を布帛表面に塗布することにより形成することができる。
【0039】
また、遮光性赤外線反射層14を構成する遮光層15及び赤外線反射層16は、1層に限らず、複数の塗布を繰り返して重ね塗りすることにより複数層としても良い。例えば遮光層15を複数層とし、赤外線反射層16を単層としたり、遮光層15を単層とし、赤外線反射層16を複数層としたり、或いは遮光層15及び赤外線反射層16のいずれも複数層とするなど、本発明の遮光布帛の用途や使用状態、遮光顔料の種類、布帛の素材や種類などを考慮して適宜決定すると良い。
【0040】
尚、本発明の遮光性布帛は、例えば遮光層15及び赤外線反射層16を構成する遮光コーティング組成物並びに赤外線反射コーティング組成物中に紫外線吸収剤、香料などの添加剤を配合するなど、特許請求の範囲に記載された範囲内で自由に変更することができる。
【実施例】
【0041】
下記表1に実施例1及び2並びに比較例1及び2の各遮光性布帛の組成を示し、同じく表1には、各遮光性布帛の遮光性並びに赤外線反射性の評価結果を示した。尚、遮光性の評価は、JIS L1055Aに準じて行った。
【0042】
赤外線反射性の評価は、図4に示すように試験台上に黒画用紙をセットし、この黒画用紙の上に各遮光性布帛(供試品)を約5mmの間隔をおいて配置し、各遮光性布帛(供試品)の上面から50cm離れた位置からランプ光を照射して裏面の画用紙中央の温度を熱電対で経時的に測定することにより行った。尚、試験は位置を入れ替えて2回測定し、そのデータを平均した値を試験結果とした。使用したランプには、岩崎電気株式会社製のアイランプ(スポット、PRS100V、500W)を使用し、ランプの照射時間は15分とした。また、測定時における室内温度は23.0±2℃であった。
【0043】
【表1】

【0044】
表1から、比較例1及び2に係る各遮光性布帛が、遮光性及び赤外線の平均反射率のいずれもが良好なものがなかったのに対し、実施例1及び2に係る各遮光性布帛は、JIS
L1055A法で99.99%以上の遮光性を有し、かつ800〜2500nmにおける赤外線の平均反射率が55%以上であり、遮光性並びに赤外線反射効果に優れることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の遮光性布帛は、薄く軽量であり、優れた遮光性を有し、かつ赤外線の平均反射率が高く高温になり難く優れた遮熱性を有していることから、例えば傘地、テント、衣料或いはカーテンなどに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0046】
12・・・布帛
13・・・撥水層
14・・・遮光性赤外線反射層
15・・・遮光層
16・・・赤外線反射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布帛の少なくとも片面に遮光性赤外線反射層を設けた遮光性布帛において、
前記遮光性赤外線反射層には遮光顔料と赤外線反射顔料とが2:1〜1:10の重量割合で含まれており、該遮光性布帛は、JIS L1055A法で99.99%以上の遮光性を有し、かつ800〜2500nmにおける赤外線の平均反射率が55%以上であることを特徴とする遮光性布帛。
【請求項2】
遮光性赤外線反射層が遮光顔料を含む遮光層と赤外線反射顔料を含む赤外線反射層とからなることを特徴とする請求項1に記載の遮光性布帛。
【請求項3】
遮光性赤外線反射層の光照射される表面側に赤外線反射層が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の遮光性布帛。
【請求項4】
遮光顔料がカーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン黒鉛、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び硫酸バリウムから選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性布帛。
【請求項5】
赤外線反射顔料が、Fe−Cr−O顔料、ビスマスマンガン酸化物顔料、アルカリ土類−マンガン酸化物顔料及び銅−マグネシウム化合物顔料から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遮光性布帛。
【請求項6】
遮光性赤外線反射層が布帛上に固形分で10〜100g/mの割合でコーティングされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遮光性布帛。
【請求項7】
遮光性赤外線反射層の内側に撥水層が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遮光性布帛。
【請求項8】
布帛の少なくとも片面に遮光性赤外線反射層を設けた遮光性布帛の製造方法であって、
前記布帛の少なくとも片面に赤外線反射顔料とバインダー材料とを含む赤外線反射コーティング組成物を塗布して赤外線反射層を形成し、次いで、前記赤外線反射層上面に遮光顔料とバインダー材料とを含む遮光コーティング組成物を塗布して遮光層を形成することを特徴とする遮光性布帛の製造方法。
【請求項9】
遮光層を赤外線反射層上面に固形分で3〜50g/mの割合となるように塗布すると共に、赤外線反射層を布帛上面に固形分で7〜70g/mの割合となるように塗布することを特徴とする請求項8に記載の遮光性布帛の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−23802(P2013−23802A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172350(P2011−172350)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(596012320)東京田川株式会社 (3)
【出願人】(000105408)コーテック株式会社 (1)
【Fターム(参考)】