説明

選別装置

【課題】 農産物の重量や大きさ等の外部特徴に基づく選別にあたり、農産物の糖度や酸度等の内部特徴を考慮した選別を行うことができ、これにより差別化や付加価値等を向上させることができる選別装置を提供する。
【解決手段】
複数の農産物Aを収容する収容部11と、収容部11からの農産物Aを該農産物Aの重量に基づき選別する選別装置本体20,20’とを備える選別装置100,100’は、収容部11と選別装置本体20,20’との間に農産物Aの糖度又は酸度を測定する測定装置30が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農産物を所定の基準に基づいて選別する選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
さくらんぼやミニトマトといった農産物の選別装置として、農産物の外部特徴(例えば、重量や大きさ)に基づき選別するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に開示されている選別装置では、平行リンクによって転倒可能に支持された倒立四角錘台形の複数のバケットが、搬送コンベアによって所定の間隔で一列に搬送されており、搬送コンベアの上流側に配置した供給器から各バケットに、農産物が一個ずつ供給される。搬送コンベアの搬送域には計量器が配設してあり、農産物が供給された各バケットは、搬送コンベアによって計量器へ搬送される。各バケットの平行リンクにはそれぞれスライダが連結してあり、計量器にはロードセルを内蔵する計量子が設けてある。計量器にバケットが搬送されると、前記スライダが計量子に吊下されるようになっており、計量子によってバケット及び農産物の総重量が測定される。そして、計量器は各計量結果を制御器に与える。
【0004】
前記搬送域の計量器より下流側には、前記バケットを転倒させてバケットから農産物を排出させる複数の排出器が、搬送方向へ所定の距離を隔てて配設してあり、各排出機には前記制御器からバケットを転倒させる排出命令が与えられるようになっている。前述した制御器には、各排出機に対応して、当該排出機で排出すべき農産物の重量範囲が予め設定してあり、制御器は、計量器から与えられた計量結果に基づいて当該バケットに供給された農産物の重量を算出し、得られた農産物の重量が属する重量範囲の排出機を特定し、特定した排出機に排出命令を与える。
【0005】
前述した各排出機の下方には、バケットから排出された農産物を受けるシュータがそれぞれ各排出機に対応して設けてあり、バケットからシュータへ排出された農産物は、シュータから出荷用の箱内へ投入される。
【0006】
【特許文献1】特開2002−28577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したような従来の選別装置では、農産物の重量や大きさ等の外部特徴に基づき選別しているものの、農産物の糖度や酸度等の内部特徴(換言すれば、甘みや酸っぱさといった食味に関わる内部品質)を考慮して、商品の差別化を行ったり、商品に付加価値を付けることがなされていないのが実情である。
【0008】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、農産物の重量や大きさ等の外部特徴に基づく選別にあたり、農産物の糖度や酸度等の内部特徴を考慮した選別を行うことができ、これにより差別化や付加価値等を向上させることができる選別装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するため、複数の農産物を収容する収容部と、前記収容部からの農産物を該農産物の外部特徴に基づき選別する選別装置本体とを備える選別装置であって、前記収容部と前記選別装置本体との間に農産物の内部特徴を測定する測定装置が配設されていることを特徴とする選別装置を提供する。
【0010】
本発明にいう前記「農産物の外部特徴」とは、例えば、農産物の重量や大きさといった外観に関わる外部品質のことを意味し、また前記「農産物の内部特徴」とは、例えば、農産物の糖度や酸度(換言すれば、甘みや酸っぱさ)といった食味に関わる内部品質のことを意味する。
【0011】
本発明に係る選別装置によれば、前記収容部と前記選別装置本体との間に農産物の内部特徴を測定する測定装置が配設されているので、農産物の重量や大きさ等の外部特徴に基づく選別にあたり、この測定装置によって、農産物の糖度や酸度等の内部特徴を考慮した選別を行うことができ、これにより選別装置の差別化や付加価値等を向上させることができる。
【0012】
農産物の内部特徴を測定する前記測定装置としては、農産物の糖度や酸度等の内部特徴を非破壊で測定するものを例示でき、例えば、農産物へ投光して得た光を用いて農産物の内部特徴を測定するもの挙げることができる。また、前記選別装置本体について、農産物を該農産物の重量に基づき選別する選別装置本体としては、例えば、農産物を保持する複数の保持部材と、農産物を各保持部材に載せて上流側から下流側へ一列に搬送する搬送装置とを備え、前記複数の保持部材にそれぞれ計量装置を設けておき、該各計量装置で測定された農産物の重量に基づき選別するものや、農産物を保持する複数の保持部材と、農産物を各保持部材に載せて上流側から下流側へ一列に搬送する搬送装置とを備え、該搬送装置の搬送域に一の計量装置を設けておき、該計量装置で測定された農産物の重量に基づき選別するものを挙げることができ、農産物を該農産物の大きさに基づき選別する選別装置本体としては、例えば、並設された搬送帯の間隔の大小を利用して選別するものを挙げることができる。
【0013】
本発明に係る選別装置において、前記測定装置と前記選別装置本体との間に農産物を振り分ける振り分け装置が配設されていて、前記測定装置の測定値に基づき前記振り分け装置にて農産物を振り分けるように構成されていてもよい。この選別装置では、前記測定装置の測定値が所定の閾値以上又は所定の閾値以下の場合に、前記振り分け装置にて農産物を前記選別装置本体に供給しないように構成されていることが好ましい。こうすることで、農産物の内部特徴が所定の基準以下の(例えば、出荷できる内部品質のレベルにない)農産物を選別しないように事前に撥ねることができる。
【0014】
本発明に係る選別装置において、前記選別装置本体が、前記収容部からの農産物を該農産物の外部特徴に基づき選別する複数の選別部を備えていて、前記振り分け装置が配設されている場合には、前記測定装置の測定値に基づき前記振り分け装置にて農産物を前記複数の選別部に振り分けるように構成されていてもよい。この選別装置では、農産物の内部特徴について予め2段階又はそれ以上にランク付けしておき、選別される農産物をこのランク付けに基づき前記複数の選別部にそれぞれ振り分けることができる。こうすることで、農産物の内部特徴に基づくランク毎に農産物の外部特徴に基づく選別を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、農産物の重量や大きさ等の外部特徴に基づく選別にあたり、農産物の糖度や酸度等の内部特徴を考慮した選別を行うことができ、これにより差別化や付加価値等を向上させることができる選別装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながらに説明する。図1は、本発明に係る選別装置の一例100の概略構成を示す平面図である。
【0017】
図1に示す選別装置100は、さくらんぼといった農産物Aを供給する供給装置10と、該供給装置10からの農産物Aを該農産物Aの外部特徴に基づき選別する選別装置本体20と、農産物Aの内部特徴を測定する測定装置30と、農産物Aを振り分ける振り分け装置40と、農産物Aの仕分けを制御する制御装置50(図1では図示を省略、後述する図5参照)とを備えている。
【0018】
前記供給装置10は、複数の農産物Aを収容する収容部11(以下ホッパという)と、該ホッパ11から前記選別装置本体20に農産物Aを供給する供給部12とを備えている。前記ホッパ11は、前記選別装置本体20における後述する搬送コンベア212の軌道外側に配設されており、農産物A一つ分が通過可能に規制する規制板121を備えている。前記供給部12は、前記規制板121によって規制された農産物Aを一列に供給するように配設された供給コンベア122を備えており、前記供給コンベア122にて前記ホッパ11において前記規制板121で規制され、該規制板121で一列に整列された各農産物Aを前記供給コンベア122で所定の供給方向(図中X方向)に沿って一個ずつ前記選別装置本体20の後述する供給ガイド210に向けて供給するものであり、一端が前記ホッパ11に連結され、他端が前記搬送コンベア212の往路側直線軌道領域の中途付近まで延設されている。
【0019】
前記選別装置本体20は、前記ホッパ11から前記供給部12によって供給される農産物Aを該農産物Aの外部特徴(本実施形態では農産物Aの重量)に基づき選別する選別部21を備えている。
【0020】
前記選別部21は、前記した搬送コンベア212の他、供給ガイド210、複数(ここでは20個)のバケット211,211,…、複数の(ここでは第1から第3の)排出機213a,213b,213c、複数の(ここでは第1から第3の)収納器214a,214b,214c及び計量装置215を備えている。前記供給ガイド210は、前記供給コンベア122の供給終端部122aにおいて、該供給終端部122aに到来する農産物Aを前記バケット211に導くことができるように、図示を省略した支持部材にて供給方向Xを横切る方向に傾斜して配設されている。
【0021】
前記複数のバケット211,211,…は、前記供給部12から供給されてきた農産物Aを一個ずつ保持できる保持部材であり、具体的に言えば何れも倒立四角錐台形の形状を呈している。これらのバケット211,211,…は、何れも前記搬送コンベア212に図示を省略した平行リンクによって転倒可能に且つ所定の間隔で一列に支持されている。
【0022】
前記搬送コンベア212は、図示を省略した駆動源によって駆動される一対のスプロケット212a,212bと、該一対のスプロケット212a,212b間に掛け渡されたチェーン212cとを備えた搬送装置であり、該チェーン212cに前記複数のバケット211,211,…が支持されている。これにより、農産物Aを各バケット211,211,…に載せて長円軌道に沿って所定方向(図中矢印時計方向Y)回りに一列に搬送することができる。
【0023】
前記第1から第3の排出機213a,213b,213cは、前記搬送コンベア212の復路側直線軌道領域にタンデムに配設されており、前記制御装置50から排出命令が与えられるようになっていて、前記制御装置50の指示の下、前記搬送コンベア212にて搬送されてくるバケット211を転倒させて当該バケット211から農産物を前記第1から第3の収納器214a,214b,214cにそれぞれ排出させ得るように構成されている。前記第1から第3の収納器214a,214b,214cは、それぞれ、前記バケット211から排出される農産物を一時的に収納するものであり、前記第1から第3の排出機213a,213b,213cに対応して配置されている。なお、前記搬送コンベア212の搬送領域であって前記第1から第3の排出機213a,213b,213cより下流側には、転倒したバケット211を起立させる機構(図示せず)が配設してある。前記計量装置215は、本実施形態ではロードセル等を内蔵するものであり、前記搬送コンベア212の復路側直線軌道領域であって前記第1から第3の排出機213a,213b,213cより上流側に配設されている。この計量装置215は、前記搬送コンベア212によって搬送されてくる個々のバケット211及び当該バケット211に載置される農産物Aの総重量を順次計測できるように構成されており、得られた各計測結果を前記制御装置50に送信することができるものである。なお、前記排出機213a,213b,213c及び前記計量装置215等は、従来の選別装置に用いられている排出機及び計量装置等と同様の構成を採用することができ、ここでは、より具体的な構成についての説明は省略する。
【0024】
前記測定装置30は、前記ホッパ11と前記選別装置本体20との間に配設されており、本実施形態では、前記供給装置10の前記供給部12において、前記ホッパー11から前記選別装置本体20に向けて供給される農産物Aの内部特徴(より具体的に言えば、農産物Aへ投光して得た光を用いて農産物Aの糖度)を非破壊で測定するものである。
【0025】
図2は、前記測定装置30を農産物Aの供給方向X下流側から視た模式正面図であり、図3は、前記測定装置30の内部構成及び該測定装置30による測定状態を示す模式的側面図である。
【0026】
図2及び図3に示すように、前記測定装置30は、遮光性部材を略倒立U字状に屈曲させてなる遮光トンネル部31を備えており、該遮光トンネル部31の下方を前記供給部12の前記供給コンベア122によって供給される農産物Aが通過するようになっている。
【0027】
前記遮光トンネル部31は、入口32に遮光性のカーテン34が設けられており、該遮光性のカーテン34によって塞止されていて、前記入口32から前記遮光トンネル部31内へ浸入する外乱光の量を低減させることができるように構成されている。また前記遮光トンネル部31は、出口33にも同様に遮光性のカーテン34が設けられている。これにより、前記遮光トンネル部31の出口33から前記遮光トンネル部31内へ浸入する外乱光を低減させることができる。なお、前記遮光性のカーテン34は、前記遮光トンネル部31入側及び出側のうち少なくとも一方に設けることができる。
【0028】
前記遮光トンネル部31は、前記供給部12上方に配設されており、内側には、前記供給コンベア122にて前記選別装置本体20に向けて1列ずつ供給される農産物Aへ光を照射するように投光器35が配設されていると共に、前記投光器35から農産物Aに照射され当該農産物Aから反射された光が入射されるように受光器36が配設されている。前記投光器35は、有底筒状の投光用ケース35a内に光源35bを配設してなり、前記投光用ケース35aの開口が保護プレート35cで着脱自在に塞止されている。また前記受光器36は、遮光性の材料を用いてなる有底筒状の受光用ケース36aの底部に、入射した光量に応じた強度の電気信号を前記制御装置50に送信する光電素子36bを配設してなり、前記受光用ケース36aの開口が、光を通過させる一方、粉塵等の浸入を防止する保護プレート36cで着脱自在に塞止されている。この保護プレート36cの内側には所要波長(例えば、近赤外線領域)の光のみを透過させる透光フィルタ(図示省略)が配設してあり、この透光フィルタを透過した光が光電素子36bに入射され、そこで光電変換される。
【0029】
このように、前記受光器36は前記光電素子36bの周囲を遮光性の受光用ケース36aで覆ってあるため、前記遮光トンネル部31内に外乱光が浸入した場合であっても、その影響を可及的に低減させることができる。一方、前記投光用ケース35aの開口及び前記受光用ケース36aの開口はそれぞれ、前記保護プレート35c,36cで着脱自在に塞止してあるため、前記両ケース35a,36a内に粉塵等が浸入することを防止できる一方、前記保護プレート35c,36cの洗浄及び交換を容易に行うことができるので、前記投光器35及び前記受光器36のメンテナンスが容易である。
【0030】
図1に示すように、前記振り分け装置40は、前記測定装置30と前記選別装置本体20との間の農産物Aの供給路上に配設されており、前記測定装置30の測定値に基づき農産物Aを振り分け得るように構成されている。さらに言えば、前記振り分け装置40は、前記制御装置50から振り分け命令が与えられるようになっていて、前記制御装置50の指示の下、前記供給コンベア122にて供給されてくる農産物Aにエアーを吹き付けることによって、当該農産物Aを供給方向Xの側方(図中Y方向)に配置された回収箱46に向けて排出させ得るように(換言すれば、前記選別装置本体20に供給しないように)構成されている。
【0031】
図4は、前記振り分け装置40を農産物Aの供給方向側方(図中Z方向)から視た模式的側面図である。この振り分け装置40は、図4に示すように、前記供給コンベア122にて供給されてくる農産物Aにエアーを吹き付けるノズル41と、前記ノズル41を覆うノズルカバー42と、エアーで振り分けられた農産物Aを前記回収箱46に向けて矢印Y方向に案内する振り分けカバー43とを備えている。前記カバー41及び前記振り分けカバー43は、前記供給コンベア122を挟んで互いに対向して配設されている。
【0032】
また、前記振り分け装置40には、図示を省略したコンプレッサ等から配管を通って圧縮エアーを所定圧力で前記ノズル41に供給する図示を省略したレギュレータが電磁弁45を介して配設されている。この電磁弁45は、前記制御装置50に電気的に接続されている。
【0033】
図5は、図1に示す選別装置100における制御装置50の概略構成を示すシステムブロック図であり、図6は、前記制御装置50による仕分け動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【0034】
前記制御装置50は、図5に示すように、制御プログラムPを実行するマイクロコンピュータ51と、記憶部52とが組み込まれている。前記記憶部52は、ROM等で構成されており、図6のフローチャートで示す前記制御プログラムP及び該制御プログラムPの処理で用いる後述する各種データ等が記憶されている。前記マイクロコンピュータ51は、前記記憶部52に記憶された情報を読み出すとともに前記制御プログラムPを実行することができる。
【0035】
この記憶部52には、出荷できる糖度レベルにない農産物Aの基準糖度に対応する所定の振り分け用閾値と、何れも略同じ重量とされたバケット211の重量と、農産物Aの重量に基づき相異なるように設定された複数のランク別に対して作動させるべき排出機を対応付けた対応テーブル(本実施形態では、第1基準値以上の重量とするAランク、第2基準値以上且つ第1基準値未満の重量とするBランク及び第2規定値未満の重量とするCランクと、最上流の前記第1排出機213a、前記第1排出機213aより下流側の前記第2排出機213b及び前記第2排出機213bよりさらに下流側の第3排出機213cとをそれぞれ対応付けた対応テーブル)とを予め記録してある。
【0036】
前記制御プログラムPは、前記マイクロコンピュータ51を、以下に説明する第1から第3手段P1〜P3を含む手段として機能させるものである。
【0037】
前記第1手段P1は、前記記憶部52に予め記録された基準糖度を読み出し、農産物Aの糖度を測定する前記測定装置30の測定値が前記記憶部52から読み出された基準糖度以下の場合に、前記振り分け装置40にて当該農産物Aを前記選別装置本体20に供給しないように前記振り分け装置40における前記電磁弁45に前記振り分け命令を与える手段である。
【0038】
前記第2手段P2は、前記記憶部52に予め記録された前記バケット211の重量を読み出し、前記計量装置215から計量結果が与えられる都度、前記記憶部52から読み出された前記バケット211の重量を減算して農産物Aの重量を算出し、得られた農産物Aの重量を前記搬送コンベア212による当該バケット211の搬送に同期させて前記記憶部52に記憶しておく手段である。
【0039】
前記第3手段P3は、前記記憶部52に予め記録された前記対応テーブルを読み出し、前記手段P2で算出して得た農産物Aの重量に基づいて、当該農産物Aが前記Aランク〜Cランクのうちのどのランクに属するかを特定し、前記記憶部52から読み出された前記対応テーブルに基づいて、当該農産物Aが供給されたバケット211が前記第1から第3の排出機213a,213b,213cのうち前記特定したランクに対応する排出機の位置に搬送されるタイミングで、当該排出機に排出命令を与える手段である。
【0040】
次に、図6のフローチャートを参照しながら前記選別装置100による仕分け動作の制御を詳述する。この選別装置100では、農産物Aの選別を行うにあたり、前記ホッパー11に収容された複数の農産物Aを前記供給コンベア122にて搬出し、順次一個ずつ前記選別装置本体20へ向けて供給する(ステップS1)。
【0041】
前記ホッパ11と前記選別装置本体20との間に配設された前記測定装置30では、前記ホッパー11から前記供給コンベア122にて一列に供給されてくる農産物Aに対して前記投光器35にて光を照射し、前記投光器35から当該農産物Aに照射され当該農産物Aから反射された光を前記受光器36にて入射し(図3も参照)、前記受光器36で入射した光量に応じた強度の電気信号(測定値)を前記制御装置50に送信して当該農産物Aの糖度を測定する(ステップS2)。
【0042】
こうして前記測定装置30から測定値が送られてきた前記制御装置50では、前記第1手段P1において、前記記憶部52に予め記録された基準糖度を読み出し、前記測定装置30の測定値が前記記憶部52から読み出された基準糖度以下の場合に(ステップS3)、当該農産物Aを出荷できる糖度レベルにないものとして前記回収箱46に向けて供給方向Xの側方Yに排出させ得るように(換言すれば、前記選別装置本体20に供給しないように)、前記測定装置30と前記選別装置本体20との間に配設された前記振り分け装置40の前記電磁弁45に前記振り分け命令を与え(ステップS4)、前記供給コンベア122にて供給されてくる当該農産物Aに前記振り分け装置40の前記電磁弁45を作動させて前記ノズル41からエアーを吹き付ける。そうすると、エアーを吹き付けられた当該農産物Aは、前記振り分けカバー43に案内されて前記回収箱46に回収される。
【0043】
一方、前記測定装置30の測定値が前記記憶部52に記録された基準糖度より大きい場合には(ステップS3)、当該農産物Aを出荷できるものとして前記振り分け装置40に前記振り分け命令を与えず(ステップS5)、従って前記供給コンベア122にて供給されてくる当該農産物Aにエアーを吹き付けずに、前記供給コンベア122の前記供給終端部122aに搬送する。そうすると、当該農産物Aが、前記供給終端部122aから前記供給ガイド210に案内されて前記搬送コンベア212にて当該農産物Aに同期して搬送されてくるバケット211に供給される。
【0044】
前記搬送コンベア212の復路側直線軌道領域であって前記第1から第3の排出機213a,213b,213cより上流側に配設された前記計量装置215では、当該バケット211に載置される農産物Aの総重量を計測し、得られた計測結果を前記制御装置50に送信する(ステップS6)。
【0045】
前記計量装置215から計測結果が送られてきた前記制御装置50では、前記第2手段P2において、前記記憶部52に予め記録された前記バケット211の重量を読み出し、前記計量装置215から与えられた計量結果に対して、前記記憶部52から読み出された前記バケット211の重量を減算して農産物Aの重量を算出し、得られた農産物Aの重量を前記搬送コンベア212による当該バケット211の搬送に同期させて前記記憶部52に記憶させる(ステップS7)。
【0046】
さらに前記制御装置50では、前記第3手段P3において、前記記憶部52に予め記録された前記対応テーブルを読み出し、前記手段P2で算出して得た農産物Aの重量に基づいて、当該農産物Aが前記Aランク〜Cランクのうちのどのランクに属するかを特定し、前記記憶部52から読み出された前記対応テーブルに基づいて、当該農産物Aが供給されたバケット211が前記第1から第3の排出機213a,213b,213cのうち前記特定したランクに対応する排出機の位置に搬送されるタイミングで、当該排出機に排出命令を与え(ステップS8)、当該排出機213a,213b,213cにて、対向するバケット211を転倒させる。これによって、当該農産物Aは、それに対応する重量ランク別にそれぞれ仕分けられる。
【0047】
また、農産物Aの有無を検出する図示を省略した適当な検出手段によって農産物Aが供給されていると判断されるときは(ステップS9)、ステップS2〜ステップS9までの動作を順次繰り返す一方、当該バケット211に農産物Aが供給されていないと判断されるときは(ステップS9)、仕分け動作を終了する。
【0048】
以上説明した選別装置100によれば、前記ホッパー11と前記選別装置本体20との間に農産物Aの糖度を測定する測定装置30が配設されているので、農産物Aの重量に基づく選別にあたり、この測定装置30によって、農産物Aの糖度を考慮した選別を行うことができ、これにより選別装置100の差別化や付加価値等を向上させることができる。
【0049】
また、前記測定装置30と前記選別装置本体20との間に農産物Aを振り分ける振り分け装置40が配設されていて、前記測定装置30の測定値が所定の糖度以下の場合に、前記振り分け装置40にて農産物Aを前記選別装置本体20に供給しないように構成されているので、出荷できる糖度レベルにない農産物Aを選別しないように事前に撥ねることができる。さらに、前記測定装置30及び前記計量装置215は、前記ホッパ11に収容される複数の農産物Aの全数を測定するので、抜き取り検査ではなく全数検査が可能である。
【0050】
図7は、本発明に係る選別装置の他の例100’の概略構成を示す平面図である。
【0051】
図7に示す選別装置100’は、前記一の選別部21を複数の(本実施形態では第1及び第2の)選別部21a,21bに変更し、前記振り分け装置40及び前記制御装置50に代えて、振り分け装置40’及び制御装置50’を設けた以外は、図1に示す選別装置100と実質的に同じ構成のものである。従って、以下、図7に示す選別装置100’について図1に示す選別装置100と異なる点を中心に説明する。なお、図7において、図1に示す選別装置100の部材と実質的に同様の構成作用を有する部材については、同じ参照符号を付してある。
【0052】
図7に示す選別装置100’は、農産物Aを供給する供給装置10と、該供給装置10からの農産物Aを該農産物Aの重量に基づき選別する第1及び第2の選別部21a,21bを備えた選別装置本体20’と、農産物Aの糖度を測定する測定装置30と、農産物Aを振り分ける振り分け装置40’と、農産物Aの仕分けを制御する制御装置50’(図7では図示を省略、後述する図9参照)とを備えている。
【0053】
前記供給装置10は、複数の農産物Aを収容するホッパ11と、該ホッパ11から前記選別装置本体20’に農産物Aを供給する供給部12とを備えている。前記ホッパ11は、前記選別装置本体20’の前記第1選別部21aにおける搬送コンベア212と前記第2選別部21bにおける搬送コンベア212との軌道外側に配設されており、農産物A一つ分が通過可能に規制する規制板121を備えている。前記供給部12は、前記規制板121によって規制された農産物Aを一列に供給するように配設された供給コンベア122を備えており、前記供給コンベア122にて前記ホッパ11において前記規制板121で規制され、該規制板121で一列に整列された各農産物Aを前記供給コンベア122で供給方向Xに沿って一個ずつ前記振り分け装置40’の後述する振り分けガイド41’に向けて供給するものであり、一端が前記ホッパ11に連結され、他端が前記第1及び第2の選別部21a,21bにおける各搬送コンベア212の往路側直線軌道領域の中途付近まで延設されている。
【0054】
前記第1及び第2の選別部21a,21bは、それぞれ、搬送コンベア212、複数のバケット211,211,…、第1から第3の排出機213a,213b,213c、第1から第3の収納器214a,214b,214c及び計量装置215を備えており、前記供給部12を間にして相対するように配設されている。
【0055】
前記振り分け装置40’は、前記測定装置30と前記選別装置本体20’との間に配設されており、前記測定装置30の測定値に基づき農産物Aを振り分け得るように構成されている。さらに言えば、前記振り分け装置40’は、前記制御装置50’から振り分け命令が与えられるようになっていて、前記制御装置50’の指示の下、前記供給コンベア122にて供給されてくる農産物Aにエアーを吹き付けることによって(図4参照)、当該農産物Aを供給方向Xの側方(図中Y方向)に配置された回収箱46に向けて排出させ得るように(換言すれば、前記選別装置本体20’に供給しないように)、且つ、農産物Aを前記第1選別部21a又は前記第2選別部21bに選択的に振り分け得るように構成されている。
【0056】
さらに説明すると、前記振り分け装置40’は、図4に示すように、前記供給コンベア122にて供給されてくる農産物Aにエアーを吹き付けるノズル41と、前記ノズル41を覆うノズルカバー42と、エアーで振り分けられた農産物Aを前記回収箱46に向けて矢印Y方向に案内する振り分けカバー43とを備えている。前記カバー41及び前記振り分けカバー43は、前記供給コンベア122を挟んで互いに対向して配設されている。
【0057】
また、前記振り分け装置40’には、図示を省略したコンプレッサ等から配管を通って圧縮エアーを所定圧力で前記ノズル41に供給する図示を省略したレギュレータが電磁弁45を介して配設されている。この電磁弁45は、前記制御装置50’に電気的に接続されている。
【0058】
図8は、図7に示す選別装置100’における振り分け装置40’において、前記第1選別部21a又は前記第2選別部21bに振り分ける部分の模式的平面図である。
【0059】
図8に示すように、前記供給コンベア212の終端部212aには、該終端部212aの支点部41a’を中心に前記第1選別部21aに農産物Aを導く第1の姿勢T1(図中実線の状態)と前記第2選別部21bに農産物Aを導く第2の姿勢T2との間で揺動可能に支持される振り分けガイド41’と、前記振り分けガイド41’を前記第1姿勢T1又は前記第2姿勢T2に選択的に切り替えるように駆動する振り分け用ソレノイド42’とを備えている。この振り分け用ソレノイド42’は、前記制御装置50’に電気的に接続されており、前記振り分け命令が与えられていないときは、前記振り分けガイド41’を前記第1姿勢T1に切り替えた状態となっていて、前記振り分け命令が与えられると、前記振り分けガイド41’を前記第2姿勢T2に切り替えるようになっている。
【0060】
図9は、図7に示す選別装置100’における制御装置50’の概略構成を示すシステムブロック図であり、図10は、前記制御装置50’による仕分け動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【0061】
前記制御装置50’は、図9に示すように、制御プログラムP’を実行するマイクロコンピュータ51と、記憶部52とが組み込まれている。前記記憶部52は、ROM等で構成されており、図10のフローチャートで示す前記制御プログラムP’及び該制御プログラムPの処理で用いる後述する各種データ等が記憶されている。前記マイクロコンピュータ51は、前記記憶部52に記憶された情報を読み出すとともに前記制御プログラムP’を実行することができる。
【0062】
また、前記記憶部52には、出荷できる糖度レベルにない農産物Aの第1基準糖度に対応する所定の第1の振り分け用閾値と、標準的な糖度レベルの農産物Aの第2基準糖度に対応する所定の第2の振り分け用閾値と、何れも略同じ重量とされたバケット211の重量と、前記各選択部21a,21bについて、農産物Aの重量に基づき相異なるように設定された複数のランク別に対して作動させるべき排出機を対応付けた対応テーブル(本実施形態では、第1基準値以上の重量とするAランク、第2基準値以上且つ第1基準値未満の重量とするBランク及び第2規定値未満の重量とするCランクと、最上流の前記第1排出機213a、前記第1排出機213aより下流側の前記第2排出機213b及び前記第2排出機213bよりさらに下流側の第3排出機213cとをそれぞれ対応付けた対応テーブル)とを予め記録してある。
【0063】
前記制御プログラムP’は、前記マイクロコンピュータ51を、以下に説明する第1から第3手段P1’〜P3’を含む手段として機能させるものである。
【0064】
前記第1手段P1’は、前記記憶部52に予め記録された第1及び第2の基準糖度を読み出し、農産物Aの糖度を測定する前記測定装置30の測定値が前記記憶部52から読み出された第1及び第2の基準糖度のうち、前記第1基準糖度以下の場合に、前記振り分け装置40’にて当該農産物Aを前記選別装置本体20’に供給しないように前記振り分け装置40’における前記電磁弁45に前記振り分け命令を与え、また、前記第1基準糖度より大きい且つ前記第2基準糖度以下の場合に、前記振り分け装置40’にて当該農産物Aを前記選別装置本体20’に供給しないように前記振り分け装置40’における前記電磁弁45に前記振り分け命令を与えず且つ前記振り分け装置40’にて当該農産物Aを前記第1選別部21aに振り分けるように前記振り分け装置40’における前記ソレノイド42’に前記振り分け命令を与えず、さらに、前記第2基準糖度より大きい場合に、前記振り分け装置40’にて当該農産物Aを前記選別装置本体20’に供給しないように前記振り分け装置40’における前記電磁弁45に前記振り分け命令を与えず且つ前記振り分け装置40’にて当該農産物Aを前記第2選別部21bに振り分けるように前記振り分け装置40’における前記ソレノイド42’に前記振り分け命令を与える手段である。
【0065】
前記第2手段P2’は、前記各選択部21a,21bについて、前記記憶部52に予め記録された前記バケット211の重量を読み出し、前記計量装置215から計量結果が与えられる都度、前記記憶部52から読み出された前記バケット211の重量を減算して農産物Aの重量を算出し、得られた農産物Aの重量を前記搬送コンベア212による当該バケット211の搬送に同期させて前記記憶部52に記憶しておく手段である。
【0066】
前記第3手段P3’は、前記各選択部21a,21bについて、前記記憶部52に予め記録された前記対応テーブルを読み出し、前記手段P2で算出して得た農産物Aの重量に基づいて、当該農産物Aが前記Aランク〜Cランクのうちのどのランクに属するかを特定し、前記記憶部52から読み出された前記対応テーブルに基づいて、当該農産物Aが供給されたバケット211が前記第1から第3の排出機213a,213b,213cのうち前記特定したランクに対応する排出機の位置に搬送されるタイミングで、当該排出機に排出命令を与える手段である。
【0067】
次に、図10のフローチャートを参照しながら前記選別装置100’による仕分け動作の制御を詳述する。この選別装置100’では、農産物Aの選別を行うにあたり、前記ホッパー11に収容された複数の農産物Aを前記供給コンベア122にて搬出し、順次一個ずつ前記選別装置本体20’へ向けて供給する(ステップS1’)。
【0068】
前記ホッパ11と前記選別装置本体20’との間に配設された前記測定装置30では、測定値を前記制御装置50に送信して当該農産物Aの糖度を測定する(ステップS2’)。
【0069】
こうして前記測定装置30から測定値が送られてきた前記制御装置50’では、前記第1手段P1’において、前記記憶部52に予め記録された第1及び第2の基準糖度を読み出し、前記測定装置30の測定値が前記記憶部52から読み出された第1及び第2の基準糖度のうち、前記第1基準糖度以下の場合に(ステップS3’)、当該農産物Aを出荷できる糖度レベルにないものとして前記回収箱46に向けて供給方向Xの側方Yに排出させ得るように(換言すれば、前記選別装置本体20に供給しないように)、前記測定装置30と前記選別装置本体20’との間に配設された前記振り分け装置40’の前記電磁弁45に前記振り分け命令を与え(ステップS4’)、前記供給コンベア122にて供給されてくる当該農産物Aに前記振り分け装置40’の前記電磁弁45を作動させて前記ノズル41からエアーを吹き付ける。そうすると、エアーを吹き付けられた当該農産物Aは、前記振り分けカバー43に案内されて前記回収箱46に回収される。
【0070】
一方、前記測定装置30の測定値が前記記憶部52に記録された基準糖度のうち、前記第1基準糖度より大きい且つ前記第2基準糖度以下の場合には(ステップS5’)、当該農産物Aを標準的な糖度レベルのものとして前記振り分け装置40’にて当該農産物Aを前記第1選別部21aに振り分けるように前記振り分け装置40’の前記電磁弁45に前記振り分け命令を与えず且つ前記振り分け装置40’の前記ソレノイド42’に前記振り分け命令を与えず(ステップS6’)、前記供給コンベア122にて供給されてくる当該農産物Aに前記振り分け装置40’における前記振り分けガイド41’が前記第1姿勢T1に切り替えられるように前記ソレノイド42’を作動させる。そうすると、前記振り分けガイド41’に案内された当該農産物Aが、前記供給コンベア122の供給終端部122aから前記第1選択部21aにおける前記搬送コンベア212にて当該農産物Aに同期して搬送されてくるバケット211に供給される。
【0071】
また、前記測定装置30の測定値が前記記憶部52に記録された糖度のうち、前記第2基準糖度より大きい場合には(ステップS5’)、当該農産物Aを標準的な糖度レベルより甘い糖度レベルのものとして前記振り分け装置40’にて当該農産物Aを前記第2選別部21bに振り分けるように前記振り分け装置40’の前記電磁弁45に前記振り分け命令を与えず且つ前記振り分け装置40’の前記ソレノイド42’に前記振り分け命令を与え(ステップS7’)、前記供給コンベア122にて供給されてくる当該農産物Aに前記振り分け装置40’における前記振り分けガイド41’が前記第2姿勢T2に切り替えられるように前記ソレノイド42’を作動させる。そうすると、前記振り分けガイド41’に案内された当該農産物Aが、前記供給終端部122aから前記第2選択部21bにおける前記搬送コンベア212にて当該農産物Aに同期して搬送されてくるバケット211に供給される。
【0072】
前記第1及び第2の選択部21a,21bにおいて、前記搬送コンベア212の復路側直線軌道領域であって前記第1から第3の排出機213a,213b,213cより上流側に配設された前記計量装置215では、当該バケット211に載置される農産物Aの総重量を計測し、得られた計測結果を前記制御装置50に送信する(ステップS8’)。
【0073】
前記計量装置215から計測結果が送られてきた前記制御装置50’では、前記第2手段P2’において、前記記憶部52に予め記録された前記バケット211の重量を読み出し、前記計量装置215から与えられた計量結果に対して、前記記憶部52から読み出された前記バケット211の重量を減算して農産物Aの重量を算出し、得られた農産物Aの重量を前記搬送コンベア212による当該バケット211の搬送に同期させて前記記憶部52に記憶させる(ステップS9’)。
【0074】
さらに前記制御装置50’では、前記第3手段P3’において、前記記憶部52に予め記録された前記対応テーブルを読み出し、前記手段P2’で算出して得た農産物Aの重量に基づいて、当該農産物Aが前記Aランク〜Cランクのうちのどのランクに属するかを特定し、前記記憶部52から読み出された前記対応テーブルに基づいて、当該農産物Aが供給されたバケット211が前記第1から第3の排出機213a,213b,213cのうち前記特定したランクに対応する排出機の位置に搬送されるタイミングで、当該排出機に排出命令を与え(ステップS10’)、当該排出機213a,213b,213cにて、対向するバケット211を転倒させる。これによって、当該農産物Aは、それに対応する重量ランク別にそれぞれ仕分けられる。
【0075】
また、農産物Aの有無を検出する図示を省略した適当な検出手段によって農産物Aが供給されていると判断されるときは(ステップS11’)、ステップS2〜ステップS11’までの動作を順次繰り返す一方、当該バケット211に農産物Aが供給されていないと判断されるときは(ステップS11’)、仕分け動作を終了する。
【0076】
以上説明した選別装置100’によれば、図1に示す選別装置100と同様の作用効果を奏する上、前記測定装置30の測定値に基づき前記振り分け装置40’にて農産物Aを第1及び第2の選別部21a,21bに振り分けるように構成されているので、農産物Aの糖度について予め2段階にランク付けしておき、選別される農産物Aをこのランク付けに基づき前記第1及び第2の選別部21a,21bにそれぞれ振り分けることができる。こうすることで、農産物Aの糖度に基づくランク毎に農産物Aの重量に基づく選別を行うことができる。
【0077】
なお、前記選別装置100,100’において、本実施形態では、前記選別部21,21a,21bは、農産物Aを保持する前記複数のバケット211,211,…と、農産物Aを各バケット211,211,…に載せて上流側から下流側へ一列に搬送する前記搬送コンベア212とを備え、該搬送コンベア212の搬送域に一の計量装置215を設けておき、該計量装置215で測定された農産物Aの重量に基づき選別するものであるが、農産物を保持する複数のバケットと、農産物を各バケットに載せて上流側から下流側へ一列に搬送する搬送コンベアとを備え、複数のバケットにそれぞれ計量装置を設けておき、該各計量装置で測定された農産物の重量に基づき選別するものであってもよい。
【0078】
また、本実施形態では、前記選別部21,21a,21bとして、農産物Aを該農産物Aの重量に基づき選別するものを採用するが、農産物Aを該農産物Aの大きさに基づき選別するもの、例えば、並設された搬送帯の間隔の大小を利用して選別するものを採用してもよい。
【0079】
また、本実施形態では、農産物Aの内部特徴を測定する前記測定装置30は、農産物Aの糖度を非破壊で測定するが、農産物Aの基準糖度に対応する振り分け用閾値に代えて、農産物Aの基準酸度に対応する振り分け用閾値に設定することで、農産物Aの酸度を非破壊で測定するようにしてもよい。
【0080】
また、前記選別装置100,100’において、前記供給装置10の前記供給コンベア122を駆動するための構成については、ここでは、詳しい説明を省略したが、例えば、前記選別装置本体20,20’から駆動を取り出すようにした構成であってもよいし、前記供給装置10内に単独で駆動モータ等の駆動源を設け、前記供給コンベア122を駆動するように構成してもよい。後者の如く、単独で駆動源を設ける場合は、前記供給装置10は一つの装置としての利用も可能となる。
【0081】
また、前記選別装置100’において、前記振り分け装置40’の選別部への振り分けは、標準的な糖度レベル及びそれより甘い糖度レベルの2段階の構成としたが、3以上の選別部を備えると共に、糖度レベルをさらに細かく分け、3段階以上の構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、本発明に係る選別装置の一例の概略構成を示す平面図である。
【図2】図2は、測定装置を農産物の供給方向下流側から視た模式正面図である。
【図3】図3は、測定装置の内部構成及び該測定装置による測定状態を示す模式的側面図である。
【図4】図4は、振り分け装置を農産物の供給方向側方から視た模式的側面図である。
【図5】図5は、図1に示す選別装置における制御装置の概略構成を示すシステムブロック図である。
【図6】図6は、図1に示す選別装置における制御装置による仕分け動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明に係る選別装置の他の例の概略構成を示す平面図である。
【図8】図8は、図7に示す選別装置における振り分け装置において、第1選別部又は第2選別部に振り分ける部分の模式的平面図である。
【図9】図9は、図7に示す選別装置における制御装置の概略構成を示すシステムブロック図であり、
【図10】図10は、図7に示す選別装置における制御装置による仕分け動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
11…収容部 20,20’…選別装置本体 21,21a,21b…選別部
30…測定装置 40,40’…振り分け装置 100,100’…選別装置
A…農産物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の農産物を収容する収容部と、前記収容部からの農産物を該農産物の外部特徴に基づき選別する選別装置本体とを備える選別装置であって、
前記収容部と前記選別装置本体との間に農産物の内部特徴を測定する測定装置が配設されていることを特徴とする選別装置。
【請求項2】
前記測定装置は、農産物の糖度又は酸度などの内部品質を測定するものであることを特徴とする請求項1に記載の選別装置。
【請求項3】
前記測定装置と前記選別装置本体との間に農産物を振り分ける振り分け装置が配設されており、
前記測定装置の測定値に基づき前記振り分け装置にて農産物を振り分けるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の選別装置。
【請求項4】
前記測定装置の測定値が所定の閾値以上又は所定の閾値以下の場合に、前記振り分け装置にて農産物を前記選別装置本体に供給しないように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の選別装置。
【請求項5】
前記選別装置本体は、前記収容部からの農産物を該農産物の外部特徴に基づき選別する複数の選別部を備え、前記測定装置の測定値に基づき前記振り分け装置にて農産物を前記複数の選別部に振り分けるように構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−21349(P2007−21349A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206257(P2005−206257)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【Fターム(参考)】