説明

部材収容具

【課題】収容部内の多数の棒状部材を散乱させない部材収容具を提供する。
【解決手段】部材収容具100は、複数の部材を収容するものであり、部材群10と収容部20とを備える。部材群10は、複数の棒状部材P1、P2、…を並列に並べて繋ぎ合わせた態様をしており、複数の棒状部材P1、P2、…と、部材固定部11とにより構成されている。部材固定部11は、収容部20と連結され、収容部20から互いに並行に延設された2つの棒状部材21及び22により構成され、棒状部材21及び22は複数の棒状部材P1、P2、…を並列に並べて繋ぎ合わせた態様、かつ取り外し可能な状態で固定する。また、棒状部材21及び22は肉薄部21b及び21cにおいて折り曲げ可能である。部材群10は、棒状部材21及び22を肉薄部21b及び21cにおいて折り曲げて畳むことにより収容部20に収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材収容具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、綿棒等の棒状物品を収容する容器として、上方に開口部を有すると共に、多数の棒状物品を直立収納する容器本体と、当該容器本体の開口部を開閉する蓋体とからなる収納容器があった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平05−054368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の収納容器は、多数の棒状物品を容器本体に直立収納して、多数の棒状物品を収容していた。したがって、例えば、机に置いた上述の収納容器を不注意で落下させて、収納容器内の多数の棒状物品を散乱させてしまうことがあった。しかしながら、このようなことは上述の収納容器の構造上さけられない。
【0005】
そこで、本発明は、収容部内の多数の棒状部材を散乱させない部材収容具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の部材収容具は、複数の棒状部材を並列に並べて繋ぎ合わせ、少なくとも1つの繋ぎ合わせ部分において折り曲げ可能な部材群と、上記部材群と連結され、上記部材群を収容する収容部とを具備し、上記部材群における棒状部材は、上記部材群から取り外し可能であり、上記部材群は、上記少なくとも1つの繋ぎ合わせ部分において折り曲げて畳むことにより上記収容部に収容できることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の部材収容具において、上記部材群は、上記複数の棒状部材と、上記複数の棒状部材を並列に並べて取り外し可能な状態で固定し、上記繋ぎ合わせ部分に相当する部分において折り曲げ可能な構造をした部材固定部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の部材収容具において、上記複数の棒状部材と、上記部材固定部とは、それぞれ融着温度の異なる樹脂により形成させたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の部材収容具において、上記部材群は、上記複数の棒状部材と、上記複数の棒状部材と所定の樹脂により一体形成され、並列に並べた隣り合う上記複数の棒状部材同士を直接繋ぎ合わせ、湾曲可能な柔性を有する形状をした部材繋ぎ合わせ部とを備え、上記複数の棒状部材は、上記部材繋ぎ合わせ部を折ることにより上記部材群から取り外し、上記部材群は、上記部材繋ぎ合わせ部を上記繋ぎ合わせ部分として湾曲させて、巻き込んで畳むことにより上記収容部に収容できることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の部材収容具において、上記収容部は、上方が開口した収容本体部と、上記開口を開閉する蓋と、上記蓋の内側に設けられ、上記蓋の内側空間を開閉する内蓋とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の部材収容具は、複数の棒状部材を並列に並べて取り外し可能な状態で固定し、少なくとも1つの隣り合う棒状部材間において折り曲げ可能な構造をした部材固定部と、上記部材固定部と連結され、上記部材固定部を収容する収容部とを具備し、上記部材固定部は、上記少なくとも1つの隣り合う棒状部材間において折り曲げて畳むことにより上記収容部に収容できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、収容部内の多数の棒状部材を散乱させないという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態における部材収容具100を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における部材収容具100における部材群10を収容部20に収容させた際の図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における部材収容具200を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における部材収容具200における部材群210を収容部220に収容させた際の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明において部材収容具とは、部材を既に収容している状態の部材収容具、部材を未だ収容していない状態の部材収容具の両方を含む。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態における部材収容具100を示す図である。本発明の第1の実施の形態における部材収容具100は、複数の部材を収容するものであり、部材群10と、収容部20とを備える。
【0016】
部材群10は、図1(a)に示すように、複数の棒状部材P1、P2、…を並列に並べて繋ぎ合わせた態様をしており、複数の棒状部材P1、P2、…と、部材固定部11とにより構成されている。なお、本発明において棒状部材は、円柱形状、直方体形状、その他の様々な立方体形状を含むものであり、以下において用いる棒状部材の用語についても同様である。また、複数の棒状部材P1、P2、…として、例えば、綿棒や、歯間ブラシ等のものが一例として想定される。
【0017】
部材固定部11は、複数の棒状部材P1、P2、…を並列に並べた状態で固定するものである。そして、部材固定部11は、複数の棒状部材P1、P2、…を取り外し可能な状態で固定する。また、部材固定部11は、並列に並べた状態の棒状部材間の少なくとも1つの繋ぎ合わせ部分において折り曲げ可能である。なお、本発明において繋ぎ合わせ部分とは、並列に並べた状態の棒状部材間に位置する部材群10(部材固定部11)の一部を言う。
【0018】
上記のような部材固定部11の具体的態様の一例を以下において説明する。部材固定部11は、例えば、収容部20と連結され、収容部20から互いに並行に延設された2つの棒状部材21及び22により構成させる。そして、棒状部材21及び22は、それぞれ端部21a及び22aにおいて収容部20と連結されている。また、棒状部材21及び22には、一定間隔毎に、図1(b)に示すような棒状部材21及び22の他の部分より厚さが薄い肉薄部21b及び21cが設けられる。上記一定間隔として、例えば棒状部材5本毎(図1(b)の棒状部材Pn〜棒状部材P(n+4)参照)が一例として挙げられるが、これに限るものではない。そして、棒状部材23が、この肉薄部21b及び21cの間に架設されている。棒状部材21及び22に肉薄部21b及び21cを設けることにより部材固定部11を折り曲げ可能としている(図2参照)。
【0019】
なお、部材固定部11の上記態様は一例である。収容部20から延設される部材固定部11を構成する棒状部材の数は、1つでも、3つ以上であってもよい。また、図1(a)において棒状部材21及び22と、収容部20との連結部分は、収容部20の縁20aであるが、これに限るものではない。すなわち、棒状部材と収容部20との連結部分は、部材群10を収容部20に収容させることができる位置ならいずれの位置であってもよい。また、収容部20に上記棒状部材21及び22を連結させる部分としての端部21a及び22aは、一例であって、例えば、上記棒状部材23の部分を収容部20と連結させてもよい。
【0020】
また、上記説明したように、肉薄部21b及び21cは折り曲げ部分として想定している部分であるため、どのような位置に何個設けて、どのような間隔で設けるかは収容部20に収容させる部材群10の態様によって様々な態様が想定される。また、肉薄部21b及び21cの間に架設された棒状部材23はなくてもよい。この場合、肉薄部21b及び21cを他の部分よりも肉薄にしたことによる部材強度不足を他の方法で補うようにすればよい。また、肉薄部21b及び21c以外の構造により棒状部材21及び22における所定の位置で、棒状部材21及び22を折り曲げさせることができれば、その肉薄部21b及び21c以外の構造であってもよい。
【0021】
また、棒状部材P1、P2、…には、図1(b)に示すように、中央から所定距離ずれた位置に2つの凹部d1、d2が設けられている。棒状部材P1、P2、…を部材固定部11により固定する場合、棒状部材P1、P2、…の凹部d1、d2にそれぞれ棒状部材21及び22を嵌め込む。棒状部材P1、P2、…の凹部d1、d2にそれぞれ棒状部材21及び22を嵌め込むと、棒状部材P1、P2、…は、棒状部材21及び22において固定されるような形状、サイズ、材質となっている。このため、棒状部材P1、P2、…は、部材固定部11から着脱可能である。なお、上記棒状部材21及び22による棒状部材P1、P2、…の固定態様は一例であって、その他の固定態様であってもよい。
【0022】
また、部材群10の製造方法として、棒状部材P1、P2、…と、部材固定部11とを2色成形により製造する方法と、棒状部材P1、P2、…と、部材固定部11とを別々に製造した後に、棒状部材P1、P2、…を部材固定部11に取り付ける方法とが想定される。棒状部材P1、P2、…と、部材固定部11とを2色成形により製造する方法の場合、棒状部材P1、P2、…と、部材固定部11とを形成させる材質は、例えば非融着な関係にある樹脂を用いることが想定される。なお、本発明において「非融着な関係にある樹脂」とは、樹脂同士の物性を考慮した所定の条件下で、樹脂同士を互いに接触させた状態で成形を行っても、樹脂同士が完全に融着せずに分離可能な状態にある関係を有する樹脂を言うものとする。非融着な関係にある樹脂として、例えば一方がナイロンやポリアセタール等の樹脂で、他方が例えばポリプロピレンやABS樹脂等の樹脂が想定されるが、その他の組み合わせであってもよい。部材群10を上記2色成形により製造した場合、製造工程を減らすことができるため、製造コストを安価にすることができる。
【0023】
収容部20は、部材群10を収容するものであり、例えば部材群10を収容する収容本体部24と、蓋25とにより構成された蓋付き箱とすることが一例として想定される。図1(a)において蓋付き箱は、全体として概ね直方体形状をした蓋付き箱になっているが、これに限るものではなく、部材群10を収容することができるその他の態様の収容具であってもよい。その他の態様の収容具として、例えば、直方体形状以外の形状をした蓋付き箱、蓋なしの箱、袋等様々なものが想定される。
【0024】
また、収容部20を蓋付き箱とした場合、蓋25の内側に蓋内側空間25aが形成されるよう蓋25を形成して、その蓋内側空間25aを別途の収容部として取り扱うようにしてもよい。この場合、蓋内側空間25aを開閉する蓋25bを蓋25の内側に設ければ、収容本体部24における空間と、蓋内側空間25aとを用途を分けて使うことができる。上記用途として、収容本体部24における空間には部材群10を収容させ、蓋内側空間25aには部材群10から取り外した棒状部材P1、P2、…を収容させることが想定される。
【0025】
なお、部材収容具100から棒状部材P1、P2、…を取り除いたものも本発明の部材収容具として本発明の範囲に含まれるものとする。
【0026】
図2は、本発明の第1の実施の形態における部材収容具100における部材群10を収容部20に収容させた際の図である。図2(a)は、本発明の第1の実施の形態における部材群10を収容部20に収容させた際の斜視図である。図2(b)は、本発明の第1の実施の形態における部材群10を収容部20に収容させた際の断面図である。
【0027】
図2(a)及び図2(b)に示すように、部材群10を収容部20に収容する際は、肉薄部21b及び21cを折り曲げて、部材固定部11における棒状部材21及び22をS字状に折り返して畳む。
【0028】
なお、図2(a)及び図2(b)において部材群10は、S字状に折り返して畳んで収容部20に収容されているが、これに限るものではない。部材群10は、例えば部材群10を部材群10a〜10cに分けて考えた場合に、図2(a)及び図2(b)における部材群10cを折り返して畳む方向を180度変えて、部材群10bの下方にくるようにしてもよい。すなわち、部材群10を巻き込むようにして畳んで収容部20に収容させてもよい。
【0029】
図3は、本発明の第2の実施の形態における部材収容具200を示す図である。本発明の第2の実施の形態における部材収容具200は、本発明の第1の実施の形態における部材収容具100と同様に、複数の部材を収容するものであり、部材群210と、収容部220とを備える。収容部220は、本発明の第1の実施の形態における収容部20と同様であり、既に説明済みであるため、説明を省略する。
【0030】
本発明の第2の実施の形態における部材群210と、本発明の第1の実施の形態における部材群10とは相違する。その相違点は、複数の棒状部材P1、P2、…の固定態様である。以下、本発明の第2の実施の形態における部材群210について説明する。
【0031】
部材群210は、複数の棒状部材P1、P2、…と、部材繋ぎ合わせ部211とを備える。部材繋ぎ合わせ部211は、並列に並べた隣り合う棒状部材同士を直接繋ぎ合せている。部材繋ぎ合わせ部211は、繋ぎ部材211aと、繋ぎ部材211bとから成る。このように部材群210を形成させるには、例えば複数の棒状部材P1、P2、…と、繋ぎ部材211aと、繋ぎ部材211bとを所定の樹脂により一体形成させることが想定される。
【0032】
なお、繋ぎ部材211a、繋ぎ部材211b、…は、それぞれ所定の角度折り曲げたり、湾曲させても折れない柔性を有した材質、サイズ、形状をしている。また、繋ぎ部材211a、繋ぎ部材211bは、所定角度以上曲げると折れる。また、上記説明において繋ぎ部材は、繋ぎ部材211a及び繋ぎ部材211bの2つであるが、これに限るものではなく、1つでも、3つ以上であってもよい。また、繋ぎ部材は、図3においては一直線でなっているが、これに限るものではない。すなわち、隣り合う棒状部材同士を並列に並んだ状態で直接繋ぎ合わせる態様であれば、どのような態様であってもよい。
【0033】
図4は、本発明の第2の実施の形態における部材収容具200における部材群210を収容部220に収容させた際の断面図である。本発明の第2の実施の形態における部材収容具200における部材群210は、図4(a)に示すように、部材群210を収容部220に収容する際は、部材群210をシートを巻き込むような態様で畳むことができる。また、本発明の第2の実施の形態における部材収容具200における部材群210は、図4(b)に示すように、部材群210を収容部220に収容する際は、部材群210をS字状に折り返して畳むことができる。
【0034】
このように、本発明の第1の実施の形態、及び本発明の第2の実施の形態によれば、収容部と部材群とが連結されているため、部材群が収容部から落ちることを防ぐことができる。また、部材群において棒状部材が並列に並んで固定されているため、棒状部材それぞれが散乱することを防ぐことができる。
【0035】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【符号の説明】
【0036】
10、210 部材群
11 部材固定部
20、220 収容部
21、22、23 棒状部材
21b、21c 肉薄部
24 収容本体部
25、25b 蓋
25a 蓋内側空間
100、200 部材収容具
d1、d2 凹部
211 部材繋ぎ合わせ部
211a、211b 繋ぎ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棒状部材を並列に並べて繋ぎ合わせ、少なくとも1つの繋ぎ合わせ部分において折り曲げ可能な部材群と、
前記部材群と連結され、前記部材群を収容する収容部と、
を具備し、
前記部材群における棒状部材は、前記部材群から取り外し可能であり、
前記部材群は、前記少なくとも1つの繋ぎ合わせ部分において折り曲げて畳むことにより前記収容部に収容できることを特徴とする部材収容具。
【請求項2】
前記部材群は、
前記複数の棒状部材と、
前記複数の棒状部材を並列に並べて取り外し可能な状態で固定し、前記繋ぎ合わせ部分に相当する部分において折り曲げ可能な構造をした部材固定部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の部材収容具。
【請求項3】
前記複数の棒状部材と、前記部材固定部とは、それぞれ非融着な関係にある樹脂により形成させたことを特徴とする請求項3に記載の部材収容具。
【請求項4】
前記部材群は、
前記複数の棒状部材と、
前記複数の棒状部材と所定の樹脂により一体形成され、並列に並べた隣り合う前記複数の棒状部材同士を直接繋ぎ合わせ、湾曲可能な柔性を有する形状をした部材繋ぎ合わせ部と、
を備え、
前記複数の棒状部材は、前記部材繋ぎ合わせ部を折ることにより前記部材群から取り外し、
前記部材群は、前記部材繋ぎ合わせ部を前記繋ぎ合わせ部分として湾曲させて、巻き込んで畳むことにより前記収容部に収容できることを特徴とする請求項1に記載の部材収容具。
【請求項5】
前記収容部は、
上方が開口した収容本体部と、
前記開口を開閉する蓋と、
前記蓋の内側に設けられ、前記蓋の内側空間を開閉する内蓋と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の部材収容具。
【請求項6】
複数の棒状部材を並列に並べて取り外し可能な状態で固定し、少なくとも1つの隣り合う棒状部材間において折り曲げ可能な構造をした部材固定部と、
前記部材固定部と連結され、前記部材固定部を収容する収容部と、
を具備し、
前記部材固定部は、前記少なくとも1つの隣り合う棒状部材間において折り曲げて畳むことにより前記収容部に収容できることを特徴とする部材収容具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−6628(P2012−6628A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143705(P2010−143705)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(509062424)
【Fターム(参考)】