説明

釣堀

【課題】魚体が見えないようにし、且つ、釣果を管理できるようにすることにより、釣りの楽しさを高めることができると共に、子供や、車椅子の人も釣りを安全に楽しむことができる釣堀を提供する。
【解決手段】略長方形の底面5の周辺に所定高さの側壁6,6…が起立連接して構成された水槽2と、水槽2内に所定間隔をもって水槽2の長手方向と直交して張設され、水槽2内を複数の収容部10,10…に区画するための仕切り網3,3…と、水槽2の上面を覆うための足場板4とを備え、前記足場板4には、所定間隔で複数の釣用孔12,12…が開穿されている釣堀1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚体が見えないようにし、且つ、釣果を管理できるようにすることにより、釣りの楽しさを高めることができると共に、子供や、車椅子の人も釣りを安全に楽しむことができる釣堀に関する。
【背景技術】
【0002】
此種、従来の釣堀は、池又は河川の一部を開放して行なう管理釣りが一般的であるが、水槽を用いた釣堀もあり、室内に水槽を設けた釣堀も存在する。
水槽を用いた釣堀等に於いては、見えない魚を釣る楽しみを得るために、水を不透明(多くは着色剤を使用)にして釣ることも行なわれている。
釣堀に関する先行技術文献として、例えば、下記の特許文献1がある。
特許文献1には、放った魚を釣らせるための釣り池と、釣り池で釣らせた魚を放つ休養池と、休養池で休養させた魚を待機させる待機池とで構成した釣堀が記載されている。
【特許文献1】特開2002−272312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の釣堀には次のような問題点があった。
(1)従来の釣堀は、小さな子供や、車椅子を使用する人にとって利用が困難であり、特に、釣りポイントへの竿の移動が困難であった。
(2)従来の釣堀は、安全管理面での問題があり、特に、小さな子供や、車椅子を使用する人にとっては安全性の確保が充分ではなかった。
(3)開放形の池での釣りにあっては、魚体が良く見える場合が多く、その場合、例えば、着色剤を使用して、魚体が見えないようにすることも困難な場合が多く、見えない魚を釣り上げる期待感や楽しみが得られなかった。
【0004】
以上の現状に鑑み、本発明は、魚体が見えないようにし、且つ、釣果を管理できるようにすることにより、釣りの楽しさを高めることができると共に、子供や、車椅子の人も釣りを安全に楽しむことができる釣堀を提供することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、略長方形の底面の周辺に所定高さの側壁が起立連接して構成された水槽と、前記水槽の長手方向と直交して張設され、前記水槽内を複数の収容部に区画するための仕切り網と、前記水槽の上面を覆うための足場板とを備え、前記足場板には、複数の釣用孔が開穿されていることを特徴とする釣堀を提供するものである。
【0006】
請求項2に係る発明は、略直方体状の水槽用枠体の底面及び側面に水槽用外網が張設された水槽用網体と、前記水槽用網体の長手方向と直交して張設され、前記水槽用網体内を複数の収容部に区画するための仕切り網と、前記水槽用網体の上面を覆うための足場板とを備え、前記足場板には、複数の釣用孔が開穿されると共に、前記収容部に対応する位置に点検口が開穿され、前記点検口には点検蓋が脱着自在にはめ込まれていることを特徴とする釣堀を提供するものである。
【0007】
請求項3に係る発明は、地面における所望箇所に掘り込んだ略直方体状のくぼみとして形成される掘り込み水槽と、前記掘り込み水槽の長手方向と直交して張設され、前記掘り込み水槽内を複数の収容部に区画するための仕切り網と、前記掘り込み水槽の上面を覆うための足場板と、前記掘り込み水槽に給水するための給水口部と、前記掘り込み水槽の排水を行なうための排水口部とを備え、前記足場板には、複数の釣用孔が開穿されると共に、前記収容部に対応する位置に点検口が開穿され、前記点検口には点検蓋が脱着自在にはめ込まれていることを特徴とする釣堀を提供するものである。
【0008】
請求項4に係る発明は、略長方形の底面の周辺に所定高さの側壁が起立連接して構成された水槽体と、前記水槽体の長手方向と直交して張設され、前記水槽体内を複数の収容部に区画するための仕切り網と、前記水槽体の上面を覆うための足場板と、前記水槽体に給水するための給水口部と、前記水槽体の排水を行なうための排水口部とを備え、前記足場板には、複数の釣用孔が開穿されると共に、前記収容部に対応する位置に点検口が開穿され、前記点検口には点検蓋が脱着自在にはめ込まれていることを特徴とする釣堀を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1記載の発明によれば、魚体が見えないようにし、且つ、釣果を管理できるようにすることにより、釣りの楽しさを高めることができると共に、子供や、車椅子の人も釣りを安全に楽しむことができる釣堀を提供することができる。
特に、複数の収容部に区画するための仕切り網を設けることにより各収容部に、均一に魚を放流でき、釣り上げた後の魚の補充も容易で、釣果を平均化できる。又、釣果に差をつけることも可能である。
更に、前記釣堀は設置場所が限定されない。地面に載置してもよく、足場板を露出させて、地面内に設置することも可能である。
更に又、子供用に小型に形成すれば、小形の魚(金魚、鯉、小ぶな)や、ザリガニ等の釣堀として利用できる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様に、魚体が見えないようにし、且つ、釣果を管理できるようにすることにより、釣りの楽しさを高めることができると共に、子供や、車椅子の人も釣りを安全に楽しむことができる釣堀を提供することができる。
特に、複数の収容部に区画するための仕切り網を設けることにより各収容部に均一に放流でき、釣り上げた後の魚の補充も容易で、釣果を平均化できる。又、釣果に差をつけることも可能である。
又、釣堀を池の一部に設置することにより、釣り堀と養殖の二通りの管理が可能である。
更に、転落防止柵等を足場板の外周部に設けることができるので、安全面の管理も容易である。
更に又、足場板上面と地面とに高低差がある場合は、足場板上面へのスロープを設けることにより、車椅子や、子供の移動が容易となり、車椅子の釣客や、子供の釣客が自ら選んだ釣用孔への移動して、足場板上で容易に釣りを楽しむことができる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様に、魚体が見えないようにし、且つ、釣果を管理できるようにすることにより、釣りの楽しさを高めることができると共に、子供や、車椅子の人も釣りを安全に楽しむことができる釣堀を提供することができる。
特に、複数の収容部に区画するための仕切り網を設けることにより各収容部に均一に放流でき、釣り上げた後の魚の補充も容易で、釣果を平均化できる。又、釣果に差をつけることも可能である。
又、足場板が地面と略一致するので、足場板への車椅子での移動や、子供の移動が容易であり、且つ、足場板に乗っても安全である。足場板上面と地面との高低差がある場合は、足場板上面へのスロープを設ければよい。
更に、前記釣堀は、給水源が確保できれば、平地の種々な場所への設置が可能である。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様に、魚体が見えないようにし、且つ、釣果を管理できるようにすることにより、釣りの楽しさを高めることができると共に、子供や、車椅子の人も釣りを安全に楽しむことができる釣堀を提供することができる。
特に、複数の収容部に区画するための仕切り網を設けることにより各収容部に均一に放流でき、釣り上げた後の魚の補充も容易で、釣果を平均化できる。又、釣果に差をつけることも可能である。
又、足場板を地面と略一致させることができるので、足場板への車椅子での移動や、子供の移動が容易であり、且つ、足場板に乗っても安全である。足場板上面が地面と高低差がある場合は、足場板上面へのスロープを設ければよく、又、足場板の外周部に安全柵を設ければ安全性も確保できる。
更に、前記釣堀は、給水源が確保できれば、平地の種々な場所への設置が可能である。
更に又、前記釣堀は、ボーリング等での水の供給も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1に於いて、1は、本発明の第1実施態様の釣堀である。釣堀1は、水槽2と仕切り網3と足場板4から構成されている。
水槽2は、長手方向に比較的長く形成された略長方形の底面5の周辺に所定高さの側壁6が起立連接して構成されている。図中、7は側壁6における前面部分に設けられた排出口である。
【0014】
仕切り網3は、水槽2内に所定間隔をもって水槽2の長手方向と直交して張設され、水槽2の長手方向と直交方向の内周面に対応するよう構成された略矩形状の枠8と、この枠8に張設された網9とから構成されている。網9の網目の寸法は、5mm程度が好適である。特に、わかさぎなどの小さい魚種の場合、網9の網目を5mm程度に小さくする必要がある。
図中、10は、各仕切り網3,3で仕切られた(区画された)魚の収容部である。
足場板4は、水槽2の上面を覆うよう構成された板体11によって構成され、この板体11に所定間隔で釣用孔12,12…が開穿されている。釣用孔12の直径は、60mm〜80mm程度が好適である。この直径寸法は、釣り糸を垂らし易く、且つ、水槽2内の広い範囲がはっきり見えない程度の大きさとして好適な寸法である。
尚、水槽2は、所定長さの公知の鉄筋コンクリートU型トラフの前後端面に前後壁を取り付けて構成することも可能である。
【0015】
各仕切り網3,3で仕切られた(区画された)前記収容部10,10…を作ることによって次のような効果が期待できる。
(1)水槽2を仕切ることで各収容部10内の放流魚数を個別に容易に管理することができる。
(2)釣り上げた魚数を各収容部10ごとに記録することで魚の補充が容易となる。
(3)各収容部10ごとの釣果率を放流比率で管理することができる。例えば、釣客の技術が一定と仮定した場合を例に説明すると、水槽をA、B、Cの三つに仕切った場合、放流比率をA−20%、B−50%、C−30%とすると、釣果率は前記放流率に比例することになる。このように、各収容部10ごとに放流比率を変えることで各収容部10ごとの釣果率が変わり、釣客の釣果率を管理することができる。更に、各収容部10ごとの放流率を日々変更したり、放流魚の中にしっかりエサ止めした魚を随意入れることで、より複雑な釣果率を管理することが容易となる。
【0016】
図2に従って、前記釣堀1の使用方法を説明する。
前記釣堀1は、地面上にそのまま設置される。従って、設置場所が限定されることがなく、足場板4は地面よりも一定の高さ位置になる。或いは、足場板4を露出させて、釣堀1を地中に設置することも可能である。
釣客13は、釣堀1の側方に立ち、ポイントとなる釣用孔12を選び、釣用孔12を覗き込める位置に立ち、選んだ釣用孔12に釣竿14の先端に取付けた釣糸15を垂らす。
前記釣堀1は、子供や、車椅子の人も釣りを安全に楽しむことができる。
子供や、車椅子の人にとって、水槽2の足場板4が高すぎる場合、台等を用意し、釣用孔12を覗き込める位置に調整する。
【0017】
図3及び図4に於いて、21は、本発明の第2実施態様の釣堀である。釣堀21は、水槽用網体22と仕切り網23と足場板24から構成されている。
水槽用網体22は、水槽用枠体25と水槽用外網26から構成されている。水槽用枠体25は、長手方向に比較的長く形成された略長方形の下方枠27と、下方枠27の四隅上面のほか所望箇所に植設された支柱28,28…と、下方枠27に対応して支柱28,28…の上端に設けられた上方枠29とから(略直方体状に)構成されている。
【0018】
水槽用外網26は、水槽用枠体25の底面、側面に張設される。水槽用外網31の網目の寸法は、5mm〜25mm程度が好適である。
仕切り網23は、水槽用網体22内に所定間隔をもって水槽用網体22の長手方向と直交して張設されている。
仕切り網23は、水槽用網体22の長手方向と直交方向で張設位置における水槽用網体22の内周面に対応するよう構成された略矩形状の枠30と、この枠30に張設された網31とから構成されている。網31の網目の寸法は、5mm〜25mm程度が好適である。図中、32は、各仕切り網23で仕切られた(区画された)魚の収容部である。
【0019】
足場板24は、水槽用網体22の上面を覆うよう構成された板体33から成り、この板体33に所定間隔で釣用孔34,34…が開穿されている。釣用孔34の直径は、120mm〜200mm程度が好適である。図中、35は、水槽用網体22と足場板24の間に配設された補強板部である。
補強板部35は、水槽用網体22の上方枠29に対応して形成される略長方形状の枠体とその長手方向の枠体を所定間隔で保持する枠体から成る補強枠36と、補強枠36の枠体間に設けられ、補強枠36の枠体で支持される複数の補強小板37,37…から構成されている(図3中には1枚の補強小板37のみが示されている)。そして、補強小板37には釣用孔34に対応する釣用孔38が開穿されている。
図中、39は足場板24の魚の収容部32,32…に対応する位置に開穿された点検口で、点検口39には点検蓋40が脱着自在に嵌め込まれる。
【0020】
尚、この点検口39は、魚の収容部32の掃除・点検のため作業員が出入りできる寸法に構成されている。点検口39の具体的な大きさは、長辺が1800mm程度、短辺が900mm程度が好適である。
又、補強小板37にも点検口39に対応する開口部41が形成されている。
【0021】
図5は、本発明の第2実施態様の釣堀21の点検口39の要部拡大縦断面図である。点検口39は魚の収容部32に対応して仕切り網23の上方に位置して形成されると共に(即ち、点検口39から、作業員が仕切り網23に仕切られた仕切り網23に隣接する収容部32,32の両方に出入りできる構成になっている。)、図4に示す如く、水槽用網体22の両端部近傍の収容部32,32上に夫々形成される。そして、補強小板37の開口部41よりも大きく形成され、前記点検口39内に皿状の点検蓋保持部材42が嵌め込まれている。点検蓋保持部材42は、底部に補強小板37の開口部41と略同様な大きさの孔42aが開穿され、補強小板37の開口部41外周辺近傍に載置された状態で、上部に点検蓋40を脱着自在に嵌め込み、孔42aを開閉する構成となっている。
【0022】
図6に従って、本発明の第2実施態様の釣堀2の使用方法を説明する。
前記釣堀21は、前記足場板24が水面上に露出するように池43内の適宜箇所に設置され、固定される。釣客44は、足場板24上に乗って、各自選んだポイント孔となる釣用孔34に釣糸45を垂らすことができる。釣客44の求めに応じ足場板24上に小型の椅子46を用意し、座って釣ることもできる。前記足場板24の周辺部に安全柵を設ければ、子供や車椅子の釣客も釣りを楽しむことができる。
【0023】
図7及び図8に於いて、61は、本発明の第3実施態様の釣堀である。釣堀61は、掘り込み水槽62と仕切り網63と足場板64と給水口部65と排水口部66から構成されている。
掘り込み水槽62は、地面における所望箇所に掘り込んだくぼみとして構成されている。
くぼみの構成は、長手方向に比較的長く形成された略長方形の底面67の周辺に所定高さの側壁68が起立連設された状態(略直方体状)に構成されている。
尚、くぼみには必要に応じて土留め、支保工を施すことができる。
仕切り網63は、掘り込み水槽62内に所定間隔をもって掘り込み水槽62の長手方向と直交する状態で張設されている。
【0024】
仕切り網63は、掘り込み水槽62の長手方向と直交方向で張設位置における内周面に対応するよう構成された略矩形状の枠69とこの枠69に張設された網70から構成されている。網70の網目の寸法は、5mm〜25mm程度が好適である。
図中、71は、各仕切り網63,63…で仕切られた(区画された)魚の収容部である。
足場板64は、掘り込み水槽62の上面を覆うよう構成された板体72から成り、この板体72に所定間隔で釣用孔73が開穿されている。釣用孔73の直径は、120mm〜200mm程度が好適である。
【0025】
図中、74は、掘り込み水槽62と足場板64の間に配設された補強板部である。補強板部74は、板体72に対応して形成される略長方形状の枠体とその長手方向の枠体を所定間隔で保持する枠体から成る補強枠75と、補強枠75の枠体間に設けられ、補強枠75の枠体で支持される複数の補強小板76,76…から構成されている(図7中には1枚の補強小板76のみが示されている)。そして、補強小板76には釣用孔73に対応する釣用孔77が開穿されている。
給水口部65は、掘り込み水槽62における後面上部に設けられた給水口78とこの給水口78に連結された樋79から構成されている。
この樋79の後端には掘り込み水槽62に対して上位に位置する給水池などの給水源80(図8参照)が連結されている。
【0026】
排水口部66は、掘り込み水槽62における前面上部に設けられた排水口81と、この排水口81に連結された樋82から構成されている。図中、83は水位調整板である。
84は足場板64の魚の収容部71,71…に対応する位置に開穿された点検口で、点検口84には点検蓋85が脱着自在に嵌め込まれる。
尚、この点検口84は、魚の収容部71の掃除・点検のため作業員が出入りできる寸法に構成されている。点検口84の詳細な構成は前記点検口39と同様である。
又、補強板76にも点検口84に対応する開口部86が形成されている。
【0027】
図9に従って、本発明の第3実施態様の釣堀61の使用方法を説明する。
前記釣堀61は、給水と排水が確保できるところであれば、どこの地面にも設置することができる。
釣客87は、足場板64上に乗って、各自選んだポイント孔となる釣用孔73に釣糸88を垂らすことができる。前記釣堀61に於いては、安全柵等を設けることなく、子供や、車椅子の釣客87が釣を行なうことができる。尚、足場板72と地面との高さが異なる場合は、緩やかなスロープを設けて、子供の歩行を容易にすると共に、車椅子の移動を容易にする。場合によっては、安全柵等を設けてもよい。
【0028】
図10及び図11に於いて、101は、本発明の第4実施態様の釣堀である。釣堀101は、水槽体102と仕切り網103と足場板104と給水口部105と排水口部106から構成されている。
水槽体102は、長手方向に比較的長く形成された長方形の底面107の周辺に所定高さの側壁108を起立連接して構成されている。
仕切り網103は、水槽体102内に所定間隔をもって水槽体102の長手方向と直交する状態で張設されている。
そこで、仕切り網103の構成は、水槽体102の長手方向と直交方向で張設位置における内周面に対応するよう構成された略矩形状の枠109とこの枠109に張設された網110とから構成されている。網110の網目の寸法は、5mm〜25mm程度が好適である。図中、111は、各仕切り網で仕切られた(区画された)魚の収容部である。
【0029】
足場板104は、水槽体102の上面を覆うよう構成された板体112から成り、板体112には所定間隔で釣用孔113が開穿されている。
釣用孔113の直径は、120mm〜200mm程度が好適である。
114は、水槽体102と足場板104の間に配設された補強板部である。
補強板部114は、板体112に対応して形成される長方形状の枠体とその長手方向の枠体を所定間隔で保持する枠体から成る補強枠115と、補強枠115の枠体間に設けられ、補強枠115の枠体で支持される複数の補強小板116,116…から構成されている(図10中には1枚の補強小板116のみが示されている)。そして、補強小板116には釣用孔113に対応する釣用孔117が開穿されている。
【0030】
給水口部105は、水槽体102における後面上部に設けられた給水口118とこの給水口118に連結された樋119から構成されている。図中、120は水位調整板である。
なお、この樋119の後端には水槽体102に対して上位に位置する給水池などの給水源121に連結されている。
排水口部106は、水槽体102における前面部に設けられた排水口122と、この排水口122に連結された樋123から構成されている。
124は足場板104の魚の収容部111,111…に対応する位置に開穿された点検口で、点検口124には点検蓋125が脱着自在にはめ込まれる。
尚、この点検口124は、魚の収容部111の掃除・点検のため作業員が出入りできる寸法に構成されている。点検口124の詳細な構成は前記点検口39と同様である。
又、補強小板116にも点検口124に対応する開口部126が形成されている。
【0031】
図12に従って、本発明の第4実施態様の釣堀101の使用方法を説明する。
前記釣堀101は、前記足場板104が地表面上に露出するように地面内の適宜箇所に設置される。釣客127は、足場板104上に乗って、各自選んだポイント孔となる釣用孔113に釣糸128を垂らすことができる。
前記釣堀101に於いても、安全柵等を設けることなく、子供や、車椅子の釣客127が釣を行なうことができる。尚、足場板104と地面との高さが異なる場合は、緩やかなスロープを設けて、子供の歩行を容易にすると共に、車椅子の移動を容易にする。場合によっては、安全柵等を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による第1実施態様の釣堀の分解斜視図である。
【図2】本発明による第1実施態様の釣堀の使用状態を示す側面縦断面である。
【図3】本発明による第2実施態様の釣堀の分解斜視図である。
【図4】本発明による第2実施態様の釣堀の正面縦断面図である。
【図5】本発明による第2実施態様の釣堀の点検口の要部拡大正面縦断面図である。
【図6】本発明による第2実施態様の釣堀の使用状態を示す斜視図である。
【図7】本発明による第3実施態様の釣堀の分解斜視図である。
【図8】本発明による第3実施態様の釣堀の平面図である。
【図9】本発明による第3実施態様の釣堀の使用状態を示す正面縦断面図である。
【図10】本発明による第4実施態様の釣堀の分解斜視図である。
【図11】本発明による第4実施態様の釣堀の平面図である。
【図12】本発明による第4実施態様の釣堀の使用状態を示す正面縦断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1,21,61,101 釣堀
2 水槽
3,23,63,103 仕切り網
4,24,64,104 足場板
5,67,107 底面
6,68,108 側壁
10,32,71,111 収容部
12,34,73,113 釣用孔
22 水槽用網体
25 水槽用枠体
26 水槽用外網
39,84,124 点検口
40,85,125 点検蓋
62 掘り込み水槽
65,105 給水口部
66,106 排水口部
102 水槽体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形の底面の周辺に所定高さの側壁が起立連接して構成された水槽と、前記水槽の長手方向と直交して張設され、前記水槽内を複数の収容部に区画するための仕切り網と、前記水槽の上面を覆うための足場板とを備え、前記足場板には、複数の釣用孔が開穿されていることを特徴とする釣堀。
【請求項2】
略直方体状の水槽用枠体の底面及び側面に水槽用外網が張設された水槽用網体と、前記水槽用網体の長手方向と直交して張設され、前記水槽用網体内を複数の収容部に区画するための仕切り網と、前記水槽用網体の上面を覆うための足場板とを備え、前記足場板には、複数の釣用孔が開穿されると共に、前記収容部に対応する位置に点検口が開穿され、前記点検口には点検蓋が脱着自在にはめ込まれていることを特徴とする釣堀。
【請求項3】
地面における所望箇所に掘り込んだ略直方体状のくぼみとして形成される掘り込み水槽と、前記掘り込み水槽の長手方向と直交して張設され、前記掘り込み水槽内を複数の収容部に区画するための仕切り網と、前記掘り込み水槽の上面を覆うための足場板と、前記掘り込み水槽に給水するための給水口部と、前記掘り込み水槽の排水を行なうための排水口部とを備え、前記足場板には、複数の釣用孔が開穿されると共に、前記収容部に対応する位置に点検口が開穿され、前記点検口には点検蓋が脱着自在にはめ込まれていることを特徴とする釣堀。
【請求項4】
略長方形の底面の周辺に所定高さの側壁が起立連接して構成された水槽体と、前記水槽体の長手方向と直交して張設され、前記水槽体内を複数の収容部に区画するための仕切り網と、前記水槽体の上面を覆うための足場板と、前記水槽体に給水するための給水口部と、前記水槽体の排水を行なうための排水口部とを備え、前記足場板には、複数の釣用孔が開穿されると共に、前記収容部に対応する位置に点検口が開穿され、前記点検口には点検蓋が脱着自在にはめ込まれていることを特徴とする釣堀。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−22795(P2008−22795A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200532(P2006−200532)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(506016015)株式会社サーモンハウス (1)
【Fターム(参考)】