説明

釣竿

【課題】雄ネジ部にナットを螺合して移動フードを移動させるリールシートを備えた釣竿において、ナットにガタ付きが生じることなく、実釣時に異物が付着しても容易に除去することができ、かつナットの回転がスムーズな釣竿を提供する。
【解決手段】本発明の釣竿は、リール脚を受け入れる移動フード15,固定フード16を備えたリールシート10を有する。このリールシートは、パイプ状のリールシート本体12と、リールシート本体の外周に設けられた雄ネジ部18と、雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が設けられ、移動フード15を軸方向に移動させる回転操作可能なナット25とを有している。そして、雌ネジ部に、ナット25の回転時に雄ネジ部18に接する弾性部材を設け、リールシート本体12の雄ネジ部18が形成される長さ範囲内に、周方向に沿って所定の角度、雄ネジ部の谷部よりも窪んだ面部20を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナットを回転することで移動フードを軸方向に摺動してリールを固定するリールシートを備えた釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の釣竿の内、例えば、船竿には、その元竿部分にリールを固定するためのリールシートが設けられている。通常、リールシートは、例えば、特許文献1に開示されているように、一方に軸方向に移動可能な移動フードが、他方に固定フードが配設された構成となっており、前記移動フードを、ナットを回転することで軸方向に移動し、リールの脚部(リール脚)を両フード間で固定するようになっている。すなわち、上記したナットは、リールシートに形成された雄ネジ部に螺合しており、ナットを回転操作することで、移動フードを軸方向に移動し、リール脚を移動フードと固定フードとの間に挟持する。
【0003】
ところで、上記したナット及び雄ネジ部が、例えば金属によって形成されていると、持ち運び時において、両者の間でガタ付きが発生し易く、ガタ付き音が発生したり、実釣時、竿を竿掛けに固定して移動する際、船の振動等によって緩みが生じ易いという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するために、上記した特許文献1には、ナットの内側に内周環状凹部を形成し、ここにネジ環(雄ネジ部)の外径より小径の透孔を有する弾性体を嵌合固定して、ネジ環に螺合させるリールシートが開示されている。このような構成によれば、弾性体がネジ環の外周に摩擦摺接することから、ナットの緩みが抑制されると共に、両者の間のガタ付きが防止される。
【特許文献1】実開昭58−44067号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記したようなリールシートでは、実釣時において、異物(例えば、コマセなど)が雄ネジ部に付着すると、ナットを回転操作した際に、異物が雄ネジ部やナットの内部に詰まってしまい、ナットの回転がきつくなったり、放置しておくとナットが回転操作できなくなってしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、上記した問題に基づいてなされたものであり、雄ネジ部にナットを螺合して移動フードを移動させるリールシートを備えた釣竿において、ナットにガタ付きが生じることなく、実釣時に異物が付着しても容易に除去することができ、かつナットの回転がスムーズな釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る釣竿は、リール脚載置部の前後に対向して配置され、リール脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を備え、これら一対のフード部の内、少なくとも一方が移動式である移動フードとしたリールシートを有する構成において、前記リールシートは、パイプ状のリールシート本体と、前記リールシート本体の外周に設けられた雄ネジ部と、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が設けられ、前記移動フードを軸方向に移動させる回転操作可能なナットと、を有しており、前記雌ネジ部に、ナットの回転時に前記雄ネジ部に接する弾性部材を設け、前記リールシート本体の前記雄ネジ部が形成される長さ範囲内に、周方向に沿って所定の角度、雄ネジ部の谷部よりも窪んだ面部を設けたことを特徴とする。
【0008】
上記した構成において、リールを着脱すべく、移動フードを軸方向に移動させるナットを回転操作すると、ナットの雌ネジ部に設けられた弾性部材が雄ネジ部と接していることから、ガタ付きが発生することが抑制される。また、リールシート本体の雄ネジ部や面部(この面部は、周方向に所定の角度に亘って設けられており、雄ネジ部が形成されていない領域である)に、コマセ等の異物が付着しても、ナットを回転操作すると、その回転に伴って異物は面部領域に集まるようになる。特に、ナットの回転と共に移動する異物は、面部と雄ネジ部との境にある段差に引っ掛かって、面部の側部に集まり易くなり、容易に除去することができる。このため、雄ネジ部や雌ネジ部の谷部内に、異物が固着することが防止され、ナットの回転が硬くなるのを防止することができる。
【0009】
なお、上記した面部は、雄ネジ部が形成される範囲内に設けられていれば良く、ナットの回転操作に支障をきたさない程度で周方向に沿って設けられていれば良い。また、その表面は、雄ネジ部の谷部よりも低く設定することにより、雄ネジ部の端部と面部の端部との間の境界部分に段差が生じ、ナットの回転操作に伴い、雄ネジ部やナットの雌ネジ部に付着した異物が回転移動し、最終的に、その段差部分で剥ぎ落とされるようになる。
【0010】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る釣竿は、リール脚載置部の前後に対向して配置され、リール脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を備え、これら一対のフード部の内、少なくとも一方が移動式である移動フードとしたリールシートを有する構成において、前記リールシートは、パイプ状のリールシート本体と、前記リールシート本体の外周に設けられた雄ネジ部と、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が設けられ、前記移動フードを軸方向に移動させる回転操作可能なナットと、を有しており、前記リールシート本体の前記雄ネジ部が形成される長さ範囲内に、周方向に沿って所定の角度、雄ネジ部の谷部よりも窪んだ面部を設け、前記面部に、側部に段差を有する弾性部材を設けたことを特徴とする。
【0011】
上記した構成において、リールを着脱すべく、移動フードを軸方向に移動させるナットを回転操作すると、面部に設けられた弾性部材によって、ガタ付きが発生することが抑制される。また、リールシート本体の雄ネジ部や面部に、コマセ等の異物が付着しても、ナットを回転操作すると、その回転に伴って異物は、面部領域に集まるようになる。特に、ナットの回転と共に移動する異物は、面部と弾性部材との境にある段差に引っ掛かって、面部の側部や段差部に集まり易くなり、容易に除去することができる。このため、雄ネジ部や雌ネジ部の谷部内に、異物が固着することが防止され、ナットの回転が硬くなるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る釣竿によれば、リールシートに設けられた移動フードを移動させるためのナットを回転操作した際に、ガタ付きが生じることがなくなって、ガタ付き音や緩みが発生することがなくなる。また、実釣時において、リールシートに異物が付着しても、容易に除去することができ、かつナットの回転がスムーズで回転抵抗も変化し難い釣竿が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る釣竿の一実施形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。本実施形態に係る釣竿1は、専ら、船竿に適した構成となっており、リールRが装着される元竿3と、元竿3に対して着脱可能な穂先竿5とを備えている。前記元竿3には、リールRを着脱可能にするリールシート10が装着されており、この元竿3に対してジョイント機構8(詳細な構成は省略する)を介して穂先竿5が着脱されるようになっている。前記穂先竿5には、複数の釣糸ガイド(外ガイド)7が設けられており、リールシート10に装着されたリールRから繰出される釣糸を案内する。
【0015】
前記リールシート10は、図2に示すように、パイプ状に形成されたリールシート本体12を備えている。リールシート本体12は、例えば、ステンレス、アルミニウム合金、チタン、真鍮等の金属によって一体的に形成され、管状(中実であっても良い)に形成された元竿3の外周面に対して固着される。
【0016】
リールシート本体12には、リールRの脚部(リール脚)が載置されるリール脚載置部13が形成されており、その両側には、リール脚を受け入れる開口を備えた一対のフード部が配置されている。この場合、一対のフード部の内、少なくともいずれか一方が移動フードとして構成されていれば良く、本実施形態においては、穂先側にあるフード部が移動フード15として構成され、基端側にあるフード部が固定フード16として構成されている。すなわち、リール脚を固定フード16の開口16aに挿入し、この状態で移動フード15を後述するナットを回転操作することで軸方向の固定フード側に移動させ、移動フード15の開口15aにリール脚を嵌合させることで、リールが固定されるようになっている。
【0017】
なお、移動フード15とリールシート本体12との間にはガイド手段(図示せず)が設けられており、ナットを回転操作した際に、移動フード15が回転することなく、軸方向に移動できるように構成されている。
【0018】
前記リールシート本体12の外周には、所定の長さに亘って、ナット25が螺合される雄ネジ部18が形成されている。また、リールシート本体12には、雄ネジ部18が形成される長さ範囲内に、周方向に沿って所定の角度、雄ネジ部18の谷部よりも窪んだ面部20が設けられている。この面部20は、ナット25の回転操作に支障をきたさない範囲で、かつ異物が容易に除去できる程度(60°〜180°、好ましくは80°〜120°)の範囲に亘って、周方向に沿って設けられていれば良い。なお、本実施形態の面部20は、リール脚載置部13の延長上において周方向に所定の角度に亘って設けられている。
【0019】
このような面部20は、例えば、リールシート本体12に、360°に亘って雄ネジ部18を形成した後に、所定の範囲に亘って、雄ネジ部18の谷部よりも窪むように平面状に切削加工等することによって形成することが可能である。
【0020】
前記雄ネジ部18に螺合され、移動フード15を軸方向に移動させるナット25については、本実施形態においては、移動フード15が緩み難いように、同一構成のものが2つ並設されている。
【0021】
図3から図5は、上記したナットの構成を示す図であり、図3は、ナットの一部切欠き断面図、図4は、ナットの正面図、そして、図5は、図3の主要部の拡大図である。
【0022】
ナット25は、例えば、ステンレス、アルミニウム合金、チタン、真鍮等の金属によって一体的に形成されており、その外周面には、回転操作時に、滑り等が生じないように、周方向に沿ってローレット(凹凸)26が形成されている。また、その内周面には、前記雄ネジ部18と螺合する雌ネジ部27が形成されている。
【0023】
そして、前記ナット25の雌ネジ部27には、ナットの回転時に前記雄ネジ部18に接する弾性部材30が設けられている。この弾性部材30は、例えば、ゴム、エラストマー、EVA、コルク等の柔軟性を有する材料によってリング状に形成されており、ナット25の内周面の略中央に予め形成された環状の凹溝28に嵌合固定されている。この場合、弾性部材30が比較的、柔軟性を有していれば、リング状の部材を弾性変形させながら凹溝28に取着することが可能であり、比較的、硬度があれば、リングの一部を切欠いておき、径方向に弾性変形させながら凹溝28内に取着すれば良い。また、上記した材料にフッ素系の添加剤等を混入しておくと、雄ネジ部との間の摺動抵抗が軽減され、ナット25をスムーズに回転させることが可能となる。
【0024】
本実施形態における弾性部材30は、図5に示すように、内周面30aが平面状になっており、この内周面30aがリールシート本体に形成された雄ネジ部18に接するようになっている。
【0025】
上記した構成において、リールRを着脱すべく、ナット25を回転操作すると、弾性部材30の内周面30aが雄ネジ部18の山部領域に摺接する(雄ネジ部と接触する)。このため、雄ネジ部18と雌ネジ部27との間に寸法誤差等があっても、雄ネジ部18に接触する弾性部材30によって吸収され、ガタ付きが発生することが抑制される。また、周方向にある程度の摩擦力が作用することから、ナット25が弛緩することが防止でき、回転抵抗も変化し難くなる。
【0026】
さらに、実釣時において、雄ネジ部18や面部20に、コマセ等の異物が付着しても、ナット25を回転操作することで、付着した異物は面部20の領域に回転移動され、面部20の表面に集まるようになる。すなわち、このような面部20に集まった異物は、水を流したり、指によって容易に除去することが可能となる。特に、ナット25の回転移動と共に移動する異物は、面部20と雄ネジ部18との境にある段差に引っ掛かって、面部の側部に集まり易くなり、容易に除去することができる。この結果、雄ネジ部18やナット25の雌ネジ部27の谷部内に、異物が固着することが防止され、ナット25の回転が硬くなることが防止される。さらにまた、毎回釣行時に蓄積されて行く塩の結晶やゴミなどをリールの着脱動作により除去することができ、長時間に渡りスムーズなナットの回転を維持することができる。
【0027】
また、上記したように、ナット25に環状の凹溝28を形成しておき、この部分に弾性部材30を嵌合させることにより、弾性部材30の破損や脱落を防止することができ、更には、回転方向の摩擦抵抗を調整し易くなる。
【0028】
上記したナット25の雌ネジ部に取着される弾性部材30については、適宜変形することが可能である。例えば、上記した凹溝28の底部に環状の突部(図示せず)を形成しておくことにより、弾性部材30が径方向内側に盛り上がるようになり、雄ネジ部18に対する圧接力が高まって、異物の移送効果、及び弛緩防止効果を高めることが可能となる。
【0029】
また、図6に示すように、弾性部材30の内周面に、雌ネジ部27と同等なピッチの雌ネジ(凹凸)30bを形成しておいても良い。このような雌ネジ30bを形成しておくことにより、弾性部材が雄ネジ部18の谷部に入り込むようになり、より異物を除去し易くなると共に、回転抵抗を軽減することが可能になる。
【0030】
なお、このような構成では、雌ネジ30bを、ナットの雌ネジ部27よりも内方(図中矢印方向)に若干突出するように設定しておくことで、雄ネジ部18に対する圧接力を高めることが可能となる。
【0031】
また、このように弾性部材30の内周面に雌ネジ30bを形成する場合、図7に示すように、山部の先端に湾曲部30cを形成しておくことが好ましい。このような構成によれば、図6に示したように、弾性部材30を雄ネジ部18の谷部に入り込ませることができると共に、弾性部材の破損を効果的に防止することが可能となる。
【0032】
また、上記したような弾性部材30については、ナット25の中央部に設けるのではなく、図8に示すように、端部に設けるような構成であっても良い。このような構成によれば、弾性部材30を容易にナット25に取着することが可能になると共に、ナット内への異物の侵入をより防止することができる。
【0033】
なお、弾性部材30は、ナット幅の範囲内であれば、いずれかの場所に1個、或いはナットの両端部に取着する等、複数個設けても良い。また、弾性部材は、360°に亘ってリング状に形成されていなくても良く、所定の角度の範囲内に設けられる構成であっても良い。
【0034】
図9及び図10は、釣竿に装着されるリールシートの第2の実施形態を示す図であり、図9は、平面図、図10(a)は、図9に示すリールシートの側面図、図10(b)は、図(a)のA−A線に沿った断面図である。
なお、以下に説明する実施形態においては、上記した実施形態と同様な構成については同一の参照符号を付し、その詳細な説明については省略する。
【0035】
上記した実施形態では、弾性部材を、ナット25の雌ネジ部27に設けたが、リールシート本体12の面部20が形成される領域に弾性部材を設けても良い。すなわち、本実施形態の面部20は、リール脚載置部13の延長上において、周方向に所定の角度に亘って形成されおり、上記した実施形態と同様、雄ネジ部18が形成される長さの範囲内で、雄ネジ部の谷部よりも窪んだ状態となるように形成されている。
【0036】
そして、この面部20の中心領域の表面には、軸方向に延出形成された弾性部材40が取着されている。この弾性部材40の高さは、雄ネジ部18の山部の頂点と谷部の底点との間に位置するように設定されており、面部20の表面との間(弾性部材40の側部40a)に段差を有するように構成されている。
【0037】
上記した構成において、リールRを着脱すべく、ナット25を回転操作すると、弾性部材40の外周面40bがナット25の雌ネジ部27の山部領域に摺接する(雌ネジ部27と接触する)。このため、雄ネジ部18と雌ネジ部27との間に寸法誤差等があっても、雌ネジ部27に接触する弾性部材40によって吸収され、ガタ付きが発生することが抑制される。また、周方向にある程度の摩擦力が作用することから、ナット25が弛緩することを防止でき、回転抵抗も変化し難くなる。
【0038】
さらに、実釣時において、雄ネジ部18や面部20に、コマセ等の異物が付着しても、ナット25を回転操作することで、付着した異物は面部20の領域に回転移動され、面部の表面に集まるようになる。すなわち、このような面部に集まった異物は、水を流したり、指によって容易に除去することが可能となる。特に、ナット25の回転移動と共に移動する異物は、弾性部材40の段差(側部40a)に引っ掛かり易くなり、容易に除去することができる。この結果、雄ネジ部18やナット25の雌ネジ部27の谷部内に、異物が固着することが防止され、ナット25の回転が硬くなることが防止される。
【0039】
また、上記した弾性部材40の高さは、雄ネジ部18の山部の頂点と谷部の底点との間に位置するように設定されて、確実にナット25の雌ネジ部27と接触するように構成されていることから、ナット25がガタ付くようなことは無く、スムーズに回転操作することが可能となる。
【0040】
なお、上記した実施形態において、弾性部材40は、図11(a)及び(b)に示すように、面部20に、軸方向に延出する凹溝20aを形成しておき、この部分に嵌入、固定するようにしても良い。このような構成によれば、ナット25の回転操作によって、周方向の摩擦力が作用しても、弾性部材40が面部から剥離し難くなる。
【0041】
また、上記した実施形態において、弾性部材40の外周面40bに、ナット25の雌ネジ部27の谷部に入り込むような凹凸を形成しておくことが好ましい。このような凹凸は、例えば、上述した実施形態のように、ナット25の雌ネジ部27に螺合するような雄ネジによって構成したり、或いは、図12(a)及び(c)に示すように、弾性部材40の表面に、連続する刷毛状の多数の突片40dを一体形成することで構成することが可能である。このような凹凸を形成しておくことにより、雌ネジ部に対する圧接力が高まり、より効果的に異物を除去することができる。
【0042】
なお、上記した突片40dについては、各突片の基部が厚く、先端に移行するに従って薄くなると共に、矢印で示す元側に向けて倒伏するような方向性を持たせておくことが好ましい。すなわち、このような方向性を持たせた形状によれば、ナット25を締め込み易く、かつ緩み難くすることができ、更には、その先端部分がナット25の雌ネジ部27の谷部に入り込んで、異物を除去し易くすることができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態の構成に限定されることはなく、種々変形することが可能である。例えば、リールシート本体12に形成される面部20の形成位置については、リール脚載置部13の延長線上以外の箇所に設けても良いし、周方向に沿って複数箇所設けておいても良い。また、面部20は、平坦な面であっても良いし、凹凸などが形成されていても良い。
【0044】
また、フード部の構成については、基端側が移動フードで構成されていたり、両者が移動フードとして構成されていても良く、移動フードを移動させる上記したナットについては、複数個並設する必要は無く、一つであっても良い。さらに、リールシートが装着される釣竿の構成については、適宜変形することが可能である。
【0045】
また、上述した実施形態における弾性部材については、着脱可能に構成しておくことにより、長時間使用した状態で取り外して、交換することも容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図。
【図2】リールシートの構成を示す側面図。
【図3】ナットの構成を示す一部切欠き断面図。
【図4】ナットの正面図。
【図5】図3の主要部の拡大図。
【図6】ナットの第1の変形例を示す図。
【図7】ナットの第2の変形例を示す図。
【図8】ナットの第3の変形例を示す図。
【図9】リールシートの第2の実施形態を示す平面図。
【図10】(a)は、図9に示すリールシートの側面図、(b)は、図(a)のA−A線に沿った断面図。
【図11】第2実施形態におけるリールシートの第1変形例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は、図(a)のB−B線に沿った断面図。
【図12】第2実施形態におけるリールシートの第2変形例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は、図(a)のC−C線に沿った断面図、(c)は、弾性部材の表面を拡大して示す図。
【符号の説明】
【0047】
1 釣竿
10 リールシート
12 リールシート本体
13 リール脚載置部
15 移動フード(フード部)
16 固定フード(フード部)
18 雄ネジ部
20 面部
25 ナット
27 雌ネジ部
30,40 弾性部材
40d 突片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール脚載置部の前後に対向して配置され、リール脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を備え、これら一対のフード部の内、少なくとも一方が移動式である移動フードとしたリールシートを有する釣竿において、
前記リールシートは、
パイプ状のリールシート本体と、
前記リールシート本体の外周に設けられた雄ネジ部と、
前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が設けられ、前記移動フードを軸方向に移動させる回転操作可能なナットと、
を有しており、
前記雌ネジ部に、ナットの回転時に前記雄ネジ部に接する弾性部材を設け、
前記リールシート本体の前記雄ネジ部が形成される長さ範囲内に、周方向に沿って所定の角度、雄ネジ部の谷部よりも窪んだ面部を設けたことを特徴とする釣竿。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記ナットの内面に設けた円周方向の溝内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記弾性部材は、ナット回転時、前記雄ネジ部の谷部に入り込む凹凸を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の釣竿。
【請求項4】
リール脚載置部の前後に対向して配置され、リール脚を受け入れる開口を有する一対のフード部を備え、これら一対のフード部の内、少なくとも一方が移動式である移動フードとしたリールシートを有する釣竿において、
前記リールシートは、
パイプ状のリールシート本体と、
前記リールシート本体の外周に設けられた雄ネジ部と、
前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が設けられ、前記移動フードを軸方向に移動させる回転操作可能なナットと、
を有しており、
前記リールシート本体の前記雄ネジ部が形成される長さ範囲内に、周方向に沿って所定の角度、雄ネジ部の谷部よりも窪んだ面部を設け、
前記面部に、側部に段差を有する弾性部材を設けたことを特徴とする釣竿。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記面部の長手方向に沿って設けられており、前記ナットを回転する際にナット内周に設けられた前記雌ネジ部と接することを特徴とする請求項4に記載の釣竿。
【請求項6】
前記弾性部材は、前記ナット回転時、前記ナットの雌ネジ部の谷部に入り込む凹凸を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の釣竿。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−28984(P2007−28984A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216257(P2005−216257)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000002495)ダイワ精工株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】