説明

鉄道車両用融雪装置

【課題】車体に付着した氷雪を融解する鉄道車両用融雪装置及び鉄道車両用融雪装置のケーシング並びに鉄道車両用融雪装置の線状ヒータ取付方法を提供する。
【解決手段】鉄道車両用融雪装置(1)は、ケーシング(2)と外箱(3)と塞ぎ板(4)とテープヒータ(5)とを備える。前記ケーシング(2)は、車両長手方向(Z)における車体側の第一の面(2a)と、前記第一の面(2a)の反対側で、前記塞ぎ板(4)により塞がれる第二の面(2b)と、前記第二の面(2b)側に設けられた、前記テープヒータ(5)を取り付けるためのガイド溝(24)と、を有する。このガイド溝(24)に前記テープヒータ(5)を取り付けた状態で、前記ケーシング(2)を外箱(3)と前記塞ぎ板(4)とにより覆う。このようにして構成した鉄道車両用融雪装置(1)を鉄道車両の車体に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として鉄道車両に付着した雪を融解するための鉄道車両用融雪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
降雪地帯を鉄道車両が走行する場合、雪が車両の床下部に付着することによって、様々な問題が引き起こることが知られている。例えば、車両の床下部に付着した雪が融解することにより、地上に落下する際にバラスト(砕石)を跳ね上げて、自車両やすれ違う他車両を損傷させたり、敷地外の沿線に被害をもたらしたりする問題がある。
【0003】
また、レール上に積もった雪や融解した水滴が繰り返し付着していき、車体に付着した雪が成長していくことがある。特に、車輪を覆うように車輪の前後方向に設けられたスカート部に雪が付着していった場合、車輪に干渉したり、車輪が損傷したりすることもある。
【0004】
これらの問題は、(1)降雪地で付着した雪が、温暖地に乗り入れた場合など、解けて塊として落下しやすくなること、(2)鉄道車両が高速で運行する場合、雪が舞い上がりやすく、車体に付着しやすく、また付着した雪が落下する際にバラストを跳ね上げやすくなるなど、これら条件によって起こりやすくなる。
【0005】
そこで、このような鉄道車両への雪の付着を防止するために、電熱線をセラミック板の内部又は表面に取付け、電熱線を発熱させることにより、セラミック板を加熱して氷雪を融解する鉄道車両用氷雪融解装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
一方、鉄道車両においては客室空間を確保するため、車体下部(主に床下部)に様々な機器が設置されている。そのため、走行中、車輪によって跳ね上げられたバラストが車体下部の機器を損傷しないように前記スカート部が設けられているが、高速で走行する鉄道車両においては、このスカート部の強度を高めるべく、スカート部に塞ぎ板を取り付けられたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−18616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1の氷雪融解装置は、セラミックの平板が剥き出しの状態で構成されているため、バラスト等の衝突に対して強度が弱く、走行中に氷雪融解装置が故障したり、氷雪融解装置自体がスカート部から剥離する可能性もある。
【0009】
さらに、前記氷雪装置は、そのケーシングであるセラミック板と電熱線と遠赤外線発生装置とが一体構造となっているため、いずれかに不具合があった場合に氷雪融解装置全体を取り替える必要があり、コストがかかる。
【0010】
また、強度を確保するために前記氷雪装置をスカート部に設置し、その上から塞ぎ板を取り付けて強度を上げることも考えられるが、その場合、セラミック板を介して塞ぎ板に熱を伝えることとなるため、塞ぎ板に熱が伝わりづらく、十分な氷雪融解機能が期待できない。
【0011】
本発明は、以上の課題に鑑みなされたもので、線状ヒータの保護をでき、メンテナンスがしやすく、熱を効率よく塞ぎ板に伝達できる鉄道車両用融雪装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にかかる鉄道車両用融雪装置は、鉄道車両の車体下部に付着した氷雪を融解させるための鉄道車両用融雪装置であって、該鉄道車両用融雪装置は、線状ヒータとケーシングと塞ぎ板とを備え、前記ケーシングは、車両長手方向における車体側の第一の面と、前記第一の面の反対側で、前記塞ぎ板により塞がれる第二の面と、前記第二の面側に設けられた、前記線状ヒータを取り付けるためのガイド溝と、を有し、前記線状ヒータが、前記ケーシングと前記塞ぎ板により覆われることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ガイド溝に線状ヒータを配置して塞ぎ板を被せるだけで、作業員が容易に鉄道車両用融雪装置を組むことができ、作業場等であらかじめ組んだ鉄道車両用融雪装置をそのまま車体に取り付けることができる。これにより、鉄道車両の車体下部に付着した氷雪を融解することができる。ここで、氷雪とは氷や雪をいい、着雪した雪が圧縮されたり、部分的に溶けるなどして、氷状になったものも含む。また、ケーシングと塞ぎ板により覆われた状態で線状ヒータを設置できるため、線状ヒータがバラスト等から保護される。なお、塞ぎ板とは石や雪塊等から線状ヒータやその他の機器を保護するための板である。また、線状ヒータとケーシングと塞ぎ板とをそれぞれ分離できるため、いずれかが損傷した場合に、損傷した部分のみを取り替えることができメンテナンスもしやすい。
【0014】
ここで、線状ヒータとは、例えば断面が円形のコード状のヒータや、内部に発熱素子を組みこみ外部を耐熱繊維で覆ったテープ状のヒータなど、蛇行可能なフレキシブルな長尺ヒータであるとよい。一方、塞ぎ板に当接又は近接する第二の面にガイド溝が設けられ、ここに線状ヒータが配置されるので、塞ぎ板と線状ヒータとの距離が近く、塞ぎ板全体に熱が伝わりやすい。
【0015】
また、前記ガイド溝は、両端が開口した複数の直線状溝を備え、前記直線状溝の両端開口外側に、前記線状ヒータを折り返すための空間が形成されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、例えば、複数の直線状溝のうち、端部の直線状溝の一方開口から直線状溝に這わせて線状ヒータを取り付け、他方開口より飛び出した線状ヒータをU字状に折り返し、続けて、隣の直線状溝の一方開口から直線状溝に這わせて取り付けるといった具合に、各直線状溝に順に線状ヒータを這わせて取付ける。このようにして、ケーシング全体に線状ヒータを均一に配置する。また、U字状に折り返す部分が空間となっているため、線状ヒータを無理なく折り曲げられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のように構成したので、線状ヒータの保護をでき、メンテナンスがしやすく、熱を効率よく塞ぎ板に伝達できる鉄道車両用融雪装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1にかかる鉄道車両用融雪装置の取付位置を説明するための車体の一部側面図である。
【図2】同鉄道車両用融雪装置を車体に設置した状態の正面図である。
【図3】(a)は実施形態1の鉄道車両融雪装置の正面側からの斜視図である。(b)は同鉄道車両用融雪装置の背面側からの斜視図である。
【図4】(a)は実施形態1の鉄道車両用融雪装置の塞ぎ板を外した状態の正面図である。(b)は図3のAA断面図である。(c)は(b)の部分拡大図である。
【図5】実施形態1の鉄道車両用融雪装置の主要な構成を示す分解斜視図である。
【図6】実施形態1の鉄道車両用融雪装置の塞ぎ板の斜視図である。
【図7】(a)実施形態1の鉄道車両用融雪装置のテープヒータの斜視図である。(b)同BB断面図である。(c)同CC断面図である。
【図8】実施形態2の鉄道車両用融雪装置のケーシングと塞ぎ板と断熱部材との構成を示す斜視図である。
【図9】実施形態2の鉄道車両用融雪装置のケーシングの斜視図である。
【図10】(a)実施形態2の鉄道車両用融雪装置のケーシングのアルミ型材の斜視図である。(b)同アルミ型材のガイド溝にテープヒータを取り付けた状態の斜視図である。
【図11】実施形態2の鉄道車両用融雪装置の塞ぎ板の斜視図である。
【図12】(a)実施形態2の鉄道車両用融雪装置のケーシングの車体設置面に取り付ける断熱部材の正面図である。(b)同上側面に取り付ける断熱部材の正面図である。(c)同下側面に取り付ける断熱部材の正面図である。
【図13】実施形態2の鉄道車両用融雪装置のケーシングに線状ヒータを取り付けた状態の斜視図である。
【図14】(a)図13において塞ぎ板を取り付けた状態の正面図である。(b)同塞ぎ板及びテープヒータを取り付けた状態のテープヒータ取付状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明にかかる鉄道車両用融雪装置の実施形態について図面に基づき説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
【0020】
<1.実施形態1>
[1−1.鉄道車両用融雪装置の取付位置]
図1は、本発明の一実施形態である鉄道車両用融雪装置1又は110の取付位置を説明するための、鉄道車両の車体201の側面図である。図1に示すように、車体201の床下部202に配置された車輪203は、前後方向に臨む車輪スカート部204、205により仕切られている。車輪スカート部204及び205は、床下部202に配置されている種々の機器を、車輪203によって跳ね上げられたバラスト等から保護するために設けられている。一方、鉄道車両が降雪地帯を走行する際には、車輪203による雪の舞い上げ等によって、車輪スカート部204、205に雪が付着していく。
【0021】
鉄道車両用融雪装置1又は110は、この車輪スカート部204、205の表面に、車両幅方向Xの全体に亘り、ボルトで取り付けられる。鉄道車両用融雪装置1又は110を取り付けることで、熱により、車輪スカート部204、205への雪の付着の予防や、付着した雪を早期に剥離できる。同時に、床下部の機器をバラスト等からも保護できる。
【0022】
そして、鉄道車両用融雪装置1又は110は、該車輪スカート部204、205以外にも、車体201の床下周縁部に位置する車体スカート部206の車体側の面に取り付けてもよい。当該部分に鉄道車両用融雪装置1又は110を取り付ければ、車輪による雪の舞い上げ以外の種々の要因によって、車体スカート部206に付着した雪や氷を剥離することもできる。
【0023】
なお、上記車輪スカート部に鉄道車両用融雪装置を取り付ける場合について説明したが、取付位置はこれに限定されるものでなく、車体側部内側や台車側、車体底部に取り付けてもよい。
【0024】
図2は、鉄道車両用融雪装置を車体に設置した状態の正面図である。図2に示すように、鉄道車両用融雪装置1又は110は前記の通り、車両幅方向Xの全体に亘ってスカート部204、205に取り付けられているが、作業員が取り扱いやすいように、例えば車両幅方向Xに三部の構成で、鉄道車両用融雪装置1L、1C、1R(110L、110C、110R)により構成されていてもよい。これら鉄道車両用融雪装置のL、C、Rは、主たる構造を同じくするため、以下共通に鉄道車両用融雪装置1(110)として説明する。
【0025】
[1−2.鉄道車両用融雪装置1の構成]
図3は、鉄道車両用融雪装置1の斜視図である。図4(a)は、同鉄道車両用融雪装置1の塞ぎ板を外した正面図である。図4(b)は、図3のAA断面図である。図4(c)は、(b)の部分拡大図である。図5は、同鉄道車両用融雪装置1の主要な構成を示す分解斜視図である。
【0026】
図3に示すように、鉄道車両用融雪装置1は、車両長手方向Zにおける正面が波形形状で、背面が平面形状である。鉄道車両用融雪装置1は、ケーシング2と外箱3と塞ぎ板4とテープヒータ5(線状ヒータ)とを主要な構成とする。以下、ケーシング2、外箱3、塞ぎ板4、テープヒータ5について、それぞれ説明する。
【0027】
(1−2−1.ケーシング)
図4、図5に示すように、ケーシング2は、板状の土台部21と、その周縁から立設した枠部22と、枠部22に囲まれるように土台部21から立設した隆起部23とを備える。ケーシング2は、土台部21の背面である第一の面2aと、隆起部23の正面である第二の面2bとを備える。隆起部23は、土台部21から車両長手方向Zに突出し、車両上下方向Yに延びる複数の棒状部23aが車両幅方向Xに連なっていて(図4(a)参照)、その正面が全体として波形形状を形成し、後述する波板状の塞ぎ板4に対応する形状となっている(図4(b)参照)。
【0028】
また、図4(a)に示すように、棒状部23aは車両上下方向Yに延びていて、一方の先端が湾曲している。そして、複数の棒状部23aは、車両上下方向Yに交互にずらされ車両幅方向Xに連なって形成され、隣り合う棒状部23aは、湾曲した先端が上下逆向きになるように配置されている。
【0029】
また、隣り合う棒状部23aの境界には、車両上下方向Yに延び、両端が開口したガイド溝24を構成する直線状溝24aが形成されている。なお、直線状溝24aは、断面が縦長形状となっていて、後述するテープヒータ5を縦置きで取付可能となっている(図4(b)参照)。
【0030】
そして、直線状溝24aの両端開口の外側には、テープヒータ5を折り返すための空間25が設けられている。空間25は、ケーシング2に塞ぎ板4を取り付けた状態で、塞ぎ板4と土台部21と枠部22と隆起部23とにより囲まれる。
【0031】
また、枠部22の車両幅方向Xの両側部には、テープヒータ5の防水用の封止部52とブッシング54とを配置するための切り欠き26、27が設けられている。さらに、枠部22の車両上下方向Yの両側部には、水抜き孔28が設けられていて、ケーシング2に水が浸入した場合の水を抜く。また、土台部21には、テープヒータ5に電源を供給するため、テープヒータ5の電源コード53を通すための挿通口29が設けられている。
【0032】
また、本実施形態のケーシング2は、一例として、ポリスチレンにポリエチレンなどのポリオレフィンを複合化した発泡樹脂からなり、難燃性かつ断熱性が高く、軽量で加工性に優れる。なお、ケーシング2は、これに限られず、その他の発泡樹脂やその他の素材でもよく、難燃性又は不燃性、かつ、断熱性の高い素材が好ましい。
【0033】
また、本実施形態の鉄道車両用融雪装置1は、ケーシング2の直線状溝24aとテープヒータ5との間にアルミシート6を配している(図4(c)参照)。本実施形態のアルミシート6は、直線状溝24aに沿ったハット型の形状で、各直線状溝24aに夫々配していて、直線状溝24aから飛び出した部分が塞ぎ板4に当接する。アルミシート6は、熱伝導性が高いため、テープヒータ5の熱を塞ぎ板4に伝えやすい。また、アルミシート6は、塞ぎ板4に熱を伝える以外に、テープヒータ5の熱を適度に放射する役目をする。すなわち、テープヒータ5の熱が、直線状溝24aなどケーシング2内に過度にこもるのを抑え、テープヒータ5の発熱性能の低下を抑制する。
【0034】
(1−2−2.外箱)
図5に示すように、外箱3は、車両長手方向Zの車体設置面側と反対側が開口した矩形の箱形形状であり、ケーシング2を収納できるよう構成されている。外箱3は、板状の土台部31と、土台部31の周縁から車両長手方向Zの正面側に立設した枠部32と、を備える。土台部31と枠部32とに囲まれた空間にケーシング2を収納する。また、土台部31には、ケーシング2の挿通口29に対応する位置に挿通口33が設けられていて、そこにテープヒータ5の電源コード53を保持するコード保持部34が設けられている。
【0035】
また、枠部32は、塞ぎ板4の形状に対応するように、車両上下方向Yの両側部が波形形状となっており、この両側部に、塞ぎ板4とボルト締結するための貫通孔35と、車体のスカート部204、205にボルト締結するための貫通孔36とが穿設されている。また、枠部32の下側部には、ケーシング2の水抜き孔28と対応する位置に、水抜き孔37が穿設されている。
【0036】
また、本実施形態の外箱3は、例えばFRPまたはステンレス材からなり、強度が高く、塞ぎ板4とともにケーシング2を保護する。なお、外箱3は、FRPまたはステンレス材に限られず、その他の素材でもよく、強度の高い素材が好ましい。
【0037】
(1−2−3.塞ぎ板)
図6に示すように、塞ぎ板4は、水平面と斜面とが交互に組み合わされた、断面が台形状の凸部と凹部が交互に表れる波形形状の波板であり、外箱3の枠部32の表面及びケーシング2の表面である第二の面2bに沿った形状で、ケーシング2の第二の面2bに塞ぎ板4を当接又は近接して取り付けられる。また、塞ぎ板4は外箱3とボルト締結するための貫通孔41と、スカート部204、205とボルト締結するための貫通孔42が穿設されている。
【0038】
本実施形態の塞ぎ板4は、一例としてステンレス材からなり、熱伝導性で強度が高く、ケーシング2を保護するとともに、テープヒータ5からの熱を受けて塞ぎ板4が昇温される。すなわち、塞ぎ板4が、バラストや雪塊等から、テープヒータ5、その他の機器を保護するとともに、着雪した雪や氷を解かすための加熱面としても機能する。なお、塞ぎ板4は、ステンレス材に限られず、その他の素材でもよく、熱伝導性で強度が高い素材が好ましい。
【0039】
(1−2−4.テープヒータ)
図7に示すように、テープヒータ5は、テープ状の発熱部51の一方端部と電源コード53とがブッシング54により接続され、発熱部51の他方端部が封止部52に接続する。ブッシング54及び封止部52は、軟質PVC素材よりなる。
【0040】
発熱部51は、内部の両側辺に導体55が2本通り、これら導体55に35mmピッチで発熱素子56が接続される。そして、これら導体55及び発熱素子56が絶縁材57により覆われた状態で、テープ状に形成される。この発熱素子56が発熱し、導体55に熱が伝導することで、発熱部51全体の温度が上昇する。なお導体55は、スズメッキの軟鋼ロープより線で構成され、発熱素子56はチタン酸バリウム系のPTCセラミックス素子で構成される。なお、本実施形態においては上記テープヒータ5を用いているが、これに限定されるものではなく、その他のテープヒータや断面円形のコードヒータなど、蛇行可能なフレキシブルな長尺ヒータを用いてもよい。
【0041】
[1−3.テープヒータの取付方法]
次に、テープヒータ5を鉄道車両用融雪装置1に取り付ける方法について、図5に基づき説明する。
【0042】
(1−3−1.ステップ1)
まず、テープヒータ5の封止部52をケーシング2の切り欠き26に嵌め込む。そして、封止部52に続く発熱部51を、ガイド溝24を構成する最右の直線状溝24aに這わせて配置し、直線状溝24aの終端から飛び出した発熱部51を、棒状部23aの湾曲した先端に沿わせるように空間25で折り返し、最右の隣の直線状溝24aの始端から発熱部51を這わせて配置する。同様に、この直線状溝24aに発熱部51を這わせて配置し、空間25で発熱部51を折り返し、さらに隣の直線状溝24aに這わせて配置する。これを順に繰り返して、ガイド溝24を構成する全ての直線状溝24aにテープヒータ5の発熱部51を配置する。
【0043】
最後に、最左の直線状溝24aの終端から飛び出した発熱部51に接続されたブッシング54をケーシング2の切り欠き27に嵌め込み、ブッシング54に続く電源コード53を挿通口29に通しておく。
【0044】
なお、このとき直線状溝24aの断面は縦長形状となっているため、テープヒータ5を縦置きで取り付けられ(図4(b)参照)、かつ、棒状部23aの先端が湾曲しているので、空間25において、発熱部51をねじることなく配置することができる。
【0045】
(1−3−2.ステップ2)
次に、テープヒータ5が配置されたケーシング2を、外箱3に収納する。具体的には、ケーシング2の挿通口29から飛び出した電源コード53を、外箱3の挿通口33及びコード保持部34に通した状態で、ケーシング2の第一の面2aを外箱3の土台部31表面に合わせ、ケーシング2が枠部32に囲まれるように収納する。
【0046】
(1−3−3.ステップ3)
次に、塞ぎ板4を固定する。ケーシング2が収納された外箱3に、外箱3の開口及びケーシング2の第二の面2bを覆うように塞ぎ板4を配し、ボルト71を塞ぎ板4の貫通孔41と外箱3の貫通孔35に通して、ナット72で締結する。これにより、塞ぎ板4と外箱3とがボルト締結され、その内部にケーシング2とテープヒータ5とが収納された鉄道車両用融雪装置1となる。
【0047】
(1−3−4.ステップ4)
そして、あらかじめ組み立てた鉄道車両用融雪装置1を、車体201のスカート部204、205に配置し、外箱3から出ている電源コード53の電源プラグを、車体床下部に配された電源に続くコネクタ(図示せず)に接続した後、スカート部204、205に鉄道車両用融雪装置1をボルト(図示せず)で締結固定する。
【0048】
[1−4.実施形態1の効果]
以上説明したように、本実施形態の鉄道車両用融雪装置1は、ケーシング2に設けられたガイド溝24にテープヒータ5を這わせ、外箱3と塞ぎ板4とで覆うことで、容易に鉄道車両用融雪装置1を組むことができ、作業場等であらかじめ組んだ鉄道車両用融雪装置1をそのまま車体に取り付けることができる。また、ケーシング2の塞ぎ板4に近い第二の面2bにガイド溝24が設けられ、ここにテープヒータ5が設置されるので、塞ぎ板4とテープヒータ5とが当接又は近接し、塞ぎ板4に熱を効率よく伝えることができる。また、テープヒータ5は、ケーシング2と外箱3と塞ぎ板4とに覆われているため、バラスト等からテープヒータ5を保護することができる。
【0049】
また、ケーシング2と外箱3と塞ぎ板4とテープヒータ5とをそれぞれ分離できるため、いずれかが損傷した場合にも、損傷した部分のみを取り替えればよい。また、ガイド溝24は、ケーシング2の全体に亘る複数の直線状溝24aからなり、ここに順次折り返してテープヒータ5を取り付けるので、ケーシング2全体にテープヒータ5を配置でき、鉄道車両用融雪装置1全体を略均一に昇温できる。さらに、ガイド溝24の断面が縦長形状であるため、テープヒータ5を縦置きで取り付けられ、かつ、棒状部23aの先端が湾曲しているので、空間25においてテープヒータ5をねじらず、無理なく折り曲げて配置することができる。
【0050】
また、ケーシング2は、断熱性の高い発泡樹脂素材からなるので、テープヒータ5の熱が逃げにくい。さらに、ガイド溝24とテープヒータ5との間に、熱伝導率の高いアルミシート6を配していて、またアルミシート6の一部が塞ぎ板4に当接しているので、テープヒータ5の熱を塞ぎ板4に伝えやすい。加えて、アルミシート6により、適度に熱を放射して、ケーシング2内の過度な熱のこもりを抑え、テープヒータ5の発熱性能の低下を抑制する。また、ケーシング2は、難燃性の発泡樹脂素材からなるため安全性が高い。
【0051】
<2.実施形態2>
[2−1.鉄道車両用融雪装置110の構成]
図8は、実施形態2に係る鉄道車両用融雪装置110のうち、ケーシングと塞ぎ板と断熱部材との構成を示す斜視図である。鉄道車両用融雪装置110は、ケーシング120と塞ぎ板130と断熱部材140とテープヒータ5とにより構成されている。以下、ケーシング120、塞ぎ板130、断熱部材140について、それぞれ説明する。なお、テープヒータ5等、実施形態1と同様の構成については、第一実施形態と同様の構造であるため説明を省略する。
【0052】
(2−1−1.ケーシング)
図9、図10に示すように、ケーシング120は、断面が矩形の上に台形を組み合わせた形状の隆起部127と板状の土台部126とにより構成されるアルミ型材121を、連続してつなぎ合わせて構成したものである。アルミ型材121の隆起部127内には、中空部121aと121bが設けられ、塞ぎ板130と当接する各面に、テープヒータ5の発熱部51を配置するための断面半長円形のガイド溝122が設けられている。ガイド溝122は、複数の直線状溝122a〜122dからなる。
【0053】
なお、アルミ型材121の両側には、相互に接続するための凸部123と凹部124とが左右にそれぞれ設けられ、凸部123と凹部124には、ボルト締結用の貫通孔が穿設されている。アルミ型材121どうしの結合は、凸部123と凹部124を嵌合し、上面よりボルトを螺合することにより締結する。
【0054】
そして、アルミ型材121には、テープヒータ5を折り返すための空間125(125a、125b)が設けられている。空間125は、隆起部127がなく、底面に板状の土台部126があるのみで、ケーシング120に塞ぎ板130を設置した状態において、塞ぎ板130と土台部126と隆起部127とにより囲われる空間である。
【0055】
また、ケーシング120に複数のアルミ型材121を組んだ状態で両側部に配されるアルミ型材121の空間125bは、他のアルミ型材121の空間125bに比べて広く設けられ、土台部126に切り欠き128が設けられている。これは、両側部以外のアルミ型材121は、テープヒータ5の折り返しに十分な空間125bがあればよいのに対し、両側部のアルミ型材121の空間125bには、テープヒータ5の先端にある封止部52や電源コード53が配置されるためであり、切り欠き128は取っ手用である。
【0056】
さらに、端部辺のアルミ型材121の空間125b下に位置する土台部126は挿通口129を有しており、この挿通口129は、テープヒータ5を設置した際に、テープヒータ5の電源コード53を挿通して、床下部のバッテリー又はバッテリーから続くコネクタ部に電源プラグを接続するために設けられている。なお、ケーシング120は下記塞ぎ板130、断熱部材140、スカート部204、205とボルト締結するための貫通孔が穿設されている。
【0057】
(2−1−2.塞ぎ板)
図11に示すように、塞ぎ板130は、水平面と斜面とが交互に組み合わされた、断面が台形状の凸部と凹部が交互に表れる波形形状の波板であり、ケーシング120の表面である被塞ぎ面120b(第二の面)に沿った形状で、ケーシング120の被塞ぎ面120bに塞ぎ板130を隙間なく取り付けられる。また、塞ぎ板130の両側には、作業員が作業しやすいよう取っ手として利用できる切り欠き138が切り欠き128と対応する位置に設けられている。なお、塞ぎ板130はケーシング120及びスカート部204、205とボルト締結するための貫通孔が穿設されている。
【0058】
(2−1−3.断熱部材)
図12に示すように、断熱部材140には、ケーシング120の車体201との設置面120a(第一の面)側に取り付ける断熱部材141と、ケーシング120の車体201に設置した状態における上下面に取り付ける断熱部材142と143とがある。これら断熱部材141〜143は、ケーシング120との取付面に対応する面を持つFRPの板材である。なお、断熱部材140の設置以外にも、断熱塗料をケーシング120に塗布してもよい。要するに、雪が付着するであろう面(被塞ぎ面120b)以外の面からの、無駄な放熱を抑制できればよい。無駄な放熱を抑制することにより、雪が付着する面からの放熱を促進し、熱を有効に使うようにするためである。
【0059】
さらに、断熱部材141は、ケーシング120の一方端部のアルミ型材121に設けられた挿通口129に対応する位置に、挿通口149を設けている。この挿通口149は、挿通口129同様、電源コード53を挿通するためのものである。また、断熱部材141の両側には、切り欠き128及び切り欠き138に対応する位置に切り欠き148が設けられている。なお、断熱部材140は、ケーシング120及びスカート部204、205とボルト締結するための貫通孔が穿設されている。
【0060】
[2−2.テープヒータの取付方法]
次に、テープヒータ5を鉄道車両用融雪装置110に取り付ける方法について、図13、図14に基づいて説明する。ここでは、仮にアルミ型材121A〜121Eを5つ結合した構成のケーシング120’を用いて説明する。なお、前記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
【0061】
(2−2−1.ステップ1)
まず、テープヒータ5をアルミ型材121Aの空間125bに配し、あらかじめ電源コード53の電源プラグ側を、挿通口129に挿通させておく。そして、電源プラグ側と反対側の電源コード53に続く発熱部51を、アルミ型材121Aの直線状溝122bに這わせて配置し、直線状溝122b終端から飛び出した発熱部51をねじり、空間125aで折り返して、直線状溝122cの始端から発熱部51を直線状溝122cに這わせて配置する。同様に直線状溝122cに発熱部51を這わせて配置し、空間125b上で発熱部51をねじって折り返し、隣の直線状溝122dに這わせて配置する。
【0062】
続いて、アルミ型材121Aの直線状溝122dの終端から飛び出した発熱部51を、ねじり、空間125aで折り返して、アルミ型材121Bの直線状溝122aに這わせて配置する。以後同様にして、発熱部51を各直線状溝に這わせて配置していく。
【0063】
最後に、アルミ型材121Eの直線状溝122dの終端から飛び出した発熱部51の先端に接続する封止部52を、空間125b下に位置する土台部126に設置する。
【0064】
なお、空間125a及び空間125bにおいて、発熱部51をねじって折り返すのは、テープ状の発熱部51を縦にすることで、折り返す際の曲率半径を小さくし、コンパクトに収納するためである。本実施形態においては、ケーシング120の各直線状溝122a〜dの間隔が狭いため、ねじることにより折り返しの曲率半径を小さくできるテープヒータを用いている。
【0065】
また、折り返し部分の空間を十分に確保できる場合や、各直線状溝の間隔を広く取れる場合においては、断面円形のコードヒータ等を用いてもよい。断面円形のコードヒータを用いる際には、ガイド溝(直線状溝)を断面U字状に形成するとコードヒータの取付けが容易である。それ以外の構成については、テープヒータを用いる場合と同様でよい。
【0066】
(2−2−2.ステップ2)
ケーシング120の直線状溝122全体に発熱部51を配置して、テープヒータ5を設置した後、塞ぎ板130をケーシング120の被塞ぎ面120bに被せて、ボルトにより締結する。このようにすることで、テープヒータ5がケーシング120と塞ぎ板130によって、覆われた状態となる。具体的には、テープヒータ5の発熱部51がケーシング120の直線状溝121と塞ぎ板130によって、それ以外の部分が土台部126と塞ぎ板130により形成された箱型の空間125に収納された状態となる。これにより、バラスト等からテープヒータ5を保護できる。
【0067】
(2−2−3.ステップ3)
次に、断熱部材141〜143を、それぞれの対応する面に取り付ける。断熱部材141を、ケーシング120の車体設置面側にボルトにより締結する。その際、挿通口129より飛び出している電源コード53を、挿通口149に挿通させる。また、断熱部材142、143もケーシング120の上下両側面にボルトにより締結する。
【0068】
(2−2−4.ステップ4)
このようにして、あらかじめ組み立てた状態の鉄道車両用融雪装置110を、車体201のスカート部204、205に配置し、挿通口129及び挿通口149から飛び出した電源コード53の電源プラグを車体床下部に配されたバッテリーに続くコネクタに接続した後、スカート部204、205に鉄道車両用融雪装置110をボルトにより締結する。
【0069】
[2−3.実施形態2の効果]
以上説明したように、本実施形態の鉄道車両用融雪装置110は、ケーシング120に設けられたガイド溝122にテープヒータ5を這わせ、塞ぎ板130で覆うことで、容易に鉄道車両用融雪装置110を組むことができ、作業場等においてあらかじめ組んだ鉄道車両用融雪装置110をそのまま車体に取り付けることができる。また、テープヒータ5は、ケーシング120と塞ぎ板130とに覆われているため、バラスト等からテープヒータ5を保護することができる。
【0070】
また、ケーシング120と塞ぎ板130と断熱部材140とテープヒータ5とがそれぞれ分離できるため、いずれかが損傷した場合にも、損傷した部分のみを取り替えればよい。また、ガイド溝122は、ケーシング120の全体に亘る複数の直線状溝122a〜dからなり、ここに順次折り返してテープヒータ5を取り付けるので、ケーシング120全体にテープヒータ5を配置でき、鉄道車両用融雪装置110全体を略均一に昇温できる。また、テープヒータ5がケーシング120に横向きで配置されているので、テープヒータ5と塞ぎ板130との設置面積が大きく、塞ぎ板130に熱が伝わりやすい。
【0071】
また、ケーシング120の隆起部127内に中空部を設けていて、中空部に空気層ができるため、テープヒータ5の熱が車体側に逃げづらく、塞ぎ板130に熱を効率よく伝える。つまり、中空部によって放熱を抑えることができる。また、中空部があるため、ケーシング120の重量を抑え軽量化でき、取り回しやすく、また材料も少なくコストを抑えられる。
【0072】
また、ケーシング120の車体設置面や側面に断熱部材140を取り付けることで、ケーシング120の車体設置面や側面からの放熱を抑えることができ、塞ぎ板130に熱を効率よく伝えることができる。
【0073】
<3.変形例>
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更又は削除が可能である。例えば、本実施形態は線状ヒータにテープヒータを用いているが、断面が円形のコード状のヒータなど、蛇行可能なフレキシブルな長尺ヒータを用いてもよい。この場合、ガイド溝の形状を線状ヒータの形状に合わせることが好ましい。また、本実施形態のケーシングは一例として発泡樹脂やアルミ型材のものを用いているが、その他の発泡樹脂やその他の金属、その他の素材でもよい。
【0074】
また、本実施形態の塞ぎ板には一例として波板状のものを用いているが、平板状などその他の形状の塞ぎ板を用いてもよい。この場合、ケーシングの表面(第一の面)を塞ぎ板の形状に合わせることが好ましい。また、本実施形態のケーシングのガイド溝は一例として車両上下方向に延びる複数の直線状溝で構成しているが、車両幅方向に延びる複数の直線状や、直線状溝以外の湾曲した溝などで構成してもよい。また、本実施形態の実施形態1ではガイド溝にアルミシートを配しているが、アルミシートはなくてもよい。
【0075】
また、実施形態1では外箱を用い、実施形態2では断熱部材を用いているが、外箱及び断熱部材の双方を備える構成としてもよく、外箱及び断熱部材のない構成としてもよい。また、本実施形態の断熱部材にはFRPを用いているが、断熱性の高い樹脂や布、その他の素材を用いてもよく、断熱塗料を塗布してもよい。また、本実施形態の塞ぎ板や外箱にはステンレス材を用いているが、その他の金属やその他の素材を用いてもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
1(1L、1C、1R) 鉄道車両用融雪装置
2 ケーシング
2a 第一の面
2b 第二の面
21 土台部
22 枠部
23 隆起部
23a 棒状部
24 ガイド溝
24a 直線状溝
25 空間
26 切り欠き
27 切り欠き
28 水抜き孔
29 挿通口
3 外箱
31 土台部
32 枠部
33 挿通口
34 コード保持部
35 貫通孔
36 貫通孔
37 水抜き孔
4 塞ぎ板
41 貫通孔
42 貫通孔
5 テープヒータ(線状ヒータ)
51 発熱部
52 封止部
53 電源コード
54 ブッシング
55 導体
56 発熱素子
57 絶縁材
110(110L、110C、110R) 鉄道車両用融雪装置
120、120’ ケーシング
120a 設置面(第一の面)
120b 被塞ぎ面(第二の面)
121 アルミ型材
121a、121b 中空部
122(122a〜122d) ガイド溝(直線状溝)
123 凸部
124 凹部
125(125a、125b) 空間
126 土台部
127 隆起部
128 切り欠き
129 挿通口
130 塞ぎ板
138 切り欠き
140(141、142、143) 断熱部材
148 切り欠き
149 挿通口
201 車体
202 床下部
203 車輪
204、205 車輪スカート部
206 車体スカート部
X 車両幅方向
Y 車両上下方向
Z 車両長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の車体下部に付着した氷雪を融解させるための鉄道車両用融雪装置であって、該鉄道車両用融雪装置は、線状ヒータとケーシングと塞ぎ板とを備え、
前記ケーシングは、
車両長手方向における車体側の第一の面と、
前記第一の面の反対側で、前記塞ぎ板により塞がれる第二の面と、
前記第二の面側に設けられた、前記線状ヒータを取り付けるためのガイド溝と、を有し、
前記線状ヒータが、前記ケーシングと前記塞ぎ板により覆われることを特徴とする鉄道車両用融雪装置。
【請求項2】
前記ガイド溝は、両端が開口した複数の直線状溝を備え、
前記直線状溝の両端開口外側に、前記線状ヒータを折り返すための空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項3】
前記ケーシングは、板状の土台部と、土台部の周縁に立設した枠部と、枠部に囲まれた隆起部とを有し、
前記直線状溝は、前記隆起部に形成され、
前記空間は、前記隆起部と前記枠部と前記土台部と前記塞ぎ板とに囲まれて形成されていることを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項4】
前記隆起部は、車両上下方向に延びる複数の棒状部が、車両上下方向に交互にずらされ車両幅方向に連なるように形成され、
前記複数の棒状部は、車両上下方向の突出した側の先端が湾曲して形成され、
前記直線状溝は、前記複数の棒状部の境界に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項5】
前記枠部に、水抜き穴が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項6】
前記塞ぎ板が断面波形状の板であって、
前記第二の面が、前記塞ぎ板に対応する形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項7】
さらに、一方が開口した、前記ケーシングを収納する外箱を備え、
前記塞ぎ板によって前記外箱の開口が塞がれ、前記ケーシングが前記外箱と前記塞ぎ板により覆われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項8】
前記線状ヒータは、テープヒータであり、
前記ガイド溝は、断面が縦長形状であり、
前記ガイド溝に、前記線状ヒータを縦置きすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項9】
前記ガイド溝に、アルミシートが配されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項10】
前記ケーシングは、難燃性又は不燃性、かつ、断熱性の材料からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項11】
前記ケーシングは、板状の土台部と、土台部から車両長手方向における車体側と反対方向に隆起した隆起部とを有し、
前記隆起部の表面である前記第二の面は、前記塞ぎ板に沿うように形成され、
前記第二の面に前記線状ヒータを取り付けるためのガイド溝が設けられ、
前記線状ヒータを前記ガイド溝に取り付けた状態で、前記ケーシングに前記塞ぎ板を取り付けることにより、前記線状ヒータが前記ケーシングと前記塞ぎ板により覆われるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項12】
前記空間は、前記塞ぎ板と前記土台部と前記隆起部とにより囲われた空間が形成されることを特徴とする請求項11に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項13】
前記塞ぎ板が断面波形状の板であって、
前記隆起部の前記第二の面が、前記塞ぎ板に対応する形状に形成されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項14】
前記隆起部に中空部を設けたことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項15】
少なくとも前記ケーシングの前記第一の面に、放熱を抑えるための断熱素材を取り付けたことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項16】
前記ガイド溝が断面半長円形に形成されていることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1に記載の鉄道車両用融雪装置。
【請求項17】
前記ケーシングがアルミ型材で構成されていることを特徴とする請求項11〜16のいずれか1に記載の鉄道車両用融雪装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−91485(P2013−91485A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223935(P2012−223935)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)