説明

鋳造工法によって製造された耐摩耗・耐衝撃用の掘削機バケット及びその製造方法

【課題】堅い骨材の採取や、岩盤の引っ張り、運搬、トラックに積むときに使用し、長期間使用しても破損せずに使用できる、鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃用の掘削機バケット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ケイ素(Si)−クロム(Cr)−マンガン(Mn)をベースとし、それにブローム(B)を添加してなるインゴットを溶解温度1600°Cないし1650°Cで加熱してバケットの鋳型の空洞部に注入して得られたバケット100を電気炉に装入して900°Cないし1100°Cで加熱した後、冷水に浸漬してショット処理し、組み立て部111にボーリング、剥離、ドリル、タップ加工し、前記組み立て部111にブッシング、ピン、ボルトなどの部品を組み立てた後、洗浄及び乾燥してペイントで表面を塗装して完成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地形が岩盤層からなる石山や岩石を暴いて置き石を選り分けるときのように、主に堅い骨材の採取や、岩盤の引っ張り、運搬、トラックに積むときに使用し、長期間使用しても破損せずに使用できるように開発した、鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃用の掘削機バケット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図6及び図7に示すように、従来の掘削機バケット1は、背板2の左右側に側板3が接合され、その左右側板3の前側の先端にはそれぞれ側刃12が溶接され、前記背板2の下側の先端にはシャベル(shovel)4が横切って接合され、このシャベル4には、複数のトゥースアダプター5が相互所定間隔を置いて溶接される。
【0003】
図6におけるの点線は、溶接される部位を概略的に示す。
【0004】
このような従来の掘削機バケット1は、低電流で複数回繰り返して溶接するが、この方法は、溶接量が少ないため、溶接部分に複数回繰り返して熔接するしかない。それにより、溶接部は凸状のビード状になり、製缶溶接時に発生する熱によって、溶接周辺部の組織の変化によって母材が溶融されすぎて、溶接部の先端部と連結される母材部が凹むアンダーカット(undercut)現象が発生する。したがって、耐久性が低下して衝撃時に破損される恐れが大きく、また、複数回繰り返して熔接するため、先に熔接した部分と後で熔接する部分との冷却速度の違いによる境界部及び気孔などが発生した。そのアンダーカット、境界部及び気孔などがクラック(crack)の原因となった。
【0005】
したがって、このような従来の掘削機バケットは、掘削作業中に土砂や石ころとしきりに摩擦して、側刃12及びシャベル4がよく摩耗され、溶接部分が頻繁に破損するという問題点があった。
【0006】
このように従来の製缶工法の掘削機バケットは、その製造過程が複雑であり、溶接工程による耐久性の低下によって、石山などの掘削作業時に鉄板が破れたりして、寿命が短く、製品の維持コストが増大する。また、溶接可能な市中の一般の鉄板からなるため、機械的性質の限界によって、作業時に摩耗されやすく、衝撃に弱いことから、頻繁な交替による作業効率が低下し、コスト高となるという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであって、鋳造工法によって生産できるように、バケットの各部位別の厚さ及び形状を考慮して、一体型の鋳造品に構造を新たに設計されることができる鋳造工法によって製造された耐摩耗・耐衝撃用の掘削機バケットを提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、特殊な材質の合金元素を添加して一体型の鋳造工法で製造することによって、掘削機バケットの製造工程を単純化させ、耐摩耗及び耐衝撃に対する機械的性質を向上させて、製品の寿命延長及び品質向上をもたらしうる鋳造工法によって製造された耐摩耗・耐衝撃用の掘削機バケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、背板(110)、受け板(120)及び左右側板(130、131)を備える掘削機バケット100は、鋳造によって一体に形成されたことを特徴とする鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケットを提供する。
【0010】
掘削機バケット(100)の左右側板(130、131)の前側の先端には、それぞれ鋳造された側刃(140、141)を分離可能にボルト及びナットで固定し、前記受け板(120)の下側の先端には、鋳造された⊃状のシャベル(150)が結合されて、トゥースアダプター固定体(160)と分離可能に横切って形成され、前記シャベル(150)の間には、複数のトゥースアダプター固定体(160)が所定間隔を置いて結合され、前記トゥースアダプター固定体(160)の先端にはトゥースアダプター(170)が結合されうる。
【0011】
また、本発明は、木型または金型でバケットの形状と等しい模型を加工し、砂を鋳物砂とする鋳型箱に前記模型を挿入した後、湯口が形成されるように砂型鋳造させた後、前記模型を鋳型箱から取り出して空洞部を形成させ、ケイ素(Si)−クロム(Cr)−マンガン(Mn)をベースとし、それにブローム(B)を添加して、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなるインゴットを溶解温度1600°Cないし1650°Cで加熱して前記金型の空洞部に注入させた後、注入されたインゴットが凝固した後、鋳型箱と上型とを分離させて、砂型鋳造によるバケットを電気炉に装入して900°Cないし1100°Cで加熱した後、冷水に浸漬してショット処理されたバケットが掘削機の本体に取り付けられるように、組み立て部にボーリング、剥離、ドリル、タップ加工し、前記組み立て部にブッシング、ピン、ボルトなどの部品を組み立てた後、洗浄及び乾燥してペイントで表面を塗装して完成させることを特徴とする鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケットを提供する。
【0012】
前記インゴットは、C:0.90重量%ないし1.35重量%、Si:0.30重量%ないし0.80重量%、Mn:11重量%ないし14重量%、P:0.10重量%以下、S:0.50重量%以下、B:0.005重量%以下からなる群から選択された少なくとも一つ以上を含み、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなる高マンガン鋼でありうる。
【0013】
また、前記インゴットは、C:0.17重量%ないし0.50重量%、Si:0.30重量%ないし0.80重量%、Mn:0.50重量%ないし1.60重量%、P:0.030重量%以下、S:0.030重量%以下、B:0.005重量%以下からなる群から選択された少なくとも一つ以上を含み、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなる鋳造用高張力炭素鋼でありうる。
【0014】
本発明は、木型または金型でバケットの形状と等しい模型を加工する工程と、砂を鋳物砂とする鋳型箱に前記模型を挿入した後、湯口が形成されるように砂型鋳造する工程と、砂型鋳造後に前記模型を鋳型箱から取り出して空洞部を形成する工程と、注入口及び湯口の形成された上型を鋳型箱の上部に設置した後、前記注入口としてSi−Cr−Mnをベースとし、それにBを添加して、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなるインゴットを溶解温度1600°Cないし1650°Cで加熱して注入して空洞部を充填させる工程と、注入されたインゴットが凝固した後、鋳型箱と上型とを分離させて砂型鋳造によるバケットを生産する工程と、前記バケットを電気炉に装入して、900°Cないし1100°Cで加熱した後に冷水に浸漬する工程と、前記ショット処理されたバケットが掘削機の本体に取り付けられるように、ボーリング加工機で組み立て部にボーリング、剥離、ドリル、タップ加工などの機械加工を行う工程と、前記機械加工されたバケットの組み立て部に、ブッシング、ピン、ボルトなどの部品を組立てる工程と、前記組み立てが完了した後に洗浄及び乾燥し、外部表面を保護するためにペイントで表面を塗装する工程と、を含むことを特徴とする鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケットの製造方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃用の掘削機バケット及びその製造方法について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る鋳造工法によって製作された掘削機バケット100の分離斜視図であり、図2は、本発明に係る鋳造工法によって製作された掘削機バケット100の斜視図であり、図3は、本発明に係る鋳造工法によって製作された掘削機バケット100の結合斜視図であり、図4は、本発明に係る鋳造工法によって製作された掘削機バケット100の側面図であり、図5は、本発明に係る掘削機バケットの製造方法のフローチャートであり、図6は、従来の掘削機バケットの分離斜視図であり、図7は、従来の掘削機バケットの結合斜視図である。
【0017】
図1ないし図3に示すように、本発明に係る掘削機バケット100は、背板110、受け板120、及び左右側板130、131を備え、それらは、鋳造によって一体に製造される。前記掘削機バケット100の左右側板130、131の前側の先端には、それぞれ鋳造された側刃140、141を分離可能にボルト及びナットで固定する。前記受け板120の下側の先端には、鋳造された⊃状のシャベル150を結合させ、トゥースアダプター固定体160と分離可能に横切って形成される。その⊃状のシャベル150の間には、複数のトゥースアダプター固定体160が所定間隔を置いて結合され、前記トゥースアダプター固定体160の先端にはトゥースアダプター170を結合させて、鋳造炉の方法によって掘削機バケット100の骨格が一体に形成される。
【0018】
ここで、前記複数のトゥースアダプター固定体160の先端に結合されたトゥースアダプター170は、石山の岩石を砕き、地を掘り、砂を盛るなど、その用途によって強度及び摩耗度が変わりうるため、図2に示すように、鋳造された⊃状のシャベル150、トゥースアダプター固定体160、及びトゥースアダプター170を除いた部分を鋳造方式で一体に製作した後、必要によって⊃状のシャベル150の受け板120の先端部121に前記トゥースアダプター固定体160をボルト及びナットを利用して結合するか、または溶接によって結合して使用することができる。
【0019】
また、本発明は、掘削機バケット100を、鋳造一体型の焼入性の優れた高強度の耐摩耗鋼から製造するために、ケイ素(Si)−クロム(Cr)−マンガン(Mn)をベースとし、それに硬化能及び耐磨耗性の向上のためにブローム(B)を添加して、高強度、高硬度、耐磨耗性の優れた掘削機バケットを製造することが好ましい。
すなわち、本発明の好ましい第1実施例による掘削機バケット100の主な合金元素及び合金比は、C:0.90重量%ないし1.35重量%、Si:0.30重量%ないし0.80重量%、Mn:11重量%ないし14重量%、B:0.005重量%以下からなる群から選択された少なくとも一つ以上を含み、残りは、鉄(Fe)と、製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなる高マンガン鋼から構成される。
【0020】
以下、本発明の好ましい第1実施例によるそれぞれの鋼成分の設定理由を説明する。
【実施例1】
【0021】
C:0.90ないし1.35重量%
特殊鋼に強度及び硬度を決定する元素であって、特に、溶接性及び靭性を左右する元素である。
Cの含量が高いほど、強度は向上するが、逆に、靭性を低下させうる。
Cの含量が低いほど、靭性は向上するが、強度は低下する。
このような特性を考慮して、本発明では、空冷状態を基準に引張強度60kgf/mm2以上、表面硬度値HB 200以上を目標として設定するために、Cの含量を0.90ないし1.35重量%に制限する。
【0022】
Si:0.30ないし0.80重量%
製鋼時に脱酸作用を行えば、適正添加時にオーステナイトの結晶粒の成長を抑制し、基地(matrix)固溶強化を起こして強度を向上させる。
しかし、0.30%未満のSiを添加する場合、その効果が低く、0.80%を超える場合、テンパー脆化に対する敏感性が高まる。
このような点を考慮して、Siの含量を0.4ないし0.8重量%に制限する。
【0023】
Mn:11ないし14重量%
前記Mnは、焼入性及び固溶強化の効果を向上させて強度を高めるが、過度に添加される場合、溶接性を低下させるため、その含量を0.5ないし1.5重量%に制限している。
しかし、本発明では、掘削機バケット100が溶接によって製造されるものではなく、鋳造工法によって製造されるため、前記Mnの含量を11ないし14重量%にして、熱処理時に硬化能を向上させて強度を高めることができる。
【0024】
B:0.005重量%以下
前記Bは、極微量を添加しても、焼入性を大きく向上させる元素として知られている。
一般的な高長力鋼に比べてCrの含量が低く、高価のNi及びMoが添加されない本発明の場合には、焼入性を確保するためにBの添加は必須である。
焼入性の確保のためには、最小限0.001%以上添加されねばならず、その含量が増加すれば、むしろ焼入性が低下しうるため、その添加量は0.005%以下に制限することが好ましい。
【実施例2】
【0025】
前記インゴット(ingot)は、C:0.17重量%ないし0.50重量%、Si:0.30重量%ないし0.80重量%、Mn:0.50重量%ないし1.60重量%、B:0.005重量%以下からなる群から選択された少なくとも一つ以上を含み、残りは、Feと、製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなる鋳造用高張力炭素鋼から製造される。
【0026】
このように、本発明の実施例による掘削機バケット100の材質は、耐磨耗性の強い高マンガン鋼や鋳造用高張力炭素鋼、B(ブローム)の元素を添加して合金鋼から製造することによって、一般的な鉄板の材質より耐磨耗性、耐衝撃性及び耐久性などを向上させることができる。
以下、図5を参照して、前記のような鋳造工法によって合金鋼からなる掘削機バケットの製造方法をさらに詳細に説明する。
【0027】
1.バケットの設計工程(S100)
鋳造工法によって生産できるように各バケットの部位別の厚さ及び形状を考慮して、一体型の鋳造品の構造に設計する。
【0028】
2.木型、金型の製作工程(S110)
その後、木型または金型で、前記本発明に係る掘削機バケットの形状と等しい模型を加工する。
すなわち、前記一体型設計の図面に基づいて、合金元素の鋳鋼鋳造ができるように鋳造方法を設定して、圧湯のサイズ及び数量、設置位置、注入口の位置及び形状を十分に考慮して製作するが、その形状は、上下分離正反形と中子などを利用して砂型鋳造工法で行う。一部の中子部はシェル型に製作して、容易に生産できるように製作する。
【0029】
3.鋳造工程(S120)
次いで、砂を鋳物砂とする鋳型箱に前記模型を挿入した後、湯口が形成されるように砂型鋳造させ、砂型鋳造後に前記模型を鋳型箱から取り出して空洞部を形成する。
【0030】
前記注入口及び湯口の形成された上型を鋳型箱の上部に設置した後、前記注入口に、ケイ素(Si)−クロム(Cr)−マンガン(Mn)をベースとし、それにBを添加して、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなるインゴットを、溶解温度1600°Cないし1650°Cで加熱した溶融金属を、単純に重力で鋳型箱に注入して空洞部を充填させる。
このように注入されたインゴットを凝固させた後、鋳型箱と上型とを分離させて、砂型鋳造によるバケットを生産する。
【0031】
4.熱処理工程(S130)
また、前記のように砂型鋳造による前記未完成のバケットを電気炉に装入した後、900°Cないし1100°Cに加熱して冷水に浸漬する。
加熱温度が900°C以下である場合には、圧延時に変形抵抗の増加によって過度な圧延負荷をもたらし、1100°C以上である場合には、オーステナイト結晶粒の異常成長による組織の不均一をもたらして、靭性を低下させるだけでなく、鋼中の固溶Nの増加によって、焼入性が不足であるため、強度低下をもたらし得る。
このような熱処理工程によって鋳造から発生する応力組織を均一化させ、靭性を向上させ、また、加工性を容易にする。
【0032】
5.機械加工工程(S140)
その後、熱処理してショット処理された未完成のバケットが、ボーリング加工機で掘削機の本体に取り付けられるように、組み立て部111にボーリング、剥離、ドリル、タップ加工などの機械加工を行う。
【0033】
6.組み立て工程(S150)
その後、前記未完成のバケットの機械加工された組み立て部111に、ブッシング、ピン、ボルトなどの部品を組み立てる。
【0034】
7.塗装工程(S160)
その後、組み立てが完了した後に、洗浄及び乾燥してペイントを塗装する。
【0035】
以上では、本発明の好ましい実施形態について図示し説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、当業者ならば誰でも多様な変更実施が可能であることはもとより、そのような変更は、特許請求の範囲の記載範囲内にあることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、鋳造工法によって生産できるように、バケットの各部位別の厚さ及び形状を考慮して、一体型の鋳造品に構造を新たに設計し、特殊な材質の合金元素を添加して一体型の鋳造工法で製造することによって、掘削機バケットの製造工程を単純化させ、耐摩耗及び耐衝撃に対する機械的性質を向上させて、製品の寿命延長及び品質向上をもたらしうる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る鋳造工法によって製作された掘削機バケットの分離斜視図である。
【図2】本発明に係る鋳造工法によって製作された掘削機バケットの斜視図である。
【図3】本発明に係る鋳造工法によって製作された掘削機バケットの結合斜視図である。
【図4】本発明に係る鋳造工法によって製作された掘削機バケットの側面図である。
【図5】本発明に係る掘削機バケットの製造方法のフローチャートである。
【図6】従来の掘削機バケットの分離斜視図である。
【図7】従来の掘削機バケットの結合斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
100 掘削機バケット
110 背板
120 受け板
130、131 左右側板
140、141 側刃
150 ⊃状のシャベル
160 トゥースアダプター固定体
170 トゥースアダプター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背板(110)、受け板(120)及び左右側板(130、131)を備える掘削機バケット100は、鋳造によって一体に形成されたことを特徴とする鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケット。
【請求項2】
掘削機バケット(100)の左右側板(130、131)の前側の先端には、それぞれ鋳造された側刃(140、141)を分離可能にボルト及びナットで固定し、前記受け板(120)の下側の先端には、鋳造された⊃状のシャベル(150)が結合されて、トゥースアダプター固定体(160)と分離可能に横切って形成され、前記シャベル(150)の間には、複数のトゥースアダプター固定体(160)が所定間隔を置いて結合され、前記トゥースアダプター固定体(160)の先端にはトゥースアダプター(170)が結合されることを特徴とする請求項1に記載の鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケット。
【請求項3】
木型または金型でバケットの形状と等しい模型を加工し、砂を鋳物砂とする鋳型箱に前記模型を挿入した後、湯口が形成されるように砂型鋳造させた後、前記模型を鋳型箱から取り出して空洞部を形成させ、ケイ素(Si)−クロム(Cr)−マンガン(Mn)をベースとし、それにブローム(B)を添加して、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなるインゴットを溶解温度1600°Cないし1650°Cで加熱して前記金型の空洞部に注入させた後、注入されたインゴットが凝固した後、鋳型箱と上型とを分離させて、砂型鋳造によるバケットを電気炉に装入して900°Cないし1100°Cで加熱した後、冷水に浸漬してショット処理されたバケットが掘削機の本体に取り付けられるように、組み立て部にボーリング、剥離、ドリル、タップ加工し、前記組み立て部にブッシング、ピン、ボルトなどの部品を組み立てた後、洗浄及び乾燥してペイントで表面を塗装して完成させることを特徴とする鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケット。
【請求項4】
前記インゴットは、C:0.90重量%ないし1.35重量%、Si:0.30重量%ないし0.80重量%、Mn:11重量%ないし14重量%、P:0.10重量%以下、S:0.50重量%以下、B:0.005重量%以下からなる群から選択された少なくとも一つ以上を含み、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなる高マンガン鋼であることを特徴とする請求項3に記載の鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケット。
【請求項5】
前記インゴットは、C:0.17重量%ないし0.50重量%、Si:0.30重量%ないし0.80重量%、Mn:0.50重量%ないし1.60重量%、P:0.030重量%以下、S:0.030重量%以下、B:0.005重量%以下からなる群から選択された少なくとも一つ以上を含み、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなる鋳造用高張力炭素鋼であることを特徴とする請求項3に記載の鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケット。
【請求項6】
木型または金型でバケットの形状と等しい模型を加工する工程と、
砂を鋳物砂とする鋳型箱に前記模型を挿入した後、湯口が形成されるように砂型鋳造する工程と、
砂型鋳造後に前記模型を鋳型箱から取り出して空洞部を形成する工程と、
注入口及び湯口の形成された上型を鋳型箱の上部に設置した後、前記注入口としてSi−Cr−Mnをベースとし、それにBを添加して、残りは、Feと製鋼時に不可避に含まれる不純物とからなるインゴットを溶解温度1600°Cないし1650°Cで加熱して注入して空洞部を充填させる工程と、
注入されたインゴットが凝固した後、鋳型箱と上型とを分離させて砂型鋳造によるバケットを生産する工程と、
前記バケットを電気炉に装入して、900°Cないし1100°Cで加熱した後に冷水に浸漬する工程と、
前記ショット処理されたバケットが掘削機の本体に取り付けられるように、ボーリング加工機で組み立て部にボーリング、剥離、ドリル、タップ加工などの機械加工を行う工程と、
前記機械加工されたバケットの組み立て部に、ブッシング、ピン、ボルトなどの部品を組立てる工程と、
前記組み立てが完了した後に洗浄及び乾燥し、外部表面を保護するためにペイントで表面を塗装する工程と、を含むことを特徴とする鋳造工法によって製作された耐摩耗・耐衝撃性の掘削機バケットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−53590(P2010−53590A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219474(P2008−219474)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(508261220)ハン ジン インダストリー カンパニー,リミティッド (1)
【Fターム(参考)】