説明

鋸屑を混合した強化パルプ内装材及びその製造方法

【課題】鋸屑を混合した強化パルプ内装材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のパルプ内装材の製造方法は、紙ゴミをリサイクルして製造したパルプ70〜85重量%と、鋸屑15〜30重量%とを混合してパルプ鋸屑混合物を形成するパルプ鋸屑混合物形成ステップと、前記パルプ鋸屑混合物に対して接着剤を1:1の重量比で混合する接着剤混合ステップと、前記接着剤が混合された前記パルプ鋸屑混合物を金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造する成形ステップと、成形された強化パルプ内装材を20〜25℃の常温で自然乾燥させて製品を完成させる乾燥ステップと、を含む。本発明によれば、鋸屑とパルプまたは鋸屑とパルプ及び混合物(炭、黄土、ガラス繊維、セラミックス、銀)を混合してパルプ内装材を製造することにより、強度と防湿効果を高め、脱臭、抗菌、遠赤外線の放出を可能にして製品の寿命を半永久的に延長させ、さらに防音材や天井材、強度を要する運搬保護材などに用途を拡大することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルプ内装材及びその製造方法に係り、詳細には、鋸屑とパルプまたは鋸屑とパルプ及び混合物を混合してパルプ内装材を製造することにより、強度と防湿効果を高める鋸屑を混合した強化パルプ内装材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子製品を包装するモールド、卵などを乗せるモールド、弁当の容器などを合成樹脂で作ると環境にやさしくないため、電子製品を包装または展示するモールド、卵などを支持して緩衝させるモールド、廃棄処理及びリサイクルしやすい弁当容器などを環境にやさしいパルプで製造する。
【0003】
そこで、従来にはパルプを洗浄し、それを解離するために水と混合撹拌し、薬品を処理した後、それを金型に入れてパルプモールドを成形及び乾燥させるが、このとき、従来にはパルプモールドに色を付与するために、パルプと水の混合時に染料を投入する。
【0004】
しかし、このような従来のパルプモールドは、湿気に弱く、強度に劣るため、上記の如く電子製品や卵パックなどの軽い製品の包装材質に限って使用されており、さらに使い捨て用であるという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、鋸屑とパルプ、または鋸屑とパルプ及び混合物(炭、黄土、ガラス繊維、セラミックス、銀)を混合してパルプ内装材を製造することにより、強度及び防湿効果を高め、脱臭、抗菌、遠赤外線の放出を可能にして製品の寿命を半永久的に延長させ、さらに防音材や天井材、強度を要する運搬保護材などに用途を拡大することができる、鋸屑を混合した強化パルプ内装材及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明によるパルプ内装材の製造方法は、紙ゴミをリサイクルして製造したパルプ70〜85重量%と鋸屑15〜30重量%を混合してパルプ鋸屑混合物を形成するパルプ鋸屑混合物形成ステップと、前記パルプ鋸屑混合物に対して接着剤を1:1の重量比で混合する接着剤混合ステップと、前記接着剤が混合された前記パルプ鋸屑混合物を金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造する成形ステップと;成形された強化パルプ内装材を20〜25℃の常温で自然乾燥させて製品を完成させる乾燥ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
ここで、前記接着剤は、水80〜90重量%と、環境にやさしい接着剤のグルー(glue)または環境にやさしいボンド10〜20重量%と、を混合してなる。
【0008】
また、本発明のパルプ内装材の製造方法は、紙ゴミをリサイクルして製造したパルプ 60〜70重量%と、鋸屑15〜20重量%と、添加物5〜10重量%とを混合してパルプ鋸屑混合物を形成するパルプ鋸屑混合物形成ステップと、前記パルプ鋸屑混合物に対して接着剤を1:1の重量比で混合する接着剤混合ステップと、前記接着剤が混合された前記パルプ鋸屑混合物を金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造する成形ステップと、成形された強化パルプ内装材を20〜25℃の常温で自然乾燥させて製品を完成させる乾燥ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記添加物は、炭粉末30〜50重量%と、黄土粉末20〜25重量%と、ガラス繊維15〜20重量%と、セラミックス粉末10〜15重量%と、銀粉末5〜10重量%と、を混合してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を有する本発明の鋸屑を混合した強化パルプ内装材及びその製造方法によれば、鋸屑とパルプ、または鋸屑とパルプ及び混合物(炭、黄土、ガラス繊維、セラミックス、銀)を混合してパルプ内装材を製造することにより、強度と防湿効果を高め、脱臭、抗菌、遠赤外線の放出を可能にして製品の寿命を半永久的に延長させ、さらに防音材や天井材、強度を要する運搬保護材などに用途を拡大することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面に基づき、本発明による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法を詳述する。
【0012】
以下で本発明を説明するに当たって、関連する公知技術又は構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明は省かれる。そして、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義されたものであって、使用者、運用者の意図や慣例などによって変わる場合がある。従って、その定義はこの明細書の全体に亘っての内容に基づきなされるべきである。
【0013】
<第1実施例>
図1は、本発明の第1実施例による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法を説明するための工程図である。
【0014】
図1を参照すると、本発明の第1実施例による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法は、紙ゴミをリサイクルして製造したパルプ70〜85重量%と、鋸屑15〜30重量%とを混合してパルプ鋸屑混合物を形成するパルプ鋸屑混合物形成ステップ(S110)と、前記パルプ鋸屑混合物に対して接着剤を1:1の重量比で混合する接着剤混合ステップ(S120)と、前記接着剤が混合された前記パルプ鋸屑混合物を金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造する成形ステップ(S130)と、成形された強化パルプ内装材を20〜25℃の常温で乾燥させて製品を完成させる乾燥ステップ(S140)と、を含む。ここで、接着剤は、水80〜90重量%と、環境にやさしい接着剤のグルーまたは環境にやさしいボンド10〜20重量%と、を混合してなる。
【0015】
以下、本発明の第1実施例による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
先ず、収去した紙ゴミ(新聞、雑誌、牛乳パックなど)を用いてパルプを製造するが、このようなパルプは、通常の製造方法により異物を除去し、脱色し、乾燥させて得る。
【0017】
また、鋸屑は、微細に粉末処理された鋸屑であって、強度を高めるためにパルプと混合するが、この場合、鋸屑はパルプと同一の成分で容易に混合できる。このとき、粉末処理された鋸屑から磁石などにより金属などの異物を除去することが好ましい。
【0018】
前記パルプ70〜85重量%と鋸屑15〜30重量%とを混合してパルプ鋸屑混合物を製造する。このとき、軟質製品を生産しようとする場合、パルプ85重量%と鋸屑15重量%を混合し、さらに硬質製品を生産しようとする場合、パルプ70重量%と鋸屑30重量%とを混合して強度を高める。
【0019】
そして、パルプ鋸屑混合物に接着剤をパルプ鋸屑混合物の重量に対して1:1の比率で入れて混合する。このとき、接着剤は、水80〜90重量%と、環境にやさしい接着剤のグルーまたは環境にやさしいボンド10〜20重量%と、を混合してなる。ここで、水と環境にやさしいグルーまたは環境にやさしいボンドとの混合比は、濃度によって前記範囲内で調整することが好ましい。
【0020】
接着剤が混合されると、それを圧搾機などの金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造し、この成形された強化パルプ内装剤を20〜25℃の常温で自然乾燥させて製品を完成させる。このとき、乾燥器を用いて乾燥させてもよい。
【0021】
<第2実施例>
図2は、本発明の第2実施例による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法を説明するための工程図である。
【0022】
図2を参照すると、本発明の第2実施例による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法は、紙ゴミをリサイクルして製造したパルプ60〜70重量%と、鋸屑15〜20重量%と、添加物5〜10重量%とを混合してパルプ鋸屑混合物を形成するパルプ鋸屑混合物形成ステップ(S210)と、前記パルプ鋸屑混合物に対して接着剤を1:1の重量比で混合する接着剤混合ステップ(S220)と、前記接着剤が混合された前記パルプ鋸屑混合物を金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造する成形ステップ(S230)と、成形された強化パルプ内装材を20〜25℃の常温で乾燥させて製品を完成させる乾燥ステップ(S240)と、を含む。ここで、添加物は、炭粉末30〜50重量%と、黄土粉末20〜25重量%と、ガラス繊維15〜20重量%と、セラミックス粉末10〜15重量%と、銀粉末5〜10重量%と、を混合してなることを特徴とする。また、接着剤は、水80〜90重量%と、環境にやさしい接着剤のグルーまたは環境にやさしいボンド10〜20重量%と、を混合してなる。
【0023】
以下、本発明の第2実施例による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
先ず、収去した紙ゴミ(新聞、雑誌、牛乳パックなど)を用いてパルプを製造するが、このようなパルプは、通常の製造方法により異物を除去し、脱色し、乾燥させて得る。
【0025】
また、鋸屑は、微細に粉末処理された鋸屑であって、強度を高めるためにパルプと混合するが、この場合、鋸屑はパルプと同一の成分で容易に混合できる。このとき、粉末処理された鋸屑から磁石などにより金属などの異物を除去することが好ましい。
【0026】
一方、添加物は、脱臭及び浄化のための炭粉末30〜50重量%と、遠赤外線放射のための黄土粉末20〜25重量%と、強度の補強と防音のためのガラス繊維15〜20重量%と、遠赤外線の放射のためのセラミックス粉末10〜15重量%と、抗菌のための銀粉末5〜10重量%と、を混合してなる。このとき、各成分は、適用分野(例えば、天井材、床材、防音材など)によって該当範囲内で混合比が調整できる。
【0027】
また、30重量%未満の炭粉末と20重量%未満の黄土粉末とを混合すると、効能が低下し、50重量%超過の炭粉末と25重量%超過の黄土粉末とを混合すると、内装材が変色し、内装材の重量が重くなる。
【0028】
また、ガラス繊維は、長さ5〜25mm、太さ20〜100μmを有することが好ましく、15重量%未満を混合すると強度が弱くなり、20重量%を超過して混合するとガラス繊維が排出される。
【0029】
また、セラミックス粉末を10重量%未満を混合すると効能が低下し、15重量%を超過して混合すると内装材が変色し、内装材の重量が重くなる。
【0030】
また、銀粉末を5重量%未満を混合すると効能が低下し、10重量%を超過して混合すると製作コストが上昇する。
【0031】
一方、軟質製品を生産しようとする場合、パルプ70重量%、鋸屑15重量%、添加物 5%を混合し、一方、硬質製品を生産しようとする場合、パルプ 60重量%、鋸屑20重量%、添加物5%を混合してその強度を高める。
【0032】
また、パルプ鋸屑混合物に接着剤をパルプ鋸屑混合物の重量に対して1:1の比率で入れて混合する。このとき、接着剤は、水80〜90重量%と、環境にやさしい接着剤のグルーまたは環境にやさしいボンド10〜20重量%とを混合してなる。ここで、水と環境にやさしいグルーまたは環境にやさしいボンドとの混合比は、濃度によって前記範囲内で調整することが好ましい。
【0033】
接着剤が混合されると、それを圧搾機などの金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造し、この成形された強化パルプ内装材を20〜25℃の常温で自然乾燥させて製品を完成させる。このとき、乾燥器を用いて乾燥させてもよい。
【0034】
したがって、パルプと鋸屑を混合するか、パルプと鋸屑及び添加物(炭、黄土、ガラス繊維、セラミックス、銀)を混合して内装材を製作することにより、軽量で高強度であり、水分に強くて半永久的なので各種分野に適用可能であり、抗菌、脱臭、遠赤外線及び陰イオンの放出機能などの環境にやさしい機能を有する。
【0035】
以上、本発明の実施例を挙げて本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲を逸脱しない範囲内であれば、当業者による各種の実施例の変更または応用が可能であり、また、その変更または応用範囲は、本発明の権利範囲の範ちゅうに属するとみなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施例による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明の第2実施例による鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
【0037】
S110、S210 パルプ鋸屑混合物形成ステップ
S120、S220 接着剤混合ステップ
S130、S230 成形ステップ
S140、S240 乾燥ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ内装材の製造方法において、
紙ゴミをリサイクルして製造したパルプ70〜85重量%と鋸屑15〜30重量%とを混合してパルプ鋸屑混合物を形成するパルプ鋸屑混合物形成ステップと、
前記パルプ鋸屑混合物に対して接着剤を1:1の重量比で混合する接着剤混合ステップと、
前記接着剤が混合された前記パルプ鋸屑混合物を金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造する成形ステップと、
成形された強化パルプ内装材を20〜25℃の常温で自然乾燥させて製品を完成させる乾燥ステップと、を含むことを特徴とする鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法。
【請求項2】
前記接着剤は、水80〜90重量%と、環境にやさしい接着剤のグルーまたは環境にやさしいボンド10〜20重量%とを混合してなることを特徴とする請求項1に記載の鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法。
【請求項3】
パルプ内装材の製造方法において、
紙ゴミをリサイクルして製造したパルプ60〜70重量%と、鋸屑15〜20重量%と、添加物5〜10重量%とを混合してパルプ鋸屑混合物を形成するパルプ鋸屑混合物形成ステップと、
前記パルプ鋸屑混合物に対して接着剤を1:1の重量比で混合する接着剤混合ステップと、
前記接着剤が混合された前記パルプ鋸屑混合物を金型に入れて成形して強化パルプ内装材を製造する成形ステップと、
成形された強化パルプ内装材を20〜25℃の常温で自然乾燥させて製品を完成させる乾燥ステップと、を含むことを特徴とする鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法。
【請求項4】
前記添加物は、炭粉末30〜50重量%と、黄土粉末20〜25重量%と、ガラス繊維15〜20重量%と、セラミックス粉末10〜15重量%と、銀粉末5〜10重量%とを混合してなることを特徴とする請求項3に記載の鋸屑を混合した強化パルプ内装材の製造方法。
【請求項5】
請求項1または請求項3に記載の強化パルプ内装材の製造方法で製造された鋸屑を混合した強化パルプ内装材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−121202(P2009−121202A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299115(P2007−299115)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(507382289)
【出願人】(507378857)エリート ファニチャー カンパニー リミテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】ELITE FURNITURE CO., LTD
【Fターム(参考)】