説明

錠装置

【課題】障子を閉めた場合に自動的に施錠されると共に、締め出し事故を防止することが可能な錠装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明によれば、室内に居る者が錠装置120のハンドル35に手を掛けて障子12を閉める側に引くと、ハンドル35が閉操作位置に保持されて障子12が閉まり、錠装置120が施錠される。また、ハンドル35に手を掛けて障子12を開く側に引くと、ハンドル35が開操作位置に保持されて錠装置120が解錠される。そして、障子12の外側に出て障子12を閉めた場合には、ハンドル35は操作されず中立位置に保持されて障子12が閉まり、錠装置120は施錠されない。このように、障子12の内側に居る者が障子12を閉めた場合には、自動的に施錠されるので防犯性が向上し、障子12の外側に出て障子12を閉めた場合には施錠されないので、締め出し事故を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子の戸先框に取り付けられ、障子支持枠に固定されたストライカに係合して施錠される錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の錠装置は、障子を閉めた状態で施錠操作をすると、ストライカに係合した状態に保持された施錠状態になる。そして、錠装置に備えたレバー構造のハンドルを把持して障子を開放方向に引くと、その操作力によりハンドルが回動して錠装置が解錠状態になる。即ち、解錠操作と障子の開放操作とを一度に行うことが可能な構成になっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−52218号公報(段落[0024],[0030],第1図、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した錠装置は、障子を閉めた後で施錠操作を行わなければ施錠されないので、障子を閉めた状態で施錠を忘れるという事態が起こり得た。そこで、障子を閉めただけで自動的に施錠される錠装置の開発が望まれている。しかしながら、単に障子が閉められたことだけを条件に施錠される構造にすると、そのような錠装置を出入口の障子に設けた場合には、外側から障子を不用意に閉めてしまった場合にも施錠されてしまい、障子の内側に戻れなくなるという、所謂、締め出し事故が発生し得た。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、障子を閉めた場合に自動的に施錠されると共に、締め出し事故を防止することが可能な錠装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る錠装置は、障子の戸先框に取り付けられ、障子支持枠に固定されたストライカに係合して施錠される錠装置であって、上下方向に延びたレバー構造のハンドルを障子の内側に備え、ハンドルは、障子のスライド方向と直交した水平軸を中心に回動し、障子が開く側に傾いた開操作位置と、障子が閉じる側に傾いた閉操作位置との間を移動可能であると共に、常には開操作位置と閉操作位置との間の中立位置に配置されるように付勢され、ハンドルを開操作位置に保持して障子を開いたことを条件にして解錠される一方、ハンドルを閉操作位置に保持して障子を閉じたことを条件にして施錠されるように構成すると共に、ハンドルと一体に回動するハンドル連結盤とハンドルが中立位置から開操作位置に回動する動作に伴って障子支持枠に向かって突き出て、障子支持枠と戸先框との間を押し広げるアシスト可動部材とを備え、アシスト可動部材は、障子のスライド方向と直交した水平軸を中心に回動可能に軸支されると共に、その回動中心を挟んで相反する方向に突出した第1突部及び第2突部を有しかつ、第1突部がハンドル連結盤の回動領域に突入した状態になるように付勢され、ハンドルが中立位置から開操作位置へ向かう途中で第1突部がハンドル連結盤に押されてアシスト可動部材が回動し、第2突部が障子支持枠に向かって突き出るように構成されたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の錠装置において、ストライカに係合した係合位置とその係合を解除した係合解除位置との間を移動するラッチと、ラッチの移動を許容するラッチ移動許容位置と、ラッチを係合位置に保持するラッチロック位置との間を移動可能なポールと、ハンドルが中立位置に位置した状態でラッチが係合解除位置から係合位置に移動したときにポールをラッチ移動許容位置に保持し、ハンドルが閉操作位置に位置した状態でラッチが係合解除位置から係合位置に移動したときにポールをラッチロック位置に移動し、さらに、ハンドルが中立位置から開操作位置に移動する動作に連動して、ポールをラッチロック位置からラッチ移動許容位置に移動するポール移動機構とを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の錠装置において、ポール移動機構には、ラッチとポールとに設けられ、ラッチが係合位置以外の位置にある場合に、互いに当接してポールがラッチロック位置に移動することを禁止し、ラッチが係合位置に位置した場合に、ポールがラッチロック位置に移動することを許容するポール移動制限部と、ポールをラッチロック位置に付勢するポール付勢手段と、ハンドルとポールとの間に設けられ、ハンドルが中立位置に位置した場合に、ポールに係合することでポール付勢手段の付勢力に抗してポールをラッチ移動許容位置に保持し、ハンドルが閉操作位置に位置した場合に、ポールとの係合を解除することでポール付勢手段の付勢力によるポールのラッチロック位置への移動を許容するコントロール部材とが備えられたところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の錠装置において、錠装置のうちハンドル以外の本体外面を覆う本体カバーと、本体カバーに形成されたロック状態判別窓と、ロック状態判別窓を介して一部が視認可能でありかつポールの位置に応じてロック状態判別窓を介して視認可能となる部分の色を異ならせたロック状態表示部材とを備えたところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の錠装置において、ハンドルを操作せずに障子を閉じた際に、慣性力によりハンドルが中立位置から閉操作位置に移動することを防ぐためのカウンターバランサを設けたところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の錠装置において、アシスト可動部材の回動領域内のハンドルロック位置と、回動領域外のハンドルロック解除位置との間で移動操作可能に備えられ、ハンドルロック位置に配置されたときにアシスト可動部材に干渉してハンドルが中立位置から開操作位置に回動することを規制する一方、ハンドルロック解除位置に配置されたときにアシスト可動部材及びハンドルの回動を許容するハンドルロック操作部材を備えたところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載の錠装置において、ハンドルが中立位置に配置された状態で、アシスト可動部材の第2突部のうち障子支持枠側を向いた前面には、その上下方向の中間部から前方にロック当接突起が突出形成され、ロック操作部材は、上下動可能に備えられると共に、ハンドルロック位置でロック当接突起の前方に配置される一方、ハンドルロック解除位置でハンドルロック位置よりアシスト可動部材の回動中心側に配置される回動干渉部を備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0012】
[請求項1の発明]
請求項1の構成によれば、障子の内側に居る者がハンドルに手を掛けて障子を閉める側に押す又は引くと、ハンドルが閉操作位置に保持されて障子が閉まり、錠装置が施錠される。また、障子の内側に居る者がハンドルに手を掛けて障子を開く側に押す又は引くと、ハンドルが開操作位置に保持されて錠装置が解錠される。そして、障子の外側に出て障子を閉めた場合には、ハンドルは屋外側にないので操作されず中立位置に保持されて障子が閉まり、錠装置は施錠されない。このように本発明によれば、障子の内側に居る者が障子を閉めた場合には、自動的に施錠されるので、障子を閉めた状態で施錠を忘れる事態がなくなって防犯性が向上し、障子の外側に出て障子を閉めた場合には施錠されないので、締め出し事故を防止することができる。
【0013】
また、閉じた障子を開くためにハンドルに手を掛けて障子を押す又は引き、ハンドルが中立位置から開操作位置に回動すると、ハンドル連結盤が一体に回動し、途中で、アシスト可動部材の第1突部に当接する。そして、第1突部がハンドル連結盤に押されることでアシスト可動部材は、付勢力に抗してハンドル連結盤とは逆方向に回動し、アシスト可動部材のうち、第1突部とは反対側に突出した第2突部が障子支持枠に向かって突き出て、障子支持枠と戸先框との間を押し広げる。これにより、容易に障子を開くことができる。
【0014】
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、ハンドルを閉操作位置に保持して障子を閉めると、錠装置に備えたラッチがストライカに当接して係合位置に移動し、そのストライカに係合する。このとき、ポールがラッチ移動許容位置からラッチロック位置に移動してラッチを係合位置に固定し、これにより錠装置が施錠される。そして、障子を閉めた後にハンドルから手を離すとハンドルが中立位置に戻る。また、ハンドルを中立位置から開操作位置に移動して障子を開くと、その動作に連動してポールがラッチロック位置からラッチ移動許容位置に移動し、ラッチの係合位置への固定が解除され、錠装置が解錠状態になる。そして、障子の開放動作に伴い、ラッチがストライカに押されて係合解除位置に移動する。
【0015】
[請求項3の発明]
上記したように、ハンドルの位置に応じてポールの動作を異ならせるポール移動機構としては、請求項3の錠装置のように、ラッチとポールとに設けられ、ラッチが係合位置以外の位置にある場合に、互いに当接してポールがラッチロック位置に移動することを禁止し、ラッチが係合位置に位置した場合に、ポールがラッチロック位置に移動することを許容するポール移動制限部と、ポールをラッチロック位置に付勢するポール付勢手段と、ハンドルとポールとの間に設けられ、ハンドルが中立位置に位置した場合に、ポールに係合することでポール付勢手段の付勢力に抗してポールをラッチ移動許容位置に保持し、ハンドルが閉操作位置に位置した場合に、ポールとの係合を解除することでポール付勢手段の付勢力によるポールのラッチロック位置への移動を許容するコントロール部材とが備えられた構成にすればよい。
【0016】
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、ロック状態判別窓内に表示された色によって、錠装置が施錠状態か解錠状態かを容易に判別することが可能になる。
【0017】
[請求項5の発明]
ハンドルを操作せずに障子を閉じた際に、障子の戸先框が障子支持枠に衝突して急停止すると、ハンドルが慣性力により回動し得るが、請求項5の構成によれば、カウンターバランサを設けたことで、慣性力によりハンドルが中立位置から閉操作位置に移動することを防ぐことができる。
【0018】
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、ハンドルロック操作部材をハンドルロック位置に配置するとそのハンドルロック操作部材とアシスト可動部材との干渉により、ハンドルが中立位置から開操作位置に回動することが規制される。また、この状態から障子を開けるには、ハンドルロック操作部材をハンドルロック解除位置に移動してからハンドルを開操作位置に回動する必要があるので障子を開くまでに手間を要し、防犯性が向上する。
【0019】
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、ロック操作部材がハンドルロック位置に配置された状態では、そのロック操作部材に備えた回動干渉部が、アシスト可動部材の第2突部から突出したロック当接突起の前方に配置されてアシスト可動部材及びハンドルの回動を規制する。一方、ロック操作部材がハンドルロック解除位置に配置された状態では、回動干渉部がロック当接突起より回動中心側に退避して、アシスト可動部材及びハンドルの回動が許容される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図16に基づいて説明する。
図1に示した障子ユニット10は、建物の壁に形成された障子支持枠11の内側に1対の障子12,12をスライド可能に備えている。各障子12は、矩形枠状の框12Kの内側にガラス板12Gを張った構造をなしている。図2に示すように、框12Kのうち戸先框12Aの先端面12Sからは、障子支持枠11に向けて1対の突壁12T,12Tが突出している。ここで、「戸先框」とは、框12Kのうち障子12を閉めたときに、その障子支持枠11の内面11Aに接合される側の端部をいう。その障子支持枠11の内面11Aには、図3に示すように、縦溝11Mが形成されている。そして、障子12が閉じられると、突壁12T,12Tが、障子支持枠11の縦溝11M内に突入する。
【0021】
障子支持枠11の内面11Aのうち縦溝11Mより室内側に位置した部分には、ストライカ60が取り付けられている。ストライカ60は、板金製のストライカ本体61に樹脂製のストライカカバー62を組み付けてなる。ストライカ本体61は、上下方向に延びた帯形板金を中間部分で密着曲げして水平突部61Sを形成した構造になっている。また、水平突部61Sには先端部と両側部とを残して四角形の貫通孔61Kが形成されている。そして、水平突部61Sの先端部に残された係合部60Aが後述するラッチ42に係合するようになっている。
【0022】
一方、ストライカカバー62は、縦長の枠体62Wの両側部から1対の対向壁62T,62Tを突出して備えている。両対向壁62T,62Tは略台形状をなしており、その縁部からは、互いに接近する側にアーチ壁62A,62Aが張り出している。そして、枠体62Wがストライカ本体61の外縁部に嵌合し、対向壁62T,62Tが水平突部61Sの両側部を覆っている。
【0023】
図1に示すように、錠装置120は、各障子12の戸先框12Aのうち室内側を向いた内向き面12Vに取り付けられている。図2に示すように、錠装置120は、錠装置本体140にハンドル35を回動可能に備えている。
【0024】
ハンドル35は上下方向に延び、ハンドル35の下端寄り位置からストライカ60側に向かって突部35Tが突出している。これに対し、錠装置本体140の上下方向の中間位置からは、室内側に向かってハンドル連結軸51P(図5参照)が突出しており、そのハンドル連結軸51Pにハンドル35の突部35Tが固定されている。そして、ハンドル35のうち、水平軸J1より上側部分と錠装置本体140との間に手を差し込む隙間SP1(図16参照)が形成されて、把持可能になっている。これに対し、ハンドル35のうち水平軸J1より下側部分と錠装置本体140との間には僅かな隙間しかないため、把持不能になっている(図16参照)。なお、図2に示すように、ハンドル35のうち、水平軸J1より上側部分には、縦長の溝35Mが形成されており、これにより、ハンドル35上部の軽量化が図られている。また、溝35Mに指先を入れてハンドル35を操作することも可能である。
【0025】
錠装置本体140は、図4に示すように、固定ベース41に、ラッチ42,ポール43等の複数の可動部品を組み付けてなる。その固定ベース41は、樹脂製筐体状の本体カバー41Aの内部に、板金製の支持ベース41Bを備えてなる。また、支持ベース41Bの上下の両端部からは、固定片20K,20Kが張り出している。そして、各固定片20Kに螺子挿通孔20Nが貫通形成され、ここに通した螺子によって錠装置本体140が戸先框12Aに固定されている。
【0026】
固定ベース41の上端寄り部分には、ストライカ60側を向いた側面にアシスト窓41Wが形成されている(図2参照)。そして、このアシスト窓41Wから後述するアシスト連結盤149及び当接ローラ53が突き出るようになっている。
【0027】
固定ベース41の下端寄り位置には、ストライカカバー62の対向壁62T,62T間に突入可能なストライカ係合部41Tが形成され、そのストライカ係合部41Tにストライカ受容溝41Sが形成されている。ストライカ受容溝41Sは、水平方向に延びかつ、ストライカ60に向かって開放している。そして、障子12を閉めると、図6に示すように、ストライカ60の係合部60Aが、ストライカ受容溝41Sに受容される(以下、単に、ストライカ60がストライカ受容溝41Sに受容されるという)。
【0028】
なお、ストライカ係合部41Tのうちストライカ60から離れた部分には、対向壁62Tの先端形状に対応して略台形状の段差部41V(図2参照)が形成されている。
【0029】
図5に示すように、固定ベース41のうちストライカ受容溝41Sより下側部分には、第1支持ピン42Pが起立しており、その第1支持ピン42Pにラッチ42が回動可能に軸支されている。ラッチ42の上縁部には、前側係合爪42A1、後側係合爪42A2及びストッパ当接片42Bが、ストライカ60に近い側(以下、これを「前側」という)から遠い側(以下、これを「後側」という)に向かって順番に並べて形成されている。また、ラッチ42における後端部には、バネ取付部42Cが形成されている。バネ取付部42Cには、引張コイルバネ44の一端が取り付けられ、この引張コイルバネ44の弾発力によりラッチ42が次述する係合解除位置に向けて付勢されている。なお、バネ取付部42Cは、固定ベース41の幅方向(図5の左右方向)の寸法をコンパクトにするために、第1支持ピン42Pと平行に起立している(図12を参照)。
【0030】
障子12を開いた状態では、図5に示すように、ラッチ42は、固定ベース41に形成されたストッパST1に当接し、係合解除位置に位置決めされている。ラッチ42が、この係合解除位置に位置決めされると、前側係合爪42A1は、ストライカ受容溝41Sにおける受容口の下方に退避し、後側係合爪42A2が、ストライカ受容溝41Sの中間部分に突入し、さらに、ストッパ当接片42Bが、ストライカ受容溝41Sより上方に突出した状態になる。この状態で、障子12を閉めて、ストライカ受容溝41Sにストライカ60が受容されると、図6に示すように、ストライカ60によって後側係合爪42A2が押されてラッチ42が係合位置に移動し、前側係合爪42A1がストライカ受容溝41Sのうちストライカ60より受容口側を遮蔽する(図7の状態)。
【0031】
図5に示すように、固定ベース41のうちストライカ受容溝41Sより上側部分には、第2支持ピン43Pが起立しており、その第2支持ピン43Pにポール43が回動可能に軸支されている。ポール43には、回動中心から同図における後方に向けてラッチ当接片43Aが張り出されている。ラッチ当接片43Aの下端部は、ストッパ当接片42Bの先端の回動軌跡に沿った円弧形状になっている。そして、ラッチ42が係合位置以外の位置に配置されているときには(図5参照)、ストッパ当接片42Bの先端がラッチ当接片43Aの下縁部に突き合わされて、ラッチ当接片43Aの下方への移動を禁止している。また、ラッチ42が係合位置に位置したときに(図7参照)、ストッパ当接片42Bの先端がラッチ当接片43Aより後方に位置して、ラッチ当接片43Aの下方への移動を許容する。
【0032】
図5に示すように、ラッチ当接片43Aの後端部の上端寄り位置には、パイロット突起43Bが形成されている。パイロット突起43Bは、固定ベース41の幅方向(図5の左右方向)の寸法をコンパクトにするために、第2支持ピン43Pと平行に起立しており(図12を参照)、ここに、前記引張コイルバネ44の他端が取り付けられている。これにより、ラッチ当接片43Aがラッチ42側に付勢されている。また、ポール43には、回動中心から上方に向けてレバー当接片43Cが張り出されている。そして、引張コイルバネ44によってポール43が、同図の反時計回り方向に付勢されることで、レバー当接片43Cが次述するコントロールレバー45に押し付けられ、ポール43がラッチ移動許容位置に位置決めされている。ポール43がラッチ移動許容位置に位置決めされた状態では、ラッチ当接片43Aがストッパ当接片42Bの回動可能領域より上方に保持され、ラッチ42は係合位置(図7参照)と係合解除位置(図5参照)との間を自由に回動することができる。
【0033】
ポール43のうちラッチ当接片43Aとレバー当接片43Cとの中間部分には、引上リンク47がピン47P1にて回動可能に連結されている。引上リンク47は、ポール43から斜め上方後側に向かって延び、その上端部には、長円孔47Aが備えられている。そして、この長円孔47Aに、後述する中継盤46から起立した摺動ピン47P2が収容されている。なお、引上リンク47の上端部は、固定ベース41の幅方向(図5の左右方向)の寸法をコンパクトにするために、略円弧状に湾曲しており、これに対応して長円孔47Aも略円弧状に湾曲している。
【0034】
図5から図7の変化に示すように、コントロールレバー45が回動して、レバー当接片43Cから離間し、さらにラッチ42が係合位置に位置すると、ポール43が引張コイルバネ44の弾発力によって回動してラッチロック位置に移動する。これにより、ラッチ当接片43Aが、ラッチ42のストッパ当接片42Bと後側係合爪42A2との間に係合し、ラッチ42が係合位置に保持(ロック)される。
【0035】
ポール43のパイロット突起43Bには、図14に示したロック状態表示部材36が連結されている。ロック状態表示部材36は、ポール43がラッチロック位置及びラッチ移動許容位置の何れかに配置されているかを表示するためのものであり、固定ベース41のうち室内側を向いた面を構成する本体カバー41Aと支持ベース41B(図4参照)との間の隙間に収容された表示板部36Aを有している。表示板部36Aの上端部からはポール43側にアーム部36Cが突出しており、そのアーム部36Cの先端で上下に対をなして設けられた1対の係合爪36D,36Dの間にポール43のパイロット突起43Bが受容されている。また、図2に示すように、固定ベース41の下端部にはロック状態判別窓33Aが形成され、このロック状態判別窓33Aを通して表示板部36Aの一部が外部に露出している。図14に示すように、表示板部36Aの上端部には、表示板部36A全体と異なる色に着色されかつ「ロック状態」を示す文言を表示したロック表示部36Bが備えられている。そして、ポール43がラッチ移動許容位置に配置された際に、ロック状態表示部材36のうちロック表示部36B以外の部分がロック状態判別窓33Aを介して外部に露出し(図15(B)及び図15(C)参照)、ポール43がラッチロック位置に配置された際に、ロック表示部36Bがロック状態判別窓33Aを介して外部に露出する(図15(A)参照)。
【0036】
固定ベース41のうち第2支持ピン43Pが起立した部分より上側部分には、第3支持ピン45Pが起立しており、この第3支持ピン45Pに、コントロールレバー45と中継盤46とが回動可能に軸支されている。図13に示すように、中継盤46は、回動中心から互いに略120度異なる方向(具体的には、図5における後方と上方)に延びたオープンレバー46Aと連結レバー46Bとを備えている。また、中継盤46のうちオープンレバー46Aの下縁部から当接突片46Cがコントロールレバー45側に突出している。
【0037】
一方、コントロールレバー45は、下向き斜め前方に向かって突出した干渉突片45Aと、下向き斜め後方に向かって突出した当接突片45Cとを備えている。そして、コントロールレバー45の回動位置に応じて、干渉突片45Aの先端が、ポール43におけるレバー当接片43Cの回動可能領域の内側に配置された状態(図5参照)と、その回動可能領域の外側に配置された状態(図7参照)とに変更される。また、当接突片45Cは、全体が中継盤46側に突出しており、コントロールレバー45と中継盤46の相対回転位置に応じて、コントロールレバー45と中継盤46の当接突片45C,46C同士が接離する。また、コントロールレバー45と中継盤46との間にはトーションコイルバネ54(図5参照)が設けられ、このトーションコイルバネ54により、当接突片45C,46C同士が当接するように付勢されている。
【0038】
図5に示すように、中継盤46における連結レバー46Bの先端部からは摺動ピン49Tが起立しており、この摺動ピン49Tが後述するアシスト連結盤149に連結されている。また、中継盤46におけるオープンレバー46Aの先端には、摺動ピン47P2が起立している。そして、前述したようにポール43に軸支された引上リンク47の長円孔47A内に、摺動ピン47P2が配置されている。
【0039】
なお、本実施形態では、本発明に係る「ポール移動制限部」は、前記ストッパ当接片42Bとラッチ当接片43Aとにより構成され、本発明に係る「コントロール部材」は、コントロールレバー45、中継盤46及びトーションコイルバネ54によって構成されている。また、本発明に係る「ポール移動機構」は、「ポール移動制限部」としてのストッパ当接片42B及びラッチ当接片43Aと、「ポール付勢手段」としての引張コイルバネ44と、「コントロール部材」としてのコントロールレバー45、中継盤46及びトーションコイルバネ54とから構成されている。
【0040】
固定ベース41のうち第3支持ピン45Pより上側部分には、ハンドル連結盤151に一体形成された回動軸51Jが軸支されている。またその回動軸51Jの中心部にハンドル連結軸51Pが設けられ、前述のようにハンドル連結軸51Pにハンドル35が固定されている。これにより、ハンドル35と一体になってハンドル連結盤151が回動する。
【0041】
ハンドル連結盤151と固定ベース41との間には、トーションバネ52が設けられている。そして、このトーションバネ52の弾発力によってハンドル35が常には鉛直に起立した中立位置に配置されるように付勢されている。
【0042】
ハンドル連結盤151の下端部には、中継盤46に向かって開放したピン受容溝151Aが形成されている。このピン受容溝151Aには中継盤46の摺動ピン49Tが摺動可能に受容されている。これにより、ハンドル35に連動して中継盤46が回動可能となっている。
【0043】
ハンドル連結盤151の上端部からは、上方に向かってカム当接レバー151Bが延びている。図9に示すように、ハンドル35が中立位置から開操作位置に向けて(図9における反時計回り方向に)回動すると、その途中で、カム当接レバー151Bの先端部が後述するアシスト連結盤149に当接する。これにより、ハンドル35に連動してアシスト連結盤149が回動可能となっている。
【0044】
ハンドル連結盤151のうち、ピン受容溝151Aとカム当接レバー151Bとの中間部分にはストッパ当接片151Cが側方に張り出している。ハンドル35が中立位置から開操作位置に向けて回動操作された場合に、このストッパ当接片151Cが支持ベース41Bから起立したストッパ壁ST2(図12を参照)に当接することで、図10に示すように、ハンドル35が開操作位置に位置決めされる。
【0045】
ハンドル連結盤151のうち、カム当接レバー151Bより後側には、バネ係止部151Dが一体形成され、ここにトーションバネ52の一端が係止されている。バネ係止部151Dは、ハンドル連結盤151の板厚方向に向かって直角に起立している(図12を参照)。なお、トーションバネ52の他端は、固定ベース41(支持ベース41B)に起立形成されたバネ係止壁41Dに係止されている。
【0046】
ここで本実施形態のハンドル35は回動中心より上側が下側より長くなっているため、ハンドル35を操作せずに障子12を閉じた際に、戸先框12Aが障子支持枠11に衝突して急停止すると、ハンドル35が慣性力によりハンドル35の上側部分が障子支持枠11に近づく側に回動し得る。これを防止するために、図12に示すように、ハンドル連結盤151の下端部には、カウンターバランサ59が設けられている。これらハンドル連結盤151及びカウンターバランサ59は金属製であり、樹脂製のハンドル35より比重が高くなっている。
【0047】
固定ベース41のうち、回動軸51Jのほぼ真上部分には、第4支持ピン49P1が起立しており、この第4支持ピン49P1に、アシスト連結盤149が回動可能に軸支されている。アシスト連結盤149は、ハンドル連結盤151より上方位置で、ハンドル連結盤151とほぼ同一平面上に配置されており(図16を参照)、第4支持ピン49P1を中心に回動するシーソー構造をなしている。
【0048】
より詳細には、アシスト連結盤149は、第4支持ピン49P1から相反する方向にカム突片149A(本発明の「第1突部」に相当する)と出没アーム149B(本発明の「第2突部」に相当する)とを突出して備えており、全体として帯板状をなしている。カム突片149Aは、第4支持ピン49P1からハンドル連結盤151に向かって突出している。一方、出没アーム149Bは、第4支持ピン49P1から上方に向かって延びており、カム突片149Aより長くなっている。そして、出没アーム149Bの先端部から起立した支持ピン53Pに当接ローラ53が回転可能に軸支されている。
【0049】
アシスト連結盤149と固定ベース41との間には、引張コイルバネ144が設けられている。引張コイルバネ144の一端は、出没アーム149Bの一側縁部に起立形成されたバネ取付部149Cに取り付けられている。また、引張コイルバネ144の他端は、支持ベース41Bのうち、出没アーム149Bを挟んでバネ取付部149Cと反対側から起立したバネ取付部41Cに取り付けられている(図12を参照)。この引張コイルバネ144の弾発力によりアシスト連結盤149は、図5に示すように、カム突片149Aがカム当接レバー151Bの回動領域に向けて突出し、出没アーム149Bが固定ベース41の内部に収容された姿勢となるように付勢されている。
【0050】
当接ローラ53は、通常は、図8に示すように、アシスト連結盤149と共に固定ベース41の内部に収容されて、固定ベース41のアシスト窓41W(図2参照)に臨んでいる。そして、アシスト連結盤149が、図8における時計回り方向に回動すると、図10に示すように、出没アーム149Bの先端部分がアシスト窓41Wから前方に突き出て、当接ローラ53が障子支持枠11の内面11Aに当接する。
【0051】
なお、本実施形態では、これらアシスト連結盤149と当接ローラ53とによって本発明に係る「アシスト可動部材」が構成されている。
【0052】
本実施形態の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。障子12を開けて放置した状態では、ハンドル35は、トーションバネ52によって図5に示すように中立位置に位置決めされる。このとき、コントロールレバー45(詳細には、当接突片45C)がポール43のレバー当接片43Cに当接し、ポール43のラッチ当接片43Aがラッチ42のストッパ当接片42Bの回動領域より上方に位置したラッチ移動許容位置に保持される。これにより、ラッチ42が自由に回動可能な状態になっている。また、ポール43(詳細には、パイロット突起43B)に連結されたロック状態表示部材36は、図15(C)に示すように、上下ストロークの上端側に位置し、ロック状態判別窓33Aを介してロック表示部36Bが視認不可能になり、解錠状態であることを確認することができる。
【0053】
障子12の内側に居る者が障子12を閉める場合には、ハンドル35に手を掛けて障子12を閉塞側に押す又は引く。これにより、図6に示すように、ハンドル35は閉操作位置に移動する。このとき、ハンドル35に連動して、ハンドル連結盤151が同図の時計回り方向に回動し、中継盤46及びコントロールレバー45が同図の反時計回り方向に回動する。すると、ポール43のレバー当接片43Cに対するコントロールレバー45の当接が解除される。しかしながら、このとき、ポール43のラッチ当接片43Aに係合解除位置にあるラッチ42のストッパ当接片42Bが突き当てられているので、ポール43は依然としてラッチ移動許容位置に保持される。
【0054】
そして、障子12が閉められて、ストライカ受容溝41Sにストライカ60が進入すると、ラッチ42の後側係合爪42A2がストライカ60(詳細には、係合部60A)に押されて、ラッチ42が同図の反時計回り方向に回動して係合位置に至り、ラッチ42の前側係合爪42A1がストライカ60よりストライカ受容溝41Sの受容口側を遮蔽する。このとき、ラッチ当接片43Aに対するストッパ当接片42Bの突き当てが外れて、引張コイルバネ44の弾発力によりポール43が回動し、ラッチ当接片43Aがストッパ当接片42Bの側面に係合する。これにより、ラッチ42の回動が禁止され(即ち、ラッチ42が固定され)、ストライカ60がストライカ受容溝41Sから外れなくなり、錠装置120が施錠状態になる。
【0055】
このとき、ポール43に連結されたロック状態表示部材36は、図15(A)に示すように、上下ストロークの下端側に位置し、ロック状態判別窓33Aを介してロック表示部36Bを視認することができる。これにより、錠装置120が施錠されていることを確認することができる。また、ハンドル35が閉操作位置に移動する際には、ハンドル連結盤151はアシスト連結盤149と接触しないので、アシスト連結盤149は当接ローラ53と共に固定ベース41の内部に収容された中立位置に保持される。
【0056】
施錠された状態でハンドル35から手を離すと、図8に示すように、ハンドル35がトーションバネ52の付勢力によって中立位置に戻り、これに伴い、ハンドル連結盤151、中継盤46及びコントロールレバー45も中立位置に戻る。これにより、引上リンク47における長円孔47Aの上端部に中継盤46の摺動ピン47P2が位置した状態になる。この時点でも、アシスト連結盤149は中立位置に保持される。
【0057】
障子12の内側に居る者が障子12を開ける場合には、ハンドル35に手を掛けて障子12を開放側に押す又は引く。これにより、図9に示すように、ハンドル35が中立位置から開操作位置に移動する。このとき、ハンドル35に連動してハンドル連結盤151が同図の反時計回り方向に回動し、中継盤46及びコントロールレバー45が同図の時計回り方向に回動する。すると、中継盤46の回動により引上リンク47が、ポール43のラッチ当接片43Aを上方に引き上げ、ラッチ42が回動可能になる。
【0058】
また、アシスト連結盤149は、ハンドル35が中立位置から開操作位置へと回動する動作に連動してアシスト窓41Wから外側に突き出て、アシスト連結盤149に備えた当接ローラ53が障子支持枠11の内面11Aに当接する。
【0059】
詳細には、ハンドル35に連動してハンドル連結盤151が同図の反時計回り方向に回動し、途中で、ハンドル連結盤151に備えたカム当接レバー151Bがアシスト連結盤149のカム突片149Aに当接する。すると、アシスト連結盤149は、図9の時計回り方向に回動し、出没アーム149Bがアシスト窓41Wから外側に突き出て、その先端部に備えた当接ローラ53が障子支持枠11の内面11Aに当接する。
【0060】
ハンドル35がさらに開操作位置に向けて回動されると、図10に示すように、出没アーム149Bがさらに外側に突き出て、障子支持枠11と戸先框12Aとの間を押し広げる。これにより障子12の初動時の負荷が軽減され、容易に障子12が開かれる。また、障子12が開かれると、ストライカ60がラッチ42の前側係合爪42A1を押し、ラッチ42が係合位置から係合解除位置に移動する。
【0061】
ここで、ラッチ当接片43Aが引き上げられてポール43が同図の時計回り方向に回動すると、ポール43のレバー当接片43Cがコントロールレバー45を側方から押し、これによりコントロールレバー45がトーションコイルバネ54を弾性変形させつつ中継盤46と反対方向に回動する。すると、ハンドル35と共にハンドル連結盤151及び中継盤46が開操作位置に至ったときに、図9から図10の変化に示すように、レバー当接片43Cとコントロールレバー45との当接が外れ、トーションコイルバネ54の弾発力によってコントロールレバー45が時計回り方向に回動し、中継盤46に当接した元の状態に戻る。そして、ハンドル35から手が離されて中立位置に移動すると、ハンドル連結盤151、中継盤46と共にコントロールレバー45も中立位置に戻り、図5に示すように、ポール43がラッチ移動許容位置に保持される。また、ハンドル連結盤151が中立位置に戻ると、引張コイルバネ144の弾発力によって出没アーム149Bがアシスト窓41Wから固定ベース41の内側に退避し、アシスト連結盤149が中立位置に戻される。
【0062】
さて、障子12の外側に出て、外側から障子12を閉めた場合には、障子12の外向き面にはハンドル35がないので、ハンドル35は閉操作位置には移動せず、ハンドル35が中立位置に位置した状態で障子12が閉められる。また、本実施形態では、カウンターバランサ59を設けたことにより、障子12を閉じた際に戸先框12Aが障子支持枠11に衝突しても、慣性力によりハンドル35が開操作位置側に回動することが確実に防がれる。これにより、ハンドル35と共に、アシスト連結盤149、中継盤46及びコントロールレバー45が中立位置に保持される。そして、図11に示すように、コントロールレバー45によりポール43がラッチ移動許容位置に保持された状態で、ストライカ60がストライカ受容溝41Sに進入することになる。これにより、ラッチ42が係合位置に固定されることがなくなり、障子12が閉められても錠装置120は施錠されず、締め出し事故が防止される。即ち、外側から障子12を開放側にスライドさせると、ラッチ42がストライカ60に押されて回動し、係合解除位置に移動する。このとき、ロック状態表示部材36は、図15(B)に示すように、上下ストロークの中間位置に位置し、ロック状態判別窓33Aを介してロック表示部36Bが視認不可能になり、解錠状態であることを確認することができる。
【0063】
以上、本実施形態に係る錠装置120の動作をまとめると、障子12の内側に居る者がハンドル35に手を掛けて障子12を閉める側に押す又は引くと、図5〜図8の変化に示すように、ハンドル35が閉操作位置に保持されて障子12が閉まり、錠装置120が施錠される。また、ハンドル35に手を掛けて障子12を開く側に押す又は引くと、図8〜図10の変化に示すように、ハンドル35が開操作位置に保持されて錠装置120が解錠され、障子12が開く。この際、アシスト連結盤149が障子支持枠11に向かって突き出て、障子支持枠11と戸先框12Aとの間を押し広げる。そして、障子12の外側に出て障子12を閉めた場合には、ハンドル35は屋外側にないので操作されず中立位置に保持されて障子12が閉まり、図11に示すように、錠装置120は施錠されない。このように本実施形態の構成によれば、障子12の内側に居る者が障子12を閉めた場合には、自動的に施錠されるので、障子を閉めた状態で施錠を忘れる事態がなくなって防犯性が向上し、障子12の外側に出て障子12を閉めた場合には施錠されないので、締め出し事故を防止することができる。しかも、障子12を開く際には、アシスト連結盤149が障子支持枠11に向かって突き出て、障子支持枠11と戸先框12Aとの間を押し広げることで、容易に障子12を開くことができる。
【0064】
また、本実施形態の錠装置120では、ハンドル連結盤151とアシスト連結盤149とを、固定ベース41の上下方向にずらしてほぼ同一平面上に配置したので、ハンドル連結盤とアシスト連結盤とを水平軸J1方向で重ねた場合に比較して、錠装置本体140の水平軸J1方向の厚さ寸法を小さく(扁平に)することができる。これにより、ハンドル35と錠装置本体140との間に、手を挿し込むことが可能な隙間SP1(図16参照)を確保すると共に、見栄えを向上することができる。
【0065】
[第2実施形態]
本実施形態の錠装置120Vは、図17〜図25に示されており、ハンドル35の回動を規制したハンドルロック状態とその規制を解除したハンドルロック解除状態とに切り替えるためのハンドルロック操作部材161を備えた点が第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、同一の構成に関しては第1実施形態と同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0066】
図17に示すように、ハンドルロック操作部材161は、固定ベース41における上端寄り位置に備えられている。また、本体カバー41Aの上端寄り位置には、縦長矩形の操作窓41Hが貫通形成され、その操作窓41Hからハンドルロック操作部材161の操作摘み161Fが突出している。そして、操作摘み161Fが操作窓41Hの上端部に配置されたハンドルロック位置にサブ操作部材161を移動すると、ハンドル35の中立位置から開操作位置への回動が規制される。一方、操作摘み161Fが操作窓41Hの下端部に配置されたハンドルロック解除位置にサブ操作部材161を移動すると、前記規制が解除されてハンドル35を中立位置から開操作位置へと回動することができるようになる。
【0067】
詳細には、図22に示すように、ハンドルロック操作部材161は、上下方向に延びた矩形のスライドプレート161Cを有し、そのスライドプレート161Cの上下方向における中間部から前記操作摘み161Fが突出している。また、スライドプレート161Cは、操作摘み161Fより上側部分と下側部分とが異なった色に着色又は文言表示されている。そして、ハンドルロック操作部材161がハンドルロック位置かハンドルロック解除位置の何れかに配置されているかによって、操作窓41Hを介して視認可能なスライドプレート161Cの色又は文言表示が変わり、ハンドルロック操作部材161が何れの位置に配置されているかを容易に判別することができる。
【0068】
スライドプレート161Cの上縁部及び下縁部からは、それぞれ可撓片161D,161Dが突出している。これら可撓片161D,161Dは、スライドプレート161Cのうち障子支持枠11(図18参照)に近い側の端部(図22における右側の端部)に配置され、それら可撓片161D,161Dの裏面には、操作摘み161Fとは逆向きに係止突起161E,161Eが突出形成されている。
【0069】
スライドプレート161Cの裏面のうち操作摘み161Fの裏側に位置した部分には、中間支持部材161Gが備えられている。中間支持部材161Gは、スライドプレート161Cの幅方向に延びた角柱状をなし、その一端部が段付き状にスライドプレート161C側に突出してスライドプレート161Cの裏面に連続している。一方、中間支持部材161Gの他端部は、スライドプレート161Cより障子支持枠11側に突出している。また、スライドプレート161Cと中間支持部材161Gとの間には、上側と下側及び障子支持枠11側に向かって開放した隙間が形成されている。そして、中間支持部材161Gの長手方向のうち中間部から先端部に亘った範囲に、角柱状の支持柱161Hが一体形成されて下方に延び、その支持柱161Hの下端部からスライドプレート161Cと反対側に向けて回動干渉部161Aが突出形成されている。さらに、その回動干渉部161Aの先端面には、四角形のガイド突部161Bが突出形成されている。
【0070】
図23に示すように固定ベース41の支持ベース41Bには、ハンドルロック操作部材161におけるガイド突部161Bを直動可能に収容したガイド溝163が形成されている。ここで、本実施形態においても、支持ベース41Bのうち障子支持枠11(図18参照)側を前側と呼ぶとすると、ガイド溝163は、支持ベース41Bのうち前側の縁部に沿って上下方向に延びている。そして、ガイド溝163の上端部は、ハンドル35が中立位置に配置された状態において、出没アーム149Bのうち上下方向の中間部の前側に位置し、ガイド溝163の下端部は、アシスト連結盤149Vの回動中心の前側に位置している。
【0071】
また、図24に示すように固定ベース41のうち本体カバー41Aの内側には、支持ベース41Bとの間にアシスト連結盤149V等を挟んで対向した対向支持壁41Gが備えられている。そして、ハンドルロック操作部材161が、スライドプレート161Cと中間支持部材161Gとの間に対向支持壁41Gを挟んだ状態にして組み付けられている。また、図25に示すように対向支持壁41Gには、各係止突起161Eに対応させて1対ずつの係止凹部41E,41Fが上下に並べて備えられている。そして、図25(C)に示すようにハンドルロック操作部材161をハンドルロック位置に配置すると各係止突起161Eが上側の係止凹部41Fに凹凸係合する一方、図25(A)に示すようにハンドルロック操作部材161をハンドルロック解除位置に配置すると各係止突起161Eが下側の係止凹部41Eに凹凸係合する。また、図25(B)に示すようにハンドルロック操作部材161をハンドルロック位置とハンドルロック解除位置との間で移動する際に、可撓片161Dが撓んで係止突起161Eが係止凹部41E,41Fから離脱する。これにより、ハンドルロック操作部材161をハンドルロック位置又はハンドルロック解除位置に保持することができると共に、ハンドルロック操作部材161の操作に節度感をもたせることができる。
【0072】
図19に示すように、ハンドル35が中立位置に配置された状態で、アシスト連結盤149Vにおける出没アーム149Bのうち障子支持枠11側を向いた前面には、その上下方向の中間部から前方にロック当接突起160Aが突出形成されている。そして、図20に示すようにハンドルロック操作部材161がハンドルロック位置に配置された状態で、ロック当接突起160Aの前方にハンドルロック操作部材161の回動干渉部161Aが配置される。これにより、アシスト連結盤149Vの出没アーム149Bが障子支持枠11側に回動することが規制され、その結果、ハンドル35が中立位置から開操作位置に回動することも規制される。即ち、ハンドルロック操作部材161がハンドルロック位置に配置されると、ハンドル35の閉操作位置への回動操作を行うことができなくなる。
【0073】
一方、図19に示すようにハンドルロック操作部材161がハンドルロック解除位置に配置された状態では、そのハンドルロック操作部材161の回動干渉部161Aはカム突片149Aの回動中心寄り位置に配置される。これにより、出没アーム149Bの障子支持枠11側への回動が許容され、ハンドル35の開操作位置への回動も許容される。
【0074】
そして、出没アーム149Bが障子支持枠11側に回動すると、出没アーム149Bのロック当接突起160Aがハンドルロック操作部材161のうち図23に示した支持柱161Hと支持ベース41Bとの間の隙間に受容されると共に、図21に示すように出没アーム149Bの基端部とロック当接突起160Aとによって形成された湾曲凹部160Bに回動干渉部161Aの一部が収まった状態なってアシスト連結盤149Vとハンドルロック操作部材161との干渉が回避される。これにより、出没アーム149Bを回動可能範囲の終端位置まで回動することができる。
【0075】
なお、本実施形態では、前記第1実施形態の引張コイルバネ144(図5参照)の代わりに、図19に示したトーションコイルバネ162が備えられ、このトーションコイルバネ162によって引張コイルバネ144と同様にアシスト連結盤149Vを同図の反時計回り方向に付勢している。
【0076】
上記した本実施形態の構成によれば、ハンドルロック操作部材161をハンドルロック位置に配置するとそのハンドルロック操作部材161とアシスト連結盤149Vとの干渉により、ハンドル35が中立位置から開操作位置に回動することが規制される。また、この状態から障子12を開けるには、ハンドルロック操作部材161をハンドルロック解除位置に移動してからハンドル35を開操作位置に回動する必要があるので、障子を開くまでに手間を要し、防犯性が向上する。
【0077】
なお、錠装置120Vを施錠した状態でハンドルロック操作部材161によってハンドル35をロックするためには、ハンドル35を操作して障子12を閉じてからハンドルロック操作部材161をハンドルロック位置へと移動してもよいし、障子12を開いた状態で予めハンドルロック操作部材161をハンドルロック位置に配置しておいてから、ハンドル35を操作して障子12を閉じてもよい。
【0078】
[第3実施形態]
本実施形態は、図26〜図28に示されており、前記第2実施形態のハンドルロック操作部材161に代えてハンドルロック操作部材170を備えた点が主として異なる。具体的には、図27に示すように本実施形態のハンドルロック操作部材170は、アシスト連結盤149の上方に配置され、固定ベース41に回動可能に支持されている。そのハンドルロック操作部材170には、回動中心から相異なる方向に張り出した位置決回動片170A及び干渉回動片170Bが備えられている。また、支持ベース41Bには、位置決回動片170A及び干渉回動片170Bの回動領域に向けて起立したストッパ突起171が備えられている。そして、ハンドルロック操作部材170は、図27に示すように干渉回動片170Bがストッパ突起171に同図の左側から当接したハンドルロック解除位置と、位置決回動片170Aが同図の右側から当接したハンドルロック位置との間で回動する。
【0079】
本実施形態の構成によれば、以下のようにしてハンドル35をロックした状態とそのロックを解除した状態に切り替えることができる。即ち、図28に示すようにハンドル35が中立位置に配置された状態で、ハンドルロック操作部材170をハンドルロック位置に配置すると、干渉回動片170Bが出没アーム149Bの回動領域内に配置されて、その出没アーム149Bの先端面に干渉回動片170Bの先端が突き合わされた状態になる。これにより、出没アーム149Bの障子支持枠11側への回動が規制され、その結果、ハンドル35が中立位置から開操作位置への回動も規制される。即ち、ハンドルロック操作部材170がハンドルロック位置に配置されると、ハンドル35がロックされる。
【0080】
一方、図27に示すようにハンドルロック操作部材170がハンドルロック解除位置に配置された状態では、干渉回動片170Bが出没アーム149Bの回動領域外に配置されて、これにより、出没アーム149Bの障子支持枠11側への回動が許容され、ハンドル35のロックが解除される。
【0081】
なお、本体カバー41Aの上端部には、図26に示すように円形の操作窓172が形成され、ハンドルロック操作部材170に備えた操作摘み170Cを、その操作窓172内で回動操作することができるようになっている。また、ハンドルロック操作部材170は、図示しないばねなどの弾性部材によりハンドルロック位置若しくはハンドルロック解除位置に保持することができると共に、操作摘み170Cを操作した時の節度感を持たせることができる。
【0082】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0083】
(1)前記実施形態の障子ユニット10は、1対の障子12,12が互いにすれ違うようにスライドする、所謂、引き違い戸構造であったが、1対の障子を同一直線状に並べて左右に開くようにした、所謂、両引き戸構造の障子ユニットや、1つのみの障子を備えた、所謂、片引き戸構造の障子ユニットに本発明を適用してもよい。なお、両引き戸構造の障子ユニットでは、一方の障子の戸先框に錠装置を備え、他方の障子の戸先框にストライカを設ければよい。この場合、一方の障子に対し、他方の障子が本発明に係る「障子の接合相手」に相当する。
【0084】
(2)前記実施形態の障子12は、ガラス板12Gを張った所謂ガラス戸であったが、障子は、木戸又は金属製の戸であってもよい。
【0085】
(3)前記実施形態では、カウンターバランサ59が錠装置本体140の内部に設けられていたが、例えば、ハンドル全体を樹脂で構成し、本発明に係るカウンターバランサとしての金属ブロックをハンドルの一部に固定した構造にしてもよい。
【0086】
(4)前記実施形態におけるロック表示部36Bには、「ロック状態」を示す文言が表示されていたが、ロック表示部にロック状態を示す図柄を表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係る障子ユニットの正面図
【図2】錠装置と戸先框の斜視図
【図3】ストライカの斜視図
【図4】障子が開いた状態における錠装置の正面図
【図5】障子が開いた状態における錠装置の正断面図
【図6】ハンドルが閉操作位置に移動する過程の錠装置の正断面図
【図7】ハンドルが閉操作位置に配置された状態の錠装置の正断面図
【図8】施錠状態の錠装置の正断面図
【図9】ハンドルが開操作位置に移動する過程の錠装置の正断面図
【図10】ハンドルが開操作位置に配置された状態の錠装置の正断面図
【図11】非施錠状態で障子が閉じた状態の戸先框の平断面図
【図12】本体カバーを取り外した状態の固定ベースの斜視図
【図13】中継盤とコントロールレバーの斜視図
【図14】ロック状態表示部材とポールの斜視図
【図15】(A)施錠状態の錠装置の部分正面図、(B)非施錠状態の錠装置の部分正面図、(C)非施錠状態の錠装置の部分正面図
【図16】錠装置の側断面図
【図17】第2実施形態の錠装置と戸先框の斜視図
【図18】障子が開いた状態における錠装置の正面図
【図19】施錠状態の錠装置の正断面図
【図20】ハンドルをロックした状態の錠装置の正断面図
【図21】ハンドルが開操作位置に配置された状態の錠装置の正断面図
【図22】ハンドルロック操作部材の斜視図
【図23】本体カバーを取り外した状態の固定ベースの斜視図
【図24】錠装置の側断面図
【図25】(A)ハンドルロック解除位置に配置されたハンドルロック操作部材の側断面図、(B)ハンドルロック位置とハンドルロック解除位置との間に配置されたハンドルロック操作部材の側断面図、(C)ハンドルロック位置に配置されたハンドルロック操作部材の側断面図
【図26】第3実施形態の錠装置の斜視図
【図27】ハンドルのロックを解除した状態の錠装置の正断面図
【図28】ハンドルをロックした状態の錠装置の正断面図
【符号の説明】
【0088】
11 障子支持枠
12 障子
12A 戸先框
33A ロック状態判別窓
35 ハンドル
36 ロック状態表示部材
41 固定ベース
41A 本体カバー
41W アシスト窓
42 ラッチ
42B ストッパ当接片(ポール移動制限部)
43 ポール
43A ラッチ当接片(ポール移動制限部)
44 引張コイルバネ(ポール付勢手段)
45 コントロールレバー(コントロール部材)
46 中継盤(コントロール部材)
47 引上リンク
49P2 連結ピン
50 係合溝
52 トーションバネ
53 当接ローラ(アシスト可動部材)
54 トーションコイルバネ(コントロール部材)
59 カウンターバランサ
60 ストライカ
120 錠装置
140 錠装置本体
149,149V アシスト連結盤(アシスト可動部材)
149A カム突片(第1突部)
149B 出没アーム(第2突部)
151 ハンドル連結盤
160A ロック当接突起
161,170 ハンドルロック操作部材
161A 回動干渉部
J1 水平軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
障子の戸先框に取り付けられ、障子支持枠に固定されたストライカに係合して施錠される錠装置であって、
上下方向に延びたレバー構造のハンドルを前記障子の内側に備え、
前記ハンドルは、前記障子のスライド方向と直交した水平軸を中心に回動し、前記障子が開く側に傾いた開操作位置と、前記障子が閉じる側に傾いた閉操作位置との間を移動可能であると共に、常には前記開操作位置と前記閉操作位置との間の中立位置に配置されるように付勢され、
前記ハンドルを前記開操作位置に保持して前記障子を開いたことを条件にして解錠される一方、前記ハンドルを前記閉操作位置に保持して前記障子を閉じたことを条件にして施錠されるように構成すると共に、
前記ハンドルと一体に回動するハンドル連結盤と、
前記ハンドルが前記中立位置から前記開操作位置に回動する動作に伴って前記障子支持枠に向かって突き出て、前記障子支持枠と前記戸先框との間を押し広げるアシスト可動部材とを備え、
前記アシスト可動部材は、前記障子のスライド方向と直交した水平軸を中心に回動可能に軸支されると共に、その回動中心を挟んで相反する方向に突出した第1突部及び第2突部を有しかつ、前記第1突部が前記ハンドル連結盤の回動領域に突入した状態になるように付勢され、
前記ハンドルが前記中立位置から前記開操作位置へ向かう途中で前記第1突部が前記ハンドル連結盤に押されて前記アシスト可動部材が回動し、前記第2突部が前記障子支持枠に向かって突き出るように構成されたことを特徴とする錠装置。
【請求項2】
前記ストライカに係合した係合位置とその係合を解除した係合解除位置との間を移動するラッチと、
前記ラッチの移動を許容するラッチ移動許容位置と、前記ラッチを前記係合位置に保持するラッチロック位置との間を移動可能なポールと、
前記ハンドルが前記中立位置に位置した状態で前記ラッチが前記係合解除位置から前記係合位置に移動したときに前記ポールを前記ラッチ移動許容位置に保持し、前記ハンドルが前記閉操作位置に位置した状態で前記ラッチが前記係合解除位置から前記係合位置に移動したときに前記ポールを前記ラッチロック位置に移動し、さらに、前記ハンドルが前記中立位置から前記開操作位置に移動する動作に連動して、前記ポールを前記ラッチロック位置から前記ラッチ移動許容位置に移動するポール移動機構とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の錠装置。
【請求項3】
前記ポール移動機構には、前記ラッチと前記ポールとに設けられ、前記ラッチが前記係合位置以外の位置にある場合に、互いに当接して前記ポールが前記ラッチロック位置に移動することを禁止し、前記ラッチが前記係合位置に位置した場合に、前記ポールが前記ラッチロック位置に移動することを許容するポール移動制限部と、
前記ポールを前記ラッチロック位置に付勢するポール付勢手段と、
前記ハンドルと前記ポールとの間に設けられ、前記ハンドルが前記中立位置に位置した場合に、前記ポールに係合することで前記ポール付勢手段の付勢力に抗して前記ポールを前記ラッチ移動許容位置に保持し、前記ハンドルが前記閉操作位置に位置した場合に、前記ポールとの係合を解除することで前記ポール付勢手段の付勢力による前記ポールの前記ラッチロック位置への移動を許容するコントロール部材とが備えられたことを特徴とする請求項2に記載の錠装置。
【請求項4】
前記錠装置のうち前記ハンドル以外の本体外面を覆う本体カバーと、
前記本体カバーに形成されたロック状態判別窓と、
前記ロック状態判別窓を介して一部が視認可能でありかつ前記ポールの位置に応じて前記ロック状態判別窓を介して視認可能となる部分の色を異ならせたロック状態表示部材とを備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の錠装置。
【請求項5】
前記ハンドルを操作せずに前記障子を閉じた際に、慣性力により前記ハンドルが前記中立位置から前記閉操作位置に移動することを防ぐためのカウンターバランサを設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の錠装置。
【請求項6】
前記アシスト可動部材の回動領域内のハンドルロック位置と、前記回動領域外のハンドルロック解除位置との間で移動操作可能に備えられ、前記ハンドルロック位置に配置されたときに前記アシスト可動部材に干渉して前記ハンドルが前記中立位置から前記開操作位置に回動することを規制する一方、前記ハンドルロック解除位置に配置されたときに前記アシスト可動部材及び前記ハンドルの回動を許容するハンドルロック操作部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の錠装置。
【請求項7】
前記ハンドルが前記中立位置に配置された状態で、前記アシスト可動部材の前記第2突部のうち前記障子支持枠側を向いた前面には、その上下方向の中間部から前方にロック当接突起が突出形成され、
前記ハンドルロック操作部材は、上下動可能に備えられると共に、前記ハンドルロック位置で前記ロック当接突起の前方に配置される一方、前記ハンドルロック解除位置で前記ハンドルロック位置より前記アシスト可動部材の回動中心側に配置される回動干渉部を備えたことを特徴とする請求項6に記載の錠装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図14】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−106592(P2008−106592A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83574(P2007−83574)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000100827)アイシン機工株式会社 (122)