説明

開閉体制御装置

【課題】全閉状態及び全開状態間における任意の開閉状態で、閉作動時の可動パネルの開閉状態をサンシェードの開閉状態に先行させることができる開閉体制御装置を提供する。
【解決手段】CPU21,31は、パルスセンサ28により検出されたパネル駆動モータ26の回転位置(可動パネル15の開閉状態)及びパルスセンサ38により検出されたサンシェード駆動モータ36の回転位置(サンシェード16の開閉状態)に基づいて、閉作動時の可動パネル15の開閉状態がサンシェード16の開閉状態に先行するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36を駆動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動パネル及びサンシェードを開閉制御可能な開閉体制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、こうした開閉体制御装置として種々のものが提案されている。例えば特許文献1に記載された開閉体制御装置は、サンルーフ装置を薄型化すべく、可動パネル及びサンシェードの機械的な連動構造を割愛して、可動パネルを開閉駆動するパネル開閉モータ及びサンシェードを開閉駆動するサンシェード開閉モータをそれぞれ駆動制御するものである。この開閉体制御装置では、可動パネルの開方向の作動(以下、「開作動」ともいう)に電気的に連動させてサンシェードを開作動させることに加え、可動パネルが開いた状態でサンシェード開閉スイッチが閉方向に操作されたときにサンシェードの閉方向への作動(以下、「閉作動」ともいう)を制限することが併せて提案されている。後者によれば、サンシェードを閉じる際の可動パネルの閉め忘れを防止できるとしている。
【0003】
また、特許文献2に記載された開閉体制御装置は、可動パネル及びサンシェードが開状態にあるときに、サンシェードの閉作動に電気的に連動させて可動パネルを閉作動させることが提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3に記載された開閉体制御装置は、可動パネルが全閉状態にあるときには、サンシェード用開操作スイッチの操作でサンシェードが独立で開作動し、且つ、可動パネル用閉操作スイッチの操作でサンシェードが独立で閉作動するようにする。また、この開閉体制御装置は、可動パネル用開操作スイッチの操作で可動パネル及びサンシェードが共に開作動するようにしている。あるいは、可動パネルが開状態にあるときには、サンシェードのみが独立で閉作動できないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3339695号公報
【特許文献2】特開2011−11735号公報
【特許文献3】特許第4153821号公報
【特許文献4】特開平4−293617公報
【特許文献5】特開平7−276993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、これら特許文献1〜3では、基本的に可動パネル及びサンシェードが停止状態にあることを前提に、操作スイッチの操作で可動パネル及びサンシェードの作動に電気的に連動させるものである。従って、可動パネル及びサンシェードが作動を開始した後は、各作動の進捗が成り行き任せとなる。このため、可動パネル及びサンシェードの連動動作中、本来、可動パネル及びサンシェードのいずれか一方の開閉状態に対して先行すべきいずれか他方の開閉状態が遅延(以下、「逆転」ともいう)する可能性がある。
【0007】
具体的には、図7に示すように、可動パネル91及びサンシェード92が連動して閉動作中に、可動パネル91によるパネル開口部の開口量AP1よりもサンシェード92によるシェード開口部の開口量AP2の方が小さい状態になる可能性がある。このように、可動パネル91及びサンシェード92の両開閉状態間で逆転関係が成立してしまうと、可動パネル91に先立ってサンシェード92が全閉状態に到達した場合、可動パネル91の状態を室内から目視で確認できなくなる。そして、例えばユーザが可動パネル91及びサンシェード92を共に全閉したと誤認識したり、あるいは可動パネル91側が作動不良・挟み込み検知を発生したりして、可動パネル91の閉作動を停止させてしまうと、該可動パネル91が開状態のまま放置され、雨又は埃によりサンシェード92などが汚損する可能性がある。
【0008】
同様に、可動パネル91及びサンシェード92が連動して開動作中に、それらの両開閉状態間で前述の逆転関係が成立してしまうと、例えば走行中にサンシェードが風の影響を受けてばたつき異音を発生する可能性がある。
【0009】
なお、こうした逆転関係は、例えば可動パネル91及びサンシェード92の各々の機構におけるモータ作動速度の違いによって生じる。このモータ作動速度の違いは、仮に両機構のモータの規格を同一にしたとしても、モータ特性ばらつき、機械的構造ばらつき、各作動の摺動抵抗の違い、モータ温度特性の違い等に起因して発生するもので、両モータ作動速度を一致させるためには多大な解析時間を要することになる。
【0010】
一方、特許文献4に記載された開閉体制御装置は、可動パネルの開閉作動及びサンシェードの開閉作動を電気的に連動させるもので、可動パネル及びサンシェードが共に全閉状態にあるときにはサンシェードの開作動開始から所定時間遅らせて可動パネルの開作動を開始し、可動パネル及びサンシェードが共に全開状態にあるときには可動パネルの閉作動開始から所定時間遅らせてサンシェードの閉作動を開始することが併せて提案されている。これにより、例えば開作動時には可動パネルに対してサンシェードが先行して動作でき、閉作動時にはサンシェードに対して可動パネルが先行して動作できるとしている。
【0011】
また、特許文献5に記載された開閉体制御装置は、可動パネルのチルト動作・スライド動作と、サンシェードのチルト動作・スライド動作とを電気的に連動させるもので、特に両者のチルト動作時等において所定の遅延時間を設定して連動させることが提案されている。
【0012】
しかしながら、これら特許文献4、5では、可動パネル及びサンシェードが特定の状態(全閉・全開状態、チルト状態)にあることを前提としており、これら可動パネル及びサンシェードが連動して作動中に前述の逆転関係の成立を解消し得るものではない。
【0013】
本発明の目的は、全閉状態及び全開状態間における任意の開閉状態で、閉作動時の可動パネルの開閉状態をサンシェードの開閉状態に先行させることができる開閉体制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、可動パネルを開閉駆動するパネル駆動手段と、全閉状態及び全開状態間における前記ルーフパネルの開閉状態を監視するパネル監視手段と、サンシェードを開閉駆動するサンシェード駆動手段と、全閉状態及び全開状態間における前記サンシェードの開閉状態を監視するサンシェード監視手段と、前記監視された可動パネルの開閉状態及び前記監視されたサンシェードの開閉状態に基づいて、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように前記パネル駆動手段及び前記サンシェード駆動手段を駆動制御する制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、前記制御手段は、前記監視された可動パネルの開閉状態及び前記監視されたサンシェードの開閉状態に基づいて、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように前記パネル駆動手段及び前記サンシェード駆動手段を駆動制御する。従って、例えば前記可動パネルが全閉状態に達する前に、前記サンシェードが全閉状態に達することを回避できる。これにより、仮に前記可動パネルの全閉状態への移行が不完全になったとしても、前記サンシェードが全閉状態に達していないことで、前記可動パネルの状態を室内から目視で確認することができる。そして、前記可動パネルが不完全な全閉状態のまま放置されることを抑制できる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の開閉体制御装置において、前記制御手段は、前記監視された可動パネルの開閉状態及び前記監視されたサンシェードの開閉状態に基づいて、開作動時の前記サンシェードの開閉状態が前記可動パネルの開閉状態に先行するように前記パネル駆動手段及び前記サンシェード駆動手段を駆動制御することを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、例えば前記サンシェードが全開状態に達する前に、前記可動パネルが全開状態に達することを回避できる。これにより、前記可動パネルの全開状態では、前記サンシェードが必ず全開状態への移行が完了していることになり、例えば走行中に前記サンシェードが風の影響を受けてばたつき異音を発生することを抑制できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の開閉体制御装置において、前記制御手段は、前記監視された可動パネルの開閉状態を入力し、該可動パネルの開閉状態に基づいて前記パネル駆動手段を駆動制御するパネル制御手段と、前記監視されたサンシェードの開閉状態を入力し、該サンシェードの開閉状態に基づいて前記サンシェード駆動手段を駆動制御するサンシェード制御手段と、前記パネル制御手段及び前記サンシェード制御手段間で、前記入力された可動パネルの開閉状態及び前記入力されたサンシェードの開閉状態を通信する通信手段とを備え、前記パネル制御手段及び前記サンシェード制御手段の少なくとも一方は、前記入力又は通信された可動パネルの開閉状態及び前記入力又は通信されたサンシェードの開閉状態に基づいて、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように該当の前記パネル駆動手段又は前記サンシェード駆動手段を駆動制御することを要旨とする。
【0019】
同構成によれば、前記サンシェードとの連動を考慮しなければ、前記可動パネルは、前記パネル駆動手段、前記パネル監視手段及び前記パネル制御手段によって開閉作動可能である。同様に、前記可動パネルとの連動を考慮しなければ、前記サンシェードは、前記サンシェード駆動手段、前記サンシェード監視手段及び前記サンシェード制御手段によって開閉作動可能である。従って、前記可動パネルを開閉作動させる既存構造及び前記サンシェードを開閉作動させる既存構造があれば、前記通信手段を追加して前記パネル制御手段及び前記サンシェード制御手段を連係するのみの比較的簡易な構成変更で済ますことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の開閉体制御装置において、前記制御手段は、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように前記パネル駆動手段及び前記サンシェード駆動手段をそれぞれ速度制御することを要旨とする。
【0021】
同構成によれば、閉作動時に前記可動パネルの開閉状態を前記サンシェードの開閉状態に先行させるとき、前記制御手段により前記パネル駆動手段及び前記サンシェード駆動手段がそれぞれ速度制御されることで、前記可動パネル及び前記サンシェードが共に閉作動する。従って、ユーザは、前記可動パネル及び前記サンシェードの閉作動をそれぞれ認識することができる。従って、例えば前記可動パネルの開閉状態を前記サンシェードの開閉状態に先行させるために前記サンシェードの閉作動を開始しないようにした場合のように、ユーザが異常と誤認したりする可能性を低減できる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の開閉体制御装置において、前記制御手段は、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように前記サンシェード駆動手段を遅延制御することを要旨とする。
【0023】
同構成によれば、前記制御手段は、例えば前記サンシェード駆動手段の駆動非開始又は駆動停止などの遅延制御によって、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態を前記サンシェードの開閉状態に先行させることができる。従って、このときの前記制御手段の演算負荷を軽減できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明では、全閉状態及び全開状態間における任意の開閉状態で、閉作動時の可動パネルの開閉状態をサンシェードの開閉状態に先行させることができる開閉体制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の一実施形態を模式的に示す側面図。
【図2】同実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【図3】パネル駆動モータ及びサンシェード駆動モータの両回転位置の関係を示す説明図。
【図4】同実施形態の閉作動時の制御態様を示すフローチャート。
【図5】同実施形態の開作動時の制御態様を示すフローチャート。
【図6】本発明の変形形態の電気的構成を示すブロック図。
【図7】従来形態を模式的に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1〜図5を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1に示すように、サンルーフ装置10は、略四角形の開口部12が形成されるとともに該開口部12の後側でガラス板からなる略四角形の固定パネル13が設置される車体の屋根部11に搭載されている。サンルーフ装置10は、車両前後方向に移動して開口部12を開閉する、例えばガラス板からなる略四角形の可動パネル15を備えるとともに、開口部12及び固定パネル13の下側で車両前後方向に巻取り・繰り出しされて開口部12等を開閉する、例えば布材からなる略四角帯状のサンシェード16を備える。
【0027】
可動パネル15は、その車両幅方向両縁部で一対の機能ブラケット(図示略)に支持されており、例えば図1(a)に示す全閉状態において両機能ブラケットが車両後方に移動すると、図1(b)に示すように前部を中心に後部が上動するように一方向に回動するチルトアップ動作する。そして、引き続き、両機能ブラケットが車両後方に更に移動すると、可動パネル15は、固定パネル13の上側で該固定パネル13と略並行になるまで前部を中心に後部が下動するように他方向に回動するチルトダウン動作し、その姿勢を保ったまま図1(c)に示す全開状態まで車両後方にスライド動作する。
【0028】
一方、可動パネル15は、図1(c)に示す全開状態において両機能ブラケットが車両前方に移動すると、その姿勢を保ったまま前述のチルトダウン動作を終了した位置まで車両前方にスライド動作する。そして、引き続き、両機能ブラケットが車両前方に更に移動すると、可動パネル15は、図1(b)に示すように一旦チルトアップ動作し、その後にチルトダウン動作して図1(a)に示す全閉状態となる。
【0029】
従って、各機能ブラケットの車両前後方向の移動範囲は、可動パネル15の全閉状態に相当する最前方位置から可動パネル15の全開状態に相当する最後方位置までの範囲となっており、機能ブラケットが最前方位置及び最後方位置間を移動する途上で可動パネル15のチルトアップ動作・チルトダウン動作が成立している。なお、可動パネル15のスライド動作は、固定パネル13(屋根部11)の上側で該固定パネル13と略並行に移動する、いわゆるポップアップ動作となっている。
【0030】
サンシェード16は、その車両後側の端末が車両幅方向に延在する略円筒状の巻取り軸17に固定されており、車両前側の端末の車両幅方向両端部が一対の摺動部材18に連結されている。サンシェード16は、例えば図1(a)に示す全閉状態において両摺動部材18が車両後方に移動すると、巻取り軸17により弛み分が巻き取られつつ、屋根部11と略並行な姿勢を保ったまま、図1(b)に示す状態を経て図1(c)に示す全開状態まで車両後方に格納される。このとき、開口部12及び固定パネル13の設置範囲が開放される。なお、巻取り軸17には、サンシェード16を巻き取る側に常時付勢するための付勢手段(図示略)が内蔵されている。
【0031】
一方、サンシェード16は、図1(c)に示す全開状態において両摺動部材18が車両前方に移動すると、巻取り軸17から繰り出されつつ、屋根部11と略並行な姿勢を保ったまま、図1(b)に示す状態を経て図1(a)に示す全閉状態まで車両前方に展開される。このとき、開口部12及び固定パネル13の設置範囲が遮られる。
【0032】
従って、各摺動部材18の車両前後方向の移動範囲は、サンシェード16の全閉状態に相当する最前方位置からサンシェード16の全開状態に相当する最後方位置までの範囲となっている。
【0033】
次に、本実施形態の電気的構成について説明する。
図2に示すように、可動パネル15の開閉制御に係るパネル制御手段としてのパネル制御装置20は、CPU(中央処理装置)21と、該CPU21に電気的に接続された駆動回路22、入力回路23,24及び通信回路25とを備えて構成されている。なお、CPU21は、その演算処理に係る各種制御プログラムを格納するROM、各種データ(演算処理結果等)を一時記憶するRAM、タイマ等の機能を一体的に有するものである。
【0034】
CPU21は、駆動回路22を介してパネル駆動手段としてのパネル駆動モータ26に接続されている。駆動回路22は、CPU21からの出力デューティ値DUTYに基づいて、パネル駆動モータ26に供給されるバッテリ電圧の極性を切り替えるとともに、該バッテリ電圧を供給/非供給とするオン/オフの比率(デューティ比)を変化させる。つまり、パネル駆動モータ26は、CPU21からの出力デューティ値DUTYに基づき、供給されるバッテリ電圧の極性が制御されることでその回転方向(正転又は逆転)が制御されるとともに、デューティ比が制御(いわゆるPWM制御)されることで、供給される平均的な電圧即ち回転速度Npが制御される。
【0035】
なお、パネル駆動モータ26は、可動パネル15(機能ブラケット)に機械的に連係されており、該可動パネル15は、パネル駆動モータ26が回転駆動されることでその回転方向に応じて開作動又は閉作動する。従って、パネル駆動モータ26の回転位置Apは、基本的に可動パネル15の開閉状態と一対一で対応している。そして、パネル駆動モータ26の回転範囲は、機能ブラケットの最前方位置(可動パネル15の全閉状態)に相当する最前方回転位置FMpから機能ブラケットの最後方位置(可動パネル15の全開状態)に相当する最後方回転位置RMpまでの範囲となっている。
【0036】
また、CPU21は、入力回路23を介して開閉操作スイッチ27に接続されており、該開閉操作スイッチ27からの信号に基づいて可動パネル15等に対する開閉操作の有無を検出する。
【0037】
さらに、CPU21は、入力回路24を介してパネル監視手段としてのパルスセンサ28に接続されており、該パルスセンサ28からのパルス信号に基づいてパネル駆動モータ26の回転位置Ap及び回転速度Np等を検出する。すなわち、このパルスセンサ28は、パネル駆動モータ26により回転駆動される環状の磁石の、所定角度ごとに極性(N極、S極)の切り替わる外周面に対向配置される一対のホール素子を備えるとともに、該磁石即ちパネル駆動モータ26の所定角度ごとの回転の都度にこれらホール素子から互いに位相の異なるパルス信号を出力する。従って、CPU21は、例えばいずれか一方のパルス信号の立ち上がりエッジ(又は立ち下がりエッジ)をカウントすることでパネル駆動モータ26の回転位置Apを検出する。また、CPU21は、この立ち上がりエッジ(又は立ち下がりエッジ)の時間間隔に基づいてパネル駆動モータ26の回転速度Npを検出するとともに、両パルス信号の位相差に基づいて該パネル駆動モータ26の回転方向(正転又は逆転)を検出する。なお、パネル駆動モータ26の回転位置Ap、回転速度Np及び回転方向は、基本的に可動パネル15の開閉状態、開閉速度及び開閉方向とそれぞれ一対一で対応(同期)することはいうまでもない。
【0038】
さらに、CPU21は、通信回路25を介してサンシェード16の開閉制御に係るサンシェード制御手段としてのサンシェード制御装置30に接続されている。
すなわち、サンシェード制御装置30は、CPU31と、該CPU31に電気的に接続された駆動回路32、入力回路34及び通信回路35とを備えて構成されている。そして、CPU31は、通信回路35においてパネル制御装置20の通信回路25に接続されている。
【0039】
また、CPU31は、駆動回路32を介してサンシェード駆動手段としてのサンシェード駆動モータ36に接続されている。駆動回路32は、CPU31からの出力デューティ値DUTYに基づいて、サンシェード駆動モータ36に供給されるバッテリ電圧の極性を切り替えるとともに、該バッテリ電圧を供給/非供給とするオン/オフの比率(デューティ比)を変化させる。つまり、サンシェード駆動モータ36は、CPU31からの出力デューティ値DUTYに基づき、供給されるバッテリ電圧の極性が制御されることでその回転方向(正転又は逆転)が制御されるとともに、デューティ比が制御されることで、供給される平均的な電圧即ち回転速度Nsが制御される。
【0040】
なお、サンシェード駆動モータ36は、サンシェード16(摺動部材18)に機械的に連係されており、該サンシェード16は、サンシェード駆動モータ36が回転駆動されることでその回転方向に応じて開作動又は閉作動する。従って、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asは、基本的にサンシェード16の開閉状態と一対一で対応している。そして、サンシェード駆動モータ36の回転範囲は、摺動部材18の最前方位置(サンシェード16の全閉状態)に相当する最前方回転位置FMsから摺動部材18の最後方位置(サンシェード16の全開状態)に相当する最後方回転位置RMsまでの範囲となっている。
【0041】
さらに、CPU31は、入力回路34を介してサンシェード監視手段としてのパルスセンサ38に接続されており、該パルスセンサ38からのパルス信号に基づいてサンシェード駆動モータ36の回転位置As、回転速度Ns及び回転方向を検出する。なお、パルスセンサ38の仕組みは前記パルスセンサ28と同様であり、従ってサンシェード駆動モータ36の回転位置As、回転速度Ns及び回転方向は、基本的にサンシェード16の開閉状態、開閉速度及び開閉方向とそれぞれ一対一で対応(同期)することはいうまでもない。
【0042】
なお、両CPU21,31は、通信回路25,35を通じて互いの情報を共有している。具体的には、パネル制御装置20側のCPU21は、サンシェード制御装置30側のCPU31からサンシェード駆動モータ36の回転位置As及び回転速度Nsを表す各情報を受信する。一方、サンシェード制御装置30側のCPU31は、パネル制御装置20側のCPU21から可動パネル15等に対する開閉操作の有無、パネル駆動モータ26の回転位置Ap及び回転速度Npを表す各情報を受信する。そして、例えば開閉操作スイッチ27の開操作があった場合には、両CPU21,31は、可動パネル15及びサンシェード16が連動して開作動するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36をそれぞれ駆動制御する。あるいは、開閉操作スイッチ27の閉操作があった場合には、両CPU21,31は、可動パネル15及びサンシェード16が連動して閉作動するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36をそれぞれ駆動制御する。
【0043】
ここで、CPU21,31は、閉作動時の可動パネル15の開閉状態がサンシェード16の開閉状態に先行するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36をそれぞれ駆動制御する。あるいは、CPU21,31は、開作動時のサンシェード16の開閉状態が可動パネル15の開閉状態に先行するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36をそれぞれ駆動制御する。
【0044】
以下、図3に示すように、便宜的に可動パネル15の全閉状態及び全開状態間におけるパネル駆動モータ26の回転範囲(即ち最前方回転位置FMpから最後方回転位置RMpまでの範囲)と、サンシェード16の全閉状態及び全開状態間におけるサンシェード駆動モータ36の回転範囲(即ち最前方回転位置FMsから最後方回転位置RMsまでの範囲)とが一致していると仮定して説明する。
【0045】
この場合、可動パネル15及びサンシェード16の閉作動時にあっては、CPU21,31は、パネル駆動モータ26の回転位置Apとサンシェード駆動モータ36の回転位置Asとの回転位置偏差Δ(=|Ap−As|)が所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行するようにこれらパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36をそれぞれ駆動制御する。
【0046】
具体的には、可動パネル15及びサンシェード16の全開状態で開閉操作スイッチ27が閉操作された直後の段階では、パネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36が互いに一致する最後方回転位置RMp,RMsにあることから両回転位置Ap,Asの回転位置偏差Δは「0」となる。従って、パネル駆動モータ26の駆動開始後、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるようにパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置As(ここでは最後方回転位置RMs)よりも閉作動側に先行するまでは、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の駆動開始を待機(即ち遅延制御)する。
【0047】
そして、パネル駆動モータ26の駆動開始に伴い、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行すると、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の駆動を開始する。サンシェード駆動モータ36の駆動が開始された後は、CPU21,31は、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apをサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行させた状態とするべく、パネル駆動モータ26の回転速度Npよりもサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsの方が小さくなるようにこれらを駆動制御する。すなわち、パネル駆動モータ26の駆動開始後にその回転速度Npが所定回転速度N1’に制御されるとすると、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが所定回転速度N2(<N1’)になるようにこれを駆動制御する。
【0048】
特に、何らかの原因でパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の両駆動中に回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行しなくなった場合には、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが所定回転速度N3(<N2)になるようにこれを駆動制御する。
【0049】
そして、パネル駆動モータ26の回転位置Apが最前方回転位置FMpに達して可動パネル15が全閉状態に達すると、CPU21は、パネル駆動モータ26の駆動を停止する。また、その後、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asが最前方回転位置FMsに達してサンシェード16が全閉状態に達すると、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の駆動を停止する。
【0050】
なお、可動パネル15及びサンシェード16の任意の開閉状態で停止中に開閉操作スイッチ27が閉操作された場合についても、前述の態様でサンシェード駆動モータ36の駆動開始の待機等する。
【0051】
以上により、閉作動時の可動パネル15の開閉状態がサンシェード16の開閉状態に先行するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36がそれぞれ駆動制御される。
【0052】
一方、可動パネル15及びサンシェード16の開作動時にあっては、CPU21,31は、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行するようにこれらパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36をそれぞれ駆動制御する。
【0053】
具体的には、可動パネル15及びサンシェード16の全閉状態で開閉操作スイッチ27が開操作された直後の段階では、パネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36が互いに一致する最前方回転位置FMp,FMsにあることから両回転位置Ap,Asの回転位置偏差Δは「0」となる。従って、サンシェード駆動モータ36の駆動開始後、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるようにサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Ap(ここでは最前方回転位置FMs)よりも開作動側に先行するまでは、CPU21は、パネル駆動モータ26の駆動開始を待機(即ち遅延制御)する。
【0054】
そして、サンシェード駆動モータ36の駆動開始に伴い、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行すると、CPU21は、サンシェード駆動モータ36の駆動を開始する。パネル駆動モータ26の駆動が開始された後は、CPU21,31は、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asをパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行させた状態とするべく、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsよりもパネル駆動モータ26の回転速度Npの方が小さくなるようにこれらを駆動制御する。すなわち、サンシェード駆動モータ36の駆動開始後にその回転速度Nsが所定回転速度N1に制御されるとすると、CPU21は、パネル駆動モータ26の回転速度Npが所定回転速度N2’(<N1)になるようにこれを駆動制御する。
【0055】
特に、何らかの原因でパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の両駆動中に回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行しなくなった場合には、CPU21は、パネル駆動モータ26の回転速度Nsが所定回転速度N3’(<N2’)になるようにこれを駆動制御する。
【0056】
そして、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asが最後方回転位置RMsに達してサンシェード16が全開状態に達すると、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の駆動を停止する。また、その後、パネル駆動モータ26の回転位置Apが最後方回転位置RMpに達して可動パネル15が全開状態に達すると、CPU21は、パネル駆動モータ26の駆動を停止する。
【0057】
以上により、開作動時のサンシェード16の開閉状態が可動パネル15の開閉状態に先行するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36がそれぞれ駆動制御される。
【0058】
なお、可動パネル15及びサンシェード16の任意の開閉状態で停止中に開閉操作スイッチ27が開操作された場合についても、前述の態様でサンシェード駆動モータ36の駆動開始の待機等する。
【0059】
次に、CPU21,31による可動パネル15及びサンシェード16の開閉制御態様、即ちパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の駆動制御態様の一例について説明する。
【0060】
まず、CPU21,31による可動パネル15及びサンシェード16の閉作動時の制御態様について説明する。この処理は、開閉操作スイッチ27の閉操作を表す信号が入力されることで起動される。
【0061】
図4に示すように、パネル制御装置20側のCPU21では、その処理がこのルーチンに移行すると、パネル閉作動検知の処理として各種データが入力等され(S11)、可動パネル15の閉作動にあたってパネル駆動モータ26の回転速度Npが前記所定回転速度N1’になるように該パネル駆動モータ26が駆動制御される(S12)。これに伴い、可動パネル15が閉作動を開始する。
【0062】
そして、可動パネル15の閉作動に伴いパネル駆動モータ26の回転位置Apが最前方回転位置FMpに達して可動パネル15の閉作動が完了した、即ち可動パネル15が全閉状態に到達したと判断されると、パネル駆動モータ26の駆動が停止されて(S13)、その後の処理が終了される。
【0063】
一方、CPU21による処理と併行して、サンシェード制御装置30側のCPU31では、その処理がこのルーチンに移行すると、シェード閉作動検知の処理として各種データが入力等され(S21)、パネル駆動モータ26の回転位置Apが設定範囲Z1’に配置されているか否かが判断される(S22)。この設定範囲Z1’は、パネル駆動モータ26の回転位置Apに相関する可動パネル15の開閉状態(開閉位置)が、該可動パネル15が全閉状態に到達する前にサンシェード16が全閉状態に到達することが実質的に不可能な状態(例えば全閉状態に直近の状態など)にあることに対応して設定されている。
【0064】
パネル駆動モータ26の回転位置Apが設定範囲Z1’に配置されていないと判断されると、作動開始条件C1が成立しているか否かが判断される(S23)。この作動開始条件C1は、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行していることである。作動開始条件C1が成立するのを待って、サンシェード16の閉作動にあたってサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが前記所定回転速度N2(<N1’)になるように該サンシェード駆動モータ36が駆動制御される(S24)。これに伴い、サンシェード16が閉作動を開始する。つまり、作動開始条件C1が成立するまでは、サンシェード駆動モータ36の駆動開始が待機される。
【0065】
次いで、作動条件C2が成立しているか否かが判断される(S25)。この作動条件C2も、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行していることである。作動条件C2が成立していると判断されると、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが所定回転速度N2になるように該サンシェード駆動モータ36が(引き続き)駆動制御される(S26)。一方、作動条件C2が成立していないと判断されると、(サンシェード16の閉作動を減速させるべく、)サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが前記所定回転速度N3(<N2)になるように該サンシェード駆動モータ36が駆動制御される(S27)。
【0066】
そして、パネル駆動モータ26の回転位置Apが設定範囲Z1’に配置されているか否かが再び判断される(S28)。ここで、パネル駆動モータ26の回転位置Apが設定範囲Z1’に配置されていないと判断されると、S25に戻って作動条件C2の成立の有無に応じたサンシェード駆動モータ36の駆動制御が繰り返される。また、パネル駆動モータ26の回転位置Apが設定範囲Z1’に配置されていると判断されると、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが前記所定回転速度N1(>N2)になるように該サンシェード駆動モータ36が駆動制御される(S29)。なお、S22においてパネル駆動モータ26の回転位置Apが設定範囲Z1’に配置されていると判断された場合も、S29に移行して同様に処理される。
【0067】
そして、サンシェード16の閉作動に伴いサンシェード駆動モータ36の回転位置Asが最前方回転位置FMsに達してサンシェード16の閉作動が完了した、即ちサンシェード16が全閉状態に到達したと判断されると、サンシェード駆動モータ36の駆動が停止されて(S30)、その後の処理が終了される。
【0068】
続いて、CPU21,31による可動パネル15及びサンシェード16の開作動時の制御態様について説明する。この処理は、開閉操作スイッチ27の開操作を表す信号が入力されることで起動される。
【0069】
図5に示すように、サンシェード制御装置30側のCPU31では、その処理がこのルーチンに移行すると、シュエード作動検知の処理として各種データが入力等される(S31)。そして、サンシェード16の開作動にあたってサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが前記所定回転速度N1になるように該サンシェード駆動モータ36が駆動制御される(S32)。これに伴い、サンシェード16が開作動を開始する。
【0070】
そして、サンシェード16の開作動に伴いサンシェード駆動モータ36の回転位置Asが最後方回転位置RMsに達してサンシェード16の開作動が完了した、即ちサンシェード16が全開状態に到達したと判断されると、サンシェード駆動モータ36の駆動が停止されて(S33)、その後の処理が終了される。
【0071】
一方、CPU31による処理と併行して、パネル制御装置20側のCPU21では、その処理がこのルーチンに移行すると、パネル開作動検知の処理として各種データが入力等され(S41)、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asが設定範囲Z1に配置されているか否かが判断される(S42)。この設定範囲Z1は、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asに相関するサンシェード16の開閉状態(開閉位置)が、該サンシェード16が全開状態に到達する前に可動パネル15が全開状態に到達することが実質的に不可能な状態(例えば全開状態に直近の状態など)にあることに対応して設定されている。
【0072】
サンシェード駆動モータ36の回転位置Asが設定範囲Z1に配置されていないと判断されると、作動開始条件C1’が成立しているか否かが判断される(S43)。この作動開始条件C1’は、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行していることである。作動開始条件C1’が成立するのを待って、可動パネル15の開作動にあたってパネル駆動モータ26の回転速度Npが前記所定回転速度N2’(<N1)になるように該パネル駆動モータ26が駆動制御される(S44)。これに伴い、可動パネル15が開作動を開始する。つまり、作動開始条件C1’が成立するまでは、パネル駆動モータ26の駆動開始が待機される。
【0073】
次いで、作動条件C2’が成立しているか否かが判断される(S45)。この作動条件C2’も、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行していることである。作動条件C2’が成立していると判断されると、パネル駆動モータ26の回転速度Npが所定回転速度N2’になるように該パネル駆動モータ26が(引き続き)駆動制御される(S46)。一方、作動条件C2’が成立していないと判断されると、(可動パネル15の開作動を減速させるべく、)パネル駆動モータ26の回転速度Npが前記所定回転速度N3’(<N2’)になるように該パネル駆動モータ26が駆動制御される(S47)。
【0074】
そして、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asが設定範囲Z1に配置されているか否かが再び判断される(S48)。ここで、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asが設定範囲Z1に配置されていないと判断されると、S45に戻って作動条件C2’の成立の有無に応じたパネル駆動モータ26の駆動制御が繰り返される。また、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asが設定範囲Z1に配置されていると判断されると、パネル駆動モータ26の回転速度Npが前記所定回転速度N1’(>N2’)になるように該パネル駆動モータ26が駆動制御される(S49)。なお、S42においてサンシェード駆動モータ36の回転位置Asが設定範囲Z1に配置されていると判断された場合も、S49に移行して同様に処理される。
【0075】
そして、可動パネル15の開作動に伴いパネル駆動モータ26の回転位置Apが最後方回転位置RMsに達して可動パネル15の開作動が完了した、即ち可動パネル15が全開状態に到達したと判断されると、パネル駆動モータ26の駆動が停止されて(S50)、その後の処理が終了される。
【0076】
次に、本実施形態の動作について総括して説明する。
可動パネル15及びサンシェード16の閉作動時には、作動開始条件C1及び作動条件C2の設定により、可動パネル15の開閉状態がサンシェード16の開閉状態に先行するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36が駆動制御される。従って、例えば可動パネル15が全閉状態に達する前に、サンシェード16が全閉状態に達することが回避される。これにより、仮に可動パネル15の全閉状態への移行が不完全になったとしても、サンシェード16が全閉状態に達していないことで、可動パネル15の状態を室内から目視で確認することができる。特に、可動パネル15が全閉状態に達する途上で該可動パネル15がチルトアップ動作・チルトダウン動作(図1(b)参照)することになるが、当然ながらこの段階ではサンシェード16は未だ全閉状態に達していない。従って、この場合であっても、可動パネル15の状態を室内から目視で確認することができる。
【0077】
一方、可動パネル15及びサンシェード16の開作動時には、作動開始条件C1’及び作動条件C2’の設定により、サンシェード16の開閉状態が可動パネル15の開閉状態に先行するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36が駆動制御される。従って、例えばサンシェード16が全開状態に達する前に、可動パネル15が全開状態に達することが回避される。
【0078】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、可動パネル15が全閉状態に達する前に、サンシェード16が全閉状態に達することを回避できる。これにより、仮に可動パネル15の全閉状態への移行が不完全になったとしても、サンシェード16が全閉状態に達していないことで、可動パネル15の状態を室内から目視で確認することができる。そして、可動パネル15が不完全な全閉状態のまま放置されることを抑制でき、ひいては雨又は埃による前記サンシェードなどの汚損を抑制できる。
【0079】
(2)本実施形態では、サンシェード16が全開状態に達する前に、可動パネル15が全開状態に達することを回避できる。これにより、可動パネル15の全開状態では、サンシェード16が必ず全開状態への移行が完了していることになり、例えば走行中にサンシェード16が風の影響を受けてばたつき異音を発生することを抑制できる。
【0080】
(3)本実施形態では、サンシェード16との連動を考慮しなければ、可動パネル15は、パネル駆動モータ26、パルスセンサ28及びパネル制御装置20によって開閉作動可能である。同様に、可動パネル15との連動を考慮しなければ、サンシェード16は、サンシェード駆動モータ36、パルスセンサ38及びサンシェード制御装置30によって開閉作動可能である。従って、可動パネル15を開閉作動させる既存構造及びサンシェード16を開閉作動させる既存構造があれば、通信回路25,35を追加してパネル制御装置20及びサンシェード制御装置30を連係するのみの比較的簡易な構成変更で済ますことができる。
【0081】
(4)本実施形態では、可動パネル15のチルトアップ状態の段階では、サンシェード16が未だ開状態にある。これにより、例えば走行中にサンシェード16が風の影響を受けてばたつき異音を発生することを抑制できる。
【0082】
(5)本実施形態では、可動パネル15及びサンシェード16を連動で開閉作動する際、パネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の駆動制御(回転速度制御)にそれらのモータ特性ばらつき、機械的構造ばらつき、各作動の摺動抵抗の違い、モータ温度特性の違い等を考慮する必要がない。そして、パネル制御装置20及びサンシェード制御装置30により、パネル駆動モータ26の回転位置Ap及びサンシェード駆動モータ36の回転位置As等を互いに監視し合うことで、常に可動パネル15及びサンシェード16の両開閉状態間で前述の逆転関係の成立を解消することができる。
【0083】
(6)本実施形態では、作動条件C1が成立しない限り(S23でYES)、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の駆動開始を待機(遅延制御)するため、このときのCPU31の演算負荷を軽減できる。
【0084】
同様に、作動条件C1‘が成立しない限り(S43でYES)、CPU21は、パネル駆動モータ26の駆動開始を待機(遅延制御)するため、このときのCPU21の演算負荷を軽減できる。
【0085】
(7)本実施形態では、作動条件C2が非成立になっても(S25でNO)、CPU31は、回転速度N3に切り替えてサンシェード駆動モータ36の駆動制御を継続するため、ユーザは、サンシェード16等の閉作動を認識することができる。従って、例えば作動条件C2の非成立時(S25でNO)にサンシェード駆動モータ36の駆動を停止するようにした場合のように、ユーザが異常と誤認したりする可能性を低減できる。
【0086】
同様に、作動条件C2‘が非成立になっても(S45でNO)、CPU21は、回転速度N3’に切り替えてパネル駆動モータ26の駆動制御を継続するため、ユーザは、可動パネル15等の開作動を認識することができる。従って、例えば作動条件C2‘の非成立時(S45でNO)にパネル駆動モータ26の駆動を停止するようにした場合のように、ユーザが異常と誤認したりする可能性を低減できる。
【0087】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図6に示すように、通信回路25,35を割愛するとともにCPU21,31の機能を統合したCPU41を採用してもよい。つまり、CPU41に駆動回路22,32及び入力回路23,24,34を全て接続して、CPU41によりパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の駆動を統括制御させてもよい。
【0088】
・前記実施形態では、通信回路25,35を介してパネル制御装置20及びサンシェード制御装置30を電気的に連係させたが、パネル制御装置20及びサンシェード制御装置30を統括制御する上位の制御装置(例えばボディECU)にて通信回路25,35等を別途制御させてもよい。
【0089】
・前記実施形態では、閉作動時の作動開始条件C1は、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行していることとしたが、これに代えてパネル駆動モータ26を駆動開始してから所定遅延時間経過していることとしてもよい。あるいは、作動開始条件C1は、パネル駆動モータ26の回転速度Npが、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsよりも大きいこととしてもよい。あるいはまた、これらの条件の少なくとも二つ以上の組み合わせであってもよい。
【0090】
同様に、閉作動時の作動条件C2は、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行していることとしたが、これに代えてパネル駆動モータ26の回転速度Npが、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsよりも大きいこととしてもよい。あるいは、これらの条件の組み合わせであってもよい。
【0091】
・前記実施形態では、開作動時の作動開始条件C1’は、サンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも所定回転角度β以上開作動側に先行していることとしたが、これに代えてサンシェード駆動モータ36を駆動開始してから所定遅延時間経過していることとしてもよい。あるいは、作動開始条件C1’は、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが、パネル駆動モータ26の回転速度Npよりも大きいこととしてもよい。あるいはまた、これらの条件の少なくとも二つ以上の組み合わせであってもよい。
【0092】
同様に、開作動時の作動条件C2’は、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行していることとしたが、これに代えてサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが、パネル駆動モータ26の回転速度Npよりも大きいこととしてもよい。あるいは、これらの条件の組み合わせであってもよい。
【0093】
・前記実施形態では、開閉操作スイッチ27の閉操作に伴いパネル駆動モータ26の駆動が開始された後、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるようにパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行するまでは(S23でYES)、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の駆動開始を待機した。これに代えて、もしくはこれとの組み合わせで、開閉操作スイッチ27の閉操作に伴いパネル駆動モータ26の駆動が開始された後、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるようにパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行するまでは(S23でYES)、CPU31は、パネル駆動モータ26の回転速度Np(=N1‘)よりもサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsの方が十分に小さくなるようにこれを駆動制御してもよい。この場合、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の駆動制御を開始するため、ユーザは、サンシェード16等の閉作動を認識することができる。従って、例えばサンシェード駆動モータ36の駆動開始を待機するようにした場合のように、ユーザが異常と誤認したりする可能性を低減できる。
【0094】
・前記実施形態では、何らかの原因でパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の両駆動中に回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行しなくなった場合(S25でNO)、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsが所定回転速度N3(<N2)になるようにこれを駆動制御した。これに代えて、もしくはこれとの組み合わせで、パネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の両駆動中に回転位置偏差Δが所定回転位置偏差α以上になるまでパネル駆動モータ26の回転位置Apがサンシェード駆動モータ36の回転位置Asよりも閉作動側に先行しなくなった場合(S25でNO)、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の駆動が一旦停止するようにこれを駆動制御(遅延制御)してもよい。この場合、CPU31の演算負荷を軽減できる。
【0095】
・前記実施形態において、作動条件C1の成立後(S23でYES)、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsがパネル駆動モータ26の回転速度Npと等速(回転速度N1‘)になるようにこれを駆動制御してもよい。同様に、作動条件C2の成立後(S25でYES)、CPU31は、サンシェード駆動モータ36の回転速度Nsがパネル駆動モータ26の回転速度Npと等速(回転速度N1‘)になるようにこれを駆動制御してもよい。
【0096】
これらの場合、回転速度N1’がデューティ比「100%」のときのサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsであれば、サンシェード駆動モータ36の駆動制御(PWM制御)時の演算負荷を軽減できる。あるいは、回転速度N1’が回転速度N1に一致しており、且つ、作動条件C1の非成立時(S23でNO)及び作動条件C2の非成立時(S25でNO)で共にサンシェード駆動モータ36の駆動を待機(停止)するのであれば、サンシェード駆動モータ36のPWM制御を割愛して、そのオン・オフ制御のみにすることができる。
【0097】
・前記実施形態では、開閉操作スイッチ27の開操作に伴いサンシェード駆動モータ36の駆動が開始された後、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるようにサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行するまでは(S43でYES)、CPU21は、パネル駆動モータ26の駆動開始を待機した。これに代えて、もしくはこれとの組み合わせで、開閉操作スイッチ27の開操作に伴いサンシェード駆動モータ36の駆動が開始された後、回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるようにサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行するまでは(S43でYES)、CPU21は、サンシェード駆動モータ36の回転速度Ns(=N1)よりもパネル駆動モータ26の回転速度Npの方が十分に小さくなるようにこれを駆動制御してもよい。この場合、CPU21は、パネル駆動モータ26の駆動制御を開始するため、ユーザは、可動パネル15等の開作動を認識することができる。従って、例えばパネル駆動モータ26の駆動開始を待機するようにした場合のように、ユーザが異常と誤認したりする可能性を低減できる。
【0098】
・前記実施形態では、何らかの原因でパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の両駆動中に回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行しなくなった場合(S45でNO)、CPU21は、パネル駆動モータ26の回転速度Npが所定回転速度N3‘(<N2‘)になるようにこれを駆動制御した。これに代えて、もしくはこれとの組み合わせで、パネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36の両駆動中回転位置偏差Δが所定回転位置偏差β以上になるまでサンシェード駆動モータ36の回転位置Asがパネル駆動モータ26の回転位置Apよりも開作動側に先行しなくなった場合(S45でNO)、CPU21は、パネル駆動モータ26の駆動が一旦停止するようにこれを駆動制御(遅延制御)してもよい。この場合、CPU21の演算負荷を軽減できる。
【0099】
・前記実施形態において、作動条件C1‘の成立後(S43でYES)、CPU21は、パネル駆動モータ26の回転速度Npがサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsと等速(回転速度N1)になるようにこれを駆動制御してもよい。同様に、作動条件C2‘の成立後(S45でYES)、CPU21は、パネル駆動モータ26の回転速度Npがサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsと等速(回転速度N1)になるようにこれを駆動制御してもよい。
【0100】
これらの場合、回転速度N1がデューティ比「100%」のときのパネル駆動モータ26の回転速度Npであれば、パネル駆動モータ26の駆動制御(PWM制御)時の演算負荷を軽減できる。あるいは、回転速度N1が回転速度N1’に一致しており、且つ、作動条件C1’の非成立時(S43でNO)及び作動条件C2’の非成立時(S45でNO)で共にパネル駆動モータ26の駆動を待機(停止)するのであれば、パネル駆動モータ26のPWM制御を割愛して、そのオン・オフ制御のみにすることができる。
【0101】
・前記実施形態では、閉作動時にサンシェード駆動モータ36の回転位置Asに対してパネル駆動モータ26の回転位置Apが先行する回転位置偏差Δを一定値(回転位置偏差α)以上としたが、例えばパネル駆動モータ26の回転位置Ap(即ち可動パネル15の開閉状態)等に応じて変化させてもよい。例えば、可動パネル15が全閉状態に近付くに従って、回転位置偏差αが大きくなるように補正してもよい。同様に、開作動時にパネル駆動モータ26の回転位置Apに対してサンシェード駆動モータ36の回転位置Asが先行する回転位置偏差Δを一定値(回転位置偏差β)以上としたが、例えばサンシェード駆動モータ36の回転位置As(即ちサンシェード16の開閉状態)等に応じて変化させてもよい。例えば、サンシェード16が全開状態に近付くに従って、回転位置偏差βが大きくなるように補正してもよい。
【0102】
・前記実施形態では、便宜的に可動パネル15の全閉状態及び全開状態間におけるパネル駆動モータ26の回転範囲(即ち最前方回転位置FMpから最後方回転位置RMpまでの範囲)と、サンシェード16の全閉状態及び全開状態間におけるサンシェード駆動モータ36の回転範囲(即ち最前方回転位置FMsから最後方回転位置RMsまでの範囲)とが一致しているとしたが、当然ながらこれらは一致していなくてもよい。例えば最前方回転位置FMpから最後方回転位置RMpまでのパネル駆動モータ26の回転範囲よりも、最前方回転位置FMsから最後方回転位置RMsまでのサンシェード駆動モータ36の回転範囲の方が大きいとする。この場合には、見かけ上、これらが一致するように縮小するとともに、その縮小分を考慮して図3の関係が成立するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36を駆動制御すればよい。あるいは、最前方回転位置FMpから最後方回転位置RMpまでのパネル駆動モータ26の回転範囲よりも、最前方回転位置FMsから最後方回転位置RMsまでのサンシェード駆動モータ36の回転範囲の方が大きい場合であっても、そのまま図3の関係が成立するようにパネル駆動モータ26及びサンシェード駆動モータ36を駆動制御すればよい。
【0103】
・前記実施形態において、回転速度N1’は、デューティ比「100%」のときのパネル駆動モータ26の回転速度Npであれば、パネル駆動モータ26の駆動制御(PWM制御)時の演算負荷を軽減できる。同様に、回転速度N1は、デューティ比「100%」のときのサンシェード駆動モータ36の回転速度Nsであれば、サンシェード駆動モータ36の駆動制御(PWM制御)時の演算負荷を軽減できる。
【0104】
・前記実施形態において、PWM制御によるパネル駆動モータ26の一定速度(例えば回転速度N1‘)での制御は、例えば回転速度Npに基づくフィードバック制御であってもよい。同様に、PWM制御によるサンシェード駆動モータ36の一定速度(例えば回転速度N1)での制御は、例えば回転速度Nsに基づくフィードバック制御であってもよい。
【0105】
・前記実施形態においては、可動パネル15の開閉状態の検出をパルスセンサ28によるパネル駆動モータ26の回転位置Apの検出によって行ったが、全閉状態から全開状態までの可動パネル15の開閉状態(チルト状態を含む)を一対一の対応関係で監視し得る適宜のセンサ(スイッチを含む)で行ってもよい。同様に、サンシェード16の開閉状態の検出をパルスセンサ38によるサンシェード駆動モータ36の回転位置Asの検出によって行ったが、全閉状態から全開状態までのサンシェード16の開閉状態を一対一の対応関係で監視し得る適宜のセンサ(スイッチを含む)で行ってもよい。
【0106】
・前記実施形態においては、開閉操作スイッチ27は、サンシェード制御装置30側に設けられたシェード開閉操作スイッチであって、その開閉操作によって可動パネル15を開閉作動させるものであってもよい。
【0107】
・前記実施形態においては、可動パネル15をポップアップ動作させるサンルーフ装置10を採用したが、例えば可動パネル15をチルトアップ状態のままスライド動作させるサンルーフ装置や、可動パネル15を固定パネル13の下側でスライド動作(いわゆるインナスライド動作)させるサンルーフ装置であってもよい。
【0108】
・前記実施形態においては、巻取り式のサンシェード16を採用したが、例えば板材からなるスライド式のサンシェードであってもよい。
・前記実施形態においては、サンルーフ装置10の可動パネル15を採用したが、例えばパワーウィンド装置の可動パネル(即ち窓ガラス)であってもよい。
【0109】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項1に記載の開閉体制御装置において、
前記制御手段は、閉作動時において、
前記パネル駆動手段の移動位置が前記サンシェード駆動手段の移動位置よりも閉作動側に先行していること、
前記パネル駆動手段の移動速度が前記サンシェード駆動手段の移動速度よりも大きいこと、
及び前記パネル駆動手段の駆動開始よりも前記サンシェード駆動手段の駆動開始を遅らせることの少なくとも一つに基づいて、前記可動パネルの開閉状態を前記サンシェードの開閉状態に先行させることを特徴とする開閉体制御装置。
【0110】
(ロ)請求項2に記載の開閉体制御装置において、
前記制御手段は、開作動時において、
前記サンシェード駆動手段の移動位置が前記パネル駆動手段の移動位置よりも開作動側に先行していること、
前記サンシェード駆動手段の移動速度が前記パネル駆動手段の移動速度よりも大きいこと、
及び前記サンシェード駆動手段の駆動開始よりも前記パネル駆動手段の駆動開始を遅らせることの少なくとも一つに基づいて、前記サンシェードの開閉状態を前記可動パネルの開閉状態に先行させることを特徴とする開閉体制御装置。
【符号の説明】
【0111】
15…可動パネル、16…サンシェード、20…パネル制御装置(制御手段、パネル制御手段)、25…通信回路(通信手段)、26…パネル駆動モータ(パネル駆動手段)、28…パルスセンサ(パネル監視手段)、30…サンシェード制御装置(制御手段、サンシェード制御手段)、35…通信回路(通信手段)、36…サンシェード駆動モータ(サンシェード駆動手段)、38…パルスセンサ(サンシェード監視手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動パネルを開閉駆動するパネル駆動手段と、
全閉状態及び全開状態間における前記可動パネルの開閉状態を監視するパネル監視手段と、
サンシェードを開閉駆動するサンシェード駆動手段と、
全閉状態及び全開状態間における前記サンシェードの開閉状態を監視するサンシェード監視手段と、
前記監視された可動パネルの開閉状態及び前記監視されたサンシェードの開閉状態に基づいて、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように前記パネル駆動手段及び前記サンシェード駆動手段を駆動制御する制御手段とを備えたことを特徴とする開閉体制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉体制御装置において、
前記制御手段は、前記監視された可動パネルの開閉状態及び前記監視されたサンシェードの開閉状態に基づいて、開作動時の前記サンシェードの開閉状態が前記可動パネルの開閉状態に先行するように前記パネル駆動手段及び前記サンシェード駆動手段を駆動制御することを特徴とする開閉体制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の開閉体制御装置において、
前記制御手段は、
前記監視された可動パネルの開閉状態を入力し、該可動パネルの開閉状態に基づいて前記パネル駆動手段を駆動制御するパネル制御手段と、
前記監視されたサンシェードの開閉状態を入力し、該サンシェードの開閉状態に基づいて前記サンシェード駆動手段を駆動制御するサンシェード制御手段と、
前記パネル制御手段及び前記サンシェード制御手段間で、前記入力された可動パネルの開閉状態及び前記入力されたサンシェードの開閉状態を通信する通信手段とを備え、
前記パネル制御手段及び前記サンシェード制御手段の少なくとも一方は、前記入力又は通信された可動パネルの開閉状態及び前記入力又は通信されたサンシェードの開閉状態に基づいて、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように該当の前記パネル駆動手段又は前記サンシェード駆動手段を駆動制御することを特徴とする開閉体制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の開閉体制御装置において、
前記制御手段は、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように前記パネル駆動手段及び前記サンシェード駆動手段をそれぞれ速度制御することを特徴とする開閉体制御装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の開閉体制御装置において、
前記制御手段は、閉作動時の前記可動パネルの開閉状態が前記サンシェードの開閉状態に先行するように前記サンシェード駆動手段を遅延制御することを特徴とする開閉体制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−95193(P2013−95193A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237538(P2011−237538)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)