防振マウント及びばね定数の調節方法
【課題】非線形ばねを用いた防振マウントにより安定したばね定数を得ることを可能とした防振マウントを提供する。
【解決手段】防振対象を位置決め座11に位置決めるアッパー・プレート5が、ベース・プレート3に対し非線形ばね7a,7b,7c,7dによる複数点で安定支持される防振マウント1であって、位置決め座11と非線形ばね7a,7b,7c,7dとの間の安定支持位置を変化させて合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備え、位置変更機能部は、アッパー・プレート5に締結位置変更可能に固定された位置決め座11を備え、この位置決め座11の締結位置を変更可能とする複数のねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを備えて構成されていることを特徴とする。
【解決手段】防振対象を位置決め座11に位置決めるアッパー・プレート5が、ベース・プレート3に対し非線形ばね7a,7b,7c,7dによる複数点で安定支持される防振マウント1であって、位置決め座11と非線形ばね7a,7b,7c,7dとの間の安定支持位置を変化させて合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備え、位置変更機能部は、アッパー・プレート5に締結位置変更可能に固定された位置決め座11を備え、この位置決め座11の締結位置を変更可能とする複数のねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを備えて構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防振マウント及びばね定数の調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、皿ばね・板ばね等の非線形ばねを用いて防振マウントを構成すると、コンパクト(低ばねストローク)でありながら、高荷重時にばね定数を小さくできる。この特長は、線形ばねにより具現化することはできず、非線形ばねを用いることでしか得られない。
【0003】
しかし、非線形ばねを防振マウントに用いる場合、線形ばねにはない課題が生じる。
【0004】
一般に防振マウントが支持する防振対象の荷重は、個体差などでばらつく。このため、ばね定数が荷重に強く依存する非線形ばねの場合、図17のように、防振対象の個体差によりばね定数が大幅にばらつき、達成すべき防振性能(低ばね定数)が得られない恐れがある。
【0005】
これに対し、防振対象(荷重)ごとに非線形ばねを設計すると著しくコスト高となり、汎用性のある防振マウントを構築することができないという新たな課題を招く。
【0006】
このような課題に対し、支持する防振対象を同じ非線形ばねで挟みこみ、この二つの非線形ばねにボルト等で締め付け力を与え、ばね定数を調整する構造がある(特許文献1、2)。
【0007】
この構造は、二つの非線形ばねに強制変位を与え、並列接続の関係にある両者の非線形ばねを同様に撓ませてばね定数を調節することを原理とする。
【0008】
しかし、この構造では、防振対象の荷重が十分小さくなくては荷重を支持することができず、非線形ばねとして過剰に荷重支持能力の高い、形状の大きなものを使用しなければならないという制約があり、コスト・形状面で問題があった。
【0009】
さらに、防振対象を何らかの方法により非線形ばね間に挟みこむ必要があり、防振対象が高荷重・大型の形状である場合に、挟み込み構造を実現するための防振マウント構造が複雑化する点にも問題があった。
【0010】
防振対象を挟みこむ片側の非線形ばねは、線形ばね・或いは荷重たわみ特性の異なる非線形ばねを用いることもできるが、前記問題を解決することはできない。
【0011】
別の対策として、特許文献2には、非線形ばね下部に線形ばねを接続し、非線形ばね下部から線形ばねに対してボルト等で締め付け力を与える構造がある。
【0012】
この構造は、非線形ばねが支持している荷重の一部を線形ばねで分担することにより、非線形ばねのばね定数を調節するものであり、並列接続の線形ばねと非線形ばねとの合成ばね定数が防振マウントのばね定数になる。
【0013】
したがって、線形ばねとしてはばね定数が低く、非線形ばねと同程度にコンパクトであり、同程度の荷重を支持できるものが必要となる。
【0014】
しかし、高荷重を支持する場合、このような特長を持つ線形ばねは存在しないため、この構造では高荷重を支持する場合に用いることができなかった。
【0015】
上記以外のばね定数を調節する方法としては、特許文献3に記載のものがある。
【0016】
この構造は、非線形ばねそのものをボルト等の締め付け機構で締め付けるものである。この構造では、締め付け機構のばね定数が非線形ばねのばね定数に対して並列接続で影響を及ぼすため、締め付け機構のばね定数以下のばね定数を達成できない。
【0017】
従って、低いばね定数を達成するためには、締め付け機構として締め付け力を維持すると共に低いばね定数である必要がある。
【0018】
しかし、非線形ばねで高荷重を支持する場合、単純なボルトなどでは締め付け力と低ばね定数とを両立できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開昭63−96335号公報
【特許文献2】特開平7−293621号公報
【特許文献3】特表平5−501441号公報
【特許文献4】特開平7−217687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
解決しようとする問題点は、非線形ばねを用いた防振マウントでは、防振対象の荷重にばらつきがあると、安定したばね定数を得難い点である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、非線形ばねを用いた防振マウントにより安定したばね定数を得るために、防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部を非線形ばねによりベース部材に対し複数点で安定支持する防振マウントであって、前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて前記非線形ばねの合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備えたことを防振マウントの特徴とする。
【0022】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねにより複数点で安定支持される防振マウントのばね定数の調節方法であって、前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させることを防振マウントのばね定数の調節方法の特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の防振マウントは、上記構成であるから、位置変更機能部により、位置決め部と非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて非線形ばねの合成ばね定数を調節することができる。
【0024】
このため、位置決め部に位置決められる防振対象の荷重にばらつきがあっても、防振マウントの合成ばね定数を安定させることができ、同等の特性で防振することができる。
【0025】
本発明の防振マウントのばね定数調節方法は、上記構成であるから、位置決め部と非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて非線形ばねの合成ばね定数を調節することができる。
【0026】
このため、位置決め部に位置決められる防振対象の荷重にばらつきがあっても、防振マウントの合成ばね定数を安定させることができ、同等の特性で防振することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ0%)。(実施例1)
【図2】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ20%)(実施例1)
【図3】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ40%)(実施例1)
【図4】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ50%)(実施例1)
【図5】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ60%)(実施例1)
【図6】防振対象の支持位置を示す概念図である。(実施例1)
【図7】(A)は、図6中右の非線形ばねの分担荷重と撓みとの関係を示すグラフ、(B)は、図6中左の非線形ばねの分担荷重と撓みとの関係を示すグラフである。(実施例1)
【図8】安定支持位置の変化と撓みとの関係を示すグラフである。(実施例1)
【図9】安定支持位置の変化に応じたばね定数の変化を示すグラフである。(実施例1)
【図10】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ0%)。(実施例2)
【図11】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ20%)(実施例2)
【図12】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ40%)(実施例2)
【図13】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ50%)(実施例2)
【図14】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ60%)(実施例2)
【図15】(A)は、非線形ばねの配置を示す平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ0%)。(実施例3)
【図16】(A)は、非線形ばねの配置を示す平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ30%)。(実施例3)
【図17】防振対象の荷重ばらつきによる非線形ばねのばね定数の変動を示すグラフである。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0028】
非線形ばねを用いた防振マウントにより安定したばね定数を得るという目的を、防振対象の位置決め部と非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて前記非線形ばねの合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備えることで実現した。
【実施例1】
【0029】
[防振マウント構造]
図1〜図5は、実施例1に係り、図1(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ0%)、図2(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ20%)、図3(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ40%)、図4(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ50%)、図5(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ60%)である。
【0030】
図1のように、防振マウント1は、平面視で円形に形成され、ベース部材としてのベース・プレート3に対し、防振対象受け部としてのアッパー・プレート5が4個の非線形ばね7a,7b,7c,7dにより複数点である4点で安定支持されたものである。非線形ばね7a,7b,7c,7dは、アッパー・プレート5及びベース・プレート3間の荷重の増加による分担荷重に応じてばね定数が減少するものであればよく、本実施例では皿ばね状のもので形成され、上下に凸縁部が周回状に形成されている。非線形ばね7a,7b,7c,7dを、板ばね等で形成することもできる。
【0031】
ベース・プレート3及びアッパー・プレート5は、例えばアルミ合金で形成されている。ベース・プレート3及びアッパー・プレート5の外周囲には、ゴムのカバー9が周回状に嵌め込まれている。
【0032】
アッパー・プレート5の中央には、防振対象を位置決める位置決め部として位置決め座11がボルト13a,13bにより締結固定されている。
【0033】
この防振マウント1には、位置決め座11と非線形ばね7a,7b,7c,7dとの間の安定支持位置を変化させて非線形ばね7a,7b,7c,7dの合成ばね定数を調節する位置変更機能部が設けられている。
【0034】
この位置変更機能部は、本実施例において、前記位置決め座11を備え、この位置決め座11の締結位置を変更可能とする複数のねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを備えて構成されている。
【0035】
アッパー・プレート5の中心Cからのねじ穴15a,15bのずれ寸法は、一例として示せば、6mmである。同様に、ねじ穴17a,17bは、12mm、ねじ穴19a,19bは15mm、ねじ穴21a,21bは、18mmである。
【0036】
これに対し、中心Cと各非線形ばね7a,7b,7c,7dの間隔は、30mmである。
【0037】
図1では、位置決め座11が、中心をアッパー・プレート5の中心Cに合わせてボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ0%に設定され、アッパー・プレート5及び位置決め座11が、4個の非線形ばね7a,7b,7c,7dにより安定支持されている。
【0038】
このようなアッパー・プレート5に対する位置決め座11のボルト13a,13bによる締結位置を、ねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを変更して安定支持位置を変化させる。
【0039】
図2では、位置決め座11が、ねじ穴15a,15bにボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ20%(6/30×100%)に設定され、安定支持される。
【0040】
図3では、位置決め座11が、ねじ穴17a,17bにボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ40%(12/30×100%)に設定され、安定支持される。
【0041】
図4では、位置決め座11が、ねじ穴19a,19bにボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ50%(15/30×100%)に設定され、安定支持される。
【0042】
図5では、位置決め座11が、ねじ穴21a,21bにボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ60%(18/30×100%)に設定され、安定支持される。
[ばね定数調節方法]
図6は、防振対象の支持位置を示す概念図、図7(A)は、図6中右の非線形ばねの分担荷重と撓みとの関係を示すグラフ、(B)は、図6中左の非線形ばねの分担荷重と撓みとの関係を示すグラフ、図8は、安定支持位置の変化と撓みとの関係を示すグラフ、図9は、安定支持位置の変化に応じたばね定数の変化を示すグラフである。
【0043】
図2〜図5のように位置決め座11の安定支持位置を変化させると、その重心ずれに応じ、図6のように防振対象23が4個の非線形ばね7a,7b,7c,7dに対して偏ることになる。
【0044】
例えば、2個の非線形ばね7a,7bの関係のみで見ると、防振対象23が非線形ばね7a(図中左)に近づき、非線形ばね7b(図中右)から遠ざかる。これを図7の撓み変化で見ると、(A)のように非線形ばね7b(右)の分担荷重は減って小、(B)のように非線形ばね7a(左)の分担荷重は増えて大となる。
【0045】
このような分担荷重の変化で、非線形ばね7a,7b,7c,7dを有した防振マウント1の荷重撓み曲線は、図2〜図5の重心ずれ量に応じて図8のように変化し、重心ずれ量の増大により同じ防振対象の荷重に対し撓み量を変えることができる。
【0046】
したがって、防振対象の荷重変化に対する防振マウント1の合成したばね定数は、図8に対応し重心ずれ量に応じて図9のように変化する。この図9から明らかなように、防振対象の荷重ばらつきに応じて重心をずらせば図9の変化曲線を選択することができ、防振マウント1の合成したばね定数を一定にすることができる。
【0047】
この場合、防振対象の荷重ばらつきの許容幅を大きくすることができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例1の防振マウントでは、防振対象を位置決め座11に位置決めるアッパー・プレート5が、ベース・プレート3に対し非線形ばね7a,7b,7c,7dによる複数点で安定支持される防振マウント1であって、位置決め座11と非線形ばね7a,7b,7c,7dとの間の安定支持位置を変化させて合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備えた。
【0048】
位置変更機能部は、アッパー・プレート5に締結位置変更可能に固定された位置決め座11を備え、この位置決め座11の締結位置を変更可能とする複数のねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを備えて構成されている。
【0049】
したがって、ねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを選択し、位置決め座11の締結位置を変更し、位置決め座11と非線形ばね7a,7b,7c,7dとの間の安定支持位置を変化させると、その重心ずれに応じ、図6のように防振対象23が4個の非線形ばね7a,7b,7c,7dに対して偏る。
【0050】
この偏りにより非線形ばね7a,7b,7c,7dの分担荷重が増減し、防振マウント1の合成ばね定数を調整することができる。
【0051】
このため、防振対象23に荷重ばらつきがあるとき、このばらつきに応じて位置決め座11の締結位置を図2〜図5のように選択し、図9のように一定のばね定数の防振マウント1を得ることができる。
【実施例2】
【0052】
図10〜図14は、実施例2に係り、図10(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ0%)、図11(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ20%)、図12(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ40%)、図13(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ50%)、図14(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ60%)である。
【0053】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にAを付し、重複した説明は省略する。
【0054】
図10〜図14のように、本実施例の防振マウント1Aは、位置変更機能部が、アッパー・プレート5Aの下面に形成された複数の螺旋溝25a,25b,25c,25d及びこの螺旋溝25a,25b,25c,25dと非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAとの間に介設されたボール27である。
【0055】
各螺旋溝25a,25b,25c,25dには、ボール27の位置決め凹部25aa,25ab,25ac,25ad,25ae、位置決め凹部25ba,25bb,25bc,25bd,25be、位置決め凹部25ca,25cb,25cc,25cd,25ce、位置決め凹部25da,25db,25dc,25dd,25deが設けられている。
【0056】
各非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAには、頂部にボール受け部29が設けられ、各ボール受け部29と各螺旋溝25a,25b,25c,25dとの間に、ボール27がそれぞれ介設されている。
【0057】
本実施例では、図10のように、アッパー・プレート5A及び位置決め座11間がボルト13a,13bにより固定され、アッパー・プレート5Aがベース・プレート3Aに対し移動して重心ずれを設定する。
【0058】
したがって、アッパー・プレート5Aの螺旋溝25a,25b,25c,25dをボール27に対し相対動させることで位置決め座11と非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAとの間の安定支持位置を変化させることができる。
【0059】
図10では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1を、ベース・プレート3Aの中心C2に合わせているため、重心ずれ0%に設定され、アッパー・プレート5及び位置決め座11が、4個の非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAにより安定支持されている。
【0060】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの端部の位置決め凹部25aa,25ba,25ca,25daに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。
【0061】
凹部25aa,25ba,25ca,25daに対する各ボール27の嵌合力は、ゴムのカバー9Aの付勢力で得ることができる。カバー9Aは付勢力を維持したままベース・プレート3Aに対して相対回転させることができる。
【0062】
このようなアッパー・プレート5A及び位置決め座11の非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対する安定支持位置は、螺旋溝25a,25b,25c,25dをボール27に対し相対動させることで変化させる。
【0063】
図11では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1とベース・プレート3Aの中心C2との間が6mmであり、ベース・プレート3Aの中心C2と非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAとの間が30mm(図10)であるため、重心ずれ20%(6/30×100%)に設定される。
【0064】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの次の位置決め凹部25ab,25bb,25cb,25dbに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。各ボール27の凹部25aa,25ba,25ca,25daから凹部25ab,25bb,25cb,25dbへの相対的な移動は、カバー9Aの付勢力により節度感を持って行わせることができる。
【0065】
図12では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1とベース・プレート3Aの中心C2との間が、12mmであり、重心ずれ40%(12/30×100%)に設定される。
【0066】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの次の位置決め凹部25ac,25bc,25cc,25dcに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。
【0067】
図13では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1とベース・プレート3Aの中心C2との間が、15mmであり、重心ずれ50%(15/30×100%)に設定される。
【0068】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの次の位置決め凹部25ad,25bd,25cd,25ddに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。
【0069】
図14では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1とベース・プレート3の中心C2との間が、18mmであり、重心ずれ60%(18/30×100%)に設定される。
【0070】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの次の位置決め凹部25ae,25be,25ce,25deに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。
【0071】
かかる設定により本実施例でも、実施例1と同様に、防振対象23に荷重ばらつきがあるときでも、このばらつきに応じてアッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1の位置を図11〜図14のように選択し、一定のばね定数の防振マウント1Aを得ることができる。
【実施例3】
【0072】
図15、図16は、実施例3に係り、図15(A)は、非線形ばねの配置を示す平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ0%)、図16(A)は、非線形ばねの配置を示す平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ30%)である。
【0073】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にBを付し、重複した説明は省略する。
【0074】
本実施例の防振マウント1Bは、非線形ばね側を相対動させて重心ずれを設定する。
【0075】
非線形ばね7aB,7dBは、アッパー・プレート5Bとベース・プレート3Bとにそれぞれ固定されたアッパー・サポート31とロワー・サポート33との間に支持されている。
【0076】
位置変更機能部は、非線形ばね7aB,7bB,7cB,7dBの何れか、例えば非線形ばね7bB,7cBをアッパー・プレート5B及びベース・プレート3B間で移動可能に支持するスライダ35である。
【0077】
スライダ35は、スライダ・ベース37及びスライダ・アッパ39間に非線形ばね7bB,7cBが支持されている。スライダ・ベース37とベース・プレート3Bとの間、スライダ・アッパ39とアッパー・プレート5Bとの間には、ボール41,43がそれぞれ複数個介設されている。
【0078】
スライダ・アッパ39に調節ねじ45の端部が回転自在に結合され、この調節ねじ45がアッパー・サポート31に軸支持され、つまみ部47が、アッパー・サポート31から突出配置されている。
【0079】
したがって、調節ねじ45を回転調節することでボール41,43を介してスライダ35をアッパー・プレート5B及びベース・プレート3B間で移動させ、非線形ばね7aB,7dBに対し非線形ばね7bB,7cBを接近離反調整することができる。
【0080】
すなわち、非線形ばねの何れかである非線形ばね7bB,7cBをアッパー・プレート5B及びベース・プレート3Bに対し相対動させることで位置決め座11Bと非線形ばね7aB,7bB,7cB,7dBとの間の安定支持位置を変化させることができる。
【0081】
図15では、スライダ35動作前であり、アッパー・プレート5B及び位置決め座11Bの中心C3が非線形ばね7aB,7bB,7cB,7dB間の配置中央に位置し、重心ずれ0%である。
【0082】
図16では、アッパー・プレート5B及び位置決め座11Bの中心C3に対し、非線形ばね7bB,7cBが42mmの位置に変更されている。重心ずれ0%の時にアッパー・プレート5B及び位置決め座11Bの中心C3と非線形ばね7cB,7dBとの間が60mm(図15)となっているため、図16では重心ずれ30%に設定される。
【0083】
かかる設定により本実施例でも、実施例1と同様に、防振対象23に荷重ばらつきがあるときでも、このばらつきに応じて非線形ばね7bB,7cBの位置を選択し、一定のばね定数の防振マウント1Bを得ることができる。
【0084】
しかも、本実施例では、非線形ばね7bB,7cBの位置を連続的に相対動させることができ、重心ずれ量を微調整することもできる。
[その他]
各実施例の数値は、一例であり、各部の設定に応じて他の寸法を選択することもできる。
【0085】
防振マウントは、防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねを含んだ複数点で安定支持される形態であればよく、少なくとも1点が非線形ばねで支持され、他の点を線形ばねで支持させることもできる。この場合、位置変更機能部は、非線形ばねの分担荷重を上記各実施例と同様に調整し線形ばねとの合成ばね定数を設定することになる。
【符号の説明】
【0086】
1,1A,1B 防振マウント
3,3B ベース・プレート(ベース部材)
5,5A,5B アッパー・プレート(防振対象受け部)
7a,7b,7c,7d,7aA,7bA,7cA,7dA,7aB,7bB,7cB,7dB 非線形ばね
11 位置決め座(位置決め部、位置変更機能部)
11B 位置決め座(位置決め部)
13a,13b ボルト(位置変更機能部)
15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21b ねじ穴(位置変更機能部)
27 ボール(位置変更機能部)
25a,25b,25c,25d 螺旋溝(位置変更機能部)
35 スライダ(位置変更機能部)
【技術分野】
【0001】
この発明は、防振マウント及びばね定数の調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、皿ばね・板ばね等の非線形ばねを用いて防振マウントを構成すると、コンパクト(低ばねストローク)でありながら、高荷重時にばね定数を小さくできる。この特長は、線形ばねにより具現化することはできず、非線形ばねを用いることでしか得られない。
【0003】
しかし、非線形ばねを防振マウントに用いる場合、線形ばねにはない課題が生じる。
【0004】
一般に防振マウントが支持する防振対象の荷重は、個体差などでばらつく。このため、ばね定数が荷重に強く依存する非線形ばねの場合、図17のように、防振対象の個体差によりばね定数が大幅にばらつき、達成すべき防振性能(低ばね定数)が得られない恐れがある。
【0005】
これに対し、防振対象(荷重)ごとに非線形ばねを設計すると著しくコスト高となり、汎用性のある防振マウントを構築することができないという新たな課題を招く。
【0006】
このような課題に対し、支持する防振対象を同じ非線形ばねで挟みこみ、この二つの非線形ばねにボルト等で締め付け力を与え、ばね定数を調整する構造がある(特許文献1、2)。
【0007】
この構造は、二つの非線形ばねに強制変位を与え、並列接続の関係にある両者の非線形ばねを同様に撓ませてばね定数を調節することを原理とする。
【0008】
しかし、この構造では、防振対象の荷重が十分小さくなくては荷重を支持することができず、非線形ばねとして過剰に荷重支持能力の高い、形状の大きなものを使用しなければならないという制約があり、コスト・形状面で問題があった。
【0009】
さらに、防振対象を何らかの方法により非線形ばね間に挟みこむ必要があり、防振対象が高荷重・大型の形状である場合に、挟み込み構造を実現するための防振マウント構造が複雑化する点にも問題があった。
【0010】
防振対象を挟みこむ片側の非線形ばねは、線形ばね・或いは荷重たわみ特性の異なる非線形ばねを用いることもできるが、前記問題を解決することはできない。
【0011】
別の対策として、特許文献2には、非線形ばね下部に線形ばねを接続し、非線形ばね下部から線形ばねに対してボルト等で締め付け力を与える構造がある。
【0012】
この構造は、非線形ばねが支持している荷重の一部を線形ばねで分担することにより、非線形ばねのばね定数を調節するものであり、並列接続の線形ばねと非線形ばねとの合成ばね定数が防振マウントのばね定数になる。
【0013】
したがって、線形ばねとしてはばね定数が低く、非線形ばねと同程度にコンパクトであり、同程度の荷重を支持できるものが必要となる。
【0014】
しかし、高荷重を支持する場合、このような特長を持つ線形ばねは存在しないため、この構造では高荷重を支持する場合に用いることができなかった。
【0015】
上記以外のばね定数を調節する方法としては、特許文献3に記載のものがある。
【0016】
この構造は、非線形ばねそのものをボルト等の締め付け機構で締め付けるものである。この構造では、締め付け機構のばね定数が非線形ばねのばね定数に対して並列接続で影響を及ぼすため、締め付け機構のばね定数以下のばね定数を達成できない。
【0017】
従って、低いばね定数を達成するためには、締め付け機構として締め付け力を維持すると共に低いばね定数である必要がある。
【0018】
しかし、非線形ばねで高荷重を支持する場合、単純なボルトなどでは締め付け力と低ばね定数とを両立できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開昭63−96335号公報
【特許文献2】特開平7−293621号公報
【特許文献3】特表平5−501441号公報
【特許文献4】特開平7−217687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
解決しようとする問題点は、非線形ばねを用いた防振マウントでは、防振対象の荷重にばらつきがあると、安定したばね定数を得難い点である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、非線形ばねを用いた防振マウントにより安定したばね定数を得るために、防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部を非線形ばねによりベース部材に対し複数点で安定支持する防振マウントであって、前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて前記非線形ばねの合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備えたことを防振マウントの特徴とする。
【0022】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねにより複数点で安定支持される防振マウントのばね定数の調節方法であって、前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させることを防振マウントのばね定数の調節方法の特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の防振マウントは、上記構成であるから、位置変更機能部により、位置決め部と非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて非線形ばねの合成ばね定数を調節することができる。
【0024】
このため、位置決め部に位置決められる防振対象の荷重にばらつきがあっても、防振マウントの合成ばね定数を安定させることができ、同等の特性で防振することができる。
【0025】
本発明の防振マウントのばね定数調節方法は、上記構成であるから、位置決め部と非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて非線形ばねの合成ばね定数を調節することができる。
【0026】
このため、位置決め部に位置決められる防振対象の荷重にばらつきがあっても、防振マウントの合成ばね定数を安定させることができ、同等の特性で防振することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ0%)。(実施例1)
【図2】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ20%)(実施例1)
【図3】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ40%)(実施例1)
【図4】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ50%)(実施例1)
【図5】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ60%)(実施例1)
【図6】防振対象の支持位置を示す概念図である。(実施例1)
【図7】(A)は、図6中右の非線形ばねの分担荷重と撓みとの関係を示すグラフ、(B)は、図6中左の非線形ばねの分担荷重と撓みとの関係を示すグラフである。(実施例1)
【図8】安定支持位置の変化と撓みとの関係を示すグラフである。(実施例1)
【図9】安定支持位置の変化に応じたばね定数の変化を示すグラフである。(実施例1)
【図10】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ0%)。(実施例2)
【図11】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ20%)(実施例2)
【図12】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ40%)(実施例2)
【図13】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ50%)(実施例2)
【図14】(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ60%)(実施例2)
【図15】(A)は、非線形ばねの配置を示す平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ0%)。(実施例3)
【図16】(A)は、非線形ばねの配置を示す平面図、(B)は、同断面図である(重心ずれ30%)。(実施例3)
【図17】防振対象の荷重ばらつきによる非線形ばねのばね定数の変動を示すグラフである。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0028】
非線形ばねを用いた防振マウントにより安定したばね定数を得るという目的を、防振対象の位置決め部と非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて前記非線形ばねの合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備えることで実現した。
【実施例1】
【0029】
[防振マウント構造]
図1〜図5は、実施例1に係り、図1(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ0%)、図2(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ20%)、図3(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ40%)、図4(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ50%)、図5(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ60%)である。
【0030】
図1のように、防振マウント1は、平面視で円形に形成され、ベース部材としてのベース・プレート3に対し、防振対象受け部としてのアッパー・プレート5が4個の非線形ばね7a,7b,7c,7dにより複数点である4点で安定支持されたものである。非線形ばね7a,7b,7c,7dは、アッパー・プレート5及びベース・プレート3間の荷重の増加による分担荷重に応じてばね定数が減少するものであればよく、本実施例では皿ばね状のもので形成され、上下に凸縁部が周回状に形成されている。非線形ばね7a,7b,7c,7dを、板ばね等で形成することもできる。
【0031】
ベース・プレート3及びアッパー・プレート5は、例えばアルミ合金で形成されている。ベース・プレート3及びアッパー・プレート5の外周囲には、ゴムのカバー9が周回状に嵌め込まれている。
【0032】
アッパー・プレート5の中央には、防振対象を位置決める位置決め部として位置決め座11がボルト13a,13bにより締結固定されている。
【0033】
この防振マウント1には、位置決め座11と非線形ばね7a,7b,7c,7dとの間の安定支持位置を変化させて非線形ばね7a,7b,7c,7dの合成ばね定数を調節する位置変更機能部が設けられている。
【0034】
この位置変更機能部は、本実施例において、前記位置決め座11を備え、この位置決め座11の締結位置を変更可能とする複数のねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを備えて構成されている。
【0035】
アッパー・プレート5の中心Cからのねじ穴15a,15bのずれ寸法は、一例として示せば、6mmである。同様に、ねじ穴17a,17bは、12mm、ねじ穴19a,19bは15mm、ねじ穴21a,21bは、18mmである。
【0036】
これに対し、中心Cと各非線形ばね7a,7b,7c,7dの間隔は、30mmである。
【0037】
図1では、位置決め座11が、中心をアッパー・プレート5の中心Cに合わせてボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ0%に設定され、アッパー・プレート5及び位置決め座11が、4個の非線形ばね7a,7b,7c,7dにより安定支持されている。
【0038】
このようなアッパー・プレート5に対する位置決め座11のボルト13a,13bによる締結位置を、ねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを変更して安定支持位置を変化させる。
【0039】
図2では、位置決め座11が、ねじ穴15a,15bにボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ20%(6/30×100%)に設定され、安定支持される。
【0040】
図3では、位置決め座11が、ねじ穴17a,17bにボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ40%(12/30×100%)に設定され、安定支持される。
【0041】
図4では、位置決め座11が、ねじ穴19a,19bにボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ50%(15/30×100%)に設定され、安定支持される。
【0042】
図5では、位置決め座11が、ねじ穴21a,21bにボルト13a,13bにより締結固定され、重心ずれ60%(18/30×100%)に設定され、安定支持される。
[ばね定数調節方法]
図6は、防振対象の支持位置を示す概念図、図7(A)は、図6中右の非線形ばねの分担荷重と撓みとの関係を示すグラフ、(B)は、図6中左の非線形ばねの分担荷重と撓みとの関係を示すグラフ、図8は、安定支持位置の変化と撓みとの関係を示すグラフ、図9は、安定支持位置の変化に応じたばね定数の変化を示すグラフである。
【0043】
図2〜図5のように位置決め座11の安定支持位置を変化させると、その重心ずれに応じ、図6のように防振対象23が4個の非線形ばね7a,7b,7c,7dに対して偏ることになる。
【0044】
例えば、2個の非線形ばね7a,7bの関係のみで見ると、防振対象23が非線形ばね7a(図中左)に近づき、非線形ばね7b(図中右)から遠ざかる。これを図7の撓み変化で見ると、(A)のように非線形ばね7b(右)の分担荷重は減って小、(B)のように非線形ばね7a(左)の分担荷重は増えて大となる。
【0045】
このような分担荷重の変化で、非線形ばね7a,7b,7c,7dを有した防振マウント1の荷重撓み曲線は、図2〜図5の重心ずれ量に応じて図8のように変化し、重心ずれ量の増大により同じ防振対象の荷重に対し撓み量を変えることができる。
【0046】
したがって、防振対象の荷重変化に対する防振マウント1の合成したばね定数は、図8に対応し重心ずれ量に応じて図9のように変化する。この図9から明らかなように、防振対象の荷重ばらつきに応じて重心をずらせば図9の変化曲線を選択することができ、防振マウント1の合成したばね定数を一定にすることができる。
【0047】
この場合、防振対象の荷重ばらつきの許容幅を大きくすることができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例1の防振マウントでは、防振対象を位置決め座11に位置決めるアッパー・プレート5が、ベース・プレート3に対し非線形ばね7a,7b,7c,7dによる複数点で安定支持される防振マウント1であって、位置決め座11と非線形ばね7a,7b,7c,7dとの間の安定支持位置を変化させて合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備えた。
【0048】
位置変更機能部は、アッパー・プレート5に締結位置変更可能に固定された位置決め座11を備え、この位置決め座11の締結位置を変更可能とする複数のねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを備えて構成されている。
【0049】
したがって、ねじ穴15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21bを選択し、位置決め座11の締結位置を変更し、位置決め座11と非線形ばね7a,7b,7c,7dとの間の安定支持位置を変化させると、その重心ずれに応じ、図6のように防振対象23が4個の非線形ばね7a,7b,7c,7dに対して偏る。
【0050】
この偏りにより非線形ばね7a,7b,7c,7dの分担荷重が増減し、防振マウント1の合成ばね定数を調整することができる。
【0051】
このため、防振対象23に荷重ばらつきがあるとき、このばらつきに応じて位置決め座11の締結位置を図2〜図5のように選択し、図9のように一定のばね定数の防振マウント1を得ることができる。
【実施例2】
【0052】
図10〜図14は、実施例2に係り、図10(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ0%)、図11(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ20%)、図12(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ40%)、図13(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ50%)、図14(A)は、防振マウントの平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ60%)である。
【0053】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にAを付し、重複した説明は省略する。
【0054】
図10〜図14のように、本実施例の防振マウント1Aは、位置変更機能部が、アッパー・プレート5Aの下面に形成された複数の螺旋溝25a,25b,25c,25d及びこの螺旋溝25a,25b,25c,25dと非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAとの間に介設されたボール27である。
【0055】
各螺旋溝25a,25b,25c,25dには、ボール27の位置決め凹部25aa,25ab,25ac,25ad,25ae、位置決め凹部25ba,25bb,25bc,25bd,25be、位置決め凹部25ca,25cb,25cc,25cd,25ce、位置決め凹部25da,25db,25dc,25dd,25deが設けられている。
【0056】
各非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAには、頂部にボール受け部29が設けられ、各ボール受け部29と各螺旋溝25a,25b,25c,25dとの間に、ボール27がそれぞれ介設されている。
【0057】
本実施例では、図10のように、アッパー・プレート5A及び位置決め座11間がボルト13a,13bにより固定され、アッパー・プレート5Aがベース・プレート3Aに対し移動して重心ずれを設定する。
【0058】
したがって、アッパー・プレート5Aの螺旋溝25a,25b,25c,25dをボール27に対し相対動させることで位置決め座11と非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAとの間の安定支持位置を変化させることができる。
【0059】
図10では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1を、ベース・プレート3Aの中心C2に合わせているため、重心ずれ0%に設定され、アッパー・プレート5及び位置決め座11が、4個の非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAにより安定支持されている。
【0060】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの端部の位置決め凹部25aa,25ba,25ca,25daに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。
【0061】
凹部25aa,25ba,25ca,25daに対する各ボール27の嵌合力は、ゴムのカバー9Aの付勢力で得ることができる。カバー9Aは付勢力を維持したままベース・プレート3Aに対して相対回転させることができる。
【0062】
このようなアッパー・プレート5A及び位置決め座11の非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対する安定支持位置は、螺旋溝25a,25b,25c,25dをボール27に対し相対動させることで変化させる。
【0063】
図11では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1とベース・プレート3Aの中心C2との間が6mmであり、ベース・プレート3Aの中心C2と非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAとの間が30mm(図10)であるため、重心ずれ20%(6/30×100%)に設定される。
【0064】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの次の位置決め凹部25ab,25bb,25cb,25dbに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。各ボール27の凹部25aa,25ba,25ca,25daから凹部25ab,25bb,25cb,25dbへの相対的な移動は、カバー9Aの付勢力により節度感を持って行わせることができる。
【0065】
図12では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1とベース・プレート3Aの中心C2との間が、12mmであり、重心ずれ40%(12/30×100%)に設定される。
【0066】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの次の位置決め凹部25ac,25bc,25cc,25dcに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。
【0067】
図13では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1とベース・プレート3Aの中心C2との間が、15mmであり、重心ずれ50%(15/30×100%)に設定される。
【0068】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの次の位置決め凹部25ad,25bd,25cd,25ddに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。
【0069】
図14では、アッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1とベース・プレート3の中心C2との間が、18mmであり、重心ずれ60%(18/30×100%)に設定される。
【0070】
このとき、各ボール27は、各螺旋溝25a,25b,25c,25dの次の位置決め凹部25ae,25be,25ce,25deに嵌合し、アッパー・プレート5Aを非線形ばね7aA,7bA,7cA,7dAに対して位置決めている。
【0071】
かかる設定により本実施例でも、実施例1と同様に、防振対象23に荷重ばらつきがあるときでも、このばらつきに応じてアッパー・プレート5A及び位置決め座11の中心C1の位置を図11〜図14のように選択し、一定のばね定数の防振マウント1Aを得ることができる。
【実施例3】
【0072】
図15、図16は、実施例3に係り、図15(A)は、非線形ばねの配置を示す平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ0%)、図16(A)は、非線形ばねの配置を示す平面図、(B)は、同断面図(重心ずれ30%)である。
【0073】
なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にBを付し、重複した説明は省略する。
【0074】
本実施例の防振マウント1Bは、非線形ばね側を相対動させて重心ずれを設定する。
【0075】
非線形ばね7aB,7dBは、アッパー・プレート5Bとベース・プレート3Bとにそれぞれ固定されたアッパー・サポート31とロワー・サポート33との間に支持されている。
【0076】
位置変更機能部は、非線形ばね7aB,7bB,7cB,7dBの何れか、例えば非線形ばね7bB,7cBをアッパー・プレート5B及びベース・プレート3B間で移動可能に支持するスライダ35である。
【0077】
スライダ35は、スライダ・ベース37及びスライダ・アッパ39間に非線形ばね7bB,7cBが支持されている。スライダ・ベース37とベース・プレート3Bとの間、スライダ・アッパ39とアッパー・プレート5Bとの間には、ボール41,43がそれぞれ複数個介設されている。
【0078】
スライダ・アッパ39に調節ねじ45の端部が回転自在に結合され、この調節ねじ45がアッパー・サポート31に軸支持され、つまみ部47が、アッパー・サポート31から突出配置されている。
【0079】
したがって、調節ねじ45を回転調節することでボール41,43を介してスライダ35をアッパー・プレート5B及びベース・プレート3B間で移動させ、非線形ばね7aB,7dBに対し非線形ばね7bB,7cBを接近離反調整することができる。
【0080】
すなわち、非線形ばねの何れかである非線形ばね7bB,7cBをアッパー・プレート5B及びベース・プレート3Bに対し相対動させることで位置決め座11Bと非線形ばね7aB,7bB,7cB,7dBとの間の安定支持位置を変化させることができる。
【0081】
図15では、スライダ35動作前であり、アッパー・プレート5B及び位置決め座11Bの中心C3が非線形ばね7aB,7bB,7cB,7dB間の配置中央に位置し、重心ずれ0%である。
【0082】
図16では、アッパー・プレート5B及び位置決め座11Bの中心C3に対し、非線形ばね7bB,7cBが42mmの位置に変更されている。重心ずれ0%の時にアッパー・プレート5B及び位置決め座11Bの中心C3と非線形ばね7cB,7dBとの間が60mm(図15)となっているため、図16では重心ずれ30%に設定される。
【0083】
かかる設定により本実施例でも、実施例1と同様に、防振対象23に荷重ばらつきがあるときでも、このばらつきに応じて非線形ばね7bB,7cBの位置を選択し、一定のばね定数の防振マウント1Bを得ることができる。
【0084】
しかも、本実施例では、非線形ばね7bB,7cBの位置を連続的に相対動させることができ、重心ずれ量を微調整することもできる。
[その他]
各実施例の数値は、一例であり、各部の設定に応じて他の寸法を選択することもできる。
【0085】
防振マウントは、防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねを含んだ複数点で安定支持される形態であればよく、少なくとも1点が非線形ばねで支持され、他の点を線形ばねで支持させることもできる。この場合、位置変更機能部は、非線形ばねの分担荷重を上記各実施例と同様に調整し線形ばねとの合成ばね定数を設定することになる。
【符号の説明】
【0086】
1,1A,1B 防振マウント
3,3B ベース・プレート(ベース部材)
5,5A,5B アッパー・プレート(防振対象受け部)
7a,7b,7c,7d,7aA,7bA,7cA,7dA,7aB,7bB,7cB,7dB 非線形ばね
11 位置決め座(位置決め部、位置変更機能部)
11B 位置決め座(位置決め部)
13a,13b ボルト(位置変更機能部)
15a,15b、17a,17b、19a,19b、21a,21b ねじ穴(位置変更機能部)
27 ボール(位置変更機能部)
25a,25b,25c,25d 螺旋溝(位置変更機能部)
35 スライダ(位置変更機能部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねによる複数点で安定支持される防振マウントであって、
前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて前記非線形ばねの分担荷重を調整し合成ばね定数を設定する位置変更機能部を備えた、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項2】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねを含んだ複数点で安定支持される防振マウントであって、
前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて前記非線形ばねの分担荷重を調整し合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備えた、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項3】
請求項1又は2記載の防振マウントであって、
前記位置変更機能部は、前記防振対象受け部に締結位置変更可能に固定された位置決め座を備え、
前記防振対象受け部に対する前記位置決め座の締結位置を変更して前記安定支持位置を変化させる、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項4】
請求項3記載の防振マウントであって、
前記防振対象受け部は、前記位置決め座の固定位置を複数段階に位置変更させる複数箇所の締結部を備えた、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項5】
請求項1又は2記載の防振マウントであって、
前記位置変更機能部は、前記防振対象受け部に形成された螺旋溝及びこの螺旋溝と前記非線形ばねとの間に介設されたボールを備え、
前記防振対象受け部の螺旋溝を前記ボールに対し相対動させることで前記安定支持位置を変化させる、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項6】
請求項1又は2記載の防振マウントであって、
前記位置変更機能部は、前記非線形ばねの何れかを前記防振対象受け部及びベース部材間で移動可能に支持するスライダであり、
前記非線形ばねの何れかを前記防振対象受け部及びベース部材に対し相対動させることで前記安定支持位置を変化させる、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の防振マウントであって、
前記非線形ばねは、前記防振対象受け部及びベース部材間の荷重の増加による分担荷重に応じてばね定数が減少する、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項8】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねにより複数点で安定支持される防振マウントのばね定数調節方法であって、
前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて合成ばね定数を調節する、
ことを特徴とする防振マウントのばね定数調節方法。
【請求項9】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねを含む複数点で安定支持される防振マウントのばね定数の調節方法であって、
前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて合成ばね定数を調節する、
ことを特徴とする防振マウントのばね定数調節方法。
【請求項10】
請求項8又は9記載の防振マウントのばね定数調節方法であって、
前記非線形ばねは、前記防振対象受け部及びベース部材間の荷重の増加による分担荷重に応じてばね定数が減少する、
ことを特徴とする防振マウントのばね定数調節方法。
【請求項1】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねによる複数点で安定支持される防振マウントであって、
前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて前記非線形ばねの分担荷重を調整し合成ばね定数を設定する位置変更機能部を備えた、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項2】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねを含んだ複数点で安定支持される防振マウントであって、
前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて前記非線形ばねの分担荷重を調整し合成ばね定数を調節する位置変更機能部を備えた、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項3】
請求項1又は2記載の防振マウントであって、
前記位置変更機能部は、前記防振対象受け部に締結位置変更可能に固定された位置決め座を備え、
前記防振対象受け部に対する前記位置決め座の締結位置を変更して前記安定支持位置を変化させる、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項4】
請求項3記載の防振マウントであって、
前記防振対象受け部は、前記位置決め座の固定位置を複数段階に位置変更させる複数箇所の締結部を備えた、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項5】
請求項1又は2記載の防振マウントであって、
前記位置変更機能部は、前記防振対象受け部に形成された螺旋溝及びこの螺旋溝と前記非線形ばねとの間に介設されたボールを備え、
前記防振対象受け部の螺旋溝を前記ボールに対し相対動させることで前記安定支持位置を変化させる、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項6】
請求項1又は2記載の防振マウントであって、
前記位置変更機能部は、前記非線形ばねの何れかを前記防振対象受け部及びベース部材間で移動可能に支持するスライダであり、
前記非線形ばねの何れかを前記防振対象受け部及びベース部材に対し相対動させることで前記安定支持位置を変化させる、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の防振マウントであって、
前記非線形ばねは、前記防振対象受け部及びベース部材間の荷重の増加による分担荷重に応じてばね定数が減少する、
ことを特徴とする防振マウント。
【請求項8】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねにより複数点で安定支持される防振マウントのばね定数調節方法であって、
前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて合成ばね定数を調節する、
ことを特徴とする防振マウントのばね定数調節方法。
【請求項9】
防振対象を位置決め部に位置決める防振対象受け部が、ベース部材に対し非線形ばねを含む複数点で安定支持される防振マウントのばね定数の調節方法であって、
前記位置決め部と前記非線形ばねとの間の安定支持位置を変化させて合成ばね定数を調節する、
ことを特徴とする防振マウントのばね定数調節方法。
【請求項10】
請求項8又は9記載の防振マウントのばね定数調節方法であって、
前記非線形ばねは、前記防振対象受け部及びベース部材間の荷重の増加による分担荷重に応じてばね定数が減少する、
ことを特徴とする防振マウントのばね定数調節方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−246939(P2012−246939A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116650(P2011−116650)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]