説明

防水カメラ

【目的】 部品点数を少なくしコストを低く抑えた防水カメラを得る。
【構成】 防水カメラにおいて、カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を設け、該水圧検知手段を、水圧の表示手段,水深の表示手段,過水圧の警告手段の、少なくとも一つを兼ね備える様に構成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、水中にて使用される防水カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水中撮影可能な防水カメラに、水圧もしくは水深を検知する検知手段を設け、検知手段で得られた水圧情報や水深情報を基に、水中における種々の問題を解決する発明がなされている。例えば、特開昭55−140828号公報には、水圧検知手段及び水圧表示手段を有するカメラが開示されている。
【0003】この防水カメラを図1に示す。カメラ本体1には、水圧検知手段2及び水圧表示手段3が設置されており、水圧検知手段2で検知された水圧値は、水圧表示手段3によって表示される。又、特開平3−239233号には、水圧検知手段及び警告手段を有するカメラが開示されている。
【0004】上記の水圧検知手段及び警告手段を図2に示す。カメラ本体1には、水圧検知手段として有底検知孔41と導体42、43と警告手段としてブザー47が設置されている。カメラボディに作用する水圧が設定耐水圧に近くなったとき、周囲の水が、有底検知孔41に侵入する。この侵入した水によって二つの導体が導通され、警報手段が警報を発する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の防水カメラは、防水処理が施されてはいるが、水中に沈めた際、水圧とカメラ内部の圧力との差による、シャッターレリーズ釦等の押釦の誤動作,ズーミングや焦点調整等の撮影レンズを移動させる際の動きにくさ,カメラ構成要素の故障ないし破損等の、種々の問題が生じる。
【0006】又、水中での光の減衰率が空気中と異なる為に、水中で写真を撮ると青みがかった色になってしまい、被写体が本来有する色を写し出せなかった。更に、水中では、空気中に対し屈折率が異なる為、又、水圧により撮影レンズやフィルムが変形し、焦点位置のズレが生じていた。又、上記特開昭55−140828号に開示されたカメラにおいては、水圧検知手段と表示手段が独立しているので、部品点数及びコストが増加してしまうという欠点がある。
【0007】同様に、上述の特開平3−239233号に開示されたカメラにおいても、水圧検知手段と警告手段が独立しているので、部品点数及びコストが増加してしまうという欠点がある。本発明は、上述の不具合を解決する為になされたものであり、水圧/水深検知手段から得られた水圧/水深データを基に、上述した種々の問題点を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明における防水カメラは、カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を有し、該水圧検知手段が、水圧の表示手段,水深の表示手段,過水圧の警告手段の、少なくとも一つを兼ね備えることを特徴とする。また、第2の発明における防水カメラは、カメラが水中にあることを認識する水中検知手段と、この水中検知手段がカメラが水中にあることを認識した際に、水中における撮影レンズの焦点位置のズレを補正した焦点調整を行う焦点調整手段とを具備することを特徴とする。
【0009】更に第3の発明における防水カメラは、水深を測定する水深検知手段と、被写体距離を測定する測距手段と、水中における光の減衰率データを記憶する記憶装置と、水中における減衰率データと水深と被写体距離から光の波長別の減衰率の違いからおこる色調の変化を補う補正値を算出する算出手段と、補正値に応じ補正を行う色補正手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
【作用】第1の発明における防水カメラは、水圧検知手段が水圧の表示手段,水深の表示手段,過水圧の警告手段の少なくとも一つを兼用する。第2の発明における防水カメラは、水中検知手段がカメラが水中にあることを認識した際に、撮影レンズの焦点位置のズレを補正するものである。
【0011】第3の発明における防水カメラは、水中における減衰率データと水深と被写体距離から光の波長別の減衰率の違いからおこる色調の変化を補う補正値を算出して補正を行うものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図3乃至図5に基づいて説明する。図3は本実施例の第1実施例の防水カメラを斜め後側から見た斜視図である。カメラ本体1の所定の位置には、水圧を検知する為の水圧検知手段2が設けられている。図4は上記水圧検知手段2の正面図であり、図5は上記水圧検知手段2の長手方向の断面図である。
【0013】上記水圧検知手段2は透明シリンダー5aと該透明シリンダー5aの内面に沿って移動可能なピストン5bとで構成されている。又、ピストン5bの外周に、該ピストン5bと透明シリンダー5aの内面とで構成された気密室5hの気密性を保つ為の気密シール5cが設けてある。透明シリンダー5aには、目盛5dと、カメラに所定の水圧以上の圧力がかかった際の警告としての警告表示5fとが設けてある。又、カメラ本体1には透明シリンダー5aに隣接した位置に水圧と水深の少なくとも一方を示す表示5eが目盛5dに合わせて設けてある。この表示5e,目盛5dは、水圧8に応じたピストン5bの位置に表示される。警告表示5fは、水圧8が所定の水圧以上となったときにピストン5bが位置する範囲に設けられている。尚、本実施例では、所定の水圧としてカメラの耐水圧より低い水圧を用い、カメラ外部の水圧がカメラの耐水圧を超える前に警告を行う様にする。
【0014】水圧検知手段2を上記の様な構成にすることによって、カメラを水中に沈めていくと、水圧8の変化に応じたピストン5bの位置から、水圧と水深の少なくとも一方を確認することができ、水圧8がカメラの所定の水圧にさしかかると、ピストン5bが警告表示5fの範囲内に位置し過水圧の警告が行われる。以上の様に本実施例によれば、水圧検知手段が、表示手段と警告手段の少なくとも一方を兼ね備えることにより、部品点数及びコストの削減をはかることが可能となる。
【0015】尚本実施例では、目盛5d又は表示5e、警告表示5fは上記の様な位置に設けたが、夫々カメラ本体側もしくは透明シリンダー5aのどちらに設けても構わない。又、表示5eと警告表示5fの一方のみを設けても構わない。本実施例では、水中での水圧変化における作用について述べたが、大気中での気圧の変化においても同様な作用をもたらすことが可能である。更に本実施例では、シリンダー5aを透明な部材としたが、外部からピストン5bが目視できるものであればよい。
【0016】次に、本発明の第2実施例を図6乃至図8に基づいて説明する。本実施例は、水圧検知手段2を基端が閉じ先端が開いた弾性チューブ6aと透明板6bで構成したものである。図6は本実施例の水圧検知手段2の正面図であり、図7は本実施例の大気中での水圧検知手段2の長手方向断面図、図8は本実施例の水中での水圧検知手段2の長手方向断面図である。
【0017】透明板6bには、目盛6dとカメラに所定の水圧以上の圧力が加わった際の警告として警告表示6fが設けてある。カメラ本体1には、透明板6bに隣接した位置に水圧と水深もしくはどちらか一方を示す表示6eが目盛6dに合わせて設けてある。又、弾性チューブ6a及び透明板6bは、弾性チューブ6aと透明板6bとカメラ本体1とで構成される気密室6hの気密性を保つ様、シリコン接着剤11で接着されている。この際、弾性チューブ6aは、開いている側をカメラ外部に向け設置される。
【0018】弾性チューブ6aは、外部の水圧8が上がると膨らみ逆に水圧8が下がると縮む様になっている。弾性チューブ6aが膨らむことにより弾性チューブ6aは透明板に密着し、水圧8の変化に応じ弾性チューブ6aの透明板に密着する密着部6iの面積が変化しメーターの作用をする。表示6e及び目盛6dは、水圧8に応じた密着部の端部(密着端部6j)の位置に表示されている。又、警告表示6fは、水圧8が所定の水圧以上となったときに密着端部6jが位置する範囲に設けられている。尚、本実施例では、所定の水圧としてカメラの耐水圧より低い水圧を用い、カメラ外部の水圧がカメラの耐水圧を超える前に警告を行う様に構成する。
【0019】水圧検知手段2を上記の如く構成することによって、カメラを水中に沈めていくと、水圧8の変化に応じた密着端部6jの位置に設けた表示6eもしくは目盛6dによって、水圧と水深の少なくとも一方を確認することができ、水圧がカメラの所定の水圧にさしかかると、密着端部6jが警告表示6fの範囲内に位置し過水圧の警告を行う。
【0020】以上の様に本実施例によれば、水圧検知手段が、表示手段と警告手段の少なくとも一方を兼ね備えることによって、部品点数及びコストの削減をはかることが可能となる。尚本実施例では、表示6e及び目盛6d、警告表示6fを上記の位置に設けたが、それぞれ透明板6bもしくはカメラ本体1のどちらに設けても構わない。又、弾性チューブ6aに設けても構わない。又、本実施例では表示6eと警告表示6fを設けたが一方のみを設けても構わない。又、本実施例では弾性チューブ6aが密着する被密着部材として透明板6bを用いたが、外部から弾性チューブ6aの密着部6iが目視できるものであればよい。更に本実施例では、水中での水圧変化における作用について述べたが、大気中での気圧の変化においても同様な作用をもたらすことが可能である。
【0021】次に、本発明の第3実施例を図9及び図10に基づいて説明する。本実施例は、水圧検知手段2を透明弾性膜7aと凹部7bで構成したものである。図9は本実施例の水圧検知手段2の正面図であり、図10は本実施例の水圧検知手段2の長手方向の断面図である。
【0022】透明弾性膜7aは、透明弾性膜7aと凹部7bとで構成される気密室7hの気密性を保つ様に、凹部7bの上端に設けた縁部10にシリコン接着剤11によって接着されている。透明弾性膜7aには、目盛7dとカメラに所定の水圧以上の圧力が加わった際の警告として警告表示7fが設けてある。カメラ本体1には透明弾性膜7aに隣接した位置に水圧と水深の一方を示す表示7eが目盛7dに合わせて設けてある。透明弾性膜7aは、水圧8により凹部7bに設けた傾斜部7cに密着し、水圧8の変化に応じ透明弾性膜7aの傾斜部7cに密着する密着部7iの面積が変化しメーターの作用をする。表示7e,目盛7dは、水圧8に応じた密着部の端部(密着端部7j)の位置に表示されている。又、警告表示7fは、水圧8が所定の水圧以上となった時に密着端部7jが位置する範囲に設けられている。尚、本実施例では、所定の水圧としてカメラの耐水圧より低い水圧を用い、カメラ外部の水圧がカメラの耐水圧を超える前に警告を行う様にする。
【0023】水圧検知手段2を上記の様な構成にすることによって、カメラを水中に沈めると、水圧8の変化に応じた密着端部7jの位置から表示7eもしくは目盛7dを読み取り、水圧と水深の少なくとも一方を確認することができ、水圧がカメラの所定の水圧にさしかかると、密着端部7jが警告表示7fの範囲内に位置し過水圧の警告となる。
【0024】以上の様に本実施例によれば、水圧検知手段が、表示手段と警告手段の少なくとも一方を兼ね備えることによって、部品点数及びコストの削減をはかることが可能となる。尚本実施例では、表示7e及び目盛7d、警告表示7fを上記の位置に設けたが、それぞれ透明弾性膜7aもしくはカメラ本体1のどちらに設けても構わない。又、凹部7bに設けても構わない。又、本実施例では表示7eと警告表示7fを設けたが一方のみを設けても構わない。又本実施例では、弾性膜を透明としたが、透明弾性膜7aの傾斜部7cに密着する密着部7iが外部から目視できるものであればよい。更に本実施例では、水中での水圧変化における作用について述べたが、大気中での気圧の変化においても同様な作用をもたらす。
【0025】次に、本発明の第4実施例を図11乃至図13に基づいて説明する。本実施例は水圧検知手段2を円筒凹部15と円形透明板13と弾性体14とで構成したものである。図11は本実施例の大気中での水圧検知手段2の断面図、図12は本実施例の水中での水圧検知手段2の断面図である。
【0026】図11において、上記水圧検知手段2はカメラ本体1に設けた円筒凹部15と円形透明板13と球に円柱状の凸部を設けた弾性体14とで構成されている。円筒凹部15の底部10には円孔16が設けてあり、この円孔16に弾性体14の円柱凸部17を差し込み弾性体14の位置決めを行う。又、円筒凹部15には円形透明板13が弾性体14の球面に接する様に設置されており、円形透明板13は円筒凹部15の内側面に沿って移動可能となっている。更に、円形透明板13の外周には気密シール5cが設けてあり、円形透明板13と円筒凹部15からなる空間の気密を保つ。
【0027】以上の様な構成にすることによって、外部から円形透明板13を介して弾性体14と底部10の色が目視できる。カメラを水中に沈めると、図12の如く水圧の変化に従い、円形透明板13が弾性体14を押し潰し、外部から目視される弾性体14と底部10の色の比率が変化する。この際、水圧8に応じて、目視される弾性体の外周に一致させる様に、水圧もしくは水深の少なくとも一方の表示19と目盛20を設けることにより、水圧もしくは水深の少なくとも一方を確認することができる。又、水圧がカメラの所定の水圧にさしかかると、底部10の色が見えなくなる様にし、その状態を過水圧の警告とすることができる。尚、本実施例では、所定の水圧としてカメラの耐水圧より低い水圧を用い、カメラ外部の水圧がカメラの耐水圧を超える前に警告を行う様にする。
【0028】以上の様に本実施例によれば、水圧検知手段が、表示手段と警告手段の少なくともどちらか一方を兼ね備えることによって、部品点数及びコストの削減をはかることが可能となる。尚、本実施例では、外部の水圧がカメラの耐水圧以上に達した際、底部10の色が見えなくなる様にする状態を過水圧の警告としたが、外部から目視される弾性体の外周に一致させる様に設けた警告表示を、円形透明板13に設けることによって、警告としてもかまわない。又、表示19及び目盛20を上記の位置に設けたが、それぞれ円筒凹部15の底部10に設けてもかまわない。又、警告表示も設けても構わない。更に本実施例では、水中での水圧変化における作用について述べたが、大気中での気圧の変化においても同様な作用をもたらす。
【0029】次に、本発明の第5実施例を図14及び図15に基づいて説明する。本実施例は、水圧検知手段2を開口部21と金属薄膜22と蓋23で構成したものである。図14は本実施例の水圧検知手段2の断面図、図15は過水圧が加わった際における水圧検知手段2の断面図である。
【0030】図14において、上記水圧検知手段2はカメラ本体1に設けた開口部21に蓋23によって固定された金属薄膜22を有する。尚、金属薄膜22はカメラ外部側に凸となる様な形状をしている。又、金属薄膜22と蓋23は、蓋23と金属薄膜22とで構成される気密室25の気密性を保つ様に、シリコン接着剤によって接着されている。
【0031】以上の様な構成にすることによって、大気圧中では、金属薄膜22はカメラ外部側に凸となる形状をしている。カメラを水中に沈めると、カメラ外部の水圧が所定の値にさしかかった際にその水圧により金属薄膜22は図15に示す如くカメラ内部側に凸となる様に変形する。この変形の際に発する音を過水圧の警告とする。又、この状態からカメラを上げて行くとカメラ外部の水圧が下がりかつ気密室25の気密性が保たれている為、金属薄膜22はカメラ外部側に凸となる形状にもどる。
【0032】以上の様に本実施例によれば、水圧検知手段が、警告手段を兼ね備えることによって、部品点数及びコストの削減をはかることが可能となる。次に、本発明の第6実施例を図16に基づいて説明する。図16は本実施例の防水カメラの概略断面図である。図16において、本実施例の防水カメラは前カバーF1と、裏蓋F2と、撮影レンズF3−2を有しズーミングやフォーカシングで光軸方向に移動可能な鏡枠F3と、レリーズ釦の如くカメラの操作を行う為の押釦F4と、カメラ外部の水圧を検知しかつカメラ内部の圧力を調整する内圧調整手段F10とで構成されている。又、内圧調整手段F10は、シリンダーF6と、シリンダーF6に沿って移動可能なピストンF5とで構成されている。更に、カメラ内部の気密性を保つ為に、前カバーF1と裏蓋F2の間に裏蓋パッキンF8,前カバーF1と鏡枠F3の間に鏡枠パッキンF9,ピストンF5とシリンダーF6の間に気密シールF11が設けてある。又、押釦F4は前カバーF1にシリコン接着剤によってカメラの気密性を保って接着されている。尚F7はカメラに装填された撮影用フィルムである。
【0033】この様に構成されたカメラを水中に沈めると、水圧の変化に応じ、ピストンF5はカメラ外部の水圧とカメラ内部の圧力とが等しくなる位置に移動する。よって、カメラを常に内外圧差のない状態に保つことが出来る。尚、上記内圧調整手段F10は第1実施例と同様にシリンダーF6を透明にし水圧表示手段と水深表示手段と過水圧時の警告表示手段との少なくとも一つを設けることによって、撮影者が外部の水圧と水深と過水圧時の警告との少なくとも一つを確認することができ、水圧検知手段をも兼ねることが可能である。又、本実施例では、水圧検知手段と内圧調整手段を一手段で行っているが、水圧検知手段と内圧調整手段とを別々の手段にしても構わない。更に、本実施例では水中での水圧変化における作用について述べたが、大気中での気圧の変化においても同様に、常にカメラの内外圧差がない状態に保つことができる。
【0034】以上の様に本実施例によれば、常にカメラの内外圧差がない状態に保つことができるので、カメラを水中に沈めた際、水圧とカメラ内部の圧力との差による、シャッターレリーズ釦等の押釦の押し込みによる誤動作、ズーミング等カメラの駆動部におけるカメラ外圧からの影響をなくすと共に、カメラ構成要素の故障ないし破損、カメラ構成要素の変形による焦点位置のズレ、等種々の問題を防止することが可能である。
【0035】次に、本発明の第7実施例を図17に基づいて説明する。図17は本実施例の防水カメラの概略断面図である。本実施例の防水カメラは水圧を検知し電気的に出力可能な水圧検知手段F12と、カメラ内部の圧力を検知する内圧検知手段F17と、圧縮ガスが封入されたガスボンベF16と、ガスボンベF16からカメラ内部にガスを噴出させ、かつ噴出させるガス量を調整する弁F14と、カメラ内部に溜まったガスをカメラ外部に噴出させ、かつ噴出させるガス量を調整する弁F15と、水圧検知手段F12が出力する水圧情報と、内圧検知手段F17が出力する内圧情報とに基づいて水圧とカメラ内圧を等しくするために、弁F14にカメラ内部に噴出させるガス量もしくは弁F15にカメラ外部に噴出させるガス量を算出し、夫々のガス量データに基づいて弁F14ないし弁F15を制御してカメラの内圧を調整する内圧制御回路F13とが設けられている。尚,その他の構成要件については第6実施例と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0036】この様に構成されたカメラを水中に沈めると、水圧の変化に応じ、水圧検知手段F12が水圧を測定し内圧制御回路F13に水圧情報として出力する。又、内圧検知手段F17はカメラ内部の圧力を測定し内圧制御回路F13に内圧情報として出力する。内圧制御回路F13は、カメラの内圧と外部の水圧とが等しくなる様に、前記水圧情報と内圧情報とに基づいてガスボンベF16からカメラ内部に噴出させるガス量もしくはカメラ内部に溜まったガスをカメラ外部に噴出させるガス量を算出する。算出された各々のガス量データに基づき、弁F14もしくは弁F15を制御してガスを噴出させカメラの内圧と水圧とを等しくする。
【0037】以上説明した様に本実施例においても第6実施例と同様にカメラの内圧とカメラ外部の水圧との圧力差による種々の問題を防止することができる。又本実施例に於いても大気中での気圧変化に対しても同様な効果が得られる。次に、本発明の第8実施例を図18に基づいて説明する。図18は、本実施例の防水カメラの概略断面図である。
【0038】図18において、本実施例の防水カメラは前カバーG1と、裏蓋G2と撮影レンズG3−2を有し、ズーミングやフォーカシングでカメラの前後方向に移動可能な鏡枠G3と、カメラのレリーズ釦の様にカメラの操作を行うための押釦G4と、カメラ外部の水圧を検知し水圧データを電気的に出力可能な水圧検知手段G12と、撮影レンズのズーミングやピント調整等における鏡枠G3の移動を行う鏡枠送り機構G5と、あらゆる水圧において、鏡枠G3が一定速度で動く様に、鏡枠送り機構G5が具備する不図示のモータの所定の駆動電圧を記憶し、かつ鏡枠G3の移動速度を一定に保つ様に、モータの駆動電圧を水圧データと鏡枠の移動する方向から算出する電圧制御回路G6とで構成されている。
【0039】又、鏡枠送り機構G5はモータの回転軸に取り付けられ、鏡枠G3に設けたラックG11と噛み合うギアG10を有し、モータの回転を鏡枠G3に伝達している。更に、カメラ内部の気密性を保つ為に、前カバーG1と裏蓋G2の間に裏蓋パッキンG8、前カバーG1と鏡枠G3の間に鏡枠パッキンG9が設けてあり、押釦G4は前カバーG1にシリコン接着剤によってカメラの気密性を保つ様に接着されている。尚G7はカメラに装填された撮影用フィルムを示す。
【0040】この様に構成されたカメラで水中撮影を行う場合の作用を説明する。まず、撮影レンズのズーミングやピント調整等において、鏡枠G3をカメラ外部側に繰り出そうとすると、大気中に比べ外部の圧力が高い分、鏡枠G3がカメラ内部側に押し込まれるので、鏡枠G3をカメラ外部側に繰り出す速度は遅くなる。そこで、鏡枠G3を繰り出す速度が、大気圧(1気圧)において設定された所定の速度となる様に、モータの駆動電圧を高くする。逆に、鏡枠G3をカメラ内部側に繰り込もうとすると、大気中に比べ外部の圧力が高い分、鏡枠G3がカメラ内部側に押し込まれるので、鏡枠G3をカメラ内部側に繰り込む速度は速くなる。そこで、鏡枠G3を繰り込む速度が、大気圧において設定された所定の速度となる様に、モータの駆動電圧を低くする。
【0041】尚、モータの駆動電圧は、電圧制御回路G6によって、水圧検知手段G12で検知された水圧データと、その時の鏡枠G3の移動方向とから、鏡枠G3の移動速度が設定された所定の速度となる様に算出される。更に、本実施例では、鏡枠G3の移動速度を水中でも大気中でも一定に保つ為にモータの駆動電圧を変化させたが、鏡枠G3とモータ間のギア比を変えることによっても可能である。又本実施例では、鏡枠の送り機構はラックとギアの組み合わせであるがアクチュエータを用いて鏡枠の駆動を行う機構であれば、例えば送りネジやカムカン等による送り機構であっても何等問題はない。
【0042】以上の様に本実施例によれば、水中にあって水圧を受けても常に一定の移動速度で鏡枠の繰出し、繰り込み動作が行えるので違和感のない動作を行うことができる。次に、本発明の第9実施例を図19に基づいて説明する。
【0043】図19において、本実施例の防水カメラは前カバーG1と、裏蓋G2と、撮影レンズG3−2を有し、ズーミングやフォーカシングでカメラの前後方向に移動可能な鏡枠G3と、レリーズ釦の様にカメラの操作を行う為の押釦G4と、カメラ外部の水圧を検知し水圧データを電気的に出力可能な水圧検知手段G12と、撮影レンズのズーミングやピント調整等における鏡枠G3の移動を行う第8実施例と同様の鏡枠送り機構G5と、撮影レンズのズーミングやピント調整等における鏡枠G3の移動量を検知する鏡枠移動検知手段G20と、あらゆる水圧において、鏡枠G3が一定速度で動く様に、鏡枠G3の駆動負荷を一定となる様に調整する負荷調整手段G21と、水圧に応じて鏡枠G3が一定の速度で動く様な駆動負荷を算出し、負荷調整手段G21を制御する制御回路G19とで構成されている。
【0044】更に、負荷調整手段G21は、前カバーG1に設けた円柱状のガイドG13と、鏡枠G3に設けられた爪部G14と、爪部G14を付勢するコイルバネG15と、ラックG21が設けられかつコイルバネG15を位置決めさせるバネ抑えG16と、バネ抑えG16を動かす為のアクチュエータとしてのモータG18と、モータG18の回転軸に取り付けられラックG21と噛み合うギアG17とで構成されている。
【0045】尚、爪部G14とバネ抑えG16とには穴が設けられており、その穴にガイドG13が差し込まれている。よって爪部G4とバネ抑えG16とは、ガイドG13にそって移動可能である。更に、カメラ内部の気密性を保つ為に、前カバーG1と裏蓋G2の間に裏蓋パッキンF8、前カバーG1と鏡枠G3の間に鏡枠パッキンG9、が設けてあり、押釦G4は前カバーG1にシリコン接着剤によってカメラの気密性を保つ様に接着されている。尚G7はカメラに装填された撮影用フィルムである。
【0046】この様に構成されたカメラで水中撮影を行う場合の作用を説明する。まず、撮影レンズのズーミングやピント調整等において、鏡枠G3をカメラ外部側に繰り出そうとすると、大気中に比べ外部の圧力が高い分、鏡枠G3がカメラ内部側に押し込まれるので、鏡枠G3をカメラ外部側に繰り出す速度は遅くなる。そこで、水圧検知手段G12が出力する水圧情報に基づいて制御回路G19がモータG18を回転させ、バネ抑えG16をコイルバネG15の力量と水圧により鏡枠G3がカメラの内側に押し込まれる力量とが釣り合う様な位置まで移動させた後、鏡枠G3を繰り出す。更に制御回路G19は鏡枠G3の繰出しがなされてもコイルバネG15の力量が一定となる様に鏡枠移動検知手段G20の出力に応じてバネ抑えG16を動かしていき、コイルバネG15の力量と水圧により鏡枠G3がカメラの内側に押し込まれる力量とが常に釣り合う様にする。
【0047】逆に、鏡枠G3をカメラ内部側に繰り込もうとすると、大気中に比べ外部の圧力が高い分、鏡枠G3がカメラ内部側に押し込まれるので、鏡枠G3をカメラ内部側に繰り込む速度は速くなる。そこで、鏡枠G3を繰り出すときと同様にコイルバネG15の力量と水圧により鏡枠G3がカメラの内側に押し込まれる力量とが常に釣り合う様にバネ抑えG16を移動させる。
【0048】この様にすることで鏡枠G3の駆動負荷は水中に於いて水圧を受ける様な場合であっても常に一定となり鏡枠G3の駆動速度も常に一定とする事ができる。又本実施例では、鏡枠送り機構はラックとギアの組み合わせであるがこれに限定するものではない。例えば送りネジ方式でも良いしカムカン方式でも良い。更に本実施例では鏡枠送り機構のアクチュエータとしてモータを用いているが勿論他のアクチュエータでも良いし、手動による操作でも良い。又本実施例では、コイルバネを用いて駆動負荷を調整しているが、他の種類のバネやゴムなどの弾性部材を用いても良い。更に本実施例では、鏡枠G3が移動しても鏡枠G3の駆動負荷が一定となる様にバネ抑えG16を動かしているが、鏡枠G3の移動量が少ない場合や、鏡枠G3が移動中に移動速度の変化があっても良い場合はバネ抑えG16を鏡枠G3の移動量に合わせて動かさなくとも良い。尚本実施例では、水中での水圧変化における作用について述べたが、大気中での気圧の変化に於いても同様に、鏡枠の移動速度を一定にすることも可能である。
【0049】以上説明した様に本実施例による防水カメラは水中に於いて水圧を受けても鏡枠の駆動負荷を一定とする事により常に鏡枠の駆動速度が一定となり違和感のない操作を行うことができる。次に、本発明の第10実施例を図20に基づいて説明する。図20は、本実施例の防水カメラの押釦スイッチの断面図である。
【0050】本実施例による誤動作防止押釦スイッチは同一構成の押釦スイッチH20、H21と誤動作防止手段H22、H23とから構成されている。押釦スイッチH20、H21はカメラ外装H1とカメラ外装H1に設けられた凹部H7、H7−2と、凹部H7、H7−2の底部に設けられた穴H8、H8−2と、穴H8、H8−2の内周に設けた接点H2、H2−2と、更に外装H1に凹部H7、H7−2を夫々塞ぐ様に、かつカメラの気密性を保つ様にシリコン接着剤で接着された押釦ゴムH9、H9−2と、押釦ゴムH9、H9−2の下面に設けたロッドH4、H4−2と、ロッドH4、H4−2に設けた導体H3、H3−2とで夫々構成されている。ロッドH4、H4−2は、夫々穴H8、H8−2に差し込まれており、穴H8、H8−2に沿って移動可能となっている。又、接点H2、H2−2と導体H3、H3−2は電気的にオン/オフとなるスイッチ(シャッターレリーズ釦等)の役目をはたす。尚ロッドH4、H4−2の押釦ゴムH9、H9−2と反対側の端部は球状になっている。以上の様な構成の押釦スイッチH20、H21が隣接されている。更に誤動作防止手段H22、H23は夫々押釦スイッチH21、H20と、二つの押釦スイッチH20、H21のロッドの先端に接する様に設けたアームH5と、アームH5を回動自在にする為の軸H6とで構成されている。
【0051】又、軸H6はアームH5の回転中心が押釦スイッチH20のロッドH4とアームH5とが接する点までの距離X1と押釦スイッチH21のロッドH4−2とアームH5が接する点との距離X2とが等しくなる様に設置されている。この様に構成したカメラを水中に沈めると、押釦スイッチH20の押釦ゴムH9は水圧によって押し込まれロッドH4を介してアームH5を図中矢印a方向に回転させようとする。又押釦スイッチH21の押釦ゴムH9−2にも押釦ゴムH9と同様に水圧が加わるのでロッドH4−2を介しアームH5を図中矢印b方向に回転させようとする。この時押釦スイッチH20、H21がアームH5を押す力W1、W2は2つのスイッチが同構成であるのでW1=W2となり又アームH5の回転中心からロッドH4、H4−2の先端とアームH5の接点までの距離X1、X2が等しくなる様に設置されているので、押釦スイッチH20、H21がアームH5回転させようとするモーメントは釣り合いがとれ、押釦スイッチH20、H21共に水圧により押し込まれることはない。
【0052】即ち、押釦スイッチH20とアームH5と軸H6が押釦スイッチH21の誤作動を防止する誤作動防止手段であり、押釦スイッチH21とアームH5と軸H6とが押釦スイッチH20の誤作動を防止する誤作動防止手段である。又、本実施例では同一構成の押釦スイッチを2個設け、X1=X2としているがW1×X1=W2×X2を満たすことができれば押釦スイッチは同一構成でなくとも良いしもちろんX1=X2でなくとも良い。
【0053】以上の様に本実施例によれば、水圧によって押釦スイッチ押し込まれてスイッチが誤動作することを防止することができる。更に2つの押釦スイッチを組み合わせてスイッチの誤動作を防止しているので1つのスイッチにそれぞれ誤動作防止手段を設ける方法に比べ部品数が少なく簡便で低コストの誤動作防止スイッチとすることができる。
【0054】次に、本発明の第11実施例を図21に基づいて説明する。図21において、押釦スイッチH21は第9実施例と同様に構成されており、誤動作防止手段H23はカメラ外装H1に設けられた穴H12と穴H12に沿って移動可能に嵌合しかつカメラ内部の端部が球状のピストンロッドH10と穴H12の内面に接着されカメラの気密性を保ちつつピストンロッドH10の摺動を妨げないパッキンH11とロッドH4の先端とピストンロッドH10の先端に接する様に設けたアームH5と、アームH5を回動自在に支持する軸H6とで構成されている。尚、軸H6が設置される位置は、アームH5の回転中心からロッドH4先端とアームH5の接点までの距離をX1、ピストンロッドH10先端とアームH5の接点までの距離をX2、水圧によりロッドH4がアームH5を押す力をW1、水圧によりピストンロッドH10がアームH5を押す力をW2としたときに、W1×X1=W2×X2の様な関係を満たす位置である。
【0055】この様に構成されたカメラを水中に沈めると、第9実施例と同様に水圧によりロッドH4はアームH5が図中矢印a方向に回転する様にアームH5を押し、又ピストンロッドH10はアームH5が図中矢印b方向に回転する様に押すが、上述した様にX1×W1=X2×W2であるのでアームH5にかかる回転モーメントは釣り合うことになり押釦スイッチH21が水圧により押し込まれることを防止することができる。
【0056】以上の様に構成した本実施例によれば、水圧により押釦スイッチが押し込まれカメラが誤作動することを防止することができる。更に第9実施例に比べ本実施例では押釦スイッチを2つ隣接させる必要はないのでカメラのスイッチのレイアウトの自由度を増すことができる。次に、本発明の第12実施例を図に基づいて説明する。
【0057】図22、図23は本実施例の防水カメラの斜視図である。図22はバリアI3が開いた状態、図23はバリアI3が閉じた状態を表す。図24は、バリアI3が開いた状態でのカメラ前方からの透視図であり、図25は図24におけるAA´断面図である。図26は、バリアI3が閉じた状態でのカメラ前方からの透視図、図27は図26におけるBB´断面図である。
【0058】図22において、カメラ本体は前カバーI1と、裏蓋I2と、バリアI3とから構成されている。前カバーI1と裏蓋I2の間には、カメラ内部に水が侵入しない様に、パッキンI8が設けてある。前カバーI1の前面には撮影レンズI4、前カバー前部上面I10及び前カバー全部下面にはレール溝I16が設けてある。バリアI3はレール溝I6に沿って移動可能となっている。
【0059】又、前カバーI1の撮影レンズI4周りには、バリアI3を閉じたときに生じる前カバーI1とバリアI3の隙間から撮影レンズI4周りに水が侵入しない様にするための前パッキンI7が設けてある。バリアI3の上面裏側には係止孔I12と溝I13、下面裏側には係止孔I14と溝I15が設けてある。
【0060】カメラ内部には、係止ロッドI16が設けてある。この係止ロッドI16に設けたロッド端部I17、ロッド端部I18,ロッド端部I19は夫々前カバーI1に設けた穴I24、穴I25、穴I26に嵌合し、軸方向に移動可能となっている。ロッド端部I17と穴I24、ロッド端部I18と穴I25,ロッド端部I19と穴I26の間には夫々パッキンI27、パッキンI28、パッキンI29が設けてあり、カメラ内部に水が侵入しない様になっている。
【0061】バネI20が、バリアI3に設けたピンI22と前カバーI1のバネ収納溝I9に設けたピンI21の間に、バリア閉方向に付勢力を与える様に設置されている。この様に構成されたカメラにおいて、バリアI3が開いている状態では、大気圧中ではカメラ内部の圧力により係止ロッドI16が下方向に付勢されるためロッド端部I18が係止孔I14に入り込み、バリアI3はその状態で位置決めされる。この状態でカメラを大気圧中から水中に沈めていくと、水圧の上昇によりロッド端部I19はカメラ内部に押し込まれていく。更に、水圧がレンズ部の耐水圧より低い所定の水圧に達するとロッド端部I18が係止孔I14から完全に抜け出す。するとバリアI3はバネI20によって閉じ方向に移動する。バリアI3が移動させられる際、ロッド端部I17は斜面I30を乗り越え係止孔I12内に入り込む。この時、バリアI3は完全に閉じた状態となりロッド端部I17と係止孔I12によってロックされ開けることが不能になり、レンズ部は前パッキンI7で防水される。
【0062】バリアI3が閉じた状態では、大気圧中ではバリアI3はバネI20によって閉状態に保たれる。カメラ内部の圧力により係止ロッドI16が下方向に付勢されるためロッド端部I17は係止孔I12には入り込まないので、バリアI13のロックはされない。バリアI3を開くと、ロッド端部I18が斜面I45を乗り越え、係止孔I14に入り込みバリアI3は開いた状態で位置決めされる。
【0063】この状態でカメラを大気圧中から水中に沈めていくと、水圧の上昇によりロッド端部I19はカメラ内部に押し込まれていく。更に、水圧がレンズ部の耐水圧より低い所定の水圧に達するとロッド端部I17が係止孔I12に入り込み、バリアI3がロックされ開けることが不能になる。以上の様に、本実施例のカメラは、レンズ部の様に比較的強度的に弱く防水を行いづらい部材をバリアで密閉することにより、故障及びカメラ内部への水の侵入を防ぐことができる。
【0064】尚、本実施例では、バリアロック機構を上述したもので構成したが、バリアを固定するものであればどのようなものでも構わない。更に、本実施例では、バリアで撮影レンズを保護する構成にしたが、レンズ部以外の強度的に弱く防水を行いづらい部材を保護する構成にしても構わない。又、上述した実施例によると、係止ロッドI16は、水圧を検知する水圧検知手段と、バリアロック機構を兼ねているが、水圧検知手段とバリアロック機構を別々に設けても構わない。
【0065】次に、本発明の第13実施例を図28乃至図33に基づいて説明する。図28は、バリアI3が開いた状態でのカメラ前方からの透視図であり、図29は図28におけるCC´断面図である。図30、31はバリア開時にバリアI3の位置決めを行う機構I32の、それぞれバリアI3が開いた状態、閉じた状態での拡大断面図である。図32は、バリアI3が閉じた状態でのカメラ前方からの透視図であり、図33は図32におけるDD´断面図である。
【0066】第12実施例と同様な部分は説明を省略し、異なる部分のみ説明する。ここでは、バリア開時のバリアの位置決めを行う機構I32が設けられる。バリア開時のバリア位置決め機構I32は図30に示す様に、ラックを設けた移動部材I40と、移動部材I40を移動させるギアI34と、ギアI34を回転させるモータI36と、穴I25に沿って移動するピンI42と、移動部材I40に対しピンI42を図中下方向に付勢するバネI41から構成される。ピンI42はバネ受け部I43を有する。移動部材I40は引掛部I44を有し、引掛部I44はバネI41とは反対方向からバネ受け部I43に接する。従って、移動部材I40が図中上下方向に動くとピンI42も同様に上下する。バネI41のバネ力量はバネI20がバリアI3を閉じようとする力に打ち勝ってバリアを開状態に保つだけのクリック力量を持つ様にする。
【0067】又、バリアI3が閉じた状態でバリアをロックする為の機構として、ラックを設けたピンI31と、ピンI31を穴I24に沿って移動させるギアI33と、ギアI33を回転させるモータI35が設けられている。バリアI3が完全に閉じているか否かを検知するバリア閉状態検知手段I39が設けてある。バリア閉状態検知手段I39は、バリアI3が移動範囲のどの位置にいるかを検知するものや、バリアI3が完全に閉じた時にスイッチが入る様にしたもの等、少なくともバリアI3が完全に閉じていることを検知できるものであれば、他のもので構成しても構わない。
【0068】更に、水圧を検知し、検知した水圧データを電気的に出力可能な水圧検知手段I38と、バリア閉信号と水圧データを入力し、入力したバリア閉信号と水圧データに応じてモータI35及びI36を駆動させる制御回路I37とが設けられている。この様に構成されたカメラにおいて、バリアI3が開いた状態では、大気圧中では、図30に示す様にピンI42がバネI41により付勢され係止孔I14に入り込みバリアI3はその状態で位置決めされる。
【0069】この状態でカメラを大気中から水中に沈めていき、水圧検知手段I38の水圧データがレンズ部の耐水圧より低い所定の水圧に達すると制御回路I37からモータI36に信号が発せられる。この信号により、モータI36はギアI34を回転させ、図31に示す様にピンI42を係止孔I14から完全に引き抜く。この動作によってバリアI3はバネI20によって閉じ方向に移動させられる。
【0070】バリアI3が完全に閉じた状態となると、バリア閉状態検知手段I39によってバリアI3が閉じていることが検知され、制御回路I37からモータI35に信号が発せられ、この信号によりモータI35はギアI33を回転させることによって、ピンI31を係止孔I12に挿入する。ピンI31を係止孔I12に挿入することによって、バリアI3はロックされ開けることができなくなる。
【0071】バリアI3が閉じた状態では、大気圧中ではバリアI3はバネI20によって閉状態に保たれる。ピンI31は係止孔I12に入り込んでおらず、バリアI3はロックされない。バリアI3を開くと、ピンI42が斜面I45を乗り越え、係止孔I14に入り込みバリアI3は開いた状態で位置決めされる。又バリアI3が閉じた状態でカメラを大気圧中から水中に沈めていき、水圧検知手段I38の水圧データがレンズ部の耐水圧より低い所定の水圧に達すると制御回路I37からモータI35に信号が発せられ、この信号により、モータI35はギアI33を回転させることによってピンI31を係止孔I12に挿入し、バリアI3がロックされ開けることが不能になる。
【0072】以上の様に、本実施例のカメラは比較的強度的に弱く防水をおこないづらい部材をバリアで密閉することにより、故障及びカメラ内部への水の侵入を防ぐことができる。尚、本実施例では、バリアロック機構を上述したもので構成したが、バリアを固定するものであれば他のものでも良い。更に本実施例では、バリアでレンズ部を保護する構成にしたが、レンズ部以外の強度的に弱く防水を行いづらい部材を保護しても構わない。
【0073】次に、本発明の第14実施例を図34及び図35に基づいて説明する。図34は本実施例のブロック構成図である。図34において、カメラが水中に沈められたことを判断し、かつ沈められた水深を測定する水深検知手段J1と、被写体距離を測定する測距手段J2と、カメラの動作をシーケンスコントロールするマイクロコンピュータからなるCPUJ3と、撮影する被写体の色調を補正する色補正手段J4と、色補正する/しないの選択と好みに応じた補正を行うことのできる補正切換手段J5と、撮影レンズJ7と、焦点調整を行う焦点調整手段J8と、水の屈折率による焦点位置のズレ量換算データと水圧による変形によって起きる焦点位置のズレ量換算データと水中における光の波長別の減衰率データとを予め記憶する記憶手段J9とで構成されている。
【0074】この様に構成されたカメラにおいて、水中で撮影をする場合、まず水深検知手段J1によってカメラが水中にあることが判断され、かつ水深が測定される。又、測距手段J2により被写体距離が測定される。水深検知手段J1によってカメラが水中にあることが判断されると、記憶手段J9に記憶された光の波長別の減衰率データと水深検知手段J1によって測定され出力された水深信号と測距手段J2により測定された被写体距離信号を基に、水中における光の波長別の減衰率の違いによる色調の変化を補う色補正値をCPUJ3が算出する。色補正値は色補正値信号として色補正手段J4に出力され、色補正手段J4は入力された色補正値信号に基づき水中撮影時の色補正を行う。
【0075】ここで、水中における光の減衰と色補正値の算出について詳しく説明する。水中では、大気中に比べ光が減衰し易い。又、水中での光の波長別による吸収係数は異なる。一例として、図35に光の波長に対する海水の吸収係数のグラフを示す。グラフからわかる様に、水中では赤付近の波長が吸収され易い為、水中での風景は青みがかった色調に見える。尚、光は進むほど減衰していき、ある距離だけ進んだ場合の光の強度は図35に示した計算式で求められる。この計算式中の記号は即ち、N:光の減衰率,I:光の強度,Io:入射強度,ka:吸収係数,d:水中距離(水深又は被写体距離)である。
【0076】水深検知手段J1で測定され出力された水深信号から、太陽光の水深による波長別の減衰を上記計算式から求める。又、測距手段J2で測定された被写体距離データから、被写体距離による光の波長別の減衰を上記計算式から求める。上記水深による太陽光の波長別の減衰と、被写体距離による光の波長別の減衰とから、その被写体の色補正値を求める。その色補正値に応じて色補正手段により、補正を行う。尚色補正手段J4はフィルターを使用し、フィルターを撮影レンズJ7の前に設置することによって色補正を行う。更に補正切換手段J5によって、色補正する/しないの選択と好みに応じた色補正を行うことができる。
【0077】又、測距手段J2によって測定され出力された被写体距離信号から、CPUJ3で焦点調整を行うための焦点調整量を算出することができる。更に、水深検知手段J1によってカメラが水中にあることが判断されると、CPUJ3が水の屈折率と空気の屈折率の相異による焦点位置のズレを補正した焦点調整量が算出される。又、水圧によるカメラ構成要素の変形による焦点位置のズレ量も補正した焦点調整量が算出される。尚、水圧はカメラに水圧検知手段を設けるか水深信号から換算して求めるものとする。又、水の屈折率と空気の屈折率の相異による焦点位置のズレ量換算データと、水圧によるカメラ構成要素の変形による焦点位置のズレ量換算データは、予め記憶手段J9に記憶しておく。
【0078】このCPUJ3によって算出された焦点調整量データは、焦点調整手段J8に出力される。焦点調整手段J8は、入力された焦点調整量データに応じ、焦点調整用レンズやフィルムや圧板等を移動させることによって焦点調整を行う。以上の様に、本実施例のカメラは水中撮影の際、被写体を被写体が持つ本来の色調で撮影もしくはプリントすることと、水中特有の青みがっかた色調で撮影することが選択可能となる。又、水中でもピントズレのない良好な写真が撮影可能である。
【0079】尚、本実施例の測距手段J2において、投光々を使用するアクティブAFの場合は、水深検知手段J1でカメラが水中にあると判断されると投光々する光量を増やす様にする。又、被写体からの反射光を利用するパッシブAFの場合は、水深検知手段J1でカメラが水中にあると判断されるとカメラから補助光で被写体を照らす様にする。上記の様にすることによって、光が減衰しやすい(特にアクティブAFの投光々に使用される赤外光)水中においても精度の良い測距が可能となる。次に、本発明の第15実施例を図36に基づいて説明する。
【0080】本実施例は、第14実施例における水中での太陽光の水深と被写体距離による減衰の補正に対し、ストロボ光の減衰の補正も行える様にした。図36は本実施例のブロック構成図である。図36において、カメラが水中に沈められたことを判断し水深を測定する水深検知手段J1と、被写体距離を測定する測距手段J2と、補助照明でありストロボ使用/非使用信号とガイドナンバー信号との内少なくとも一つのストロボ情報信号を出力するストロボJ6と、カメラの動作をシーケンスコントロールするマイクロコンピュータからなるCPUJ3と、撮影する被写体の色調を補正する色補正手段J4と、水中における光の波長別の減衰率データを予め記憶する記憶手段J9とで構成されている。
【0081】この様に構成されたカメラにおいて、水中で撮影をする場合、まず水深検知手段J18によってカメラが水中にあることが判断される。次に、第14実施例と同様に、CPUJ3によって、水深と被写体距離による太陽光の減衰から、太陽光による照明の色補正値が算出される。更に、ストロボを使用することが判断されると、記憶手段J9に記憶された光の波長別の減衰率データと測距手段J2により測定され出力された被写体距離信号とストロボJ6により出力されたガイドナンバー信号を基に、CPUJ3はガイドナンバーの値からストロボから照射される光量を換算し、その光量と被写体距離による水中でのストロボ光の減衰からストロボ光による照明の色補正値を算出する。
【0082】上記太陽光による照明の色補正値とストロボ光による照明の色補正値とから、総合的にその被写体の色補正値を求める。その色補正値に応じて色補正手段J4により補正を行う。尚、色補正手段J4は色フィルターを使用し、フィルターを撮影レンズJ7の前に設置することによる色補正や、ストロボ発光部に色フィルターを設置することによる色補正を行っても良い。
【0083】以上の様に、本実施例のカメラは水中撮影の際、被写体を被写体が持つ本来の色調で撮影することと、水中特有の青みがっかた色調で撮影することが選択可能となる。次に、本発明の第16実施例を図37に基づいて説明する。本実施例の如く、磁気記録部をもつ撮影用フィルムを用いるカメラにおいては、フィルム磁気記録部J12に、第14実施例で求めた色補正値あるいは水深データと被写体距離データの内少なくとも一つを記録させ、記録させたデータからプリント装置J13によってプリント時に色補正を行う様にすることができる。
【0084】図37は本実施例のブロック構成図である。図37において、カメラ側には、水中判断叉は水深を測定する水深検知手段J1と、被写体距離を測定する測距手段J2と、補助照明でありストロボ使用/非使用信号とガイドナンバー信号とのうち少なくとも一つのストロボ情報信号を出力するストロボJ6と、光の波長別の減衰率データを予め記憶する記憶手段J9と、カメラの動作シーケンスを制御するマイクロコンピュータからなるCPUJ3と、フィルム磁気記録部J12に色補正値あるいは水深データと被写体距離データとストロボ情報とのうち少なくとも一つを記録させる記録手段J11を設けている。
【0085】又、プリント装置J13には、フィルム磁気記録部J12に記録された情報を読み取る磁気情報読み取り手段J14と、水中における光の波長別の減衰率データを記憶する記憶手段J18と、磁気情報読み取り手段J14で読み取った色補正値あるいは水深データと被写体距離データとストロボ情報との少なくとも一つと、記憶手段J18に記憶された水中における光の波長別の減衰率データと、から水中における光の波長別の減衰による色調の変化を補う色補正値を算出する色補正値算出手段J17と、色補正値を基にプリント時に色補正を行うプリント補正手段J15と、補正する/しないの選択するプリント補正選択手段J16とから構成されている。
【0086】上記の様な構成により、フィルム磁気記録部J12に記録された色補正値あるいは水中信号と水深信号と被写体距離信号とストロボ情報とのうち少なくとも一つが、プリント装置J13に設けられた磁気情報読み取り手段J14によって読み取られる。読み取られた情報が色補正値の場合、色補正値はプリント補正手段J15に出力され、色補正値に応じてプリントの色補正を行う。
【0087】又、読み取られた色補正値以外の情報と記憶手段J18に記憶されている水中での光の減衰率とから色補正値を算出し、プリント補正手段J15に出力することもできる。又、プリント補正選択手段J16によって、補正する/しないの選択と好みに応じた色補正を行うことができる。
【0088】以上の様に、本実施例のカメラは水中撮影の際、被写体を被写体が持つ本来の色調でプリントすることと、水中特有の青みがっかた色調でプリントすることが選択可能となる。尚本実施例では、証明装置としてストロボを使用したが、他の照明装置を用いても構わない。更に、フィルム磁気記録部にカメラが水中にあるか否かの判定情報を記録し、その判定情報からカメラが水中にあることが判断されると、被写体距離や水深に関わらず簡易的に色補正を行う様にしても構わない。
(付記)以上詳述した如き本発明の実施態様によれば、以下の如き構成を得ることができる。即ち、(1)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を持ち、該水圧検知手段が、水圧の表示手段と水深の表示手段と過水圧の警告手段との、少なくとも一つを兼ね備えることを特徴とする防水カメラ。
(2)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を持ち、該水圧検知手段が、カメラ外部から観察可能なカメラ外部の水圧によって変形乃至変位する部材を具備し、該部材の変形乃至変位により、水圧の表示と水深の表示と過水圧の警告との、少なくとも一つを行うことを特徴とする防水カメラ。
(3)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を持ち、該水圧検知手段が、水圧の表示と水深の表示と過水圧の警告表示との、少なくとも一つを設けた透明シリンダーと、水圧により透明シリンダーの内面に沿って移動可能なピストンとから構成されており、水圧に応じたピストンの位置から、水圧と水深と過水圧の警告との少なくとも一つを確認できることを特徴とする防水カメラ。
(4)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を持ち、該水圧検知手段が、水圧の表示と水深の表示と過水圧の警告表示との、少なくとも一つを設けた透明板と、片側が閉じもう片側が外部に開いた弾性チューブと、気密室とから構成されており、水圧に応じた透明板と弾性チューブの密着部から、水圧と水深と過水圧の警告との少なくとも一つを確認できることを特徴とする防水カメラ。
(5)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を持ち、該水圧検知手段が、水圧の表示と水深の表示と過水圧の警告表示との、少なくとも一つを設けた透明弾性膜とカメラ本体に設けた凹部とから構成されており、水圧に応じた透明弾性膜と凹部の密着部とから、水圧と水深と過水圧の警告の少なくとも一つを確認できることを特徴とする防水カメラ。
(6)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を持ち、該水圧検知手段が、円筒凹部と、円筒凹部に沿って移動可能でなおかつ水圧の表示と水深の表示、あるいは過水圧の警告表示との、少なくとも一つが設けられた円形透明板と、球状で固定用の端部を設けた弾性体とで構成されており、水圧に応じた円形透明板の移動によってつぶされた弾性体の外周位置から、水圧と水深と過水圧の警告との少なくともどれか1つを確認できることを特徴とする防水カメラ。
(7)カメラ外部の水圧がカメラの所定の水圧以上になった際に変形し音を発する部材を設けた水圧検知手段を具備する防水カメラ。
(8)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を持ち、該水圧検知手段が、所定の水圧以上になった際に変形する金属薄膜と金属薄膜で覆われ気密を保たれた空間とで構成されており、金属薄膜の変形と変形の際に発する音とを過水圧の警告とすることを特徴とする防水カメラ。
(9)水中において、カメラ外部の圧力と内部の圧力の差をなくす手段を具備する防水カメラ。
(10)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段と、該水圧検知手段の出力をもとにカメラ内部の圧力を調整する内圧調整手段と、を具備する防水カメラ。
(11)カメラ外部の水圧を検知しかつカメラ内部の圧力を調整する内圧調整手段を具備する防水カメラ。
(12)カメラ外部の水圧を検知し、かつカメラ内部の圧力を調整し、かつ水圧の表示と水深の表示と所定の水圧以上になった際の警告の内の少なくとも一つを行う、内圧調整手段を具備することを特徴とする防水カメラ。
(13)カメラ外部の水圧を検知し、かつカメラ内部の圧力を調整する内圧調整手段を持ち、該内圧調整手段がシリンダーとシリンダーに沿って移動可能なピストンで構成され、カメラ外部の水圧に応じ、ピストンがカメラ外部の水圧とカメラ内部の圧力とが等しくなる位置に移動することによって、カメラを常に内外圧差のない状態に保つことを特徴とする防水カメラ。
(14)カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段と、カメラ内部の圧力を調整する内圧調整手段を持ち、該内圧調整手段が圧縮ガスが封入されたガスボンベと、ガスボンベからカメラ内部にガスを噴出させかつ噴出させるガス量を調整する第一の弁と、カメラ内部に溜まったガスをカメラ外部に噴出させかつ噴出させるガス量を調整する第二の弁と、該水圧検知手段の出力をもとに第一及び第二の弁の噴出させるガス量を算出する内圧制御回路とで構成され、水圧データに応じ第一及び第二の弁から噴出させるガス量を調整することによってカメラを常に内外圧差のない状態に保つことを特徴とする防水カメラ。
(15)水圧検知手段と、該水圧検知手段による水圧情報に応じ、カメラ構成要素に力を加え水圧とのバランスをとる力量発生手段を具備する防水カメラ。
(16)モータを使用しレンズ鏡枠を移動させる鏡枠送り機構を具備する防水カメラにおいて、水圧検知手段と、該水圧検知手段による水圧情報とレンズ鏡枠の移動方向に応じ、レンズ鏡枠を移動する駆動力を可変にする可変機構とを具備する防水カメラ。
(17)種々のカメラ操作を行う押釦と、水圧を利用し水圧による押釦の押圧を防止する押圧防止手段とを具備する防水カメラ。
(18)水圧を検知する水圧検知手段と、耐水圧の弱い部材を保護するバリアとを具備する防水カメラ。
(19)水圧を検知する水圧検知手段と、耐水圧の弱い部材を保護するバリアと、該バリア閉時、耐水圧の弱い部材の周りに、カメラ外装とバリアのすき間を埋め、かつ耐水圧の弱い部材の周りに水が侵入しないように設けたパッキンとを具備する防水カメラ。
(20)水圧を検知する水圧検知手段と、耐水圧の弱い部材を保護するバリアと、該バリア閉時、耐水圧の弱い部材の周りに、カメラ外装とバリアのすき間をうめ、かつ耐水圧の弱い部材の周りに水が侵入しないように設けたパッキンと、該バリア閉時、所定の水圧以上になった際、バリアが開かないようにバリアをロックするバリアロック機構とを具備する防水カメラ。
(21)水圧を検知する水圧検知手段と、耐水圧の弱い部材を保護するバリアと、該バリア閉時、耐水圧の弱い部材の周りに、カメラ外装とバリアのすき間をうめ、かつ耐水圧の弱い部材のまわりに水が侵入しないように設けたパッキンと、所定の水圧以上になった際、該バリア閉時はバリアが開かないようにバリアをロックするバリアロック機構と、該バリア開時は自動的にバリアを閉位置に移動させる移動手段とを具備する防水カメラ。
(22)カメラが水中にあることを認識する水中検知手段と、該水中検知手段がカメラが水中にあることを認識した際、空気中に対する水中での撮影レンズの焦点位置のズレを補正した焦点調整を行う焦点調整手段とを具備する防水カメラ。
(23)カメラが水中にあることを認識する水中検知手段と、空気中に対する水中での撮影レンズの焦点位置のズレ量データを記憶する記憶手段と該水中検知手段が水中にあることを認識した際、該ズレ量データに基づいて空気中に対する水中での撮影レンズの焦点位置のズレ分を補正した焦点調整を行う焦点調整手段とを具備する防水カメラ。
(24)水圧によるカメラ構成要素の変形による焦点のズレを補正した調整をする焦点調整手段を具備する防水カメラ。
(25)カメラ構成要素の変形にともなう撮影レンズの焦点位置のズレ量データを記憶する記憶手段と、該ズレ量データをもとに水圧によるカメラ構成要素の変形による焦点のズレを補正した調整をする焦点調整手段とを具備する防水カメラ。
(26)水深を測定する水深検知手段と、被写体距離を測定する測距手段と、水中における光の減衰率データを記憶する記憶装置と、水中における減衰率データと水深と被写体距離から光の波長別の減衰率の違いからおこる色調の変化を補う補正値を算出する算出手段と、補正値に応じ補正を行う色補正手段とを具備する防水カメラ。
(27)カメラが水中にあるか否かを判定する水中検知手段と、被写体距離を測定する測距手段と、水中における光の減衰率換算データを記憶する記憶装置と、該水中検知手段でカメラが水中にあることが判定され、かつストロボを使用した際に、ストロボの使用/非使用信号とガイドナンバー信号のうち少なくとも一つのストロボ信号を出力するストロボ手段と、該被写体距離と該減衰率データから色調の変化を補う補正値を算出する算出手段と、補正値に応じ補正を行う色補正手段とを具備する防水カメラ。
(28)撮影レンズと、ストロボと、水深を測定する水深検知手段と、被写体距離を測定する測距手段と、水中における光の減衰率データを記憶する記憶装置と、水中における減衰率データと水深と被写体距離とにより色調の変化を補う色補正値を算出する算出手段と、補正値に応じ該撮影レンズと該ストロボの少なくとも一方において補正を行う色補正手段とを具備する防水カメラ。
(29)写真フィルム上に情報記録媒体としての磁気記録部を有するフィルムを使用する防水カメラにおいて、水深を測定する水深検知手段と、被写体距離を測定する測距手段と、水中における光の減衰率データを記憶する記憶装置と、水中における光の減衰率データと水深と被写体距離から光の波長別の減衰率の違いからおこる色調の変化を補う色補正値を算出する算出手段と、色補正値を磁気記録部に記録する記録手段とを具備した防水カメラ。
(30)写真フィルム上に情報記録媒体としての磁気記録部を有するフィルムを使用する防水カメラにおいて、水深を測定する水深検知手段と、被写体距離を測定する測距手段と、補助照明装置と、水深と被写体距離と照明装置の情報との少なくとも一つを磁気記録部に記録する記録手段とを具備した防水カメラ。
(31)写真フィルム上に情報記録媒体としての磁気記録部を有するフィルムを使用するプリント装置において、フィルム磁気記録部に記録された水深データと被写体距離の少なくとも一つを読み取る磁気情報読み取り手段と、水中における光の減衰率データを記憶する記憶装置と、水中における減衰率データと水深と被写体距離から光の波長別の減衰率の違いからおこる色調の変化を補う色補正値を算出する算出手段と、色補正値に基づきプリント時に補正を行うプリント補正手段とを具備するプリント装置。
(32)写真フィルム上に情報記録媒体としての磁気記録部を有するフィルムを使用するプリント装置において、フィルム磁気記録部に記録された、水中で撮影されたか否かを判定する水中判定データを読み取る磁気情報読み取り手段と、水中用の色補正を行うプリント補正手段とを具備するプリント装置。
【0089】
【発明の効果】以上説明した様に本発明は、水圧乃至水深検知手段で得られる水深乃至水圧データを利用して、水圧による種々の問題を解決することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の防水カメラの斜視図。
【図2】 従来の防水カメラにおける水圧検知手段及び警告手段。
【図3】 本発明の第1実施例における、防水カメラの斜視図。
【図4】 図3の防水カメラの水圧検知手段における正面図。
【図5】 図3の防水カメラの水圧検知手段における断面図。
【図6】 本発明の、第2実施例の防水カメラにおける、水圧検知手段の正面図。
【図7】 図6の水圧検知手段における大気圧中での長手方向断面図。
【図8】 図6の水圧検知手段における水中での長手方向断面図。
【図9】 本発明の、第3実施例の防水カメラにおける、水圧検知手段の正面図。
【図10】 図10の水圧検知手段における断面図。
【図11】 本発明の、第4実施例の防水カメラにおける、水圧検知手段の断面図。
【図12】 図11の水圧検知手段における水中での断面図。
【図13】 図11の水圧検知手段の正面図。
【図14】 本発明の、第5実施例の防水カメラにおける、水圧検知手段の断面図。
【図15】 図14の水圧検知手段における過水圧時の断面図。
【図16】 本発明の、第6実施例の防水カメラにおける断面図。
【図17】 本発明の、第7実施例の防水カメラにおける断面図。
【図18】 本発明の、第8実施例の防水カメラにおける断面図。
【図19】 本発明の、第9実施例の防水カメラにおける断面図。
【図20】 本発明の、第10実施例の防水カメラにおける、押釦の断面図。
【図21】 本発明の、第11実施例の防水カメラにおける、押釦の断面図。
【図22】 本発明の、第12実施例の防水カメラにおける、バリア開時の斜視図。
【図23】 図22の防水カメラにおける、バリア閉時の斜視図。
【図24】 図22の防水カメラにおける、バリア開時の正面透視図。
【図25】 図24におけるAA´断面図。
【図26】 図22の防水カメラにおける、バリア閉時の正面透視図。
【図27】 図26におけるBB´断面図。
【図28】 本発明の、第13実施例の防水カメラにおける、バリア開時の正面透視図。
【図29】 図28におけるCC´断面図。
【図30】 図28における位置決め機構の拡大断面図。
【図31】 図28における位置決め機構の拡大断面図。
【図32】 図28の防水カメラにおける、バリア閉時の正面透視図。
【図33】 図30におけるDD´断面図。
【図34】 本発明の、第14実施例の防水カメラにおける、ブロック構成図。
【図35】 光の波長における海水の吸収係数グラフ。
【図36】 本発明の、第15実施例の防水カメラにおける、ブロック構成図。
【図37】 本発明の、第16実施例の防水カメラにおける、ブロック構成図。
【符号の説明】
1 カメラ本体
2 水圧検知手段
3 水圧表示手段
5a 透明シリンダー(水圧検知手段)
5b ピストン(水圧検知手段)
5d、6d、7d、20 目盛(水圧表示手段)
5e、6e、7e、19 表示(水圧表示手段)
5f、6f、7f 警告表示(警告手段)
6a 弾性チューブ(水圧検知手段)
6b 透明板(水圧表示手段)
7a 透明弾性膜(水圧検知手段)
J1 水深検知手段
J2 測距手段
J3 CPU(焦点調整手段,算出手段)
J4 色補正手段
J7 撮影レンズ
J8 焦点調整手段
J9 記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 カメラ外部の水圧を検知する水圧検知手段を有し、該水圧検知手段が、水圧の表示手段,水深の表示手段,過水圧の警告手段の、少なくとも一つを兼ね備えることを特徴とする防水カメラ。
【請求項2】 カメラが水中にあることを認識する水中検知手段と、この水中検知手段がカメラが水中にあることを認識した際に、水中における撮影レンズの焦点位置のズレを補正した焦点調整を行う焦点調整手段と、を具備することを特徴とする防水カメラ。
【請求項3】 水深を測定する水深検知手段と、被写体距離を測定する測距手段と、水中における光の減衰率データを記憶する記憶装置と、水中における減衰率データと水深と被写体距離から光の波長別の減衰率の違いからおこる色調の変化を補う補正値を算出する算出手段と、補正値に応じ補正を行う色補正手段と、を具備することを特徴とする防水カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図13】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図35】
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【図34】
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【図36】
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【図37】
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