説明

防水塗膜除去工法

【課題】ドライアイスの噴射圧力を高圧にする必要が無く、且つ、ドライアイスの使用量を節約することが出来る防水塗膜除去工法の提供。
【解決手段】橋梁鋼床版上の締結部材及びその周辺に存在する防水塗膜(10)を加熱する加熱工程(図3の3A)と、当該加熱工程(図3の3B)後に防水塗膜に対してドライアイス(DI)を噴射するドライアイス噴射工程(図3の3C)を含み、当該ドライアイス噴射工程(図3の3C)では、噴射されたドライアイス(DI)が加熱工程で軟化した防水塗膜(10)に刺さって、防水塗膜(10)内部に押し込まれ、防水塗膜(10)内に押し込まれたドライアイス(DI)が防水塗膜(10)の熱量移動により昇華、膨張して、防水塗膜(10)を断裂させて鋼床版から剥離させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁等の鋼床版上に被覆された防水塗膜を除去する技術に関する。より詳細には、本発明は、ドライアイスを噴射して、鋼床版上に被覆された防水塗膜を除去する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁における改修工事において、アスファルト層を剥がした後の鋼床版30上の防水塗膜10が、図5で示されている。
図5において、橋梁の鋼床版30の接続部には、接続部材として、ボルト40、ナット50、ワッシャ60等が用いられている。そして、係る接続部材についても、鋼床版30と同様に、防水塗膜10で被覆されている。
【0003】
橋梁におけるアスファルト舗装では、鋼床版上に防水塗膜を被覆してアスファルト層を積層している。この様なアスファルト舗装を除去して、例えば鋼床版上SFRC舗装(繊維補強コンクリートを利用した舗装工法)を施工する場合には、既存のアスファルト舗装におけるアスファルト層を剥ぎ取った後に、鋼床版上、特に接続部のボルト(図5の40)まわり等に残存する防水塗膜(図5の10)を除去する必要がある。
【0004】
従来の工法によるアスファルト舗装の除去では、スクレーパー等を用いた人力作業によってアスファルト混合物を除去している。しかし、スクレーパー等を用いた人力作業では、防水塗膜まで完全に除去することはできない。
これに対して、ショットブラストを用いて研掃(ショットブラストによって防水塗膜を削り、削った防水塗膜を剥ぎ取る)を行なっているが、ショットブラストを用いた研掃では、ワッシャやナット等の隅部(角部)を被覆している防水塗膜を十分に除去することができない。そのため、ショットブラストを用いて研掃を行なった後、人力により防水塗膜を除去して、ショットブラストによる研掃を再度行う必要がある。
しかし、ワッシャやナット等の隅部(角部)における防水塗膜の除去作業は、ショットブラストと人力作業の繰り返しが必要であり、作業時間が長時間となり、及び/又は、作業員の増員が必要になってしまう。
【0005】
ここで、従来のアイスブラスト工法(例えば、特許文献1参照)では、除去対象(例えば、防水塗膜)が常温の状態でドライアイスが噴射されるため、十分に除去するためにはドライアイスの噴射圧力を高圧にしなければならず、施工に際しては大掛かりな設備が必要である。
また、上記工法は、大量のドライアイスを吹き付ける必要があり、除去作業に長時間を要してしまう。そのため、施工コストが増大するという問題があった。
さらに、従来のアイスブラスト工法は、橋梁における道路部分の舗装の除去に用いられ、橋梁鋼床版上の接続部のボルトまわり等に適用された事例はない(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−196112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、ドライアイスの噴射圧力を高圧にする必要が無く、且つ、ドライアイスの使用量を節約し連続作業を可能にすることが出来る防水塗膜除去工法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の防水塗膜除去工法は、橋梁鋼床版上の締結部材(ボルト・ナット)及びその周辺に存在する防水塗膜を加熱する加熱工程(図3の3B)と、
当該加熱工程(図3の3B)後に防水塗膜に対してドライアイス(DI)を噴射するドライアイス噴射工程(図3の3C)を含み、
当該ドライアイス噴射工程(図3の3C)では、噴射されたドライアイス(DI)が加熱工程で軟化した防水塗膜(10)に刺さって、防水塗膜(10)内部に押し込まれ、防水塗膜(10)内に押し込まれたドライアイス(DI)が防水塗膜(10)の熱量移動により昇華、膨張して、防水塗膜(10)を断裂させて鋼床版から剥離させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上述する構成を具備する本発明によれば、締結部材(ボルト・ナット)及びその周辺に存在する防水塗膜(10)に対してドライアイス(DI)を噴射する前段階で、防水塗膜(10)を除去するべき領域を加熱している。
そのため、当該領域における防水塗膜(10)が保有する熱量が増大し、ドライアイス(DI)の昇華、体積膨張が迅速に行なわれるため、防水塗膜(10)の除去が困難であったワッシャやナット等の隅部(角部)においても、防水塗膜(10)を断裂させて、鋼床版から確実に剥離させることが出来る。
【0010】
それと共に、加熱工程により防水塗膜(10)が軟化するので、ドライアイス(DI)が防水塗膜(10)の表層部(10f)で留まることなく、防水塗膜(10)内部に押し込まれ易くなる。
防水塗膜(10)内部に押し込まれたドライアイス(DI)が昇華して、その体積を急激に膨張させた場合には、防水塗膜(10)表層部(10f)に存在するドライアイスが昇華、膨張した場合に比較して、(防水塗膜内部に押し込まれた)ドライアイス周辺の領域に存在する防水塗膜(10)が断裂され易くなり、鋼床版から剥離する効率が向上する。
【0011】
そして、ドライアイス(DI)の昇華、体積膨張が迅速に行なわれ、且つ、防水塗膜(10)内部でドライアイス(DI)が昇華して、その体積を急激に膨張させる本発明によれば、ドライアイス(DI)の噴射圧力を高圧にしなくても、及び/又は、ドライアイス(DI)の使用量が少なくても、防水塗膜(10)の除去を企図する領域(橋梁鋼床版上のボルト・ナット及びその周辺)から確実に防水塗膜(10)を除去することが出来る。
すなわち、本発明によれば、ドライアイス(DI)の噴射圧力を高圧にする必要が無く、ドライアイス(DI)の使用量を節約することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態で用いられる機器類の配置図である。
【図2】実施形態で用いられるドライアイス噴射ノズルの斜視図である。
【図3】実施形態において、防水塗膜を除去する手順を示す様態図である。
【図4】実施形態における防水塗膜除去の作業手順のフローチャートである。
【図5】鋼床版における接続部のボルト周辺の防水塗膜を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図示の実施形態では、橋梁鋼床版上の締結部を含む防水塗膜の除去が示されている。
図1において、橋梁鋼床版上の締結部における防水塗膜を除去する際に用いられる機器類が示されている。
その様な機器類として、図1で示す実施形態では、移動式コンプレッサ1と、ドライアイス供給装置2と、ドライアイス吹付装置3と、ドライアイス噴射装置4と、加熱装置20(例えば、重油バーナー)が用いられている。
【0014】
移動式コンプレッサ1は、コンプレッサCの下方に移動用の車輪1L、1Sを有して構成されており、コンプレッサC自体は、公知のコンプレッサである。そして、例えば、図示しない自走作業車によって牽引されて移動することが出来る。
ここで、図示しない自走作業車は牽引用カプラーを備え、当該牽引用カプラーは、移動式コンプレッサ1に設けたカプラー1a(図1では、移動式コンプレッサ1の左方に設けられている)と係合する様に構成されているのが好ましい。
【0015】
ドライアイス供給装置2は、図示の実施形態では、本体部2Bと、その下方に取り付けられたキャスター付きの車輪2wを備えおり、全体が「ワゴン」状に構成されている。ドライアイス供給装置2の本体部2B内には、保冷ボックス2C(点線で示す)を備えており、保冷ボックス2C内に、防水塗膜に対して吹き付けるべきドライアイスが貯蔵されている。
ただし、ドライアイス供給装置2を、公知の従来技術により構成しても良い。
【0016】
ドライアイス吹付装置3も、公知の構成を採用することが出来る。
図示の実施形態では、ドライアイス吹付装置3は、例えば、本体部3Bと、その下方に取り付けられたキャスター付きの車輪3wを備えおり、全体が「ワゴン」状に構成されている。
本体部3Bの内部にはドライアイス容器3Cを備え、ドライアイス容器3Cは、圧縮エア供給ホース6を介して移動式コンプレッサ1と接続されている。
【0017】
ドライアイス容器3Cはドライアイス排出管7と接続されており、ドライアイス排出管7は、接続ジョイント9を介して、ドライアイス供給管8に接続されている。ドライアイス供給管8の先端には、噴射装置4が設けられている。そして、噴射装置4の先端には、噴射ノズル5が装着されている。
ドライアイス容器3C内には吹き付けるべきドライアイス(例えば、円柱状のドライアイスペレット)が充填されており、ドライアイスは、圧縮エア供給ホース6を介して移動式コンプレッサ1から供給される高圧空気により連行されて、ドライアイス供給管8、噴射装置4、噴射ノズル5を介して、高圧空気と共に噴射される。
【0018】
図示の実施形態では、ドライアイスを吹き付ける圧力(噴射ノズル5先端部における噴射圧力)Pは、下式の範囲である。
0.5MPa≦P≦0.9MPa
発明者の実験によれば、噴射圧力Pが0.5MPa未満の場合には、ドライアイスを防水塗膜に対して吹き付ける力が小さいため、防水塗膜の除去作業の効率が低下してしまう。
一方、噴射圧力Pが0.9MPaよりも大きいと、コンプレッサ1を大型にしなければならず、防水塗膜の除去作業に際して、使用する機器の設置等の労力が多大なものとなってしまう。
ここで、上述した噴射圧力Pの範囲(0.5MPa≦P≦0.9MPa)は、汎用性のあるコンプレッサ(例えば、リース会社がリース用として準備しているコンプレッサ)によって得られる範囲と等しい。
【0019】
防水塗膜の除去作業に際して、ドライアイス吹付装置3の噴射ノズル5先端部から吹き付けるのに用いられるドライアイスの使用量Qは、次の様な範囲に設定されている。
40(kg/h)≦Q≦75(kg/h)
発明者の実験によれば、防水塗膜に対して吹き付けられるドライアイスの使用量Qが40kg/hよりも少ないと、防水塗膜を十分に除去することが出来ず、防水塗膜の除去作業の効率が低下する。
一方、ドライアイスの使用量Qが75kg/hよりも多い場合には、防水塗膜は除去されるが、ドライアイスの使用量が多過ぎるため、防水塗膜の除去作業のコストが増大してしまう。
【0020】
図2で示す噴射ノズル5は、図1において噴射装置4に設けられている。
図2において、噴射ノズル5の噴射孔5bの横内法寸法A、縦内法寸法Bは、例えば、A=25mm、B=6mmである。
図示されてはいないが、例えば、噴射ノズル5の接続口5a(図2の左端側)に雄ねじを形成し、噴射装置4(図1参照)の噴射ノズル取付箇所(図示せず)に雌ねじを形成して、(噴射ノズル5の)接続口5aにおける雄ねじを、(噴射装置4の)噴射ノズル取付箇所における雌ねじと螺合させることにより、噴射ノズル5を噴射装置4に装着し、接続口5aにおける雄ねじと噴射ノズル取付箇所における雌ねじとを螺合解除することにより、噴射ノズル5を噴射装置4から取り外せる様に(脱着可能に)構成しても良い。
【0021】
図示の実施形態における塗膜の除去作用において、使用されるドライアイスは、例えば全体が円柱形状のドライアイスペレットであり、その直径が3mmであり、軸方向長さLが 10mm≦L≦15mm であるのが好ましい。
直径を3mmとしたのは、直径3mmのペレットは、ドライアイスペレットにおける一般的なサイズとされており、安価に且つ大量に入手することが可能だからである。
これに対して、直径が3mmを超す大型のドライアイスペレットの場合には、例えばボルトのねじ部等の狭い箇所や、微細部分に進入することが困難になり、当該狭い箇所や微細部分に存在する防水塗膜を除去することが出来なくなってしまう。
一方、直径が3mmよりも小さいドライアイスペレットの場合には、直径が3mmを超す大型のドライアイスペレットの様に、狭い箇所や微細部分における防水塗膜が除去出来ない、という問題は生じない。しかし、直径3mmのドライアイスペレットに比較して、大量に供給することが困難な場合が存在し、購入コストも高騰化してしまう。
【0022】
ドライアイスペレットの軸方向長さLが10mmよりも短いと、その質量も小さくなり、ドライアイスペレットが噴出して防水塗膜に衝突した際の運動エネルギーが小さくなり、図3(3C)、(3D)を参照して後述するのとは異なり、ドライアイスペレットは防水塗膜内に進入することが出来なくなってしまう。そのため、防水塗膜除去作業の効率が向上しない恐れがある。
一方、ドライアイスペレットの軸方向長さLが15mmよりも大きいと、例えばボルトのねじ部等の狭い箇所や、微細部分に進入することが困難になり、当該狭い箇所や微細部分に存在する防水塗膜を除去することが出来ない恐れがある。
その結果、ドライアイスペレットの軸方向長さLは、上述した範囲内であることが好ましい。
【0023】
次に、図4のフローチャートに基づいて、図1、図3をも参照して、図示の実施形態に係る防水塗膜除去の手順を説明する。
図4において、ステップS1においては、公知の手段及び方法によって、施工するべき領域、すなわち、橋梁鋼床版上の締結部を含む領域におけるアスファルト層を除去する。
アスファルトが除去された領域(橋梁鋼床版上の締結部を含む領域)の防水塗膜10の断面が、図3(3A)に示されている。図3において、符号10fは、防水塗膜10の表面を示している。
【0024】
橋梁鋼床版上の締結部を含む領域におけるアスファルト層を除去したならば、ステップS2に進み、図3(3B)で示す様に、加熱装置20により、防水塗膜10の表面10fを所定温度(加熱温度T)まで加熱し、防水塗膜10を軟化させる。
ここで、加熱温度Tは、 30℃≦T≦200℃ の範囲内であるのが好ましい。
加熱温度Tが30℃未満では、防水塗膜10が十分に軟化せず、ドライアイスペレットが、図3(3C)、(3D)を参照して後述する様に防水塗膜内に進入することが、困難になる恐れがあり、防水塗膜10を除去する効率が悪化する恐れがある。
一方、防水塗膜10の表面10fの加熱温度Tが200℃を超えると、ドライアイスペレットが防水塗膜10の表面10fに接触した瞬間に昇華してしまい、防水塗膜10内部で急膨張して昇華することが行なわれなくなってしまう。また、防水塗膜10を加熱するのに必要な燃料消費量が増大してしまう。
【0025】
ここで、図3(3B)では、加熱装置20がバーナー(例えば、重油バーナー)の様な形状に示されているが、例えばカーペット状の電熱式のヒーター等その他の公知の加熱手段であっても、良い。
換言すれば、加熱装置20については、その構成や形状については、特に限定するものではない。
【0026】
加熱装置20により防水塗膜10を所定温度(加熱温度T)まで加熱して、防水塗膜10を軟化させたならば、図4のステップS3において、ドライアイス(例えば、円筒形状のドライアイスペレット)を、加熱後の防水塗膜10に吹き付ける。
ドライアイスを吹き付ける工程(ステップS3)に先立って、作業者M(図1参照)が、例えばハンドショベル(図示せず)により、ドライアイス供給装置2に貯蔵されているドライアイスペレットを、ドライアイス吹付装置3内のドライアイス容器3C内に、所定量だけ投入する。
そして、コンプレッサ1を作動させて、ドライアイス吹付装置3内に高圧エアを供給して、噴射圧力Pを所定の圧力(0.5MPa≦P≦0.9MPa)まで昇圧させる。そして、作業者Mは、ドライアイス噴射装置4の図示しない引き金を引くと、図1及び図3(3C)で示す様に、高圧エアにより連行されたドライアイスペレットDIが、噴射ノズル5から、防水塗膜10の表面10fに向って噴射される。
【0027】
防水塗膜10の表面10fが加熱されて軟化している(ステップS2)ため、防水塗膜10の表面10fに向って噴射されたドライアイスペレットDIは、防水塗膜10の表面10fで留まることなく、図3(3D)で示す様に、防水塗膜10の内部まで侵入する。
防水塗膜10内部まで侵入したドライアイスペレットDIは、加熱された防水塗膜10が保有する熱量により、瞬時に昇華(膨張)する。ドライアイスが炭酸ガスに昇華すると、急激な体積膨張が生じるので、当該体積膨張のため、防水塗膜10に亀裂が生じ、図3(3E)で示す様に、細かな破片に断裂して(引き千切られて)、分散する(矢印R参照)。
【0028】
ドライアイスペレットDIが加熱された防水塗膜10内で昇華して、防水塗膜10が分散した後、図4のステップS4において、細かな破片に断裂して(引き千切られて)分散した防水塗膜10を、収集して、廃棄する。
防水塗膜10の収集、廃棄については、公知の手法或いは公知の態様で行なうことが出来る。
【0029】
図示の実施形態によれば、橋梁鋼床版上の締結部におけるボルト・ナット等の締結部材や、その周辺に存在する防水塗膜10に対して、除去するべき領域における防水塗膜10を加熱した後、ドライアイスペレットDIを噴射しており、加熱された防水塗膜10が保有する熱量により、ドライアイスDIの昇華、体積膨張が迅速に行なわれ、防水塗膜10を除去する作業が短時間で効率良く行なわれる。
また、加熱工程により防水塗膜10が軟化するので、ドライアイスDIが防水塗膜10の表層部で留まることなく、防水塗膜10内部に押し込まれ易くなる。そして、防水塗膜10内部に押し込まれたドライアイスDIが昇華して、その体積を急激に膨張させることにより、防水塗膜表層部10fに留まったドライアイスが昇華、膨張した場合に比較して、防水塗膜10が断裂され易くなる。
【0030】
そのため、図示の実施形態によれば、ドライアイスDIの噴射圧力を高圧にしなくても、及び/又は、ドライアイスDIの使用量が少なくても、防水塗膜10の除去を企図する領域(橋梁鋼床版上のボルト・ナット及びその周辺)から確実に防水塗膜10を除去することが出来る。
換言すれば、図示の実施形態によれば、ドライアイスDIの噴射圧力を高圧にする必要が無く、ドライアイスDIの使用量を節約することが出来る。
【0031】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【符号の説明】
【0032】
1・・・移動式コンプレッサ
2・・・ドライアイス供給装置
3・・・ドライアイス吹付装置
4・・・ドライアイス噴射装置
5・・・噴射ノズル
6・・・圧縮エア供給ホース
7・・・ドライアイス排出管
8・・・ドライアイス供給管
9・・・接続ジョイント
10・・・防水塗膜
20・・・加熱装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁鋼床版上の締結部材及びその周辺に存在する防水塗膜を加熱する加熱工程と、
当該加熱工程後に防水塗膜に対してドライアイスを噴射するドライアイス噴射工程を含み、
当該ドライアイス噴射工程では、噴射されたドライアイスが加熱工程で軟化した防水塗膜に刺さって、防水塗膜内部に押し込まれ、防水塗膜内に押し込まれたドライアイスが防水塗膜の熱量移動により昇華、膨張して、防水塗膜を断裂させて鋼床版から剥離させることを特徴とする防水塗膜除去工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−36194(P2013−36194A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171766(P2011−171766)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000181354)鹿島道路株式会社 (46)
【出願人】(511192207)株式会社グリーンテックジャパン (1)
【出願人】(500054695)株式会社シーアールティー・ワールド (3)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【出願人】(500403309)株式会社ケミカル工事 (10)
【Fターム(参考)】