説明

防水性スライドファスナー及びテープに流体密封コーティングを施す方法

【課題】先行技術のスライドファスナーに関連する問題を克服して、極端な天候条件及び取り扱いに耐えることが可能でありながら防水性及び流体に対する不浸透性を維持するとともに、防水層が連結要素の交互嵌合を妨害せず、さらに標準的な製造プロセスにおいてグリースの使用によって生じる製造上のダメージに対する耐性を向上させた、改良型の防水性スライドファスナーを提供する。
【解決手段】本発明は、防水スライドファスナーとその製造方法とその使用とに関連し、スライドファスナーは、連結要素が装着された一対のテープを有し、ポリマー材料のコーティングがテープの少なくとも一つの表面に設けられて、この表面上で連続的に延在し、ポリマー材料が、球状範囲を備えるフィン形状を断面において有し、スライドファスナーが開放状態にある時に、ポリマー材料が連結要素を越えて延出可能でない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドファスナーに関連し、より詳しく述べると、本発明は、コイル型スライドファスナー、特に実質的に防水性又は流体密封性のコイル型スライドファスナーに関連する。
【背景技術】
【0002】
ストリンガーテープが各縁部の片側で連続的な連結要素の列を、反対側で密閉部材を支持することで防水性又は流体密封性の締結機構を形成する流体密封性のスライドファスナーには、多くのタイプが見られる。
【0003】
締結又は連結要素が連続コイルで構成される時には、連結要素がストリンガーテープに織り込まれるか編み込まれるのが最も一般的であり、あるいはテープの縁部でテープ表面に縫い付けられることもある。
【0004】
防水性及び流体密封性であって、大人も子供も激しいスポーツ活動を経験することが従来以上に多い現代の必要条件を満たすスライドファスナーが常に必要である。
【0005】
屋外活動用の衣類に利用される時には、スライドファスナーが頑丈で長持ちし、最も重要なことには実質的に流体不浸透性であることが必要である。しかし、ストリンガーテープの外側表面に利用される防水性カバーは、例えば、雪、氷、水しぶきの形であると流体浸入の点で弱点となることが多い。
【0006】
先行技術の教示はこの問題を解決しようとしており、以下のスライドファスナーが開示されている。
【0007】
特許文献1(YKK Corporation)には、連結部材の列が配置されて軟質の合成ゴム又は同様のカバー層で被覆されたテープを支承する一対の流体密封スライドファスナーが記載されている。
【0008】
スライドファスナーとその中心軸で交差するとともにスライドファスナー面に対して直角に伸びる長手方向の面において軟質カバー層の圧接縁部が相互に接触するように、対になった連結部材の連続列が、支承テープの長手方向縁部に対して横向きに離間したオフセット位置で支承テープに縫い付けられている。
【0009】
連結部材列が解離した時に、カバー層の圧接縁部は長手方向の面よりも突出する。しかし、連結部材列が嵌合した時には、カバー層の縁部は連結部材列を支承するテープから離れるように曲げられて、スライドファスナーに対してほぼ直角に延出する。
【0010】
そのため、スライドファスナーが閉鎖されて流体密封スライドファスナーとなった時に、軟質カバー層の圧接縁部は加圧状態で相互に接合することで、軟質カバー層の圧接縁部の間を流体が通過することを防止する。
【0011】
残念なことに、カバー層の2つの圧接縁部又は密閉リップが接合した時に圧接縁部が簡単に外れて流体密封シールが破られるという点で、このタイプのスライドファスナーの構成には問題が存在する。
【0012】
例えば、カバー層を曲げるか折ることにより製造プロセスでシールが簡単に外れるか壊れて密閉ジップ及び接触縁部を変形させることもある。
【0013】
さらに、このようなスライドファスナーの製造プロセスでは、グリースは不可欠な構成要素であり、カバー層へのグリースの塗布の結果、密閉リップが上下に摺動する際にリップ又は接触縁部が容易に外れることもある。一方のリップが対向リップに対する位置から滑落するので、これも密閉リップの当接部が破断して水が浸入する結果を生じる。スライドファスナー、特に「丈夫な」スライドファスナーの動きを容易にするためのグリースの使用は極めて一般的な慣行であるので、流体密封スライドファスナーを用意する時に密閉リップの不整合は重大な問題であり、本出願が対処しようとしているのはこの問題である。
【0014】
特許文献2(Krupp)には、係合歯又は連結要素に流体密封シールを設けるための密閉リップを有する密閉クロージャ又はスライドファスナーも開示されている。この文献では、連結要素は閉鎖位置において、これを支承するストリンガーの縁部よりも突出していない。代わりに、連結要素の中立軸の近くに比較的小さい密閉リップが設けられており、連結要素が閉鎖されると、ストリンガーの縁部が折り返されて弾性材料の密閉リップを接合させることで流体密封シールを形成する。
【0015】
このタイプの構成は、適当な流体密封性の締結機構を提供するが、デザインが複雑であるため製造費用が一層高くなる。また、比較的剛性の高いテープを備える比較的大型でさらに「丈夫な」スライドファスナーについては、特に、スライドファスナーの標準的生産をより困難で費用のかかるものにする特殊デザイン形状の連結要素を必要とする。
【0016】
特許文献3(Armstrong)にもやはり、水、空気、他の流体に対する適当なシールとなり得る可撓性のスライドファスナーが記載されている。ここに記載のスライドファスナーでは、ストリンガーの隣接縁部に一列に取り付けられたファスナーの歯と、ストリンガーの片面に取り付けられた不浸透性材料の層と、を備える一対の織物ストリンガーが設けられる。
【0017】
しかし、特許文献3では、不浸透性材料の層の当接縁部が相互に対して様々な角度にあるため、スライドファスナーが閉鎖された時に当接表面又は密閉リップが連結要素の閉鎖面に対して鋭角となって傾斜当接部を形成する。これにより、密閉リップの間の当接部が平坦でなくなる可能性があり、ゆえに、平坦でない閉鎖機構は非平面状の密閉リップを生じる。
【0018】
特許文献4(Yoshida Kogyo K.K.)には、支持テープとテープの側部で長手方向に延在する連続的な連結要素の列とを備えて、それぞれの長手方向縁部に沿って結合可能な一対のスライドファスナーで構成される流体密封スライドファスナーが記載されている。エラストマ密閉部材は、テープの片側を被覆し、嵌合時にスライドファスナーの半分により画定される中央対称面よりも横方向に突出する長手方向接触縁部を有し、この面は、エラストマ密閉部材の概略面に対して垂直である。
【0019】
しかし、特許文献4では、スライドファスナーが閉鎖された時に、スライドファスナーの各側の密閉部材は平坦でなく見苦しい隆起部を形成し、さらに、テープの各側でのエラストマ密閉部材の持つ形状不定の性質により、閉鎖時の密閉部材の最終形状を制御することができない。そのため、テープの各側でそれぞれの密閉部材がずれるという固有の問題が生じ、その結果、流体の浸入の可能性がある。
【0020】
特許文献5(Heimberger)には、それぞれのストリンガーテープの各側でエラストマ材料が連結要素を包囲する一対の交互嵌合エラストマ密閉ストリップを有する流体密封スライドファスナーが開示されている。スライドファスナーの半分は、最初は相互に横方向に逆向きであって、エラストマ材料を周囲に押出成形するために相互接続される。
【0021】
他に開示されているのは、大きく突出する目立つエラストマ材料の先端又はリブがストリンガーテープの各側に配置されているスライドファスナーである。スライドファスナーが開放状態にある時に、エラストマ材料のリップ又はリブは連結要素の縁部から若干延出している。比較的軟質のエラストマ材料のリップ又はリブはスライドファスナーに対するスライダの動作に影響しないが、リップ又はリブの当接が制御されずに当接部が平坦でなくなり、結果的に流体が浸入する。
【0022】
特許文献6(Yoshida Kogyo K.K.)には、各々が耐水材料で一表面を被覆され長手方向縁部に沿って各テープに取り付けられた連結要素の列を含む一対の支持テープを有する水密性のスライドファスナーも記載されている。
【0023】
連結要素列の交互嵌合により画定されるスペース又はギャップが、液体と接触した時に膨張するフィリングコアで完全に充填されることで、ファスナーが利用される衣類への液体の流入を防止する。
【0024】
フィリングコアは、吸水性が高く水で濡れた際に膨張が可能で、さらに通常使用時に圧力に対する高い保水性を持つポリマー繊維材料から形成される。
【0025】
また、特許文献6の一実施形態では、スライドファスナーは隠れており、テープは、表面の一方において水密層でコーティングされ、対向テープの縁部で当接する防水性ストランドをさらに有する折り曲げ縁部を含む。
【0026】
とりわけ、防水層の縁部が当接する時に防水層の密閉リップの縁部のずれ又は不整合が生じないようにするような形状を防水層が持つ連結機構は、特許文献6には言及されていない。特許文献6においてスライドファスナーへの水の浸入は、テープ縁部と水密層との間に生じるギャップを閉塞する防水性ストランドの存在により防止される。
【0027】
最後に、特許文献7(YKK Corporation)には、締結要素が締結テープの側縁部に取り付けられた状態で、低融点樹脂層がファスナーテープの表面と接触してこれと対向するように、低融点樹脂層と高融点樹脂層とで構成される積層合成樹脂フィルムが、スライドファスナーの締結テープの少なくとも一つの面の表面全体に融着された防水スライドファスナーが記載されている。
【0028】
そのため、特許文献7では、組み合わされると防水層となる多数の樹脂層によって水の浸入が防止される。やはり特許文献7では、防水層がテープの縁部まで延在し、水の浸入を防止するため定位置に融着された糸が使用される。
【0029】
フィンを有し、ファスナーが開放位置にある時に連結要素の縁部よりも延出しないような形状であって、当接して実質的に平面状の防水層を形成するため密閉リップが相互に移動して水の浸入を許容することのない防水層は、特許文献7には言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】米国特許第6,343,408 B1号明細書
【特許文献2】米国特許第3,668,745号明細書
【特許文献3】米国特許第2,923,992号明細書
【特許文献4】米国特許第4,580,321号明細書
【特許文献5】米国特許第3,501,816号明細書
【特許文献6】米国特許第4,888,859号明細書
【特許文献7】米国特許第6,427,294 B1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
そのため本発明は、先行技術のスライドファスナーに関連する問題を克服して、極端な天候条件及び取り扱いに耐えることが可能でありながら防水性及び流体に対する不浸透性を維持するとともに、防水層が連結要素の交互嵌合を妨害せず、さらに標準的な製造プロセスにおいてグリースの使用によって生じる製造上のダメージに対する耐性を向上させた、改良型の防水性スライドファスナーを提供する。
【0032】
そのうえ本発明では、防水層及び防水層の縁部又は密閉リップの新規形状と、連結要素に対するその位置とにより、密閉リップのシールをグリースが妨害することをより困難にするとともに、標準的な製造プロセス中に密閉リップの相互のずれを防止するスライドファスナーが提案される。
【0033】
さらに、防水層の密閉リップのずれが発生した場合には、密閉リップの構成によって、リップが容易に接近することで防水シールの密封性を保証する。
【0034】
そのため本発明は、防水性、さらに流体不浸透性のスライドファスナーに適用可能であるが、これに限定されるわけではない。
【0035】
そのうえ、本発明のスライドファスナーは、特に、例えば、ウォーキングウェア、ダイビングスーツなどを含む野外活動に使用される防水性の衣類、また、例えば、テントや救命ボートといった防水製品における用途を有するが、これらに用途が限定されるわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0036】
そのため本発明の第一の面によれば、
連結要素が装着された一対のテープを有し、
ポリマー材料のコーティングが、テープの少なくとも一つの表面に設けられて表面上で連続的に延在し、
コーティングが、球状範囲を備えるフィンを断面において有し、
スライドファスナーが開放状態にある時に、コーティングが連結要素よりも延出可能でない、
防水性スライドファスナーが提案される。
【0037】
また、本発明によれば、
連結要素が装着された一対のテープを有し、
ポリマー材料のコーティングが、テープの少なくとも一つの表面に設けられて表面上で連続的に延在し、
コーティングが、球状範囲を備えるフィンを断面において有し、
スライドファスナーの各側のフィンが当接して、第1始点と第2終点とを有する密閉部分を形成し、
スライドファスナーが閉鎖状態にある時に、密閉部分における第1始点と第2終点の間の長さが、テープの連結要素側の端縁における、コーティングとの境界点と密閉部分の第1始点との間の距離を上回る、
防水性スライドファスナーが提案される。
【0038】
ポリマー材料のコーティングがテープに押出成形されることが好ましいが、代替方法でポリマー材料のコーティングが形成されてもよい。また、ポリマー材料のコーティングがさらにテープに接着されてもよい。このために、適当な接着剤が使用される。
【0039】
連結要素は、第1上部と第2下部とを有する。連結要素の第1上部は、ポリマー材料のコーティングに最も近い。
【0040】
また、本発明によれば、テープの各側のコーティングのフィンは、テープ側で、そのテープの端縁を始点として、テープ表裏方向において、連結要素から離間する方向に延びる第1上昇部と、第1上昇部に連続する第2頂部と、その第2頂部に連続し、テープ幅方向において連結要素から離間する方向へ延びる戻り部とを有する。フィンの第1上昇部は、テープが終了する点から始まる。
【0041】
本発明による防水性スライドファスナーでは、連結要素は第1上部と第2下部とを有し、連結要素の第1上部は、第2下部よりもポリマー材料のコーティングに近い。そのうえ、連結要素の第1上部とテープが終了する点から始まるフィンの第1上昇部の始点との間の距離は、連結要素の第1上部と第2下部との間の距離の25%未満である。すなわち、連結要素の奥行の25%未満である。連結要素の第1上部とテープが終了する点から始まるフィンの第1上昇部の始点との間の距離が20%未満であると、より好ましい。
【0042】
フィンを形成するポリマー材料のコーティングがテープの少なくとも一つの表面に設けられて表面上で連続的に延在し、連結要素から離れた織編テープの縁部よりも延出することも好ましい。フィン形状のポリマー材料のコーティングが、テープの第2表面に延在してもよい。
【0043】
本発明の第一の面によれば、フィン形状のポリマー材料のコーティングが、フィンの連結要素側にて膨らむように形成される球状範囲と、その球状範囲に連続し、均一な厚さに形成される首状範囲と、を有する。ポリマー材料は熱硬化性であるが、熱可塑性樹脂で構成されることが好ましく、ポリウレタン又はポリクロロプレンで構成されるのが最も好ましい。ポリマー材料も透明であるとよい。
【0044】
各テープの少なくとも片側のコーティングのフィンは、スライドファスナーの中心線で当接して密閉部分を形成する。密閉部分は、フィンの密閉リップの当接部を有する。加えて、各テープの少なくとも片側に配置された、当接しているフィンの上面は、各テープの面に対して整合されている。ポリマー材料のコーティングは、テープの第2表面よりもテープの表面の方が肉厚であるとよい。
【0045】
本発明による防水性スライドファスナーがコイル型スライドファスナーに利用されることも好ましい。コイル型スライドファスナーはナイロンで構成されることが好ましい。スライドファスナーは疎水性処理を受けるか、あるいはテープが疎水性材料で構成されてもよい。各テープは織編で構成されることが好ましい。
【0046】
本発明の第二の面によれば、本発明の第一の面によりファスナーテープに流体密封コーティングを施す方法が提案され、この方法は、連結要素を装着したテープを押出成形ダイに通すステップと、テープの少なくとも片側にポリマー材料の層を押出成形して流体密封スライドファスナーを形成するステップと、を有し、流体の浸入を防止するため、ポリマー材料の層のフィンが押出成形される。
【0047】
本発明の第三の面によれば、衣類、テント、救命ボート、カバンのため、本発明の第一又は第二の面に関連して説明したような流体密封スライドファスナーを使用することが提案される。
【0048】
本発明の好ましい特徴の他の面は、以下の説明及び添付の請求項から明らかになるだろう。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、極端な天候条件及び取り扱いに耐えることが可能でありながら防水性及び流体に対する不浸透性を維持することができ、また、防水層が連結要素の交互嵌合を妨害してしまうのを防止することができ、また、グリースの使用によって生じる製造上のダメージに対する耐性を向上することができ、また、密閉リップのシールをグリースが妨害してしまうのをより困難にすることができ、また、標準的な製造プロセス中の密閉リップの相互のずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
以下では、添付図面を参照し、本発明を例として詳しく説明する。
【図1】先行技術のスライドファスナーの閉鎖位置における断面図である。
【図2】先行技術のスライドファスナーの半分の断面図である。
【図3】本発明によるスライドファスナーの半分の断面図である。
【図4】本発明によるスライドファスナーの閉鎖位置における断面図である。
【図5】図4に図示された本発明によるスライドファスナーの閉鎖位置における追加図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1には、一対の各テープ24a,24bの片面側に、防水層22a,22bが形成され、他面側にコイル型連結要素20a,20bを装着して構成される先行技術のコイル型スライドファスナー10の断面図が開示されている。
【0052】
コイル型連結要素20a,20bは、合成樹脂製のモノフィラメントをコイル状に捲回して連結要素を形成する。連結要素20a,20bは、相手側の連結要素と噛合する噛合部、上下脚部、反転部から形成される。そして、この連結要素20a,20bは、テープ24a,24bに縫い糸によって縫着、または、テープの織製、編製と同時に織り込む又は編み込まれて装着される。
【0053】
図1において、連結要素20a,20bは、相互に噛合しており、そのためスライドファスナー10は閉鎖状態にある。なお、以下の説明において、テープ24a,24bの水平面に平行で長手方向に直交する方向をテープの幅方向とし、その水平面に垂直な方向を表裏方向とする。
【0054】
連結要素20a,20bは、一対のテープ24a,24bの対向縁部に取り付けられており、防水層22a,22bは、一対のテープ24a,24bの上に形成されている。
【0055】
防水層22a,22bは、スライドファスナー10の長さ全体に延在して、テープ24a,24bの各側においてフィン形状突出部40a,40bとなるように、フィン形状の端部41a,41bより前(テープ幅方向で端部から離れる方向)に略均一な長形の輪郭又は首状範囲23a,23bを有することが断面で分かる。図1に示すように、スライドファスナー10が閉鎖状態にある時には、連結要素20a,20bが取り付けられたのと反対側でテープ24a,24bに配置された密閉リップ(当接リップ)30a,30bが、フィン40a,40bに形成され、密閉リップ30a,30bは、互いに接触する。
【0056】
しかし、図1に示すように、スライドファスナー10が閉鎖されて連結要素20a,20bが交互嵌合関係にある時に密閉リップ30a,30bが完全に整合されないため、第1フィン40aが第2フィン40bよりも上にあるように見えるという点で、防水層22a,22bの形状に問題が存在する。その結果、断面で見ると、スライドファスナー10の防水層22a,22bは平坦な表面を形成せず、効果的な防水性も発揮しにくい。この密閉リップ30a,30b又はフィン40a,40bの不整合は、スライドファスナー10の開閉についての問題につながる。加えて、フィン40a,40bの密閉リップ30a,30bの当接が不均一であって水の浸入が可能となるため、スライドファスナー10はもはや防水性を発揮するものではなくなる。このように平坦でない防水層22a,22bの表面のため、平坦でない防水層22a,22bの表面上を、スライダ(不図示)が通過することでスライドファスナー10を開閉することが困難であるので、スライドファスナー10の開閉時の問題も生じる。
【0057】
加えて、図1のような防水層22a,22bを備えるスライドファスナー(ジップファスナー)10を製造する時には、摺動し易くするためオイル及び/又はグリースが使用されることが多い。しかし、オイル及び/又はグリースの使用により、フィン40a,40b及び密閉リップ30a,30bが使用時に壊れるか折り曲げられるか不整合となって、シールを介した流体の浸入につながる恐れもある。特定の理論に拘束されることを望まないが、スライドファスナー10の製造プロセス中に首状範囲23a,23b及びフィン40a,40bが不整合となって密閉リップ30a,30bの不整合を生むのは、長形の首状範囲23a,23bの形状及び厚さであると推測できる。フィン40a,40bの長形の首状範囲23a,23bは、端部41a,41bまで実質的に同じ厚さであって、防水層22a,22bが撓曲して連結要素20a,20bの方へ曲がるのに充分な可撓性を首状範囲23a,23bに付与する。
【0058】
図2には、図1に見られるスライドファスナー10の片側(図1の左側)の拡大断面図が図示され、連結要素120aが装着されたテープ124aの上に、フィン形状の防水層140が接着されている。
【0059】
フィン(防水層)140は、テープ124aの縁部から延出し、表裏方向において連結要素120aから離間する方向(表面方向)へ形成される上昇部142と、上昇部142に連続する湾曲頂部144と、その湾曲頂部144に連続し、水平方向において連結要素120aから離間する方向へ延びる戻り部146と、を有する。図2に示すように、防水層140は、フィン140の端部141aで終了する長形の首状範囲123aを有する。しかし、密閉リップ130aでフィン140が終了するまで、フィン140は実質的に均一な断面輪郭を有する。断面においてフィン140の端部141aの終点は連結要素120aと並んでいるが、防水性のフィン140が連結要素120aに向かって下方向に押圧された場合には、密閉リップ130aの範囲が連結要素120aの端部よりも延出することも、図2から分かる。
【0060】
テープ124aが終了するところから始まるフィン140の上昇部142は、連結要素120aの上縁部150から一定距離にあるため、連結要素120aの頂部(上縁部150)とテープ124aが終了するフィン140の上昇部142の始点との間には、“x”と記された距離が存在する。連結要素120aの頂部(上縁部150)とフィン140の上昇部142の始点との間の距離“x”は、連結要素120aの上縁部150(第1上部)と連結要素120aの底部151(第2下部)との間で測定される連結要素120aの高さ“h”の半分に近い。ここで、上縁部150は、断面において、連結要素120aのテープ124a側で頂点の部分であり、底部151は、断面において、連結要素120aのテープ124aと反対側で頂点の部分である。
【0061】
この距離“x”により、図1に示すように、連結要素20a,20bが交互嵌合した時に、防水層22a,22bと連結要素20a,20bとの結合(嵌合)により生じる空隙50が確実に見られることになる。この空隙50は、スライドファスナー10のサイズ(図1の断面図の大きさ)に対してかなりのサイズ(図1の断面図の大きさ)を占める。そのため、密閉リップ30a,30bの縁部への追加オイル及び/又はグリースの存在によって不整合の状態のフィン40a,40bがさらにずれる場合には、フィン40a,40bがさらに相互移動するための充分なスペースがこの空隙50によりスライドファスナー10に設けられて、フィン40a,40bの相互の不整合がさらに発生する。こうして最終的に、より目立つ平坦でない防水層22a,22bを備えるスライドファスナー10となる。その上、防水層22a,22bの首状範囲23a,23bが実質的に均一な厚さであることは、フィン40a,40bが相互に、また、スライドファスナー10が閉鎖された時に形成される空隙(スペース)50へフィン40a,40bが移動するのに充分な可撓性が防水層22a,22bに見られるという作用を持つ。
【0062】
本発明による連結要素220とフィン形状の防水層242とを備えるスライドファスナーの片側の断面図を示す図3において、フィン230の一部では、実質的に均一な肉厚である首状範囲231を有するが、その首状範囲231において、図3におけるフィン230の連結要素220側の下面247と上面249において、それぞれ連結要素220に向かうように、また離れるように首状範囲231が外向きに延出して、フィン230の密閉リップを終端とする球状端部241を形成することが分かる。球状端部(球状範囲)241は、断面図において、連結要素220に向かって、首状範囲231の厚さから漸次厚くなるように形成されており、球根状と見ることもできる。連結要素220は、テープ224側に第1上部250と、テープ224から離れる側に第2下部252と、を有する。第1上部250は上縁部、第2下部252は底部とも言う。
【0063】
結果的に、断面においてテープ224が終了するテープ224の端縁からフィン230の上昇部240を有し、そのテープ端縁側の上昇部240と連結要素220の上縁部250との間の距離“y”は、連結要素220の上縁部250及び底部252の間の距離“z”よりもかなり短くなっている。防水層242のフィン230は、テープ224が終了するところ(テープ224の端縁)を始点として、表裏方向において連結要素220から離間する方向(表面方向)に延びる上昇部(第1上昇部)240と、上昇部240に連続する湾曲頂部(第2頂部)244と、その湾曲頂部244に連続し、水平方向において連結要素220から離間する方向へ延びる戻り部246とで構成され、連結要素220はテープ224に固定されているが、スライドファスナーの開放状態において、フィン230は連結要素220の側縁部251よりも突出していないことが図3から分かる。加えて、フィン230を連結要素220の方へ押圧したとしても、フィン230が連結要素220の端(側縁部251)よりも延出するようなことはない。フィン230の密閉リップと連結要素220の側縁部251との間には距離“d”が存在することが、図3から分かる。各テープ224の連結要素220が噛合してスライドファスナーが閉鎖状態において、各側のフィン230が当接し、フィン230が表裏方向において連結要素220から離間する方向に突出変形するが、この距離“d”によって、その突出変形する量は、図1に表すような先行技術のスライドファスナーよりも小さい。つまり、本発明では、噛合前のフィン230の密閉リップと、噛合後の密封リップの表裏方向の高さの変化量が、先行技術のものよりも少なくでき、密閉リップのずれが防止できる。
【0064】
加えて、フィン230の上昇部240と連結要素220の上縁部250との間の距離“y”が、図2に図示された先行技術の構成と比較しておよそ50%減少しているため、距離“y”は、連結要素220の上縁部250と底部252との間で測定された連結要素220の高さ“z”の25%よりも短い。距離“y”が連結要素220の高さ“z”の20%未満であると、連結要素220が結合した状態での空隙がスライドファスナーのサイズに対して従来と比較して小さくできるので、さらに好ましい。
【0065】
フィン230を形成するポリマー材料のコーティングが、テープ224の表面223で連続的に延在し、連結要素220から離れて織編テープ224の縁部よりも延出している。また、フィン230を形成するポリマー材料のコーティングが、テープ224の第2表面つまり裏面225にも延在するとよい。
【0066】
図4には、連結要素320a,320bが交互嵌合関係にあるスライドファスナーの閉鎖状態における、本発明によるスライドファスナーの断面図が図示されている。図4では、テープ324a,324bのそれぞれ対向する縁部に、それぞれ装着された連結要素320a,320bをスライドファスナーが有する。テープ324a,324bの上に配置されているのは、それぞれ防水層322a,322bである。しかし、図4では、テープ324a,324bが終了する点(テープ端縁)から始まり、連結要素320a,320bから離間する方向(上方向)に延びる上昇部(第1上昇部)340a,340bと、上昇部340a,340bに連続する上部(第2頂部)344a,344bと、その上部344a,344bに連続し、水平方向において上部344a,344bから離間する方向へ延びる戻り部346a,346bと、をフィン342a,342bが有するが、上部344a,344bでのフィン342a,342bの最上部は、互いにずれることなく整合されていることが分かる。加えて、密閉リップの縁部330a,330bも整合されている。しかし最も重要なのは、連結要素320a,320bの上縁部350とフィン342a,342bの上昇部340a,340bとの間に形成される空隙400の体積が減少していることである。これは、連結要素320a,320bの上縁部350とフィン342a,342bの上昇部340a,340bの始点との間の距離“y”が、先行技術のスライドファスナーと比較して短いためである。
【0067】
このような空隙400の体積の減少は、空隙400を形成する範囲に延出する密閉部分(密閉リップの縁部330a,330b)の前(上部344a,344bから戻り部346a,346b方向)の球状端部(球状範囲)341a,341bでフィン342a,342bが構成されるという事実にもよる。球状端部341a,341bは、断面図において、連結要素320a,320bに向かって、首状範囲の厚さから漸次厚くなるように形成されており、表裏方向において、フィン342a,342bの表面が連結要素320a,320bから離れるとともに、テープ324a,324b側の面が連結要素320a,320bに向かって広がることで、膨張形状を形成する。そして、フィン342a,342bの均一な厚さの首状範囲に対して、膨張している部分を、球状端部341a,341bの範囲として、フィン342a,342bに形成される。この球状範囲341a,341bは、フィン342a,342bの密閉リップの間に、より広い当接エリアを設ける。加えて、球状範囲341a,341bを形成する防水層322a,322bが膨らんでいるという性質は、球状範囲341a,341bにおいて防水層322a,322bが肉厚であるため補強にもなるという別の作用も持っている。結果的に、球状のフィン342a,342bは、相互にずれにくく整合が容易である。
【0068】
図5には、図4に図示された本発明によるスライドファスナーの閉鎖位置における追加図が図示され、同様の部材には同じ番号が付けられている。本発明のスライドファスナーの追加特徴は、フィン342a,342bの形状が重要であって、連結要素320a,320bが嵌合状態において、フィン342a,342bの端縁が接触することで、戻り部346a,346bに圧力が印加された時に、密閉リップの縁部330a,330bが接触して密閉部分としており、その接触状態の縁部330a,330bの連結要素320a,320b側を第1始点343、第1始点343よりも連結要素320a,320bから離間する側の接触点を第2終点345とし、第1始点343と第2終点345との間の距離“b”により規定される密閉リップの縁部330a,330bの接触長さが、図1に表すような先行技術よりも大きくなるように設計されていることであると分かる。
【0069】
さらに、本発明によれば、フィン342a,342bの密閉リップの縁部330a,330bに最も近い織編テープ324a,324bの上面とフィン342a,342bの上昇部340a,340bとの接触点(テープ324a,324bが終了する連結要素320a,320b側のテープ端縁と防水層322a,322bとの境界点)347a,347bと密閉リップにより形成される密閉部分の第1始点343との間の距離“a”は、密閉リップの間の密閉部分の長さより短い。密閉部分の長さは距離“b”と記され、第1始点343と第2終点345との間で測定される。つまり、密閉部分は、密閉リップの接触部の長さなのである。本発明によれば、密閉リップから形成される密閉部分の“b”の長さは、織編テープ324a,324bの防水層322a,322bに最も近い最上面(上記接触点347a,347b)と密閉部分の第1始点343との間の距離“a”を常に上回り、そのためフィン342a,342bの形状が球状(又は球根状)となるのである。
【0070】
さらに、図4及び図5に図示されたフィン342a,342bには、傾斜した戻り部346a,346bが見られるが、戻り部346a,346bの形状は、何らかのロゴ又はデザインに合うように変形されてもよい。例えば、戻り部346a,346bがそれほど湾曲しておらず、角張った構成でもよいことが認知されるだろう。
【0071】
このように整合されたフィン342a,342bの上部344a,344bと密閉リップ又は当接縁部330a,330bの構成により、先行技術のスライドファスナーと比較して本発明のスライドファスナーに長所が得られ、防水層322a,322b及び連結要素320a,320bをスライダが通過する際に問題を生じない。例えば、防水層を備えるスライドファスナーのより迅速な処理を可能にするのに必要とされるオイル及びグリースを使用する時には、連結要素320a,320bとフィン縁部330a,330bとが整合されているため、スライドファスナーの片側の第1フィン342aの縁部330aがスライドファスナーの反対側の第2フィン342bの縁部330bに対してずれることがなく、フィン縁部330a,330bが折れ曲がることもない。これは、フィン縁部330a,330bの間の当接を改善して、水の浸入を防止する。
【0072】
フィン342a,342bがさらに球状で連結要素320a,320bの上縁部にもっと近接している本発明によるスライドファスナーを製造することにより、スライドファスナーは製品に必要な可撓性を備えるがフィンが従来に比較して容易に変形はしないことも分かるだろう。特定の実施形態に拘束されないが、連結要素320a,320bの上縁部とテープ324a,324bの端縁から始まるフィン342a,342bの上昇部340a,340bとの間の空隙400が縮小されて、連結要素320a,320bの方へフィン342a,342bに沿って見ていくとフィン342a,342bの首状範囲の厚みが増加することで球状端部341a,341bを形成し、フィン342a,342bの有効強度が上昇するので、フィン342a,342bが相互にずれる可能性も低下する。
【0073】
結果的に、本発明のフィン形状のポリマー材料のコーティングは、先行技術の防水性スライドファスナーと関連する問題すべてに対処する。上記において、ポリマー材料としては、例えば、ポリクロロプレンや、ポリウレタンエラストマーや、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーが代表例として挙げられるが、ゴムでもよい。このポリマー材料は、テープ面に層状に形成され、そのポリマー材料の材質によって、ポリマー材料が形成される箇所は、水や空気が通過しないため、ポリマー材料のコーティングをテープに施すことにより流体密封状態にでき、さらに、フィン形状として、各側のフィン形状のポリマー材料が、スライドファスナーの閉鎖時に、互いに密閉することで、ポリマー材料の合わせ面での液体密封状態にできる。なお、ポリマー材料は透明であってもよい。ポリマー材料がテープに押出成形されることが好ましいが、代替方法でポリマー材料が形成されてもよい。また、ポリマー材料がさらにテープに接着されてもよい。このために、適当な接着剤が使用される。また、織編テープが防水又は疎水性処理が施されていてもよく、及び/又は、テープを編む或いは織るために使用される糸が疎水性材料であってもよい。上記防水又は疎水性処理とは、例えば、撥水剤を塗布することが考えられる。その疎水性処理は、ポリマー材料にも施してもよい。
【符号の説明】
【0074】
220 連結要素
224 テープ
230 フィン
231 首状範囲
240 上昇部(第1上昇部)
241 球状端部(球状範囲)
242 防水層(コーティング)
244 湾曲頂部(第2頂部)
246 戻り部
250 第1上部(上縁部、頂部)
251 側縁部
252 第2下部(底部)
320a,320b 連結要素
322a,322b 防水層
324a,324b 織編テープ
330a,330b 密閉リップの縁部
340a,340b 上昇部(第1上昇部)
341a,341b 球状端部(球状範囲)
342a,342b フィン
343 第1始点
344a,344b 上部(第2頂部)
345 第2終点
346a,346b 戻り部
350 連結要素の上縁部(頂部)
400 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結要素が装着された一対のテープを有する防水性スライドファスナーであって、
ポリマー材料のコーティングが前記テープの少なくとも一つの表面に設けられて前記表面上で連続的に延在し、
前記コーティングが、球状範囲を備えるフィンを断面において有し、
前記スライドファスナーが開放状態にある時に、前記コーティングが前記連結要素を越えて延出可能でない、
防水性スライドファスナー。
【請求項2】
連結要素が装着された一対のテープを有する防水性スライドファスナーであって、
ポリマー材料のコーティングが前記テープの少なくとも一つの表面に設けられて前記表面上で連続的に延在し、
前記コーティングが、球状範囲を備えるフィンを断面において有し、
前記スライドファスナーの各側の前記フィンが当接して、第1始点と第2終点とを有する密閉部分を形成し、
前記スライドファスナーが閉鎖状態にある時に、前記密閉部分における前記第1始点と前記第2終点の間の長さが、前記テープの前記連結要素側の端縁における、前記コーティングとの境界点と前記密閉部分の前記第1始点との間の距離を上回る、
防水性スライドファスナー。
【請求項3】
前記テープの各側における前記コーティングのフィンが、前記テープ側で、そのテープの端縁を始点として、テープ表裏方向において、前記連結要素から離間する方向に延びる第1上昇部と、前記第1上昇部に連続する第2頂部と、その第2頂部に連続し、テープ幅方向において前記連結要素から離間する方向へ延びる戻り部とを有する、請求項1又は2に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項4】
前記コーティングがさらに前記テープに接着される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項5】
前記連結要素が第1上部と第2下部とを有し、
前記連結要素の前記第1上部が前記第2下部よりも前記コーティングに近く、
前記連結要素の前記第1上部と、前記テープが終了する点から始まる前記フィンの前記第1上昇部の始点との間の距離が、前記連結要素の前記第1上部と前記第2下部との間の距離の25%未満である、請求項3に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項6】
前記フィンを形成する前記コーティングが、前記テープの少なくとも一つの表面に設けられ、前記表面上で連続的に延在し、織編テープの縁部よりも延出する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項7】
前記コーティングが、前記テープの第2表面にも延在する、請求項6に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項8】
前記テープの前記第2表面よりも前記テープの前記表面の前記コーティングが厚い、請求項7に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項9】
前記コーティングが、前記フィンの前記連結要素側にて膨らむように形成される球状範囲と、その球状範囲に連続し、均一な厚さに形成される首状範囲と、を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項10】
前記球状範囲の厚さは、前記首状範囲の厚さよりも厚い、請求項9に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項11】
前記テープの各側の前記コーティングの前記フィンが、前記スライドファスナーの中心線上で当接して、前記フィンの密閉リップを有する前記密閉部分を形成する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項12】
前記テープの各側において当接している前記フィンの上面が、前記スライドファスナーの面に対して整合される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項13】
前記スライドファスナーがコイル型スライドファスナーである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項14】
前記テープに疎水性処理がさらに施される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の防水性スライドファスナー。
【請求項15】
連結要素を装着したテープを押出成形ダイに通すステップと、前記テープの少なくとも片側にポリマー材料の層を押出成形して流体密封スライドファスナーを形成するステップと、を有する方法であって、
流体の浸入を防止するため、前記ポリマー材料の層のフィンが押出成形される、請求項1〜14のいずれか1項に記載のテープに流体密封コーティングを施す方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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