説明

防災警報連携システム、防災警報連携方法、中継アダプタ及び警報器

【課題】地域防災無線設備と警報器を双方向通信で連携し、サービス地域への防災情報の報知とサービス地域で発生した異状の監視を可能とする。
【解決手段】市町村防災無線設備10は、第1無線通信プロトコルに従って緊急情報通報信号を送信し、防災情報を報知出力させる。住宅24内に設置された住警器100は、監視領域の火災を検知した場合に警報を報知出力すると共に第2無線通信プロトコルに従って他の住警器との間で連動信号を送受信して警報連動を行い、更に市町村防災無線設備10に対し火災連携信号を送信する。屋外に設置した中継アダプタ200は、市町村防災無線設備10と住警器100との間でプロトコル変換と双方向中継を行い、親局12からの緊急情報警報信号を住警器100に送信して緊急地震速報、緊急警報或いは津波警報に対応する防災情報を報知出力し、また住警器100で検知した火災等の火災連携信号を親局12に送って火災警報を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内に設置した火災やガス漏れなどの異状を検知して警報する警報器を利用して市町村防災無線設備などの地域防災無線設備から送信された地震や津波などの防災警報を出力させる防災警報連携システム、防災警報連携方法、中継アダプタ及び警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異状を検出して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用災警報器を住警器と言う。
【0003】
例えばこのような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部で火災の検出信号から火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報を出力させるようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報を出力させる連動型の警報システムも提案され、実用化されている。
【0005】
このような連動型の警報システムでは、住警器で火災を検知した場合には、火災を検知した連動元の住警器は、メッセージを含む所定パターンの火災警報音、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を出力し、一方、連動先の住警器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力するようにしている。
【0006】
一方、市町村が防災行政のために市町村防災無線設備を設置して運用している。市町村防災無線設備は、操作卓を備えた親局、中継局、及び子局から構成され、子局には拡声器から警報を知らせる拡声子局が設置され、必要に応じて屋内に設置されて警報を知らせる戸別受信機も設けられる。
【0007】
このような市町村防災無線設備にあっては、緊急地震速報が受信されたり、津波警報が発令された場合、防災行政の担当者が操作卓の対応する警報操作釦を操作すると、音声信号を変調した緊急情報信号が親局から送信され、中継局を介して又は直接に屋外に設置した拡声子局及び住居に設置した戸別受信機で緊急情報信号が受信され、受信信号の復調により音声信号を再生し、拡声器から設定音量で警報を担当地区に流したり、戸別受信機から警報を出力ようにしている。
【0008】
また近年にあっては、国の施策により、従来のアナログシステムを破棄し、デジタルシステムへの移行が進められており、近い将来、全市町村にデジタルシステムが導入されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−094719号公報
【特許文献2】実用新案登録第3154579号公報
【特許文献3】特開2009−244937号公報
【特許文献4】特開2009−284237号公報
【非特許文献1】社団法人電波産業界”市町村デジタル同報通信システム 標準規格 ARIB STD−T86 2.0版“、平成17年11月30日 2.0改定[平成23年5月30日検索]、インターネット(URL:www.arib.or.jp/tyosakenky/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような従来の市町村防災無線設備にあっては、親局から送信した緊急情報信号を屋外に設置した拡声子局で受信して拡声器から大音量で管轄地域に警報を流すようにしているが、複数の拡声子局から同時に警報が出力された場合、両方からの音が届く場所では、複数の音が干渉して聞こえることで、警報内容が聞き取り辛いという問題があり、また締め切った屋内にいる場合には、拡声子局による屋外の警報が聞こえにくいという問題も残されている。
【0011】
この問題を解決するためには、全ての住戸に専用の戸別受信機を設置すれば良いが、その設置コストが大幅に増大し、維持管理に手間と時間がかり、現実的とはいえない。
【0012】
また戸別受信機を住戸に設置した場合、戸別受信機からの音が聞こえる範囲でしか緊急地震速報や津波警報などの警報を聴くことができず、戸別受信機を部屋毎に設置することは、コスト高になったり、各所に設置スペースを確保しなければならないといった問題がある。
【0013】
また、戸別受信機は、部屋によっては電波事情が悪く電波が充分な強度で受信できない場合があり、このような場所に設置しても有効に機能しない恐れもある。
【0014】
本発明は、地域防災無線設備と屋内の警報器との双方向通信による連携して地震発生や津波到来などの防災情報の通報と警報器で検知した火災等の異状を集中監視することを可能とする防災警報連携システム、防災警報連携方法、中継アダプタ及び警報器及を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(防災警報連携システム)
本は発明は、防災警報連携システムにおいて、
親局と端末との間で防災信号を送受信する地域防災無線設備と、
監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力する警報器と、
通信プロトコルの異なる前記地域防災無線設備の信号と前記警報器の信号との間を中継する中継アダプタと、
を設け、地域防災設備からの緊急情報通報信号を、中継アダプタを経由して警報器に送信して当該緊急情報通報信号に対応する防災情報を報知出力し、警報器からの異状連携信号を、中継アダプタを経由して地域防災無線設備に送信して当該異状連携信号に対応する異状情報を報知出力することを特徴とする。
【0016】
ここで、地域防災無線設備は、所定の第1通信プロトコルに従った緊急情報通報信号を送信し、
中継アダプタは、屋外に設置され、地域防災無線設備から第1通信プロトコルに従った緊急情報通報信号を受信した場合に、所定の第2通信プロトコルに従った緊急情報通報信号に基づく緊急情報連動信号に変換して送信し、
警報器は、屋内に設置され、中継アダプタから第2通信プロトコルに従った緊急情報連動信号を受信した場合に、当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力する。
【0017】
警報器は、屋内に設置され、監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力すると共に、前記中継アダプタに所定の第2通信プロトコルに従った異状連携信号を送信し、
中継アダプタは、屋外に設置され、警報器から第2通信プロトコルに従った異状連携信号を受信した場合に、所定の第1通信プロトコルに従った異常連携信号に変換して地域防災無線設備へ送信し、
地域防災無線設備は、中継アダプタから所定の第1通信プロトコルに従った異状連携信号を受信した場合に、当該異状連携信号に対応した異状情報を報知出力する。
【0018】
中継アダプタは、
地域防災無線設備との間で第1通信プロトコルに従った信号を送受信する第1通信部と、
警報器との間で第2通信プロトコルに従った信号を送受信する第2通信部と、
第1通信部により受信された地域防災無線設備からの第1通信プロトコルに従った緊急情報通報信号を検知した場合に、所定の第2通信プロトコルに従ったグループ指定なしの緊急情報連動信号に変換して警報器へ送信させると共に、第2通信部により受信された警報器からの第2通信プロトコルに従った異状連携信号を検知した場合に、第1通信プロトコルに従った異状連携信号に変換して第1通信部により地域防災無線設備へ送信する中継制御部と、
を備える。
【0019】
警報器は、
第2通信プロトコルに従って中継アダプタとの間で信号を受信すると共に他の警報器との間で信号を送受信する第2通信部と、
防災情報を報知する報知部と、
第2通信部により受信された信号から緊急情報通報信号に基づくグループ指定なしの連動信号を検知した場合に、報知部に当該緊急情報通報信号に対応する防災情報を報知出力させ、異状を検知した場合に、警報を報知出力すると共に、自己の属するグループを指定した異状連動信号を生成して第2通信部により他の住警器へ送信し、更に地域防災無線設備を指定した異状連携信号を生成して第2通信部により前記中継アダプタへ送信する警報制御部と、
を備える。
【0020】
警報器の警報制御部は、第2受信部により受信された信号から地域防無線設備を指定した異状連携信号を検知した場合に、当該異状連携信号を第2受信部により他の警報器または中継アダプタへ送信する。
【0021】
警報器の警報制御部は、第2受信部により受信された信号からグループ指定なしの緊急情報連動信号を検知した場合に、当該緊急情報連動信号に基づき自己の属するグループを指定した緊急情報連動信号を生成して第2受信部により他の警報器へ送信する。
【0022】
警報器の警報制御部は、第2通信部により受信された信号から他の警報器から中継送信された自己の属するグループを指定した緊急情報連動信号を検知した場合に、報知部に、当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力させると共に、当該緊急情報連動信号を第2受信部により他の警報器へ中継送信する。
【0023】
警報器の警報制御部は、異状復旧を検知した場合に、警報を停止すると共に、自己の属するグループを指定した異状復旧連動信号を生成して第2通信部により他の住警器へ送信させ、更に地域防災無線設備を指定した異状復旧連携信号を生成して第2通信部により中継アダプタへ送信する。
【0024】
警報器の警報制御部は、警報停止操作を検知した場合に、警報を停止すると共に、自己の属するグループを指定した警報停止連動信号を生成して第2通信部により他の住警器へ送信し、更に地域防災無線設備を指定した警報停止連携信号を生成して第2通信部により前記中継アダプタへ送信する。
【0025】
緊急情報通報信号は、緊急地震速報通報信号、緊急警報通報信号或いは津波警報通報信号であり、緊急情報連動信号は、緊急地震速報連動報信号、緊急警報連動信号或いは津波警報連動信号である。
【0026】
地域防災無線設備は、マイクから入力した音声信号に、音声周波数帯域の搬送波信号を所定の緊急情報制御データ信号によりデジタル変調して混合し、当該混合音声信号を所定の第1通信プロトコルに従った防災信号に変換して送信し、
中継アダプタは、地域防災無線設備から前記第1通信プロトコルに従った防災信号を受信した場合に、当該防災信号から緊急情報制御データ信号を復調し、所定の第2通信プロトコルに従った緊急情報制御データ信号に基づく連動信号に変換して送信し、
警報器は、中継アダプタから第2通信プロトコルに従った緊急情報制御データ信号に基づく連動信号を受信した場合に、当該連動信号に対応する防災情報を報知出力する警報器と、
を備えたことを特徴とする。
【0027】
ここで、地域防災無線設備は、デジタル変調としてFSK変調、MSK変調またはDTMF変調を行う。また緊急情報制御データ信号は、緊急地震速報制御データ信号、緊急警報制御データ信号或いは津波警報制御データ信号であり、連動信号は、緊急地震速連動信号、緊急警報連動信号或いは津波警報連動信号である。
【0028】
地域防災無線設備は、マイクから入力した音声信号に、音声周波数帯域の搬送波信号を所定の緊急情報制御信号によりアナログ変調して混合し、当該混合音声信号を所定の第1通信プロトコルに従った通報信号に変換して送信し、
警報器は、地域防災無線設備から第1通信プロトコルに従った通報信号を受信した場合に、当該通報信号から緊急情報制御信号を復調し、当該緊急情報制御信号に対応する防災情報を報知出力する。
【0029】
(防災警報連携方法)
本発明は、防災警報連携方法に於いて、
親局と端末との間で防災信号を送受信する地域防災無線設備と、
監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力する警報器と、
通信プロトコルの異なる前記地域防災無線設備の信号と警報器の信号との間を中継する中継アダプタと、
を設け、地域防災設備からの緊急情報通報信号を、中継アダプタを経由して警報器に送信して当該当該緊急情報通報信号に対応する防災情報を報知出力し、警報器からの異状連携信号を、中継アダプタを経由して地域防災無線設備に送信して当該異状連携信号に対応する異状情報を報知出力することを特徴とする。
【0030】
本発明の防災警報連携方法における他の特徴は、前述した防災警報連携システムの場合と基本的に同じになる。
【0031】
(中継アダプタ)
本発明は、親局と端末との間で防災信号を送受信する地域防災無線設備と、監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力する警報器と連携する中継アダプタに於いて、
地域防災無線設備との間で第1通信プロトコルに従った信号を送受信する第1通信部と、
記警報器との間で第2通信プロトコルに従った信号を送受信する第2通信部と、
第1通信部により受信された前記地域防災無線設備からの第1通信プロトコルに従った前記緊急情報通報信号を検知した場合に、所定の第2通信プロトコルに従ったグループ指定なしの緊急情報連動信号に変換して記警報器へ送信させると共に、第2通信部により受信された警報器からの第2通信プロトコルに従った異状連携信号を検知した場合に、第1通信プロトコルに従った異状連携信号に変換して第1通信部により地域防災無線設備へ送信する中継制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0032】
(警報器)
本発明は、監視領域の異状を検知した場合に警報する警報器に於いて、
地域防災無線設備の第1通信プロトコルに従った信号と所定の第2通信プロトコルに従った信号をプロトコル変換して送受信する中継アダプタ及び他の警報器との間で前記第2通信プロトコルに従って信号を送受信する第2通信部と、
防災情報及び異状警報を報知する報知部と、
第2通信部により受信された信号から地域防災無線設備からの緊急情報通報信号に基づくグループ指定なしの緊急情報連動信号を検知した場合に、報知部に当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力させ、
異状を検知した場合に、警報を報知出力すると共に、自己の属するグループを指定した異状連動信号を生成して第2通信部により他の住警器へ送信し、更に地域防災無線設備を指定した異状連携信号を生成して第2通信部により前記中継アダプタへ送信する警報制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0033】
本発明の警報器における他の特徴は、前述した防災警報連携システムにおける警報器の場合と基本的に同じになる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、通信プロトコルの異なる地域防災設備と屋内に警報器を設置した警報システムとの間のプロトコル変換を行って双方向通信する中継アダプタを屋外に設置するだけで、即ち地域防災無線設備側及び屋内に設置する警報器側の変更を必要とすることなく、住宅への設置が義務付けられた火災警報器を活用して各住戸毎に、地域防災無線設備からの緊急情報通報信号に基づき緊急地震速報や津波警報などを各住戸毎に知らせることができ、低コストで住戸毎に緊急地震速報や津波警報を報知させるシステムを構築することができる。
【0035】
また家屋内に設置している警報器により火災等の異状を検知して警報した場合、火災連携信号が中継アダプタを経由して地域防災設備の親局に送信されて火災情報が報知出力され、地域防災無線設備のサービス地域に存在する住宅で発生する火災等の異状を親局側で集中的に監視するサービス等が可能となり、地方公共団体などによる地域の安全確保に大きく寄与し、安心して暮らせる地域社会の構築に貢献することができる。
【0036】
また本発明にあっては、住警器側で緊急地震速報や津波警報などの緊急情報を報知させるための緊急情報制御データ信号として地域防災無線設備の親局側で、マイクから入力する音声信号に、音声周波数帯域の搬送波信号を緊急情報制御データ信号によりでデジタル変調(FSK変調やMSK変調)して混合することで重畳させ、これを中継アダプタで復調して対応する連動信号として住警器に送信して警報させることで、デジタル伝送を使用した既存の地域防災無線設備の機器に改良や改修をほとんど必要とすることなく、簡単且つ容易に、各住戸の屋内に設置してしいる警報器と連携して緊急地震速報や津波警報を報知出力させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】市町村防災無線設備と住警器を組み合わせた本発明による防災警報連携システムの概略構成を示した説明図
【図2】市町村防災無線設備の通信方式におけるフレーム構成を示した説明図
【図3】図1の親局から屋内の住警器に対する下り通信経路の概略を示した説明図
【図4】図1の屋内の住警器から親局に対する上り通信経路の概略を示した説明図
【図5】図4の上り通信における住警器から中継アダプタへの通信経路の概略を示した説明図
【図6】図1の親局の概略構成を示したブロック図
【図7】図1の拡声子局の概略構成を示したブロック図
【図8】図1の戸別受信機の概略構成を示したブロック図
【図9】本発明で使用する住警器の外観を示した説明図
【図10】図1で屋内設置している住警器の実施形態を示したブロック図
【図11】図10の住警器で使用する連動信号を示した説明図
【図12】図1で屋外設置している中継アダプタの実施形態を示したブロック図
【図13】住警器から中継アダプタへの上り通信に使用する中継ブースタの実施形態を示したブロック図
【図14】図1における市町村防災無線設備の親局による処理の概略を例示したフローチャート
【図15】図14に続く処理の概略を例示したフローチャート
【図16】図10の住警器による処理の概略を例示したフローチャート
【図17】図16に続く処理の概略を例示したフローチャート
【図18】図17に続く処理の概略を例示したフローチャート
【図19】音声信号に緊急情報制御データ信号を重畳させて住警器側に送信する市町村防災無線設備における親局の実施形態を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は地域防災無線設備として市町村防災無線設備を例にとり、これと住警器を組み合わせた本発明による防災警報連携システムの概略を示した説明図である。
【0039】
図1において、本発明による防災警報連携システムは、市町村などの対象地域をサービスエリアとしてカバーする市町村デジタル同報通信システムとして知られた市町村防災無線設備10と、同じ対象地域に建てられている住宅24に設置した火災を検知して連動警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)100を備えた警報システムで構成される。
【0040】
ここで市町村防災無線設備10は所定の第1無線通信プロトコルに従って無線により信号を送信、受信及び中継し、一方、住警器100はこれとは異なる所定の第2無線通信プロトコルに従って連動信号を送信、受信及び中継することにより、連動警報を行う。なお、第1無線通信プロトコルは請求項の第1通信プロトコルに対応し、第2無線通信プロトコルは請求項の第2通信プロトコルに対応する。
【0041】
また住警器100は設置している住宅24毎に固有のグループを形成しており、住警器100から送信する連動信号には所定のグループ符号が含まれており、連動信号を受信した場合、当該連動信号を解読して得られたグループ符号が自己の属するグループ符号に一致した場合に、連動信号の有効受信を検知して連動警報を行う。
【0042】
市町村防災無線設備10は、親局12、操作卓14、拡声器18を備えた拡声子局16、戸別受信機20、中継局22などが適宜配置されて構成される。親局12は、市役所や村役場などに設けられる最上位局であって、中継局22や拡声子局18と双方向通信すると共に、親局12の近傍の戸別受信機14と下り方向の通信を行う。中継局22は、電波の届かない地域を考慮して例えば山頂に設置され、親局22と拡声子局22との間の双方向中継および親局12から戸別受信機20への中継を行う。
【0043】
尚、図1にあっては、戸別受信機20は住宅24以外の場所、例えば公民館などの公共施設に設けた場合を示しており、必要に応じて住宅24に設けることもできるが、本実施形態にあっては、住宅24に設けた住警器100を利用して防災情報を報知出力させることから、住警器100が戸別受信機20の一部の機能をまかなうこととなり、このため住戸受信機20を住宅24に必ずしも設置する必要はない。尚、住宅24には住戸や家屋なども含まれる。
【0044】
また、市町村防災無線設備10は、これ以外に電波伝搬の悪い谷間などの限定された地域に電波を中継する再送信子局、操作卓14と有線接続され、親局12以外の場所から親局120を制御して子局の選択呼出しや拡声通報を行う遠隔制御局などが必要に応じて設置される。なお、図1にあっては、中継局22を1つ配置した場合を例にとっているが、必要に応じて複数の中継局22や再送信子局を設置することで、親局12と複数の戸別受信機20及び拡声子局16との間を無線回線で結んだ防災無線ネットワークを構築している。
【0045】
市町村防災無線通信設備10の通信方式は、1つの無線キャリアをフレームに区切り、フレームを多重数に対応したスロットに分けることによってマルチチャネル化するTDMA(時分割多重:Time Division Multiple Access)−TDD(時分割複信:Time Division Duplex)方式とする。具体的には、無線設備規則第58条の2の12に規定される60MHz帯における市町村デジタル防災無線通信方式のTDMA−TDD方式による防災行政用のデジタル同報通信システムの無線区間インタフェースの規格に従う。
【0046】
図2は、市町村防災無線設備10の通信方式におけるフレーム構成(TDMA無線方式におけるフレーム構成)を示した説明図である。1フレームは、スロット#0〜#5の6個のスロットでなり、スロット#0及びスロット#3が親局と子局が情報を転送するポイント・ツー・ポイントの双方向チャネルとなるシグナリングチャネルSCCHであり、スロット#1、スロット#2、スロット#4及びスロット#5が、ユーザが通信のために専用に使用するトラフィックチャネルTCHである。またスロット#0〜スロット#2が基本的には下り方向のスロットであり、スロット#3〜スロット#3が基本的には上り方向のスロットである。
【0047】
再び図1を参照するに、本実施形態にあっては、市町村防災無線設備のサービス地域を地域の状況に応じて分割したサービス地区毎に中継アダプタ100を屋外に設置しており、中継アダプタ100は例えば拡声子局16を設置している支柱に設置している。
【0048】
中継アダプタ200は、親局12又は中継局22と住宅24に設けた住警器との間でプロトコル変換を伴う双方向通信を行う。即ち中継アダプタ200は、親局12から送信されるか又は中継局22を経由して送信される第1無線通信プロトコルに従った通報信号を受信し、当該通報信号を住警器100側の第2無線通信プロトコルに従った連動信号に変換して送信する。これを下り通信という。また中継アダプタ200は、住警器100で火災検知して警報した場合に送信される第2無線通信プロトコルに従った火災連携信号を受信し、当該火災連携信号を第1無線通信プロトコルに従った火災連携信号に変換して親局12側へ送信する。これを上り通信という。
【0049】
住警器100から親局側に送信する連携信号には、火災連携信号以外に、火災復旧に伴う火災復旧連携信号、警報停止操作に伴う警報停止連携信号、障害検知に伴う障害連携信号などがある。
【0050】
中継アダプタ200からの下り通信で住警器100へ送信する連動信号には、共通グループ符号が含まれており、各住宅24に設置している住警器100は、連動信号を受信解読して共通グループ符号を検知した場合、自己の属するグループ符号に合致しなくとも、中継アダプタ200からの連動信号を有効受信して報知出力を行う。ここで、共通グループ符号を設定した連動信号は、請求項におけるグループ指定なしの連動信号を意味する。
【0051】
中継アダプタ200のサービス地区となる通信可能エリアは、例えば拡声子局16の拡声器18からの音が届く地区に存在する家屋の屋内に設置している住警器100を含むエリアとする。このため中継アダプタ200はその送信電力(1W以下)、アンテナの向きなどにより、必要とするサービス地区を通信可能エリアとしてカバーできるように設置する。
【0052】
また一台の中継アダプタ200では必要とするサービス地区をカバーできない場合には、中継アダプタ200を必要に応じて複数台設置する。また中継アダプタ200を拡声子局16の近傍、例えば支柱に設置することで、屋外設置している中継アダプタ200に対するAC電源として、拡声子局16のAC電源をそのまま使用することができ、中継アダプタ200に専用の屋外AC電源を確保する必要がないことで、設備構成を簡単にし、設置コストも低減できる。
【0053】
図3は、図1の実施形態における下り通信経路の概略を示した説明図である。ここでサービス地域を分割したものを以下ではサービス地区若しくはサービス区域或いは単に区域という。
【0054】
図3において、親局12及び中継局22による市町村防災無線設備のサービス地域(通信可能エリア)には、例えばサービス地区A1〜A4に分けて中継アダプタ200を屋外設置しており、屋外設置した中継アダプタ200はそれぞれのサービス地区A1〜A4に存在する住戸の屋内に設置している住警器100をカバーする通信可能エリアを設定している。
【0055】
このようにサービス地区A1〜A4に対応して中継アダプタ200を屋外設置することにより、親局12は中継アダプタ200を送信先として選択することで、通報信号を送るサービス地区A1〜A4を任意に選択することができ、必要に応じて1又は複数のサービス地区を選択して緊急通報に基づく防災情報を、選択したサービス地区の住戸の屋内に設置している住警器100から報知出力することができる。
【0056】
例えば緊急地震速報や緊急警報の場合は親局12での操作により全地域の中継アダプタ200を選択して緊急警報情報通報信号を送信するが、津波警報の場合には、海岸線に面した地区の中継アダプタ200を選択して緊急警報情報通報信号を送信するようになる。
【0057】
図4は、図1の実施形態における上り通信経路の概略を示した説明図である。図4において、サービス地区A1〜A4の住宅に設置している住警器100で火災を検知して警報した場合、火災連携信号を中継アダプタ200へ送信するが、後の説明で明らかにするように、住警器100は特定小電力無線局の標準規格に準拠することから送信電力は10mW以下または1mW以下であり、その見通し通信可能距離は100メートル程度であり、中継アダプタ200から離れた場所の住警器100からの電波は中継アダプタ200で有効に受信できない。
【0058】
そこで本実施形態にあっては、サービス地区に配置している複数の住警器100により火災連携信号を多段中継して中継アダプタ200に対し通信可能エリアに配置している住警器100に送り、そこから中継アダプタ200に送信する。このような複数の住警器100による多段中継を可能とするため、火災連携信号は共通アドレス符号を設定したグループ指定のない信号として送信することで、住宅単位に構成される連動グループを超えた多段中継を可能とする。
【0059】
また住警器100の通信可能エリアに他の住宅の住警器がない場合も想定されることから、その場合には、後の説明で明らかにする中継ブースタを配置し、中継ブースタで火災連携信号を中継して中継アダプタ200に対する上り通信経路を確立する。
【0060】
図5は図4のサービス地区内における住警器から中継アダプタへの上り通信経路の概略を示した説明であり、中継アダプタ200に対しサービス地区に住警器100−1〜100−6が分散配置されている。いま住警器1001−1で火災を検知して警報すると共に点線矢印のように火災連携信号を送信する。この火災連携信号は他の住警器100−2〜100−6で多段中継され、最終的に中継アダプタ200を自己の通信可能距離として設置している住警器100−5で受信され、中継アダプタ200に送信される。
【0061】
このような複数の住警器100による多段中継は、マルチホップ伝送として知られており、マルチホップ伝送は最大ホップ数(最大中継回数)を所定数例えば5回に設定して行う。住警器100の各々には、中継回数に対応して通信可能なアダプタのID(識別情報)として送信元符号を登録した構成情報がメモリに予め記憶されており、送信する連携信号には送信元IDと宛先IDに加え、中継のための転送元IDと転送先IDが設けられていることから、構成情報から宛先IDに最小回数で到達できるアダプタIDを順次転送先IDにセットして連携信号を中継送信する。
【0062】
図6は、親局12の概略構成を示したブロック図である。親局12は、ハードウェアとしてプロセッサ(コンピュータ)を使用し、そのプログラムの実行より実現する機能として制御部26、音声入力部28、電話制御部30を設け、更に、ハードウェアとして第1無線通信プロトコルに従った無線送受信を行うアンテナ34を接続した無線通信部32を設けており、更に制御部26に対しデータベース45を設けている。データベース45は、例えばサービス対象地域の世帯番号をインデックスとして、住警器100を特定する送信元符号、住所、電話番号、家族構成などの異状監視に必要な情報を予め登録している。
【0063】
親局12に対しては操作卓14が設けられ、操作卓14には操作部36、表示部38、放送用マイク40及び親電話機42などが設けられる。また本実施形態にあっては緊急地震速報受信機44が設けられ、緊急地震速報放送を自動受信して親局12に対し緊急地震速報検知信号を出力するようにしている。
【0064】
操作部36には例えば全地区選択釦、中継アダプタ200の設置に対応した地区選択釦が設けられており、防災警報の種類に応じて防災担当者は全地区選択釦又は予め決めている所定の地区選択釦により通報地区を選択して通報信号を送信する操作を行う。
【0065】
親局12の制御部26には操作卓36に設けた操作部36と表示部38が接続され、制御部26は操作部36に設けている各種の通報釦及び地区選択釦の操作に基づく通報指示信号の入力を検知すると、対応する防災データを図示しないデータベースから取得して無線通信部32に出力し、送信データを所定のスロットに配置させて送信させる。
【0066】
また制御部26は無線通信部32で受信復調されたスロットから取り出された受信データを解読し、例えば操作卓上38の表示部38に出力して表示させる。制御部26により解読する受信データには、住警器100から送信され、中継アダプタ200によるプロトコル変換を経て受信された例えば火災連携信号があり、制御部26は当該火災連携信号の有効受信を検知した場合、火災連携信号に含まれる送信元符号によりデータベース45を参照して火災発生世帯に関する情報を検索し、表示部38のディスプレイ上に、警報音と共に火災発生世帯に関する情報を表示し、防災担当者による異状発生世帯への電話連絡による確認や、必要な場合は消防機関や警察機関に通報する措置を可能とする。
【0067】
音声入力部28は放送用マイク40から入力した音声信号を音声符号化し、無線通信部32に送信データとして出力して所定のスロットに配置させて送信させる。電話制御部30は拡声子局16などに設けた子電話機と操作卓14に設けた親電話機42との間の通話接続を制御する。
【0068】
無線通信部32は図2に示したフレームの上りスロットを変調送信する送信動作と下りスロットを受信復調する受信動作を繰り返し行う。無線通信部32による第1無線通信プロトコルに従った無線通信は、無線周波数帯は60MHz帯(54〜70MHz)とし、チャネル間隔は15KHzとする。アンテナ送信電力は10W以下であり、変調方式は16QAM方式(16値直交変調方式)とし、親局12から子局への下り回線と子局から親局12への上り回線を使用し、同報通信、単向通信、複信、半複信の通信を可能とする。
【0069】
親局12から子局に対する通信には、音声通信、非音声通信となるデータ、画像、ファクシミリ、文字情報等の通信が含まれる。また通信形態としては、特定の子局を相手として通信する戸別通信、複数の子局で構成されるグループを対象として通信するグループ通信、待受中の全子局を対象として一括通信を行う同報通信、緊急時、親局12で子局の発呼制御、通話時間制限などの通信統制を可能とする通信統制などがある。
【0070】
本実施形態にあっては、親局10から第1無線通信プロトコルに従って緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号及び緊急警報通報信号を送信し、これを屋外に設置した中継アダプタ200で対応する第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号及び緊急警報連動信号に変換し、屋内に設置した住警器100は、緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号又は緊急警報連動信号の有効受信を検知した場合に、それぞれに対応した防災情報を報知出力する。
【0071】
親局10の防災担当者は、例えばテレビ受信機により緊急情報放送を受信して非常通報の必要性を判断した場合、操作卓14に設けている緊急地震速報、津波警報又は緊急警報の通報釦及び通報地区の選択釦などを操作することで、同報通信又は戸別通信により緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号又は緊急警報通報信号を子局側へ送信して通報させる。
【0072】
テレビ受信機、FM受信機又はAM受信機により受信する緊急情報放送には、緊急地震速報(EEW:Earthquake Early Warning)と緊急警報放送(EWS:Emergency Warning System)がある。緊急地震速報は、一般向けの場合、推定最大震度5弱以上で気象庁から発表される警報であり、強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告する放送である。緊急地震速報は例えば「(チャイム音2回)緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。・・・・・」といった放送を繰り返す。
【0073】
緊急警報放送は、地震などの対規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる警報であり、待機状態にあるテレビやラジオ受信機のスイッチを自動的にオンさせる。緊急警報放送の開始と終了には、第1種開始信号、第2種開始信号及び終了信号を使用する。第1種開始信号は、東海地震の警戒宣言が発表された場合、または自治体の知事や長から避難指示が発動された場合などに送信され、受信機を自動的にオンさせる。また。第2種開始信号は、津波警報が発表された場合にのみ送信され、同じは受信機を自動的にオンさせる。終了信号は第1種または第2種開始信号の送信から所定時間後に送信され、受信機を自動的にオフざせる。また受信機の動作を確認するために試験信号を例えば月1回所定の時刻に送信しており、この試験信号は終了信号と同一であり、終了信号のみを受信した場合は受信機が正常に動作するかの確認動作を行わせる。
【0074】
ここで緊急地震速報については担当者が緊急地震速報をテレビなどで受信して通報操作を行う場合には、地震による強い揺れが来る前に通報できない恐れがあることから、親局12に対し緊急地震速報受信機44を設け、緊急地震速報における最初のチャイム音を検知して緊急地震速報検知信号を親局12の制御部26に出力し、自動的に緊急地震速報通報信号を子局側に送信するようにしている。このような自動受信による通報は、緊急警報放送における第1種開始信号または第2種開始信号を検知して親局12に出力し、緊急警報通報信号や津波警報通報信号を子局側に自動送信させるようにしても良い。
【0075】
なお、以下の説明では、緊急地震速報、津波警報および緊急警報をまとめて表す場合は、緊急情報といい、また、親局10から送信するこれらを表す信号を緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号および緊急警報通報信号といい、まとめて表す場合は緊急情報通報信号という。
【0076】
また、警報システム内で住警器100同士が送受信する信号を「連動信号」といい、連動信号には、火災連動信号、火災復旧連動信号、警報停止連動信号及び障害連動信号がある。また中継アダプタ200は親局10から第1無線通信プロトコルに従った緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号および緊急警報通報信号を受信した場合、当該通報信号に基づき第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む連動信号(グループ指定無しの連動信号)に変換して中継送信することになり、この場合の連動信号を緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号および緊急警報連動信号という。
【0077】
また、住警器100は中継アダプタ200又は他の住警器から緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号および緊急警報連動信号を受信した場合、当該連動信号に基づき自己の属する連動グループに割当てられたグループ符号を含む連動信号を生成して他の住警器に中継送信する。
【0078】
更に、屋内に警報システムを構築する住警器100から市町村防災無線設備10に送信する信号を「連携信号」といい、連携信号には、火災連携信号、火災復旧連携信号、警報停止連携信号及び障害連携信号がある。
【0079】
図7は、拡声子局16の概略構成を示したブロック図である。拡声子局16は、ハードウェアとしてプロセッサ(コンピュータ)を使用し、そのプログラムの実行より実現する機能として制御部46及び電話制御部30を設け、更に、ハードウェアとして拡声器18を接続した音声出力部28と、第1無線通信プロトコルに従った無線送受信を行うアンテナ60を接続した無線通信部(第1無線通信部)58、AC100Vから直流電源を生成して各部に供給する電源回路部55及びバッテリーなどの二次電池を用いた予備電源部55を設けている。
【0080】
制御部46には無線通信部48、操作部36、表示部38が接続され、制御部46は無線通信部58で受信復調されたスロットから取り出された受信データを入力して解読し、受信データとして音声データ(符号化音声信号)の有効受信を検知した場合、音声データから音声信号を復号して音声出力部52に出力し、設定レベルに増幅させて拡声器18から拡声出力させる。音声出力部52で増幅する設定レベルは、拡声子局16が担当する地区の全域に音が届いて放送内容が聞きとれるに充分な設定レベルとする。
また制御部46は送信データについては無線通信部58に出力して所定のスロットに配置させることで親局側へ送信させる。
【0081】
電話制御部56は子電話機56と親局などに設けた親電話機との間の通話接続を制御する。無線通信部48は図3に示した親局12の無線通信部32と基本的に同じになるが、アンテナ送信電力はそれより低い値となる。
【0082】
図8は、戸別受信機20の概略構成を示したブロック図である。戸別受信機20は、ハードウェアとしてプロセッサ(例えばワンチップコンピュータ)を使用し、そのプログラムの実行より実現する機能として制御部62を設け、更に、ハードウェアとして無線受信を行うアンテナ60を接続した無線通信部64、表示部68、操作部70、IFポート74を備えたIF回路部72、スピーカ78を接続した音声出力部76を設け、それぞれ制御部62に接続している。電源部80は商用交流電源を入力して所定の直流電源に変換して各部に供給しているが、携帯使用するために電池電源も備えている。
【0083】
無線通信部62は第1無線通信プロトコルに従った受信機能のみを持ち、親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った通報信号を受信復調して下りスロットを取り出し、受信データとして制御部62に出力する。制御部62は無線通信部64から入力した受信データを解読し、音声データ(符号化音声信号)の有効受信を検知した場合、受信データから音声信号を復号して音声出力部76に出力し、所定レベルに増幅させてスピーカ78から報知出力させる。
【0084】
また制御部62は受信データを解読して音声以外のデータの有効受信を検知した場合は、例えばIF回路部72からIFポート74に接続している装置に復調したデータを転送させる。なお、戸別受信機20は基本的に音声信号を復調出力するものであるが、これ以外に、文字データ、FAX用画像データなどを必要に応じて復調して外部接続した対応する機器に出力するようにしても良い。
【0085】
再び図1を参照するに、住宅24に設置された住警器100は、連動信号を第2無線通信プロトコルに従って相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について火災発生の有無を監視している。
【0086】
いま、ある住宅24で万一、火災が発生したとすると、例えば住警器100が火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【0087】
住警器100が発報するとき、住警器100は連動元として機能し、連動先となる他の住警器に対し、所定の第2無線通信プロトコルに従って火災連動信号を無線送信する。他の住警器は、連動元の住警器100からの火災連動信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【0088】
ここで、住警器100は、受信した連動信号に含まれるグループ符号がメモリに記憶しているグループ符号に一致し、且つ信号内容を正常認識した場合に、この連動信号を有効受信したことを検知するようにしている。さらに、連動信号を有効受信した住警器100は必要に応じて連動信号の中継送信を行う。グループ符号は警報システム毎に固有の符号として設定されており、各住警器はこの符号によって自己の属する警報システムに関連する連動信号のみを識別処理することができる。
【0089】
連動元となった住警器100の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。一方、連動先の住警器100にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。
【0090】
また連動元となった住警器100の火災警報に伴う警報表示としては、例えばLEDを点灯する。一方、連動先の住警器100にあっては、LEDを点滅する。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
【0091】
なお、連動元のLEDを点滅とし、連動先のLEDを点灯としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLEDの明滅または点滅、点灯表示であっても良い。また例えば赤色LEDと黄色LEDを設け、連動元は赤色LEDを駆動し、連動先は黄色LEDを駆動するといった2色表示としても良い。もちろん、2つのLEDを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な2色LEDも採用できる。
【0092】
住警器100が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。このとき例えば、連動元である住警器100で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器100の警報を停止し、連動先である住警器100で警報停止操作が行われた場合には、連動元の住警器100の警報は停止せず、連動先の住警器100−2の警報を停止するようにし、火災発生場所が分かるようにしている。
【0093】
住警器100における所定の第2無線通信プロトコルによる送受信は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。もちろん日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。特定小電力無線局に準拠した住警器10の送信電力は、STD−30の場合は10mW以下であり、STD−T67の場合は10mW以下または1mW以下であり、見通し通信距離は概ね100メートル程度となる。
【0094】
住宅24の屋内に設置している住警器100は、屋外に設置した中継アダプタ200でプロトコル変換して送信された第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む緊急情報連動信号となる緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を受信し、これを解読して有効受信を検知した場合、それぞれに対応して所定の防災情報を報知出力するようにしている。
【0095】
住警器100は、中継アダプタ200からの緊急地震速報連動信号の有効受信を検知した場合、緊急地震速報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0096】
また住警器100−1は、中継アダプタ200からの津波警報連動信号の有効受信を検知した場合、津波警報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0097】
更に住警器100−1は、中継アダプタ200からの緊急警報連動信号の有効受信を検知した場合、緊急警報に対応する防災情報として例えば「ピーピー 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージを繰り返し報知出力すると共にLEDを例えば点灯する。
【0098】
住警器100から報知出力されたそれぞれの防災情報は、例えば所定時間経過後または所定回数報知後に停止する。
【0099】
また住警器100は、中継アダプタ200から第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む緊急情報連動信号となる緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を受信し、これを解読して有効受信を検知した場合、それぞれに基づく自己の属する連動グループのグループ符号を含む第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を生成し、同じグループに属する他の住警器100へ送信して対応する防災情報を報知出力させる。
【0100】
更に、住警器100は火災、火災復旧、警報停止操作又は障害を検知した場合、親局12を宛先とする火災連携信号、火災復旧連携信号、警報停止連携信号又は障害連携信号を生成し、第2無線通信プロトコルに従って中継アダプタ200へ送信するか、他の住警器による多段中継を経て中継アダプタ200へ送信し、中継アダプタ200による第1無線通信プロトコルへの変換を経て親局12に送信する。
【0101】
ここで、図1における各無線通信プロトコルによる通信経路を整理すると、町村防災無線設備10における親局12と中継局22、拡声子局16の戸別受信機20及び住警器100−1のそれぞれ間の経路、並びに中継局22と拡声子局16の戸別受信機20及び中継アダプタ200のそれぞれ間の経路は第1無線通信プロトコル経路11aとなり、中継アダプタ200と各住宅24の住警器100との間の経路は第2無線通信プロトコル経路11bとなり、更に図示右下の住宅24で火災101が発生した場合、住警器100から中継アダプタ200への火災連携信号の送信経路は第2無線通信プロトコル経路11cとなる。
【0102】
図9は本発明で使用する無線連動型の煙式住警器の外観を示した説明図であり、図9(A)に正面図を、図9(B)に側面図を示している。なお、取付フック15を設けているほうを上側とする。
【0103】
図9において、本実施形態の住警器100の筐体はカバー112と本体114で構成されている。カバー112の中央には突出部を設け、突出部の周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部116を配置し、火災に伴う煙が検煙部116に流入して所定濃度に達した場合に後述する警報制御部で火災を検知するようにしている。検煙部116としては例えば、公知の散乱光式検煙機構が適用できる。
【0104】
カバー112の左下側には音響孔118が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。カバー112の下側には警報停止スイッチ120が設けられている。
【0105】
警報停止スイッチ120は、半透明部材で形成されたスイッチカバーを押圧操作すると、内蔵のプッシュスイッチ(図示せず)が押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、警報等の表示を行うLED122が配置されている。
【0106】
警報停止スイッチ120は外部から住警器100の機能の自己点検実施を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。例えば、火災警報出力中に警報停止スイッチ120が操作されると火災警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると所定の機能について自己点検を実施し、LED122やスピーカ等により結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報出力中または障害警報出力中でない状態を指す。
【0107】
また本体114の裏側上部にはその略中央部に挿通孔を有する取付フック115が設けられており、設置する部屋の壁面等にビスなどをねじ込み、この取付フック115の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器100を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0108】
図10は図1の防災警報連携システムに設けた住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0109】
住警器100はワンチップCPUとして知られたプロセッサ124を備え、プロセッサ124に対しては、所定の第2無線通信プロトコルに従った連動信号の送受信を行う第2無線通信部130、メモリ132、センサ部134、報知部136、操作部138、および電池電源140を設け、電池電源140は必要各部に電源を供給している。
【0110】
第2無線通信部130はアンテナ131を接続した第2送信回路146及び第2受信回路148を備えている。第2無線通信部130は、アンテナ131を介して他の住警器100−2との間で、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第2無線通信プロトコルに従って火災、火災復旧、警報停止、障害などの各種連動信号を送受信すると共に、屋外に設置した中継アダプタ200から送信された緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を受信する。
【0111】
また第2無線通信部130は中継アダプタ200に対し、第2無線通信プロトコルに従って火災連携信号、火災復旧連携信号、警報停止連携信号、障害連携信号などの各種連携信号を送信する。
【0112】
第2無線通信部130の第2送信回路146における第2無線通信プロトコルによる連動信号の送信は、所定時間T1、例えばT1=3秒に亘り連動信号を送信する動作を、所定時間T2、例えばT2=2秒の休止時間を空けて例えば4回繰り返している。このT1=3秒送信、T=2秒休止は特定小電力無線局の標準規格に準拠したものである。またT1=3秒の送信動作は、その内の最初から例えば2.8秒はダミー信号の送信であり、残り0.2秒の時間に連動信号の反復送信を行う。この第2送信回路146の送信動作は、中継アダプタ200に設けた第2送信回路218についても同じになる。
【0113】
また、第2無線通信部130の第2受信回路148における第2無線通信プロトコルによる受信は、住警器100と同じグループに属する他の住警器及び中継アダプタ200からの連動信号を間欠受信する。間欠受信は、所定周期T3毎に、例えばT3=7秒毎に受信可能時間T4、例えばT4=100ミリ秒のあいだ受信動作を繰り返しており、受信可能時間T4の間に送信ダミー信号をキャリアセンスにより検知すると所定時間のあいだ連続受信に切替えてダミー信号に続く連動信号または連携信号を受信する。
【0114】
ここで、第2無線通信部130で受信した信号はプロセッサ124に設けた警報制御部160で解読される。以下、この解読までを含めて受信と呼ぶことがある。また特に、解読の結果有効な信号と判定されることを区別して表す場合には有効受信と呼ぶ。また請求項における「受信を検知」は、「有効受信」或いは「有効受信を検知」を意味する。
【0115】
また第2無線通信部130の第2無線通信プロトコルでは、住警器100自身が火災又は火災以外の事象を検知して連動信号を送信した場合、または中継アダプタ200からの緊急情報連動信号を受信して、これに基づく緊急情報連動信号を生成して他の住警器に送信した場合、住警器100と同じグループに属し、これを受信した他の住警器から、当該連動信号を正常に受信したことを示す確認応答信号(以下「ACK信号」と云う)が有効受信されるか否か監視している。
【0116】
他の住警器のうち、ACK信号が受信されないものを検知した場合、住警器100はACK信号が受信された他の住警器に対し中継要求有り連動信号を送信し、中継要求有りの連動信号を受信した住警器からAKC信号未応答の住警器へ中継要求有りの連動信号を中継送信させる。中継要求有りの連動信号を中継受信したAKC信号未応答の住警器は中継要求有りの連動信号に対しACK信号を返信し、このACK信号が他の住警器の中継(返信の中継)を経て連動元の住警器100で受信される。これによってもACK信号が受信されない住警器がある場合には、通信障害等と判定し、所定の報知処理や連動処理、後述する連携処理等を行う。
【0117】
上述した中継機能は、1つの連動グループ、例えば住宅24に3台以上の住警器が設置されている場合に役立つ。図1の例では住宅24には住警器100が2台しか設置されていないので、住警器100は自己が送信した連動信号に対して他の住警器からACK信号(返信)が受信されない場合には、通信障害等と判定し、所定の報知処理や後述する連携処理等を行うことになる。
【0118】
第2無線通信部130の第2無線通信プロトコルで送受信する連動信号150は、図11に示すように、連番152、送信元識別符号154、グループ符号155及び事象符号156を含むフォーマットとして構成されている。連番152は住警器毎に独立して生成される符号であり、連動信号150の生成順或いは送信順を示す連続番号である。これに基づいて例えば再中継の禁止等の管理を行うことができる。送信元識別符号154は各住警器を特定する例えば住警器のシリアル番号等であり、グループ符号155は図1のように住宅24に設置した住警器100のグループ内で相互に連動を行う連動グループを構成するための符号である。
【0119】
また本実施形態にあっては、中継アダプタ200から送信した第2無線通信プロトコルに従った連動信号は、対象地域の住宅24に設置している全ての住警器100で有効受信できるようにする必要があることから、グループ符号155として全グループに共通な共通グループ符号を設定する。この共通グループ符号は、異なる連動グループを構成している全ての住警器100で有効受信されることから、グループ指定無し意味する符号となる。
【0120】
事象符号156は、火災などの事象内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
0001=火災
0010=ACK
0011=警報停止
0100=復旧
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
としている。
【0121】
なお、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、ビット数を増やすことで、当然これも事象符号に追加することができる。
【0122】
更に本実施形態にあっては第2無線通信部130で受信した市町村防災無線設備10の親局12から中継アダプタ200のプロトコル変換を経て送信してくる緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号及び緊急警報通報信号に基づく連動信号、即ち緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号及び緊急警報連動信号に対応した事象符号として、
0111=緊急地震速報
1000=津波警報
1001=緊急警報
を追加している。
【0123】
なお、住警器で中継送信する連動信号には、送信元(連動元)の住警器を示す識別符号と中継を行う住警器の識別符号の両方を付加する。更に、送信先を指定する識別符号を付加しても良い。
【0124】
また、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、例えば「1111」に割り当てることで当然これも事象符号に追加することができる。また、その他例えば「0000」を定期的な通信確認用に割り当てても良い。もちろん、ビット数を増やすことで更に多くの事象符号を割り当てることができる。
【0125】
センサ部134には、例えば散乱光式の煙検知原理によって煙を検知して、煙濃度に応じた煙検出信号を出力する検煙部116を設けている。
【0126】
報知部136には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ158と警報表示等を行うLED122を、図示しないそれぞれの駆動回路と共に設けている。スピーカ158は、警報制御部160からの制御を受けて、住警器100がメモリ132等に記憶している各種のデータ等に基づいて音声メッセージや警報音等を出力する。LED122は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異状その他事象を表示により報知する。
【0127】
操作部138には警報停止スイッチ120を設けている。警報停止スイッチ120は、報知部136からスピーカ158により火災や障害の警報音が出力されている場合又はLED122により警報表示が行われている場合にのみ警報停止スイッチとして機能する。例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ120を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ120を操作すると、警報音は停止されるが、警報表示は停止または所定時間後に停止されるといった警報停止処理が行われる。
【0128】
一方、連動元や連動先を示す警報が行われていない通常監視状態においては、警報停止スイッチ120は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッ1チ20が操作すると、所定の自己点検動作が実行されて報知部136から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
【0129】
メモリ132は、連動信号の生成に使用する連番152、識別符号154、グループ符号155等を記憶している。
【0130】
電池電源140は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、必要各部へ電源を供給する。電池容量としては住警器100における回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の寿命を保証している。
【0131】
プロセッサ124にはプログラムの実行により実現される機能として、警報制御部160の機能を設けている。
【0132】
警報制御部160は、センサ部134に設けた検煙部116からの煙検出信号に基づく火災の有無、操作部138による警報停止指示入力の有無、点検指示入力の有無及びモード設定の有無、センサ部134に設けた検煙部116からの検知信号が低下して火災検知状態が解消される火災復旧の有無、センサ障害や故障、ローバッテリー障害有無等の事象を検知する。
【0133】
また警報制御部160は第2受信回路148を介して他の住警器及び中継アダプタ200からの連動信号の解読結果として得られた連動信号有効受信の有無およびその連動内容等の情報を検知する。
【0134】
また警報制御部160は、センサ部134に設けた検煙部116の煙検出信号に基づき火災有りを検知した場合に、報知部136のスピーカ158から連動元を示す警報動作として火災警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です 確認して下さい」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED122を点灯させて連動元を示す火災警報表示を行わせる制御を行い、また、第2無線通信部130の第2送信回路146に対して所定の第2無線通信プロトコルに従った火災連動信号をアンテナ131から他の住警器に向けて送信させ、更に、第2無線通信部130の第2送信回路146に対して所定の第2無線通信プロトコルに従った火災連携信号をアンテナ131から中継アダプタ200へ送信させる制御を行う。
【0135】
また警報制御部160は、アンテナ131および第2無線通信部130の第2受信回路148を介して他の住警器100−2から送信または中継送信された火災連動信号の有効受信を検知した場合に、連動先を示す警報として報知部136のスピーカ158から警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共にLED122を例えば点滅させて連動先を示す警報表示を行わせる制御を行う。また更に、第2送信回路146に、連動元からの火災連動信号を受信したことに伴う応答信号(返信)としてACK信号を送信させる制御を行う。
【0136】
また警報制御部160は、アンテナ131および第2無線通信部130の第2受信回路148を介して他の住警器100−2から送信または中継送信された火災連携信号の有効受信を検知した場合に、第2無線通信部130の第2送信回路146に対して所定の第2無線通信プロトコルに従った火災連携信号をアンテナ131から中継アダプタ200へ送信させる制御を行う。
【0137】
また警報制御部160は、連動元を示す火災警報音の出力中に火災復旧を検知した場合、報知部136を制御してスピーカ158からの警報音出力とLED122の警報表示出力による火災警報動作を停止させると共に、第2無線通信部130の第2送信回路148から火災復旧連動信号をアンテナ131を介して他の住警器100−2に向けて送信させ、更に、第2無線通信部130の第2送信回路146に対して所定の第2無線通信プロトコルに従った火災復旧連携信号をアンテナ131から中継アダプタ200へ送信させる制御を行う。
【0138】
また警報制御部160は、連動元を示す火災警報音の出力中に自己の警報停止スイッチ120の操作を検知した場合、報知部136を制御してスピーカ158からの警報音出力とLED122の警報表示出力による火災警報動作を停止させると共に、第2無線通信部130の第2送信回路148から警報停止連動信号をアンテナ131を介して他の住警器100−2に向けて送信させ、更に、第2無線通信部130の第2送信回路146に対して所定の第2無線通信プロトコルに従った警報停止連携信号をアンテナ131から中継アダプタ200へ送信させる制御を行う。
【0139】
なお、住警器100は、連動元を示す火災警報音の出力中に他の住警器からの警報停止連動信号の有効受信を警報制御部160で検知した場合、警報制御部160は、火災警報音と火災警報表示のうち少なくとも一方を、少なくとも所定期間が経過するまで停止制御せずに、連動元が識別できるようにする。
【0140】
また警報制御部160は、連動先を示す警報音の出力中に警報停止スイッチ120の操作又は他の住警器から警報停止連動信号の有効受信を検知した場合、報知部136を制御してスピーカ158からの音声メッセージによる警報音とLED122の警報表示による火災警報を動作停止させる制御を行う。
【0141】
さらに、警報制御部160は、火災連動信号受信時と同様に、警報停止連動信号受信に伴うACK信号を返信する制御を行う。なお、後述する各ケースでも同様であるので、住警器間の通信に伴うACK信号の返信については説明を省略する。
【0142】
また警報制御部160には、図示しない電圧監視回路と協働して電池電源140から供給される電源電圧が所定レベル未満となるローバッテリー障害の監視機能を設けている。また警報制御部160には、センサ部134の障害(部品劣化や故障等含む)を監視するセンサ障害監視機能を設けている。
【0143】
また警報制御部160は、アンテナ131及び第2無線通信部130の第2受信回路146を介して、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した共通グループ符号を含む緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号が受信され、これを解読して有効受信を検知した場合、それぞれに対応した防災情報を示す所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から出力させると共に例えばLED122を点灯させる制御を行う。
【0144】
ここで緊急地震速報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」といった音声メッセージをスピース158から繰り返し報知出力させると共にLED122を例えば点灯させる。
【0145】
また津波警報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください。」といった音声メッセージをスピース158から繰り返し報知出力させると共にLEDを例えば点灯させる。
【0146】
更に緊急警報に対応する防災情報としては例えば「ピーピー 緊急警報が発令されました。」といった音声メッセージをスピース158から繰り返し報知出力させると共にLEDを例えば点灯させる。
【0147】
更に、警報制御部160は、中継アダプタ200によるプロトコル変換を経て送信された第2無線通信プロトコルに従った共通グループ符号を含む緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号が受信され、これを解読して有効受信を検知した場合、これに基づき自己の属する連動グループのグループ符号を含む緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を生成し、第2無線通信部130の第2送信回路146及びアンテナ131を介して他の住警器へ送信させる制御を行う。
【0148】
図12は図1の防災警報連携システムに設けた中継アダプタの実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0149】
図12において、中継アダプ200はプロセッサ202を備え、プロセッサ202に対しては、アンテナ206を接続した第1送信回路216と第1受信回路218を備えた第1無線通信部204、アンテナ210を接続した第2送信回路220と第2受信回路222を備えた第2無線通信部208、AC100Vから直流電源を生成して各部に供給する電源回路部212及びバッテリーなどの二次電池を用いた予備電源部214を設けている。
【0150】
第1無線通信部204の第1受信回路214はアンテナ206を介して市町村防災無線設備11の親局12又は中継局22から送信された、例えば60MHz帯の市町村デジタル防災無線通信方式規格に準拠した第1無線通信プロトコルに従って緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号を受信復調してプロセッサ202に出力する。
【0151】
プロセッサ202には中継制御部224の機能が設けられる。中継制御部224は第1無線通信部204のアンテナ206及び第1受信回路214を介して受信復調した緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号を入力して解読し、その有効受信を検知した場合に、それぞれに基づき後に図11に示す連動信号と同じフォーマット構成もつ例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を生成して第2無線通信部208に出力する。
【0152】
ここで、中継アダプタ200から第2無線通信プロトコルに従った送信する連動信号に含まれるグループ符号は、全ての住警器で有効受信を可能とする共通グループ符号を設定して所謂グループ指定なしの連動信号としている点で、固有のグループ符号を設定した住警器相互間で送受信する連動信号と相違している。
【0153】
第2無線通信部208の第2送信回路220は、プロセッサ202から入力した緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を第2無線通信プロトコルに従ってアンテナ210を介して住警器100へ送信する。第2送信回路216によるアンテナ210からの送信電力は、屋外設置している中継アダプタ200が管轄するサービス地区の全域の住宅内に設置した住警器100に電波が充分に届くように例えば1W以下となる比較的大きな送信電力を設定する。このような1W以下となる送信電力は、1mW以下の送信電力となる400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格を外れることから、その設置に対しては必要な無線局の免許申請などの措置が必要となる。
【0154】
第2無線通信部208の第2受信回路222はアンテナ210を介して住警器100から送信された例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第2無線通信プロトコルに従って火災連携信号、火災復旧連携信号、警報停止連携信号または障害連携信号を受信復調してプロセッサ202に出力する。
【0155】
プロセッサ202の中継制御部224は第2無線通信部208のアンテナ210及び第2受信回路222を介して受信復調した火災連携信号、火災復旧連携信号、警報停止連携信号または障害連携信号を入力して解読し、その有効受信を検知した場合に、それぞれを例えば60MHz帯の市町村デジタル防災無線通信方式規格に準拠した第1無線通信プロトコルに従った火災連携信号、火災復旧連携信号、警報停止連携信号または障害連携信号に変換して第1無線通信部206に出力し、第1送信回路216からアンテナ206を介して親局12側へ送信する。
【0156】
図13は、住警器から中継アダプタへの上り通信経路に必要に応じて配置される中継ブースタの実施形態を示したブロック図である。
【0157】
図13において、中継ブースタ300は、アンテナ302を接続した第2受信回路304、中継制御部306、アンテナ310を接続した第2送信回路308及び電池電源を備える。第2送信回路第2受信回路304はアンテナ302を介して住警器100から送信された第2無線通信プロトコルに従った火災連携信号、火災復旧連携信号、警報停止連携信号または障害連携信号を受信復調して中継制御部306に出力し、中継制御部306で解読して有効受信を検知した場合、火災連携信号、火災復旧連携信号、警報停止連携信号または障害連携信号を再生し、第2送信回路308に出力して増幅し、アンテナ310から中継アダプタ200または他の住警器へ送信する。
【0158】
図14及び図15は図1の親局12における処理の概略を例示したフローチャートであり、親局12に設けたプロセッサのプログラム実行による制御処理として行われる。
【0159】
図14において、親局12の電源を投入して運用が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、禁止モード設定の有無を含む各種設定情報の読み込み等を実行する。ステップS1で初期化異状があった場合には報知部36でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0160】
続いてステップS2の操作待機動作に移行する。続いてステップS3で防災担当者による緊急地震速報の通報操作の有無又は緊急地震速報受信機による自動受信の有無を検知しており、緊急地震速報の通報操作有りまたは緊急地震速報の自動受信有りを検知するとステップS4に進み、緊急地震速報通報信号を生成して送信する。続いてステップ5で例えば所定時間の経過を検知した場合または停止操作を検知した場合に送信を停止する。
【0161】
続いてステップS6で防災担当者による津波警報の通報操作の有無を検知しており、津波警報の通報操作有りを検知するとステップS7に進み、津波通報信号を生成して送信する。この場合の津波警報の通報操作は、海岸線に面している地区を地区選択釦の操作により選択し、津波を受ける地区を特定した通報操作を行う。続いてステップ8で例えば所定時間の経過を検知した場合または停止操作を検知した場合に送信を停止する。
【0162】
続いてステップS9で防災担当者による緊急警報の通報操作の有無を検知しており、緊急警報の通報操作有りを検知するとステップS10に進み、津波通報信号を生成して送信する。続いてステップ11で例えば所定時間の経過を検知した場合または停止操作を検知した場合に送信を停止する。
【0163】
続いてステップS12で防災担当者によるその他の通報操作の有無を検知しており、通報操作有りを検知するとステップS13に進み、操作に対応する通報信号を生成して送信する。この場合にも、通報内容に対応して通報を必要とする地区を地区選択釦の操作により選択し、地区を特定した通報操作を行うこともできる。続いてステップ14で例えば所定時間の経過を検知した場合または停止操作を検知した場合に送信を停止する。
【0164】
尚、ステップS4、S7及びS10で緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号を送信する場合には、それぞれに対応した拡声通報信号を生成して多重送信し、図1に示した拡声子局16の拡声器18から各警報を拡声報知させるが、図示を省略している。
【0165】
続いて図15のステップS15に進み、住警器100から送信された火災連携信号の有効受信を検知した場合はステップS16に進み、火災連携信号の解読で取得した送信元符号によるデータベース45の検索で火災発生世帯の情報を取得し、警報音と共に表示部38に火災発生世帯の住所、電話番号などを含む情報を表示し、防災担当者による対応措置を可能とする。
【0166】
続いてステップS17で、住警器100から送信された火災復旧連携信号の有効受信を検知した場合はステップS18に進み、表示部38に火災復旧を表示する。
【0167】
続いてステップS19で、住警器100から送信された警報連携信号の有効受信を検知した場合はステップS20に進み、表示部38に警報停止を表示する。
【0168】
尚、住警器100から送信された障害連携信号の有効受信を検知した場合にも表示部38に障害発生を表示するが、図示を省略している。なお、ローバッテリー障害やセンサ障害といった障害発生については、防災担当者側で対応するには限界があることから、必ずしも親局12側で表示しなくとも良い。
【0169】
図16乃至図18は図10の住警器100における処理の概略を例示したフローチャートである。図16において、住警器100の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS21で初期化、自己診断、各種設定情報の読み込み等を実行し、異状がなければステップS22に進み、火災の有無を検知している。ステップS21で初期化異状があった場合には報知部136でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS21の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0170】
ステップS22において、センサ部134に設けた検煙部116から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えるとステップS22で火災有りが検知されてステップS23に進み、第2無線通信プロトコルに従った火災連動信号を生成して他の住警器に送信すると共に、第2無線通信プロトコルに従った火災連携信号を生成して中継アダプタ200に送信し、続いてステップS24で報知部136のスピーカ158からの警報メッセージ等による警報音とLED122の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
【0171】
続いて、ステップS25で検煙部116からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無が検知しており、火災復旧有りを検知するとステップS26で第2無線通信プロトコルに従った火災復旧連動信号を生成して他の住警器に送信すると共に、第2無線通信プロトコルに従った火災復旧連携信号を生成して中継アダプタ200に送信し、続いてステップS27でスピーカ158からの音声メッセージ等による警報音とLED122の点灯による連動元を示す火災警報を停止する。ここで、LED122による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0172】
続いてステップS28で警報停止スイッチ120の警報停止指示操作の有無を検知しており、警報停止指示操作有りを検知した場合、ステップS29に進んで第2無線通信プロトコルに従った警報停止連動信号を生成して他の住警器に送信すると共に、第2無線通信プロトコルに従った警報停止連携信号を生成して中継アダプタ200に送信し、続いてステップS30にスピーカ158からの連動元を示す警報音を停止すると共に、LED122の点灯による警報表示を消灯する。この場合、LED122による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0173】
続いて図17のステップS31に進み、他の住警器から送信または中継送信された第2無線通信プロトコルに従った火災連動信号の有効受信の有無を検知している。他の住警器からの火災連動信号の有効受信有りを検知すると、ステップS12に進んで連動先を示す火災警報として自己の報知部136のスピーカ158から音声メッセージ等による警報音を出力すると共に、例えばLED122の点滅による警報表示を行う。
【0174】
次にステップS33で他の住警器から送信又は中継送信された第2無線通信プロトコルに従った火災復旧連動信号の有効受信の有無を検知しており、火災復旧連動信号の有効受信を検知すると、ステップS34に進んで連動先の警報音出力を停止すると共に警報表示も停止する。
【0175】
次にステップS35で他の住警器から送信または中継送信された第2無線通信プロトコルに従った警報停止連動信号の有効受信の有無を検知しており、警報停止連動信号の有効受信有りを検知すると、ステップS36に進んで連動先としての警報音出力を停止すると共に、警報表示も停止する。
【0176】
続いてステップS37に進み、市町村防災無線設備10の親局12から送信(中継局22から中継送信された場合を含む)された第1無線通信プロトコルに従った緊急地震速報通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号を有効受信の有無を検知しており、共通グループ符号を含む緊急地震速報連動信号の有効受信有りを検知した場合はステップS38に進み、緊急地震速報に対応した防災情報である所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から出力すると共に、例えばLED122を点灯する。またステップS38では、共通グループ符号を含む緊急地震速報連動信号の有効受信に基づき、第2無線通信プロトコルに従って自己の属する連動グループのグループ符号を設定した緊急地震速報連動信号を生成して他の住警器に送信する。
【0177】
続いてステップS39に進み、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った津波警報通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した第2無線通信プロトコルに従った津波警報連動動信号の有効受信の有無を検知しており、共通グループ符号を含む津波警報連動信号の有効受信有りを検知した場合はステップS40に進み、津波警報に対応した防災情報となる所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から出力すると共に、例えばLED122を点灯する。またステップS40では、共通グループ符号を含む津波警報連動信号に基づき、第2無線通信プロトコルに従って自己の属する連動グループのグループ符号を設定した津波警報連動信号を生成して他の住警器に送信する。
【0178】
続いてステップS41に進み、市町村防災無線設備10の親局12から送信された第1無線通信プロトコルに従った緊急警報通報信号を中継アダプタ200でプロトコル変換して送信した第2無線通信プロトコルに従った緊急警報連動動信号の有効受信の有無を検知しており、共通グループ符号を含む緊急警報連動報信号の有効受信有りを検知した場合はステップS42に進み、緊急警報に対応した防災情報となる所定の音声メッセージを報知部136のスピーカ158から出力すると共に、例えばLED122を点灯する。またステップS42では、共通グループ符号を含む緊急警報通報信号に基づき、第2無線警報連動信号を生成して他の住警器に送信する。
【0179】
続いて図18のステップS43に進み、他の住警器から送信された火災連携信号の有効受信を検知した場合はステップS44に進み、当該火災連携信号を再生して他の住警器又は中継アダプタ200に中継送信する。
【0180】
続いてステップS45に進み、他の住警器から送信された火災復旧連携信号の有効受信を検知した場合はステップS46に進み、当該火災復旧連携信号を再生して他の住警器又は中継アダプタ200へ中継送信する。
【0181】
続いて図19のステップS47に進み、他の住警器から送信された警報停止連携信号の有効受信を検知した場合はステップS48に進み、当該火災連携信号を再生して他の住警器又は中継アダプタ200に中継送信する。
【0182】
ここで、図示を省略しているが、ステップS38、S40、S42で出力した緊急地震速報、津波警報または緊急警報に対応する防災情報は、所定時間の経過後若しくは所定回数報知後に停止させる。
【0183】
また、図示を省略している障害処理は、住警器100自身でローバッテリー障害またはセンサ障害が検知された場合、又は、他の住警器からローバッテリー障害またはセンサ障害を示す障害連動信号の有効受信が検知された場合、連動元又は連動先を示すローバッテリー障害警報またはセンサ障害警報を所定の警報音と警報表示で行わせることになる。
【0184】
図19は本発明による防災警報連携システムの他の実施形態で使用する親局側の概略構成を示したブロック図であり、本実施形態にあっては、住警器側で緊急地震速報や津波警報を報知出力させるための緊急情報制御データ信号を、音声信号に重畳させて送信することで、市町村防災無線設備における使用機器の改良や改修をほとんど必要とせずに、住警器側を連携できるようにしたことを特徴とする。
【0185】
図19において、親局12は、ハードウェアとしてプロセッサ(コンピュータ)を使用し、そのプログラムの実行より実現する機能として制御部26、音声入力部28、電話制御部30を設け、更に、ハードウェアとして第1無線通信プロトコルに従った無線送受信を行うアンテナ34と接続した無線通信部32を設けており、更に制御部26に対しデータベース45を設けている。データベース45は、例えばサービス対象地域の世帯番号をインデックスとして、住警器100を特定する送信元符号、住所、電話番号、家族構成などの異状監視に必要な情報を予め登録しており、この点は図6の実施形態と同じである。
【0186】
親局12に対しては操作卓14が設けられ、操作卓14には操作部36、表示部38及び親電話機42などが設けられる。また緊急地震速報受信機44が設けられ、緊急地震速報放送を自動受信して親局12に対し緊急地震速報検知信号を出力するようにしており、この点も図6の実施形態と同じである。
【0187】
これに加え本実施形態にあっては、放送用マイク40のプラグを接続する操作卓14のマイクジャック端子94に通信データ発生器82を接続し、マイク接続用回路部96を介して親局12の音声入力部28に接続している。また通信データ発生器82のマイクジャック端子95には放送用マイク40を接続する。なお、マイク接続回路96は音声増幅器を備えるが、マイク接続回路96を設けず、マイクジャック端子94を直接音声入力部28に接続しても良い。
【0188】
通信データ発生器82は、複数の操作スイッチ84a〜84nをデータ変調器86に接続している。操作スイッチ84a〜84nには所定ビット長の緊急情報制御データ信号が割当てられており、例えば
操作スイッチ84a:緊急地震警報制御データ信号
操作スイッチ84b:津波警報制御データ信号
操作スイッチ84c:緊急警報制御データ信号
等が割当てられている。これ以外に必要に応じてテスト制御データ信号といった適宜の制御データ信号を割当てることができる。
【0189】
データ変調器82は操作スイッチ84a〜84nの操作によるオン信号を入力すると、所定ビット長の2進コードからなる緊急情報制御データ信号を発生し、デジタルデータの1/0に音声周波数帯域の搬送波信号として予め定めた例えば2400Hz/3600Hzを割当てることで、FSK変調(frequency shift keying:周波数偏移変調)またはMSK変調(minimum shift keying)により緊急情報制御データ信号を発生し、当該緊急情報制御データ信号を混合器88に入力する。混合器88は放送用マイク40から入力する音声信号を短時間切り離してデータ変調器86からの緊急情報制御データ信号の入力に切替えて挿入することで混合し、当該混合信号をマイク接続回路部96を介して音声入力部28に与え、音声入力部28により混合信号を音声符号化し、無線通信部32により第1無線通信プロトコル従った通報信号としてアンテナ34から送信させる。なお、混合器88としては2つの音声信号の入力を切替えて混合する以外に、2つの音声信号を加算合成して混合するなど適宜の混合回路を使用できる。
【0190】
ここで混合器88の切替えで音声信号に混合する緊急情報制御データ信号は例えば200ビット長のデータを送る場合でも、通信速度が2400bpsであれば、100msecを要するだけであり、この間、音声信号が断たれても、その時間が極短いため、端末側となる例えば拡声子局16で音声信号を再生報知した場合に音声内容を妨げるようなことはない。
【0191】
このように通信データ発生器82を操作卓14のマイクジャック端子94と放送用マイク40の間に接続するだけで、親局12側の改良や改修をほとんど必要とすることなく、通報制御内容に対応した操作スイッチ84a〜84nのいずれかの操作で、必要とする緊急情報報知のための制御データ信号を住警器側に送信して報知出力させることができ、既設の設備機器についても簡単に対応できる。
【0192】
図19の親局12親局から送信された通報信号を受信して住警器側に中継する中継アダプタ200は、図12の実施形態と基本的に同じになるが、プロセッサ202に設けた中継制御部224は第1無線通信部204のアンテナ206及び第1受信回路218を介して受信復調した通報信号を入力し、通報信号に含まれている音声符号化データを復号して混合音声信号を復調し、復調した混合音声信号を更にFSK復調またはMSK復調し、緊急情報制御データ信号を復元する。
【0193】
この復調処理により緊急情報制御データ信号として、緊急地震速報制御データ信号、津波警報制御データ信号または緊急警報制御データ信号のいずれかの有効受信を検知した場合に、それぞれに基づき後に図9に示す連動信号と同じフォーマット構成もつ例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第2無線通信プロトコルに従った緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を生成して第2無線通信部208に出力する。
【0194】
第2無線通信部208の第2送信回路220は、プロセッサ202から入力した緊急地震速報連動信号、津波警報連動信号または緊急警報連動信号を第2無線通信プロトコルに従ってアンテナ210を介して住警器100へ送信し、住警器100から対応する防災情報を報知出力させる。
【0195】
なお、上記実施形態では、緊急情報制御データ信号(デジタル信号)により音声周波数帯域の搬送波信号を変調するデジタル変調として、FSK変調信号とMSK変調信号を例に挙げたが、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)変調などのトーンを組み合わせたものでも良い。もちろん、他の方式によるものでも良く、搬送波信号をデジタル信号により変調するデジタル変調であっても、搬送波信号をアナログ信号で変調するアナログ変調であっても良い。アナログ変調の場合には、緊急情報制御信号(アナログ信号)により音声周波数帯域の搬送波信号を変調することになる。
【0196】
また、上記の実施形態における屋内に設置した連動型の警報システムは、グループ内警報器(住警器)同士の連動について親警報器(親器)と子警報器(子器)を設ける所謂親子式のシステムであっても親子を区別しない方式であっても良く、本発明の連携連動による市町村防災無線設備からの警報を、同警報システム内の複数の警報器で連動報知できるものであればどのよう方式であっても良い。このとき、複数の警報器を設けた警報システム内の全ての警報器から警報を出力する必要は無く、少なくとも1台の警報器から出力できれば良い。
【0197】
また、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器その他各種の警報器を配置した警報システムについても同様に適用できる。
【0198】
また市町村防災無線設備の親局からの緊急情報通報信号を受信して防災情報を報知出力する機器としては、警報器以外に、浴室リモコン装置、インターホン装置、告知放送受信機等の音声出力機能を備えた他の機器であっても良い。
【0199】
また市町村防災無線設備の親局から住警器側で報知出力するために送信する通報信号は、緊急地震速報通報信号、津波警報通報信号または緊急警報通報信号以外に、火災発生の知らせ、消防団員の召集、鎮火報告、朝昼晩の時報を知らせる音楽、鐘、チャイム、児童の帰宅を促す放送など、必要に応じて適宜の通報信号を送信して警報器から報知出力させても良い。
【0200】
また、警報器にフラッシュライト等の表示装置を設けて、警報の報知出力の効果を高めても良い。
【0201】
また上記の実施形態は、住宅に設置する警報器として、火災に伴い発生する煙を監視領域の異状として火災を検知する煙式住警器を例に取っているが、これ以外に火災に伴う熱を検知するサーミスタ等の温度検知素子を備えた熱式住警器や火災に伴うその他の環境変化を検知する住警器、火災以外にガス漏れを検知する警報器、住宅の外部に設置して放火検知する放火検知器、侵入者やその他の異状を検知する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、異状検知に伴い異状連携信号を地域防災無線設備の親局側に送信して監視するようにしても良い。
【0202】
また上記の実施形態は、中継アダプタを拡声子局の近傍に設置する場合を例にとるものであったが、中継アダプタを必要に応じて単独で設置しても良いし、他の無線設備機器である例えば再送信子局などの近傍に設置しても良い。
【0203】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
【0204】
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることが出来る。
【0205】
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
【0206】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用でき、さらに用途の異なる警報器を適宜組み合わせたシステムにも適用できる。
【0207】
また、警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、所定の警報器が市町村防災無線設備の親局から送信した通報信号を受信して報知出力できるものであれば良い。
【0208】
また、警報器や中継アダプタ間の各連動は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線通信と無線通信を適宜混在させるものであっても良い。
【0209】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0210】
10:市町村防災無線設備
12:親局
14:操作卓
16:拡声子局
18:拡声器
20:戸別受信機
22:中継局
24:住宅
26,46,62:制御部
28:音声入力部
30,54:電話制御部
32,58,64:無線通信部
34,60,66,131,206,210:アンテナ
36,48,70:操作部
38,50,68:表示部
40:放送用マイク
42:親電話機
44:緊急地震速報受信機
45:データベース
52,76:音声出力部
55,212:電源回路部
55a,214:予備電源部
56:子電話機
90,222:インタフェース回路部
100:住警器
112:カバー
114:本体
115:取付フック
116:検煙部
118:音響孔
120:警報停止スイッチ
122:LED
124::プロセッサ
130:第2無線通信部
132:メモリ
134:センサ部
136:報知部
138:操作部
140:電池電源
146,218:第2送信回路
148:第2受信回路
150:連動信号
152:連番
154:送信元符号
155:グループ符号
156:事象符号
158::スピーカ
160:警報処理部
200:中継アダプタ
204:第1無線通信部
216:第1受信回路
220:中継制御部
300:中継ブースタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親局と端末との間で防災信号を送受信する地域防災無線設備と、
監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力する警報器と、
通信プロトコルの異なる前記地域防災無線設備の信号と前記警報器の信号との間を中継する中継アダプタと、
を設け、前記地域防災設備からの緊急情報通報信号を、前記中継アダプタを経由して前記警報器に送信して当該当該緊急情報通報信号に対応する防災情報を報知出力し、前記警報器からの異状連携信号を、前記中継アダプタを経由して前記地域防災無線設備に送信して当該異状連携信号に対応する異状情報を報知出力することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項2】
請求項1記載の防災警報連携システムに於いて、
前記地域防災無線設備は、所定の第1通信プロトコルに従った緊急情報通報信号を送信し、
前記中継アダプタは、屋外に設置され、前記地域防災無線設備から前記第1通信プロトコルに従った前記緊急情報通報信号を受信した場合に、所定の第2通信プロトコルに従った前記緊急情報通報信号に基づく緊急情報連動信号に変換して送信し、
前記警報器は、屋内に設置され、前記中継アダプタから前記第2通信プロトコルに従った前記緊急情報連動信号を受信した場合に、当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力する、
ことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項3】
請求項1記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器は、屋内に設置され、監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力すると共に、前記中継アダプタに所定の第2通信プロトコルに従った異状連携信号を送信し、
前記中継アダプタは、屋外に設置され、前記警報器から前記第2通信プロトコルに従った前記異状連携信号を受信した場合に、所定の第1通信プロトコルに従った前記異常連携信号に変換して前記地域防災無線設備へ送信し、
前記地域防災無線設備は、前記中継アダプタから所定の第1通信プロトコルに従った異状連携信号を受信した場合に、当該異状連携信号に対応した異状情報を報知出力する、
ことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項4】
請求項1記載の防災警報連携システムに於いて、
前記中継アダプタは、
前記地域防災無線設備との間で第1通信プロトコルに従った信号を送受信する第1通信部と、
前記警報器との間で第2通信プロトコルに従った信号を送受信する第2通信部と、
前記第1通信部により受信された前記地域防災無線設備からの前記第1通信プロトコルに従った前記緊急情報通報信号を検知した場合に、所定の第2通信プロトコルに従ったグループ指定なしの緊急情報連動信号に変換して前記警報器へ送信させると共に、前記第2通信部により受信された前記警報器からの前記第2通信プロトコルに従った前記異状連携信号を検知した場合に、前記第1通信プロトコルに従った異状連携信号に変換して前記第1通信部により前記地域防災無線設備へ送信する中継制御部と、
を備えたことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項5】
請求項3又は4記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器は、
前記第2通信プロトコルに従って前記中継アダプタとの間で信号を受信すると共に他の警報器との間で信号を送受信する第2通信部と、
前記防災情報を報知する報知部と、
前記第2通信部により受信された信号から前記緊急情報通報信号に基づくグループ指定なしの連動信号を検知した場合に、前記報知部に当該緊急情報通報信号に対応する防災情報を報知出力させ、異状を検知した場合に、警報を報知出力すると共に、自己の属するグループを指定した異状連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信し、更に前記地域防災無線設備を指定した異状連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信する警報制御部と、
を備えたことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項6】
請求項5記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器の警報制御部は、前記第2受信部により受信された信号から前期地域防無線設備を指定した異状連携信号を検知した場合に、当該異状連携信号を前記第2受信部により他の警報器または前記中継アダプタへ送信することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項7】
請求項5記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器の警報制御部は、前記第2受信部により受信された信号からグループ指定なしの緊急情報連動信号を検知した場合に、当該緊急情報連動信号に基づき自己の属するグループを指定した緊急情報連動信号を生成して前記第2受信部により他の警報器へ送信することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項8】
請求項5記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器の警報制御部は、前記第2通信部により受信された信号から他の警報器から中継送信された自己の属するグループを指定した緊急情報連動信号を検知した場合に、前記報知部に、当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力させると共に、当該緊急情報連動信号を前記第2受信部により他の警報器へ中継送信することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項9】
請求項5記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器の警報制御部は、異状復旧を検知した場合に、警報を停止すると共に、自己の属するグループを指定した異状復旧連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信させ、更に前記地域防災無線設備を指定した異状復旧連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項10】
請求項5記載の防災警報連携システムに於いて、
前記警報器の警報制御部は、警報停止操作を検知した場合に、警報を停止すると共に、自己の属するグループを指定した警報停止連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信し、更に前記地域防災無線設備を指定した警報停止連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の防災警報連携システムに於いて、前記緊急情報通報信号は、緊急地震速報通報信号、緊急警報通報信号或いは津波警報通報信号であり、前記緊急情報連動信号は、緊急地震速報連動報信号、緊急警報連動信号或いは津波警報連動信号であることを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項12】
請求項1記載の防災警報連携システムに於いて、
前記地域防災無線設備は、マイクから入力した音声信号に、音声周波数帯域の搬送波信号を所定の緊急情報制御データ信号によりデジタル変調して混合し、当該混合音声信号を所定の第1通信プロトコルに従った防災信号に変換して送信し、
前記中継アダプタは、前記地域防災無線設備から前記第1通信プロトコルに従った前記防災信号を受信した場合に、当該防災信号から前記緊急情報制御データ信号を復調し、所定の第2通信プロトコルに従った前記緊急情報制御データ信号に基づく連動信号に変換して送信し、
前記警報器は、前記中継アダプタから前記第2通信プロトコルに従った前記緊急情報制御データ信号に基づく連動信号を受信した場合に、当該連動信号に対応する防災情報を報知出力する警報器と、
を備えたことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項13】
請求項12記載の防災警報連携システムに於いて、前記地域防災無線設備は、前記デジタル変調としてFSK変調、MSK変調またはDTMF変調を行うことを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項14】
請求項12記載の防災警報連携システムに於いて、前記緊急情報制御データ信号は、緊急地震速報制御データ信号、緊急警報制御データ信号或いは津波警報制御データ信号であり、前記連動信号は、緊急地震速連動信号、緊急警報連動信号或いは津波警報連動信号であることを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項15】
請求項1記載の防災警報連携システムに於いて、
前記地域防災無線設備は、マイクから入力した音声信号に、音声周波数帯域の搬送波信号を所定の緊急情報制御信号によりアナログ変調して混合し、当該混合音声信号を所定の第1通信プロトコルに従った通報信号に変換して送信し、
前記警報器は、前記地域防災無線設備から前記第1通信プロトコルに従った前記通報信号を受信した場合に、当該通報信号から前記緊急情報制御信号を復調し、当該緊急情報制御信号に対応する防災情報を報知出力することを特徴とする防災警報連携システム。
【請求項16】
親局と端末との間で防災信号を送受信する地域防災無線設備と、
監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力する警報器と、
通信プロトコルの異なる前記地域防災無線設備の信号と前記警報器の信号との間を中継する中継アダプタと、
を設け、前記地域防災設備からの緊急情報通報信号を、前記中継アダプタを経由して前記警報器に送信して当該当該緊急情報通報信号に対応する防災情報を報知出力し、前記警報器からの異状連携信号を、前記中継アダプタを経由して前記地域防災無線設備に送信して当該異状連携信号に対応する異状情報を報知出力することを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項17】
請求項16記載の防災警報連携方法に於いて、
前記地域防災無線設備は、所定の第1通信プロトコルに従った緊急情報通報信号を送信し、
前記中継アダプタは、屋外に設置され、前記地域防災無線設備から前記第1通信プロトコルに従った前記緊急情報通報信号を受信した場合に、所定の第2通信プロトコルに従った前記緊急情報通報信号に基づく緊急情報連動信号に変換して送信し、
前記警報器は、屋内に設置され、前記中継アダプタから前記第2通信プロトコルに従った前記緊急情報連動信号を受信した場合に、当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力する、
ことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項18】
請求項16記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器は、屋内に設置され、監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力すると共に、前記中継アダプタに所定の第2通信プロトコルに従った異状連携信号を送信し、
前記中継アダプタは、屋外に設置され、前記警報器から前記第2通信プロトコルに従った前記異状連携信号を受信した場合に、所定の第1通信プロトコルに従った前記異常連携信号に変換して前記地域防災無線設備へ送信し、
前記地域防災無線設備は、前記中継アダプタから所定の第1通信プロトコルに従った異状連携信号を受信した場合に、当該異状連携信号に対応した異状情報を報知出力する、
ことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項19】
請求項16記載の防災警報連携方法に於いて、
前記中継アダプタは、
前記地域防災無線設備との間で第1通信プロトコルに従った信号を送受信する第1通信部と、
前記警報器との間で第2通信プロトコルに従った信号を送受信する第2通信部と、
前記第1通信部により受信された前記地域防災無線設備からの前記第1通信プロトコルに従った前記緊急情報通報信号を検知した場合に、所定の第2通信プロトコルに従ったグループ指定なしの緊急情報連動信号に変換して前記警報器へ送信させると共に、前記第2通信部により受信された前記警報器からの前記第2通信プロトコルに従った前記異状連携信号を検知した場合に、前記第1通信プロトコルに従った異状連携信号に変換して前記第1通信部により前記地域防災無線設備へ送信する中継制御部と、
を備えたことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項20】
請求項18又は19記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器は、
前記第2通信プロトコルに従って前記中継アダプタとの間で信号を受信すると共に他の警報器との間で信号を送受信する第2通信部と、
前記防災情報を報知する報知部と、
前記第2通信部により受信された信号から前記緊急情報通報信号に基づくグループ指定なしの連動信号を検知した場合に、前記報知部に当該緊急情報通報信号に対応する防災情報を報知出力させ、
異状を検知した場合に、警報を報知出力すると共に、自己の属するグループを指定した異状連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信し、更に前記地域防災無線設備を指定した異状連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信する、
ことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項21】
請求項20記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器の警報制御部は、前記第2受信部により受信された信号から前期地域防無線設備を指定した異状連携信号を検知した場合に、当該異状連携信号を前記第2受信部により他の警報器または前記中継アダプタへ送信することを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項22】
請求項20記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器の警報制御部は、前記第2受信部により受信された信号からグループ指定なしの緊急情報連動信号を検知した場合に、当該緊急情報連動信号に基づき自己の属するグループを指定した緊急情報連動信号を生成して前記第2受信部により他の警報器へ送信することを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項23】
請求項20記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器の警報制御部は、前記第2通信部により受信された信号から他の警報器から中継送信された自己の属するグループを指定した緊急情報連動信号を検知した場合に、前記報知部に、当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力させると共に、当該緊急情報連動信号を前記第2受信部により他の警報器へ中継送信することを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項24】
請求項20記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器の警報制御部は、異状復旧を検知した場合に、警報を停止すると共に、自己の属するグループを指定した異状復旧連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信させ、更に前記地域防災無線設備を指定した異状復旧連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信することを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項25】
請求項20記載の防災警報連携方法に於いて、
前記警報器の警報制御部は、警報停止操作を検知した場合に、警報を停止すると共に、自己の属するグループを指定した警報停止連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信し、更に前記地域防災無線設備を指定した警報停止連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信することを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項26】
請求項16乃至25のいずれかに記載の防災警報連携方法に於いて、前記緊急情報通報信号は、緊急地震速報通報信号、緊急警報通報信号或いは津波警報通報信号であり、前記緊急情報連動信号は、緊急地震速報連動報信号、緊急警報連動信号或いは津波警報連動信号であることを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項27】
請求項16記載の防災警報連携方法に於いて、
前記地域防災無線設備は、マイクから入力した音声信号に、音声周波数帯域の搬送波信号を所定の緊急情報制御データ信号によりデジタル変調して混合し、当該混合音声信号を所定の第1通信プロトコルに従った防災信号に変換して送信し、
前記中継アダプタは、前記地域防災無線設備から前記第1通信プロトコルに従った前記防災信号を受信した場合に、当該防災信号から前記緊急情報制御データ信号を復調し、所定の第2通信プロトコルに従った前記緊急情報制御データ信号に基づく連動信号に変換して送信し、
前記警報器は、前記中継アダプタから前記第2通信プロトコルに従った前記緊急情報制御データ信号に基づく連動信号を受信した場合に、当該連動信号に対応する防災情報を報知出力する警報器と、
を備えたことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項28】
請求項27記載の防災警報連携方法に於いて、前記地域防災無線設備は、前記デジタル変調としてFSK変調、MSK変調またはDTMF変調を行うことを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項29】
請求項26記載の防災警報連携方法に於いて、前記緊急情報制御データ信号は、緊急地震速報制御データ信号、緊急警報制御データ信号或いは津波警報制御データ信号であり、前記連動信号は、緊急地震速連動信号、緊急警報連動信号或いは津波警報連動信号であることを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項30】
請求項16記載の防災警報連携方法に於いて、
前記地域防災無線設備は、マイクから入力した音声信号に、音声周波数帯域の搬送波信号を所定の緊急情報制御信号によりアナログ変調して混合し、当該混合音声信号を所定の第1通信プロトコルに従った通報信号に変換して送信し、
前記警報器は、前記地域防災無線設備から前記第1通信プロトコルに従った前記通報信号を受信した場合に、当該通報信号から前記緊急情報制御信号を復調し、当該緊急情報制御信号に対応する防災情報を報知出力することを特徴とする防災警報連携方法。
【請求項31】
親局と端末との間で防災信号を送受信する地域防災無線設備と、監視領域の異状を検知した場合に警報を報知出力する警報器と連携する中継アダプタに於いて、
前記地域防災無線設備との間で第1通信プロトコルに従った信号を送受信する第1通信部と、
前記警報器との間で第2通信プロトコルに従った信号を送受信する第2通信部と、
前記第1通信部により受信された前記地域防災無線設備からの前記第1通信プロトコルに従った前記緊急情報通報信号を検知した場合に、所定の第2通信プロトコルに従ったグループ指定なしの緊急情報連動信号に変換して前記警報器へ送信させると共に、前記第2通信部により受信された前記警報器からの前記第2通信プロトコルに従った前記異状連携信号を検知した場合に、前記第1通信プロトコルに従った異状連携信号に変換して前記第1通信部により前記地域防災無線設備へ送信する中継制御部と、
を備えたことを特徴とする中継アダプタ。
【請求項32】
監視領域の異状を検知した場合に警報する警報器に於いて、
地域防災無線設備の第1通信プロトコルに従った信号と所定の第2通信プロトコルに従った信号をプロトコル変換して送受信する中継アダプタ及び他の警報器との間で前記第2通信プロトコルに従って信号を送受信する第2通信部と、
前記防災情報を報知する報知部と、
前記第2通信部により受信された信号から前記地域防災無線設備からの緊急情報通報信号に基づくグループ指定なしの緊急情報連動信号を検知した場合に、前記報知部に当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力させ、
異状を検知した場合に、警報を報知出力すると共に、自己の属するグループを指定した異状連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信し、更に前記地域防災無線設備を指定した異状連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信する警報制御部と、
を備えたことを特徴とする警報器。
【請求項33】
請求項32記載の警報器に於いて、
前記警報制御部は、前記第2受信部により受信された信号から前期地域防無線設備を指定した異状連携信号を検知した場合に、当該異状連携信号を前記第2受信部により他の警報器または前記中継アダプタへ送信することを特徴とする警報器。
【請求項34】
請求項32記載の警報器に於いて、
前記警報制御部は、前記第2受信部により受信された信号からグループ指定なしの緊急情報連動信号を検知した場合に、当該緊急情報連動信号に基づき自己の属するグループを指定した緊急情報連動信号を生成して前記第2受信部により他の警報器へ送信することを特徴とする警報器。
【請求項35】
請求項32記載の警報器に於いて、
前記警報制御部は、前記第2通信部により受信された信号から他の警報器から中継送信された自己の属するグループを指定した緊急情報連動信号を検知した場合に、前記報知部に、当該緊急情報連動信号に対応する防災情報を報知出力させると共に、当該緊急情報連動信号を前記第2受信部により他の警報器へ中継送信することを特徴とする警報器。
【請求項36】
請求項32記載の警報器に於いて、
前記警報器の警報制御部は、異状復旧を検知した場合に、警報を停止すると共に、自己の属するグループを指定した異状復旧連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信させ、更に前記地域防災無線設備を指定した異状復旧連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信することを特徴とする警報器。
【請求項37】
請求項32記載の警報器に於いて、
前記警報器の警報制御部は、警報停止操作を検知した場合に、警報を停止すると共に、自己の属するグループを指定した警報停止連動信号を生成して前記第2通信部により他の住警器へ送信し、更に前記地域防災無線設備を指定した警報停止連携信号を生成して前記第2通信部により前記中継アダプタへ送信することを特徴とする警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−29944(P2013−29944A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164922(P2011−164922)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】