防臭抗菌シート及びその利用
【課題】 防臭力・抗菌力が高く、肌触り・肌とのなじみがよく使用感がよく、しかも創傷治癒促進効果がある防臭抗菌シート及びその利用製品を提供する。
【解決手段】 短い絹繊維をニードルパンチ法又は水流絡合法で絡合し、これを加圧して不織布の表シート１を作製し、レーヨンとアセテートの混合繊維中に鉄粉表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施した抗菌性金属粉を均一に混入し、又下部の方に竹炭粉を１ｍｍ程の厚みに配置した中間シート２を作製し、２枚の上記表シート１の間に、上記中間シート２を挟んで３層にして外側から加熱加圧して一体的に連結した防臭抗菌シート。
【解決手段】 短い絹繊維をニードルパンチ法又は水流絡合法で絡合し、これを加圧して不織布の表シート１を作製し、レーヨンとアセテートの混合繊維中に鉄粉表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施した抗菌性金属粉を均一に混入し、又下部の方に竹炭粉を１ｍｍ程の厚みに配置した中間シート２を作製し、２枚の上記表シート１の間に、上記中間シート２を挟んで３層にして外側から加熱加圧して一体的に連結した防臭抗菌シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、防臭と抗菌力がある抗菌性金属粉と絹素材の表シートと竹炭層を有する防臭抗菌シート、及び同シートを使用した防臭抗菌機能を有するマスク・シャツ・靴中敷・壁布・肌着の利用技術に関する。
【背景技術】
【０００２】
防臭抗菌性を有するシートとして、木炭パウダーを含んだ綿繊維又は不織布が実用新案登録第３１１７７５３号公報で知られている。同公報では、木炭パウダーを含んだ同シートに更に二酸化チタン粉を含んだバインダー層を形成して防臭・抗菌力を高めたマスクとした利用技術が開示されている。
しかしながら、このシート・マスクで使用される木炭パウダーでは、その脱臭力・抗菌力が弱く、又木炭パウダーを含んだ綿・不織布では人の肌との感触が悪く使用感がよくないものであった。又抗菌力・吸水性も充分に期待できにくいものであった。
又、生体・肌とのなじみがよい絹繊維をガーゼ生地に用いる技術が再表９７／００７２７３の再公表特許公報で知られている。しかしながら、この素材のみでは抗菌力及び防臭性に欠くものであった。
更に、金属粉の表面にＣｕ−Ｎｉ合金のメッキを施すことで高い抗菌力を有する抗菌性金属粉が特開２００３−１３８３８６号公報で知られている。しかしながら、この抗菌力を有する金属粉は、抗菌力・防かび性が強力で医療用に使用されているが、強力な抗菌性を有するため、人体・肌に直接長い間接触する使用には刺激が強すぎて実用的ではなかった。又防臭・消臭機能が低いものであった。
【特許文献１】実用新案登録第３１１７７５３号公報
【特許文献２】再表９７／００７２７３の再公表特許公報
【特許文献３】特開２００３−１３８３８６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、防臭力・抗菌力が高く、肌触り・肌とのなじみがよく使用感がよく、しかも創傷治癒促進効果がある防臭抗菌シート及び上記特徴を有するそのシート利用製品のマスク・シャツ・靴中敷・壁布・肌着を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
１） 微紛状の金属粒の表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施した抗菌性金属粉を混入させた織布又は不織布の布シートの一部又は全部のシート表面又はシート内に、竹炭粉を薄く付着させた竹炭層を形成した防臭抗菌シート
２） 布シートが短い絹繊維を絡合させた後加圧してシート状にし、更にこれに細孔を多数穿孔した通気性の高い絹シートである、前記１）記載の防臭抗菌シート
３） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートを用いてマスク面を形成し、竹炭粉がマスク面の下方に形成された防臭抗菌マスク
４） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートを靴中敷の上層に設けたことを特徴とする、防臭抗菌靴中敷
５） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートを壁布地とした、防臭抗菌壁布
６） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートを生地として作製された、防臭抗菌肌着
７） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートをシャツ生地として作製された、防臭抗菌シャツ
にある。
【発明の効果】
【０００５】
本発明によれば、布シートにＣｕ−Ｎｉ合金メッキされた抗菌性金属粉を付着させたことにより、金属粉のもつ高い抗菌力・防かび力が発現できる。しかも竹炭粉層をシートの表面又は内部の一部又は全面に形成したことにより、竹炭粉が有する有害物質の吸着、消臭及び防菌・除菌力が働いて高い防臭力を有し、又遠赤外線を放出し、更に適度の保湿力を有する。綿又は絹等の布シートに、金属粉は分散されて入れられることで、肌・人体との直接の接触が少なくなり、刺激性がなく、使用感に優れている。特に布シートが絹素材の絡合加圧シートであれば、肌とのなじみ・肌触りがよく、傷の治癒効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
本発明の布シートの織布・不織布としては、綿繊維，絹繊維，紙を使用したものがあるが、肌とのなじみがよい絹繊維を使用することが好ましい。特に抗菌性金属粉を入れるために短い絹繊維を絡合して加圧して作製する絹布がよい。抗菌性金属粉を入れる方法として、絹繊維中に抗菌性金属粉を散布して固定する方法もあるが、好ましくは上下一対の短い絹繊維のシート間に、熱溶解性のレーヨン・アセテート又はその混同繊維を入れ、これに抗菌性金属粉を混入し、又は竹炭粉を混入又は配置し、これらの積層物を加熱加圧してレーヨン・アセテートを溶かして接着剤にしてシートを互に連結して一体化し、内部に金属粉，竹炭粉を封止する方法が好ましい。抗菌性金属粉としては、鉄粉の表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施すことで抗菌性を得るケニファイン粉（商標名：株式会社神戸製鋼所）が代表例であり、ケニファイン粉が好ましい。
【実施例１】
【０００７】
以下、本発明の実施例の防臭抗菌シート及びその利用の防臭抗菌マスクを説明する。
本実施例１は、シートの素材として短い絹繊維をニードルパンチ法又は水流絡合法で絡合し、これを加圧して不織布の長尺の表シートにする。次に、この絹素材の表シートの２枚間に、鉄粉表面にＣｕ−Ｎｉ合金のメッキを施した抗菌性金属粉（商標名：ケニファイン粉末：株式会社神戸製鋼所）をレーヨン・アセテート又はそれらの混合繊維シートの全体に均一に、しかも下部に竹炭粉を帯状に１ｍｍ程厚みで挟持した長尺の中間シートを配置して、上下２枚の表シートと中間シートを積層して外側から加熱加圧して混合繊維を溶融して一体的に連結して布シートとした防臭抗菌シートを作製する。
【０００８】
次に、作製した防臭抗菌シートを１８ｃｍ×１１ｃｍ程の長方形状のマスク面の大きさに切断し、切断した周縁を折り返して且つ耳掛けの左右のマスクゴム紐端を上下端で固定する。
【０００９】
図１は、実施例１の防臭抗菌シートを示す分解斜視図である。
図２は、実施例１の防臭抗菌シートを示す一部切欠斜視図である。
図３は、実施例１の防臭抗菌シートの拡大縦断面図である。
図４は、実施例１の防臭抗菌マスクを示す一部切欠斜視図である。
【００１０】
図中、Ａは実施例１の絹素材の布シートの防臭抗菌シートである。符号１〜４は同防臭抗菌シートＡの構成部分で、１は５〜７ｃｍ程の短い絹繊維をニードルパンチ法でもって絡合させて加圧した２０ｃｍ巾の長尺の不織布の表シート、２はレーヨン・アセテートの混合繊維２−ａ中に鉄粉表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施した抗菌性金属粉３のケニファイン粉（商標名：株式会社神戸製綱所販売）を均一に散布して混入し、又下部の３ｃｍ程の巾領域に竹炭粉を１ｍｍ程の厚みとなるように１３ｃｍの長さにわたって配置して竹炭層４を形成し、同竹炭層を４ｃｍの間隔をあけて間欠的に長手方向に設けた長尺の中間シート、３は抗菌性金属粉、４は竹炭層、５は１ｍｍ程の径の穴である。実施例１の防臭抗菌シートＡは、上下一対の表シート１間に上記中間シート２を挿入するように積層し、積層したものを上下から加圧しながら加熱させて、中間シート２の混合繊維２−ａを溶かして上下の表シート１と中間シート２の３層のシートを接着して一体化し、それを１ｍｍ径の針で多数の穴５を形成したものである。Ｂは実施例１の防臭抗菌シートＡを用いて作製されるマスク、１０〜１２は同マスクの構成部分で、１０は防臭抗菌シートＡを１７ｃｍ巾で切り出したマスク本体、１１はマスク本体１０の周縁を折り返して加圧接着した折り返し部、１２は同折り返しに一端を挟んで固定したマスクゴム紐である。
【００１１】
この実施例１のマスクＢのマスク本体１０は、絹繊維の表シート１であるので、肌にソフトに接触し、しかも人体・肌の汗，血等を吸収でき、傷の治癒効果を有する。
表シート１の細孔の穴５によってマスク本体１０の通気性は確保されている。
しかも、大気からの菌・カビ又は人体側からの息・呼吸に含まれる菌・カビは、マスク本体１０の表シート１内に封止されたケニファイン粉の抗菌性金属粉と接触し、その表面のＣｕ−Ｎｉメッキ層の着水膜に溶けたイオンの働きによる抗菌作用により、強力に減菌・抑菌させる。
更に、竹炭層４は、有害ガス吸着作用・消臭作用・保湿作用があり、遠赤外線の放出効果がある。特に息の中の悪臭を消臭し、長い時間使用し易くすることができる。
【００１２】
本発明の他の利用の靴中敷の実施例について説明する。図５に示す実施例は、靴中敷Ｃの例であり、実施例１の防臭抗菌シートＡと同じ構造で、縦寸法を長くした防臭抗菌シートを靴型に切り出し、竹炭層４が足指側になるようにし、更に切り出した周縁に緑布２０を取り付けた例である。
この例は、絹の表シート１が吸汗し、又抗菌性金属粉３が抗菌し、足の裏・指の間の雑菌の増殖を抑える。又竹炭層４が強く吸汗し、消臭と抗菌と保温を行う。
【００１３】
本発明の他の利用のパンツの実施例について説明する。図６にその例の一部切欠斜視図を示す実施例１の防臭抗菌シートＡと同じ構造の広いシートをパンツ生地とし、又竹炭層４は股間・下腹部に当る個所に広く形成させた例である。
このパンツＤでは、股間・下腹部の竹炭層４が吸汗・吸尿し、又消臭するとともに、絹素材の表シート１も吸汗し、又傷の治癒効果もあり、肌との接触がよく、なじみもよい。又抗菌性も高いものとなる。
【００１４】
本発明の他の利用としては、竹炭層４を表シート１に均一に薄く形成することで、壁布・シーツとしても使える。この壁布は、絹素材の表シート１が表面にあるため、人体と接触しても柔らかでなめらかな肌触りであり、しかも吸汗作用・抗菌作用・消臭作用がある製品とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【００１５】
本発明の防臭抗菌シートは、パンツ以外の肌着・シャツの衣服生地として使え、カーテン生地，布団表生地，包帯，帽子裏生地，ハンカチ等にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】実施例１の防臭抗菌シートを示す分解斜視図である。
【図２】実施例１の防臭抗菌シートを示す一部切欠斜視図である。
【図３】実施例１の防臭抗菌シートの拡大縦断面図である。
【図４】実施例１の防臭抗菌マスクを示す一部切欠斜視図である。
【図５】本発明の靴中敷の利用を示す一部切欠斜視図である。
【図６】本発明のパンツの利用を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【００１７】
Ａ 防臭抗菌シート
Ｂ マスク
Ｃ 靴中敷
Ｄ パンツ
１ 表シート
２ 中間シート
２−ａ 混合繊維
３ 抗菌性金属粉
４ 竹炭層
５ 穴
１０ マスク本体
１１ 折り返し部
１２ マスクゴム紐
２０ 緑布
【技術分野】
【０００１】
本発明は、防臭と抗菌力がある抗菌性金属粉と絹素材の表シートと竹炭層を有する防臭抗菌シート、及び同シートを使用した防臭抗菌機能を有するマスク・シャツ・靴中敷・壁布・肌着の利用技術に関する。
【背景技術】
【０００２】
防臭抗菌性を有するシートとして、木炭パウダーを含んだ綿繊維又は不織布が実用新案登録第３１１７７５３号公報で知られている。同公報では、木炭パウダーを含んだ同シートに更に二酸化チタン粉を含んだバインダー層を形成して防臭・抗菌力を高めたマスクとした利用技術が開示されている。
しかしながら、このシート・マスクで使用される木炭パウダーでは、その脱臭力・抗菌力が弱く、又木炭パウダーを含んだ綿・不織布では人の肌との感触が悪く使用感がよくないものであった。又抗菌力・吸水性も充分に期待できにくいものであった。
又、生体・肌とのなじみがよい絹繊維をガーゼ生地に用いる技術が再表９７／００７２７３の再公表特許公報で知られている。しかしながら、この素材のみでは抗菌力及び防臭性に欠くものであった。
更に、金属粉の表面にＣｕ−Ｎｉ合金のメッキを施すことで高い抗菌力を有する抗菌性金属粉が特開２００３−１３８３８６号公報で知られている。しかしながら、この抗菌力を有する金属粉は、抗菌力・防かび性が強力で医療用に使用されているが、強力な抗菌性を有するため、人体・肌に直接長い間接触する使用には刺激が強すぎて実用的ではなかった。又防臭・消臭機能が低いものであった。
【特許文献１】実用新案登録第３１１７７５３号公報
【特許文献２】再表９７／００７２７３の再公表特許公報
【特許文献３】特開２００３−１３８３８６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、防臭力・抗菌力が高く、肌触り・肌とのなじみがよく使用感がよく、しかも創傷治癒促進効果がある防臭抗菌シート及び上記特徴を有するそのシート利用製品のマスク・シャツ・靴中敷・壁布・肌着を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
１） 微紛状の金属粒の表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施した抗菌性金属粉を混入させた織布又は不織布の布シートの一部又は全部のシート表面又はシート内に、竹炭粉を薄く付着させた竹炭層を形成した防臭抗菌シート
２） 布シートが短い絹繊維を絡合させた後加圧してシート状にし、更にこれに細孔を多数穿孔した通気性の高い絹シートである、前記１）記載の防臭抗菌シート
３） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートを用いてマスク面を形成し、竹炭粉がマスク面の下方に形成された防臭抗菌マスク
４） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートを靴中敷の上層に設けたことを特徴とする、防臭抗菌靴中敷
５） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートを壁布地とした、防臭抗菌壁布
６） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートを生地として作製された、防臭抗菌肌着
７） 前記１）又は２）記載の防臭抗菌シートをシャツ生地として作製された、防臭抗菌シャツ
にある。
【発明の効果】
【０００５】
本発明によれば、布シートにＣｕ−Ｎｉ合金メッキされた抗菌性金属粉を付着させたことにより、金属粉のもつ高い抗菌力・防かび力が発現できる。しかも竹炭粉層をシートの表面又は内部の一部又は全面に形成したことにより、竹炭粉が有する有害物質の吸着、消臭及び防菌・除菌力が働いて高い防臭力を有し、又遠赤外線を放出し、更に適度の保湿力を有する。綿又は絹等の布シートに、金属粉は分散されて入れられることで、肌・人体との直接の接触が少なくなり、刺激性がなく、使用感に優れている。特に布シートが絹素材の絡合加圧シートであれば、肌とのなじみ・肌触りがよく、傷の治癒効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
本発明の布シートの織布・不織布としては、綿繊維，絹繊維，紙を使用したものがあるが、肌とのなじみがよい絹繊維を使用することが好ましい。特に抗菌性金属粉を入れるために短い絹繊維を絡合して加圧して作製する絹布がよい。抗菌性金属粉を入れる方法として、絹繊維中に抗菌性金属粉を散布して固定する方法もあるが、好ましくは上下一対の短い絹繊維のシート間に、熱溶解性のレーヨン・アセテート又はその混同繊維を入れ、これに抗菌性金属粉を混入し、又は竹炭粉を混入又は配置し、これらの積層物を加熱加圧してレーヨン・アセテートを溶かして接着剤にしてシートを互に連結して一体化し、内部に金属粉，竹炭粉を封止する方法が好ましい。抗菌性金属粉としては、鉄粉の表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施すことで抗菌性を得るケニファイン粉（商標名：株式会社神戸製鋼所）が代表例であり、ケニファイン粉が好ましい。
【実施例１】
【０００７】
以下、本発明の実施例の防臭抗菌シート及びその利用の防臭抗菌マスクを説明する。
本実施例１は、シートの素材として短い絹繊維をニードルパンチ法又は水流絡合法で絡合し、これを加圧して不織布の長尺の表シートにする。次に、この絹素材の表シートの２枚間に、鉄粉表面にＣｕ−Ｎｉ合金のメッキを施した抗菌性金属粉（商標名：ケニファイン粉末：株式会社神戸製鋼所）をレーヨン・アセテート又はそれらの混合繊維シートの全体に均一に、しかも下部に竹炭粉を帯状に１ｍｍ程厚みで挟持した長尺の中間シートを配置して、上下２枚の表シートと中間シートを積層して外側から加熱加圧して混合繊維を溶融して一体的に連結して布シートとした防臭抗菌シートを作製する。
【０００８】
次に、作製した防臭抗菌シートを１８ｃｍ×１１ｃｍ程の長方形状のマスク面の大きさに切断し、切断した周縁を折り返して且つ耳掛けの左右のマスクゴム紐端を上下端で固定する。
【０００９】
図１は、実施例１の防臭抗菌シートを示す分解斜視図である。
図２は、実施例１の防臭抗菌シートを示す一部切欠斜視図である。
図３は、実施例１の防臭抗菌シートの拡大縦断面図である。
図４は、実施例１の防臭抗菌マスクを示す一部切欠斜視図である。
【００１０】
図中、Ａは実施例１の絹素材の布シートの防臭抗菌シートである。符号１〜４は同防臭抗菌シートＡの構成部分で、１は５〜７ｃｍ程の短い絹繊維をニードルパンチ法でもって絡合させて加圧した２０ｃｍ巾の長尺の不織布の表シート、２はレーヨン・アセテートの混合繊維２−ａ中に鉄粉表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施した抗菌性金属粉３のケニファイン粉（商標名：株式会社神戸製綱所販売）を均一に散布して混入し、又下部の３ｃｍ程の巾領域に竹炭粉を１ｍｍ程の厚みとなるように１３ｃｍの長さにわたって配置して竹炭層４を形成し、同竹炭層を４ｃｍの間隔をあけて間欠的に長手方向に設けた長尺の中間シート、３は抗菌性金属粉、４は竹炭層、５は１ｍｍ程の径の穴である。実施例１の防臭抗菌シートＡは、上下一対の表シート１間に上記中間シート２を挿入するように積層し、積層したものを上下から加圧しながら加熱させて、中間シート２の混合繊維２−ａを溶かして上下の表シート１と中間シート２の３層のシートを接着して一体化し、それを１ｍｍ径の針で多数の穴５を形成したものである。Ｂは実施例１の防臭抗菌シートＡを用いて作製されるマスク、１０〜１２は同マスクの構成部分で、１０は防臭抗菌シートＡを１７ｃｍ巾で切り出したマスク本体、１１はマスク本体１０の周縁を折り返して加圧接着した折り返し部、１２は同折り返しに一端を挟んで固定したマスクゴム紐である。
【００１１】
この実施例１のマスクＢのマスク本体１０は、絹繊維の表シート１であるので、肌にソフトに接触し、しかも人体・肌の汗，血等を吸収でき、傷の治癒効果を有する。
表シート１の細孔の穴５によってマスク本体１０の通気性は確保されている。
しかも、大気からの菌・カビ又は人体側からの息・呼吸に含まれる菌・カビは、マスク本体１０の表シート１内に封止されたケニファイン粉の抗菌性金属粉と接触し、その表面のＣｕ−Ｎｉメッキ層の着水膜に溶けたイオンの働きによる抗菌作用により、強力に減菌・抑菌させる。
更に、竹炭層４は、有害ガス吸着作用・消臭作用・保湿作用があり、遠赤外線の放出効果がある。特に息の中の悪臭を消臭し、長い時間使用し易くすることができる。
【００１２】
本発明の他の利用の靴中敷の実施例について説明する。図５に示す実施例は、靴中敷Ｃの例であり、実施例１の防臭抗菌シートＡと同じ構造で、縦寸法を長くした防臭抗菌シートを靴型に切り出し、竹炭層４が足指側になるようにし、更に切り出した周縁に緑布２０を取り付けた例である。
この例は、絹の表シート１が吸汗し、又抗菌性金属粉３が抗菌し、足の裏・指の間の雑菌の増殖を抑える。又竹炭層４が強く吸汗し、消臭と抗菌と保温を行う。
【００１３】
本発明の他の利用のパンツの実施例について説明する。図６にその例の一部切欠斜視図を示す実施例１の防臭抗菌シートＡと同じ構造の広いシートをパンツ生地とし、又竹炭層４は股間・下腹部に当る個所に広く形成させた例である。
このパンツＤでは、股間・下腹部の竹炭層４が吸汗・吸尿し、又消臭するとともに、絹素材の表シート１も吸汗し、又傷の治癒効果もあり、肌との接触がよく、なじみもよい。又抗菌性も高いものとなる。
【００１４】
本発明の他の利用としては、竹炭層４を表シート１に均一に薄く形成することで、壁布・シーツとしても使える。この壁布は、絹素材の表シート１が表面にあるため、人体と接触しても柔らかでなめらかな肌触りであり、しかも吸汗作用・抗菌作用・消臭作用がある製品とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【００１５】
本発明の防臭抗菌シートは、パンツ以外の肌着・シャツの衣服生地として使え、カーテン生地，布団表生地，包帯，帽子裏生地，ハンカチ等にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】実施例１の防臭抗菌シートを示す分解斜視図である。
【図２】実施例１の防臭抗菌シートを示す一部切欠斜視図である。
【図３】実施例１の防臭抗菌シートの拡大縦断面図である。
【図４】実施例１の防臭抗菌マスクを示す一部切欠斜視図である。
【図５】本発明の靴中敷の利用を示す一部切欠斜視図である。
【図６】本発明のパンツの利用を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【００１７】
Ａ 防臭抗菌シート
Ｂ マスク
Ｃ 靴中敷
Ｄ パンツ
１ 表シート
２ 中間シート
２−ａ 混合繊維
３ 抗菌性金属粉
４ 竹炭層
５ 穴
１０ マスク本体
１１ 折り返し部
１２ マスクゴム紐
２０ 緑布
【特許請求の範囲】
【請求項１】
微紛状の金属粒の表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施した抗菌性金属粉を混入させた織布又は不織布の布シートの一部又は全部のシート表面又はシート内に、竹炭粉を薄く付着させた竹炭層を形成した防臭抗菌シート。
【請求項２】
布シートが短い絹繊維を絡合させた後加圧してシート状にし、更にこれに細孔を多数穿孔した通気性の高い絹シートである、請求項１記載の防臭抗菌シート。
【請求項３】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートを用いてマスク面を形成し、竹炭粉がマスク面の下方に形成された防臭抗菌マスク。
【請求項４】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートを靴中敷の上層に設けたことを特徴とする、防臭抗菌靴中敷。
【請求項５】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートを壁布地とした、防臭抗菌壁布。
【請求項６】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートを生地として作製された、防臭抗菌肌着。
【請求項７】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートをシャツ生地として作製された、防臭抗菌シャツ。
【請求項１】
微紛状の金属粒の表面にＣｕ−Ｎｉ合金メッキを施した抗菌性金属粉を混入させた織布又は不織布の布シートの一部又は全部のシート表面又はシート内に、竹炭粉を薄く付着させた竹炭層を形成した防臭抗菌シート。
【請求項２】
布シートが短い絹繊維を絡合させた後加圧してシート状にし、更にこれに細孔を多数穿孔した通気性の高い絹シートである、請求項１記載の防臭抗菌シート。
【請求項３】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートを用いてマスク面を形成し、竹炭粉がマスク面の下方に形成された防臭抗菌マスク。
【請求項４】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートを靴中敷の上層に設けたことを特徴とする、防臭抗菌靴中敷。
【請求項５】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートを壁布地とした、防臭抗菌壁布。
【請求項６】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートを生地として作製された、防臭抗菌肌着。
【請求項７】
請求項１又は２記載の防臭抗菌シートをシャツ生地として作製された、防臭抗菌シャツ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００８−２２３１５５（Ｐ２００８−２２３１５５Ａ）
【公開日】平成２０年９月２５日（２００８．９．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−５９２６４（Ｐ２００７−５９２６４）
【出願日】平成１９年３月８日（２００７．３．８）
【出願人】（３９９０８９５０７）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年９月２５日（２００８．９．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年３月８日（２００７．３．８）
【出願人】（３９９０８９５０７）
【Ｆターム（参考）】
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