説明

防護標識装置

【課題】電柱や看板等の表面を被覆して防護する防護装置に、自己発光する標識としての機能と、電柱等と発光体の双方を防護する機能を持たせることにより、夜間における電柱等の視認性を高めて電柱等への衝突事故を防止すると共に、万が一電柱等へ車両等が衝突した場合であっても、電柱等及び発光体の破損を防止する。
【解決手段】防護対象物103に固定されるシート状のベース部13、ベース部の表面に所定の配置にて突出形成された複数の衝撃緩衝用突部15、及び各衝撃緩衝用突部間のベース部表面に配置された発光体11、を備えた防護シート10と、発光体を発光させる電源と、防護シート周囲の明るさを検知するセンサと、センサにより周囲の明るさが所定値以下であると検知された場合に、発光体を発光させるように電源を制御する制御部を備えた発光制御装置と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路沿いに設置された電柱や看板等の表面を被覆して車両等の衝突からこれらを防護するとともに、電柱等の存在を車両の運転者等に認知させる標識を備えた防護標識装置の改良に関し、特に、防護標識装置に発光体を搭載して、発光体を発光させることにより電柱等の存在を認知させやすくするとともに、防護標識装置に衝撃が加わったときに電柱及び発光体の破損を防止する防護標識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路脇に設置された電柱の視認性を高め、車両の運転手に対してその所在を明示するために、電柱には、例えば黒と黄色のストライプ模様を施した電柱防護板が巻き付けられている。特に黄色部分には再帰反射材料が用いられており、車両から前照灯ビームが照射されたときに、入射した光を入射方向、つまり車両に向かって反射させて、夜間の視認性を高めている。
しかし、再帰反射を起こすためには、ある程度の強度で再帰反射材料に入射する光が必要である。従って、ライトを持たない歩行者が電柱の存在を遠方から認識することは困難であり、また、車両から照射された光が弱い場合には、電柱を認識することが困難になるという問題がある。
上記問題を解決するため特許文献1には、太陽エネルギーを利用して発電する太陽電池と、太陽電池により発電された電気を蓄積する二次電池と、二次電池の放電によって点灯するLED発光体と、を備えた電柱標識灯が記載されている。LED発光体の一部は反射プレート(電柱防護板)に内蔵されており、歩行者や車両の運転手等から視認可能となる高さにLED発光体を配置し、夜間にLED発光体を自己発光させることにより、ライトを保持しない歩行者や、ライトの明るさが不十分な車両の運転手からも電柱を認識可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3001609号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の電柱標識灯が標識としての機能を発揮するためには、歩行者や運転者の目線の高さに合う位置にLED発光体を配置する必要がある。つまり、LED発光体を高所に配置することはできず、車両等が衝突した場合に損傷を受けやすい低所にLED発光体を配置することとなる。従って、仮にLED発光体や、LED発光体を発光させるために必要な回路部分に車両等が衝突した場合には、破損して標識としての機能を損ねる可能性がある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、電柱や看板等の表面を被覆して防護する防護装置に、自己発光する標識としての機能と、電柱等と発光体の双方を防護する機能を持たせることにより、夜間における電柱等の視認性を高めて電柱等への衝突事故を防止すると共に、万が一電柱等へ車両等が衝突した場合であっても、電柱等及び発光体の破損を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、防護対象物に固定されるシート状のベース部、該ベース部の表面に所定の配置にて突出形成された複数の衝撃緩衝用突部、及び各衝撃緩衝用突部間の前記ベース部表面に配置された発光体、を備えた防護シートと、前記発光体を発光させる電源と、前記防護シート周囲の明るさを検知するセンサと、該センサにより周囲の明るさが所定値以下であると検知された場合に、前記発光体を発光させるように前記電源を制御する制御部と、を備えた発光制御装置と、を備えた防護標識装置を特徴とする。
請求項1の発明では、防護対象物として例えば電柱に防護シートを巻き付き固定することにより、電柱を衝撃による破損から保護する。防護シートには発光体が内蔵されており、防護シート周囲が暗くなったとき、例えば夜になったときに発光体を発光させて、電柱の存在を認知させやすくする。発光体は、衝撃緩衝用突部間に形成される凹所内に配置されているので、万が一防護シートに車両等が衝突したとしても、車両等は衝撃緩衝用突部に接触し、直接発光体と接触しないので発光体の破損を防止することができる。
請求項2に記載の発明は、前記防護シートに向けて照射された外部光を検知する光検知センサを備え、前記制御部は、前記防護シートへ照射された外部光を前記光検知センサが検知した場合に、前記発光体を発光させるか又は前記発光体の発光状態を変更する制御を行う請求項1記載の防護標識装置を特徴とする。
請求項2の発明では、防護シートに向けて光が照射されている場合、防護シートに接近する物体が存在する可能性がある。この場合に、発光体を消灯状態から発光させるか、又は発光している場合にはその発光状態を変更して、電柱の存在を周知させる。
【0006】
請求項3に記載の発明は、前記防護シートに接近する物体を検知する接近検知センサを備え、前記制御部は、前記防護シートへ接近する物体を前記接近検知センサが検知した場合に、前記発光体を発光させるか又は前記発光体の発光状態を変更する制御を行う請求項1又は2記載の防護標識装置を特徴とする。
請求項3の発明では、防護シートに接近する物体があるときに、接近検知センサによりこれを検知して、発光体を消灯状態から発光させるか、又は発光している場合にはその発光状態を変更して、電柱の存在を周知させる。
請求項4に記載の発明は、前記各衝撃緩衝用突部は、互いに平行な突条体である請求項1乃至3の何れか一項記載の防護標識装置を特徴とする。
請求項4の発明では、衝撃緩衝用突部を互いに平行な突条体とすることにより、防護シートの成形加工が容易である。
請求項5に記載の発明は、前記防護対象物が電柱であり、前記ベース部が電柱に巻き付き固定される請求項1乃至4の何れか一項記載の防護標識装置を特徴とする。
請求項5の発明では、特に電柱を防護することでができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、防護標識装置自体が発光するので、夜間における視認性を高め、防護対象物への車両等の衝突を防ぐことができる。また、仮に車両等が衝突した場合であっても、突出形成された衝撃緩衝用突部に接触して発光体には接触しないので、発光体の破損を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る電柱防護装置が装着された電柱の一例を示す模式図である。
【図2】電柱に固定された電柱防護シートの模式図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】第一の実施形態に係る発光制御装置の機能ブロック図である。
【図4】第二の実施形態に係る発光制御装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第一の実施形態〕
以下、本発明の第一の実施形態に係る防護標識装置について説明する。以下、本明細書において防護標識装置として、特に電柱に巻き付けられてこれを防護する電柱防護装置の例により説明するが、防護対象を電柱に限定する趣旨ではなく、本発明に係る防護装置を看板やブロック塀等に装着することにより、これらを防護することも可能である。
本実施形態に係る電柱防護装置は、電柱防護シートに所定の配置にて複数の衝撃緩衝用突部を形成し、各衝撃緩衝用突部の間に発光体を備えることにより、電柱防護シートに車両等が衝突した場合であっても、発光体の破損を防止するようにした点に特徴がある。
【0010】
図1は、本発明に係る電柱防護装置が装着された電柱の一例を示す模式図である。各需要家に電力を配電する配電線101は複数の電柱103間に張架されている。電柱103は、車両や歩行者が往来する道路脇に立設されている。電柱103には、その視認性を高めて車両等の衝突を防止するとともに、電柱103に衝撃が加わった場合であっても、電柱103の破損を防止する電柱防護装置1が巻き付けられている。
本実施形態に係る電柱防護装置1は、電柱103の外面に固定される電柱防護シート10と、電柱防護シート10に内蔵された発光体11と、発光体11を発光制御する発光制御装置30と、を備えている。
【0011】
図2は、電柱に固定された電柱防護シートの模式図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
電柱防護シート10は、電柱103外面に巻き付き固定されるシート状のベース部13と、ベース部13の外面に所定の配置にて突出形成された複数の衝撃緩衝用突部15と、各衝撃緩衝用突部15間のベース部13外面に配置された発光体11(発光ユニット17)と、を備えている。
ベース部13は、容易に湾曲させることが可能な可撓性を有する材料(例えばゴムや樹脂等)から形成されている。なお、予め電柱103外面に沿った湾曲状に形成することにより、可撓性を有さない材料(例えば硬質樹脂)を利用することもできる。ベース部13内側には、ベース部13を電柱に固定する取付バンド19を備えている。取付バンド19は、電柱防護シート10を電柱103の外面に巻き付けたときに、周方向端縁となる2つの端縁13aから周方向に伸びるように引き出されている。各取付バンドを互いに係止、或いは螺子止め固定することにより、電柱防護シート10を電柱103に固定することが可能である。なお、図2に示すベース部13は2組の取付バンド19を備えているが、取付バンドの数や固定方法は、これに限定する趣旨ではない。
【0012】
衝撃緩衝用突部15は、電柱防護シート10に車両等が衝突したときに、車両等と発光体11とが直接的に接触することを防止して発光体11の破損を防止する。また、電柱防護シート10に車両等が衝突したときに、変形してその衝撃を和らげることにより、電柱103及び発光体11の破損を防止する。図示する衝撃緩衝用突部15は、電柱103の軸方向に細長く伸びる互いに平行な突条体であり、変形して衝撃を吸収可能なゴムや樹脂等の材料から形成されている。衝撃により変形した後に変形前の形状に戻る材料を用いることにより、衝撃緩衝用突部15自体が破損せず、衝撃を受けた後においても繰り返して使用することができるので、コスト面で有利となる。
なお、上記衝撃緩衝用突部15の形状や配置は一例にすぎない。他の形状として、電柱の軸方向に直交する方向に伸びる互いに平行な突条体や、電柱の軸方向に対して斜めに傾斜し、且つ互いに平行な突条体を用いてもよい。互いに平行な突条体とすることにより、防護シートの成形加工が容易となる。また、衝撃緩衝用突部を円形や矩形、その他の形状に突出形成すると共に、ベース部13に所定の配置にて点在させたものであってもよい。
上記ベース部13と衝撃緩衝用突部15が、同一の材料を用いて一体成形されたものであってもよいし、夫々個別に成形された後に接着して一体化されたものであってもよい。また、ベース部13と衝撃緩衝用突部15とを異なる材料から作製し、接着等により一体化したものであってもよい。
【0013】
衝撃緩衝用突部15の表面には、再帰反射材21が付着している。再帰反射材21は、自動車の前照灯などから入射された光を再び入射方向へ反射させることにより、電柱103の存在を運転者等に知らせる部材である。シール状の再帰反射材料を貼付したり、或いは塗料状の再帰反射材料を塗布する等によって、衝撃緩衝用突部15の表面に付着させる。再帰反射材21は、複数ある衝撃緩衝用突部15の全てに付着されていてもよいし、一部に選択的に付着されていてもよい。また、各衝撃緩衝用突部15表面の全面に付着されていてもよいし、一部分に付着されていてもよい。付着させる再帰反射材の色は、ベース部13の露出面又は衝撃緩衝用突部15の露出面(再帰反射材21が付着していない部分)と異なる色とすることにより、昼間の視認性を高めることができる。
【0014】
発光体11は、上述のように各衝撃緩衝用突部15間のベース部13外面に配置されている。各衝撃緩衝用突部15がベース部13の外面から突出して形成されているため、ベース部13の外面は衝撃緩衝用突部15からみると凹所になっている。この凹所内に発光体11が配置されている。従って、車両等が電柱防護シート10に衝突した場合、車両等が最初に接触するのは衝撃緩衝用突部15であり、発光体11には接触しないため、発光体11の破損を防止することができる。また、仮に発光体11に車両等が衝突したとしても、先に衝撃緩衝用突部15が変形して衝撃を和らげており、発光体11への衝撃が小さくなっているため、発光体11の破損を防止することができる。
発光体11は、後述する発光制御装置30からの発光信号に基づいて所定の発光パターンにて発光する。発光体11には、電力消費量の少ないものを用いることが望ましい。例えば、LED発光体を用いることが望ましい。また、有機EL発光体を用いてもよいし、その他の発光可能な材料を用いてもよい。単色にて発光する発光体11を用いてもよいし、複数の色にて発光する発光体11を用いてもよい。再帰反射材21とは異なる色に発光させることで、夜間の視認性を高めることができる。また、状況に応じて色を変えながら発光させることで、電柱の存在が認知されやすくなる。また、図示するように点発光型としてもよいが、面発光型としてもよい。
光検知センサ23は、例えばフォトダイオードから構成され、自動車の前照灯やバックライト、自転車のライト等の光を検知する部材である。防護シート10に向かって何らかの光が照射されている場合、防護シート10に車両等が接近している可能性がある。そこで、光検知センサ23により光を検知したとき、発光制御装置の制御により発光体11を光らせて、電柱103の存在を周知させる。
なお、発光体11と光検知センサ23は、図示するように発光ユニット17として一体化されている。
【0015】
図3は、発光制御装置の機能ブロック図である。
発光制御装置30は、発光体11を所定の条件下にて発光(点灯又は点滅)又は消灯させるように制御する装置であり、発光条件を決定するために必要な情報を得るセンサ群31(光検知センサ23、明るさセンサ33)と、センサ群31からの検知情報に基づいて発光体を発光させる制御部35と、配電線101(図1)からの交流商用電源を所定電圧の直流に変換するAC/DCコンバータ37(整流器)と、を備える。
図1に示すように、発光制御装置30は、明るさセンサ33、制御部35、及びAC/DCコンバータを含み、電柱103上部に設置される制御装置本体39と、電柱防護シート10に内蔵されて電柱103下部に設置されるに光検知センサ23と、に分割されている。制御装置本体39と電柱防護シート10とは、各センサや制御部35からの電気信号を送受信するとともに、発光体11へ電源を供給する制御ケーブル41にて接続されている。なお、制御装置本体39は、固定バンド43にて電柱103に固定されている。
明るさセンサ33は電柱防護シート10周囲の明るさを検知するセンサである。明るさセンサ33には、例えばCdSセル(光センサ)を用いることができる。周囲がある程度暗くなったこと、例えば夜間になったことを明るさセンサ33が検知したときに、明るさセンサ33からの検知信号を受けて制御部35は発光体11を点灯させるように電源を制御する。また、明るさセンサ33は、車両の前照灯等からの明かりを誤検知しないように、制御装置本体39とともに電柱103上部に設置されている。
【0016】
制御部35には、CPU、ROM、RAM等(いずれも不図示)を備えた周知のマイコンを利用することができる。ROMには、発光体11をどのように発光させるかを記したプログラムが書き込まれている。発光体11の発光強度や発光パターン、発光色は、明るさセンサ33が検知する周囲の明るさに関する検知信号と、光検知センサ23が検知した光の検知信号に基づいて適宜決定される。
電柱防護装置1の各部を動作させるための電源には、交流の商用電源を用いる。図1に示すように、配電線101から電源ケーブル45を介して発光制御装置30内に電力を取り込み、AC/DCコンバータ37によって所定電圧の直流に変換して電柱防護装置1の動作に利用する。商用電源を利用することにより、電柱防護装置1の各部を常に安定して動作させることができる。なお、商用電源を用いない構成とすることもできる。例えば、太陽電池、及び太陽電池により発電された電力を一時的に蓄積する二次電池を利用し、二次電池の放電により電柱防護装置1を動作させる構成としてもよい。
【0017】
以下、本実施形態に係る電柱防護装置1の制御部35による発光体11の発光制御の一例を説明する。例えば、電柱103の周囲が暗くなり所定の明るさ以下になった場合、発光体11を弱く点灯させる。これにより、ライトを持っていない歩行者が電柱103の存在を認知することができる。また、光検知センサ23にて光を検知した場合、発光体11を強く点灯させる。これにより、視認性を高めることができる。さらに、強い光を検知した場合、発光体11を点滅させる。これにより、接近する車両に注意を喚起することができる。
また、例えば電柱103の周囲が暗くなり所定の明るさ以下になっただけでは発光体11を発光せず、光検知センサ23にて光を検知した場合に発光させるようにしてもよい。
【0018】
以上のように、本実施形態によれば、電柱防護シートに発光体を備え、電柱の周囲が暗くなったり電柱に照射される光を検知したときに発光体が自己発光するので、ライトを持っていない歩行者やライトの照度が不十分な自転車等からも、夜間に電柱を目視確認することができる。また、万が一、電柱に車両が衝突した場合であっても、車両が最初に衝撃緩衝用突部に接触するので、発光体の破損を防止することができる。
【0019】
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係る電柱防護装置について図4に説明する。図4は、本実施形態に係る発光制御装置の機能ブロック図である。本実施形態に係る電柱防護装置は、第一の実施形態に係る光検知センサに代えて、歩行者や車両の接近を検知する接近検知センサを備え、接近検知センサの検知情報に基づいて発光体を発光制御するようにした点に特徴がある。なお、第一の実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る電柱防護装置2の発光制御装置50は、発光体11の発光条件を決定するために必要な情報を得るセンサ群51に、明るさセンサ33と接近検知センサ53とを備えている。
接近検知センサ53には、例えば超音波センサを利用することができる。接近検知センサ53は、歩行者や車両等の物体の存在や接近中であることを検知する。接近検知センサ53により物体が接近中であることを検知した場合に制御部35は、発光体11の発光状態を変更する制御を行う。なお、図2に示すように、接近検知センサ53は、第一の実施形態に係る光検知センサ23に代えて発光ユニット17に取り付けられている。
【0020】
以下、本実施形態に係る電柱防護装置2の制御部35による発光体11の発光制御の一例を説明する。
例えば、電柱103の周囲が暗くなり所定の明るさ以下になった場合、発光体11を弱く点灯させる。また、電柱103から所定の範囲内において、電柱103に接近中の物体(例えば歩行者)を接近検知センサ53が検知した場合、発光体11を強く点灯させる。さらに、接近中の物体が電柱103に接近した場合、発光体11を点滅させる。以上のように制御することで、電柱103に接近する歩行者に対して電柱の存在を認知させ、注意を喚起することができる。
また、例えば、電柱103の周囲が所定の明るさ以下になり、且つ、電柱103から所定の範囲内に何らかの物体が接近した場合に、発光体11を一定時間点灯する制御を行ってもよい。この方法によれば、電柱103の周囲が暗くなっただけでは発光体11が点灯しないので、消費電力量を抑制することができる。
【0021】
以上のように、本実施形態によれば、電柱防護シートに発光体を備え、電柱の周囲が暗くなったり電柱に接近する物体を検知したときに発光体が自己発光するので、ライトを持っていない歩行者やライトの照度が不十分な自転車等からも、夜間に電柱を目視確認することができる。また、万が一、電柱に車両が衝突した場合であっても、車両が衝撃緩衝用突部に接触するので、発光体の破損を防止することができる。
なお、本実施形態においては、接近検知センサ53を光検知センサ23に代えて発光ユニット17に備えた構成としたが、接近検知センサ53と光検知センサ23の双方を備えた構成の電柱防護装置としてもよい。
【符号の説明】
【0022】
1、2…電柱防護装置、10…電柱防護シート、11…発光体、13…ベース部、13a…端縁、15…衝撃緩衝用突部、17…発光ユニット、19…取付バンド、21…再帰反射材、23…光検知センサ、30…発光制御装置、31…センサ群、33…明るさセンサ、35…制御部、37…AC/DCコンバータ、39…制御装置本体、41…制御ケーブル、43…固定バンド、45…電源ケーブル、50…発光制御装置、51…センサ群、53…接近検知センサ、101…配電線、103…電柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防護対象物に固定されるシート状のベース部、該ベース部の表面に所定の配置にて突出形成された複数の衝撃緩衝用突部、及び各衝撃緩衝用突部間の前記ベース部表面に配置された発光体、を備えた防護シートと、
前記発光体を発光させる電源と、
前記防護シート周囲の明るさを検知するセンサと、
該センサにより周囲の明るさが所定値以下であると検知された場合に、前記発光体を発光させるように前記電源を制御する制御部を備えた発光制御装置と、を備えたことを特徴とする防護標識装置。
【請求項2】
前記防護シートに向けて照射された外部光を検知する光検知センサを備え、
前記制御部は、前記防護シートへ照射された外部光を前記光検知センサが検知した場合に、前記発光体を発光させるか、又は前記発光体の発光状態を変更する制御を行うことを特徴とする請求項1記載の防護標識装置。
【請求項3】
前記防護シートに接近する物体を検知する接近検知センサを備え、
前記制御部は、前記防護シートへ接近する物体を前記接近検知センサが検知した場合に、前記発光体を発光させるか、又は前記発光体の発光状態を変更する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の防護標識装置。
【請求項4】
前記各衝撃緩衝用突部は、互いに平行な突条体であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の防護標識装置。
【請求項5】
前記防護対象物が電柱であり、前記ベース部が電柱に巻き付き固定されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の防護標識装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−257398(P2012−257398A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129125(P2011−129125)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】