説明

除草組成物

【課題】現在、数多くの除草組成物が開発され使用されているが、防除の対象となる雑草は種類も多く、発生も長期にわたるため、より幅広い殺草スペクトラムを持ち、高活性で且つ持続効果の長い除草組成物の出現が望まれている。
【解決手段】ペノキススラム又はその塩と、ピラクロニル又はその塩とを含有する除草組成物、前記除草組成物の除草有効量を施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。ペノキススラム又はその塩の除草有効量と、ピラクロニル又はその塩の除草有効量とを施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペノキススラム又はその塩と、ピラクロニル又はその塩とを含有する除草組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ペノキススラムは下記特許文献1に記載され、ピラクロニルは下記特許文献2に記載されている。しかしながら、これらには後記する本発明の除草組成物につき具体的記載はない。
【0003】
【特許文献1】米国特許公報第5,858,924号
【特許文献2】国際公開公報 WO 94/08999
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、数多くの除草組成物が開発され使用されているが、防除の対象となる雑草は種類も多く、発生も長期にわたるため、より幅広い殺草スペクトラムを持ち、高活性で且つ持続効果の長い除草組成物の出現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前述の問題点を解決するべく研究した結果、ペノキススラム又はその塩と、ピラクロニル又はその塩とを混用すると、実用性の高い除草組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、ペノキススラム又はその塩と、ピラクロニル又はその塩とを含有する除草組成物に関する。また本発明は、前記除草組成物の除草有効量を施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法に関する。また本発明は、ペノキススラム又はその塩の除草有効量と、ピラクロニル又はその塩の除草有効量とを施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の除草組成物、即ちペノキススラム又はその塩(以下化合物Aと略す)と、ピラクロニル又はその塩(以下化合物Bと略す)とを含有する除草組成物は、農耕地又は非農耕地に発生する広範囲の雑草を防除でき、その除草効果は、意外にも、それぞれ単独の除草効果が単に相加的に加えられる以上の効果、即ち相乗的除草効果を奏する。このような本発明除草組成物は、各薬剤を単独で施用する場合に比し低薬量で施用できるだけでなく、殺草スペクトラムが拡大され、さらには長期間にわたって除草効果が持続する。
【0007】
2種の有効成分を組合わせた場合の除草活性が、その2種の有効成分各々の除草活性の単純な合計(期待される活性)よりも大きくなる場合、これを相乗作用という。2種の有効成分の組合せにより期待される活性は、次のようにして計算することができる(Colby S.R.、「Weed」15巻、20〜22頁、1967年を参照)。
E=α+β−(α×β÷100)
α:除草剤Xをx g/10 aの量で処理した時の生育抑制率
β:除草剤Yをy g/10 aの量で処理した時の生育抑制率
E:除草剤Xをx g/10 a及び除草剤Yをy g/10 aの量で処理した時に期待される生育抑制率
すなわち、実際の生育抑制率(実測値)が上記計算による生育抑制率(計算値)より大きい場合には、組合せによる活性は相乗作用を示すということができる。本発明の除草組成物は、上記式で計算した場合、相乗作用を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ペノキススラムの塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩のような有機アンモニウム塩などが挙げられる。
ペノキススラム(penoxsulam)は一般名であり、下記式(I)で表される化合物である(以下化合物A1と略す。)
【0009】
【化1】

【0010】
また、ピラクロニルの塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれ、例えば、塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
ピラクロニル(pyraclonil)は一般名であり、下記式(II)で表される化合物である(以下化合物B1と略す。)
【0011】
【化2】

【0012】
本発明除草組成物の有効成分である化合物Aと、化合物Bとの混合割合は、製剤形態、気象条件、防除対象植物の種類や生育状況などの各種条件により異なる為、一概に規定できないが、通常は化合物Aの1重量部に対して、化合物Bは0.1〜500重量部、望ましくは1〜50重量部である。
【0013】
本発明には、前述の配合割合の除草組成物と、当該組成物の除草有効量を施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法も含まれる。施用に際しては、望ましくない植物への施用と、それらが生育する場所(当該植物の発生前でも、発生後でもよい)への施用を任意に選択できる。
【0014】
本発明の除草組成物の施用量は、有効成分である化合物Aと、化合物Bとの混合比、製剤形態、気象条件、防除対象植物の種類や生育状況などの各種条件により異なる為一概に規定できないが、化合物Aが通常0.01〜500 g/10 a、望ましくは0.1〜10 g/10 aであり、化合物Bが通常0.1〜1000 g/10 a、望ましくは1.0〜100 g/10 aである。化合物Aと化合物Bとの合計施用適量は、通常0.11〜1500g/10 a、望ましくは1.1〜110 g/10 aである。
【0015】
本発明には、化合物Aと化合物Bを各々前述した施用量で施用するか、或は前述した合計施用適量で施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法も含まれる。施用に際しては、望ましくない植物への施用と、それらが生育する場所(当該植物の発生前でも、発生後でもよい)への施用を任意に選択できる。
【0016】
本発明の除草組成物は、低薬量で一年生雑草や多年生雑草など広範囲の有害植物、例えば、ノビエ (barnyardgrass (Echinochloa crus-galli L.、Echinochloa oryzicola vasing.))、メヒシバ (crabgrass (Digitaria sanguinalis L.))、エノコログサ (greenfoxtail (Setaria viridis L.))、アキノエノコログサ (giant foxtail (Setaria faberi Herrm.)) 、オヒシバ (goosegrass (Eleusine indica L.))、カラスムギ (wild oat (Avena fatua L.))、セイバンモロコシ (johnsongrass (Sorghum halepense L.))、シバムギ (quackgrass (Agropyron repens L.))、ビロードキビ (alexandergrass (Brachiaria plantaginea))、パラグラス (paragrass (Panicum purpurascens))、アゼガヤ (sprangletop (Leptochloa chinensis))、イトアゼガヤ (red sprangletop (Leptochloa panicea))、スズメノカタビラ (annual bluegrass (Poa annua L.))、スズメノテッポウ (black grass (Alopecurus myosuroides Huds.))、カモジグサ (cholorado bluestem (Agropyron tsukushiense (Honda) Ohwi))などのイネ科雑草 (gramineae);コゴメガヤツリ (rice flatsedge (Cyperus iria L.))、ハマスゲ (purple nutsedge (Cyperus rotundus L.))、キハマスゲ (yellow nutsedge (Cyperus esculentus L.))、ホタルイ (Japanese bulrush (Scirpus juncoides))、ミズガヤツリ (flatsedge (Cyperus serotinus))、タマガヤツリ (small-flower umbrellaplant (Cyperus difformis))、マツバイ (slender spikerush (Eleocharis acicularis))、クログワイ (water chestnut (Eleocharis kuroguwai))などのカヤツリグサ科雑草 (cyperaceae);ウリカワ (Japanese ribbon waparo (Sagittaria pygmaea))、オモダカ (arrow-head (Sagittaria trifolia))、ヘラオモダカ (narrowleaf waterplantain (Alisma canaliculatum))などのオモダカ科雑草 (alismataceae);コナギ (monochoria (Monochoria vaginalis))、ミズアオイ (monochoria species (Monochoria korsakowii))などのミズアオイ科雑草 (pontederiaceae);アゼナ (false pimpernel (Lindernia pyxidaria))、アブノメ (abunome (Dopatrium junceum))などのゴマノハグサ科雑草 (scrophulariaceae);キカシグサ (toothcup (Rotala india))、ヒメミソハギ (red stem (Ammannia multiflora))などのミソハギ科雑草 (lythraceae)の他、イチビ (velvetleaf (Abutilon theophrasti MEDIC.))、マルバアサガオ (tall morningglory (Ipomoea purpurea L.))、シロザ (common lambsquarters (Chenopodium album L.))、アメリカキンゴジカ (prickly sida (Sida spinosa L.))、スベリヒユ (common purslane (Portulaca oleracea L.))、アオビユ (slender amaranth (Amaranthus viridis L.))、アオゲイトウ (redroot pigweed (Amaranthus retroflexus L.))、エビスグサ (sicklepod (Cassia obtusifolia L.))、イヌホウズキ (black nightshade (Solanum nigrum L.))、サナエタデ (pale smartweed (Polygonum lapathifolium L.))、ハコベ (common chickweed (Stellaria media L.))、ミゾハコベ (long stem waterwort(Elatine triandra SCHK.))、オナモミ (common cocklebur (Xanthium strumarium L.))、タネツケバナ (flexuous bittercress (Cardamine flexuosa WITH.))、ホトケノザ (henbit (Lamium amplexicaule L.))、ブタクサ (common ragweed (Ambrosia elatior L.))、ヤエムグラ (catchweed (Galium spurium L.))、セイヨウヒルガオ (field bindweed (Calystegia arvensis L.))、チョウセンアサガオ (jimsonweed (Datura stramonium))、エゾノキツネアザミ (thistle (Breea setosa (BIEB.) KITAM.))、エノキグサ (threeseeded copperleaf (Acalypha australis L.))などの広葉雑草 (broad leaf weeds) を防除することが可能である。また、雑草の発芽前或は発芽後のいずれの時期に施用しても、良好な効果を発揮することが可能である。
【0017】
本発明の除草組成物は、土壌処理、茎葉処理、湛水処理の種々の散布形態を選択することが可能であり、畑地、果樹園、水田等の農耕地、或は、畦畔、休耕地、運動場、空き地、森林、工場敷地、線路脇、道路脇等の非農耕地における有害植物の防除に有用である。
【0018】
また、本発明の目的に適合するかぎり、前記した有効成分以外に更に他の除草有効成分を含有することができ、これにより適用草種の範囲、薬剤処理の時期、除草活性等を、より好ましい方向へ改良できる場合がある。当該他の除草有効成分としては、例えば以下のような化合物(一般名:一部ISO申請中を含む、又は開発コード)が例示できるが、特に記載がない場合であってもこれら化合物に塩、アルキルエステル、水和物、異なる結晶形態、各種構造異性体等が存在する場合は、当然それらも含まれる。
【0019】
(1)2,4−D、2,4−DB、2,4-DP、MCPA、MCPB、MCPP、ナプロアニリド(naproanilide)、クロメプロップ(clomeprop)のようなフェノキシ系;2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、クロピラリド(clopyralid)、アミノピラリド(aminopyralid)のような芳香族カルボン酸系;その他ナプタラム(naptalam)、ベナゾリン(benazolin)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、フルオキシピル(fluroxypyr)などのように植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0020】
(2)クロロトルロン(chlorotoluron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、メトベンズロン(metobenzuron)、テブチウロン(tebuthiuron)のような尿素系;シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、アトラトン(atratone)、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ヘキサジノン(hexazinone)、メトリブジン(metribuzin)、ターブチラジン(terbuthylazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametryn)、シブトリン(cybutryne)、トリアジフラム(triaziflam)、ターブトリン(terbutryn)、プロパジン(propazine)のようなトリアジン系;ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)のようなウラシル系;プロパニル(propanil)、シプロミッド(cypromid)のようなアニリド系;スエップ(swep)、デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)のようなカーバメート系;ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモキシニル・オクタノエート(bromoxynil-octanoate)、アイオキシニル(ioxynil)のようなヒドロキシベンゾニトリル系;その他ピリデート(pyridate)、ベンタゾン(bentazone)、アミカルバゾン(amicarbazone)、メタゾール(methazole)などのように植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0021】
(3)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているパラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)のような4級アンモニウム塩系。
【0022】
(4)ニトロフェン(nitrofen)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオルフェンナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、ホメサフェン(fomesafen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、アクロニフェン(aclonifen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)のようなジフェニルエーテル系;クロルフタリム(chlorphthalim)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)のような環状イミド系;その他オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、チジアジミン(thidiazimin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、アザフェニジン(azafenidin)、イソプロパゾール(isopropazole)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)、メトベンズロン(metobenzuron)、フルポキサム(flupoxam)、フルアゾレート(fluazolate)、プロフルアゾール(profluazol)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)などのように植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0023】
(5)ノルフルラゾン(norflurazon)、クロリダゾン(chloridazon)、メトフルラゾン(metflurazon)のようなピリダジノン系;ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、トプラメゾン(topramezone, BAS−670H)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)のようなピラゾール系;その他アミトロール(amitrol)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、クロマゾン(clomazone)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、テンボトリオン(tembotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione, AVH−301)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、イソキサクロロトール(isoxachlortole)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビフルブタミド(beflubutamid)などのようにカロチノイドなどの植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0024】
(6)ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フラムプロップエムメチル(flamprop-M-methyl)、ピリフェノップナトリウム塩(pyriphenop-sodium)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、メタミホッププロピル(metamifop-propyl)のようなアリールオキシフェノキシプロピオン酸系;アロキシジムナトリウム塩(alloxydim-sodium)、クレソジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)のようなシクロヘキサンジオン系などのようにイネ科植物に特異的に除草効力が強く認められるもの。
【0025】
(7)クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、イオドスルフロン(iodosulfuron)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、フォーラムスルフロン(foramsulfuron)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、TH-547、国際公開公報WO2005092104に記載されている化合物のようなスルホニルウレア系;フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、フロラスラム(florasulam)のようなトリアゾロピリミジンスルホンアミド系;イマザピル(imazapyr)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマザモックス(imazamox)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピック(imazapic)のようなイミダゾリノン系;ピリチオバックナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ビスピリバックナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan, KUH−021)のようなピリミジニルサリチル酸系;フルカーバゾン(flucarbazone)、プロポキシカーバゾンソディウム(propoxycarbazone-sodium)のようなスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系;その他グリホサート(glyphosate)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-isopropylamine)、スルホサート(sulfosate)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム塩(glufosinate-ammonium)、ビラナホス(bilanafos)などのように植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0026】
(8)トリフルラリン(trifluralin)、オリザリン(oryzalin)、ニトラリン(nitralin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)のようなジニトロアニリン系;ベンスリド(bensulide)、ナプロパミド(napropamide)、プロナミド(pronamide)のようなアミド系;アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)、ピペロホス(piperophos)のような有機リン系;プロファム(propham)、クロルプロファム(chlorpropham)、バーバン(barban)のようなフェニルカーバメート系;ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumyluron)、ブロモブチド(bromobutide)のようなクミルアミン系;その他アシュラム(asulam)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)などのように植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0027】
(9)アラクロール(alachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ペトキサマイド(pethoxamid)、アセトクロール(acetochlor)、プロパクロール(propachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、プロピソクロール(propisochlor)のようなクロロアセトアミド系;モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、EPTC、ブチレート(butylate)、ベルノレート(vernolate)、ペブレート(pebulate)、シクロエート(cycloate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、ジアレート(diallate)、トリアレート(triallate)のようなチオカーバメート系;その他エトベンザニド(etobenzanid)、メフェナセット(mefenacet)、フルフェナセット(flufenacet)、トリディファン(tridiphane)、カフェンストロール(cafenstrole)、フェントラザミド(fentrazamide)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、インダノファン(indanofan)、ベンフレセート(benfuresate)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone、KIH−485)などのように植物のタンパク質生合成あるいは脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0028】
(10)MSMA、DSMA、エンドタール(endothall)、エトフメセート(ethofumesate)、ソディウムクロレート(sodium chlorate)、ペラルゴン酸(pelargonic acid)、ホスアミン(fosamine)、ピノキサデン(pinoxaden)、HOK−201など。
【0029】
(11)Xanthomonas campestrisEpicoccosurus nematosurusExserohilum monoserasDrechsrela monocerasなどのように植物に寄生することで除草効力を示すとされているもの。
【0030】
本発明の除草組成物は、有効成分である化合物A、或いは化合物Bを、通常の農薬の製剤方法に準じて各種補助剤と配合し、粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(水溶性フィルムで包装する形態を含む)、水性懸濁剤、油性懸濁剤、マイクロエマルジョン製剤、サスポエマルジョン製剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤などの種々の形態に製剤調製し、施用することができるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。
【0031】
製剤調製に際しては、化合物Aと、化合物Bとを一緒に混合し、製剤調製しても、或はそれらを別々に製剤調製し、施用時に混合してもよい。
【0032】
製剤に使用する補助剤としては、カオリナイト、セリサイト、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉のような固形担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコールのような溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩のような陰イオン系の界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィンのような植物油や鉱物油などが挙げられる。これら補助剤の各成分は、本発明の目的から逸脱しないかぎり、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。また、前記した補助剤以外にも当該分野で知られたものの中から適宜選んで使用することもでき、例えば、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤、発泡剤、崩壊剤、結合剤など通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明の除草組成物における有効成分と各種補助剤との配合割合は0.001:99.999〜95:5、望ましくは0.005:99.995〜90:10程度とすることができる。
【0033】
本発明の除草組成物の施用方法は、種々の方法を採用でき、施用場所、製剤形態、防除対象植物の種類や生育状況などの各種条件に応じて適宜使い分けることができるが、例えば以下のような方法が挙げられる。
1.化合物Aと、化合物Bとを一緒に混合し、製剤調製したものをそのまま施用する。
2.化合物Aと、化合物Bとを一緒に混合し、製剤調製したものを水等で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤(界面活性剤、植物油、鉱物油など)を添加して施用する。
3.化合物Aと、化合物Bとを別々に製剤調製し、各々をそのまま施用する。
4.化合物Aと、化合物Bとを別々に製剤調製し、各々を水等で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤(界面活性剤、植物油、鉱物油など)を添加して施用する。
5.化合物Aと、化合物Bとを別々に製剤調製したものを水等で所定濃度に希釈する時に混合し、必要に応じて各種展着剤(界面活性剤、植物油、鉱物油など)を添加して施用する。
【0034】
次に、本発明の望ましい態様として、いくつかを例示する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
(1)化合物Aと、化合物Bとを含有する除草組成物、当該除草組成物の除草有効量を施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(2)化合物Aの除草有効量と、化合物Bの除草有効量とを施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【実施例】
【0036】
次に本発明除草組成物の製剤例を記載するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0037】
製剤例
(1)化合物A1 3.06g
(2)化合物B1 18.56g
(3)ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物 3.0g
(商品名:ラベリン FA-N:第一工業製薬(株))
(4)ジアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 3.0g
(商品名:NK.BX-C:竹本油脂(株))
(5)クレー 72.38g
上記成分を混合後、遠心粉砕機(直径1.0 mmスクリーン)で粉砕して水和剤を得る。
【0038】
試験例
1/10,000アールポットに水田土壌を入れ、ノビエの種子を播種した。水深3.5 cmの湛水条件下で静置し、ノビエの葉令が3.7〜4.2葉期に達したとき、化合物A1の乳剤、化合物B1の水和剤を各々水で希釈し、各々所定薬量となるよう滴下処理した。生育状態を処理後13日目に肉眼で観察調査し、下記評価基準に従って評価した生育抑制率(%)〔実測値〕及び前記コルビー(Colby)の方法により算出した生育抑制率(%)〔計算値〕を第1表に示す。
生育抑制率(%)=0%(無処理区同等)〜100%(完全枯死)




【0039】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペノキススラム又はその塩と、ピラクロニル又はその塩とを含有する除草組成物。
【請求項2】
更に他の除草有効成分を含有する請求項1に記載の除草組成物。
【請求項3】
請求項1に記載された除草組成物の除草有効量を施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【請求項4】
請求項2に記載された除草組成物の除草有効量を施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【請求項5】
ペノキススラム又はその塩の除草有効量と、ピラクロニル又はその塩の除草有効量とを施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【請求項6】
ペノキススラム又はその塩の除草有効量と、ピラクロニル又はその塩の除草有効量と、他の除草有効成分の除草有効量とを施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。

【公開番号】特開2009−84245(P2009−84245A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258835(P2007−258835)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】