説明

除雪装置

【課題】飛行機の滑走路のように距離も幅も有る極めて広い路面の除雪についても効率よく、かつ確実に行う。
【解決手段】除雪機本体11に除雪板12と除雪ブラシ13F,13Rを夫々有した除雪機1を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面の除雪を行う除雪装置に関し、詳しくは飛行場の滑走路の除雪に好適な除雪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の除雪装置関連する先行技術文献としては、たとえば下記のものがある。(特許文献1参照)
この特許文献に記載されているものは、集雪機としてウインチで巻かれる線状体によって集雪板を引っ張って雪を集めるとともに、集雪板の移動端部付近に凹設された融雪機に落とす構成のものである。
【特許文献1】実用新案登録第3049850号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記特許文献に記載の集雪機は、集雪板での除雪が終了したときには、集雪板が融雪機の縁付近に位置するため、再度除雪をする場合には、集雪板を除雪開始位置(路面の端部)まで引き出す必要がある。
しかしながら、前記集雪機の構成では、ウインチに巻かれる線状体による集雪板の移動が除雪開始位置から除雪する方向のみであるため、集雪板を除雪開始位置に引き出すには人力や他の引っ張り器具を要し、除雪作業の効率性について低いものであると認められる。
特に、飛行機の滑走路のように距離も幅も有る極めて広い路面の除雪に関して云うならば効率性はまったく望めないものと認められる。
また、除雪が集雪板のみで、かつ一方向のみに行われるため、路面の凹凸状況によっては、路面に残雪が生じ、この残雪がアイスバーンの原因になるものと考えられる。
【0004】
そこで、本発明は、飛行機の滑走路のように距離も幅も有る極めて広い路面の除雪についても効率よく、かつ確実に行うことを課題とし、この課題を解決する除雪装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明が採用した技術的手段は、路面の幅方向に沿って除雪を行う除雪装置であって、駆動部によって前進・後退する除雪機本体の前方に、除雪機本体の前進に伴って除雪を行う除雪板を、除雪機本体の前方と後方に、除雪機本体の前進・後退に伴って前記駆動部によって回転して除雪を行う除雪ブラシを夫々有し、前記除雪板と除雪ブラシを路面の長手方向全長に亘るように装備した除雪機を配置したことである。(請求項1)
【0006】
除雪機の前記除雪板と除雪ブラシを路面の長手方向全長に亘るような配置構成は、たとえば、路面が飛行機の滑走路のような距離が長いものであれば、複数の除雪機を滑走路の長さ方向に沿って並べる構成が挙げられる。
この場合、前記除雪板と除雪ブラシの長さは任意であるが、除雪の際に雪の重みで変形しない程度の長さとする。
また、前記除雪板と除雪ブラシは、同じ長さとすることが好ましい。
【0007】
除雪を効率的に行うには除雪機を正確に走行させることが必要であり、その手段として、たとえば、除雪機と路面とに亘って除雪機の誘導手段を備え、当該誘導手段は、除雪機に設けられた誘導センサーと、除雪機の走行方向に沿って路面に埋設された誘導ケーブルとからなり、除雪機の移動中に前記誘導センサーが誘導ケーブルを検出して、除雪機の正確な走行性を保持することが挙げられる。(請求項2)
【0008】
本発明の除雪装置は、電気や各種燃料によって作動させられるが、周辺環境等の保護という観点から電気によって作動するものが好ましい。
たとえば、駆動部が電気によって作動するものである場合、電源から除雪機に亘って駆動部に送電する電線が配線され、当該電線は、除雪機に設けられた巻取り部に巻き取られ、当該巻取り部は、前記電線を除雪機の前進・後退に伴って、緩まないように巻き取り・繰り出しする構成が挙げられる。(請求項3)
【0009】
本発明の除雪装置は、降雪時期以外または降雪時期でも積雪が無い状態においては、運行の邪魔にならないように収容することが必要である一方、たとえば、飛行機の滑走路では、降雪時期における突然の積雪に効率よく迅速に対応することも重要であり、突然の降雪による積雪に効率よく迅速に対応するためには、滑走路の近辺にあることが最適である。
すなわち、路面における路肩部にその長手方向に沿って前記除雪機を収容する収容溝を備え、当該収容溝には、除雪機を収容溝に対して出し入れするための昇降装置と収容溝を開閉可能な蓋部を備えることが好ましい。(請求項4)
この場合、前記収容溝には、侵入する水(融雪水や雨水)を排出する排水溝を備えることが好ましい。
【0010】
また、除雪される雪は、通常であれば通行の邪魔にならない路面の端に寄せておき、ある程度の量になった時点で、ダンプカーやショベルカー等の重機を用いて雪を排除するが、たとえば、飛行機の滑走路は、その長さが極めて長く、前記の排除作業では、非効率的であり飛行機の運行を阻害する。
すなわち、路面の端に寄せられた雪を効率よく迅速に排除するため、路面における路肩部にその長手方向に沿って除雪される雪を排雪する排雪溝を備え、当該排雪溝には、排雪された雪を排雪溝の長手方向に沿って流す流雪装置と、排雪溝を開閉可能な蓋部を備えることが好ましい。(請求項5)
【0011】
また、路面における路肩部には、通行の目印となる誘導灯等の突出物が配設されており、これら突出物は、安全通行において必要不可欠なものであるが。除雪時においては邪魔になってしまう。
そのため、路面における路肩部上の突出物を路面に対して自動的に出没可能とし、当該突出物が路面下に位置しているときには、突出物の先端部を路肩部面と略同面とすることが好ましい。(請求項6)
【0012】
また、前記したように効率よく迅速に、しかも安全に除雪作業を行うため、除雪装置の動作をすべて遠隔操作によって行うようにすることが好ましい。(請求項7)
なお、本発明における除雪装置の動作とは、前記除雪機の前進・後退動作、除雪板や除雪ブラシの上下動作、除雪ブラシの回転動作、誘導手段の誘導動作、巻取り部の巻取り・繰り出し回転動作、収容溝における蓋部開閉動作および除雪機の出し入れ動作、排雪溝における蓋部の開閉動作および流雪装置の流雪動作、さらには、監視用のカメラの動作等であり、これらの動作が遠隔操作で行われる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の除雪装置によれば、除雪機が前進および後退し、その前進動作によって除雪板と除雪ブラシが路面上の雪を除雪し、最終後退時に後部の除雪ブラシで、後述する収容枠の蓋部(屋根板)およびこの前後を排雪する。
したがって、飛行機の滑走路のように距離も幅も有る極めて広い路面の除雪についても効率よく、かつ確実に行うことができ、飛行機の運行も阻害しない。
また、請求項2の発明によれば、除雪機が正確に走行するので、除雪を正確かつ効率よく行うことができる。
また、請求項3の発明によれば、周辺環境の保全が可能であり、その上、駆動部へ電気を供給するための電線を緩ませることなく確実に巻取り・繰り出しするので、除雪作業中に電線が除雪機に巻き込まれたり踏み潰されたりすることによる電線の切断を防止することができる。
また、請求項4の発明によれば、通常では、除雪機を飛行機の通行の邪魔にならずに収容でき、突然の降雪による積雪には、効率よく迅速に対応することができる。
また、請求項5の発明によれば、除雪された雪を効率よく、飛行機の運行を阻害しないで迅速に排除することができる。
また、請求項6の発明によれば、除雪機の走行時における障害を無くすことができる。また、請求項7の発明によれば、除雪装置の動作をすべて遠隔操作によって行うので、
効率よく迅速に、しかも安全に除雪作業を行うことができる。
さらに、重機,オペレーターの待機コストや除排雪費用を縮減するとともに、特に滑走
路で使用されるものである場合には、航空機の遅延や運休を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。
なお、本形態における路面は、滑走路Rと路肩部Dとで構成されるもので例示する。
【0015】
本形態の除雪装置Aは、路肩部Dの長手側端部にその全長に亘って多数配された除雪機1と、除雪機1を正確に走行させるための誘導手段2と、前記除雪機を収容する収容溝3と、除雪される雪を排雪する排雪溝4と、路肩部Dに対して出没する誘導灯5を備えてなり、これらの作動はすべて遠隔操作によって行われるようにされている。(図1,図4,図7参照)
【0016】
除雪機1は、略枠状体に形成された除雪機本体11の前方に設けられた除雪板12と、除雪機本体11の前方と後方に設けられた除雪ブラシ13F,13Rと、除雪機本体11を前進・後退させる無限軌道構造による駆動部14と、駆動部14を駆動させる電気モーター15と、当該電気モーター15に送電する電線6を緩まないように巻取り・繰り出しするための回転ドラム16と、前記誘導手段2の一方を構成する誘導センサー21と、滑走路Rの積雪状態および排雪状態を監視する監視カメラ17とを備えてなる。(図1,図4,図5参照)
【0017】
除雪板12は、略板状体に形成され、除雪機本体11の前方に、滑走路Rの長手方向と平行として設けられている。
また、除雪板12は、除雪時における雪の圧力によって変形しない程度の長さに形成され、さらに、前記除雪機本体11とに亘って設けられたアーム12Aによって支えられることによって、雪の圧力による変形が抑制されている。
このような前記除雪板12によれば、除雪機1の前進によって滑走路R上および路肩部D上の雪を除雪することができる。
なお、前記除雪板12は、前記除雪機本体11に対して上下作動や高さの調節を可能にすることも任意である。
【0018】
除雪ブラシ13F,13Rは、前記除雪板12と略同長に形成され、前記除雪機本体11に前記除雪板12の長手方向と平行として設けられている。
除雪ブラシ13Fは、前記除雪板12の外側に設けられ、除雪ブラシ13Rは、前記除雪機本体11の後方に設けられている。
このような除雪ブラシ13Fよれば、前記電気モーター15によって回転し、除雪機1の前進により滑走路R上および路肩部D上の雪を擦り取ることができる。
また、除雪ブラシ13Rによれば、その後退時に、同様に前記電気モーター15によって回転して、後述する屋根板33A上およびこの屋根板33Aの前後の雪を擦り取るとともに、後述する堆雪スペースSに排出することができる。
なお、前記除雪ブラシ13F,13Rは、前記除雪機本体11に対して上下作動やその高さの調節を可能にすることも任意である。
【0019】
回転ドラム16は、前記除雪機本体11の下側に回転可能に設けられ、前記電線を巻き掛けている。
また、回転ドラム16は、電気モーター15によって回転するとともに、前記駆動部14の駆動速度と連動して回転することによって、除雪機1の前進・後退時において電線6に適度なテンションを与え、当該電線6の切断や巻き込みを防止している。
前記電線6にテンションを与えながら回転ドラム16に巻き掛けする構成として、前記除雪機本体11の下側に設けられたテンションローラー16A,16Bに電線6を巻き掛けることによってテンションを与える構成としている。
誘導センサー21は、前記除雪機本体11の下側に、前記誘導手段2の他方を構成する後述の誘導ケーブル22と近接させて設けている。
監視カメラ17は、前記除雪機本体11上に設けられており、当該除雪機1から離間した場所、すなわち、滑走路R上の積雪および降雪や排雪状況を観察できるようにしている。
【0020】
このようにした除雪機1は、除雪板12および除雪ブラシ13F,13Rを滑走路Rの長手方向全域に亘って平行に並ぶように多数設置される。(図4参照)
【0021】
誘導手段2は、前記誘導センサー21および前記誘導ケーブル22とからなり、除雪機1の前進・後退時に誘導センサー21が誘導ケーブル22を検知することによって、除雪機1の正確な走行性を保持する。
前記誘導ケーブル22は、滑走路Rの幅方向に、かつ除雪機1の作動範囲全域に沿って埋設されている。(図4参照)
【0022】
収容溝3は、滑走路Rの長手方向に沿ってすべての除雪機1を収納可能な長さおよび深さに形成され、当該収容溝3には、除雪機1を収容溝3に対して出し入れするための昇降装置31と、収容溝3を開閉する蓋部33Aとが設けられている。
符号62,63は、電線6を除雪機1に案内するとともに、方向転換可能にするテンションローラーであり、テンションローラー62は、前記収容溝3の前方の上部縁部に支持され、テンションローラー63は、前記蓋部33Aの前方縁部に支持されており、両テンションローラー62,63は、昇降装置31が収容溝3に収容されている状態において正対している。
なお、本形態では、蓋部33Aを前述の屋根板33Aが兼用しているので、以下では蓋部33Aを屋根板33Aとして説明する。
また、符号55は、収容溝3に浸入する水を排水するための排水溝である。
【0023】
昇降装置31は、除雪機1の出入り口31Aを開放した略枠体状の収容枠3Aと、収容枠3Aを支持する支軸3Bと、支軸3Bを上下動させる昇降機3Cを備えている。
収容枠3Aは、上昇時に路肩部Dと同面になる床板32Aと、下降時に路肩部Dと同面になる前述の屋根板33Aと、前記電線6の電源部34Aからなる。
前記屋根板33Aは、除雪機1の加重に耐えられる強度を有している。
支軸3Bは、収容溝3の底部から出没可能に埋設されていて、前記昇降機3Cによって上下動するように支持されている。
このような昇降装置31によれば、収容枠3Aが除雪機1を収容するとともに、収容溝3に対して上下動する。(図2参照)
収容枠3Aの下降状態では、収容溝3の開口部が前記屋根板33Aによって塞がれて、当該屋根板33Aが路肩部Dと略同面になる。(図1,図6参照)
収容枠3Aの上昇状態では、前記床板32Aが路肩部Dと略同面なるとともに、出入り口31Aが除雪機1の出入り可能位置に至り、当該除雪機1が前進・後退によって出入りする。(図2,図3参照)
除雪機1が収容枠3Aから前進して出ると、当該収容枠3Aは下降し、前記したように屋根板33Aが路肩部Dと略同面になって、屋根板33A上に除雪機1を位置させることができる。
このとき電線6の方向は、前記テンションローラー62,63によって、摩擦が防止されるとともに、電線に緩みが生じないようにスムースに方向転換される。
なお、前記収容溝3には、前記屋根板33Aを支持する切込み34が形成されている。
また、前記収容枠3Aの下降状態において、前記テンションローラー62,63間に前記電線6が挿通する挿通部35が形成される。
【0024】
排雪溝4は、前記収容溝3の反対側の路肩部Dに滑走路Rの長手方向に沿って設けられている。 (図4参照)
排雪溝4には、排雪溝4の開口部41を開閉可能な蓋部42と、排雪された雪を溶かすヒーター43と、融雪されてなる水を排雪溝4の長手方向に沿って流す流雪装置44が設けられている。
蓋部42は、排雪溝4の長手側縁に回動可能に軸支してあり、排雪溝4内に設けられたシリンダ45によって開閉されるようにしてある。(図7参照)
ヒーター43は、排雪溝4の底部4Aに埋設されており、排雪溝4に排雪された雪を溶かすようにしてある。
また、前記底部4Aは、傾斜面に形成されていて、溶けた水を下流側(低い方)へ流すようにしてあり、底部4Aの最下流側に設けられた排水部(図示せず)に排水するようにしてある。
流雪装置44は、雪の量が多く、前記底部の傾斜では排水が間に合わない際に、水と雪を強制的に流すものであり、本形態では、水車状のものであって、この流雪装置44を回転させて水と雪を強制的に流すことによって、迅速な排水が行われる。
なお、水が豊富に使用できる環境においては、前記ヒーターを使用せず、前記排雪溝に水を流して排雪された雪を流すようにしてもよい。
なお、前記流雪溝の後方と前記収容溝の後方は、堆雪スペースSとして使用される。
【0025】
誘導灯5は、路肩部Dに出没可能に設けられており、除雪装置Aを作動させて除雪作業が開始される際に、路肩部Dに自動的に埋め込まれるようにされている。(図1,図2参照)
この誘導灯5は、伸縮可能なポール51と、当該ポール51先端に設けられた点灯体52と、収縮したポール51および点灯体52を収納する収納ケース53とからなる。
前記ポール51は、路肩部Dに埋設された埋設管54から噴出される気体によって伸張し、気体の噴出しを停止することによって収縮して前記収納ケース53へ収納されるようにしている。
収納ケース53は、誘導灯5が収縮した状態で、前記ポール51と点灯体52を収納し、その収納状態において点灯体52の先端部が路肩部Dと同面となる深さを有している。
【0026】
本形態の除雪装置Aによれば、降雪時期以外は、収容枠3Aが除雪機1を収納した状態で収容溝3に収容され、降雪時には収容枠3Aを上昇させて監視カメラ7によって滑走路R上の積雪を監視する。(図2,図3参照)
滑走路R上に積雪が発見されると、遠隔操作によって除雪機1を前進させるとともに、排雪溝4の蓋部42を開き、かつ誘導灯5を下降させて除雪板12および除雪ブラシ13Fによって往路の除雪を行う。(図3,図5,図6,図7参照)
このとき、除雪機1が前進して収容枠3Aから脱出すると、遠隔操作によって収容枠3Aを下降させて収容溝3に収容する。
除雪機1が前進して排雪溝4に雪を排雪すると、遠隔操作によって除雪機1を後退させ、再び前記と同様の除雪を行う。
除雪機1が前記の除雪を1回ないし数回行い、排雪溝4への排雪を完了すると、除雪機1を後退させて、除雪ブラシRによって前記屋根板33A上およびこの屋根板33A前後の雪を除雪するとともに、収容溝3の後方の堆雪スペースSに排雪する。
最後に、除雪機1を収容枠3Aにおける出入り口31Aの前方に前進させ、収容枠3Aを上昇させるとともに、除雪機1を後退させて収容枠3Aに収容し、収容枠3Aを下降させることで一連の除雪作業が終了する。
【0027】
本発明における除雪装置Aの除雪作業の操作については、前記除雪作業の流れをコンピューター等の制御手段にプログラムし、あらかじめ設定された積雪が検出されたときに、自動的に作動するようにしてもよい。
【0028】
なお、本発明は、例示した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲で実施することも任意である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る除雪装置の一例を示す断面図。
【図2】除雪装置を作動させた状態を示す断面図。
【図3】除雪機を前進させた状態を示す断面図。
【図4】本発明に係る除雪装置の平面図で路面に並べた状態を示す。
【図5】除雪機の平面図。
【図6】除雪機の前進状態において収容枠を下降させた状態を示す断面図。
【図7】排雪状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0030】
A:除雪装置
R:滑走路(路面)
D:路肩部(路面)
1:除雪機
2:誘導手段
3:収容溝
3A:収容枠
4:排雪溝
5:誘導灯
6:電線
11:除雪機本体
12A:アーム
12:除雪板
13F:除雪ブラシ
13R:除雪ブラシ
14:駆動部
15:電気モーター
16:回転ドラム
17:監視カメラ
21:誘導センサー
22:誘導ケーブル
16A:テンションローラー
16B:テンションローラー
62:テンションローラー
63:テンションローラー
31:昇降装置
31A:出入口
32A:床板
3A:収容枠
3B:支軸
3C:昇降機
33A:屋根板(蓋部)
34:切込み
34A:電源部
41:開口部
42:蓋部
43:ヒーター
44:流雪装置
45:シリンダ
51:ポール
52:点灯体
53:収納ケース
54:埋設管
55:排水溝
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面の除雪を行う除雪装置に関し、詳しくは飛行場の滑走路の除雪に好適な除雪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の除雪装置関連する先行技術文献としては、たとえば下記のものがある。(特許文献1参照)
この特許文献に記載されているものは、集雪機としてウインチで巻かれる線状体によって集雪板を引っ張って雪を集めるとともに、集雪板の移動端部付近に凹設された融雪機に落とす構成のものである。
【特許文献1】実用新案登録第3049850号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記特許文献に記載の集雪機は、集雪板での除雪が終了したときには、集雪板が融雪機の縁付近に位置するため、再度除雪をする場合には、集雪板を除雪開始位置(路面の端部)まで引き出す必要がある。
しかしながら、前記集雪機の構成では、ウインチに巻かれる線状体による集雪板の移動が除雪開始位置から除雪する方向のみであるため、集雪板を除雪開始位置に引き出すには人力や他の引っ張り器具を要し、除雪作業の効率性について低いものであると認められる。
特に、飛行機の滑走路のように距離も幅も有る極めて広い路面の除雪に関して云うならば効率性はまったく望めないものと認められる。
また、除雪が集雪板のみで、かつ一方向のみに行われるため、路面の凹凸状況によっては、路面に残雪が生じ、この残雪がアイスバーンの原因になるものと考えられる。
【0004】
そこで、本発明は、飛行機の滑走路のように距離も幅も有る極めて広い路面の除雪についても効率よく、かつ確実に行うことを課題とし、この課題を解決する除雪装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明が採用した技術的手段は、路面の幅方向に沿って除雪を行う除雪装置であって、駆動部によって前進・後退する除雪機本体の前方に、除雪機本体の前進に伴って除雪を行う除雪板を、除雪機本体の前方と後方に、除雪機本体の前進・後退に伴って前記駆動部によって回転して除雪を行う除雪ブラシを夫々有し、前記除雪板と除雪ブラシを路面の長手方向全長に亘るように装備した除雪機を配置したことである。(請求項1)
【0006】
除雪機の前記除雪板と除雪ブラシを路面の長手方向全長に亘るような配置構成は、たとえば、路面が飛行機の滑走路のような距離が長いものであれば、複数の除雪機を滑走路の長さ方向に沿って並べる構成が挙げられる。
この場合、前記除雪板と除雪ブラシの長さは任意であるが、除雪の際に雪の重みで変形しない程度の長さとする。
また、前記除雪板と除雪ブラシは、同じ長さとすることが好ましい。
【0007】
除雪を効率的に行うには除雪機を正確に走行させることが必要であり、その手段として、たとえば、除雪機と路面とに亘って除雪機の誘導手段を備え、当該誘導手段は、除雪機に設けられた走行センサーと、除雪機の走行方向に沿って路面に埋設された誘導ケーブルとからなり、除雪機の移動中に前記走行センサーが誘導ケーブルを検出して、除雪機の正確な走行性を保持することが挙げられる。(請求項2)
【0008】
本発明の除雪装置は、電気や各種燃料によって作動させられるが、周辺環境等の保護という観点から電気によって作動するものが好ましい。
たとえば、駆動部が電気によって作動するものである場合、電源から除雪機に亘って駆動部に送電する電線が配線され、当該電線は、除雪機に設けられた巻取り部に巻き取られ、当該巻取り部は、前記電線を除雪機の前進・後退に伴って、緩まないように巻き取り・繰り出しする構成が挙げられる。(請求項3)
【0009】
本発明の除雪装置は、降雪時期以外または降雪時期でも積雪が無い状態においては、運行の邪魔にならないように収容することが必要である一方、たとえば、飛行機の滑走路では、降雪時期における突然の積雪に効率よく迅速に対応することも重要であり、突然の降雪による積雪に効率よく迅速に対応するためには、滑走路の近辺にあることが最適である。
すなわち、路面における路肩部にその長手方向に沿って前記除雪機を収容する収容溝を備え、当該収容溝には、除雪機を収容溝に対して出し入れするための昇降装置と収容溝を開閉可能な蓋部を備えることが好ましい。(請求項4)
この場合、前記収容溝には、侵入する水(融雪水や雨水)を排出する排水溝を備えることが好ましい。
【0010】
また、除雪される雪は、通常であれば通行の邪魔にならない路面の端に寄せておき、ある程度の量になった時点で、ダンプカーやショベルカー等の重機を用いて雪を排除するが、たとえば、飛行機の滑走路は、その長さが極めて長く、前記の排除作業では、非効率的であり飛行機の運行を阻害する。
すなわち、路面の端に寄せられた雪を効率よく迅速に排除するため、路面における路肩部にその長手方向に沿って除雪される雪を排雪する排雪溝を備え、当該排雪溝には、排雪された雪を排雪溝の長手方向に沿って流す流雪装置と、排雪溝を開閉可能な蓋部を備えることが好ましい。(請求項5)
【0011】
また、路面における路肩部には、通行の目印となる誘導灯等の突出物が配設されており、これら突出物は、安全通行において必要不可欠なものであるが。除雪時においては邪魔になってしまう。
そのため、路面における路肩部上の突出物を路肩部に対して自動的に出没可能とし、当該突出物が路肩部下に位置しているときには、突出物の先端部を路肩部面と略同面とすることが好ましい。(請求項6)
【0012】
また、前記したように効率よく迅速に、しかも安全に除雪作業を行うため、除雪装置の動作をすべて遠隔操作によって行うようにすることが好ましい。(請求項7)
なお、本発明における除雪装置の動作とは、前記除雪機の前進・後退動作、除雪板や除雪ブラシの上下動作、除雪ブラシの回転動作、誘導手段の誘導動作、巻取り部の巻取り・繰り出し回転動作、収容溝における蓋部開閉動作および除雪機の出し入れ動作、排雪溝における蓋部の開閉動作および流雪装置の流雪動作、さらには、監視用のカメラの動作等であり、これらの動作が遠隔操作で行われる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の除雪装置によれば、除雪機が前進および後退し、その前進動作によって除雪板と除雪ブラシが路面上の雪を除雪し、最終後退時に後部の除雪ブラシで、後述する収容枠の蓋部(屋根板)およびこの前後を排雪する。
したがって、飛行機の滑走路のように距離も幅も有る極めて広い路面の除雪についても効率よく、かつ確実に行うことができ、飛行機の運行も阻害しない。
また、請求項2の発明によれば、除雪機が正確に走行するので、除雪を正確かつ効率よく行うことができる。
また、請求項3の発明によれば、周辺環境の保全が可能であり、その上、駆動部へ電気を供給するための電線を緩ませることなく確実に巻取り・繰り出しするので、除雪作業中に電線が除雪機に巻き込まれたり踏み潰されたりすることによる電線の切断を防止することができる。
また、請求項4の発明によれば、通常では、除雪機を飛行機の通行の邪魔にならずに収容でき、突然の降雪による積雪には、効率よく迅速に対応することができる。
また、請求項5の発明によれば、除雪された雪を効率よく、飛行機の運行を阻害しないで迅速に排除することができる。
また、請求項6の発明によれば、除雪機の走行時における障害を無くすことができる。また、請求項7の発明によれば、除雪装置の動作をすべて遠隔操作によって行うので、
効率よく迅速に、しかも安全に除雪作業を行うことができる。
さらに、重機,オペレーターの待機コストや除排雪費用を縮減するとともに、特に滑走
路で使用されるものである場合には、航空機の遅延や運休を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。
なお、本形態における路面は、滑走路Rと路肩部Dとで構成されるもので例示する。
【0015】
本形態の除雪装置Aは、路肩部Dの長手側端部にその全長に亘って多数配された除雪機1と、除雪機1を正確に走行させるための誘導手段2と、前記除雪機を収容する収容溝3と、除雪される雪を排雪する排雪溝4と、路肩部Dに対して出没する誘導灯5を備えてなり、これらの作動はすべて遠隔操作によって行われるようにされている。(図1,図4,図7参照)
【0016】
除雪機1は、略枠状体に形成された除雪機本体11の前方に設けられた除雪板12と、除雪機本体11の前方と後方に設けられた除雪ブラシ13F,13Rと、除雪機本体11を前進・後退させる無限軌道構造による駆動部14と、駆動部14を駆動させる電気モーター15と、当該電気モーター15に送電する電線6を緩まないように巻取り・繰り出しするための回転ドラム16と、前記誘導手段2の一方を構成する走行センサー21と、滑走路Rの積雪状態および排雪状態を監視する監視カメラ17とを備えてなる。(図1,図4,図5参照)
【0017】
除雪板12は、略板状体に形成され、除雪機本体11の前方に、滑走路Rの長手方向と平行として設けられている。
また、除雪板12は、除雪時における雪の圧力によって変形しない程度の長さに形成され、さらに、前記除雪機本体11とに亘って設けられたアーム12Aによって支えられることによって、雪の圧力による変形が抑制されている。
このような前記除雪板12によれば、除雪機1の前進によって滑走路R上および路肩部D上の雪を除雪することができる。
なお、前記除雪板12は、前記除雪機本体11に対して上下作動や高さの調節を可能にすることも任意である。
【0018】
除雪ブラシ13F,13Rは、前記除雪板12と略同長に形成され、前記除雪機本体11に前記除雪板12の長手方向と平行として設けられている。
除雪ブラシ13Fは、前記除雪板12の外側に設けられ、除雪ブラシ13Rは、前記除雪機本体11の後方に設けられている。
このような除雪ブラシ13Fよれば、前記電気モーター15によって回転し、除雪機1の前進により滑走路R上および路肩部D上の雪を擦り取ることができる。
また、除雪ブラシ13Rによれば、その後退時に、同様に前記電気モーター15によって回転して、後述する屋根板33A上およびこの屋根板33Aの前後の雪を擦り取るとともに、後述する堆雪スペースSに排出することができる。
なお、前記除雪ブラシ13F,13Rは、前記除雪機本体11に対して上下作動やその高さの調節を可能にすることも任意である。
【0019】
回転ドラム16は、前記除雪機本体11の下側に回転可能に設けられ、前記電線を巻き掛けている。
また、回転ドラム16は、電気モーター15によって回転するとともに、前記駆動部14の駆動速度と連動して回転することによって、除雪機1の前進・後退時において電線6に適度なテンションを与え、当該電線6の切断や巻き込みを防止している。
前記電線6にテンションを与えながら回転ドラム16に巻き掛けする構成として、前記除雪機本体11の下側に設けられたテンションローラー16A,16Bに電線6を巻き掛けることによってテンションを与える構成としている。
走行センサー21は、前記除雪機本体11の下側に、前記誘導手段2の他方を構成する後述の誘導ケーブル22と近接させて設けている。
監視カメラ17は、前記除雪機本体11上に設けられており、当該除雪機1から離間した場所、すなわち、滑走路R上の積雪および降雪や排雪状況を観察できるようにしている。
【0020】
このようにした除雪機1は、除雪板12および除雪ブラシ13F,13Rを滑走路Rの長手方向全域に亘って平行に並ぶように多数設置される。(図4参照)
【0021】
誘導手段2は、前記走行センサー21および前記誘導ケーブル22とからなり、除雪機1の前進・後退時に走行センサー21が誘導ケーブル22を検知することによって、除雪機1の正確な走行性を保持する。
前記誘導ケーブル22は、滑走路Rの幅方向に、かつ除雪機1の作動範囲全域に沿って埋設されている。(図4参照)
【0022】
収容溝3は、滑走路Rの長手方向に沿ってすべての除雪機1を収納可能な長さおよび深さに形成され、当該収容溝3には、除雪機1を収容溝3に対して出し入れするための昇降装置31と、収容溝3を開閉する蓋部33Aとが設けられている。
符号62,63は、電線6を除雪機1に案内するとともに、方向転換可能にするテンションローラーであり、テンションローラー62は、前記収容溝3の前方の上部縁部に支持され、テンションローラー63は、前記蓋部33Aの前方縁部に支持されており、両テンションローラー62,63は、昇降装置31が収容溝3に収容されている状態において正対している。
なお、本形態では、蓋部33Aを前述の屋根板33Aが兼用しているので、以下では蓋部33Aを屋根板33Aとして説明する。
また、符号55は、収容溝3に浸入する水を排水するための排水溝である。
【0023】
昇降装置31は、除雪機1の出入り口31Aを開放した略枠体状の収容枠3Aと、収容枠3Aを支持する支軸3Bと、支軸3Bを上下動させる昇降機3Cを備えている。
収容枠3Aは、上昇時に路肩部Dと同面になる床板32Aと、下降時に路肩部Dと同面になる前述の屋根板33Aと、前記電線6の電源部34Aからなる。
前記屋根板33Aは、除雪機1の加重に耐えられる強度を有している。
支軸3Bは、収容溝3の底部から出没可能に埋設されていて、前記昇降機3Cによって上下動するように支持されている。
このような昇降装置31によれば、収容枠3Aが除雪機1を収容するとともに、収容溝3に対して上下動する。(図2参照)
収容枠3Aの下降状態では、収容溝3の開口部が前記屋根板33Aによって塞がれて、当該屋根板33Aが路肩部Dと略同面になる。(図1,図6参照)
収容枠3Aの上昇状態では、前記床板32Aが路肩部Dと略同面なるとともに、出入り口31Aが除雪機1の出入り可能位置に至り、当該除雪機1が前進・後退によって出入りする。(図2,図3参照)
除雪機1が収容枠3Aから前進して出ると、当該収容枠3Aは下降し、前記したように屋根板33Aが路肩部Dと略同面になって、屋根板33A上に除雪機1を位置させることができる。
このとき電線6の方向は、前記テンションローラー62,63によって、摩擦が防止されるとともに、電線に緩みが生じないようにスムースに方向転換される。
なお、前記収容溝3には、前記屋根板33Aを支持する切込み34が形成されている。
また、前記収容枠3Aの下降状態において、前記テンションローラー62,63間に前記電線6が挿通する挿通部35が形成される。
【0024】
排雪溝4は、前記収容溝3の反対側の路肩部Dに滑走路Rの長手方向に沿って設けられている。 (図4参照)
排雪溝4には、排雪溝4の開口部41を開閉可能な蓋部42と、排雪された雪を溶かすヒーター43と、融雪されてなる水を排雪溝4の長手方向に沿って流す流雪装置44が設けられている。
蓋部42は、排雪溝4の長手側縁に回動可能に軸支してあり、排雪溝4内に設けられたシリンダ45によって開閉されるようにしてある。(図7参照)
ヒーター43は、排雪溝4の底部4Aに埋設されており、排雪溝4に排雪された雪を溶かすようにしてある。
また、前記底部4Aは、傾斜面に形成されていて、溶けた水を下流側(低い方)へ流すようにしてあり、底部4Aの最下流側に設けられた排水部(図示せず)に排水するようにしてある。
流雪装置44は、雪の量が多く、前記底部の傾斜では排水が間に合わない際に、水と雪を強制的に流すものであり、本形態では、水車状のものであって、この流雪装置44を回転させて水と雪を強制的に流すことによって、迅速な排水が行われる。
なお、水が豊富に使用できる環境においては、前記ヒーターを使用せず、前記排雪溝に水を流して排雪された雪を流すようにしてもよい。
なお、前記流雪溝の後方と前記収容溝の後方は、堆雪スペースSとして使用される。
【0025】
誘導灯5は、路肩部Dに出没可能に設けられており、除雪装置Aを作動させて除雪作業が開始される際に、路肩部Dに自動的に埋め込まれるようにされている。(図1,図2参照)
この誘導灯5は、伸縮可能なポール51と、当該ポール51先端に設けられた点灯体52と、収縮したポール51および点灯体52を収納する収納ケース53とからなる。
前記ポール51は、路肩部Dに埋設された埋設管54から噴出される気体によって伸張し、気体の噴出しを停止することによって収縮して前記収納ケース53へ収納されるようにしている。
収納ケース53は、誘導灯5が収縮した状態で、前記ポール51と点灯体52を収納し、その収納状態において点灯体52の先端部が路肩部Dと同面となる深さを有している。
【0026】
本形態の除雪装置Aによれば、降雪時期以外は、収容枠3Aが除雪機1を収納した状態で収容溝3に収容され、降雪時には収容枠3Aを上昇させて監視カメラ7によって滑走路R上の積雪を監視する。(図2,図3参照)
滑走路R上に積雪が発見されると、遠隔操作によって除雪機1を前進させるとともに、排雪溝4の蓋部42を開き、かつ誘導灯5を下降させて除雪板12および除雪ブラシ13Fによって往路の除雪を行う。(図3,図5,図6,図7参照)
このとき、除雪機1が前進して収容枠3Aから脱出すると、遠隔操作によって収容枠3Aを下降させて収容溝3に収容する。
除雪機1が前進して排雪溝4に雪を排雪すると、遠隔操作によって除雪機1を後退させ、再び前記と同様の除雪を行う。
除雪機1が前記の除雪を1回ないし数回行い、排雪溝4への排雪を完了すると、除雪機1を後退させて、除雪ブラシRによって前記屋根板33A上およびこの屋根板33A前後の雪を除雪するとともに、収容溝3の後方の堆雪スペースSに排雪する。
最後に、除雪機1を収容枠3Aにおける出入り口31Aの前方に前進させ、収容枠3Aを上昇させるとともに、除雪機1を後退させて収容枠3Aに収容し、収容枠3Aを下降させることで一連の除雪作業が終了する。
【0027】
本発明における除雪装置Aの除雪作業の操作については、前記除雪作業の流れをコンピューター等の制御手段にプログラムし、あらかじめ設定された積雪が検出されたときに、自動的に作動するようにしてもよい。
【0028】
なお、本発明は、例示した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲で実施することも任意である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る除雪装置の一例を示す断面図。
【図2】除雪装置を作動させた状態を示す断面図。
【図3】除雪機を前進させた状態を示す断面図。
【図4】本発明に係る除雪装置の平面図で路面に並べた状態を示す。
【図5】除雪機の平面図。
【図6】除雪機の前進状態において収容枠を下降させた状態を示す断面図。
【図7】排雪状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0030】
A:除雪装置
R:滑走路(路面)
D:路肩部(路面)
1:除雪機
2:誘導手段
3:収容溝
3A:収容枠
4:排雪溝
5:誘導灯
6:電線
11:除雪機本体
12A:アーム
12:除雪板
13F:除雪ブラシ
13R:除雪ブラシ
14:駆動部
15:電気モーター
16:回転ドラム
17:監視カメラ
21:走行センサー
22:誘導ケーブル
16A:テンションローラー
16B:テンションローラー
62:テンションローラー
63:テンションローラー
31:昇降装置
31A:出入口
32A:床板
3A:収容枠
3B:支軸
3C:昇降機
33A:屋根板(蓋部)
34:切込み
34A:電源部
41:開口部
42:蓋部
43:ヒーター
44:流雪装置
45:シリンダ
51:ポール
52:点灯体
53:収納ケース
54:埋設管
55:排水溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面の幅方向に沿って除雪を行う除雪装置において、
駆動部によって前進・後退する除雪機本体の前方に、除雪機本体の前進に伴って除雪を行う除雪板を、除雪機本体の前方と後方に、除雪機本体の前進・後退に伴って前記駆動部によって回転して除雪を行う除雪ブラシを夫々有し、前記除雪板と除雪ブラシを路面の長手方向全長に亘るように装備した除雪機を配置していることを特徴とする除雪装置。
【請求項2】
除雪機と路面とに亘って除雪機の誘導手段を備え、当該誘導手段は、除雪機に設けられた誘導センサーと、除雪機の走行方向に沿って路面に埋設された誘導ケーブルとからなり、除雪機の移動中に前記誘導センサーが誘導ケーブルを検出して、除雪機の正確な走行性を保持することを特徴とする請求項1に記載の除雪装置。
【請求項3】
駆動部が電気によって作動するものであり、電源から除雪機に亘って駆動部に送電する電線が配線され、当該電線は、除雪機に設けられた巻取り部に巻き取られ、当該巻取り部は、前記電線を除雪機の前進・後退に伴って緩まないように巻き取り・繰り出しするものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の除雪装置。
【請求項4】
路面における路肩部にその長手方向に沿って前記除雪機を収容する収容溝を備え、当該収容溝には、除雪機を収容溝に対して出し入れするための昇降装置が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか1項に記載の除雪装置。
【請求項5】
路面における路肩部にその長手方向に沿って除雪される雪を排雪する排雪溝を備え、当該排雪溝には、排雪された雪を排雪溝の長手方向に沿って流す流雪装置と、排雪溝を開閉可能な蓋部を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか1項に記載の除雪装置。
【請求項6】
路面における路肩部上の突出物を路面に対して自動的に出没可能とし、当該突出物が路面下に位置しているときには、突出物の先端部が路肩部面と略同面にされることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか1項に記載の除雪装置。
【請求項7】
除雪装置の動作は操作はすべて遠隔操作によって行われることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか1項に記載の除雪装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面の幅方向に沿って除雪を行う除雪装置において、
駆動部によって前進・後退する除雪機本体の前方に、除雪機本体の前進に伴って除雪を行う除雪板を、除雪機本体の前方と後方に、除雪機本体の前進・後退に伴って前記駆動部によって回転して除雪を行う除雪ブラシを夫々有し、前記除雪板と除雪ブラシを路面の長手方向全長に亘るように装備した除雪機を配置していることを特徴とする除雪装置。
【請求項2】
除雪機と路面とに亘って除雪機の誘導手段を備え、当該誘導手段は、除雪機に設けられた走行センサーと、除雪機の走行方向に沿って路面に埋設された誘導ケーブルとからなり、除雪機の移動中に前記走行センサーが誘導ケーブルを検出して、除雪機の正確な走行性を保持することを特徴とする請求項1に記載の除雪装置。
【請求項3】
駆動部が電気によって作動するものであり、電源から除雪機に亘って駆動部に送電する電線が配線され、当該電線は、除雪機に設けられた巻取り部に巻き取られ、当該巻取り部は、前記電線を除雪機の前進・後退に伴って緩まないように巻き取り・繰り出しするものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の除雪装置。
【請求項4】
路面における路肩部にその長手方向に沿って前記除雪機を収容する収容溝を備え、当該収容溝には、除雪機を収容溝に対して出し入れするための昇降装置が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか1項に記載の除雪装置。
【請求項5】
路面における路肩部にその長手方向に沿って除雪される雪を排雪する排雪溝を備え、当該排雪溝には、排雪された雪を排雪溝の長手方向に沿って流す流雪装置と、排雪溝を開閉可能な蓋部を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか1項に記載の除雪装置。
【請求項6】
路面における路肩部上の突出物を路肩部に対して自動的に出没可能とし、当該突出物が路肩部下に位置しているときには、突出物の先端部が路肩部面と略同面にされることを特徴とする請求項1ないし請求項5いずれか1項に記載の除雪装置。
【請求項7】
除雪装置の動作はすべて遠隔操作によって行われることを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか1項に記載の除雪装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−132260(P2006−132260A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325143(P2004−325143)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【特許番号】特許第3752503号(P3752503)
【特許公報発行日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(502012495)株式会社アサヒ建設コンサルタント (5)
【Fターム(参考)】