説明

集合ます及び建物排水システム

【課題】狭小なスペースにおいても横方向から内部の点検や掃除が可能化された集合ます及びこれを用いた建物排水システムを提供することを目的とする。
【解決手段】上部が閉ざされているます本体と、ます本体の側面から横方へ延びている少なくとも3つ以上の流入口と、そしてます本体の底部から下方又は斜め下方へ延びている流出口とからなる集合ますにおいて、流入口の中の少なくとも1つの流入口は可撓管を着脱自在に接続するための固定手段を備えており且つます本体の内部において前記流入口と向き合う領域に内壁面が形成されている可撓管接続用受口であり、そして定常時、雑排水を集めるために可撓管が可撓管接続用受口へ接続されており、非定常時、可撓管を可撓管接続用受口から取り外すことにより集合ますの内部の点検及び掃除が可能化されている集合ますを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建住宅、低層住宅又は小規模集合住宅などにおいて、お風呂、流し台、洗面台などから排出される雑排水を一括して集合するために配置される集合ます及びこれを用いた建物排水システムに関し、特に、実質的に集合ますの上部から点検蓋を開けて内部の点検や掃除等をすることが出来ないような狭小スペースにおいても、流入口などの特殊な配置および可撓管との組み合わせなどによりそれらを可能化させた集合ます及びこれを用いた建物排水システムに関する。なお、本発明の集合ますは、集合継手として用いることもできる。
【背景技術】
【0002】
一般に、戸建住宅、低層住宅又は小規模集合住宅などにおいて、お風呂、流し台、洗面台などから排出される雑排水は、例えば特開平5−156675号公報(特許文献1)、特開2002−339424号公報(特許文献2)、特開2005−290676号公報(特許文献3)、特開2007−77750号公報(特許文献4)および特開2007−113343号公報(特許文献5)に開示されているように、塩化ビニール製の樹脂製配管などを介して床下に配置された集合ますへ集められ、そして集められた雑排水は基礎貫通配管を通して屋外に設置された排水ます及び公共ますへと導入される。
【0003】
このような上記の排水システムでは、複数の排水設備から排出される排水は集合ますにより1箇所に集められ、そして1本の基礎貫通配管によって屋外の排水ますへ導入されるため、配管構造が極めて簡略化され、かつ排水管を貫通させる貫通孔も1箇所設ければ良いので、配管及び基礎工事が簡略化され、かつ建屋基礎の強度も殆んど低下させることがないという利点がある。
【0004】
しかしながら、上記のような排水システムでは、集合ますは屋内の床下など極めて狭小なスペースに設置されるため、これらの排水設備の点検や掃除が容易でないという問題があった。
【0005】
すなわち、一般的に集合ますの上部には、その内部の点検や掃除などを可能化する目的で点検口及び点検蓋が設けられる。しかしながら、床下などの狭小スペースでは高さ方向に余裕がないため、実際には設置された集合ますの点検蓋を容易に取り外すことができず、また点検蓋を取り外すことができても、実質的に上部から集合ますの内部を点検したり掃除したりすることはできなかった。
【0006】
また、集合ますには、例えば特許文献2,4に記載されているように屋内の排水設備から延びた可撓管が接続されている場合がある。したがって、このような場合、集合ますの内部の点検をしようとする時は、集合ますから一旦可撓管を取り外し、可撓管が取り付けられていた接続口から集合ますの内部を点検及び掃除することも考えられる。
【0007】
しかしながら、一般的に集合ますの接続口は集合ます本体から横方向へ延びているのに対し、掃除を必要とする集合ますの内部領域は前記接続口と直行する縦方向に延びているため、特にこの屈曲部分を通して集合ますの内部を万遍なく掃除することが困難であった。
【0008】
【特許文献1】特開平5−156675号公報
【特許文献2】特開2002−339424号公報
【特許文献3】特開2005−290676号公報
【特許文献4】特開2007−77750号公報
【特許文献5】特開2007−113343号公報
【特許文献6】特開2004−84887号公報
【特許文献7】特開2004−353445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、戸建住宅、低層住宅又は小規模集合住宅などにおいて、お風呂、流し台、洗面台などから排出される雑排水を一括して集合するために配置される集合ます及びこれを用いた建物排水システムにおいて、床下など極めて狭小なスペースにおいても内部の点検や掃除が可能化された集合ます及びこれを用いた建物排水システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明者等は、複数の排水設備から排出される雑排水を宅地内で1箇所に集めるために使用される集合ますについて、その流入口や流出口の配置及びそれらに接続される配管の種類若しくはそれらの接続方法などについて鋭意検討を重ねた結果、特定の流入口には、それと向き合う領域に掃除具などの挿入を案内する内壁面を設け、さらに可撓管との着脱自在な接続を組み合わせることなどにより1つの流入口に点検口(及び掃除口)としての2つ目の機能を持たせることが最も効果的であり、かつ経済的であるとの結論に達し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明によれば、上部が閉ざされているます本体と、ます本体の側面から横方へ延びている少なくとも3つ以上の流入口と、そしてます本体の底部から下方又は斜め下方へ延びている流出口とからなる集合ますにおいて、流入口の中の少なくとも1つの流入口は、可撓管を着脱自在に接続するための固定手段を備えており、かつます本体の内部において前記流入口と向き合う領域に内壁面が形成されている可撓管接続用受口であり、そして定常時、雑排水を集めるために可撓管が可撓管接続用受口へ接続されており、かつ非定常時、可撓管を可撓管接続用受口から取り外すことにより集合ますの内部の点検及び掃除が可能化されている前記集合ますが提供される。
【0012】
本発明の集合ますは、その上部(天井部分)が閉ざされており専用の点検口を有さない。しかしながら、本発明の集合ますは、側面から横方向に延びている3つ以上の雑排水のための流入口を備えており、その1つの流入口を利用してます本体の内部の点検及び掃除が容易にできるように工夫されている。すなわち、本発明の集合ますでは、少なくとも1つの流入口は、定常時は雑排水のための流入口として機能し、そして非定常時は点検口及び掃除口として機能するように設計されている。
【0013】
このため、本発明において点検口を兼用する流入口には可撓管を接続するための受口が形成されており、さらに可撓管を着脱自在に接続するための固定手段が備え付けられている。これは、点検口を兼用する流入口(以下、この流入口のことを「可撓管接続用受口」という)へ屈曲自在な可撓管を接続することにより、非定常時、すなわち点検時は、前記可撓管を可撓管接続用受口から取り外して集合ますの内部を点検及び掃除することができるようにしているからである。したがって、定常時は逆に、可撓管は雑排水を集めるために可撓管接続用受口へ接続されている。
【0014】
本発明において、可撓管を可撓管接続用受口へ着脱自在に接続するために使用可能な固定手段の種類や構造には特に制限はなく、広く汎用の製品を使用することができる。
【0015】
例えば、本発明の使用に適した固定手段としては、特開2004−84887号公報(特許文献6)に記載されているような、可撓管を集合ますの可撓管接続用受口の中へ挿入した後、可撓管の谷部に嵌め込まれた突起物と係合する固定ナットを可撓管接続用受口の外周面に設けられたネジ山に螺合させることにより接続するタイプのものがある。このタイプの固定手段の場合は、予め固定ナットを可撓管外周上に回転自在に把持させておくことができるので施工の際などに便利である。
【0016】
また、他のタイプの固定手段としては、先述の特許文献2の中の図3〜5に示されているような、可撓管を集合ますの可撓管接続用受口の中へ挿入した後、可撓管の谷部と可撓管接続用受口の外周面に設けられた環状溝とに係合する2つ割りの環状止め具を連結することにより接続するタイプのものがある。このタイプの固定手段の場合は、可撓管接続用受口の外周面への加工が環状溝の配設のみで足り、極めて簡単に済むという利点がある。
【0017】
本発明の集合ますにおいて可撓管接続用受口には、ます本体の内部においてその受口と向き合う領域(「反対側」ともいう)に内壁面が形成されていなければならない。これは、非定常時、ます本体の内部の掃除などを目的として可撓管接続用受口から横方向へブラシなどの掃除具を挿入した場合、その先端部分を前記内壁面に衝突させて、ます本体の縦方向へ方向変換(通常は下方へ案内)するために必要不可欠だからである。
【0018】
例えば一般の集合ますの場合、ます本体の側面に設けられた流入口の反対側に内壁面が形成されている保証がなく、通常は他の流出口の全部又は一部が形成されている。したがって、例えばワイヤーの先端にブラシが取り付けられており、かつ蛇のように屈曲可能な掃除具(スネークワイヤーブラシ)を一般の集合ますの流入口から挿入すると、前記掃除具はます本体内部を突き抜けて反対側にある他の流入口へ挿入されるなどして引っ掛かってしまうという不都合を生じる。
【0019】
一方、これに対し本発明の集合ますの場合は、可撓管接続用受口の反対側に内壁面の形成が保証されているので、上記のようなスネークワイヤーブラシを可撓管接続用受口から横方向へ挿入しても、その先端は可撓管接続用受口の反対側に形成された内壁面と衝突し、ます本体の下方へ確実に案内される。その結果、本発明の集合ますでは、掃除を必要とする場所が点検口を兼ねた可撓管接続用受口から屈曲し、かつ奥まった位置にあるにも拘らず、集合ますの内壁面を利用して、そしてスネークワイヤーブラシなどの使用により、その内部を容易に掃除することができるようになる。
【0020】
このように、本発明の集合ますにおいて点検口を兼ねた可撓管接続用受口と向き合う領域に内壁面を設ける主な目的は、可撓管接続用受口から挿入された掃除具を確実に方向転換し、ます本体の内部を万遍なく掃除できるようにするなど、集合ますの点検口を側面に設けた場合の不都合を解消するためのものである。したがって、本発明において上記の内壁面は、ます本体内部において可撓管接続用受口と向き合う領域に形成されておればよく、その形態はます本体と一体成形されているものであっても若しくは他の流入口を閉塞するために装着されたプラグなどにより別体として形成されているものであってもよい。
【0021】
ただし、後者の場合は、流入口の1つを閉塞して使用しなければならないので、予定されている接続すべき雑排水の排水管の数に対して少なくとも1つ多くの流入口を有する集合ますを選択しなければならないことに留意する必要がある。また、接続すべき排水管の数に対し集合ますの流入口の数が不足する場合は、前記流入口の1つに更に複数の流入口を有するヘッダーを取り付けることにより対処することも可能である。
【0022】
また、可撓管接続用受口(流入口)と向き合う領域に他の流入口が形成されている場合、他の流入口にも可撓管を接続するための受口を形成し、かつ可撓管を着脱自在に接続するための固定手段を備え付けることにより、第2の可撓管接続用受口を形成させることが好ましい。この場合、2つの可撓管接続用受口(流入口)はます本体に対し実質的に互いに対称をなして配置されることになるため、実際の施工状況に応じて、いずれの側の可撓管接続用受口に可撓管を接続し、いずれの側の可撓管接続用受口にプラグを取り付けるかを現場で選択することが可能となり、配管施工の自由度が広がるという利点がある。
【0023】
したがって、本発明の集合ますでは、ます本体の側面に設けられるすべての流入口には、可撓管を接続するための受口を形成し、かつ可撓管を着脱自在に接続するための固定手段を備え付けることにより可撓管接続用受口としてもよい。
【0024】
集合ますに配設される流出口は、流入口および可撓管接続用受口に対し同径又は大径であることが好ましい。なぜなら、集合ますでは、複数の排水設備で生じた雑排水が流入口を通して集合ますへ集められ、そして集められた雑排水は流出口からまとめて排出されるからである。ただし、雑排水は複数の排水設備で同時に発生し、同時に集合ますへ向けて排出されるわけではなく、寧ろそのようなケースが生じることは稀有である。したがって、想定される集合ますの使用方法から集合ますの処理能力およびコストなどを考慮すると、流出口は流入口および可撓管接続用受口に対して必ずしも大径である必要はなく同径であってもよい。
【0025】
また、可撓管接続用受口は、それ以外の流入口に対し同径又は大径であることが好ましい。なぜなら、可撓管接続用受口は、口径が大きいほど有利である点検口および掃除口として使用する場合があるからである。したがって、可撓管接続用受口は、雑排水の中でも比較的大量の排水が集中して発生し、そのため比較的大きな口径の配管の敷設を必要とする風呂場からの排水系統に接続されることが好ましい。
【0026】
本発明のように家屋の床下に設置される集合ますでは、お風呂、流し台、洗面台など各排水設備からの排水量が急激に増えたり若しくはその流速が速くなったりすると、集合ます下流側に接続された配管部分を閉塞して配管内の通気を遮断することにより負圧を生じる場合がある。そしてこの負圧は、排水設備からの排水配管の封水を破壊するという問題を引き起こす。
【0027】
このため、本発明の集合ますでは、将来、配管内の負圧の発生を防止する目的で通気弁等を設置することができるように、ます本体の外側の上部壁面上に、上方へ向けて筒状に延びており、かつその内部は上部壁面上で閉ざされている予備差口を設けてもよい。予備差口内部の閉ざされた上部壁面は、使用時、ドリルなどにより穿孔及び開口して使用する。また、前記閉ざされた上部壁面を予め開口しておき、その開口部に栓を取り付けて閉じておいてもよい。
【0028】
なお、本発明の集合ますに使用される通気弁のタイプは特に限定されるものではないが、排水の逆流が生じ得る、床下など高さ方向に余裕がないスペースにおいて使用されることを考慮すると、例えば特開2004−353445号公報(特許文献7)に記載されているような、高さ方向に省スペース化された逆流防止機能付き通気弁(排水用通気装置)が用いられることが好ましい。
【0029】
本発明の集合ますにおいて、お風呂、流し台、洗面台など各排水設備で発生する排水の量は一定ではなく、そしてそれに対応して選択される排水配管の口径も種々存在することから、集合ますの流入口の口径は接続される排水配管の口径に柔軟に対応できるようにしておくことが望まれる。
【0030】
このため、本発明の集合ますでは、可撓管接続用受口はその受口をさらに小さな受口へ変換するための変換ソケット(縮径ソケット)を備えることができ、そしてその変換ソケットは可撓管を固定するための固定手段を利用して可撓管接続用受口へ固定される。
【0031】
また、変換ソケットの受口は、可撓管を着脱自在に接続できるようにその根元の可撓管接続用受口に装着されているのと同様の構造を有する第2の固定手段を含んでいてもよい。したがって、変換ソケットに使用される第2の固定手段も、可撓管接続用受口に使用される固定手段と同様に、例えば特許文献6に記載されているような固定ナットを用いるタイプの固定手段や、特許文献2の中の図3〜5に示されているような2つ割りの環状止め具を用いたタイプの固定手段などを使用することができる。
【0032】
本発明によれば、上部が閉ざされているます本体と、前記ます本体の側面から横方へ延びている少なくとも3つ以上流入口と、そして前記ます本体の底部から下方又は斜め下方へ延びている流出口とからなる集合ますにおいて、前記流入口の中の少なくとも1つの流入口は、可撓管を着脱自在に接続するための固定手段を備えており、かつ前記ます本体の内部において前記流入口と向き合う領域に内壁面が形成されている可撓管接続用受口であり、そして定常時、雑排水を集めるために可撓管が前記可撓管接続用受口へ接続されており、かつ非定常時、前記可撓管を前記可撓管接続用受口から取り外すことにより前記集合ますの内部の点検及び掃除が可能化されている前記集合ますを利用して、さらに周囲が鞘管により保護されている可撓管又は可撓管継手を前記集合ますの流出口へ直接又は間接的に接続することにより、基礎貫通配管を備えた建物排水システムを提供することができる。
【0033】
このような建物排水システムでは、複数の排水設備から排出される雑排水は集合ますにより1箇所に集められそして1本の基礎貫通配管によって屋外の排水ますへ導入されるため、配管構造が極めて簡略化される。また、排水管を貫通させる貫通孔も1箇所設ければ良いので、配管及び基礎工事が簡略化されそして建屋基礎の強度も殆んど低下させることがないという効果がある。
【0034】
さらに、集合ますの流出口へ接続される基礎貫通配管(可撓管)は、その周囲が別部品の鞘管により保護されているタイプの基礎貫通配管であるので、コンクリート打設時に予め鞘管を基礎へ貫通するように埋め込んでおけば、コンクリート打設後は鞘管の中を通して基礎貫通配管(可撓管)を自由に配管工事することができるようになる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、戸建住宅、低層住宅又は小規模集合住宅などにおいて、お風呂、流し台、洗面台などから排出される雑排水を一括して集合するために配置される集合ますにおいて、床下など極めて狭小なスペースにおいても内部の点検や掃除が可能化された集合ますを提供することができる。
【0036】
また、本発明によれば、上記集合ますを用いて、さらに周囲が鞘管により保護されている可撓管又は可撓管継手を集合ますの流出口へ直接又は間接的に接続することにより、基礎貫通配管を備えた建物排水システムを提供することができる。
【0037】
そのため、上記建物排水システムによれば、複数の排水設備から排出される排水は集合ますにより1箇所に集められそして1本の基礎貫通配管によって屋外の排水ますへ導入されるため、配管構造が極めて簡略化される。また、排水管を貫通させる貫通孔も1箇所設ければ良いので、配管及び基礎工事が簡略化されそして建屋基礎の強度も殆んど低下させることがないという優れた効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の一実施形態に係る集合ます及びこれを用いた建物排水システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。
【実施例】
【0039】
[実施例1]
図1には、本発明による実施例1の集合ます1aの側面図(a)、図1(c)のA−A断面で切り取った集合ます1aの側面断面図(b)、図1(b)のB−B断面で切り取った集合ます1aの正面断面図(c)が示されている。
【0040】
図1を参照して理解されるように、実施例1の集合ます1aは、上部が閉ざされているます本体2aと、ます本体2aの側面から横方へ延びている可撓管接続用受口3と、同じくます本体2aの側面から横方へ延びており可撓管接続用受口3と直交するように互いに向き合っている2つの流入口4,5と、そしてます本体2aの底部から下方へ延びている流出口6とから構成されている。
【0041】
ただし、流出口6は、図1に示されるように必ずしも下方(鉛直方向)へ延びている必要はなく、鉛直方向に対し斜め下方へ延びていてもよい。また、実施例1の集合ます1aでは、2つの流入口4,5は受口形状を形成しており流出口6は差口形状を形成しているが、それぞれがその逆の形状であってもよく、またこれらの形状のみに限定されるものでもない。
【0042】
集合ます1aの可撓管接続用受口3は流出口6と同径であり、他の2つの流入口4,5は流出口6より小径である。この理由は、お風呂、流し台、洗面台などから排出される雑排水はそれらの排水設備で同時に発生し、かつ同時に集合ます1aへ向けて排出されるものではないため、上記のような口径の設定の場合においても実質的に集合ます1aの排出能力に余裕ができることを考慮したからである。
【0043】
また、流入口3,4,5の中で可撓管接続用受口3を最も大きな口径としたのは、口径が大きいほど点検および掃除をする際に有利であることを考慮したからである。したがって、実施例1の集合ます1aでは、可撓管接続用受口3へ、雑排水の中でも比較的大量の排水が集中して発生し、そのため比較的大きな口径の配管を必要とする風呂場からの排水系統を接続することが好ましい。
【0044】
また、実施例1の集合ます1aでは、将来、配管内の負圧の発生を防止する目的で通気弁80(図5参照)等を設置することができるように、ます本体2aの外側の上部壁面21上に、上方へ向けて筒状に延びており、かつその内部は上部壁面21上で閉ざされている予備差口8が設けられている。予備差口8内部の閉ざされた上部壁面21は、使用時、ドリルなどにより穿孔及び開口して使用する。また、図示しないが、閉ざされた上部壁面21は予め開口しておき、その開口部に栓を取り付けて閉じておいてもよい。
【0045】
図1(a)に示されるように、集合ます1aの可撓管接続用受口3は可撓管(図示せず)を着脱自在に接続するための固定手段7を備えており、そして固定手段7には可撓管接続用受口3の外周面に設けられたネジ山70と前記ネジ山70に螺合する固定ナット71(図4参照)が含まれている。これは、可撓管接続用受口3へ屈曲自在な可撓管を接続することにより、非定常時、集合ます1aの内部を点検及び掃除するために可撓管を可撓管接続用受口3から取り外すことができるようにするためである。したがって、定常時は逆に、可撓管は雑排水を集めるために可撓管接続用受口3へ接続されている。
【0046】
上記のような固定ナット71を用いたタイプの固定手段7の場合、可撓管と可撓管接続用受口3との接続は、可撓管を可撓管接続用受口3の中へ挿入した後、可撓管の谷部に嵌め込まれた突起物(Cリング)と係合する固定ナット71を可撓管接続用受口3の外周面に設けられたネジ山70に螺合させることにより容易に接続することができる。また、このタイプの固定手段7の場合は、予め固定ナット71を可撓管外周上に回転自在に把持させておくことができるので施工の際などに便利である。
【0047】
なお、本発明において、可撓管を可撓管接続用受口3へ着脱自在に接続するために使用可能な固定手段7の種類や構造には特に制限はなく、広く汎用の製品を使用することができる。
【0048】
また、図1(b),(c)を参照して理解されるように、集合ます1aの可撓管接続用受口3には、ます本体2aの内部において可撓管接続用受口3と向き合う領域に内壁面20が形成されている。
【0049】
これは、非定常時、ます本体2aの内部の掃除などを目的として可撓管接続用受口3から横方向へスネークワイヤーブラシなどの掃除具を挿入した場合、その先端部分を前記内壁面20に衝突させて、ます本体2aの縦方向へ方向変換(通常は下方へ案内)させるために必要不可欠だからである。そしてその結果、実施例1の集合ます1aでは、掃除を必要とする場所が点検口を兼ねた可撓管接続用受口3から屈曲し、かつ奥まった位置にあるにも拘らず、集合ます1aの内壁面20を利用して、そしてスネークワイヤーブラシなどの使用により、その内部を容易に掃除することができるようになる。
【0050】
このように実施例1の集合ます1は、その上部21(天井部分)が閉ざされており専用の点検口を有さない。しかしながら、実施例1の集合ます1aでは、側面から横方向に延びている可撓管接続用受口3と2つの流入口4,5を備えており、可撓管接続用受口3を利用してます本体2aの内部の点検及び掃除が容易にできるように工夫されている。すなわち、実施例1の集合ます1aでは、少なくとも1つの流入口(可撓管接続用受口3)は、定常時は雑排水のための流入口として機能し、そして非定常時は点検口及び掃除口として機能するように設計されている。
【0051】
[実施例2]
図2には、本発明による実施例2の集合ます1bの上面図(a)、集合ます1bの側面図(b)、図2(b)のA−A断面で切り取った集合ます1bの平面断面図(c)、図2(a)のB−B断面で切り取った集合ます1bの側面断面図(d)が示されている。
【0052】
図2を参照して理解されるように、実施例2の集合ます1bは、可撓管接続用受口3と直交するように互いに向き合っている2つの流入口4’,5’の中心軸の位置が実施例1の集合ます1aの2つの流入口4,5の中心軸の位置より内壁面20側へ後退して配置されており、そして流出口6が差口形状から受口形状に変更されている以外は実施例1の集合ます1aと同じ構造を有する。
【0053】
したがって、実施例2の集合ます1bは、上部が閉ざされているます本体2bと、ます本体2bの側面から横方へ延びている可撓管接続用受口3と、同じくます本体2bの側面から横方へ延びており可撓管接続用受口3と直交するように互いに向き合っている2つの流入口4’,5’と、そしてます本体2bの底部から下方へ延びている流出口6とから構成されており、可撓管接続用受口3には、可撓管を着脱自在に接続するための固定手段7が備え付けられており、かつます本体2bの内部において可撓管接続用受口3と向き合う領域には内壁面20が形成されている。
【0054】
そして、実施例2の集合ます1bも実施例1の集合ます1aと同様に、定常時は雑排水を集めるために可撓管が可撓管接続用受口3へ接続されており、そして非定常時は可撓管を可撓管接続用受口3から取り外すことにより、集合ます1bの内部の点検及び掃除をすることができる。
【0055】
[実施例3]
図3には、本発明による実施例3の集合ます1cの上面図(a)、集合ます1cの側面図(b)、図3(b)のA−A断面で切り取った集合ます1cの平面断面図(c)、図3(a)のB−B断面で切り取った集合ます1cの側面断面図(d)が示されている。
【0056】
図3を参照して理解されるように、実施例3の集合ます1cは、可撓管接続用受口3と、さらに可撓管接続用受口3と直交するように互いに向き合っている第2,第3の可撓管接続用受口30,31を備えており、そして第3の可撓管接続用受口31には受口を閉塞するためのプラグ9が装着されている。さらに、実施例3の集合ます1cの流出口6は受口の形状を有しており、それら以外は実施例1の集合ます1aと同じ構造を有する。
【0057】
したがって、実施例3の集合ます1cは、上部が閉ざされているます本体2cと、ます本体2cの側面から横方へ延びている第1の可撓管接続用受口3と、同じくます本体2cの側面から横方へ延びており可撓管接続用受口3と直交するように互いに向き合っている第2及び第3の可撓管接続用受口30,31と、第3の可撓管接続用受口31を閉塞するために装着されたプラグ9と、そしてます本体2cの底部から下方へ延びている流出口6とから構成されている。そして、第1、第2及び第3の可撓管接続用受口3,30,31には、可撓管を着脱自在に接続するための固定手段7が備え付けられており、かつます本体2cの内部において、第1の可撓管接続用受口3と向き合う領域には内壁面20が形成されおり、そして第2の可撓管接続用受口30と向き合う領域(第3の可撓管接続用受口31)にはプラグ9の装着により内壁面90が形成されている。
【0058】
ここで、第2及び第3の可撓管接続用受口30,31のように互いに向き合う位置関係に流入口が形成されている場合、実施例3の集合ます1cのようにいずれの流入口にも可撓管を接続するための受口を形成し、かつ可撓管を着脱自在に接続するための固定手段を備え付けることにより可撓管接続用受口とすることが好ましい。なぜなら、この場合、第2及び第3の可撓管続用受口30,31はます本体1cに対し互いに対称をなして配置されるため、実際の施工状況に応じて、いずれの側の可撓管接続用受口に可撓管を接続し、いずれの側の可撓管接続用受口にプラグ9を取り付けるかを現場で選択することが可能となり、配管施工の自由度が広がるからである。
【0059】
また、第2及び第3の可撓管接続用受口30,31のうち、可撓管を接続して使用することが選択された受口30の反対側の受口31には、前記受口31を閉塞して内壁面90を形成するためのプラグ9が装着される。これにより、実施例3の集合ます1cでは、点検時、可撓管接続用受口30から挿入された掃除具はプラグ9により確実に方向転換され、ます本体1cの内部を万遍なく掃除することができるようになる。
【0060】
実施例3の集合ます1cでは、第1の可撓管接続用受口3には、それと向き合う領域に恒久的な内壁面20が形成されているため、いつでも可撓管を接続して点検口を兼ねた受口として使用することができる。また、第1の可撓管接続用受口3に可撓管が接続される場合は、実施例3の集合ます1cには少なくとも1つの点検口を兼ねた受口3が確保されることになるので、第2及び第3の可撓管接続用受口30,31には可撓管に限らず、実質的に取り外すことができない通常の配管を接続することも可能となり、さらにプラグ9により塞ぐことなく第2及び第3の可撓管接続用受口30,31を同時に使用することもできる。したがって、すべての可撓管接続用受口3,30,31に可撓管を接続することもでき、この場合、第1の可撓管接続用受口3を点検口を兼ねた受口として利用するとその口径が大きいために有利である。
【0061】
一方、少なくとも第1の可撓管接続用受口3に可撓管を接続しない場合、又は第2及び第3の可撓管接続用受口30,31のいずれか一方の受口へ可撓管を接続して、これを意図的に点検口を兼ねた受口として使用しようとする場合は、上述したように可撓管を接続して使用することが選択された受口30の反対側の受口31には、前記受口31を閉塞して内壁面90を形成するためのプラグ9を装着しなければならない(図3(c)参照)。
【0062】
また、このようにプラグ9を装着して使用する場合は、可撓管接続用受口の1つが雑排水の流入口として利用できなくなるので、接続すべき雑排水の排水管の数に対して少なくとも1つ多くの流入口(又は可撓管接続用受口)を有する集合ますを選択しなければならない。また、接続すべき排水管の数に対し集合ますの流入口の数が不足する場合は、前記流入口の1つに更に複数の流入口を有するヘッダーを取り付けることにより対処することも可能である。
【0063】
このように本発明の集合ますでは、実施例3の集合ます1cのように、ます本体2cの側面に設けられるすべての流入口に可撓管を接続するための受口を形成し、かつ可撓管を着脱自在に接続するための固定手段7を備え付けることにより、可撓管接続用受口3,30,31を形成させることができる。
【0064】
[実施例4]
実施例4に係る集合ます1cは実施例3の集合ます1cの応用例であって、図4(a)には、実施例3の集合ます1cの第1の可撓管接続用受口3に変換ソケット(縮径ソケット)10が取り付けられた態様の集合ます1cの側面断面図が示されており、図4(b)には前記変換ソケット10の断面図が示されている。
【0065】
実施例4に係る集合ます1cに用いられる変換ソケット10は、図4(b)に示されるように、可撓管接続用受口3と略同径の縮径される前の差口11と、差口と連絡し且つ縮径されている受口12とを有する筒状の形状を有しており、その外周には可撓管接続用受口3との接続をシールするためにOリング挿入溝13へ装着されたOリング14、およびその受口12側には固定ナット71と係合して変換ソケット10を可撓管接続用受口3へ固定するためのフランジ15を備えている。また、縮径された変換ソケットの受口12は、可撓管を着脱自在に接続できるようにその根元の可撓管接続用受口3に装着されているのと同様の構造を有する第2の固定手段7を備えている。
【0066】
したがって、図4(b)に示される変換ソケット10は、図4(a)に示されるように、変換ソケット10を第1の可撓管接続用受口3の中へ挿入した後、変換ソケット10のフランジ15と係合する固定ナット71を第1の可撓管接続用受口3の外周面に設けられたネジ山70に螺合させることにより容易に固定される。また、変換ソケット10の受口12は、変換ソケット10を第1の可撓管接続用受口3の中へ固定したのと同様の要領で、可撓管を変換ソケット10の受口12の中へ容易に固定することができる。
【0067】
なお、変換ソケット10は、可撓管接続用受口であれば第1の可撓管接続用受口3の位置以外にある受口(例えば第2及び第3の可撓管接続用受口30,31)にも使用することができ、また、変換ソケット10は、それ自体が可撓管接続用受口に対し着脱自在に取り付けられているため、必ずしも受口12に第2の固定手段7を設けて可撓管を着脱自在に接続できるようにしなければならないというものではない。
【0068】
この結果、実施例4の集合ます1cは、お風呂、流し台、洗面台など各排水設備で発生する排水の量は一定ではなく、そしてそれに対応して選択される排水配管の口径が種々存在する場合においても、各排水配管の口径に対し柔軟に対応することができる。
【0069】
[実施例5]
実施例5に係る集合ます1aは実施例1の集合ます1aの応用例であって、図5には、実施例1の集合ます1aの予備差口8をドリルにより穿孔及び開口し、前記予備差口8に逆流防止機能付き通気弁80(排水用通気装置)を取り付けた態様の集合ます1aの説明用側面断面図が示されている。
【0070】
このように、集合ます1aに通気弁80を取り付けた場合は、お風呂、流し台、洗面台など各排水設備からの排水量が急激に増えたり若しくはその流速が速くなったりすることにより、集合ます下流側に接続された配管部分が閉塞されそして配管内の通気が遮断されることにより生じる負圧の発生が防止され、さらに排水設備と連絡する排水配管に設けられた封水の破壊も未然に防がれる。
【0071】
なお、本発明において使用可能な通気弁のタイプは特に限定されるものではないが、排水の逆流が生じ得る、床下など高さ方向に余裕がないスペースにおいて使用されることを考慮して、実施例5の集合ます1aでは、特開2004−353445号公報(特許文献7)に記載されている高さ方向に省スペース化された逆流防止機能付き通気弁(排水用通気装置)が用いられている。
【0072】
[実施例6,7]
図6,7には、本発明による実施例6,7の建物排水システム100a, 100bの説明用側面断面図が示されている。
【0073】
図6,7を参照して理解されるように、実施例6,7の建物排水システム100a, 100bは、実施例1〜6で詳述したような本発明による集合ます101a,102bと、周囲が鞘管201により保護されており、かつ集合ます101a,102bの流出口106a,106bへ接続されている可撓管202とから構成されている。また、実施例6と実施例7との建物排水システムの相違点は、両建物排水システムに用いられる集合ます101a,102bの排出口106a,106bの排出角度が実施例6の建物排水システム100aでは流入口104(水平方向)に対し下向きに90°であるのに対し、実施例7の建物排水システム100bでは流入口104(水平方向)に対し下向きに45°である点のみである。
【0074】
図8に示されているのは、集合ます101a,102bの排水口106a,106bへ接続される、鞘管201と可撓管202とからなる基礎貫通配管200である。基礎貫通配管200の可撓管202はその上流側及び下流側端部にソケット203を含み、そしてソケット203を介して可撓管本体204を他の排水設備又は他の配管と容易に接続できるように設計されている。
【0075】
実施例6,7の建物排水システム100a, 100bでは、建物の基礎内に鞘管201が貫通又は予め埋め込まれ、その中に可撓管202が挿入される。そして可撓管202の上流側は、お風呂、流し台、洗面台など屋内排水設備で発生した雑排水を集める集合ます101a,102bの流出口106a,106bへ接続され、下流側は排水ます300など屋外排水設備と連絡する排水管301へ接続される(図6,7参照)。
【0076】
このように、実施例6,7の建物排水システム100a, 100bでは、複数の排水設備から排出される排水は集合ます101a,102bにより1箇所に集められそして1本の基礎貫通配管200によって屋外の排水ます300へ導入されるため、配管構造が極めて簡略化される。また、排水管を貫通させる貫通孔も1箇所設ければ良いので、配管及び基礎工事が簡略化されそして建屋基礎の強度も殆んど低下させることがないという効果がある。
【0077】
さらに、集合ます100a, 100bの流出口106a,106bへ接続される可撓管202は、その周囲が別部品の鞘管201により保護されているタイプの基礎貫通配管200であるので、コンクリート打設時に予め鞘管201を基礎へ貫通するように埋め込んでおけば、コンクリート打設後は鞘管201の中を通して可撓管202を自由に配管工事することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】実施例1の集合ますの側面図(a)、A−A断面で切り取った側面断面図(b)及びB−B断面で切り取った正面断面図(c)である。
【図2】実施例2の集合ますの上面図(a)、側面図(b)、A−A断面で切り取った平面断面図(c)及びB−B断面で切り取った側面断面図(d)である。
【図3】実施例3の集合ますの上面図(a)、側面図(b)、A−A断面で切り取った平面断面図(c)及びB−B断面で切り取った側面断面図(d)である。
【図4】実施例3の集合ますに変換ソケットを取り付けた態様の実施例4に係る集合ますの側面断面図(a)及び変換ソケットの断面図(b)である。
【図5】実施例1の集合ますに逆流防止機能付き通気弁を取り付けた態様の実施例5に係る集合ますの説明用側面断面図である。
【図6】実施例6の建物排水システムの説明用側面断面図である。
【図7】実施例7の建物排水システムの説明用側面断面図である。
【図8】建物排水システムに使用される鞘管と可撓管とからなる基礎貫通配管の断面図である。
【符号の説明】
【0079】
1a,1b,1c,100a,100b・・・ 集合ます
2a,2b,2c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ます本体
3,30,31・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 可撓管接続用受口
4,4’,5,5’,104・・・・・・・・・・・・・ 流入口
6,106a,106b・・・・・・・・・・・・・・・・・ 流出口
7 ・・・・・・・・・ 固定手段
8 ・・・・・・・・・ 予備差口
9 ・・・・・・・・・ プラグ
10・・・・・・・・・ 変換ソケット
11・・・・・・・・・ 差口
12・・・・・・・・・ 受口
13・・・・・・・・・ Oリング挿入溝
14・・・・・・・・・ Oリング
15・・・・・・・・・ フランジ
20,90・・・ 内壁面
21・・・・・・・・・ 上部壁面(天井部分)
70・・・・・・・・・ ネジ山
71・・・・・・・・・ 固定ナット
80・・・・・・・・・ 通気弁
200・・・・・・・ 基礎貫通配管
201・・・・・・・ 可撓管
202・・・・・・・ 鞘管
203・・・・・・・ ソケット
204・・・・・・・ 可撓管本体
300・・・・・・・ 排水管
301・・・・・・・ 排水ます

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が閉ざされているます本体と、
前記ます本体の側面から横方へ延びている少なくとも3つ以上の流入口と、そして
前記ます本体の底部から下方又は斜め下方へ延びている流出口とからなる集合ますにおいて、
前記流入口の中の少なくとも1つの流入口は、可撓管を着脱自在に接続するための固定手段を備えており、かつ前記ます本体の内部において前記流入口と向き合う領域に内壁面が形成されている可撓管接続用受口であり、そして
定常時、雑排水を集めるために可撓管が前記可撓管接続用受口へ接続されており、かつ非定常時、前記可撓管を前記可撓管接続用受口から取り外すことにより前記集合ますの内部の点検及び掃除が可能化されていることを特徴とする前記集合ます。
【請求項2】
前記固定手段は、前記可撓管を前記可撓管接続用受口の中へ挿入した後、前記可撓管の谷部に嵌め込まれた突起物と係合する固定ナットを前記可撓管接続用受口の外周面に設けられたネジ山に螺合させることにより接続するものであることを特徴とする請求項1に記載の集合ます。
【請求項3】
前記内壁面は、前記ます本体と一体成形されているものであることを特徴とする請求項1に記載の集合ます。
【請求項4】
前記内壁面は、前記可撓管接続用受口と向き合う他の流入口を閉塞するために装着されたプラグにより形成されているものであることを特徴とする請求項1に記載の集合ます。
【請求項5】
前記流出口は、前記可撓管接続用受口を含む流入口に対し同径又は大径であることを特徴とする請求項1に記載の集合ます。
【請求項6】
前記可撓管接続用受口は、それ以外の流入口に対し同径又は大径であることを特徴とする請求項1に記載の集合ます。
【請求項7】
前記ます本体の上部壁面上には、上方へ向けて筒状に延びており、かつその内部は前記上部壁面上で閉ざされている予備差口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の集合ます。
【請求項8】
前記予備差口は、通気弁を備えていることを特徴とする請求項7に記載の集合ます。
【請求項9】
前記可撓管接続用受口は、前記可撓管接続用受口をさらに小さな受口へ変換するために前記固定手段により前記可撓管接続用受口へ固定される変換ソケットを備えていることを特徴とする請求項1に記載の集合ます。
【請求項10】
前記変換ソケットは、その受口に可撓管を着脱自在に接続するための第2の固定手段を含んでいることを特徴とする請求項9に記載の集合ます。
【請求項11】
前記第2の固定手段は、前記可撓管を前記変換ソケットの受口の中へ挿入した後、前記可撓管の谷部に嵌め込まれた突起物と係合する固定ナットを前記変換ソケットの受口の外周面に設けられたネジ山に螺合することにより接続するものであることを特徴とする請求項10に記載の集合ます。
【請求項12】
請求項1に記載の集合ますと、
周囲が鞘管により保護されており、かつ前記集合ますの流出口へ直接又は間接的に接続される可撓管又は可撓管継手とからなることを特徴とする建物排水システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−126970(P2010−126970A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302075(P2008−302075)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000000505)アロン化成株式会社 (317)
【Fターム(参考)】