説明

集合住宅インターホンシステム

【課題】集合住宅の共用部において電気自動車の充電をおこなうことができ、充電完了情報等を居室親機のモニタに表示させることができる集合住宅インターホンシステムを提供する。
【解決手段】集合玄関機と、居室親機と、インターホン制御機とから構成される集合住宅インターホンシステムであって、インターホン制御機には、電気自動車等の電機自動車を充電するための充電部が接続された充電制御機が接続され、充電制御機は、居住者に有効な暗証番号、固有ID等の暗証情報が記憶された暗証情報記憶部と、暗証情報記憶部に記憶された暗証情報と受信した暗証情報と比較する暗証情報認証部と、暗証情報認証部で一致した場合に充電部での充電を許可する制御をおこなう充電制御機CPUとを有し、居室親機は、充電制御機から送信される暗証情報が付加され、残り充電時間や充電にかかる概算費用等の充電情報をインターホン制御機を介して受信し、充電情報を表示部に表示する制御をおこなう居室親機CPUを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅インターホンシステムに係わり、特に共用部において電気自動車の充電をおこなうことができ、充電完了情報等を居室親機のモニタに表示させることができる集合住宅インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、電気自動車の開発が進んでおり、家庭でも充電することができるものとなっている。また、電気自動車の普及に伴い、集合住宅でも共用部で充電できる環境が整ってきている(例えば特許文献1)。
また、集合住宅にあっては駐車場等の共用部で充電をおこなった場合の費用は管理費等に含めて請求することができるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-152511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特に集合住宅においては電気自動車の普及が進むにつれて充電を希望する住人が増え、充電待ちが予想され、すぐにできたとしても充電にかかる時間が長い場合、充電が完了するまでその場にいなければならないため、使い勝手が悪いものとなる虞があった。また、室内で待っている場合においては充電が完了したのかを室内にいながら確認することができないため定期的に確認しに行く必要があり不便なものであった。
【0005】
本発明はこの点に鑑みて提案されたもので、集合住宅において、インターホンを用いて充電の予約ができるとともに充電状況を居室親機のモニタに表示することで室内にいながら容易に確認することができる集合住宅インターホンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明の第1の態様である集合住宅インターホンシステムは、来訪者が居住者を呼び出して通話するための集合玄関機と、来訪者の呼び出しに応答して通話するための居室親機と、集合玄関機及び居室親機を制御するためのインターホン制御機とから構成される集合住宅インターホンシステムであって、インターホン制御機には、電気自動車等の電機自動車を充電するための充電部が接続された充電制御機が接続され、充電制御機は、居住者に有効な暗証番号、固有ID等の暗証情報が記憶された暗証情報記憶部と、暗証情報記憶部に記憶された暗証情報と受信した暗証情報と比較する暗証情報認証部と、暗証情報認証部で一致した場合に充電部での充電を許可する制御をおこなう充電制御機CPUとを有し、居室親機は、充電制御機から送信される暗証情報が付加され、残り充電時間や充電にかかる概算費用等の充電情報をインターホン制御機を介して受信し、充電情報を表示部に表示する制御をおこなう居室親機CPUを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の態様である集合住宅インターホンシステムは、請求項1において、充電制御機は、充電部において充電が完了した場合、充電を停止させるとともに暗証情報を付加した充電完了通知信号を居室親機に送信し、居室親機CPUは、充電完了通知信号を受信したことを表示部で表示する制御をおこなうことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第3の態様である集合住宅インターホンシステムは、請求項1又は請求項2において、居室親機CPUは、予約操作部の操作により充電制御機に対して暗証情報が付加された充電部の使用を予め予約するための予約情報信号を送信する制御をおこなうことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第4の態様である集合住宅インターホンシステムは、請求項3において、電機自動車は移動可能なパレット上に駐車され、パレットは移動可能に制御するパレット制御機と接続されており、当該パレット制御機と充電制御機とが通信可能に接続され、パレット制御機には、使用者を特定する使用者情報とパレットIDとが関連付けて記憶するためのパレット記憶部と、記充電制御機に通知された予約情報信号を受信して、予約情報信号に付加された暗証情報から使用者情報を特定する使用者情報認証部と、使用者情報認証部により特定されたパレットIDに基づいて予約者の電機自動車が駐車されたパレットを充電部が設置された位置に移動させる制御をおこなうパレット制御機CPUを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、集合住宅内に設置された電気自動車の充電ステーションにおける充電状況を集合住宅インターホンシステムの居室親機のモニタで確認することができる。請求項2の発明によれば、電気自動車の充電が完了した場合には居室親機で報知されるので、充電している間中、居室親機の前で確認する必要がない。請求項3の発明によれば、充電ステーションの使用予約を居室親機からおこなうことができるので使用状況を現地にいって確認する必要がなく、確実に使用することが可能となる。請求項4の発明によれば、予約情報に基づいてパレットを移動させることができるので居住者は予約時間に充電ステーションまで足を運ぶ必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る実施形態である集合住宅インターホンシステムのシステム構成図である。
【図2】本発明に係る実施形態である集合住宅インターホンシステムのブロック図であり(a)は居室親機、(b)は充電制御機、(c)はパレット制御機である。
【図3】(a)(b)本発明に係る実施形態である集合住宅インターホンシステムの居室親機モニタの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による集合住宅インターホンシステムを適用した好ましい形態の実施例について、図を参照して説明する。
図1は、本発明の集合住宅インターホンシステムのシステム構成図であり、来訪者が居住者を呼び出すため集合玄関機1と、来訪者からの呼び出しに応答して通話するための居室親機3と、集合玄関機1及び居室親機3、後述する充電制御機4、パレット制御機5をそれぞれ制御するインターホン制御機2と、集合住宅の共用部等に設置され、電気自動車6を充電するための充電部40が接続された充電制御機4と、電気自動車6やその他自家用車が駐車される可動式のパレット50が接続されるパレット制御機5とから構成されている。
【0013】
また、居室親機2は、図2(a)に示すように、居住者が来訪者と通話するためのマイク31、スピーカ32及び通話回路33、充電情報や来訪者の映像、その他設定画面やメッセージを表示するための表示部34、通話操作や充電予約操作等の各種操作をおこなう操作部35、居室親機固有の居室ID情報を記憶する居室親機ID記憶部36、インターホン制御機2と通信するための通信回路37、居室親機3の各部を制御する居室親機CPU38とを有している。
【0014】
また、充電制御機4は図2(b)に示すように、居室ID情報、居住者に有効な暗証番号又は固有ID等の暗証情報が記憶された暗証情報記憶部41、当該暗証情報記憶部に記憶された暗証情報と受信した暗証情報と比較する暗証情報認証部42、インターホン制御機2と通信するための通信回路43、充電部40と通信するための通信回路44、暗証情報認証部42で一致した場合に充電部40での充電を許可する制御等の各種制御をおこなう充電制御機CPU45を備えている。
更に、パレット制御機5は、図2(c)に示すようにパレットを使用する使用者を特定する居室ID情報、居住者に有効な暗証番号又は固有ID等の使用者情報とパレットIDとが関連付けて記憶するための使用者情報記憶部51、居室親機3から充電制御機4に通知された予約情報信号を受信して、予約情報信号に付加された暗証情報から使用者情報を特定する使用者情報認証部52、インターホン制御機2と通信するための通信回路53、パレット50と通信するための通信回路54、当該使用者情報認証部により特定されたパレットIDに基づいて予約者の電気自動車が駐車されたパレットを充電部40が設置された位置に移動させる制御等をおこなうパレット制御機CPU55を備えている。
【0015】
なお、使用者情報は、暗証情報と同一であってもよい。以下、使用者情報と暗証情報とが同一である場合の動作を説明するが異なっている場合であっても双方を関連付けられて記憶されるためどちらの情報からでも特定できるよう構成されている。
このように構成された集合住宅インターホンシステムについて、以下、動作を説明する。なお、集合玄関機1から居住者を呼び出すために居室番号を入力して居室親機3から呼出報知をおこない、それを確認した居住者が通話操作等をおこなって来訪者と通話し、必要に応じて、別途接続されたオートドア(図示せず)を解錠する動作等については従来と同様であるので説明を省略し、本実施例では、パレットに駐車した電気自動車に対し手充電部において充電した場合の動作について詳述するものとする。
【0016】
居住者は、充電部40を使用するに当たり予め、固有の暗証番号やID等の暗証情報が付与されており、電気自動車6を充電部40で充電するにあたり、充電部40に備えた居室ID情報入力部、暗証番号入力部又はID認証部(図示せず)で暗証情報を入力すると、当該暗証情報が充電制御機4に送信される。充電制御機4では通信回路44を介して充電制御機CPU45で受信し、暗証情報と暗証情報記憶部41に予め記憶した暗証情報とを暗証情報認証部42で比較し、使用者を特定する。
【0017】
暗証情報認証部42で認証され居住者が特定できた場合には、充電制御機CPU45の制御により通信回路44を介して充電部40の使用を許可する使用許可信号を送信する。これにより、使用者は充電部40を用いて電気自動車6の充電を開始することができる。さらに充電制御機4は、充電制御機CPU45の制御により、充電部40から充電時間等の情報を通信回路44を介して受信し、充電にかかる概算費用等の充電情報を算出し、当該充電情報に暗証情報を付加して通信回路43を介してインターホン制御機2に送信する。
【0018】
インターホン制御機2では暗証情報から使用者の居室親機3を特定し、充電情報を当該居室親機に送信する。居室親機3では通信回路37を介して居室親機CPU38で受信し、図3(a)に示すように表示部34に充電情報を表示させるように制御する。これにより、居住者及び後述する順番待ちをする人は充電中であっても自宅に戻ることができるし、残りの充電時間等を居室親機で確認することができるので充電終了間近になったら充電部40までいくことができるので時間を有効に活用することができる。なお、充電制御機CPU45は、充電部40での充電が完了すると、充電部40での充電を停止させるとともに、充電情報と同様の経路で充電が完了したことを知らせる充電完了通知信号を送信する制御をおこなう。これを受信した居室親機3では表示部34に充電が完了したことを表示させると共に、スピーカ32から充電完了通知音を報知することができる。
【0019】
次に、充電部40が使用されている場合について説明する。他の居住者が充電部40を使用している場合、充電部40で使用予約をすることができる。これは、上記実施例のように暗証情報を入力することで予約をすることができる。また、居室親機にて次のように予約することも可能である。充電部40を使用したい居住者は、居室親機3の操作部35を操作して、充電部40の使用状況を確認するために使用状況確認信号を送信する。当該使用状況確認信号は、居室親機CPU38から通信回路37を介してインターホン制御機2に送信され、更に充電制御機4に送信される。充電制御機4では通信回路43を介して充電制御機CPU45で受信し、現在の使用状況を逆の経路で居室親機3に返信する。これを受信した居室親機3では図3(b)に示すように表示部34に使用状況を表示させることができる。
【0020】
これを確認した居住者は、操作部35を操作して、使用したい日時を入力する。また、日時を入力せず空き次第指定することもできる。このとき暗証情報とともに入力してもよい。なお、暗証情報を入力しない場合には、居室ID記憶部36に記憶された居室ID情報を自動的に付加して送付する。そして、居室親機CPU38は、操作部35で入力した予約情報を使用状況確認信号と同様の経路で充電制御機4に送信し、予約を完了することができる。充電制御機4の充電制御機CPU45は予約情報に従って充電部40での充電を許可することができる。なお、予約時間から所定時間経過しても充電部40を使用しない場合には、充電制御機CPU45の制御により予約がキャンセルされ、キャンセルしたことを居室親機3に通知することができる。この通知は使用状況を確認したときと同様の経路で居室親機3に通知され表示部34及びスピーカ32で報知される。
【0021】
また、電気自動車6が可動式のパレット50に駐車されている場合には、充電制御機4の充電制御機CPU45の制御によりパレット50を制御するパレット制御機5に対して予約情報を定期的に送信する。また、パレットの使用者である居住者がパレット制御機5に対してどのパレット50に駐車したかを通知するために使用者情報(暗証情報)を入力する。この場合において、パレット制御機5のパレット制御機CPU55は、充電制御機4から定期的に送信される予約情報に付加された暗証情報とパレット制御機5の使用者情報記憶部51に記憶された使用者情報とを使用者情報認証部52で比較し認証する。これにより、予約者のパレット50が特定されるのでパレット制御機CPU55の制御により充電部40がある場所へパレット50を移動させる制御をおこなうことができる。これにより、充電部40は自動的に充電を開始し、終了したら次のパレット50を移動させることができるので、居室親機3にて居住者は充電完了通知がなされたことを確認するだけでよい。なお、上記実施例においては、使用者が使用するパレットは任意としての説明しているが、予め使用するパレットが決められており、その情報をパレット制御機5の使用者情報記憶部51に記憶するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0022】
1・・・ 集合玄関機
2・・・ インターホン制御機
3・・・ 居室親機
34・・・ 表示部
35・・・ 操作部
36・・・ 居室ID記憶部
38・・・ 居室親機CPU
4・・・ 充電制御機
40・・・ 充電部
41・・・ 暗証情報記憶部
42・・・ 暗証情報認証部
45・・・ 充電制御機CPU
5・・・ パレット制御機
50・・・ パレット
51・・・ 使用者情報記憶部
52・・・ 使用者情報認証部
6・・・ 電気自動車


【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者が居住者を呼び出して通話するための集合玄関機と、前記来訪者の呼び出しに応答して通話するための居室親機と、前記集合玄関機及び前記居室親機を制御するためのインターホン制御機とから構成される集合住宅インターホンシステムであって、
前記インターホン制御機には、電気自動車等の電機自動車を充電するための充電部が接続された充電制御機が接続され、
前記充電制御機は、居住者に有効な暗証番号、固有ID等の暗証情報が記憶された暗証情報記憶部と、前記暗証情報記憶部に記憶された暗証情報と受信した暗証情報と比較する暗証情報認証部と、前記暗証情報認証部で一致した場合に前記充電部での充電を許可する制御をおこなう充電制御機CPUとを有し、
前記居室親機は、前記充電制御機から送信される前記暗証情報が付加され、残り充電時間や充電にかかる概算費用、充電待ち人数、現在の充電量等の充電情報をインターホン制御機を介して受信し、前記充電情報を表示部に表示する制御をおこなう居室親機CPUを備えたことを特徴とする集合住宅インターホンシステム。
【請求項2】
前記充電制御機は、前記充電部において充電が完了した場合、充電を停止させるとともに暗証情報を付加した充電完了通知信号を前記居室親機に送信し、
前記居室親機CPUは、前記充電完了通知信号を受信したことを前記表示部で表示する制御をおこなうことを特徴とする請求項1記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項3】
前記居室親機CPUは、予約操作部の操作により前記充電制御機に対して前記暗証情報が付加された前記充電部の使用を予め予約するための予約情報信号を送信する制御をおこなうことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の集合住宅インターホンシステム。
【請求項4】
前記電機自動車は移動可能なパレット上に駐車され、前記パレットは移動可能に制御するパレット制御機と接続されており、当該パレット制御機と前記充電制御機とが通信可能に接続され、
前記パレット制御機には、使用者を特定する使用者情報とパレットIDとが関連付けて記憶するための使用者情報記憶部と、記充電制御機に通知された予約情報信号を受信して、前記予約情報信号に付加された前記暗証情報から使用者情報を特定する使用者情報認証部と、前記使用者情報認証部により特定されたパレットIDに基づいて予約者の電機自動車が駐車されたパレットを前記充電部が設置された位置に移動させる制御をおこなうパレット制御機CPUを備えたことを特徴とする請求項3記載の集合住宅インターホンシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−160803(P2012−160803A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17502(P2011−17502)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】