説明

電動リールのモータ冷却装置

【課題】モータ冷却装置において、冷却効率をさらに高める。
【解決手段】モータ冷却部材50は、釣り糸を前方に繰り出す電動リールのリール本体2に保持されるモータ4を冷却するための部材である。モータ冷却部材50は、固定部52と、冷却部54と、連結部56と、を備えている。固定部52は、リール本体2に固定可能である。冷却部54は、リール本体2の糸繰り出し側の前部であって、巻き取り時に釣り糸FLが通る位置の下方に配置される。連結部は56、固定部52と冷却部54とを連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置、特に、釣り糸を前方に繰り出す電動リールのリール本体に固定される保持部材により保持されるモータを冷却するための電動リールのモータ冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータでスプールを糸巻取方向に回転させる電動リールでは、モータを冷却するためにモータを保持する保持部材に冷却フィンを設けている。放熱フィンだけでは、特にモータが大型化すると、放熱効率が充分ではないことがある。そこで、モータ又はモータを駆動するモータ駆動部からの発熱を外部に逃がすためのヒートパイプを用いた電動リールのモータ冷却装置が従来知られている(例えば、特許文献1参照)。従来のモータ冷却装置は、モータ又はモータ駆動部に設けられた伝熱部とリール本体の上部に設けられた放熱部とをヒートパイプで連結している。そして、モータ又はモータ駆動部で発生する熱を、ヒートパイプを介してリール本体の上部に逃がしている。放熱部は、リール本体にカウンタを設けるために設けられた板状の連結部の下面に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−191850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電動リールのモータ冷却装置では、放熱板を合成樹脂製のリール本体の上部に配置された連結部の下面に配置している。このため、放熱部が外気に接触しにくいため、放熱を充分に行えず、高い冷却効率を得にくい。
【0005】
本発明の課題は、電動リールのモータ冷却装置において、冷却効率をさらに高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明1に係る電動リールのモータ冷却装置は、釣り糸を前方に繰り出す電動リールのリール本体に保持されるモータを冷却するための装置である。電動リールのモータ冷却装置は、固定部と、冷却部と、連結部と、を備えている。固定部は、リール本体に固定可能である。冷却部は、リール本体の糸繰り出し側の前部であって、巻き取り時に釣り糸が通る位置の下方に配置される。連結部は、固定部と冷却部とを連結する。
【0007】
この電動リールの冷却装置では、リール本体に固定される固定部から連結部を経て冷却部にモータからの熱が伝達される。この冷却部は、リール本体の前部であって、釣り糸が通る位置の下方に配置されている。すなわち、通常の電動リールに設けられるレベルワインド機構の釣り糸案内部の下方に冷却部が配置される。このため、冷却部が外気に充分に接触する。さらに、モータにより釣り糸が巻き取られるとき、釣り糸に付着した水分が冷却部に滴り落ちる。ここでは、冷却部が、リール本体の前部であって、釣り糸が通る位置の下方に配置されている。このため、冷却部が外気に充分に接触するとともに、釣り糸に付着した水分によっても冷却部が冷やされる。これにより、モータ冷却装置の冷却効率がさらに高くなる。
【0008】
発明2に係る電動リールのモータ冷却装置は、発明1に記載の装置において、固定部、冷却部及び連結部は、アルミニウム合金製である。この場合には、熱伝達率が高く軽量なアルミニウム合金を冷却装置に用いることにより、重量増を抑えて冷却効率を高めることができる。
【0009】
発明3に係る電動リールのモータ冷却装置は、発明2に記載の装置において、冷却部は、アルミニウム合金製の板状部材を波板形状に折り曲げられている。この場合には、冷却部の外気との接触面積が大きくなるので、さらに冷却効率を高めることができる。
【0010】
発明4に係る電動リールのモータ冷却装置は、発明1から3のいずれかに記載の装置において、固定部、冷却部及び連結部は、一体形成されている。この場合には、固定部、冷却部及び連結部が一体形成されているので、熱伝達途中での損失が少なくなり、冷却効率をさらに高めることができる。
【0011】
発明5に係る電動リールのモータ冷却装置は、発明1から4のいずれかに記載の装置において、リール本体は、リング状の固定面を有するフレームと、固定面に固定され、モータを保持する保持部材と、を有する。固定部は、リング状であり、フレームと保持部材との間に配置される。連結部は、固定部から前方に延びて冷却部に連結される。この場合には、固定面と固定部がリング状であり、フレームと保持部材との間に配置されるので、保持部材のフレームへの固定と、固定部のフレームへの固定とを同時に行える。このため、モータ冷却装置のリール本体への組み付けが容易である。
【0012】
発明6に係る電動リールのモータ冷却装置は、発明5に記載の装置において、保持部材はアルミニウム合金製であり、外側面に複数の冷却フィンが形成されている。この場合には、保持部材でもモータを冷却できるので、冷却効率をさらに高めることができる。
【0013】
発明7に係る電動リールのモータ冷却装置は、発明1から6のいずれかに記載の装置において、電動リールは、釣り糸を巻き取るスプールの前方に配置され、釣り糸をスプールに均一に巻き付けるためのレベルワインド機構を有し、リール本体は、電動リールの前部をカバーする前カバーを有し、冷却部は、レベルワインド機構と、前カバーの間に配置される。この場合には、冷却部がレベルワインド機構と前カバーとの間に配置されるので、冷却部をリール本体の前部に設けても、リール全体の前後方向の長さの増加を抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、冷却部が、リール本体の前部であって、釣り糸が通る位置の下方に配置されている。このため、冷却部が外気に充分に接触するとともに、釣り糸に付着した水分によっても冷却部が冷やされる。これにより、冷却装置の冷却効率がさらに高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態が採用される電動リールの斜視図。
【図2】その縦断面図。
【図3】ハンドルと逆側の側カバーを外した状態の電動リールの側面一部断面図。
【図4】モータ冷却部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態を採用した電動リールは、図1に示すように、主にハンドル1が装着されたリール本体2と、リール本体2に回転自在に装着されたスプール3と、スプール3内に装着されたモータ4とを備えている。リール本体2の上部には、水深表示等を行うためのカウンタケース5が装着されている。リール本体2の内部には、図2に示すように、ハンドル1の回転をスプール3に伝達するとともに、モータ4の回転をスプール3に伝達する回転伝達機構6が設けられている。
【0017】
リール本体2は、図2に示すように、フレーム13と、フレーム13の両側方を覆う第1側カバー14及び第2側カバー15と、モータ4を保持するモータホルダ27(保持部材の一例)と、を有している。また、リール本体2は、フレーム13の前部を覆う前カバー23(図3参照)を有している。フレーム13は、アルミニウムダイキャスト製の一体成形された部材であり、1対の第1側板16及び第2側板17と、第1側板16及び第2側板17を複数箇所で連結する複数の連結部材18とを有している。第1側板16は、リング状の固定面16aを外側面に有している。下部の連結部材18には、釣り竿を装着するための竿装着脚19が装着されている。第1側板16は、周縁部にリブを有する板状部材である。
【0018】
第1側カバー14は、第1側板16の外方を覆う。第2側カバー15は、第2側板17の外方を覆う。第2側カバー15には、回転伝達機構6のハンドル軸が支持される。前カバー23は、フレーム13の第1側板16及び第2側板17の外側面に沿って延びる一対の耳部23aを有している。前カバー23は、耳部23aを挿通する図示しないボルト部材により、第1側板16及び第2側板17の外側面に固定されている。耳部23aは、第1側カバー14及び第2側カバー15を装着することより、カバーされる。
【0019】
モータホルダ27は、フレーム13に固定されている。モータホルダ27は、アルミニウム合金製のダイキャストされた部材であり、第1側板16の中心部の軸方向外側に配置され、固定ボルト26により第1側板16に固定されている。
【0020】
モータホルダ27には、モータ4が着脱可能に装着されている。モータ4は、スプール3内に形成されたモータ収納空間3aに収納されている。モータ収納空間3aは、グリス等によりシールされている。モータホルダ27の内部には、図2に示すように、軸方向内方(図2右方)に突出する筒状のモータ保持部27aと、モータ保持部27aの内周側から軸方向外方(図2左方)に突出するクラッチ収納部27bと、が形成されている。モータ保持部27aの軸方向内側の端面には、モータ4の蓋部材32が取付ボルト24により締結されている。また、モータ保持部27aの外周面には、スプール3の一端を回転自在に支持するためのシール付きの転がり軸受25が装着されている。転がり軸受25の外輪25aは、スプール3の内周面に装着され、内輪25bは、モータ保持部27aの外周面に装着され、モータ4とモータ保持部27aとによって挟持されている。クラッチ収納部27bの内周面には、ワンウェイクラッチ29が装着されている。ワンウェイクラッチ29は、ローラ式のものであり、モータ4の出力軸30の糸繰り出し方向の回転を禁止する。また、モータホルダ27の外側面には、図3に示すように、放射状に多数の放熱フィン27cが形成されている。
【0021】
スプール3の前方には、図3に示すように、レベルワインド機構20が設けられている。レベルワインド機構20は、スプール3に釣り糸を左右方向に均等に巻き付けるために設けられている。レベルワインド機構20は、スプール3の回転に連動して左右に移動する釣り糸案内部21と、釣り糸案内部21をスプール3に連動して左右に駆動する駆動機構22と、を有している。釣り糸案内部21には、スプールに巻き付けられる釣り糸が案内されるガイドリング21aが設けられている。駆動機構22は、ハンドル1装着側でスプール3の回転が伝達される交差する螺旋状溝を有する螺軸22aを有する。螺軸22aは、スプール3の前方にスプール3と平行に配置されている。
【0022】
モータホルダ27と、フレーム13の第1側板16との間には、本発明の一実施形態によるモータ冷却装置であるモータ冷却部材50が固定されている。モータ冷却部材50は、アルミニウム合金製の板状の部材である。モータ冷却部材50は、固定ボルト26によりモータホルダ27とともにフレーム13に固定されている。固定ボルト26は、第1側板16の内側面から第1側板16およびモータ冷却部材50を貫通してモータホルダ27にねじ込まれる。したがって、この実施形態では、モータ冷却部材50は、リール本体2のフレーム13に固定されている。しかし、モータ冷却部材50がリール本体2のモータホルダ27に固定されても良い。
【0023】
モータ冷却部材50は、フレーム13に固定される固定部52と、リール本体2の糸繰り出し側の前部に配置される冷却部54と、固定部52と冷却部54とを連結する連結部56と、を備えている。図4に示すように、固定部52は、第1側板16の固定面16aに配置されるリング状の板状の部分である。固定部52には、モータホルダ27と同様に、固定ボルト26が貫通する複数のボルト孔52aが周方向に間隔を隔てて形成されている。冷却部54は、図3に示すように、リール本体2の前部において、巻取時に釣り糸FLが通る位置の下方に配置されている。具体的には、冷却部54は、前カバー23と、レベルワインド機構20の間に配置されている。冷却部54は、図4に示すように、アルミニウム合金製の板状部材を波板形状に山形に折り曲げて形成されたフィン部54aを有している。折り曲げられたフィン部54aにより、冷却部54の外気との接触面積が大きくなる。連結部56は、固定部52から前方に延びている。
【0024】
モータ4は、リール本体2に回転自在に支持されたスプール3を糸巻取方向に駆動する。モータ4は、基端に円形の開口を有する有底筒状のケース部材31と、開口を塞ぐためにケース部材31の基端に固定された蓋部材32と、ケース部材31と蓋部材32とに回転自在に装着された出力軸30と、を有している。
【0025】
出力軸30は、ケース部材31と蓋部材32とに回転自在に装着されている。出力軸30の左端は蓋部材32から突出しており、そこには、セレーション30aが形成され、モータ4の逆転を防止するワンウェイクラッチ29がたとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。出力軸30の右端部30bは、図2に示すようにケース部材31の先端から突出している。この突出した先端には、回転伝達機構6を構成する2段減速の遊星歯車機構40が装着されている。
【0026】
カウンタケース5は、釣り糸の先端に装着された仕掛けの水深を表示するとともに、モータ4を制御するためにリール本体2の上部に設けられている。カウンタケース5には、図1に示すように、仕掛けの水深データや棚位置を水面からと底からとの2つの基準で表示するための液晶表示ディスプレイからなる水深表示部98と、水深表示部98の周囲に配置された複数のスイッチからなる操作キー部99とが設けられている。
【0027】
操作キー部99は、水深表示部98の下側に左右に並べて配置されたメニューボタンMBと、決定ボタンDBとを有している。メニューボタンMBは、水深表示部98内の表示項目を選択するために使用されるボタンである。決定ボタンDBは、選択結果を確定して設定するボタンである。棚メモボタンTBは、操作したときの仕掛けの水深を棚位置として設定するためのボタンである。また、決定ボタンDBをたとえば3秒以上長押しすると、そのときの水深データLXが水深0の基準位置としてセットされる0セット処理を行える。以降はセットされた基準位置からの糸長で水深データLXが表示される。なお、釣り人は通常、仕掛けが海面に着水したときに決定ボタンDBを長押しして0セットする。
【0028】
また、カウンタケース5の内部には、図3に示すように、液晶ディスプレイからなる水深表示部98やモータ4を制御するためのマイクロコンピュータからなるリール制御部100が収納されている。リール制御部100には、操作キー部99と、第2側カバー15に揺動自在に装着されスプールの速度や釣り糸の張力を調整するための調整レバー101(図1参照)と、スプール3の回転数と回転方向とを検出するスプールセンサ(図示せず)と、水深表示部98と、モータ4をパルス幅変調(PWM)したデューティ比で駆動するモータ駆動部102と、が接続されている。リール制御部100は、調整レバー101の操作量に応じてモータ4の巻き上げ速度や巻き上げトルクを制御する。また、スプールセンサの出力により釣り糸の先端に取り付けられる仕掛けの水深を算出し、それを水深表示部98に表示する。
【0029】
このように構成された電動リールでは、モータ4又はハンドル1で釣り糸をスプール3に巻き取るとき、水分を含んだ釣り糸が釣り糸案内部21のガイドリング21aに案内される。このとき、釣り糸に付着した水が冷却部54に滴り落ちる。この冷却部54に落ちた水によりモータ冷却部材50の冷却部54が冷やされる。また、冷却部54は、リール本体2の前部に配置されているため、外気に接触しやすい。これらにより、モータ冷却部材50の冷却効率がさらに高くなる。
【0030】
<他の実施形態>
(a)前記実施形態では、モータ冷却部材50を第1側板16側だけで固定したが、第2側板17側でも固定しても良い。
【0031】
(b)前記実施形態では、モータ冷却部材50において、固定部52と、連結部56と、冷却部54とを一体形成したが、別体で形成してもよい。例えば、固定部と連結部とを一体形成し、冷却部を別体で形成し、連結部にネジ止め、カシメ固定等の適宜の固定手段により固定してもよい。この場合、材料の歩留まりを向上させることができる。
【0032】
(c)前記実施形態では、モータ冷却部材50をアルミニウム合金製としたが、材質はこれに限定されない。例えば銅合金およびカーボン等の熱伝達率が高い素材でも良い。
【0033】
<特徴>
(A)電動リールのモータ冷却部材50は、釣り糸FLを前方に繰り出す電動リールのリール本体2に保持されるモータ4を冷却するための部材である。モータ冷却部材50は、固定部52と、冷却部54と、連結部56と、を備えている。固定部52は、リール本体2に固定可能である。冷却部54は、リール本体2の糸繰り出し側の前部であって、巻き取り時に釣り糸FLが通る位置の下方に配置される。連結部56は、固定部52と冷却部54とを連結する。
【0034】
この電動リールのモータ冷却部材50では、リール本体2に固定される固定部52から連結部56を経て冷却部54にモータ4からの熱が伝達される。この冷却部54は、リール本体の前部であって、釣り糸FLが通る位置の下方に配置されている。すなわち、通常の電動リールに設けられるレベルワインド機構20の釣り糸案内部21の下方に冷却部54が配置される。このため、冷却部54が外気に充分に接触する。さらに、モータ4により釣り糸FLが巻き取られるとき、釣り糸FLに付着した水分が冷却部54に滴り落ちる。ここでは、冷却部54が、リール本体2の前部であって、釣り糸FLが通る位置の下方に配置されている。このため、冷却部54が外気に充分に接触するとともに、釣り糸FLに付着した水分によっても冷却部54が冷やされる。これにより、モータ冷却部材50の冷却効率がさらに高くなる。
【0035】
(B)モータ冷却部材50において、固定部52、冷却部54及び連結部56は、アルミニウム合金製である。この場合には、熱伝達率が高く軽量なアルミニウム合金をモータ冷却部材50に用いることにより、重量増を抑えて冷却効率を高めることができる。
【0036】
(C)モータ冷却部材50において、冷却部54は、アルミニウム合金製の板状部材を波板形状に折り曲げられている。この場合には、冷却部54の外気との接触面積が大きくなるので、さらに冷却効率を高めることができる。
【0037】
(D)モータ冷却部材50において、固定部52、冷却部54及び連結部56は、一体形成されている。この場合には、固定部52、冷却部54及び連結部56が一体形成されているので、熱伝達途中での損失が少なくなり、冷却効率をさらに高めることができる。
【0038】
(E)モータ冷却部材50において、リール本体2は、リング状の固定面16aを有するフレーム13と、リング状の固定面16aに固定され、モータ4を保持するモータホルダ27と、を有する。固定部52は、リング状であり、フレーム13とモータホルダ27との間に配置され、連結部56は、固定部52から前方に延びて冷却部54に連結される。この場合には、固定面16aと固定部52がリング状であり、フレーム13とモータホルダ27との間に配置されるので、モータホルダ27のフレーム13への固定と、固定部52のフレーム13への固定とを同時に行える。
【0039】
(F)モータ冷却部材50において、モータホルダ27は、アルミニウム合金製であり、外側面に複数の冷却フィンが形成されている。この場合には、モータホルダ27でもモータ4を冷却できるので、冷却効率をさらに高めることができる。
【0040】
(G)モータ冷却部材50において、電動リールは、釣り糸を巻き取るスプール3の前方に配置され、釣り糸をスプールに均一に巻き付けるためのレベルワインド機構20を有する。リール本体2は、電動リールの前部をカバーする前カバー23を有し、冷却部54は、レベルワインド機構20と、前カバー23の間に配置される。この場合には、冷却部54がレベルワインド機構20と前カバー23との間に配置されるので、冷却部54をリール本体2の前部に設けても、リール全体の前後方向の長さの増加を抑えることができる。
【符号の説明】
【0041】
2 リール本体
3 スプール
4 モータ
13 フレーム
16a 固定面
20 レベルワインド機構
23 前カバー
27 モータホルダ
27c 放熱フィン
50 モータ冷却部材
52 固定部
54 冷却部
54a フィン部
56 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸を前方に繰り出す電動リールのリール本体に保持されるモータを冷却するための電動リールのモータ冷却装置であって、
前記リール本体に固定可能な固定部と、
前記リール本体の糸繰り出し側の前部であって、巻き取り時に釣り糸が通る位置の下方に配置される冷却部と、
前記固定部と前記冷却部とを連結する連結部と、
を備える電動リールのモータ冷却装置。
【請求項2】
前記固定部、冷却部及び連結部は、アルミニウム合金製である、請求項1に記載の電動リールのモータ冷却装置。
【請求項3】
前記冷却部は、アルミニウム合金製の板状部材を波板形状に折り曲げられている、請求項2に記載の電動リールのモータ冷却装置。
【請求項4】
前記固定部、冷却部及び連結部は、一体形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の電動リールのモータ冷却装置。
【請求項5】
前記リール本体は、リング状の固定面を有するフレームと、前記固定面に固定され、前記モータを保持する保持部材と、を有し、
前記固定部は、リング状であり、前記フレームと前記保持部材との間に配置され、
前記連結部は、前記固定部から前方に延びて前記冷却部に連結される、請求項1から4のいずれか1項に記載の電動リールのモータ冷却装置。
【請求項6】
前記保持部材は、アルミニウム合金製であり、外側面に複数の冷却フィンが形成されている、請求項5に記載の電動リールのモータ冷却装置。
【請求項7】
前記電動リールは、前記釣り糸を巻き取るスプールの前方に配置され、前記釣り糸を前記スプールに均一に巻き付けるためのレベルワインド機構を有し、
前記リール本体は、前記電動リールの前部をカバーする前カバーを有し、
前記冷却部は、前記レベルワインド機構と、前記前カバーの間に配置される、請求項1から6のいずれか1項に記載の電動リールのモータ冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−200164(P2012−200164A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65326(P2011−65326)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】