電動工具
【課題】 本発明の目的は、本体ハウジングを大型化することなくブレードを収納できるジグソーを提供することである。
【解決手段】 ベース7にブレード収納部15を設け、ブレード4と六角棒スパナ13を中心軸Aに対して反対に配置し、さらに、ブレード4が抜け落ちないようにするためにブレード4をブレード収納部15に付勢する付勢部材20を設ける。このような構成とすることにより、中心軸部分は集塵口として使うことができる。また、ベースの角度調整の領域も広げることができ、従来のベースとしての機能をそのまま有することができる。さらに本体を小型化することもでき、操作性を向上させることができる。
【解決手段】 ベース7にブレード収納部15を設け、ブレード4と六角棒スパナ13を中心軸Aに対して反対に配置し、さらに、ブレード4が抜け落ちないようにするためにブレード4をブレード収納部15に付勢する付勢部材20を設ける。このような構成とすることにより、中心軸部分は集塵口として使うことができる。また、ベースの角度調整の領域も広げることができ、従来のベースとしての機能をそのまま有することができる。さらに本体を小型化することもでき、操作性を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジグソー等の電動工具に係り、特にその付属部品としての六角棒スパナ及びブレードの収納部を有する電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブレード収納部を有するジグソーについて特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1に開示されているジグソーは図13に示すように、ジグソー100は、被切断材W上に当接し被切断材W上を摺動するベース101と、そのベース101上に配置されてブレード102の駆動機構を内臓する本体ハウジング103とを備えており、ブレード102を収納するためのブレード収納部104を本体ハウジング103に設け、ブレード収納部104には、ブレード102を差し込み可能な凹部を形成するためのリブが設けられている。
【0003】
そのため、ベース101上面の限られたスペースを他の用途、例えば集塵機構の設置スペースとして使うことができる。さらに、凹部を設けたことによりブレード収納部104に収納されたブレード102が本体の振動の影響によって脱落する恐れがなく、しかも、ブレード104を手際良く着脱できるようになっている。
【0004】
一方、特許文献2に開示されているジグソーは図14に示すように、ジグソー110は、被切断材に当接し被切断材上を摺動するベース111と、ベース111上に配置されてブレード112の駆動機構を内蔵する本体ハウジング113とを備えている。ベース111は、本体ハウジング側の上部ベース111aと、上部ベース111aの下方に位置し一方端側が上部ベース111aの一方端側と係止し、他方端側が上部ベース111aの他方端との間に開口部を持ち被切断材と当接する下部ベース111bとで形成されている。また、ベース111の上部ベース111aには下部ベース111b側に付勢された弾性部材が設けられ、かつ前記開口部と連通した収納室が設けられている。
【0005】
そのため、ベース111に開口部からにブレード112や六角棒スパナ114を収納できるようになっていると共に、弾性部材によりブレード112や六角棒スパナ114が下部ベース111bに付勢されているため、抜け落ちることを防止することができかつ振動によるガタツキも防止することができる。
【0006】
【特許文献1】特開平10−217201
【特許文献2】実開平4−45621
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12に示すように、従来のジグソー100におけるブレード収納部104は、本体ハウジング103に設けてあるため、ブレード収納部104を確保するために本体ハウジング103が大きくなってしまう。さらにブレード収納部104は、本体ハウジング103の大きさで決まってしまうため、長いブレードを収納するためには、本体ハウジング103を余分に大きくしなければならない。ブレードには長さや形状が違うものなど種々のタイプがあるため、これら全てのブレードをブレード収納部104に収納できるようにすることは困難である。
【0008】
また、図13に示すようにベース111にブレード収納部を設けた場合では、種々のブレードを収納できるが、上部ベース111aと下部ベース111bの2つの部品でブレード収納部を構成しているため、上部に大きなスペースを必要としてしまう。ベースの角度調整等を行うためには、ベース上部のスペースを使うため、角度調整の範囲が狭くなってしまう。また、上部ベース111aと下部ベース111bで部品を二つ使用しているため、部品のコストもかかってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、上記した問題を解決し、本体やベースを大型化することなく、ブレード収納部を簡単な構成で安価に構成できる電動工具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、被切削材と当接するベースと、該ベース上部に配置されブレードの駆動機構を内蔵する本体ハウジングとを備えた電動工具において、前記ベースの上面に前記ブレード収納部を設けた電動工具を提供する。
【0011】
このような構成によると、ブレード収納部をベース上面に設けたためベースを2部品で構成する必要がなく簡単な構成にすることができると共に、ブレードの収納状態を目視で確認できるようになり作業性を向上することができる。また、ベースにブレード収納部を設けたため本体を小型化でき安定した切削作業ができるようになる。
【0012】
また、前記ベースは前記本体ハウジングに対して締結部材により着脱可能であり、前記締結部材を収納するための締結部材収納部を前記ベースに設けると共に、前記ブレード収納部と前記締結部材収納部を前記ベースの長手方向中心軸に対して対称に配置してもよい。
【0013】
このような構成によると、ベースにブレードと締結部材とを収納する収納部を設けたため、不使用の際にはベースに収納しておくことができるのでそれらの部品を損失することを防止できる。また、ベース上面のスペースを有効に活用できる。更に、本体をベースに対して傾斜させた際に収納部やブレード等の部品が邪魔にならず従来のベースとしての機能を維持することができる。また、ベースの中心軸部分を他の機能例えば集塵口として使うことができる。
【0014】
また、前記ベースに前記ブレードを差込み可能な凹部を設け、さらに前記ブレードの抜け止めのために前記ブレードの側面側を付勢する付勢手段を設けてもよい。
【0015】
このような構成によると、凹部にブレードが収納でき更にブレードの側面を付勢部材により付勢するため、切削作業時の振動等によってブレードが収納部から抜け落ちることを防止できる。
【0016】
また、前記ブレード収納部は、一端側に前記ブレードの先端が当接すると共に、他端側に前記ブレードが挿入された際に前記ブレードと勘合するリブを設けてもよい。
【0017】
このような構成によると、ブレード側面を付勢する付勢部材に加えてブレード端部をリブにより押さえるため、より一層ブレードの抜け止め効果を図ることができる。
【0018】
また、前記ベースは前記本体ハウジングに対して締結部材により着脱可能であり、前記締結部材を収納するための締結部材収納部を前記ベースに設けると共に、前記ブレードと前記締結部材を前記ベースに収納した際に前記締結部材は前記ブレードの抜け止め防止手段を兼ねるようにしてもよい。
【0019】
このような構成によると、ベースにブレードと締結部材とを収納する収納部を設けたため、不使用の際にはベースに収納しておくことができるのでそれらの部品を損失することを防止できる。また、締結部材によりブレードの抜け止めを行うため、ブレードの抜け止め機構を別途設ける必要がなくなり構成を簡単にすることができる。
【0020】
また、前記ブレードと前記締結部材を前記ベースに収納した際に前記ブレード及び前記締結部材を付勢する付勢手段を設けてもよい。
【0021】
このような構成によると、ブレード及び締結部材の両方を共通の付勢手段で付勢することができるため安価な構成とすることができる。
【0022】
また、前記締結部材は略L字状の部材からなり、該L字状部材は、前記締結部材収納部に収納された際に前記ベースの長手方向側面に沿って収納される第1部分と、該第1部分から略垂直に延びる第2部分とから成り、前記締結部材収納部は該第2部分の長手方向面の一方をガイドするガイド部を有し、前記ブレードは前記締結部材が前記ガイド部にガイドされた際に前記第2部分により抜け止めされるようにしてもよい。
【0023】
このような構成によると、締結部材によってブレードが抜け止めされるため別途抜け止めようの機構を設ける必要がなく安価な構成とすることができる。
【0024】
また、前記ブレード収納部と前記締結部材収納部を前記ベースの長手方向中心軸に対して一方側に設けてもよい。
【0025】
このような構成とすると、ベースの反対側のスペースを他の用途に使用することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、本体やベースを大型化することなく、ブレード収納部を簡単な構成で安価に構成できる。また、ブレードの抜け止めを簡単な構成で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の電動工具をジグソーに適用した場合の実施形態について図1乃至図11を用いて説明する。
【0028】
まず、本発明のジグソーについて図1乃至図3を用いて説明する。図1は本発明ジグソーの側面断面図、図2は本発明ジグソーが垂直状態のときの正面図、図3は本発明ジグソーが傾斜状態のときの正面図である。ジグソー1は、ハウジング2内にモータ3と、モータ3の出力軸と同軸に固定されたファン10と、モータ3の回転をブレード4の往復動に変換するための駆動部5を収納している。ハウジング2の底面側には六角穴付きボルト6を介してベース7が着脱可能に固定されている。ベース7の長手方向の一方側には後述するブレード4が挿入される開口部が形成されており、他方側にはブレード4により被切断材を切断した際に発生する切粉を排出したり、切粉を集塵するための集塵装置を取り付けるための集塵口8が設けられている。また、ハウジング2の前側にはブレード4の往復動の速度を調整するための速度調整ダイヤル9が設けられている。ジグソー1を駆動する場合、ジグソー1を電源に接続しトリガ11をオンすることによりモータ3が回転する。モータ3の回転は駆動部5に伝達され、モータ3の回転運動が駆動部5によりブレード4の往復運動に変換される。ブレード4の往復運動により被切削材が切削される。
【0029】
通常、ジグソー1は図2に示すように、ハウジング2がベース7に対して垂直に位置しており被切削材Wの垂直切削を行うことができるが、ハウジング2(ジグソー1)をベース7に対して傾斜させて任意の角度で被切削材Wを切削することもできる。この場合は、図3に示すように、ボルト6を緩めてベース7に対してハウジング2を所望の角度に傾斜させ、その後再びボルト6を締め付ければベース7はハウジング2に対して所望の角度に固定されるため傾斜切削が可能となる。
【0030】
次に本発明のベース2の構造について図4乃至図10を用いて説明する。図4は本発明ジグソーのベースの第1実施形態を示す上面図、図5は図4のA−A断面図、図6は図4のB−B断面図、図8は本発明ジグソーのベースの第2実施形態を示す上面図、図8は本発明ジグソーのベースの第3実施形態を示す上面図、図9は本発明ジグソーのベースの第4実施形態を示す上面図、図10は図9のA−A断面図、図11は図9のB−B断面図、図12は図11のC部拡大図である。
【0031】
図4及び図6において、ベース7は、ハウジング2に当接するベース当接部12と、締結部材となる六角棒スパナ13を収納するスパナ収納部14と、ブレード4を収納するブレード収納部15と、ブレード4が貫通する開口部16とを備えている。ベース当接部12は、被切削材Wと当接するベース底面7aと対向しハウジング2側に位置するベース上面7bから円弧状に突出して設けられている。ベース当接部12にはボルト6が貫通するボルト孔17が設けられており、ボルト孔17はベース当接部12の長手方向に延びた第1孔部17aと、第1孔部17aに対して垂直方向に円弧方向に延びた第2穴部17bからなり略T字状に構成されている。なお、ベース当接部17の円弧状部の内側には空洞になっており、この空洞は切削した切粉等を排出したり集塵装置を接続するための集塵口8として機能する。
【0032】
また、ベース当接部12のボルト孔17に対して反開口部16側には、傾斜ガイド部18が設けられている。傾斜ガイド部18はハウジング2(ジグソー本体)側に設けられた不図示の突起が当接し該突起をガイドするために設けられている。傾斜ガイド部18はベース当接部12の長手方向に延びた第1ガイド部18aと、第1孔部17aに対して垂直方向に円弧方向に延びた第2ガイド部からなり略T字状に構成されている。
【0033】
ベース7に対してハウジング2(ジグソー本体)を垂直状態にする場合、ボルト6はボルト孔17の第1孔部17aに挿入される。このとき、ハウジング2の不図示の突起は傾斜ガイド部18の第1ガイド部18aによりガイドされるため、ハウジング2はベース7に対して垂直状態に維持され、この状態でボルト6を締め付ければ垂直状態での切削作業が可能となる。なお、突起の幅は、第1ガイド部18aの円弧方向の幅と同じとなっているため、ハウジング2がベース7に対して円弧方向(傾斜方向)に傾斜できないため垂直状態を維持することができる。
【0034】
一方、ベース7に対してハウジング2(ジグソー本体)を任意の角度に傾斜する場合には、ベース7をハウジング2に対してベース7の長手方向(図4の左方向)に移動させてボルト6をボルト孔17の第2孔部17bに挿入する。このとき、ハウジング側の突起は傾斜ガイド部18の第1ガイド部18aとの係合が外れ第2ガイド部18bに係合することになる。よって、ハウジング2をベース7に対して傾斜させることにより、突起は第2ガイド部18bによってガイドされて移動するため、所望の角度でボルト6を締め付ければ所望の傾斜角度での切削作業が可能となる。
【0035】
スパナ収納部14は、ベース7をハウジング2に対して固定するためのボルト6の締め付け等を行う六角棒スパナ13を収納する。六角棒スパナ13は略L字の形状をしている。スパナ13は、スパナ13をスパナ収納部14に収納した際にベース7の長手方向に延びる第1部分13aと、第1部分13aと略直角に延びる第2部分13bとから形成されている。スパナ13の第1部分13aはスパナ収納部14のベース7の長手方向に延びる第1収納部14aに収納され、第2部分13bは第1収納部14bと略直角に設けられた第2収納部14bに収納される。第1収納部14aの一部にはスパナ13の第1部分13aを保持するための凹部が形成されている。スパナ13をスパナ収納部14に収納する場合は、スパナ13の第2部分13bがベース7に対して上方を向く位置にして第1部分13aを第1収納部14aにスライドさせて凹部14cに挿入し、その後、第2部分13bを回動させて第2部分13bを第2収納部14bに収納する。スパナ13は凹部14c及び第2収納部14bにより保持されるためスパナ13が抜け止めされる。また、スパナ13はスパナ付勢部材19によりスパナ収納部14側に付勢されているため、スパナ13の抜け止めがより一層強化される。
【0036】
ブレード収納部15は、ブレード4を収納するためのものであり、ブレード4をベース7の長手方向にスライドさせてブレード収納部15に収納する。ブレード収納部15にはブレード4が挿入される凹部15aが二箇所設けられておりブレード4を保持している。なお、凹部15aは二箇所に限られるものではない。また、ベース7にはブレード収納部15に収納されたブレード4を付勢するためのブレード付勢部材20が設けられておりブレード4を抜け止めしている。
【0037】
ブレード収納部15は、図6に示すように、ブレード4を縦向き、すなわちブレード4の刃部をベース7の底面7b側に向けて収納している。ブレード4をブレード収納部15にスライドさせブレード先端が収納部先端部15bに当接するまでスライドさせるとブレード4はブレード収納部15に収納される。ブレード4は二箇所設けた凹部15aにより上下方向の移動(振動)が制限され、且つ、ブレード付勢部材20により左右方向(ブレードの側面方向)の移動が制限されるため、ブレード4が収納部15から抜け落ちることはない。なお、開口15cはベース7の成形する際、特に凹部15aを形成する際に設けられる。また、ブレード4をブレード収納部15に収納した場合、ブレード4はベース7の上面7aより突出しないため、傾斜作業字に傾斜を妨げることはなくベース7自体の大型化を防止することができる。
【0038】
また、図5に示すように、スパナ13及びブレード4はそれぞれの収納部の凹部14c及び15aにより保持され、且つ付勢部材によりベース7に付勢されているため、振動等によってベース7から抜け落ちることはない。また、ブレード収納部15は、全体を凹部15aで囲んでおらず部分的に囲んでいるため、ブレード4の保持状態を目視で確認することができるようになっているため作業性を向上することができる。なおスパナ収納部14についても同様であり、スパナ13やブレード4の紛失を防止することができる。
【0039】
また、図4に示すように、スパナ収納部14とブレード収納部15とを中心軸Aに対して対称に設けたため、ベース7の横幅を最小限に抑えることができ、ベース上方のスペースを有効活用することができる。更に、各収納部はベース7を型抜きする場合にも特殊な作業を必要とせずに対応できるためベース自体を二部品構成とする必要がなく一部品で構成でき、安価で簡単に収納部を形成することができる。更に、ベース7に各収納部を設けることによりハウジング2に収納部を設ける必要がなくなりハウジング2(ジグソー本体)の大型化を防止することができる。
【0040】
また、付勢部材19、20はベース7上のスペースを有効的に利用し、スパナ13、ブレード4を側面側から付勢する構成にしているため、ベース7の大型化を防止でき、更に、凹部14c、15aとともにスパナ13、ブレード4の抜け止めをより一層強化することができる。
【0041】
なお、図4ではブレード付勢部材20を弾性体であるゴムを用いたが、図7に示す第2実施形態のように板バネ20aを用いてもよい。付勢部材20(20a)による付勢力を変更することにより、本実施形態では、ブレード2枚を収納することを想定しているが、収納するブレード4の枚数を変えた場合や刃厚が大きいものであっても対応することができる。また、ブレード4の収納向きはブレード4の刃部をベース7側にして収納しているが本実施形態に限定するものではない。
【0042】
次に第3の実施形態について図8を用いて説明する。図8において、ブレード収納部15とスパナ収納部14は、ベース7の中心線Aに対して同じ側に設けられている。ブレード4をブレード収納部15に収納し、スパナ13をスパナ収納部14に収納する。スパナ13は上記したようにL字形状をしているため、スパナ収納部14の第2収納部14bにスパナ13の第2部分13bが収納されると、ブレード4は、ブレード収納部15の先端部15bと、スパナ13の第2部分13b、及び凹部15aによってブレード収納部15から抜け止めされる。よって、ブレード4の抜け止め部材を別途設ける必要がなく、簡単な構成でブレード4の抜け止め機構を構成することができる。また、ブレード収納部15とスパナ収納部14を近接して設けたため、ブレード4とスパナ13のそれぞれの付勢部材を設けることなく、1つの付勢部材21でそれぞれを付勢して抜け止めを行うことができるため、部品点数を増加することなく安価に抜け止め機構を構成することができる。また、スパナ収納部14の第2部分14bに、ブレード4をブレード収納部15からスライドさせて抜く場合にブレード4を抜くための通路部14dを設けたため、スパナ13を第1部分13aを回動軸として第2部分13bを回動することにより、ブレード4の抜け止めが解除され、通路部14dから簡単にブレード4をスライドすることができる。さらに、中心線Aの反収納部側を別の用途として使用することができる。
【0043】
次に第4の実施形態について図9乃至図12を用いて説明する。図9は本発明ジグソーのベースの第4実施形態を示す上面図、図10は図9のA−A断面図、図11は図9のB−B断面図、図12は図11のC部拡大図である。図9は第1実施形態を示した図4と略同様の構成であり、ジグソー1の振動によるブレード4の抜け止め機構が異なっている。図9及び図10に示すように、ベース7は基本的に図4の第1実施形態と同様の構成からなっている。第1実施形態と異なる構成は図11に示すように、ブレード4の抜け止め用凸部22を設けたことである。図11に示すように、ブレード4の突起4aと係合する凸部22をブレード収納部15に設けることによってブレード4の抜け落ちを防止している。ブレード4をブレード収納部15に収納する場合は、ブレード4をベース底面7bと略平行(横向き)にしてブレード収納部15内にスライドさせ、ブレード4の先端が収納部先端部15bに当接したらブレードを刃部が下側(ベース底面側7b)を向くように回転させる。その際、ブレード4の突起4aがブレード収納部15の凸部22より先端部15b側に位置するため、凸部22と突起4aが係合してブレード4がブレード収納部15から抜け落ちることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のジグソーの側面断面図である。
【図2】直角切削状態を示す本発明のジグソーの正面図である。
【図3】傾斜切断状態を示す本発明のジグソーの正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示すベースの上面図である。
【図5】図4におけるA−A断面図である。
【図6】図4におけるB−B断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示すベースの上面図である。
【図8】本発明の第3実施形態を示すベースの上面図である。
【図9】本発明の第4実施形態を示すベースの上面図である。
【図10】図9におけるA−A断面図である。
【図11】図9におけるB−B断面図、
【図12】図11におけるC部拡大図である。
【図13】従来のブレード収納部を有するジグソーである。
【図14】従来のブレード収納部を有するジグソーである。
【符号の説明】
【0045】
1はジグソー、2はハウジング、3はモータ、4はブレード、5は駆動部、6はボルト、7はベース、8は集塵口、9は速度調整ダイヤル、10はファン、11はトリガ、12はベース当接部、13は六角棒スパナ、14はスパナ収納部、14aは第1収納部、14bは第2収納部、14cは凹部、15はブレード収納部、15aは凹部、16は開口部、17はボルト孔、17aはボルト孔の第1孔部、17bはボルト孔の第2孔部、18は傾斜ガイド部、18aは傾斜ガイド部の第1ガイド部、18bは傾斜ガイド部の第2ガイド部、19はスパナ付勢部材、20はブレード付勢部材、22は凸部である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジグソー等の電動工具に係り、特にその付属部品としての六角棒スパナ及びブレードの収納部を有する電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブレード収納部を有するジグソーについて特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1に開示されているジグソーは図13に示すように、ジグソー100は、被切断材W上に当接し被切断材W上を摺動するベース101と、そのベース101上に配置されてブレード102の駆動機構を内臓する本体ハウジング103とを備えており、ブレード102を収納するためのブレード収納部104を本体ハウジング103に設け、ブレード収納部104には、ブレード102を差し込み可能な凹部を形成するためのリブが設けられている。
【0003】
そのため、ベース101上面の限られたスペースを他の用途、例えば集塵機構の設置スペースとして使うことができる。さらに、凹部を設けたことによりブレード収納部104に収納されたブレード102が本体の振動の影響によって脱落する恐れがなく、しかも、ブレード104を手際良く着脱できるようになっている。
【0004】
一方、特許文献2に開示されているジグソーは図14に示すように、ジグソー110は、被切断材に当接し被切断材上を摺動するベース111と、ベース111上に配置されてブレード112の駆動機構を内蔵する本体ハウジング113とを備えている。ベース111は、本体ハウジング側の上部ベース111aと、上部ベース111aの下方に位置し一方端側が上部ベース111aの一方端側と係止し、他方端側が上部ベース111aの他方端との間に開口部を持ち被切断材と当接する下部ベース111bとで形成されている。また、ベース111の上部ベース111aには下部ベース111b側に付勢された弾性部材が設けられ、かつ前記開口部と連通した収納室が設けられている。
【0005】
そのため、ベース111に開口部からにブレード112や六角棒スパナ114を収納できるようになっていると共に、弾性部材によりブレード112や六角棒スパナ114が下部ベース111bに付勢されているため、抜け落ちることを防止することができかつ振動によるガタツキも防止することができる。
【0006】
【特許文献1】特開平10−217201
【特許文献2】実開平4−45621
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12に示すように、従来のジグソー100におけるブレード収納部104は、本体ハウジング103に設けてあるため、ブレード収納部104を確保するために本体ハウジング103が大きくなってしまう。さらにブレード収納部104は、本体ハウジング103の大きさで決まってしまうため、長いブレードを収納するためには、本体ハウジング103を余分に大きくしなければならない。ブレードには長さや形状が違うものなど種々のタイプがあるため、これら全てのブレードをブレード収納部104に収納できるようにすることは困難である。
【0008】
また、図13に示すようにベース111にブレード収納部を設けた場合では、種々のブレードを収納できるが、上部ベース111aと下部ベース111bの2つの部品でブレード収納部を構成しているため、上部に大きなスペースを必要としてしまう。ベースの角度調整等を行うためには、ベース上部のスペースを使うため、角度調整の範囲が狭くなってしまう。また、上部ベース111aと下部ベース111bで部品を二つ使用しているため、部品のコストもかかってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、上記した問題を解決し、本体やベースを大型化することなく、ブレード収納部を簡単な構成で安価に構成できる電動工具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明は、被切削材と当接するベースと、該ベース上部に配置されブレードの駆動機構を内蔵する本体ハウジングとを備えた電動工具において、前記ベースの上面に前記ブレード収納部を設けた電動工具を提供する。
【0011】
このような構成によると、ブレード収納部をベース上面に設けたためベースを2部品で構成する必要がなく簡単な構成にすることができると共に、ブレードの収納状態を目視で確認できるようになり作業性を向上することができる。また、ベースにブレード収納部を設けたため本体を小型化でき安定した切削作業ができるようになる。
【0012】
また、前記ベースは前記本体ハウジングに対して締結部材により着脱可能であり、前記締結部材を収納するための締結部材収納部を前記ベースに設けると共に、前記ブレード収納部と前記締結部材収納部を前記ベースの長手方向中心軸に対して対称に配置してもよい。
【0013】
このような構成によると、ベースにブレードと締結部材とを収納する収納部を設けたため、不使用の際にはベースに収納しておくことができるのでそれらの部品を損失することを防止できる。また、ベース上面のスペースを有効に活用できる。更に、本体をベースに対して傾斜させた際に収納部やブレード等の部品が邪魔にならず従来のベースとしての機能を維持することができる。また、ベースの中心軸部分を他の機能例えば集塵口として使うことができる。
【0014】
また、前記ベースに前記ブレードを差込み可能な凹部を設け、さらに前記ブレードの抜け止めのために前記ブレードの側面側を付勢する付勢手段を設けてもよい。
【0015】
このような構成によると、凹部にブレードが収納でき更にブレードの側面を付勢部材により付勢するため、切削作業時の振動等によってブレードが収納部から抜け落ちることを防止できる。
【0016】
また、前記ブレード収納部は、一端側に前記ブレードの先端が当接すると共に、他端側に前記ブレードが挿入された際に前記ブレードと勘合するリブを設けてもよい。
【0017】
このような構成によると、ブレード側面を付勢する付勢部材に加えてブレード端部をリブにより押さえるため、より一層ブレードの抜け止め効果を図ることができる。
【0018】
また、前記ベースは前記本体ハウジングに対して締結部材により着脱可能であり、前記締結部材を収納するための締結部材収納部を前記ベースに設けると共に、前記ブレードと前記締結部材を前記ベースに収納した際に前記締結部材は前記ブレードの抜け止め防止手段を兼ねるようにしてもよい。
【0019】
このような構成によると、ベースにブレードと締結部材とを収納する収納部を設けたため、不使用の際にはベースに収納しておくことができるのでそれらの部品を損失することを防止できる。また、締結部材によりブレードの抜け止めを行うため、ブレードの抜け止め機構を別途設ける必要がなくなり構成を簡単にすることができる。
【0020】
また、前記ブレードと前記締結部材を前記ベースに収納した際に前記ブレード及び前記締結部材を付勢する付勢手段を設けてもよい。
【0021】
このような構成によると、ブレード及び締結部材の両方を共通の付勢手段で付勢することができるため安価な構成とすることができる。
【0022】
また、前記締結部材は略L字状の部材からなり、該L字状部材は、前記締結部材収納部に収納された際に前記ベースの長手方向側面に沿って収納される第1部分と、該第1部分から略垂直に延びる第2部分とから成り、前記締結部材収納部は該第2部分の長手方向面の一方をガイドするガイド部を有し、前記ブレードは前記締結部材が前記ガイド部にガイドされた際に前記第2部分により抜け止めされるようにしてもよい。
【0023】
このような構成によると、締結部材によってブレードが抜け止めされるため別途抜け止めようの機構を設ける必要がなく安価な構成とすることができる。
【0024】
また、前記ブレード収納部と前記締結部材収納部を前記ベースの長手方向中心軸に対して一方側に設けてもよい。
【0025】
このような構成とすると、ベースの反対側のスペースを他の用途に使用することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、本体やベースを大型化することなく、ブレード収納部を簡単な構成で安価に構成できる。また、ブレードの抜け止めを簡単な構成で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の電動工具をジグソーに適用した場合の実施形態について図1乃至図11を用いて説明する。
【0028】
まず、本発明のジグソーについて図1乃至図3を用いて説明する。図1は本発明ジグソーの側面断面図、図2は本発明ジグソーが垂直状態のときの正面図、図3は本発明ジグソーが傾斜状態のときの正面図である。ジグソー1は、ハウジング2内にモータ3と、モータ3の出力軸と同軸に固定されたファン10と、モータ3の回転をブレード4の往復動に変換するための駆動部5を収納している。ハウジング2の底面側には六角穴付きボルト6を介してベース7が着脱可能に固定されている。ベース7の長手方向の一方側には後述するブレード4が挿入される開口部が形成されており、他方側にはブレード4により被切断材を切断した際に発生する切粉を排出したり、切粉を集塵するための集塵装置を取り付けるための集塵口8が設けられている。また、ハウジング2の前側にはブレード4の往復動の速度を調整するための速度調整ダイヤル9が設けられている。ジグソー1を駆動する場合、ジグソー1を電源に接続しトリガ11をオンすることによりモータ3が回転する。モータ3の回転は駆動部5に伝達され、モータ3の回転運動が駆動部5によりブレード4の往復運動に変換される。ブレード4の往復運動により被切削材が切削される。
【0029】
通常、ジグソー1は図2に示すように、ハウジング2がベース7に対して垂直に位置しており被切削材Wの垂直切削を行うことができるが、ハウジング2(ジグソー1)をベース7に対して傾斜させて任意の角度で被切削材Wを切削することもできる。この場合は、図3に示すように、ボルト6を緩めてベース7に対してハウジング2を所望の角度に傾斜させ、その後再びボルト6を締め付ければベース7はハウジング2に対して所望の角度に固定されるため傾斜切削が可能となる。
【0030】
次に本発明のベース2の構造について図4乃至図10を用いて説明する。図4は本発明ジグソーのベースの第1実施形態を示す上面図、図5は図4のA−A断面図、図6は図4のB−B断面図、図8は本発明ジグソーのベースの第2実施形態を示す上面図、図8は本発明ジグソーのベースの第3実施形態を示す上面図、図9は本発明ジグソーのベースの第4実施形態を示す上面図、図10は図9のA−A断面図、図11は図9のB−B断面図、図12は図11のC部拡大図である。
【0031】
図4及び図6において、ベース7は、ハウジング2に当接するベース当接部12と、締結部材となる六角棒スパナ13を収納するスパナ収納部14と、ブレード4を収納するブレード収納部15と、ブレード4が貫通する開口部16とを備えている。ベース当接部12は、被切削材Wと当接するベース底面7aと対向しハウジング2側に位置するベース上面7bから円弧状に突出して設けられている。ベース当接部12にはボルト6が貫通するボルト孔17が設けられており、ボルト孔17はベース当接部12の長手方向に延びた第1孔部17aと、第1孔部17aに対して垂直方向に円弧方向に延びた第2穴部17bからなり略T字状に構成されている。なお、ベース当接部17の円弧状部の内側には空洞になっており、この空洞は切削した切粉等を排出したり集塵装置を接続するための集塵口8として機能する。
【0032】
また、ベース当接部12のボルト孔17に対して反開口部16側には、傾斜ガイド部18が設けられている。傾斜ガイド部18はハウジング2(ジグソー本体)側に設けられた不図示の突起が当接し該突起をガイドするために設けられている。傾斜ガイド部18はベース当接部12の長手方向に延びた第1ガイド部18aと、第1孔部17aに対して垂直方向に円弧方向に延びた第2ガイド部からなり略T字状に構成されている。
【0033】
ベース7に対してハウジング2(ジグソー本体)を垂直状態にする場合、ボルト6はボルト孔17の第1孔部17aに挿入される。このとき、ハウジング2の不図示の突起は傾斜ガイド部18の第1ガイド部18aによりガイドされるため、ハウジング2はベース7に対して垂直状態に維持され、この状態でボルト6を締め付ければ垂直状態での切削作業が可能となる。なお、突起の幅は、第1ガイド部18aの円弧方向の幅と同じとなっているため、ハウジング2がベース7に対して円弧方向(傾斜方向)に傾斜できないため垂直状態を維持することができる。
【0034】
一方、ベース7に対してハウジング2(ジグソー本体)を任意の角度に傾斜する場合には、ベース7をハウジング2に対してベース7の長手方向(図4の左方向)に移動させてボルト6をボルト孔17の第2孔部17bに挿入する。このとき、ハウジング側の突起は傾斜ガイド部18の第1ガイド部18aとの係合が外れ第2ガイド部18bに係合することになる。よって、ハウジング2をベース7に対して傾斜させることにより、突起は第2ガイド部18bによってガイドされて移動するため、所望の角度でボルト6を締め付ければ所望の傾斜角度での切削作業が可能となる。
【0035】
スパナ収納部14は、ベース7をハウジング2に対して固定するためのボルト6の締め付け等を行う六角棒スパナ13を収納する。六角棒スパナ13は略L字の形状をしている。スパナ13は、スパナ13をスパナ収納部14に収納した際にベース7の長手方向に延びる第1部分13aと、第1部分13aと略直角に延びる第2部分13bとから形成されている。スパナ13の第1部分13aはスパナ収納部14のベース7の長手方向に延びる第1収納部14aに収納され、第2部分13bは第1収納部14bと略直角に設けられた第2収納部14bに収納される。第1収納部14aの一部にはスパナ13の第1部分13aを保持するための凹部が形成されている。スパナ13をスパナ収納部14に収納する場合は、スパナ13の第2部分13bがベース7に対して上方を向く位置にして第1部分13aを第1収納部14aにスライドさせて凹部14cに挿入し、その後、第2部分13bを回動させて第2部分13bを第2収納部14bに収納する。スパナ13は凹部14c及び第2収納部14bにより保持されるためスパナ13が抜け止めされる。また、スパナ13はスパナ付勢部材19によりスパナ収納部14側に付勢されているため、スパナ13の抜け止めがより一層強化される。
【0036】
ブレード収納部15は、ブレード4を収納するためのものであり、ブレード4をベース7の長手方向にスライドさせてブレード収納部15に収納する。ブレード収納部15にはブレード4が挿入される凹部15aが二箇所設けられておりブレード4を保持している。なお、凹部15aは二箇所に限られるものではない。また、ベース7にはブレード収納部15に収納されたブレード4を付勢するためのブレード付勢部材20が設けられておりブレード4を抜け止めしている。
【0037】
ブレード収納部15は、図6に示すように、ブレード4を縦向き、すなわちブレード4の刃部をベース7の底面7b側に向けて収納している。ブレード4をブレード収納部15にスライドさせブレード先端が収納部先端部15bに当接するまでスライドさせるとブレード4はブレード収納部15に収納される。ブレード4は二箇所設けた凹部15aにより上下方向の移動(振動)が制限され、且つ、ブレード付勢部材20により左右方向(ブレードの側面方向)の移動が制限されるため、ブレード4が収納部15から抜け落ちることはない。なお、開口15cはベース7の成形する際、特に凹部15aを形成する際に設けられる。また、ブレード4をブレード収納部15に収納した場合、ブレード4はベース7の上面7aより突出しないため、傾斜作業字に傾斜を妨げることはなくベース7自体の大型化を防止することができる。
【0038】
また、図5に示すように、スパナ13及びブレード4はそれぞれの収納部の凹部14c及び15aにより保持され、且つ付勢部材によりベース7に付勢されているため、振動等によってベース7から抜け落ちることはない。また、ブレード収納部15は、全体を凹部15aで囲んでおらず部分的に囲んでいるため、ブレード4の保持状態を目視で確認することができるようになっているため作業性を向上することができる。なおスパナ収納部14についても同様であり、スパナ13やブレード4の紛失を防止することができる。
【0039】
また、図4に示すように、スパナ収納部14とブレード収納部15とを中心軸Aに対して対称に設けたため、ベース7の横幅を最小限に抑えることができ、ベース上方のスペースを有効活用することができる。更に、各収納部はベース7を型抜きする場合にも特殊な作業を必要とせずに対応できるためベース自体を二部品構成とする必要がなく一部品で構成でき、安価で簡単に収納部を形成することができる。更に、ベース7に各収納部を設けることによりハウジング2に収納部を設ける必要がなくなりハウジング2(ジグソー本体)の大型化を防止することができる。
【0040】
また、付勢部材19、20はベース7上のスペースを有効的に利用し、スパナ13、ブレード4を側面側から付勢する構成にしているため、ベース7の大型化を防止でき、更に、凹部14c、15aとともにスパナ13、ブレード4の抜け止めをより一層強化することができる。
【0041】
なお、図4ではブレード付勢部材20を弾性体であるゴムを用いたが、図7に示す第2実施形態のように板バネ20aを用いてもよい。付勢部材20(20a)による付勢力を変更することにより、本実施形態では、ブレード2枚を収納することを想定しているが、収納するブレード4の枚数を変えた場合や刃厚が大きいものであっても対応することができる。また、ブレード4の収納向きはブレード4の刃部をベース7側にして収納しているが本実施形態に限定するものではない。
【0042】
次に第3の実施形態について図8を用いて説明する。図8において、ブレード収納部15とスパナ収納部14は、ベース7の中心線Aに対して同じ側に設けられている。ブレード4をブレード収納部15に収納し、スパナ13をスパナ収納部14に収納する。スパナ13は上記したようにL字形状をしているため、スパナ収納部14の第2収納部14bにスパナ13の第2部分13bが収納されると、ブレード4は、ブレード収納部15の先端部15bと、スパナ13の第2部分13b、及び凹部15aによってブレード収納部15から抜け止めされる。よって、ブレード4の抜け止め部材を別途設ける必要がなく、簡単な構成でブレード4の抜け止め機構を構成することができる。また、ブレード収納部15とスパナ収納部14を近接して設けたため、ブレード4とスパナ13のそれぞれの付勢部材を設けることなく、1つの付勢部材21でそれぞれを付勢して抜け止めを行うことができるため、部品点数を増加することなく安価に抜け止め機構を構成することができる。また、スパナ収納部14の第2部分14bに、ブレード4をブレード収納部15からスライドさせて抜く場合にブレード4を抜くための通路部14dを設けたため、スパナ13を第1部分13aを回動軸として第2部分13bを回動することにより、ブレード4の抜け止めが解除され、通路部14dから簡単にブレード4をスライドすることができる。さらに、中心線Aの反収納部側を別の用途として使用することができる。
【0043】
次に第4の実施形態について図9乃至図12を用いて説明する。図9は本発明ジグソーのベースの第4実施形態を示す上面図、図10は図9のA−A断面図、図11は図9のB−B断面図、図12は図11のC部拡大図である。図9は第1実施形態を示した図4と略同様の構成であり、ジグソー1の振動によるブレード4の抜け止め機構が異なっている。図9及び図10に示すように、ベース7は基本的に図4の第1実施形態と同様の構成からなっている。第1実施形態と異なる構成は図11に示すように、ブレード4の抜け止め用凸部22を設けたことである。図11に示すように、ブレード4の突起4aと係合する凸部22をブレード収納部15に設けることによってブレード4の抜け落ちを防止している。ブレード4をブレード収納部15に収納する場合は、ブレード4をベース底面7bと略平行(横向き)にしてブレード収納部15内にスライドさせ、ブレード4の先端が収納部先端部15bに当接したらブレードを刃部が下側(ベース底面側7b)を向くように回転させる。その際、ブレード4の突起4aがブレード収納部15の凸部22より先端部15b側に位置するため、凸部22と突起4aが係合してブレード4がブレード収納部15から抜け落ちることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のジグソーの側面断面図である。
【図2】直角切削状態を示す本発明のジグソーの正面図である。
【図3】傾斜切断状態を示す本発明のジグソーの正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示すベースの上面図である。
【図5】図4におけるA−A断面図である。
【図6】図4におけるB−B断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示すベースの上面図である。
【図8】本発明の第3実施形態を示すベースの上面図である。
【図9】本発明の第4実施形態を示すベースの上面図である。
【図10】図9におけるA−A断面図である。
【図11】図9におけるB−B断面図、
【図12】図11におけるC部拡大図である。
【図13】従来のブレード収納部を有するジグソーである。
【図14】従来のブレード収納部を有するジグソーである。
【符号の説明】
【0045】
1はジグソー、2はハウジング、3はモータ、4はブレード、5は駆動部、6はボルト、7はベース、8は集塵口、9は速度調整ダイヤル、10はファン、11はトリガ、12はベース当接部、13は六角棒スパナ、14はスパナ収納部、14aは第1収納部、14bは第2収納部、14cは凹部、15はブレード収納部、15aは凹部、16は開口部、17はボルト孔、17aはボルト孔の第1孔部、17bはボルト孔の第2孔部、18は傾斜ガイド部、18aは傾斜ガイド部の第1ガイド部、18bは傾斜ガイド部の第2ガイド部、19はスパナ付勢部材、20はブレード付勢部材、22は凸部である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被切削材と当接するベースと、該ベース上部に配置されブレードの駆動機構を内蔵する本体ハウジングとを備えた電動工具において、
前記ベースの上面に前記ブレード収納部を設けたことを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記ベースは前記本体ハウジングに対して締結部材により着脱可能であり、前記締結部材を収納するための締結部材収納部を前記ベースに設けると共に、前記ブレード収納部と前記締結部材収納部を前記ベースの長手方向中心軸に対して対称に配置したことを特徴とする請求項1記載の電動工具。
【請求項3】
前記ベースに前記ブレードを差込み可能な凹部を設け、さらに前記ブレードの抜け止めのために前記ブレードの側面側を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電動工具。
【請求項4】
前記ブレード収納部は、一端側に前記ブレードの先端が当接すると共に、他端側に前記ブレードが挿入された際に前記ブレードの凸部と勘合するリブを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動工具。
【請求項5】
前記ベースは前記本体ハウジングに対して締結部材によって着脱可能であり、前記締結部材を収納するための締結部材収納部を前記ベースに設けると共に、前記ブレードと前記締結部材を前記ベースに収納した際に前記締結部材は前記ブレードの抜け止め防止手段を兼ねることを特徴とする請求項1記載の電動工具。
【請求項6】
前記ブレードと前記締結部材を前記ベースに収納した際に前記ブレード及び前記締結部材を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項5記載の電動工具。
【請求項7】
前記締結部材は略L字状の部材からなり、該L字状部材は、前記締結部材収納部に収納された際に前記ベースの長手方向側面に沿って収納される第1部分と、該第1部分から略垂直に延びる第2部分とから成り、
前記締結部材収納部は該第2部分の長手方向面の一方をガイドするガイド部を有し、前記ブレードは前記締結部材が前記ガイド部にガイドされた際に前記第2部分により抜け止めされることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の電動工具。
【請求項8】
前記ブレード収納部と前記締結部材収納部を前記ベースの長手方向中心軸に対して一方側に設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の電動工具。
【請求項1】
被切削材と当接するベースと、該ベース上部に配置されブレードの駆動機構を内蔵する本体ハウジングとを備えた電動工具において、
前記ベースの上面に前記ブレード収納部を設けたことを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記ベースは前記本体ハウジングに対して締結部材により着脱可能であり、前記締結部材を収納するための締結部材収納部を前記ベースに設けると共に、前記ブレード収納部と前記締結部材収納部を前記ベースの長手方向中心軸に対して対称に配置したことを特徴とする請求項1記載の電動工具。
【請求項3】
前記ベースに前記ブレードを差込み可能な凹部を設け、さらに前記ブレードの抜け止めのために前記ブレードの側面側を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電動工具。
【請求項4】
前記ブレード収納部は、一端側に前記ブレードの先端が当接すると共に、他端側に前記ブレードが挿入された際に前記ブレードの凸部と勘合するリブを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動工具。
【請求項5】
前記ベースは前記本体ハウジングに対して締結部材によって着脱可能であり、前記締結部材を収納するための締結部材収納部を前記ベースに設けると共に、前記ブレードと前記締結部材を前記ベースに収納した際に前記締結部材は前記ブレードの抜け止め防止手段を兼ねることを特徴とする請求項1記載の電動工具。
【請求項6】
前記ブレードと前記締結部材を前記ベースに収納した際に前記ブレード及び前記締結部材を付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項5記載の電動工具。
【請求項7】
前記締結部材は略L字状の部材からなり、該L字状部材は、前記締結部材収納部に収納された際に前記ベースの長手方向側面に沿って収納される第1部分と、該第1部分から略垂直に延びる第2部分とから成り、
前記締結部材収納部は該第2部分の長手方向面の一方をガイドするガイド部を有し、前記ブレードは前記締結部材が前記ガイド部にガイドされた際に前記第2部分により抜け止めされることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の電動工具。
【請求項8】
前記ブレード収納部と前記締結部材収納部を前記ベースの長手方向中心軸に対して一方側に設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の電動工具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−241241(P2009−241241A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94183(P2008−94183)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】
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