説明

電動建具の自動制御装置、及び電動建具の自動制御方法

【課題】建物全体の環境変化に応じ自動で快適な状態に保持することが可能な電動建具の自動制御装置を提供する。
【解決手段】少なくとも室内の温度を検知可能な室内側環境センサ(12)と、少なくとも室外の温度を検知可能な室外側環境センサ(11)と、室内側環境センサ、及び室外側環境センサによって検知された情報に基づいて、室内環境の最適化のための条件を演算し、その演算結果を電動化された建具(2、3、4)に送信して制御することが可能な情報処理手段(15)と、を有し、情報処理手段による演算は、複数の電動化された建具のそれぞれが取るべき開閉の程度が含まれた、該複数の電動化された建具の状態の組み合わせを求めることによりおこなわれるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物に配置された複数の電動建具を、室内環境が快適になるように制御することができる電動建具の自動制御装置、及び電動建具の自動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の開口部に備えられるシャッターや窓等の建具は、開閉をすることにより、外気との連通及び遮断、又は遮光及び採光を選択することができるように構成されている。これにより居住空間内に外気や光を取り入れたり、場合によっては外気や光を遮断したりして居住空間の快適をはかることが可能である。
【0003】
一方、近年においては、各種分野において電動化が進み、建具についても電動で開閉させることができるものが増えてきている。特に環境負荷を考慮しつつ住宅内環境を自動的に制御し、環境と快適とを両立させるようなシステムを構築するに際して、電動化された建具(以下、「電動建具」と記載することがある。)の役割はさらに大きなものとなる。
【0004】
特許文献1には、住宅に設けられた各種センサからの情報に基づいて、制御手段を介して電動建具等の屋内設備を自動的に制御できる旨が開示されている。これによれば、例えば就寝時や外出時など、居住者自身が屋内設備をすぐに操作できないときであっても、急な降雨に対応して窓を閉めたり、急な日差しの変化に応じてブラインドを開閉したりといった、状況に応じての自動制御が可能になるとされている。
また、特許文献1には、予め設定された演算プログラムに基づいて各データを処理し、屋内環境を最適化するための条件を演算する旨が開示されている。さらに、その最適化条件を実現するためには屋内設備をどのように作動させるのがよいか、その好適な組み合わせについて2種類以上のモード提案を行うものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−300428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、より具体的に複数の建具をどのように最適化するかについて記載されていない。
【0007】
そこで本発明は、上記の点に鑑み、建物全体の環境変化に応じ自動で快適な状態に保持することが可能な電動建具の自動制御装置を提供することを課題とする。またこのような自動制御装置等による電動建具の自動制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明について説明する。ここでは分かり易さのため、図面に付した参照符号を括弧書きで併せて記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
請求項1に記載の発明は、少なくとも室内の温度を検知可能な室内側環境センサ(12)と、少なくとも室外の温度を検知可能な室外側環境センサ(11)と、室内側環境センサ、及び室外側環境センサによって検知された情報に基づいて、室内環境の最適化のための条件を演算し、その演算結果を電動化された建具(2、3、4)に送信して制御することが可能な情報処理手段(15)と、を有し、情報処理手段による演算は、複数の電動化された建具のそれぞれが取るべき開閉の程度が含まれた、該複数の電動化された建具の状態の組み合わせを求めることによりおこなわれる、電動建具の自動制御装置(10)である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、少なくとも室内の温度、及び室外の温度を検知し(S20)、検知した情報に基づいて、複数の電動化された建具のそれぞれが取るべき開閉の程度が含まれた、複数の建具の状態の組み合わせについて演算を行い(S30)、演算の結果を複数の電動化された建具のそれぞれに送信して、該建具の開閉を制御する(S60)、電動建具の自動制御方法(S1)である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電動建具の最適化制御により複数の電動化建具が個別に取るべき開閉等が考慮され、快適のための複数の電動化建具の状態の組み合わせを得ることが可能となる。従って環境変化に対しても適切に屋内環境を快適に保持することができ、エアコン等の空調設備を用いる機会を減らすことが可能となるので、省エネルギーに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】1つの実施形態にかかる電動建具の自動制御装置を採用した住宅を模式的示した図である。
【図2】電動建具の自動制御装置のブロック図である。
【図3】1つの実施形態にかかる電動建具の自動制御方法の流れを示した図である。
【図4】過程S10の流れを示した図である。
【図5】過程S20の流れを示した図である。
【図6】過程S30の流れを示した図である。
【図7】過程S40の流れを示した図である。
【図8】過程S50の流れを示した図である。
【図9】過程S60の流れを示した図である。
【図10】自動制御例を模式的にあらわした図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【0014】
図1は、1つの実施形態にかかる電動建具の自動制御装置10(以下、「自動制御装置10」と記載する。)を採用した住宅1を模式的示した図である。例示した住宅1は一般的な2階建て住宅を想定している。住宅1には、電動建具として電動で開閉可能な電動窓2、電動天窓3、及び電動シャッター4が配置されている。また冷暖房器具である空調設備5が備えられている。本実施形態の自動制御装置10は、このような電動建具、及び空調設備5を最適化制御することができるようにそれぞれの電動建具及び空調設備5に接続されている。
【0015】
自動制御装置10は、室外側環境センサ11、室内側環境センサ12、人感センサ13、操作手段14、及び情報処理手段15を備えている。図2には自動制御装置10の構成をブロック図で示した。
【0016】
室外側環境センサ11は、住宅1の室外側に配置され、室外側の環境情報を取得するセンサである。室外側環境センサ11には、少なくとも室外側の温度を測定するセンサを含み、より精度のよい制御をおこなう観点から、湿度、日射照度、気圧、風量、風向、及び降雨を検知するセンサが含まれることが好ましい。また、室外側環境センサ11に含まれる各センサは適所に複数設けられることが好ましい。これによりさらに精度のよい制御をすることが可能となる。
室外側環境センサ11に用いられるセンサの種類は特に限定されることはなく、公知のものを用いることができる。
【0017】
室内側環境センサ12は、住宅1の室内側に配置され、室内側の環境情報を取得するセンサである。室内側環境センサ12には、少なくとも室内側の温度を測定するセンサを含み、より精度のよい制御をおこなう観点から、室内側の湿度、及び室内側の気流を検知するセンサが含まれることが好ましい。また、室内側環境センサ12に含まれる各センサは適所に複数設けられることが好ましい。これによりさらに精度のよい制御をすることが可能となる。
室内側環境センサ12に用いられるセンサの種類は特に限定されることはなく、公知のものを用いることができる。
【0018】
人感センサ13は、住宅1の室内側に配置され、住宅1内に人が存在するか否かを検知するセンサである。人感センサとしては、赤外線によるもの、超音波によるもの、可視光によるもの等多くの種類があるが特に限定されることなく、公知の人感センサを適用することができる。
【0019】
操作手段14は、住宅1の室内側に配置され、利用者の操作に供される機器である。利用者は操作手段14に備えられる各種選択キー等を選択することにより、利用者の意思を自動制御装置10に反映させることができる。
このような操作手段14は、リモコン式や据え付け式等の種類があるが、特に限定されるものでなく、公知のものを適用することができ、その形式は特に限定されるものではない。
【0020】
情報処理手段15は、室外側環境センサ11、室内側環境センサ12、人感センサ13、操作手段14から情報を取得し、最適制御演算をおこなうとともに、その演算結果を電動建具2、3、4及び空調設備5に送信して実際の制御をする機器である。
【0021】
情報処理手段15は、受信手段16、中央演算子17、記憶手段18、RAM19、及び送信手段20を有して構成されている。
【0022】
受信手段16は、上記した室外側環境センサ11、室内側環境センサ12、人感センサ13、操作手段14からの情報を情報処理手段15に適切に取り入れる機能を有する部材であり、室外側環境センサ11、室内側環境センサ12、人感センサ13、操作手段14が接続される。いわゆる入力ポート、入力コネクタ等もこれに含まれる。
【0023】
中央演算子17はいわゆるCPUであり、最適制御演算手段として機能する。従って後述する各種演算はこの中央演算子17で演算することができる。また、中央演算子17は、その他にも情報処理手段15に含まれる各部材に接続されて、これらを制御することができるように構成されている。すなわち、中央演算子17は、記憶媒体として機能する記憶手段18に記憶された各種プログラムを実行し、これに基づいて電動建具等の具体的動作の内容を決定するために演算をおこなう。具体的にどのように動作を決定するかについては後で詳しく説明する。
【0024】
記憶手段18は、最適制御を演算するに際して根拠となる各種プログラムやデータが保存される記憶媒体として機能する部材である。また記憶手段18には、プログラムの実行により得られた中間、最終の各種結果を保存することができてもよい。
【0025】
RAM19は、中央演算子17による演算の作業領域や一時的なデータの記憶手段として機能する部材である。RAM19は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等で構成することができ、公知のRAMと同様である。
【0026】
送信手段20は、得られた結果のうち電動建具2、3、4、及び空調設備5に対して出力すべき情報を適切に出力する機能を有する部材であり、電動建具2、3、4、及び空調機器5が接続される。いわゆる出力ポート、出力コネクタ等もこれに含まれる。
【0027】
このような情報処理手段15を形成する具体的な態様の例としては、制御基板を挙げることができる。制御基板に備えられる受信手段及び送信手段を情報処理手段15の受信手段16及び送信手段20として用い、制御基板に備えられる記憶装置を記憶手段18として最適化制御のプログラム、及びその他電動建具の電動制御のためのプログラム等を記憶させておくことができる。そして電動建具及び空調設備の最適化に関する演算や電動建具及び空調設備への指令については、制御基板に備えられる中央演算子(CPU)が中央演算子17として機能し、記憶手段18に記憶された各種プログラムを実行することによりおこなわれる。
【0028】
以上のように構成される自動制御装置10によれば、電動建具の最適化制御により屋内環境を快適に保持することができ、空調設備を用いる機会を減らすことが可能となるり、省エネルギーに貢献することができる。詳しい内容は以下の電動建具の自動制御方法S1で説明する。
【0029】
次に、電動建具及び空調設備を自動制御する方法の1つの例として、上記した自動制御装置10により電動建具2、3、4、及び空調設備5を自動制御する電動建具の自動制御方法S1(以下、「自動制御方法S1」と記載することがある。)について説明する。ここではわかりやすさのため自動制御装置10を用いた例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の趣旨を含む方法を可能とするものであれば他の構成を備える自動制御装置によって制御されてもよい。
【0030】
図3には、自動制御方法S1の流れを示した。図3からわかるように、自動制御方法S1は、過程S10、S20、S30、S40、S50、S60を含んでいる。自動制御方法S1では、電源が入れられるとその動作を開始し、過程S10、S20、S30、S40、S50、S60を繰り返しおこなうことにより、自動に電動建材2、3、4及び空調設備5を制御する。以下各過程について詳しく説明する。
【0031】
過程S10は、人感センサ13の情報を取得し、住宅内の人の有無に関する情報を管理する過程である。図4に過程S10の流れを示した。過程S10では、初めに過程S11で人感センサ13から情報を取得する。そして過程S11からの情報に基づいて過程S12で人が住宅1内に存在しているかを確認する。ここで人の存在を確認し、「Y」が選択されると、過程S15により滞在している旨の記録がされ、過程S16で滞在時間が加算される。
【0032】
一方、過程S12で人の存在が検知されないと「N」が選択される。次に過程S13では、人の不存在の状態が予め決めておいた時間以上経過しているかについて判断される。これは短時間の不存在(例えばトイレのため数分の不存在)を不存在状態として取り扱わないことが考慮されたものである。従って、過程S13で規定された時間を経過していると「Y」が選択され、不存在である旨の記録がされる。一方、過程S13で規定時間が経過しないと判断されると「N」が選択され、過程S17で不在時間が加算される。
【0033】
過程S10では人感センサから情報を取得し、上記した処理をすることにより終了され、過程S20へ進む。過程S10で得られた結果は情報処理手段15の記憶手段18やRAM19に記憶される。
【0034】
過程S20は、室外側環境センサ11及び室内側環境センサ12からの情報を取得し、前回の情報取得からの変化を記録する過程である。図5に過程S20の流れを示した。過程S20では、最初に過程S21で、室外側環境センサ11及び室内側環境センサ12から温度や湿度等の環境情報を取得する。次に、過程S22で、過程S21において取得した情報が、その前に取得したデータに対して変化があるか否かを判断する。変化が無いと判断されたときには「N」が選択され、過程S23でその旨の記録がされ過程S20を終了する。
【0035】
一方、過程S22で、変化があると判断されたときには「Y」が選択され、過程S24でその変化量が記録される。その後過程S20を終了する。
【0036】
過程S20でされた記録は情報処理手段15の記憶手段18やRAM19に記憶される。
【0037】
過程S30は、過程S10、過程S20で検知した情報、及びその他の情報に基づいて、空調設備を用いることなくできるだけ快適な環境を得る観点等から、演算を行い、電動建具2、3、4がどのような状態になればよいかを決定する過程である。図6に過程S30の流れを示した。
【0038】
過程S30では、初めに過程S31で、過程S10で取得しておいた人感センサ13の情報を呼び出す。次に過程S32で、過程S20で取得しておいた室外側環境センサ11及び室内側環境センサ12の情報を呼び出す。さらに過程S33では各電動建具2、3、4の仕様、過程S34では住宅1の間取り情報をそれぞれ呼び出す。各電動建具2、3、4の仕様、及び住宅1の間取り情報は予め情報処理手段15の記憶手段18にデータとして記憶しておき、ここから読み込むことにより行えばよい。
【0039】
次に過程S35では、最適制御の演算に際して必要となる実験データや参照テーブル等を呼び出す。このような各種データは予め実験や文献等により得て、これを情報処理手段15の記憶手段18に記憶しておき、ここから読み込むことにより行えばよい。
【0040】
そして、上記した過程S31〜過程S35で取得した各種データに基づいて、過程S36で最適制御の演算をおこなう。この演算は、例えば室外側環境センサ11で風向きを検知し、開閉する窓を判断したり、風の強さによって開閉度合いを判断すること等の観点から行われる。
【0041】
当該演算により、上記観点から複数の電動建具のそれぞれについてその開閉の度合いが考慮された最適状態が決定され、最適である複数の電動建具の状態の組み合わせが結果として出力される。例えば、後で例示するように、複数の窓、天窓のうちの一部が開放され、他の一部が閉鎖されるとともに、一部のシャッターが開放され、他のシャッターが閉鎖されることにより、住宅内に所定の気流が生じて快適な住宅内環境を実現することができる場合等を挙げることができる。このときには単に全ての電動建具を開放するよりも快適な環境を得ることができる場合がある。
すなわち、ここでは、単純に電動建具の全開、全閉をするのではなく、より快適な住宅内環境を得るため、複数の電動建具の個々の開閉の度合いが考慮され、複数の電動建具のそれぞれが取るべき状態の組み合わせが演算により決定される。
【0042】
そして過程S36による演算結果が最適状態として過程S37で出力され、過程S30が終了する。出力された結果は情報処理手段15の記憶手段18やRAM19に記憶される。
【0043】
過程S40は、過程S30により出力された最適状態の出力結果を受け、実際に電動建具2、3、4を最適状態とするような設定をする過程である。具体的に電動建具2、3、4に指令を出すのは後述する過程S60である。図7に過程S40の流れを示した。
【0044】
過程S40では、最初に過程S41で過程S30において出力された最適状態を呼び出す。この呼び出しは情報処理手段15の記憶手段18やRAM19にされてあった記録から呼び出せばよい。
【0045】
次に過程S42で、外気冷房が必要であるかを判断する。ここで「外気冷房」とは、外気により室内の温度を下げることを意味する。外気冷房が必要なければ「N」が選択されて過程S421において特に設定をすることなく過程S43に進む。一方、外気冷房が必要であれば「Y」が選択されて、過程S422で対象となる電動建具が特定される。そして過程S423で対象となった電動建具の制御内容の設定が決められ、その後過程S43に進む。過程S423の制御内容には電動建具の開閉度も含まれる。
【0046】
過程S43で、通風が必要であるかを判断する。ここで、「通風」とは、主に窓の開放により室内に一定以上の気流を発生させることである。通風が必要なければ「N」が選択されて過程S431において特に設定をすることなく過程S44に進む。一方、通風が必要であれば「Y」が選択されて、過程S432で対象となる電動建具が特定される。そして過程S433で対象となった電動建具の制御内容の設定が決められ、その後過程S44に進む。過程S433の制御内容には電動建具の開閉度も含まれる。
【0047】
過程S44で、遮光が必要であるかを判断する。遮光が必要なければ「N」が選択されて過程S441において特に設定をすることなく過程S40を終了する。一方、遮光が必要であれば「Y」が選択されて、過程S442で対象となる電動建具が特定される。そして過程S443で対象となった電動建具の制御内容の設定が決められ、その後過程S40を終了する。過程S443の制御内容には電動建具の開閉度も含まれる。
ここで、遮光において対象となる電動建具としては、遮光性を有する窓、電動シャッター、及び電動の遮光スクリーン等、遮光性を有する部材が電動により移動や回動することが可能な設備を挙げることができる。
【0048】
過程S40で決められた各設定は、情報処理手段15の記憶手段18やRAM19に記憶される。
【0049】
過程S50は、空調設備5の使用について判断するとともに、必要である場合にはその作動をさせる過程である。図8に過程S50の流れを示した。
【0050】
過程S50では最初に過程S51で電動建具の全てが全閉の状態にあるかを判断する。ここでいずれかの電動建具が開放されていれば、過程S40において既に環境設定がおこなわれていると考えられるので、空調は不要であり、過程S58において空調を切り(既に切れている場合にはそのまま)、過程S50を終了する。
【0051】
一方、過程S51で「Y」が選択されると、過程S52で、過程S10で取得しておいた人感センサ13の情報を呼び出す。次に過程S53で、過程S20で取得しておいた室外側環境センサ11及び室内側環境センサ12の情報を呼び出す。これらの情報は、
情報処理手段15の記憶手段18やRAM19から読み込めばよい。
【0052】
次に過程S54で空調設備の状態を現状から変更すべきかを判断する。この判断は過程S52、過程S53で呼び出した各種情報に基づけばよい。例えば人が不在であれば、空調設備は不要であるし、室内の温度が所定の範囲に入っていても空調設備は不要である。一方、人が在宅しており、電動建具の全てが閉鎖されているにもかかわらず、室内の温度が高い場合には、空調設備の使用(冷房)が必要となる。
かかる観点から、過程S54で「N」が選択された場合には、過程S55にて特に変更(制御)することなく過程S50を終了する。一方、過程S54で「Y」が選択された場合には、過程S56で空調設備の具体的な設定内容が決められて過程S57で実行(制御)される。その後過程S50が完了する。
【0053】
過程S60は、過程S40で決定した電動建具の設定を実際に電動建具に送信し、電動建具を作動させる過程である。図9に過程S60の流れを示した。
過程S60では、最初に過程S40で設定された各種設定を過程S61で呼び出す。当該呼び出しは、情報処理手段15の記憶手段18やRAM19に記憶された情報を呼び出すことにより行えばよい。
【0054】
次に、呼び出された設定を過程S62で各電動建具に送信する。当該送信は情報処理手段15の送信手段20により行われる。送信後は、過程S63で各電動建具からの制御結果を受信する。これは図2には表れていないが、情報処理手段15の受信手段16を用いることができる。
【0055】
以上のような自動制御方法S1によれば、電動建具の最適化制御により屋内環境を快適に保持することができ、空調設備を用いる機会を減らすことが可能となるり、省エネルギーに貢献することができる。
【0056】
例えば、図10に示したように、電動建具の自動制御装置10及び自動制御方法S1によれば、その最適化制御により、一部の電動窓、及び電動天窓を開放し、他の電動窓及び電動天窓を閉鎖して、破線の矢印で示したように住宅内に効果的な気流を形成することができ、快適を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0057】
1 住宅
2 電動建具(電動窓)
3 電動建具(電動天窓)
4 電動建具(電動シャッター)
5 空調設備
10 電動建具の自動制御装置
11 室外側環境センサ
12 室内側環境センサ
13 人感センサ
14 操作手段
15 情報処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも室内の温度を検知可能な室内側環境センサと、
少なくとも室外の温度を検知可能な室外側環境センサと、
前記室内側環境センサ、及び前記室外側環境センサによって検知された情報に基づいて、室内環境の最適化のための条件を演算し、その演算結果を電動化された建具に送信して制御することが可能な情報処理手段と、を有し、
前記情報処理手段による演算は、前記複数の電動化された建具のそれぞれが取るべき開閉の程度が含まれた、該複数の電動化された建具の状態の組み合わせを求めることによりおこなわれる、
電動建具の自動制御装置。
【請求項2】
少なくとも室内の温度、及び室外の温度を検知し、
前記検知した情報に基づいて、複数の電動化された建具のそれぞれが取るべき開閉の程度が含まれた、前記複数の建具の状態の組み合わせについて演算を行い、
前記演算の結果を前記複数の電動化された建具のそれぞれに送信して、該建具の開閉を制御する、
電動建具の自動制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−50278(P2013−50278A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189437(P2011−189437)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】