説明

電動式ステープラ、アダプタ装置及びステープラ装置

【課題】手動式ハンディステープラが装着される装着部に、正規な手動式ハンディステープラ以外の手動式ハンディステープラを装着できるようにし、利便性の向上を図る。
【解決手段】アダプタ装置111は、手動式ハンディステープラ101のクリンチャアーム102を覆う第1のカバー112と、手動式ハンディステープラ111のドライバアーム105を覆う第2のカバー121とを有する。アダプタ装置111に取り付けられた手動式ハンディステープラ101は、電動式ステープラ20の装着凹部23に装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動式ハンディステープラを装着できるようにした電動式ステープラ、アダプタ装置及びステープラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2に示すように、手動式ハンディステープラが装着されてなる電動式ステープラがある。手動式ハンディステープラは、一般に、綴り用紙が挿入される側において、ステープルが装填されるマガジンとマガジンよりドライバによって押し出されたステープルの受けとなるクリンチャとが離間しており、実打時、マガジンとクリンチャとが近接し、ステープルの針足が綴り用紙を貫通し、綴り用紙を綴じるようになっている。
【0003】
このような手動式ハンディステープラを電動式ステープラに装着するときには、電動式ステープラの装着部に、例えば、クリンチャが設けられたクリンチャアームが装着部に装着される。装着部に装着された手動式ハンディステープラは、上側にあるモータを駆動源としたレバーによってドライバが設けられたハンドルが押圧される。
【0004】
電動式ステープラにおいて、綴り用紙を綴るときには、装着部に装着された手動式ハンディステープラのマガジンとクリンチャの間に綴り用紙が挿入される。次いで、操作釦が押されると、レバーによって、ハンドルが押圧され、マガジンとクリンチャとが近接し、ステープルの針足が綴り用紙を貫通し、綴り用紙を綴じるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−90680号公報
【特許文献2】実開平2−145977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の電動式ステープラにおいて、正規の手動式ハンディステープラが装着部に装着されなかったときに、綴り用紙を閉じるためのレバーが押圧されると、手動式ハンディステープラが破損したり、電動式ステープラの故障の原因となってしまう。装着部には、正規の手動式ハンディステープラのみが装着されるようにする必要がある。
【0007】
一方で、種々の手動式ハンディステープラもあり、正規の手動式ハンディステープラ以外の手動式ハンディステープラが電動式ステープラに用いることができれば更に利便性が高まる。
【0008】
本発明は、手動式ハンディステープラが装着される装着部に、正規な手動式ハンディステープラ以外の手動式ハンディステープラを装着できるようにし、利便性の向上を図ることができる電動式ステープラ、アダプタ装置及びステープラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明に係る電動式ステープラは、クリンチャが設けられたクリンチャアームと、上記クリンチャアームに対して回動し、マガジンに装填されたステープルを押し出すドライバを駆動するアーム部材とを有する第1の手動式ハンディステープラが装着されてなる電動式ステープラにおいて、上記クリンチャアームが装着される装着部と、上記装着部に装着された上記第1の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する押圧レバーと、上記第1の手動式ハンディステープラと異なる第2の手動式ハンディステープラを上記装着部に装着するとき、該第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームと上記アーム部材の外側に取り付けられ、該第2の手動式ハンディステープラが上記装着部に装着できるようにするアダプタとを備える。
【0010】
上記アダプタは、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームを覆う第1のカバーと、上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材を覆う第2のカバーとを有し、上記装着部には、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームが上記第1のカバーを介して装着され、上記押圧レバーは、上記第2のカバーを介して上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する。
【0011】
また、本発明に係るアダプタ装置は、クリンチャが設けられたクリンチャアームと、上記クリンチャアームに対して回動し、マガジンに装填されたステープルを押し出すドライバを駆動するアーム部材とを有する、電動式ステープラ装置の装着部に装着される正規の第1の手動式ハンディステープラとは異なる第2の手動式ハンディステープラに取り付けられるアダプタ装置において、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームを覆う第1のカバーと、上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材を覆う第2のカバーとを有する。
【0012】
上記アダプタ装置は、上記第1のカバーが上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられ、上記第2のカバーが上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材に取り付けられた状態において、上記第1の手動式ハンディステープラのクリンチャアームが装着される装着部と上記装着部に装着された上記第1の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する押圧レバーとを有する電動式ステープラの該装着部に上記第2の手動式ハンディステープラが装着されるようにし、上記第1のカバーが、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられた状態で上記装着部に装着され、上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材が、上記押圧レバーによって、上記第2のカバーを介して押圧されるようにする。
【0013】
更に、本発明に係るステープラ装置は、クリンチャが設けられたクリンチャアームと、上記クリンチャアームに対して回動し、マガジンに装填されたステープルを押し出すドライバを駆動するアーム部材とを有する、電動式ステープラ装置の装着部に装着される正規の第1の手動式ハンディステープラとは異なる第2の手動式ハンディステープラと、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームを覆う第1のカバーと、上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材を覆う第2のカバーとを有するアダプタとを備える。
【0014】
上記アダプタは、上記第1のカバーが上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられ、上記第2のカバーが上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材に取り付けられた状態において、上記第1の手動式ハンディステープラのクリンチャアームが装着される装着部と上記装着部に装着された上記第1の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する押圧レバーとを有する電動式ステープラの該装着部に上記第2の手動式ハンディステープラが装着されるようにし、上記第2の手動式ハンディステープラは、上記第1のカバーが、該第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられた状態で上記装着部に装着され、上記装着部に装着された第2の手動式ハンディステープラのアーム部材が、上記押圧レバーによって、上記第2のカバーを介して押圧されるようにする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アダプタの第1のカバーが第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられ、アダプタの第2のカバーが第2の手動式ハンディステープラのアーム部材に取り付けられる。これにより、第1の手動式ハンディステープラのクリンチャアームが装着される装着部と装着部に装着された第1の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する押圧レバーとを有する電動式ステープラの装着部に第2の手動式ハンディステープラが装着される。これにより、本発明では、複数種類の手動式ハンディステープラを電動式ステープラの装着部に装着し、使用できるようになり、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明が適用された電動式ステープラに装着される手動式ハンディステープラの待機状態を示す側面図である。
【図2】上記手動式ハンディステープラの綴り用紙を綴じる状態を示す側面図である。
【図3】上記手動式ハンディステープラの綴り用紙なしで実打動作したときの側面図である。
【図4】上記手動式ハンディステープラの底面図である。
【図5】上記手動式ハンディステープラが装着された電動式ステープラの斜視図である。
【図6】上記手動式ハンディステープラが装着される前の電動式ステープラの斜視図である。
【図7】装置本体に取り付けられる開閉カバーが閉じられた状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図8】装置本体に取り付けられる開閉カバーが開けられた状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図9】手動式ハンディステープラが装着される装着凹部の平面図である。
【図10】手動式ハンディステープラが装着された装着凹部の平面図である。
【図11】用紙検出センサが綴り用紙を検出した状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図12】用紙検出センサが綴り用紙を検出する前の状態を示す一部切り欠き側面図である。
【図13】装着凹部の周囲の平坦な面に設けられる綴り用紙を押し上げる押上部材の変形例を示す要部断面図である。
【図14】上記図13の押上部材を用いた電動式ステープラの斜視図である。
【図15】装着凹部の周囲の平坦な面に設けられる綴り用紙を押し上げる押上部材の変形例を示す要部断面図である。
【図16】装着凹部の周囲の平坦な面に設けられる綴り用紙を押し上げる押上部材の変形例を示す要部断面図である。
【図17】装着凹部の周囲の平坦な面に設けられる綴り用紙を押し上げる押上部材の変形例を示す要部断面図である。
【図18】回動制御機構の分解斜視図である。
【図19】押圧レバーが待機状態にあるときの回動制御機構の側面図である。
【図20】押圧レバーが実打時の位置にあるときの回動制御機構の側面図である。
【図21】過負荷防止状態にあるときの回動制御機構の側面図である。
【図22】回動制御機構の変形例の側面図である。
【図23】押圧レバーの位置検出機構の側面図であり、押圧レバーが待機状態にある状態を示す。
【図24】押圧レバーの位置検出機構が回動動作しているときの状態を示す側面図である。
【図25】電動式ステープラのブロック図である。
【図26】電動式ステープラの待機状態の側面図である。
【図27】電動式ステープラに綴り用紙を挿入している状態の側面図である。
【図28】電動式ステープラで綴り用紙を綴じている状態の側面図である。
【図29】電動式ステープラで綴り用紙を綴じた後の状態の側面図である。
【図30】装着検出センサの変形例を示す平面図である。
【図31】装着検出センサの変形例を示す側面図である。
【図32】電動式ステープラ装置に装着される上記図1−図4の手動式ハンディステープラとは異なる手動式ハンディステープラを示す図であり、(A)は、正面図、(B)は、待機時の側面図、(C)は、実打動作に移ったときの側面図である。
【図33】図32の手動式ハンディステープラと当該手動式ハンディステープラに取り付けられるアダプタ装置の斜視図である。
【図34】図32の手動式ハンディステープラにアダプタ装置が取り付けられた状態の側面図である。
【図35】図32の手動式ハンディステープラにアダプタ装置が取り付けられたステープラ装置が電動式ステープラ装置に装着された状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明が適用された電動式ステープラについて、図面を参照しながら詳細に説明
する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.手動式ハンディステープラ(第1の手動式ハンディステープラ)の説明
2.電動式ステープラの概要
(2−1)開閉カバーの説明
(2−2)装着凹部の説明
(2−3)押上部材の説明
(2−4)押圧レバーの説明
(2−5)押圧レバーの駆動機構の説明
(2−6)押圧レバーの回動制御機構の説明
(2−7)押圧レバーの位置検出機構の説明
(2−8)電動式ステープラの回路の説明
(2−9)電動式ステープラの全体動作の説明
3.他の手動式ハンディステープラ(第2の手動式ハンディステープラ)の説明
4.アダプタ装置の説明
(4−1)アダプタ装置の説明
(4−2)電動式ステープラへの装着方法
5.変形例
【0018】
1.手動式ハンディステープラ(第1の手動式ハンディステープラ)の説明
図1−図3に示すように、本発明が適用された電動式ステープラに装着される手動式ハンディステープラ1は、クリンチャ部材5が設けられたクリンチャカバー2と、ステープルを押し出すドライバ11aが設けられたハンドルカバー3とを備える。
【0019】
クリンチャカバー2には、クリンチャアーム4が内蔵されている。クリンチャアーム4には、先端側に、クリンチャ5aが設けられたクリンチャ部材5が設けられている。クリンチャ部材5は、クリンチャアーム4に対して上下方向に移動可能に配設され、クリンチャアーム4との間に配設されたコイルバネ等の弾性部材6によって、図1中反矢印A方向方となる上方に向けて付勢されている。
【0020】
クリンチャアーム4の基端側には、個々のステープルが一連に接着されたステープル集合体7が装填されるマガジン8が支軸9を中心に回動可能に取り付けられている。マガジン8は、支軸9より内側において、クリンチャアーム4との間に配設されたコイルバネ等の更なる弾性部材10によって、クリンチャ部材5から離間する図1中反矢印B方向に回動付勢されている。
【0021】
更に、支軸9には、マガジン8の上側に位置するように、ドライバアーム11が回動可能に取り付けられる。ドライバアーム11には、マガジン8内のステープル集合体より一のステープルをマガジン8の先端に形成された打出孔8aより打ち出すドライバ11aが設けられている。ドライバ11aは、弾性を有した板バネを折曲して略L字形状をなし、ドライバアーム11のマガジン8側の面に取り付けられる。ドライバ11aは、略垂直に折曲された先端部でステープルを打ち出す。
【0022】
一方、ハンドルカバー3には、ドライバ11aを駆動するアーム部材となるハンドル12が内蔵されている。ハンドル12は、基端側に、回動凹部13が形成されている。この回動凹部13は、クリンチャアーム4の基端側であって、支軸9の上方に形成された回動突起14が係合される。また、ハンドル12とドライバアーム11とは、ハンドル12及びドライバアーム11の基端側の支持孔16a,16bに作用ピン15が挿通される。したがって、ハンドル12は、クリンチャアーム4の回動突起14を中心に回動すると共に、クリンチャアーム4に対して離間する方向に付勢する弾性部材10によって付勢されたマガジン8上のドライバアーム11を作用ピン15の部分で押圧する。
【0023】
以上のように構成された手動式ハンディステープラ1は、待機状態において、図1に示す状態にある。すなわち、クリンチャ部材5は、クリンチャ部材5とクリンチャアーム4との間の弾性部材6によって、図1中反矢印A方向方となる上方に向けて付勢され、クリンチャカバー2の側壁2aより上方に突出した状態にある。また、マガジン8も、クリンチャカバー2とドライバアーム11との間の更なる弾性部材10によって、クリンチャ部材5から離間する図1中反矢印B方向に回動付勢されている。これによって、クリンチャ部材5のクリンチャ5aとマガジン8の打出孔8aとの間には、間隙が形成され、この間隙には、綴り用紙19が挿入可能となる。
【0024】
図2に示すように、クリンチャ部材5のクリンチャ5aとマガジン8の打出孔8aとの間に綴り用紙19が挿入されると、次いで、綴り用紙19を綴るため、ハンドルカバー3の例えば先端側がクリンチャカバー2に近接する図1中矢B方向に押圧される。すると、ハンドルカバー3に内蔵されたハンドル12は、作用ピン15を介して、ドライバアーム11を押圧し、ドライバアーム11が弾性部材10の弾性力に抗して図1中矢印B方向に回動し、次いで、ドライバ11aがマガジン8内のステープル集合体より一のステープルをマガジン8の先端に形成された打出孔8aより打ち出す。
【0025】
一方、実打時、クリンチャ部材5は、クリンチャアーム4とクリンチャ部材5との間の弾性部材6の弾性力に抗して、図1中矢印A方向方に移動し、クリンチャカバー2の側壁2aの下側まで沈み込む。かくして、ドライバ11aにより打ち出されたステープルは、針足が綴り用紙19を貫通し、クリンチャ5aにおいて針足が折り曲げられ、綴り用紙19を綴じることになる。
【0026】
綴られた綴り用紙19を取り出すときには、ハンドルカバー3に対する押圧を解除することで、弾性部材10の弾性力によって、ドライバアーム11がクリンチャアーム4から離間する図1中反矢印B方向に回動し、クリンチャ部材5が弾性部材6の弾性力によって、図1中反矢印A方向方に移動し、クリンチャカバー2の側壁2aの上側まで浮上し、図1に示す待機状態に戻る。
【0027】
ところで、図4に示すように、この手動式ハンディステープラ1のクリンチャカバー2には、基端側の外面コーナ部に、切欠部17が形成されており、この切欠部17よりクリンチャアーム4の基端側に固定された舌片状のリムーバ18が突出されている。
【0028】
このような手動式ハンディステープラ1では、例えば幅10.4mm、針足を6mmのステープルを用いることで、2枚から40枚の綴り用紙19を一度に綴じることができる。
【0029】
2.電動式ステープラの概要
図5及び図6に示すように、本発明が適用された電動式ステープラ20は、以上のような手動式ハンディステープラ1が装着され、手動式ハンディステープラ1を電動駆動し、綴り用紙19を自動的に綴る装置である。具体的に、この電動式ステープラ20は、手動式ハンディステープラ1が装着される装置本体21と、手動式ハンディステープラ1が装着される装着凹部23を開閉する開閉カバー22とを有する。
【0030】
(2−1)開閉カバーの説明
装置本体21は、モールド成形された外筐21aを有し、この外筐21aの前面側が大きく開放され、ここに、手動式ハンディステープラ1が装着される装着部としての装着凹部23が設けられている。装置本体21の装着凹部23を含む前面側は、開閉カバー22によって開閉される。開閉カバー22は、例えば、透明な合成樹脂によって成形され、図5中矢印C方向及び反矢印C方向に回動される。開閉カバー22は、装置本体21の装着凹部23を閉じた状態にあるとき、装着凹部23の周囲の平坦な面24との間に間隙24bを構成する。この間隙24bからは、綴じる前の綴り用紙19が挿入され、開閉カバー22が装着凹部23を閉じた状態にあっても、綴り用紙19を綴じることができるようになっている。すなわち、この間隙24bは、40枚程度の綴り用紙19を挿入できる程度の寸法に形成されている。
【0031】
具体的に、開閉カバー22は、図7及び図8に示すように、一対の略C字状の回動支持片22a,22aを有し、回動支持片22a,22aの先端部に回動軸22b,22bが形成されている。これら回動軸22b,22bは、外筐21aの上側の内面に形成された図示しない回動支持部に係合されている。また、装置本体21の外筐21aには、開閉カバー22が装着凹部23を閉塞した状態において、綴り用紙19を挿入できるようにする間隙24bを形成するためのカバー支持部22cが形成されている。カバー支持部22cは、開閉カバー22が回動支持される側において、開閉カバー22の側縁部や段部である当接部22dと当接する面で構成されている。開閉カバー22は、当接部22dがカバー支持部22cに当接支持されることで、装着凹部23を閉塞した状態にあっても、間隙24bより綴り用紙19を挿入できるようにしている。
【0032】
また、装置本体21には、開閉カバー22の開閉を検出する開閉検出レバー22eが設けられている。開閉検出レバー22eは、中程が装置本体21の側面部に設けられた支軸22fに回動可能に支持されている。開閉検出レバー22eは、開閉カバー22側の端部を、開閉カバー22の当接部22d近傍の押圧部22gに押圧される被押圧端部22hとし、支軸22fを挟んだ反対側の端部が検出端部22iとしている。開閉検出レバー22eは、付勢部材22jによって図7及び図8中矢印D方向に回動付勢されている。
【0033】
開閉検出レバー22eは、開閉カバー22が装着凹部23を閉塞しているとき、図7に示すように、開閉カバー22の被押圧端部22hが押圧部22gによって押圧され、付勢力に抗して図7及び図8中反矢印D方向に回動する。これにより、開閉検出レバー22eは、検出端部22iで、装置本体21側に設けられた検出片22kを押圧し開閉検出スイッチ22nをオンとし、開閉カバー22が装着凹部23を閉塞したことを検出できるようにする。また、図8に示すように、開閉検出レバー22eは、開閉カバー22が装着凹部23を開放するとき、被押圧端部22hが押圧部22gによって押圧されないことから、付勢部材22jの付勢力によって図7及び図8中矢印D方向に回動し、検出端部22iが検出片22kを押圧せず、開閉検出スイッチ22nをオフとし、装着凹部23が開放されていることを検出するようにしている。
【0034】
なお、開閉検出レバー22eは、回動制御片22lが設けられ、この回動制御片22lが装置本体21側の規制孔22mに係合することで、回動範囲が規制されている。
【0035】
(2−2)装着凹部の説明
図6及び図9に示すように、装置本体21の開閉カバー22で覆われる前面側は、綴り用紙19を支持する支持面となる平坦な面24が形成され、この平坦な面24の略中央領域に、手動式ハンディステープラ1のクリンチャカバー2より一回り大きい開口部24aが形成され、この開口部24a内に、手動式ハンディステープラ1が装着される装着凹部23が設けられている。
【0036】
この装着凹部23は、底面がクリンチャカバー2を支持する支持面25となっている。開口部24a内には、クリンチャカバー2の先端側を保持する保持部としての保持部材26が設けられている。保持部材26は、開口部24a内の先端側に設けられたとき、内側に向かって開口する保持凹部26aを構成する。保持凹部26aは、クリンチャカバー2の先端側において、先端面及び先端面に隣り合った相対する側面部が嵌合して、クリンチャカバー2の先端側を保持する。また、装着凹部23の支持面25には、クリンチャカバー2の基端側に設けられたリムーバ18を外部に臨ませる切欠部17に係合する位置決め凸部27が設けられている。
【0037】
開口部24a内には、保持部材26の相対する一対の片26b,26bと離間して、クリンチャカバー2の挿入方向と平行な相対する側面部を、両側から支持する支持凸部28,28が設けられている。
【0038】
装着凹部23は、底面の支持面25と先端側の保持凹部26a、位置決め凸部27、更に支持凸部28,28とで構成される。手動式ハンディステープラ1は、図10に示すように、クリンチャカバー2の部分が装着凹部23に嵌合されて保持される。具体的に、クリンチャカバー2は、先端側が保持凹部26aで保持され、位置決め凸部27がクリンチャカバー2の切欠部17に係合し、更に、両側面部が支持凸部28,28に支持されることで、がたつくことなく、確実に装着凹部23に位置決め保持される。
【0039】
なお、上述した手動式ハンディステープラ1とは異なる正規でない手動式ハンディステープラが装着凹部23に装着されようとしたときには、位置決め凸部27が邪魔をして、正規でない手動式ハンディステープラが装着凹部23に装着されることを阻止する。
【0040】
図6及び図9に示すように、装着凹部23の支持面25には、シート状の緩衝部材29が全体的に設けられている。この緩衝部材29は、ゴムシート、ウレタンシート等である。この緩衝部材29は、綴り用紙19を綴るとき、ハンドルカバー3を介してクリンチャカバー2に加わる荷重を和らげ、ハンドルカバー3が荷重によって破損することを防止する。許容枚数以上の綴り用紙19を綴じようとしたときには、過大な荷重が加わることになるが、このような場合にあっても、緩衝部材29は、クリンチャカバー2が破損することを防止する。
【0041】
図9に示すように、装着凹部23の支持面25に設けられる緩衝部材29の下側には、装着凹部23に正規の手動式ハンディステープラ1が正しく装着されたことを検出する装着検出センサ30が設けられる。具体的に、装着検出センサ30は、支持面25において、位置決め凸部27より奥近傍に設けられており、正規の手動式ハンディステープラ1のリムーバ18に押圧される。装着検出センサ30は、正規の手動式ハンディステープラ1が装着凹部23に正しく装着されたときに限って押圧される、例えば押圧マイクロスイッチである。装着検出センサ30は、外側から見えにくい位置決め凸部27より奥近傍に設けられ、更に、緩衝部材29の下側に設けられることで、手動式ハンディステープラ1の未装着の状態において、外側から見えないようになっている。また、装着検出センサ30は、手動式ハンディステープラ1のクリンチャカバー2幅方向の中心線上に設けられることで、手動式ハンディステープラ1が例えば装着凹部23の底面にゴミ等の異物があって左右に傾いて装着されてしまったことを検出することができる。すなわち、手動式ハンディステープラ1が装着凹部23に左右に傾いて装着されたときには、装着検出センサ30が押圧されないことになり、これにより、手動式ハンディステープラ1が正しく装着されていないことを検出することもできる。
【0042】
また、正規品でない手動式ハンディステープラ1より小型の手動式ハンディステープラは、装着凹部23に装着されてしまうことがあるが、正規でない小型の手動式ハンディステープラが装着凹部23に装着されたとき、装着検出センサ30は、押圧されず、装着状態を検出しない。これにより、正規でない手動式ハンディステープラが装着されたときに、電動式ステープラ20が動作してしまうことを防止できる。
【0043】
なお、後述のように、正規品でない手動式ハンディステープラ1より小型の手動式ハンディステープラは、アダプタ装置を取り付けることで、装着凹部23に正しく装着できるようになる。
【0044】
なお、装着検出センサ30が設けられる位置は、位置決め凸部27の奥近傍ではなく、その他の場所、例えば保持部材26の近傍等であっても良い。また、装着検出センサ30の数も複数個であっても良い。
【0045】
具体的に、図30及び図31に示す例では、更なる装着検出センサ30aが装着凹部23の前面、すなわち保持部材26の保持凹部26aに設けられている。また、更なる装着検出センサ30bが装着凹部23の一方の側面に設けられている。図30及び図31に示す例のように、3カ所に装着検出センサ30,30a,30bを設けたときには、正規の手動式ハンディステープラ1が正しく装着されたかを、より一層正確に検出することができる。
【0046】
すなわち、後述の制御部91は、装着検出センサ30,30a,30bが全て押されオンとなったときに限って、駆動モータ52を駆動し実打動作を許可する。これにより、例えば、装着検出センサが1個の場合、装着される正規品でない手動式ハンディステープラの大きさや形状によっては、装着検出センサ30が押されてしまうことがあっても、他の装着検出センサ30a,30bが押圧されないことで、正規品でない動式ハンディステープラが装着凹部23に装着された際に電動式ステープラ20が誤動作することを防止することができる。
【0047】
なお、装着凹部23には、装着検出センサ30に代えて、装着検出センサ30a,30bの何れかだけを設けるようにしても良い。また、装着凹部23には、装着検出センサ30と装着検出センサ30aを設けても良く、また、装着検出センサ30と装着検出センサ30bを設けても良い。
【0048】
ところで、上述のように、図9及び図10に示すように、装着凹部23の上述した保持凹部26aと支持凸部28,28との間は、綴り用紙19の挿入方向において、離間している。すなわち、この装着凹部23は、周囲の全てを、クリンチャカバー2の側面部を支持する側壁とするのではなく、保持凹部26aと支持凸部28,28とを使って、クリンチャカバー2を部分的に支持するようにしている。そこで、装着凹部23では、保持凹部26aを構成する保持部材26の相対する一対の片26b,26bと支持凸部28,28との間の間隙に、クリンチャ部材5とマガジン8との間に挿入された綴り用紙の有無を検出する用紙検出センサ31を設けるようにしている。
【0049】
用紙検出センサ31は、図11及び図12に示すように、装着凹部23の周囲の平坦な面24より略垂直に突出するように設けられている。この用紙検出センサ31は、綴り用紙19に押圧される検出レバー32と、この検出レバー32によって押圧される検出素子33とを有している。検出レバー32は、綴り用紙19を支持する平坦な面24より下側において、図示しないフレームに設けられた支軸32aによって回動自在に支持されている。そして、検出レバー32は、平坦な面24より露出した部分が綴り用紙19に押圧される被押圧部32bとなっており、支軸32aの近傍が検出素子33を押圧する押圧子32cとなっている。図12に示すように、検出レバー32は、完全に綴り用紙19が挿入される前まで、コイルバネ等の弾性体32dによって、綴り用紙19の挿入側に傾いた状態になっており、このとき、押圧子32cが検出素子33を押圧していない状態にある。
【0050】
そして、図11に示すように、綴り用紙19が装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のマガジン8とクリンチャ部材5との間に挿入されると、検出レバー32の平坦な面24より露出した被押圧部32bが挿入される綴り用紙19によって押圧される。これにより、検出レバー32は、支軸32aを中心にして、平坦な面24に対して略垂直な状態になり、検出レバー32の押圧子32cは、プリント配線基板33aに実装された検出素子33を押圧する。かくして、用紙検出センサ31は、装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のマガジン8とクリンチャ部材5との間に綴り用紙が挿入されたことを検出する。
【0051】
以上のような用紙検出センサ31は、図9に示すように、装着凹部23を連続した側壁で包囲するのではなく、保持凹部26aと支持凸部28,28とで部分的に手動式ハンディステープラ1のクリンチャカバー2を支持するようにしたので、保持部材26と支持凸部28,28との間の隙間に設けることができる。これにより、用紙検出センサ31は、装着凹部23の近接した位置に設けることができ、装置全体の大型化を防止し、小型化を実現することができる。
【0052】
すなわち、綴り用紙19をマガジン8とクリンチャ部材5との間に斜めに挿入するコーナ綴じの場合にも、装着凹部23に近接した位置にある用紙検出センサ31で綴り用紙の有無を検出することができる。
【0053】
(2−3)押上部材の説明
図5,図6,図9及び図10に示すように、装着凹部23の周囲の平坦な面24には、マガジン8とクリンチャ部材5との間に挿入された綴り用紙19を押し上げる押上部材34,34が設けられている。上述した手動式ハンディステープラ1は、図1に示すように、実打時、クリンチャ部材5は、クリンチャアーム4とクリンチャ部材5との間の弾性部材6の弾性力に抗して、図1中矢印A方向方に移動し、クリンチャカバー2の側壁2aの下側まで沈み込み、綴り用紙19の厚さによって出方の異なる針足を確実に曲げクリンチできるようにしている。したがって、この手動式ハンディステープラ1が装着凹部23に装着され、綴り用紙19を綴じるときには、クリンチャ部材5のクリンチャ5aが装着凹部23の周囲の平坦な面24より沈み込む。このため、綴じられた綴り用紙19を取り出すとき、綴り用紙19を綴じたステープルの折曲した針足がクリンチャ5aや装着凹部23を構成する開口部24aに引っかかる虞がある。
【0054】
そこで、装着凹部23の周囲の平坦な面24には、図9及び図10に示すように、押上部材34,34を設け、押上部材34,34で綴り用紙19を装着凹部23の周囲の面24より高く押し上げ、綴り用紙19を綴じたステープルの折曲した針足がクリンチャ5aや装着凹部23に引っかからないようにしている。
【0055】
具体的に、押上部材34,34は、図5,図6,図9及び図10に示すように、装着凹部23の前方の両側に設けられ、それぞれが板バネで形成されている。押上部材34,34は、装着凹部23の周囲の平坦な面24に綴り用紙19の挿入方向に沿って湾曲した押上面34a,34aを有し、押上面34a,34aは、装着凹部23の周囲の平坦な面24より突出して設けられている。押上部材34,34は、湾曲した押上面34a,34aで綴り用紙19を弾性支持し、綴り用紙19を、装着凹部23の周囲の平坦な面24より離間させ、更に、クリンチャ5aの上面より高くなるように持ち上げる。押上面34a,34aは、綴り用紙19の挿入方向に沿って湾曲して設けられることで、クリンチャ5aの部分でより綴り用紙19を高く押し上げることができる。これにより、綴り用紙19を綴じたステープルの折曲した針足がクリンチャ5aや装着凹部23に引っかかることを防止することができる。
【0056】
なお、押上部材34,34は、更に、図13及び図14に示すように構成しても良い。図13及び図14に示す押上部材35は、装着凹部23より綴り用紙19の挿入方向の手前側近傍の平坦な面24に設けられている。押上部材35は、綴り用紙19を支持する押上部35aと、平坦な面24に回動可能に取り付けるための回動支持部35b,35bとを有し、回動支持部35b,35bの回動支持軸35c,35cが平坦な面24の内側に形成された支持孔35d,35dに係合されている。押圧部材35は、押上部35aの内側から、押上部35aの内側に構成された空間部に配設されたコイルバネ等の弾性部材35eによって突出方向に弾性付勢されている。これにより、押上部35aは、装着凹部23側が高くなる傾斜面となり、クリンチャ5aの部分でより綴り用紙19を高く押し上げることができる。このような押上部材35も、押上部35aで綴り用紙19を弾性支持し、綴り用紙19を装着凹部23の周囲の平坦な面24より離間させるように持ち上げる。これにより、綴り用紙19を綴じたステープルの折曲した針足がクリンチャ5aや装着凹部23に引っかかることを防止することができる。
【0057】
更に、押上部材34,35は、図15に示すように構成しても良い。図15に示す押上部材36は、装着凹部23より綴り用紙19の挿入方向の手前側近傍の平坦な面24に設けられている。押上部材36は、平坦な面24に対して略垂直な上下方向に直線的に移動可にするガイド部36aの一端側に綴り用紙19を支持する押上部36bが設けられている。押上部材36は、ガイド部36aにおいて、平坦な面24の内側の空間部において、上下方向に移動可能にガイドされており、更に、ガイド部36a内に、コイルバネ等の弾性部材36cによって上方に向かって弾性付勢されている。また、押上部36bは、装着凹部23側が高くなる傾斜面となっている。このような押上部材36も、押上部36bで綴り用紙19を弾性支持し、綴り用紙19を装着凹部23の周囲の平坦な面24より離間させるように持ち上げる。これにより、綴り用紙19を綴じたステープルの折曲した針足がクリンチャ5aや装着凹部23に引っかかることを防止することができる。
【0058】
更に、押上部材34,35,36は、図16に示すように構成しても良い。図16に示す押上部材37は、装着凹部23より綴り用紙19の挿入方向の手前側近傍の平坦な面24に一体に設けられた弾性片であり、装着凹部23側が高くなる傾斜面となり、クリンチャ5aの部分でより綴り用紙19を高く押し上げることができる。このような押上部材37も、綴り用紙19を弾性支持し、綴り用紙19を装着凹部23の周囲の平坦な面24より離間させるように持ち上げる。これにより、綴り用紙19を綴じたステープルの折曲した針足がクリンチャ5aや装着凹部23に引っかかることを防止することができる。
【0059】
なお、図17に示す押上部材38は、押上部材37の変形例であり、押上部材37と同様弾性片であり、装着凹部23より綴り用紙19の挿入方向の手前側近傍の平坦な面24に接着剤や粘着テープ等によって取り付けられている。このような押上部材38によっても、上述の押上部材37と同様な効果を得ることができる。
【0060】
(2−4)押圧レバーの説明
以上のような装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1は、装置本体21に設けられた押圧レバー41によってハンドルカバー3が押圧されることで、綴り用紙19の実打動作に移る。この押圧レバー41は、図18に示すように、装置本体21内に配設されるフレーム42の綴り用紙19の挿入方向と平行な、相対する側板43a,43bに回動可能に取り付けられる。
【0061】
具体的に、押圧レバー41は、側板43a,43bに取り付けられる回動支持レバー44a,44bと、回動支持レバー44a,44bの先端部に架け渡される押圧ローラ45とを有する。この押圧ローラ45は、装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のハンドルカバー3を押圧する押圧部となるものであり、回動支持レバー44a,44bの先端部に架け渡された支軸に対して回転自在に取り付けられている。
【0062】
押圧ローラ45は、その外周面に、緩衝部材46が設けられている。この緩衝部材46は、ここでは、塩化ビニル樹脂を用いている。なお、緩衝部材46としては、ゴムシート、ウレタンシート等であっても良い。押圧ローラ45は、実打時、ハンドルカバー3の表面を先端側になぞるように移動しながら、ハンドルカバー3を押圧する。
【0063】
装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1は、装着凹部23の底面の支持面25に下側から支持され、実打時、ハンドルカバー3が押圧ローラ45に押圧されることになる。手動式ハンディステープラ1は、実打時、装着凹部23の緩衝部材29で荷重が緩和され、更に、押圧ローラ45の緩衝部材46でも荷重が緩和される。したがって、装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1は、仮に、許容枚数以上の綴り用紙19を綴じようとし、過大な荷重が加わったときであっても、緩衝部材29,46で荷重が緩和されて、クリンチャカバー2やハンドルカバー3が破損することを防止することができる。勿論、緩衝部材としては、緩衝部材29,46の何れか一方のみしても良い。
【0064】
以上のような押圧ローラ45が先端側に取り付けられた押圧レバー41は、回動支持レバー44a,44bの中程が回動軸部材47,47によって側板43a,43bに回動自在に取り付けられる。
【0065】
(2−5)押圧レバーの駆動機構の説明
以上のような押圧レバー41は、図18に示すように、フレーム42に取り付けられた駆動モータ52を駆動源とする駆動機構51によって回動される。具体的に、駆動機構51は、駆動モータ52の出力軸に設けられたウォーム52aに、一方の側板43aに取り付けられた第1の二段ギヤ53の大径部53aが噛合され、小径部53bが第2の二段ギヤ54の大径部54aが噛合され、小径部54bが駆動ギヤ55に噛合されてなる。
【0066】
駆動ギヤ55は、フレーム42の側板43a,43b間に挿通される主軸56の側板43a側の一端部に取り付けられる。この駆動ギヤ55は次に説明する押圧レバー41の回動制御機構61の一部を構成する。側板43a,43bの内側に配設される押圧レバー41の回動支持レバー44a,44bは、逃げ孔48,48が形成され、主軸56を逃げるようになっている。
【0067】
(2−6)押圧レバーの回動制御機構の説明
押圧レバー41を回動制御する回動制御機構61は、図18−図20に示すように、駆動ギヤ55の側板43a側に設けられた主軸56に対して偏芯した偏芯カム62を有する。この環状の偏芯カム62は、主軸56に対して偏芯した円形状をなすリブで構成されている。そして、この偏芯カム62には、更に、駆動ギヤ55と側板43aとの間に位置するようにして、押圧レバー41を回動制御する回転駆動体63が取り付けられる。この回転駆動体63は、環状リブ状の偏芯カム62に回転自在な状態で嵌合するように偏芯カム62に取り付けられる。回転駆動体63は、偏芯カム62に嵌合し得るように全体形状が略円形で、更に、一体的に突出部64が形成されている。この突出部64には、押圧レバー41を回動する挿通孔65が形成されている。この挿通孔65は、円形でも良いが、ここでは長孔に形成されている。回動制御機構61では、偏芯カム62に回転駆動体63を回転自在に取り付け、更に、回転駆動体63の突出部64の挿通孔65を設けることによって、手動式ハンディステープラ1のハンドルカバー3を押圧するのに必要な押圧レバー41のストロークを確保するようにしている。
【0068】
この挿通孔65には、押圧レバー41の回動制御軸66が挿通される。この回動制御軸66は、押圧レバー41の回動支持レバー44a,44b間に、回動支点となる回動軸部材47,47と基端部との間に位置で、架け渡すように挿通されており、一方の側板43a側の一端部が挿通される。この回動制御軸66が挿通される側板43aの挿通孔67も、挿通孔65に合わせた長孔となっている。なお、この回動制御軸66の一端部には、挿通孔65から回動制御軸66が脱落することを防止する脱落防止部材を取り付けるようにしても良い。
【0069】
回動制御軸66の端部は、側板43aに形成された回動範囲規制凹部68に係合される。回動範囲規制凹部68は、押圧ローラ45を上側に上げているとき、すなわち手動式ハンディステープラ1を待機状態としているとき、その底部に回動制御軸66の一端部が突き当たり、回動範囲を規制するようにしている。
【0070】
かくして、回動制御機構61は、駆動ギヤ55が駆動機構51を介して回転されると、この回転に合わせて偏芯カム62の位置も上下動し、回転駆動体63も、駆動ギヤ55に合わせて回転する。すると、回転駆動体63及び側板43aの挿通孔65,67に挿通された回動制御軸66の一端部は、偏芯カム62のリブ外周部に倣って上下動することになる。
【0071】
ところで、押圧レバー41の回動支持レバー44a,44bには、基端側に、固定軸69が取り付けられている。そして、上述の回動制御軸66と固定軸69との間には、コイルバネ等でなる押圧力調整部材70,70が架け渡されている。なお、回動制御軸66は、回転駆動体63及び側板43aの長孔の挿通孔65,67に挿通されているが、押圧力調整部材70,70によって、長孔の挿通孔65,67の一端に突き当てられ、基本的に固定された状態となる。これにより、回転駆動体63及び側板43aの挿通孔65,67に挿通された回動制御軸66の一端部は、偏芯カム62のリブ外周部に倣って上下動することになる。
【0072】
手動式ハンディステープラ1は、綴り用紙19の枚数、すなわち厚さによって、実打する際のハンドル12のストロークが異なってくる。したがって、綴り用紙19の枚数が多いときには、押圧ローラ45がハンドルカバー3を押圧する押圧力が大きくなり、綴り用紙19が少ないときには、押圧ローラ45がハンドルカバー3を押圧する押圧力が小さくなる。また、許容枚数以上の綴り用紙19を綴じようとしたときには、過大な押圧力がハンドルカバー3に加わることになる。
【0073】
このような際、押圧力調整部材70,70によって固定軸69と連結された回動制御軸66は、長孔の挿通孔65,67の一端側から他端側に、押圧力調整部材70,70の付勢力に抗して移動する。押圧ローラ45がハンドルカバー3を押圧する押圧力は、押圧力調整部材70,70が伸長することで、綴り用紙19の枚数が異なってもバラツキが小さくなり、ハンドルカバー3に過大な押圧力が加わり、ハンドルカバー3を破損することを防止することができる。そして、押圧力調整部材70,70は、上述した装着凹部23の緩衝部材29や押圧ローラ45の緩衝部材46と共同して、ハンドルカバー3への荷重を緩和することができる。
【0074】
なお、押圧力調整部材70,70の数は、1つでも3つ以上でもよく、また、コイルバネに限定されるものはない。
【0075】
以上のような押圧レバー41を回動するための偏芯カム62や回転駆動体63は、図18に示すように、フレーム42の側板43a側だけでなく、ほぼ同じ機構が側板43b側にも設けられている。具体的に、側板43a側の駆動ギヤ55が一端側に取り付けられた主軸56の他端側には、偏芯カム62に対応する偏芯カム部材71が取り付けられている。この偏芯カム部材71も、主軸56に対して偏芯して取り付けられている。そして、偏芯カム部材71には、更に、偏芯カム部材71と側板43bとの間に位置するようにして、押圧レバー41を回動制御する回転駆動体72が取り付けられる。回転駆動体72にも、突出部73が設けられ、突出部73には、挿通孔65に対応した長孔の挿通孔74が形成されている。また、側板43bにも、挿通孔67に対応した長孔の挿通孔75が形成されている。そして、回動制御軸66の他端部は、挿通孔74,75に挿通され、偏芯カム部材71の外周部に当接され上下動することになる。
【0076】
すなわち、押圧レバー41は、一方の側板43a側の偏芯カム62,回転駆動体63と他方の側板43b側の偏芯カム部材71,回転駆動体72とが主軸56によって同期して回転することで、側板43a,43bの両側で回動制御される。
【0077】
図19に示すように、押圧レバー41が手動式ハンディステープラ1の待機状態にあるとき、押圧レバー41は、回動軸部材47,47を支点に図18及び図19中矢印E方向に回動し、押圧ローラ45が装着凹部23から上昇し、離間した状態にある。押圧レバー41がこの待機状態あるとき、手動式ハンディステープラ1は、マガジン8とクリンチャ部材5とが離間した状態で、実打動作前の待機状態にある。また、押圧レバー41が図19に示す位置にあるときには、装着凹部23に対して手動式ハンディステープラ1を着脱することができる。
【0078】
綴り用紙19の実打動作に移るとき、駆動モータ52が正転駆動すると、第1及び第2の二段ギヤ53,54を介して駆動ギヤ55及び偏芯カム部材71とが主軸56を中心に一方向に同期して回転する。すると、駆動ギヤ55の偏芯カム62及び偏芯カム部材71に回転自在に取り付けられた回転駆動体63,72は、偏芯カム62及び偏芯カム部材71に対して回転する。回転駆動体63,72の挿通孔65,74に挿通され、偏芯カム62及び偏芯カム部材71に当接された回動制御軸66は、偏芯カム62及び偏芯カム部材71の回転及び偏芯カム62及び偏芯カム部材71に対する回転駆動体63,72の回転に従って上方向に移動する。これにより、押圧レバー41は、回動軸部材47,47を支点に図18及び図19中反矢印E方向に回動し、押圧ローラ45が装着凹部23に近接する方向に移動する。かくして、図20に示すように、押圧ローラ45は、装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のハンドルカバー3を押圧し、手動式ハンディステープラ1で綴り用紙19を綴じることができる。
【0079】
押圧レバー41は、駆動モータ52がこのまま正転駆動され続けることで、再び図19に示す待機状態に戻る。
【0080】
ところで、綴り用紙19の綴じる枚数によってその厚さも異なり、ハンドル12のストロークが異なってくる。また、許容枚数以上の綴り用紙19を綴じようとしたときには、過大な押圧力がハンドルカバー3に加わることになる。このような負荷によって、押圧レバー41が下死点に至ることができないとき、図21に示すように、押圧レバー41には、図21中反矢印E方向の反力が加わる。すると、回動制御軸66は、回動制御軸66と固定軸69との間に架け渡された押圧力調整部材70,70を伸長して、長孔の挿通孔65,67,74,75内を一端側から他端側に移動する。これにより、押圧ローラ45がハンドルカバー3を押圧する押圧力は、綴り用紙19の枚数が異なってもバラツキが小さくなり、ハンドルカバー3に過大な押圧力が加わり、ハンドルカバー3を破損することを防止することができる。
【0081】
なお、以上図18−図21の例では、偏芯カム62と偏芯カム部材71とを円形状に形成したが、図22に示すように、非円形としても良い。この場合、偏芯カム62と偏芯カム部材71の外周部に当接する回動制御軸66の各端部の動きは、変化に富むものとなり、例えば、実打時の押圧レバー41の矢印E方向の動きを他のときの動きより速め、より手動式ハンディステープラ1を手で動作させるときの動きに近づけることができる。すなわち、偏芯カム62と偏芯カム部材71の外周部の形状は、円形を基本形状としながらも、場所によって半径を異ならせて種々変形を加え、例えば下死点の範囲を広く取れるように、下死点の範囲を回転軸と円中心とを一致させる形状としても良い。これにより、ハンドルカバー3に対して、押圧レバー41を用いて、瞬間的な荷重ではなく時間に幅のある荷重を加えることができる。
【0082】
(2−7)押圧レバーの位置検出機構の説明
押圧レバー41の位置は、図23及び図24に示すように、フレーム42の側板43側の偏芯カム部材71に設けられた位置検出機構81によって検出される。この位置検出機構81は、偏芯カム部材71の外側の面に設けられる被検出体82と、この被検出体82によって選択的に押圧される検出レバー83とを有する。
【0083】
被検出体82は、外周部の一部に切欠部を設け、切欠部の無い部分を長径部82aとし、切欠部の部分を短径部82bとしている。一方、フレーム42の側板43bには、検出レバー83が側板43bの支軸83aに回動自在に取り付けられている。この検出レバー83は、一端が側板43bに係止され、他端が検出レバー83に係止されたコイルバネ等の付勢部材84によって一方向に付勢され、先端部が被検出体82の長径部82aに押圧される。
【0084】
図23に示すように、押圧レバー41が上昇し待機状態にあるとき、検出レバー83の先端部は、切欠部のある短径部82bの位置にあり、押圧されていない状態にある。そして、このとき、検出スイッチ85は、検出レバー83に押圧されずオフの状態にある。
【0085】
図24に示すように、押圧レバー41の図24中矢印E方向に回動し、実打動作に移ると、検出レバー83の先端部は、偏芯カム部材71の回転に従って、被検出体82の短径部82bから長径部82aに移る。すると、検出レバー83の先端部は、長径部82aに押圧され、検出スイッチ85を押圧しオンの状態にする。被検出体82の長径部82aは、押圧レバー41が図24中矢印E方向及び反矢印E方向に回動している間、検出レバー83の先端部を押圧し続ける。これにより、検出スイッチ85は、押圧レバー41が回動動作している間と動作していない間とを検出することができる。そして、検出スイッチ85がオンの状態からオフの状態に戻ると、駆動モータ52は駆動停止する。
【0086】
検出スイッチ85の出力が入力される制御部は、タイマを有しており、検出スイッチ85がオンの間の時間を計時する。制御部は、検出スイッチ85のオンの状態が所定時間以上続いたとき、押圧レバー41の動作に異常が発生し、回動しない状態になったと判断し、駆動モータ52を逆転駆動し、押圧レバー41をこれまでと逆方向に動作させる。すなわち、制御部は、図24中矢印E方向に回動しているとき、駆動モータ52を逆転駆動し、押圧レバー41の反矢印E方向に回動させ、待機状態に戻し、駆動停止する。
【0087】
(2−8)電動式ステープラの回路の説明
図25に示すように、この電動式ステープラ20は、マイクロコンピュータ等で構成された制御部91と、タイマ92とを有する。この制御部91には、装置本体21の表面に設けられた操作部93が接続されている。操作部93は、例えば押しボタンであって、電源ボタンや綴り用紙19を綴じるときの動作開始ボタン等である。この制御部91は、例えば電源ボタンが投入されると、待機状態になり、動作開始ボタンが押されると、綴り用紙19を綴じる動作を開始する。
【0088】
制御部91は、開閉検出スイッチ22nの出力が入力され、開閉カバー22が装着凹部23を閉じておりオンとなっているとき、駆動モータ52を駆動開始し、実打動作を許可する。なお、制御部91は、開閉検出スイッチ22nがオフのときにも、実打動作を許可しても良いが、この場合には、例えば警告音を内蔵スピーカより放音したり、警告灯を点灯したり、表示部に警告表示を行ったりして、ユーザに開閉カバー22が開いていることを告知するようにしても良い。
【0089】
また、制御部91には、用紙検出センサ31の検出素子33の出力が入力される。制御部91は、綴り用紙19が装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のマガジン8とクリンチャ部材5との間に綴り用紙19が挿入されず、検出素子33がオフのとき、駆動モータ52を駆動しないようにし、実打動作を禁止する。すなわち、装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1が空打ちをしないようにする。
【0090】
更に、制御部91には、装着検出センサ30の出力が入力される。装着検出センサ30は、装着凹部23に手動式ハンディステープラ1が正しく装着されているかどうかをするセンサであり、装着凹部23に手動式ハンディステープラ1が正しく装着されず、オンの入力がないとき、駆動モータ52を駆動しないようにし、実打動作を禁止する。
【0091】
更に、制御部91には、位置検出機構81の検出スイッチ85の出力が入力される。制御部91は、検出スイッチ85がオンの間の時間をタイマ92で計時する。制御部91は、検出スイッチ85のオンの状態が所定時間以上続いたとき、押圧レバー41の動作に異常が発生し、回動しない状態になったと判断し、駆動モータ52を逆転駆動し、押圧レバー41をこれまでと逆方向に動作させる。すなわち、制御部は、図24中矢印E方向に回動しているとき、駆動モータ52を逆転駆動し、押圧レバー41の反矢印E方向に回動させ、待機状態に戻し、駆動停止する。
【0092】
以上のように、電動式ステープラ20の制御部91は、開閉検出スイッチ22nがオンで、用紙検出センサ31の検出素子33がオンで、装着検出センサ30がオンのとき、実打動作を開始することになる。そして、制御部91は、位置検出機構81の検出スイッチ85がオンの時間を計時することで、押圧レバー41に動作異常が発生しているかどうかを検出するようにし、異常を検出したとき、駆動モータ52を逆転駆動し、押圧レバー41の押圧ローラ45を装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のハンドルカバー3から離間させ、綴り用紙19を取り出すことができるようにする。
【0093】
ところで、この電動式ステープラ20には、図25に示すように、駆動モータ52の前段に負荷検出部94を設けても良い。この負荷検出部94は、駆動モータ52の過電流を検出する。過負荷検出部94は、過電流が所定値以上となったとき、駆動モータ52を停止したり、逆転駆動する。例えば、許容枚数以上の綴り用紙19を綴じようとしたときや押圧レバー41の回動制御機構61が機械的に故障したときには、過大な押圧力がハンドルカバー3に加わって、ハンドルカバー3を破損してしまう虞がある。また、駆動モータ52も焼けてしまう虞がある。過負荷検出部94は、過電流が所定値以上となったとき、駆動モータ52の動作を停止したり、逆転駆動することで、ハンドルカバー3に過大な負荷が加わらないようにする。また、逆転駆動のみでなく、制御部91電流制御で電流制御を行い、モータ52への電流を抑制し、モータのトルクを低減させて過負荷防止としても良い。この際、トルク低下でモータが停止したのを検知後に、モータ52を逆転駆動させて押圧アームを初期位置に復帰させても良い。
【0094】
なお、制御部91は、位置検出機構81の検出スイッチ85が所定時間以上続いたとき、逆転駆動するようにして駆動モータ52の過負荷を防止している。過負荷検出部94は、上述の検出スイッチ85を用いた過負荷検出と併用しても良いし、検出スイッチ85に代えて用いるようにしても良い。
【0095】
(2−9)電動式ステープラの全体動作の説明
先ず、手動式ハンディステープラ1の装着方法について説明すると、図8に示すように、開閉カバー22は、回動軸22b,22bを中心として、図8中反矢印C方向に回動されて、装着凹部23を閉塞した状態から、装着凹部23を開放する。次いで、図26に示すように、手動式ハンディステープラ1は、クリンチャカバー2の部分が装着凹部23に嵌合されて保持される。具体的に、図10に示すように、クリンチャカバー2は、先端側が保持凹部26aで保持され、位置決め凸部27がクリンチャカバー2の切欠部17に係合し、更に、両側面部が支持凸部28,28に支持されることで、がたつくことなく、確実に装着凹部23に位置決め保持することができる。また、正規の手動式ハンディステープラ1が装着凹部23に保持されると、装着検出センサ30は、手動式ハンディステープラ1のリムーバ18に押圧されて、装着凹部23に正規の手動式ハンディステープラ1が正しく装着されたことを検出する。
【0096】
なお、正規でない手動式ハンディステープラが装着凹部23に装着されようとしたときには、位置決め凸部27が邪魔をして、正規でない手動式ハンディステープラが装着凹部23に装着されることを阻止することができる。また、装着検出センサ30が手動式ハンディステープラ1の装着を検出しないことで、動作を禁止することができる。
【0097】
この後、図8に示すように、開閉カバー22は、回動軸22b,22bを中心として、図8中矢印C方向に回動されて、装着凹部23を開放した状態から、図7に示すように、装着凹部23を閉塞する。
【0098】
次に、綴り用紙19を綴じる動作について説明すると、まず、図27に示すように、開閉カバー22と装着凹部23の周囲の平坦な面24との間の間隙24bから、綴り用紙19が装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のマガジン8とクリンチャ部材5との間に挿入される。すると、検出レバー32の平坦な面24より露出した被押圧部32bが挿入された綴り用紙19によって押圧される。これにより、図11に示すように、検出レバー32は、支軸32aを中心にして、平坦な面24に対して略垂直な状態になり、検出レバー32の押圧子32cは、プリント配線基板33aに実装された検出素子33を押圧する。かくして、用紙検出センサ31は、装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のマガジン8とクリンチャ部材5との間に綴り用紙19が挿入されたことを検出する。
【0099】
ここで、電動式ステープラ20は、図9に示すように、装着凹部23を連続した側壁で包囲するのではなく、保持凹部26aと支持凸部28,28とで部分的に手動式ハンディステープラ1のクリンチャカバー2を支持するようにし、間の間隙に、用紙検出センサ31を設けるようにしている。したがって、綴り用紙19をマガジン8とクリンチャ部材5との間に斜めに挿入するコーナ綴じの場合にも、装着凹部23に近接した位置にある用紙検出センサ31で綴り用紙の有無を検出することができる。
【0100】
次いで、制御部91は、開閉検出スイッチ22nがオンで、用紙検出センサ31の検出素子33がオンで、装着検出センサ30がオンのとき、操作部93の動作開始ボタンが押圧されると、図28に示すように、実打動作を開始する。
【0101】
すなわち、駆動モータ52が正転駆動し、第1及び第2の二段ギヤ53,54を介して駆動ギヤ55及び偏芯カム部材71とが主軸56を中心に一方向に同期して回転する。すると、駆動ギヤ55の偏芯カム62及び偏芯カム部材71に回転自在に取り付けられた回転駆動体63,72は、偏芯カム62及び偏芯カム部材71に対して回転する。回転駆動体63,72の挿通孔65,74に挿通され、偏芯カム62及び偏芯カム部材71に当接された回動制御軸66は、偏芯カム62及び偏芯カム部材71の回転及び偏芯カム62及び偏芯カム部材71に対する回転駆動体63,72の回転に従って上方向に移動する。これにより、押圧レバー41は、回動軸部材47,47を支点に図18及び図19中反矢印E方向に回動し、押圧ローラ45が装着凹部23に近接する方向に移動する。かくして、図28に示すように、押圧ローラ45は、装着凹部23に装着された手動式ハンディステープラ1のハンドルカバー3を押圧することができる。
【0102】
次いで、押圧ローラ45によりハンドルカバー3を押圧されると、ハンドルカバー3に内蔵されたハンドル12は、作用ピン15を介して、ドライバアーム11を押圧し、ドライバアーム11が弾性部材10の弾性力に抗して図1中矢印B方向に回動し、次いで、ドライバ11aがマガジン8内のステープル集合体より一のステープルをマガジン8の先端に形成された打出孔8aより打ち出す。このとき、クリンチャ部材5は、クリンチャアーム4とクリンチャ部材5との間の弾性部材6の弾性力に抗して、図1中矢印A方向方に移動し、クリンチャカバー2の側壁2aの下側まで沈み込む。かくして、ドライバ11aにより打ち出されたステープルは、針足が綴り用紙19を貫通し、クリンチャ5aにおいて針足が折り曲げられ、綴り用紙19を綴じる。
【0103】
このとき、押圧力調整部材70,70は、押圧ローラ45がハンドルカバー3を押圧する押圧力を緩和し、更に、上述した装着凹部23の緩衝部材29や押圧ローラ45の緩衝部材46と共同して、ハンドルカバー3への荷重を緩和することができる。
【0104】
次いで、押圧レバー41は、駆動モータ52がこのまま正転駆動され続けることで、再び図29に示す待機状態に戻る。そして、押圧レバー41のハンドルカバー3に対する押圧が解除されると、弾性部材10の弾性力によって、ドライバアーム11がクリンチャアーム4から離間する図1中反矢印B方向に回動し、クリンチャ部材5が弾性部材6の弾性力によって、図1中反矢印A方向方に移動し、クリンチャカバー2の側壁2aの上側まで浮上し、図1に示す待機状態に戻る。
【0105】
このとき、図29に示すように、手動式ハンディステープラ1が待機状態に戻るのに伴い、押上部材34,34は、湾曲した押上面34a,34aで綴り用紙19を弾性支持し、綴り用紙19を、クリンチャ5aの部分より高く押し上げる。これにより、綴り用紙19を引き抜く際に、綴り用紙19を綴じたステープルの折曲した針足が、クリンチャ5aや装着凹部23に引っかかることを防止することができる。
【0106】
次いで、綴り用紙19が、手動式ハンディステープラ1のマガジン8とクリンチャ部材5との間から引き抜かれるとともに、開閉カバー22と装着凹部23の周囲の平坦な面24との間の間隙24bから、引き抜かれる。このとき、綴り用紙19は、押上部材34,34によって、クリンチャ5aの部分より高く押し上げられているので、綴り用紙19を綴じたステープルの折曲した針足が、クリンチャ5aや装着凹部23に引っかかることなく、容易に引き抜くことができる。
【0107】
3.他の手動式ハンディステープラ(第2の手動式ハンディステープラ)の説明
ところで、以上のような電動式ステープラ20では、アダプタ装置111を、手動式ハンディステープラ1とは異なる手動式ハンディステープラ101に装着することで、アダプタ装置111が取り付けられた手動式ハンディステープラ101を、装着凹部23に装着できるようになっている。
【0108】
図32(A)−図32(C)に示すように、ここで説明する手動式ハンディステープラ101は、図1−図3に示した手動式ハンディステープラ1より小型であって、例えば幅8.4mm、針足を5mmのステープルを用いることで、2枚から20枚の綴り用紙19を一度に綴じることができるものである。
【0109】
具体的に、この手動式ハンディステープラ101は、クリンチャアーム102の基端側に設けられた支軸103に、マガジン104が回動可能に取り付けられ、更に、マガジン104の上側に、アーム部材となるドライバアーム105が回動可能に取り付けられる。
【0110】
クリンチャアーム102には、先端部にクリンチャ102aが形成される。マガジン104は、個々のステープルが一連に接着されたステープル集合体が装填される。マガジン104の先端部には、マガジン104内のステープル集合体より一のステープルを打ち出す打出孔104aが形成されている。ドライバアーム105の先端部には、マガジン104内のステープル集合体より一のステープルをマガジン104の先端に形成された打出孔104aより打ち出すドライバ105aが設けられている。ドライバ105aは、弾性を有した板バネを折曲して略L字形状をなし、略垂直に折曲された先端部でステープルを打ち出す。クリンチャアーム102の基端側に設けられた支軸103に回動可能なマガジン104及びドライバアーム105は、クリンチャアーム102とマガジン104との間の板バネ等の弾性部材109によってクリンチャアーム102から離間する方向に回動付勢されている。
【0111】
また、クリンチャアーム102には、先端部に、第1のサポータ106が設けられている。また、ドライバアーム105の先端部には、第2のサポータ107が設けられ、更に、ドライバアーム105の基端部には、支軸103の両端部を覆うようにして第3のサポータ108が設けられている。
【0112】
以上のように構成された手動式ハンディステープラ101は、待機状態において、図32(B)に示す状態にある。すなわち、クリンチャアーム102とマガジン104とは、弾性部材109によって、互いに離間する方向に回動付勢されている。これによって、クリンチャ102aとマガジン104の打出孔104aとの間には、間隙が形成され、この間隙には、綴り用紙110が挿入可能となる。
【0113】
図32(C)に示すように、クリンチャアーム102とマガジン104との間の間隙に綴り用紙110が挿入されると、次いで、綴り用紙110を綴るため、ドライバアーム105がクリンチャアーム102に近接する方向に押圧される。すると、ドライバアーム105が弾性部材109の弾性力に抗して回動し、次いで、ドライバ105aがマガジン104内のステープル集合体より一のステープルをマガジン104の先端に形成された打出孔104aより打ち出す。ドライバ105aにより打ち出されたステープルは、針足が綴り用紙110を貫通し、クリンチャ102aにおいて針足が折り曲げられ、綴り用紙110を綴じることになる。
【0114】
綴られた綴り用紙110を取り出すときには、ドライバアーム105に対する押圧を解除することで、弾性部材109の弾性力によって、ドライバアーム105がクリンチャアーム102から離間する方向に回動し、図32(B)に示す待機状態に戻る。
【0115】
4.アダプタの説明
(4−1)アダプタ装置の説明
図33に示すように、本発明が適用されたアダプタ装置111は、クリンチャアーム102を覆う第1のカバー112と、ドライバアーム105を覆う第2のカバー121とを有する。
【0116】
第1のカバー112は、図1−図4に示した手動式ハンディステープラ1のクリンチャカバー2と略同じ大きさに形成されており、内側に、図32に示した手動式ハンディステープラ101のクリンチャアーム102が取り付けられる第1の取付凹部113が設けられている。第1の取付凹部113は、略矩形板状をなすクリンチャアーム102が位置決めされて取り付けられるように、クリンチャアーム102の外形と略同じ大きさに形成された凹部となっている。
【0117】
クリンチャアーム102に設けられた第1のサポータ106に対応する位置には、第1のサポータ106の厚さに対応して第1の取付凹部113より深く形成された第1の取付部114が形成されている。第1の取付凹部113及び第1の取付部114は、クリンチャアーム102が第1の取付凹部113に取り付けられたとき、クリンチャ102aの高さが、第1の取付凹部113及び第1の取付部114を構成する周壁113aの頂面と略面一となるような高さに形成されている。第1のカバー112は、手動式ハンディステープラ101に装着された状態で電動式ステープラ20の装着凹部23に装着されると、クリンチャ102aが装着凹部23の周囲の平坦な面24と略同じかやや高い場所に位置するようになっている。すなわち、第1のカバー112の第1の取付凹部113や第1の取付部114の形状は、取り付けられる手動式ハンディステープラ101のクリンチャアーム102の外形形状に合わせて決定される。
【0118】
ところで、図6及び図9に示すように、装着凹部23の支持面25には、手動式ハンディステープラ1のクリンチャカバー2の基端側に設けられたリムーバ18を外部に臨ませる切欠部17に係合する位置決め凸部27が設けられている。また、装着凹部23の支持面25には、位置決め凸部27より奥近傍に、装着凹部23に正規の手動式ハンディステープラ1が正しく装着されたことを検出する装着検出センサ30が設けられている。この装着検出センサ30は、正規の手動式ハンディステープラ1のリムーバ18に押圧される。
【0119】
アダプタ装置111を構成する第1のカバー112では、手動式ハンディステープラ1の切欠部17に対応する位置に、位置決め凹部115が設けられ、更に、基端側に、位置決め凹部115と連続した凸部で構成された押圧部116が設けられている。第1のカバー112が装着凹部23に装着されたとき、位置決め凹部115には、装着凹部23の位置決め凸部23が係合し、押圧部116は、装着検出センサ30を押圧する。
【0120】
第1のカバー112には、基端側に、第2のカバー121を回動支持する第1の回動支持片117,117が設けられている。第1の回動支持片117,117の先端側には、支軸部118となる凸又は凹部が設けられている。
【0121】
第1のカバー112の基端側において回動支持される第2のカバー121は、図1−図4に示した手動式ハンディステープラ1のハンドルカバー3が取り付けられる第2の取付凹部122が設けられている。第2の取付凹部122は、ドライバアーム105が位置決めされて取り付けられるように、ドライバアーム105の外形と略同じ大きさに形成された凹部となっている。
【0122】
ドライバアーム105に設けられた第2のサポータ107に対応する位置には、第2のサポータ107の厚さに対応して第2の取付凹部122より深く形成された第2の取付部123が形成されている。また、ドライバアーム105に設けられた第3のサポータ108に対応する位置には、第3のサポータ108の厚さに対応して第2の取付凹部122より深く形成された第3の取付部124が形成されている。第2のカバー121は、第2の取付凹部122にドライバアーム105が取り付けられると、待機状態にある手動式ハンディステープラ101のマガジン104が外部に臨む程度の深さに形成されている。すなわち、第2のカバー121の第2の取付凹部122や第2及び第3の取付部123,124の形状は、取り付けられる手動式ハンディステープラ101のドライバーアーム105の外形形状に合わせて決定される。
【0123】
また、第2のカバー121には、基端側に、第1のカバー112と回動可能に連結される第2の回動支持片125,125が設けられている。第2の回動支持片125,125の先端側には、支軸部118となる凸又は凹部が設けられている。第1のカバー112と第2のカバー121とは、第1及び第2の回動支持片117,125の凹凸が嵌合されることで、支軸部118となり、互いに回動可能となる。ここで、第1のカバー112がクリンチャアーム102に取り付けられ、第2のカバー121がドライバアーム105に取り付けられたとき、支軸部118は、手動式ハンディステープラ101の支軸103と軸線が一致する。これにより、手動式ハンディステープラ101は、第1のカバー112がクリンチャアーム102に取り付けられ、第2のカバー121がドライバアーム105に取り付けられた状態においても、クリンチャアーム102に対して、マガジン104やドライバアーム105が円滑に回動することになる。
【0124】
以上のようなアダプタ装置111は、図34に示すように、第1のカバー112と第2のカバー121とが支軸部118で連結されている状態又は連結されていない状態で、第1のカバー112がクリンチャアーム102に取り付けられ、第2のカバー121がドライバアーム105に取り付けられる。なお、第1のカバー112と第2のカバー121とが支軸部118で連結されていないときには、第1のカバー112がクリンチャアーム102に取り付けられ、第2のカバー121がドライバアーム105に取り付けられた後に、支軸部118となる凸と凹部が結合され、回動可能となる。
【0125】
以上のように手動式ハンディステープラ101は、アダプタ装置111が取り付けられた状態でステープラ装置130となり、手動式ハンディステープラ101を手動式ハンディステープラ1と略同じ大きさにすることができる。ステープラ装置130は、この状態で、ユーザが把持して、綴り用紙110を綴ることもできるが、更に、上述した電動式ステープラ20にも装着することができる。
【0126】
なお、図33に示すように、第1のカバー112の第1の取付凹部113の開口端には、内側に突出した複数の係合片126を設け、係合片126をクリンチャアーム102の周囲と係合させることで、第1の取付凹部113からクリンチャアーム102が脱落することを防止するようにしても良い。また、第2のカバー121の第2の取付凹部122の開口端にも、内側に突出した複数の係合片127を設け、係合片127をドライバアーム105の周囲と係合させることで、第2の取付凹部122からクリンチャアーム102が脱落することを防止するようにしても良い。
【0127】
(4−2)電動式ステープラへの装着方法
ステープラ装置130が電動式ステープラ20の装着凹部23に装着されたとき、電動式ステープラ20は、手動式ハンディステープラ1が装着凹部23に装着された場合と同じ動作を行う。
【0128】
具体的に、手動式ハンディステープラ1と外形形状が略同じステープラ装置130は、図35や図10に示すように、電動式ステープラ20の装着凹部23に装着される。具体的に、第1のカバー112は、先端側が保持部材26の保持凹部26aで保持され、位置決め凸部27が第1のカバー112の位置決め凹部115に係合し、更に、両側面部が支持凸部28,28に支持されることで、がたつくことなく、確実に装着凹部23に位置決め保持される。また、ステープラ装置130が装着凹部23に保持されると、装着検出センサ30は、位置決め凹部115と連続して背面側に設けられた凸状の押圧部116に押圧されて、装着凹部23に正規の手動式ハンディステープラ1が正しく装着されたことを検出する。
【0129】
なお、手動式ハンディステープラ101をアダプタ装置111を取り付けることなく装着凹部23に装着しようとしたときには、装着凹部23に対して手動式ハンディステープラ101が小さすぎて装着検出センサ30を押圧することはできない。これにより、電動式ステープラ20は、手動式ハンディステープラ101のみが装着凹部23に入れられた際に誤動作することを防止することができる。
【0130】
次に、綴り用紙110を綴じる動作について説明すると、まず、図35に示すように、開閉カバー22と装着凹部23の周囲の平坦な面24との間の間隙24bから、綴り用紙110が装着凹部23に装着されたステープラ装置130のマガジン104とクリンチャアーム102との間に挿入される。
【0131】
次いで、電動式ステープラ20は、開閉検出スイッチ22nがオンで、用紙検出センサ31の検出素子33がオンで、装着検出センサ30がオンのとき、操作部93の動作開始ボタンが押圧されると、実打動作を開始する。
【0132】
すなわち、駆動モータ52が正転駆動すると、上述した回動制御機構61によって、押圧レバー41が、回動軸部材47,47を支点に図35中反矢印E方向に回動し、押圧ローラ45が装着凹部23に近接する方向に移動する。かくして、押圧ローラ45は、装着凹部23に装着されたステープラ装置130の第2のカバー121を押圧することができる。
【0133】
押圧ローラ45によりステープラ装置130の第2のカバー121が押圧されると、第2のカバー121が取り付けられているドライバアーム105は、弾性部材109の弾性力に抗してクリンチャ102aに近接する方向に回動し、次いで、ドライバ105aがマガジン104内のステープル集合体より一のステープルを打出孔104aより打ち出す。かくして、ドライバ105aにより打ち出されたステープルは、針足が綴り用紙110を貫通し、クリンチャ102aにおいて針足が折り曲げられ、綴り用紙110を綴じる。押圧レバー41は、駆動モータ52がこのまま正転駆動され続けることで、再び上昇し、待機状態に戻る。押圧レバー41のドライバアーム105に取り付けられている第2のカバー121に対する押圧が解除されると、弾性部材109の弾性力によって、ドライバアーム105がクリンチャアーム102から離間する方向に回動し、図32(B)に示す待機状態に戻る。
【0134】
このとき、図35に示すように、ステープラ装置130を構成する手動式ハンディステープラ101が待機状態に戻るのに伴い、押上部材34,34は、湾曲した押上面34a,34aで綴り用紙110を弾性支持し、綴り用紙110を、クリンチャ102aの部分より高く押し上げる。これにより、綴り用紙110を引き抜く際に、綴り用紙110を綴じたステープルの折曲した針足が、クリンチャ102aや装着凹部23に引っかかることを防止することができる。
【0135】
5.変形例
本発明において、装着凹部23に装着される手動式ハンディステープラの形態は、図1−図4に示した手動式ハンディステープラ1や図32に示したステープラ装置130の例に限定されるものではない。また、アダプタ装置111は、電動式ステープラ20の装着凹部23に装着される基準となる第1の手動式ハンディステープラの外形に合わせ込むものであるから、アダプタ装置111に装着される第2の手動式ハンディステープラは、図32に示した手動式ハンディステープラ101に限定されるものではない。すなわち、アダプタ装置111では、外側の形状が電動式ステープラの装着部の形状に従って決定され、第1及び第2のカバーの内側の取付凹部や取付部の形状が第2の手動式ハンディステープラの外形形状に従って決定されることになる。
【0136】
また、以上説明したアダプタ装置111では、第1のカバー112の第2のカバー121とが支軸部118で回動可能に連結されていたが、本発明のアダプタ装置では、支軸部118を無くし、第1のカバー112の第2のカバー121が分離された状態で、クリンチャアーム102やドライバーアーム105に取り付けられるようにしても良い。
【符号の説明】
【0137】
1 手動式ハンディステープラ、2 クリンチャカバー、2a 側壁、3 ハンドルカバー、4 クリンチャアーム、5 クリンチャ部材、5a クリンチャ、6 弾性部材、7 ステープル集合体、8 マガジン、8a 打出孔、9 支軸、10 更なる弾性部材、11 ドライバアーム、11a ドライバ、12 ハンドル、13 回動凹部、14 回動突起、15 作用ピン、16a 支持孔、16b 支持孔、17 切欠部、18 リムーバ、19 綴り用紙、20 電動式ステープラ、21 装置本体、21a 外筐、22 開閉カバー、22a 回動支持片、22b 回動軸、22c カバー支持部、22d 当接部、22e 開閉検出レバー、22f 支軸、22g 押圧部、22h 被押圧端部、22i 検出端部、22j 付勢部材、22k 検出片、22l 回動制御片、22m 規制孔、22n 開閉検出スイッチ、23 装着凹部、24 平坦な面、24a 開口部、24b 間隙、25 支持面、26 保持部材、26a 保持凹部、26b 一対の片、27 位置決め凸部、28 支持凸部、29 緩衝部材、30 装着検出センサ、31 用紙検出センサ、32 検出レバー、32a 支軸、32b 被押圧部、32c 押圧子、32d 弾性体、33 検出素子、33a プリント配線基板、34 押上部材、34a 押上面、35 押上部材、35a 押上部、35b 回動支持部、35c 回動支持軸、35d 支持孔、35e 弾性部材、36 押上部材、36a ガイド部、36b 押上部、36c 弾性部材、37 押上部材、38 押上部材、41 押圧レバー、42 フレーム、43 側板、43a 側板、43b 側板、44a 回動支持レバー、44b 回動支持レバー、45 押圧ローラ、46 緩衝部材、47 回動軸部材、48 逃げ孔、51 駆動機構、52 駆動モータ、52a ウォーム、53 第1の二段ギヤ、53a 大径部、53b 小径部、54 第2の二段ギヤ、54a 大径部、54b 小径部、55 駆動ギヤ、56 主軸、61 回動制御機構、62 偏芯カム、63 回転駆動体、64 突出部、65 挿通孔、66 回動制御軸、67 挿通孔、68 回動範囲規制凹部、69 固定軸、70 押圧力調整部材、71 偏芯カム部材、72 回転駆動体、73 突出部、74 挿通孔、75 挿通孔、81 位置検出機構、82 被検出体、82a 長径部、82b 短径部、83 検出レバー、83a 支軸、84 付勢部材、85 検出スイッチ、91 制御部、92 タイマ、93 操作部、94 負荷検出部、101 手動式ハンディステープラ、102 クリンチャアーム、102a クリンチャ、103 支軸、104 マガジン、104a 打出孔、105 ドライバアーム、105a ドライバ、106 第1のサポータ、107 第2のサポータ、108 第3のサポータ、109 弾性部材、110 綴り用紙、111 アダプタ装置、112 第1のカバー、113 取付凹部、113a 周壁、114 第1の取付部、115 位置決め凹部、116 押圧部、117 第1の回動支持片、118 支軸部、121 第2のカバー、122 第2の取付凹部、123 第2の取付部、124 第3の取付部、125 第2の回動支持片、126,127 係合片、130 ステープラ装置、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリンチャが設けられたクリンチャアームと、
上記クリンチャアームに対して回動し、マガジンに装填されたステープルを押し出すドライバを駆動するアーム部材と
を有する第1の手動式ハンディステープラが装着されてなる電動式ステープラにおいて、
上記クリンチャアームが装着される装着部と、
上記装着部に装着された上記第1の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する押圧レバーと、
上記第1の手動式ハンディステープラと異なる第2の手動式ハンディステープラを上記装着部に装着するとき、該第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームと上記アーム部材の外側に取り付けられ、該第2の手動式ハンディステープラが上記装着部に装着できるようにするアダプタとを備え、
上記アダプタは、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームを覆う第1のカバーと、上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材を覆う第2のカバーとを有し、
上記装着部には、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームが上記第1のカバーを介して装着され、
上記押圧レバーは、上記第2のカバーを介して上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する電動式ステープラ。
【請求項2】
上記装着部には、上記アダプタが取り付けられた第2の手動式ハンディステープラが正しく装着されたことを検出する検出部が設けられ、
上記検出部は、上記アダプタの押圧部によって押圧される
請求項1記載の電動式ステープラ。
【請求項3】
上記アダプタは、上記第1のカバーに対して上記第2のカバーが回動自在である
請求項1又は請求項2記載の電動式ステープラ。
【請求項4】
クリンチャが設けられたクリンチャアームと、上記クリンチャアームに対して回動し、マガジンに装填されたステープルを押し出すドライバを駆動するアーム部材とを有する、電動式ステープラ装置の装着部に装着される正規の第1の手動式ハンディステープラとは異なる第2の手動式ハンディステープラに取り付けられるアダプタ装置において、
該アダプタ装置は、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームを覆う第1のカバーと、
上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材を覆う第2のカバーとを有し、
上記第1のカバーが上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられ、上記第2のカバーが上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材に取り付けられた状態において、
上記第1の手動式ハンディステープラのクリンチャアームが装着される装着部と該装着部に装着された上記第1の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する押圧レバーとを有する電動式ステープラの該装着部に上記第2の手動式ハンディステープラが装着されるようにし、
上記第1のカバーが、上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられた状態で上記装着部に装着され、
上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材が、上記押圧レバーによって、上記第2のカバーを介して押圧されるようにするアダプタ装置。
【請求項5】
更に、上記電動式ステープラの装着部に該アダプタが取り付けられた第2の手動式ハンディステープラが正しく装着されたことを検出する検出部を押圧する押圧部が設けられている
請求項4記載のアダプタ装置。
【請求項6】
上記第1のカバーに対して上記第2のカバーが回動自在である
請求項4又は請求項5記載のアダプタ装置。
【請求項7】
クリンチャが設けられたクリンチャアームと、上記クリンチャアームに対して回動し、マガジンに装填されたステープルを押し出すドライバを駆動するアーム部材とを有する、電動式ステープラ装置の装着部に装着される正規の第1の手動式ハンディステープラとは異なる第2の手動式ハンディステープラと、
上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームを覆う第1のカバーと、上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材を覆う第2のカバーとを有するアダプタとを備え、
上記アダプタは、
上記第1のカバーが上記第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられ、上記第2のカバーが上記第2の手動式ハンディステープラのアーム部材に取り付けられた状態において、
上記第1の手動式ハンディステープラのクリンチャアームが装着される装着部と該装着部に装着された上記第1の手動式ハンディステープラのアーム部材を押圧する押圧レバーとを有する電動式ステープラの該装着部に上記第2の手動式ハンディステープラが装着されるようにし、
上記第1のカバーが、該第2の手動式ハンディステープラのクリンチャアームに取り付けられた状態で上記装着部に装着され、
上記装着部に装着された第2の手動式ハンディステープラのアーム部材が、上記押圧レバーによって、上記第2のカバーを介して押圧されるようにするステープラ装置。
【請求項8】
更に、アダプタには、上記電動式ステープラの装着部に該アダプタが取り付けられた第2の手動式ハンディステープラが正しく装着されたことを検出する検出部を押圧する押圧部が設けられている
請求項7記載のステープラ装置。
【請求項9】
上記アダプタは、上記第1のカバーに対して上記第2のカバーが回動自在である
請求項7又は請求項8記載のステープラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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