説明

電動機の固定子

【課題】
電動機製造ラインの作業性を改善し、引出線同士がバラバラになり接触することの無い、品質的に優れた電動機の固定子を提供する。
【解決手段】
極数が2n(nは正の整数)極であり固定子のスロットは3nスロットを有した固定子の歯部に絶縁用ボビンを介して直接巻線が巻き付けられた集中巻方式の電動機の固定子において、各固定子の歯部からは2個所引出線が引出され、一方は中性点側に接続され、他方は電源側に接続されており、前記中性点側に接続する引出線は、前記歯部から引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定することにより引出線がバラバラになることなく確実に絶縁用ボビンに固定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定子の歯部に絶縁用ボビンを介して直接巻線が巻き付けられた電動機の固定子の引出線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような電動機は、特許文献1(特開2000−134844号公報)に示すような電動機の固定子がある。本願では図3に示している。図3は分割されたコア20aに絶縁用ボビン44aを介して巻線33aが集中巻されている。巻線間を繋ぐ複数の引出線30aは各線が接触しないように引出線収納溝55に配置されている。この時、引出線30aは分割コア20a連結部の上を通っており、かつ、それぞれの引出線30aは分割コア20a積層方向と同方向に配置しているので分割コア20aを円環状に連結した際、全ての引出線30aが接触しないようにした電動機の固定子である。
【0003】
また、引出線30aがたわむのを防止するためには、特許文献2(特開20002−209359号公報)に示すような電動機の固定子がある。本願では図4に示している。図4は分割コア20bに絶縁用ボビン44bを介して極数に応じた巻線33bが巻かれている。分割コア20b同士が連結する際に引出される引出線30bを絶縁用ボビン44bに設けられたピン66aに巻き付けることにより引出線30bのたわみを防止している。その後、ピン66aに巻き付けた各引出線30bをハンダ付けにより、図示されていないが固定子ターミナルに接続している。
【0004】
【特許文献1】特開2000−134844号公報
【特許文献2】特開2002−209359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図3のような方法では、各巻線33a間を繋ぐ複数の引出線30aを引出線収納溝55に入れるのに時間がかかり作業効率が悪い。仮に、巻線33a間を繋ぐ複数の引出線30aを引出線収納溝55に入れたとしても、集中巻された巻線33aの引出し部分が確実に固定されていないため引出線収納溝55から脱落してしまう。これにより、電位差が大きい引出線30a同士が接触し絶縁不良となる。
【0006】
また、引出線30aの巻線33aがたわむのを防止するために、図4に示すように引出線30bを絶縁用ボビン44bに設けたピン66aに巻き付けることにより引出線30bのたわみを防止している。しかしながら、各相から引出された引出線30bを結線するのに際、各絶縁用ボビン44bのピン66aに巻き付けた各引出線30bと固定子ターミナルとを接続するのに時間がかかり著しくライン作業が悪化している。また、図示していないが、結線用の固定子ターミナルを追加しなくてはならないため製品単価も上がってしまう。
【0007】
また、図3のように各歯部からバラバラに引出された引出線30aが接触しないように設けられた引出線収納溝55や、図4のように絶縁用ボビン44bに設けられたピン66a等により固定子の軸方向の高さが高くなってしまっている。
【0008】
本願発明は、このような問題点を解決するものであり、電動機の固定子製造ラインの作業性を向上し、製品単価を安くし、電位差のある巻線と接触することが無く、品質に優れ、小型化した電動機の固定子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、極数が2n(nは正の整数)極であり固定子のスロットは3nスロットで、固定子の歯部に絶縁用ボビンを介して直接巻線が巻き付けられた集中巻方式の電動機の固定子において、各固定子の歯部に巻き付けられた巻線端の巻き始めと、巻き終わりの2個所の引出線が引出され、一方は中性点を構成する接続点と接続され、他方は電源側に接続されており、前記中性点側に接続する引出線は、前記歯部から引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した電動機の固定子とする。
【0010】
更に、前記絶縁用ボビンの係り止め部に、前記歯部の中性点側に接続する引出線を係り止め固定した後に、前記歯部とは別の歯部から引出した中性点側に接続する引出線を引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記歯部とは別の歯部に設けられた絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した後、前記歯部の絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した中性点側に接続する引出線と、前記歯部とは別の歯部の絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した中性点側に接続する引出線とを少なくとも1ヶ所寄り線にして束ねて引き廻した電動機の固定子とする。
【0011】
尚、同電位同士の引出線には、接触しても絶縁不良を生じることが無いため絶縁チューブを被せず束ねて引き廻すことができる。また、電位差を生じる引出線においては、絶縁用チューブを被せることにより引出線同士を束ねて引き廻すことができる。これにより引出線同士が接触して発生する絶縁不良を防ぐことができ、全ての引出線に絶縁チューブを被せることが無いため材料費や作業性を改善することができる。
【0012】
また、このような電動機の固定子を冷蔵庫やエアコン等の室外機の圧縮機内に搭載することにより小型化が図れ、電動機の固定子製造ラインの作業性を向上し、品質的に優れ、材料費を低減した電動機の固定子とすることができる。
【0013】
また、本発明の電動機の固定子を車両用途として搭載することにより狭い車両搭載スペースでも容易に電動機を搭載することができ、電動機の使用環境において振動等が発生しても引出線が緩むことが無く、品質的に優れ、材料費を低減した電動機の固定子とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、極数が2n(nは正の整数)極であり固定子のスロットは3nスロットで、固定子の歯部に絶縁用ボビンを介して直接巻線が巻き付けられた集中巻方式の電動機の固定子において、各固定子の歯部に巻き付けられた巻線端の巻き始めと、巻き終わりの2個所の引出線が引出され、一方は中性点を構成する接続点と接続され、他方は電源側に接続されており、前記中性点側に接続する引出線は、前記歯部から引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定することにより引出線がバラバラに引き廻されることが無くなる。
【0015】
また、引出線収納溝等に引出線を嵌め込む構造でないため、引出線が緩み引出線収納溝等から脱落することも無くなる。また、絶縁用ボビンの係り止め部に引出線を直接係り止め固定しているため、特別に巻線等を結束する結束材料や、結線用の固定子ターミナル等を必要としていないため作業性を向上することができる。また、絶縁用ボビンに引出線を固定するためのピン等が無いため固定子の軸方向の高さも低くすることができる。
【0016】
更に、前記絶縁用ボビンの係り止め部に、前記歯部の中性点側に接続する引出線を前記歯部の絶縁用ボビンに係り止め固定した後に、前記歯部とは別の歯部から中性点側に接続する引出線を引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記歯部とは別の歯部の絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した後、前記歯部の絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した中性点側に接続する引出線と、前記歯部とは別の歯部の絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した中性点側に接続する引出線とを少なくとも1ヶ所寄り線にして束ねて引き廻すことによって、各歯部から引出された中性点側に接続する引出線が電源側と接続する引出線を確実に押さえ込むことができ引出線がバラバラになることがなくなると共に、絶縁用ボビンの係り止め部に引出線を確実に固定できるため引出線が緩むことが無くなる。また、中性点側に接続する引出線同士を寄り線にして束ねて引き廻すことができるため引出線がバラバラになり作業性を悪化させることもない。
【0017】
尚、Y結線される電動機の中性点側に接続する引出線は同電位となるため絶縁チューブを被せず、電源側と接続する引出線には、絶縁チューブを被せることにより引出線をまとめて束ねることができる。これにより前記の中性点側に接続する引出線同士を寄り線にして束ねて引き廻す際にも、電位差の大きい電源側と接続する引出線と接触し絶縁不良を引き起こすこともなくなる。また、予め引出線を結線する前に電源側と接続する引出線に識別された絶縁チューブを被せることにより引出線を容易に判別することができ結線不良を低減することができる。また、電位差が生じる引出線のみに絶縁チューブを被せることにより材料費を低減でき、作業性も改善することができる。
【0018】
また、絶縁用ボビンに引出線を固定するための凹溝やピン等を設ける必要が無いため固定子の軸方向の高さを低くすることができ、冷蔵庫やエアコン等の室外機等の圧縮機内に搭載することによって圧縮機の小型化を図ることができる。或いは、圧縮スペースを大きくとることができるので圧縮効率のよい圧縮機とすることができる。また、電動機の小型化が可能となるため、狭い車両搭載スペースにも容易に搭載するこができ、電動機の使用環境等によって発生する振動等により引出線が緩むことがなく、品質的に優れた電動機の固定子とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を図面を用いて説明する。図1には、固定子1の複数の歯部2a〜2iに絶縁用ボビン4を介して直接巻線3が巻き付けられた集中巻き方式による電動機を示している。実施形態の固定子1は、極数が2n(nは正の整数)極であり固定子1のスロット5は3nスロットを有している。図1では三相Y結線で、9スロットの固定子1に巻線3が直接巻き付けられ6極を形成している。
【0020】
固定子1のそれぞれの歯部2a〜2iには、絶縁用ボビン4を介して直接巻線3が巻き付けられ、集中巻きされた巻線端の巻き始めと、巻き終わりの2個所から引出線が引出されている。一方の引出線6a〜6cは中性点を構成する接続点10に接続され、他方の引出線7a〜7cは電源側に接続されている。
【0021】
尚、本実施形態に示した歯部2a〜2cに絶縁ボビン4を介して巻線3を直接巻き付け引出線を引出す方法は、歯部2d〜2f、2g〜2iも同様の引出し方法となるため、便宜上、歯部2a〜2cについて説明し歯部2d〜2f、2g〜2iについての説明を省略する。
【0022】
また、電源側との接続は引出線7a〜7bを直接引出し、絶縁用保護スリーブ12を被せた後、引出線7a〜7bの引出線先端部に、電源側と接続するための端子11を直接かしめて構成している。通称、このような方法は「直化出し」と称されている。尚、絶縁用保護スリーブ12の材料としては、PBTチューブやシリコンガラスワニスチューブ等の耐熱性、耐薬品性に優れた絶縁材が用いられている。
【0023】
この直化出しで引出された絶縁用保護スリーブ12を被せた引出線の根元部は、引出線がバラバラにならないようにポリエステル編組線等の固定紐13で絶縁ボビン4の係り止め部に固定している。引出線の固定方法は、この方法に限定するものでは無い。また、引出線の引出し方法も、この直化出しに限定されるものではなく、例えば引出線7a〜7bをリード線等に接続し引出す方法もある。
【0024】
図2は、図1で説明した固定子1の歯部に絶縁ボビン4を介して直接巻線3が巻き付けられた歯部2a〜2cを、固定子1の内径側から見た場合の展開図を示している。先に説明したように歯部2aには、絶縁用ボビン4を介して直接巻線3が巻き付けられており巻線3の巻き始めと巻き終わりの2個所から引出線が引出されている。一方の引出線6aは中性点を構成する接続点10に接続し、他方の引出線7aは電源側へ接続する。
【0025】
この引出線の引出し方法としては、歯部2aから引出した中性点側の接続点10に接続する引出線6aを引出すのと同時に、電源側に接続する引出線7aを絶縁用ボビン4の外周側壁の内側に押さえ込み引出線7aがバラバラにならないようにしている。その後、引出線6aは、固定子1の歯部2aの絶縁用ボビン4に設けられた係り止め部8aに係り止め固定している。これにより引出線6a及び7aが緩むことが無く確実に固定することができる。
【0026】
また、図3のように引出線6a及び7aは、引出線収納溝等に引出線を嵌め込む構造になっていないため、引出線が緩み引出線収納溝等から脱落することも無い。また、歯部2aから引出した中性点側に接続する引出線6aを引出すのと同時に、電源側に接続する引出線7aを絶縁用ボビン4の外周側壁の内側に押さえ込んでいるため、特別に引出線等を結束する結束材料や、結線用の固定子ターミナル等を必要とせず作業性を向上することができる。また、図4のように引出線6a及び7aを固定するためのピン等が絶縁用ボビン4に無いため固定子1の軸方向の高さも低くすることができる。
【0027】
次に、固定子1の歯部2bから引出した中性点側の接続点10に接続する引出線6bを歯部2bから引出すのと同時に、引出線6bにより電源側に接続する引出線7bと、歯部2aから引出された引出線7aを絶縁用ボビン4の外周側壁の内側に押さえ込み、引出線7a及び7bがバラバラにならないようにしている。その後、引出線6bは、固定子1の歯部2bの絶縁用ボビン4に設けた係り止め部8bに係り止め固定し、歯部2aから引出された引出線6aと、引出線6bとを寄り線9bにして束ねて引き廻している。
【0028】
同様に、固定子1の歯部2cから引出した中性点側の接続点10に接続する引出線6cを歯部2cから引出すのと同時に、引出線6cにより電源側に接続する引出線7cと、歯部2a、2bからそれぞれ引出された引出線7a、7bを絶縁用ボビン4の外周側壁の内側に押さえ込み、引出線7a、7b、7cがバラバラにならないようにしている。その後、引出線6cは固定子1の歯部2cの絶縁用ボビン4に設けた係り止め部8cに係り止め固定し、歯部2a、2bから引出された引出線6a、6bと、引出線6cとを寄り線9cにして束ねて引き廻している。これにより各歯部2a〜2cから引出された引出線6a〜6c及び7a〜7cを確実に絶縁用ボビン4に固定することができ、引出線6a〜6c及び7a〜7cが緩みバラバラになることがなく作業を頓雑にすることもなくなる。
【0029】
尚、同電位である中性点側に接続する引出線6a〜6cには絶縁チューブを被せていない。また、電位差を生じる電源側と接続する引出線7a〜7cには絶縁用チューブを被せている。これは図1及び図2の実施形態に示したY結線された電動機の中性点側に接続する引出線6a〜6cの線間には電位差を生じないため引出線同士が接触しても絶縁不良とはならないので引出線6a〜6cには絶縁チューブを被せていない。また、電源側と接続する引出線7a〜7cは、それぞれの線間に大きな電位差を生じるため引出線同士が接触し絶縁不良とはならないように絶縁チューブを被せている。絶縁チューブを被せることにより引出線7a〜7cをまとめて束ねることもできる。
【0030】
これにより前記の中性点側に接続する引出線6a〜6cを寄り線9b、9cにして束ねて引き廻す際にも、電位差の大きい電源側と接続する引出線7a〜7cと接触し絶縁不良を引き起こすこともなくなる。また、予め電位差を生じる電源側と接続する引出線7a〜7cには識別した絶縁チューブを被せることによりそれぞれの引出線7a〜7cを容易に判別することができ結線不良を無くすことができる。また、電位差を生じない引出線6a〜6cには絶縁チューブを被せないことにより材料費を低減でき、作業性も改善することができる。
【0031】
また、図3で説明したように各相から引出された引出線30aの絶縁距離を確保するために引出線収納溝55を各相ごとに凹溝を設け挿入しているため絶縁用ボビン44aの軸方向の高さが高くなってしまうが、本実施形態図1及び図2のように同電位同士、または、電位差が生じる引出線でも絶縁チューブを被せることによりそれぞれの絶縁距離を考慮しなくてもよいので絶縁用ボビン4の軸方向の高さを低くすることができる。
【0032】
尚、本実施形態では、前述したように歯部2a〜2cから引出線6a〜6c及び7a〜7cの引出線の引出し方法について説明したが、歯部2d〜2f、2g〜2iの引出し方法も同様であり、中性点側に接続する引出線は接続点10を形成し中性点ボックス14に固定され、電源側と接続する引出線は、直接引出され絶縁用保護スリーブ12を被せた後、端子11でカシメられている。
【0033】
従って、このように小型化された電動機は、例えば冷蔵庫やエアコン等の室外機の圧縮機内に搭載することによって圧縮機を小型化することができる。或いは、圧縮スペースを大きく確保することができるため圧縮効率のよい圧縮機とすることができる。また、搭載スペースが限られた車両用途の電動機の固定子に用いることにより容易に車両に搭載することができる。また、電動機の使用環境において振動等が発生しても引出線が緩むことが無く、品質的に優れた電動機の固定子とすることができる。特に、極数が多極化し各ボビンから引出される引出線が多く、並列結線される電動機の固定子において有効的な方法である。
【0034】
また、図4のように、ピンに巻き付けた引出線を結線するための特別な固定子ターミナルも必要としないため接続作業も容易となる。更に部品点数を低減でき電動機の固定子製造ラインの作業性を改善し製品単価の安い電動機の固定子とすることができる。また、引出線を一つに束ねることができ各引出線同士が接触して絶縁不良を起すこともなく品質的に優れた電動機の固定子とすることができる。
【0035】
また、図2で示した引出線6a〜6c及び7a〜7cの固定方法は、固定子1の内径側から見た場合、絶縁用ボビン4の外周側壁の内側に固定しているが、固定子1の歯部2a〜2cに巻き付けられた巻線3と引出線6a〜6cとの距離があまり無い場合は、引出線6a〜6cの束を絶縁用ボビン4の外周側壁の外側に固定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態における電動機の固定子の引出線の引出し方法を説明する図。
【図2】図1における固定子の歯部2a〜2cの固定子内径から見た場合の展開図。
【図3】従来の電動機の固定子の引出線の引出し方法を説明する図。
【図4】別の従来の電動機の固定子の引出線の引出し方法を説明する図。
【符号の説明】
【0037】
1・・・固定子、2,2a〜2i・・・歯部、3,33a,33b・・・巻線、4,44a,44b・・・絶縁用ボビン、5・・・スロット、6a〜6c・・・中性点側に接続する引出線、7a〜7c・・・電源側に接続する引出線、8a〜8c・・・係り止め部、9a〜9c・・・寄り線、10・・・中性点側の接続点、11・・・端子、12・・・絶縁用保護スリーブ、13・・・固定紐、14・・・中性点ボックス、20a,20b・・・分割コア、30a,30b・・・引出線、55・・・引出線収納溝、66a・・・ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極数が2n(nは正の整数)極であり固定子のスロットは3nスロットを有した固定子の歯部に絶縁用ボビンを介して直接巻線が巻き付けられた集中巻方式の電動機の固定子において、前記各固定子の歯部からは2個所引出線が引出され、一方は中性点側に接続され、他方は電源側に接続されており、前記中性点側に接続する引出線は、前記歯部から引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定したことを特徴とする電動機の固定子。
【請求項2】
前記歯部とは別の歯部から引出された中性点側に接続する引出線は、引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記歯部とは別の歯部に設けられた絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した後、前記歯部の絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した中性点側に接続する引出線とを寄り線にして束ねて引き廻したことを特徴とする請求項1項記載の電動機の固定子。
【請求項3】
前記引出線において、同電位である引出線には絶縁チューブを被せず、電位差を生じる引出線には絶縁用チューブを被せたことを特徴とする請求項1項または2項に記載の電動機の固定子。
【請求項4】
前記電動機の固定子を冷蔵庫やエアコン等の室外機の圧縮機内に搭載したことを特徴とする請求項1項及至請求項3項いずれか記載の電動機の固定子。
【請求項5】
前記電動機の固定子を車両用途として搭載したことを特徴とする請求項1及請求項3いずれか記載の電動機の固定子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極数が2n(nは正の整数)極であり固定子のスロットは3nスロットを有した固定子の歯部に絶縁用ボビンを介して直接巻線が巻き付けられた集中巻方式の電動機の固定子において、前記各固定子の歯部からは2個所引出線が引出され、一方は中性点側に接続され、他方は電源側に接続されており、前記中性点側に接続する引出線は、前記歯部から引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定したことを特徴とする電動機の固定子。
【請求項2】
前記歯部とは別の歯部から引出された中性点側に接続する引出線は、引出すのと同時に電源側に接続する引出線を押さえ込み、前記歯部とは別の歯部に設けられた絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した後、前記歯部の絶縁用ボビンの係り止め部に係り止め固定した中性点側に接続する引出線とを寄り線にして束ねて引き廻したことを特徴とする請求項1項記載の電動機の固定子。
【請求項3】
前記引出線において、同電位である引出線には絶縁チューブを被せず、電位差を生じる引出線には絶縁用チューブを被せたことを特徴とする請求項1項または2項に記載の電動機の固定子。
【請求項4】
前記電動機の固定子を冷蔵庫やエアコン等の室外機の圧縮機内に搭載したことを特徴とする請求項1項及至請求項3項いずれか記載の電動機の固定子。
【請求項5】
前記電動機の固定子を車両用途として搭載したことを特徴とする請求項1項及至請求項3項いずれか記載の電動機の固定子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−14385(P2006−14385A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183204(P2004−183204)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000100872)アイチエレック株式会社 (58)
【Fターム(参考)】