説明

電動機

【課題】
電動機の固定子のスロット内に絶縁部材を容易に介挿でき、絶縁不良を低減し品質を向上した電動機を提供する。
【解決手段】
固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻線を巻き付けた固定子と、固定子の内側であって回転子が内転する電動機において、樹脂絶縁は外側鍔部と内側鍔部と巻線を巻き付ける胴部から構成され、内側鍔部の周方向先端部に固定子の積厚方向に貫通する凹溝を設けることにより凹溝をガイド溝としてスロット内に絶縁部材を容易に介挿することができ、
且つ、周方向先端部は、固定子端面から切り欠いた段差部を設けることにより絶縁部材の脱落を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻線を巻き付けた電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような電動機は、特許文献1(特開2002−112488号公報)に示すような電動機の固定子がある。
本願では図12に示している。図12は固定子11の鉄心歯部に直接巻線31を巻き付ける集中巻き方式による電動機である。
固定子11の各スロット61内で隣接する巻線31の相互間に介挿する断面形状が略V字に形成された相間絶縁81は、略V字状に形成された開口部側をスロット開口部に面して開口させスロット内で隣接する巻線間に配置し、この略V字状の相間絶縁81の端部をスロット開口部とは反対方向に折り曲げて、固定子11の鉄心歯部に巻き付けた巻線31と、固定子11の鉄心歯部の先端部との間に介挿することにより巻線間の絶縁不良を低減した電動機が示されている。
【0003】
また、図12と同様に、図13には固定子12の鉄心歯部に直接巻線32を巻き付けた集中巻き方式による電動機が示され、巻線32がスロット62の開口部から固定子12の内径側に飛び出さないように、スロット絶縁62aのスロット開口部とほぼ平行に段付き肉薄部を形成するとともに、この段付き肉薄部の外周面または内周面に楔絶縁部91を挿入してスロット開口部を塞いだ電動機が示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−112488号公報
【特許文献2】特開平10−271734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図12のように、略V字状に形成された相間絶縁81のスロット61の開口部側の端部を固定子11の鉄心歯部に巻き付けた巻線31と、固定子11の鉄心歯部の先端部との間に介挿することにより、隣接する巻線間での絶縁不良が減少するものの、この略V字状に形成された相間絶縁81のスロット開口部とは反対方向に折り曲げた端部を固定子11の鉄心歯部と巻線31との間に介挿させる作業は非常に困難を要している。また、確実に固定子11の鉄心歯部と巻線31との間に介挿しないとV字状に形成された相間絶縁81が脱落し絶縁不良となってしまう。
【0006】
また、図13のようにスロット絶縁62aのスロット開口部とほぼ平行な段付き肉薄部を設けて、この段付き肉薄部に楔絶縁91を挿入し巻線32が固定子12の内径側に飛び出さないようにした場合も同様に、固定子12の鉄心歯部に巻き付けた巻線32により、この段付き肉薄部が潰れてしまい楔絶縁91が挿入しづらくなり作業性を著しく悪化させている。
【0007】
本願発明は、このような問題点を解決するものであり、固定子11(12)の鉄心歯部と巻線31(32)との間に、V字状に形成された相間絶縁81や、楔絶縁91を支障なく容易に固定子11(12)に介挿できるようにしたものであり、作業性を向上し品質も向上した電動機を提供するものであります。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、薄板鉄板を積層した固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻線を巻き付けた固定子であって、固定子の内側で回転子が内転する電動機において、
前記樹脂絶縁は外側鍔部と内側鍔部と巻線を巻き付ける胴部から構成される樹脂絶縁を備え、
前記樹脂絶縁のスロット形状は固定子の鉄心歯部と鉄心継鉄部とで構成されるスロット形状と同じかそれよりも広いスロット断面積を有したスロット形状とし、
前記内側鍔部の周方向先端部には固定子の積層方向に貫通する凹溝が設けられ、且つ周方向先端部は固定子端面から切り欠いた段差部を設け、固定子の積層方向の端面に装着した樹脂絶縁であり、
固定子の鉄心歯部と鉄心継鉄部とによって構成されるスロット内にはフィルム状のスロット絶縁が施され、前記スロット絶縁の両端部は固定子の積厚方向両端面から飛び出た絶縁構造とし、
前記固定子の各鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻線を巻き付けた各スロット内には、隣接する巻線相互間に介挿される相間絶縁を有し、前記相間絶縁の断面形状は略V字に形成された絶縁部材であって、前記絶縁部材の断面形状が略V字に形成された絶縁部材の開口部を、前記固定子の各スロット開口部に面するように配置させ、前記絶縁部材の開口部の端部がスロット開口部とは反対方向に折り曲がった折り曲げ部が設けられ、
前記折り曲げ部を前記内側鍔部の周方向先端部の固定子の積層方向に貫通する凹溝から挿通させ、前記折り曲げ部を固定子の鉄心歯部と巻線との間に介挿し、前記内側鍔部の周方向先端部の固定子端面から切り欠いた段差部により前記折り曲げ部が固定され、断面形状が略V字で形成された絶縁部材の開口部が固定子のスロット開口部を塞ぐように固定した電動機としている。
【0009】
また、前記同様の絶縁構造であって、内側鍔部の周方向先端部の固定子の積層方向に貫通する凹溝から、断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材を挿通させ、前記絶縁部材の周方向端部を固定子の鉄心歯部と巻線との間に介挿し、前記内側鍔部の周方向先端部の固定子端面から切り欠いた段差部により前記絶縁部材が固定され、前記絶縁部材が固定子のスロット開口部を塞ぐように固定した電動機としている。
【0010】
また、これらの電動機の固定子の鉄心歯部によって構成されるスロット内はフィルム状のスロット絶縁が施され、前記スロット絶縁の両端部は固定子の積厚方向両端面から飛び出し、固定子の積厚方向両端面側に折り曲げられた耳折れ部を有し、前記耳折れ部により固定子に係り止めした電動機としている。
【0011】
尚、これらの電動機は、固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻き付けた巻線や口出線及び接続点等が散乱しないように散乱防止用絶縁カバーを備え、前記散乱防止用絶縁カバーは前記樹脂絶縁の外側鍔部または内側鍔部の一方または両方に係り止め固定した電動機としている。
【0012】
この散乱防止用絶縁カバーは、内側側壁と外側側壁を有しており、前記内側側壁は、固定子の鉄心歯部のスロット開口部と対峙する部分を突出させ、前記樹脂絶縁の内側鍔部と凹凸で噛み合う形状としている。
【0013】
また、このような電動機を冷蔵庫やエアコン等の室外機の圧縮機内に搭載したり、車両用途として用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電動機は固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻線を巻き付けた集中巻き方式の電動機であり、巻線間の相間絶縁がスロット開口部に面して略V字に開口した断面形状V字の絶縁部材であって、この絶縁部材の周方向端部にはスロット開口部とは反対方向に折り曲げた折り曲げ部を有して、固定子の鉄心歯部と巻線との間にこの折り曲げ部を介挿するにあたり、樹脂絶縁の内側鍔部の周方向先端部に、固定子の積層方向に貫通する凹溝のガイド溝を設け、その凹溝を利用して挿入することにより、厚さが薄く、腰がなく、すぐに折れ曲がってしまう断面形状が略V字に形成された絶縁部材でも固定子の鉄心歯部と巻線間に容易に介挿することができ作業性を改善することができる。また、確実に介挿することができるので相間の絶縁不良を低減することができる。
【0015】
また、固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻線を巻き付けた集中巻き方式の電動機であり、巻線間の楔絶縁の断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材であり、この絶縁部材の周方向端部を固定子の鉄心歯部と巻線との間に介挿する際、この周方向端部を樹脂絶縁の内側鍔部の周方向先端部で固定子の積層方向に貫通する凹溝のガイド溝を設け、その凹溝を利用して挿入することにより、厚さが薄く、腰がなく、すぐに折れ曲がってしまう断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材でも固定子の鉄心歯部と巻線間に容易に介挿することができ作業性を改善することができる。また、確実に介挿することができるので巻線が固定子のスロット開口部から内径側へ飛び出すこともなくなり絶縁不良となることもない。
【0016】
また、樹脂絶縁の内側鍔部の周方向先端部には固定子端面から切り欠いた段差部を設けているので断面形状が略V字に形成された絶縁部材のスロット開口部とは反対方向に折り曲げた折り曲げ部、或いは、断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材の周方向端部がこの段差部分に引っ掛り固定子の積層方向に抜けて飛び出すことを防止できる。また、確実に固定子に固定することができるので絶縁不良となることもない。
【0017】
また、これらの電動機の固定子の鉄心歯部で構成されるスロット内をフィルム状のスロット絶縁とすることにより巻線を多く巻くことができ性能を向上することができる。このフィルム状のスロット絶縁は、固定子積厚方向の両端部より長く飛び出ている。これにより樹脂絶縁と固定子端面との境で発生する耐圧不良を低減することができる。
【0018】
また、確実にフィルム状のスロット絶縁を固定子の積層方向端面部に固定する方法として、樹脂絶縁のスロット形状を固定子の鉄心歯部と鉄心継鉄部とで構成されるスロット形状よりも広いスロット断面積を形成し、この樹脂絶縁のスロット形状との差(段差)の部分に、前記スロット絶縁の固定子積厚方向の両端部より長く飛び出した端部を折り曲げた耳折れ部を形成し、この耳折れ部で係り止めし固定している。これによりスロット絶縁が固定子から脱落することもなく、また、スロット絶縁が動くことがないので巻線を容易に巻き付けることもでき、作業性が向上する。
【0019】
尚、これらの電動機は固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻き付けた巻線や口出線及び接続点等が散乱して作業性が悪化しないようにしたり、絶縁不良を低減する方法として、樹脂絶縁の外側鍔部または内側鍔部の一方または両方に係り止め部を設けて散乱防止用絶縁カバーで蓋をしている。これにより固定子の鉄心歯部に巻き付けた巻線や口出線及び接続点等が確実に固定できるようにしている。
【0020】
この散乱防止用絶縁カバーの内側側壁は、固定子の鉄心歯部のスロット開口部と対峙する部分を突出させ、樹脂絶縁の内側鍔部と凹凸で噛み合う形状としている。これにより断面形状が略V字及び断面形状が略矩形に形成された絶縁部材は、樹脂絶縁の周方向端部の段差部分で引っ掛り固定子の積層方向に抜けないようにし、更に、この散乱防止用絶縁カバーの内側側壁の凹凸部の凸部の先端部分で絶縁部材の軸方向の動きを強制的に押さえることができ絶縁部材の飛び出しを防ぐことができる。また、巻線や口出線及び接続点等が、樹脂絶縁と固定子のスロット開口部との隙間から固定子内径側にはみ出すこともないので回転子と接触し焼損事故となるような不良も低減できる。
【0021】
また、作業性が改善でき製造コストを低減した電動機とし、作業性の改善により絶縁不良を低減し品質を向上した電動機とすることができるので、冷蔵庫やエアコン等の室外機の圧縮機に搭載する電動機、或いは車両用途に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。本実施形態の図中に用いる記号は実施使用上支障がない部分については同様の記号を用いている。図1には薄板電磁鋼板をプレス等で打ち抜き、この薄板電磁鋼板を積層してオートクランプ等で一体に固着した固定子1の鉄心歯部に樹脂絶縁2を施し巻線を直接巻き付けた集中巻き方式の電動機である。
【0023】
尚、本実施形態で説明をする図1〜図3及び図10には、固定子1の鉄心歯部には巻線を巻き付けていないが、これは図を解り易くするために便宜上図示を省略している。
【0024】
この固定子1のスロット数は9スロットであり3相6極を形成している。また、この固定子1に用いられる樹脂絶縁2は固定子1の積層方向(軸方向)の両端部に配置させている。この樹脂絶縁2は固定子1の鉄心歯部と鉄心継鉄部とで構成したスロット形状と同じかそれよりも若干広いスロット断面積を有したスロット形状となっている。
【0025】
また、樹脂絶縁2は薄板鉄板を積層した固定子端面から積層方向に起立するように固定子内径側に内側鍔部3、固定子外径側に外側鍔部4が設けられている。また、この内側鍔部3と外側鍔部4とを固定子1の鉄心歯部に沿うように装着し、胴部5にて連結している。この樹脂絶縁2の胴部5には巻線が集中巻きされている。このように構成された樹脂絶縁2を薄板鉄板が積層した固定子両端部に装着している。
【0026】
この樹脂絶縁2の固定子端面から起立した内側鍔部3の周方向先端部3bには、固定子1の積層方向に貫通する凹溝3aが設けられている。この樹脂絶縁2の内側鍔部3に設けた凹溝3aは、固定子1の両端部もしくはどちらか一方の樹脂絶縁2に設けている。但し、絶縁部材の脱落し易い方向がどちらか一定方向に決まっている場合は、脱落し易い一方の樹脂絶縁2側の内側鍔部3には凹溝3aを設けないで、絶縁部材が挿入する側の樹脂絶縁2側の内側鍔部のみ凹溝3aを設けてもよい。
【0027】
また、この樹脂絶縁2の固定子端面から起立させた内側鍔部3の固定子端面側の周方向先端部を切り欠いた段差部7を設けている。この段差部7も凹溝3aと同様に薄板鉄板を積層した固定子1の両端部に装着した樹脂絶縁2の内側鍔部3の両方に設けても良いし、どちらか一方の内側鍔部3に設けても良い。
【0028】
尚、図11は内側鍔部3の周方向先端部の凹溝3aの部分拡大図である。
内側鍔部3の凹溝3aを有した周方向先端部3bの幅は、少なくとも凹溝3aを有した周方向先端部の固定子内径側に面する側の下端部(固定子端面側)の幅Xが、固定子内径側に面する鉄心歯部の周方向に伸びる先端部の幅Y(径方向の幅)と同じかそれより広い幅(幅Y≦幅X)とするのが好ましい。
【0029】
また、樹脂絶縁2の外側鍔部4の形状は、固定子1の鉄心歯部に装着した樹脂絶縁2に直接巻き付けた巻線の端部を係り止めし、或いは、引出線を引き廻すための凸凹形状(4a、4b)としている。つまり、凸部4aの間の凹部4bから各固定子鉄心歯部の樹脂絶縁2に巻き付けた巻線の端部である引出線を外側鍔部4の外周側へ引出し、凸部4aにこの引出した引出線を係り止めすることができるので、引出線同士が重なり接触することがなく絶縁不良となることも無い。
【0030】
また、固定子1の鉄心歯部と鉄心継鉄部とにより構成されるスロット6には、フィルム状のスロット絶縁6aが施されている。これにより固定子1の両端部に装着した樹脂絶縁2とスロット内のスロット絶縁6aが一体の樹脂成形品となっていないので、スロット内のスロット側壁の樹脂厚さを薄くすることができ巻線を多く巻き付けることができる。また、樹脂の使用量も少なくてすみコスト的に有利である。
【0031】
このスロット内に装着したフィルム状のスロット絶縁6aは、固定子1の両端部に装着した樹脂絶縁2と固定子鉄心との繋ぎ部分での絶縁不良が発生しないように固定子1の積厚方向両端面から飛び出るようにスロット絶縁6aが施されている。巻線と固定子鉄心間との絶縁距離を考慮し、約2mm〜4mm程度固定子両端面から飛び出すようにフィルム状のスロット絶縁6aを配置させている。従って、固定子両端部に装着した樹脂絶縁2とフィル状のスロット絶縁6aとは固定子両端部で若干の重なりを設けている。
【0032】
このフィルム状のスロット絶縁6aの固定子両端部からの飛び出しは、前述した固定子端部に装着した樹脂絶縁2の内側鍔部3の周方向先端部の固定子端面側からの切り欠いた段差部分7で固定子積層方向に動かないように固定している。この段差部分7の固定子端面からの切り欠き長さ(高さ)は、フィルム状のスロット絶縁6aの固定子両端面から飛び出した長さより若干長く設定されている。具体的には固定子端面から飛び出すスロット絶縁6aの長さより約0.5mm程度長くなっている。この場合、仮にスロット絶縁6aが固定子積厚方向に動いても確実に固定子鉄心と巻線を絶縁することができる。
【0033】
このように固定子端面に樹脂絶縁2を施し、スロット6の絶縁をフィルム状のスロット絶縁6aとした絶縁構造の電動機では、通常、固定子1の鉄心歯部には、多くの巻線を巻き付けているが、鉄心歯部に巻き付けた巻線間の絶縁を確実におこなうことが重要となる。本実施形態では、この巻線間に図4で示している断面形状が略V字に形成された絶縁部材8を用いている。この絶縁部材8のV字に開口した開口部をスロット開口部80に面するように介挿させる。この断面形状がV字に形成した絶縁部材8をスロット内で固定する方法を図2に示している。
【0034】
図2の実施形態では、断面形状が略V字に形成された絶縁部材8のV字に開口した端部をスロット開口部80側とは反対方向に折り曲げて、この折り曲げ部8aを固定子鉄心歯部に巻き付けた巻線と、固定子鉄心のスロット6との間に介挿して相間絶縁が動かないように挟み込む構造になっている。
【0035】
この断面形状が略V字に形成された絶縁部材8の折れ曲がり部8aは、先に述べたように固定子鉄心歯部には多くの巻線を巻き付けているため容易に介挿させることが難しいため、本実施形態では、この断面形状が略V字に形成された絶縁部材8の折れ曲がり部8aが容易に介挿できるように、固定子端部に装着する樹脂絶縁2の内側鍔部3の周方向先端部に、固定子1の積厚方向に貫通する凹溝3aを設け、この凹溝3aをガイド溝として断面形状が略V字に形成された絶縁部材8の折れ曲がり部8aを、固定子鉄心歯部に巻き付けた巻線と、固定子鉄心のスロット6との間に介挿させている。
【0036】
これにより、薄くて腰が無くすぐに屈曲してしまうフィルム状の断面形状がV字に形成された絶縁部材8でも容易に介挿でき、作業性が向上し生産性を上げることができる。また、好ましくは図11に示しているように、内側鍔部3の周方向先端部3bの凹溝3aの幅は、少なくとも凹溝3aを有した周方向先端部3bの固定子内径側に面する側の下端部(固定子端面側)の幅Xが固定子内径側に面する鉄心歯部の周方向に伸びる先端部の幅Y(径方向の幅)と同じかそれより広い幅(幅Y≦幅X)とするのが好ましい。これにより、絶縁部材8を介挿する際、鉄心歯部の周方向に伸びる先端部分が邪魔になることなく容易にスロット6へ介挿することができる。より好ましくは、スロット絶縁6aの厚みを考慮し、スロット絶縁6aの厚み+幅Y≦幅Xとするとよい。
【0037】
尚、断面形状がV字に形成された絶縁部材8の折れ曲がり部8aは、内側鍔部3に設けられた凹溝3aに挿入する際は断面V字のV字に開口している部分を閉じてT字状にして凹溝3aに挿入し、介挿後にスロット開口部80側に面して略V字状に広げ介挿される。また、断面形状がV字に形成された絶縁部材8の長さは、固定子端面から若干飛び出る長さになっている。
【0038】
これは、スロット開口部80側に面してV字状に広げ介挿した断面形状が略V字に形成された絶縁部材8の折れ曲がり部8aが固定子端面から若干飛び出ていることによって、先に述べた樹脂絶縁2の内側鍔部3の周方向先端部の固定子端面側から切り欠いた段差部分7により固定することができる。これにより絶縁部材が固定子の積層方向に抜けるのを防止することができる。また、固定子端面より若干飛び出していることにより、巻線と固定子鉄心との絶縁距離を十分確保することもできる。
【0039】
この断面形状の略V字に形成された絶縁部材8の固定子端面からの若干の飛び出し部分は、具体的には約2mm〜4mm程度固定子両端面から飛び出ている。また、この段差部分7の固定子端面からの切り欠き長さ(高さ)は、先に述べたフィルム状のスロット絶縁6aの長さと同様に断面形状の略V字に形成された絶縁部材8が固定子に介挿された状態で、この断面形状の略V字に形成された絶縁部材8の長さより片側約0.5mm程度長くしている。
【0040】
図3には、別の実施形態を示している。通常、固定子1の鉄心歯部には、多くの巻線を巻き付けているのでスロット開口部80から巻線が固定子内径側に飛び出し回転子と接触し絶縁不良や焼損事故となる恐れがある。従って、巻線が固定子1のスロット開口部80から固定子内径側に飛び出さないようにする必要がある。本実施形態では、この巻線間に図5で示している断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9を挿通させスロット開口部80に介挿させている。この断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9をスロット開口部80に固定する方法を図3に示している。
【0041】
図3の実施形態では、断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の周方向端部9aを固定子鉄心歯部に巻き付けた巻線と、固定子鉄心のスロット6との間に介挿して挟み込む構造になっている。
【0042】
この断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の周方向端部9aは、先に述べたように固定子鉄心歯部には多くの巻線を巻き付けているため容易に介挿させることが難しいため、この断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の周方向端部9aが容易に介挿できるように、固定子端部に装着する樹脂絶縁2の内側鍔部3の周方向先端部3bに、固定子の積厚方向に貫通する凹溝3aを設け、この凹溝3aをガイド溝として断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の周方向端部9aを固定子鉄心歯部に巻き付けた巻線と、固定子鉄心のスロット6との間に介挿させている。
【0043】
これにより、薄くて腰が無くすぐに屈曲してしまうフィルム状の断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9でも容易に介挿でき、作業性が向上し生産性を上げることができる。また、好ましくは図11に示しているように、内側鍔部3の周方向先端部の凹溝3aの幅は、少なくとも凹溝3aを有した周方向先端部3bの固定子内径側に面する側の下端部(固定子端面側)の幅Xが固定子内径側に面する鉄心歯部の周方向に伸びる先端部の幅Y(径方向の幅)と同じかそれより広い幅(幅Y≦幅X)とするのが好ましい。これにより、絶縁部材9を介挿する際、鉄心歯部の周方向に伸びる先端部分が邪魔になることなく容易にスロット6へ介挿することができる。より好ましくは、スロット絶縁6aの厚みを考慮し、スロット絶縁6aの厚み+幅Y≦幅Xとするとよい。
【0044】
尚、断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の周方向端部9aの長さは、固定子端面から若干飛び出る長さになっている。
これは、断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の周方向端部9aが固定子端面から若干飛び出ていることによって、先に述べた樹脂絶縁2の内側鍔部3の周方向先端部3bの固定子端面側から切り欠いた段差部分7により固定することができる。これにより絶縁部材が固定子1の積層方向に抜けるのを防止することができる。また、固定子端面より若干飛び出していることにより、巻線と固定子鉄心との絶縁距離を十分確保することもできる。
【0045】
この断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の固定子端面からの若干の飛び出し部分は、具体的には約2mm〜4mm程度固定子両端面から飛び出ている。また、この段差部分7の固定子端面からの切り欠き長さ(高さ)は、先に述べたフィルム状のスロット絶縁6aの長さと同様に断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9が固定子1に介挿された状態で、この断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の長さより片側約0.5mm程度長くしている。
【0046】
また、本実施形態の図1〜図3に示した固定子1の鉄心歯部により構成されるスロット6内にはフィルム状のスロット絶縁6aが介挿されているが、このスロット絶縁6aは、図6に示したスロット絶縁63aのような形状を用いてもよい。スロット絶縁63aの両端部が固定子端面から飛び出し、固定子端面側に折り曲げられた耳折れ部63aaを設けている。この耳折れ部63aaは固定子1の鉄心歯部と鉄心継鉄部とで構成されたスロット形状と、それより若干広いスロット断面積を有した樹脂絶縁2のスロット形状との段差部分7で係り止めする構造となっている。この耳折れ部63aaによりスロット絶縁63aaが固定子1から脱落することもなく、また、スロット絶縁63aがスロット内で動くことがないので巻線を巻き付ける作業が容易におこなうことができる。
【0047】
また、本実施形態の電動機は、固定子1の鉄心歯部に樹脂絶縁2を施し直接巻線を巻き付けた巻線が撓み、或いは口出線や接続点等が散乱し取り扱い作業が著しく悪化し絶縁不良等にならない様に、図7に示すような散乱防止用絶縁カバー100を樹脂絶縁2の内側鍔部3、或いは外側鍔部4のどちらか一方または両方に設けた係り止め部で固定している。図7(a)は散乱防止用絶縁カバー100の表(上)から見た斜視図であり、(b)は散乱防止用絶縁カバー100の裏(下)から見た斜視図である。
【0048】
図7の(a)、(b)の散乱防止用絶縁カバー100には、固定子1の鉄心歯部に巻き付けた巻線(コイルエンド部)の上端部を覆うリング板200と、このリング板200の固定子内径側から起立するように伸びた内側側壁300、固定子外径側から起立するように伸びた外側側壁400をそれぞれ有している。リング板200の円周方向には熱を逃がすための風孔500が複数設けられている。また、電動機から引出した口出線を固定するための固定溝600等が設けられている。
【0049】
図8は、この散乱防止用絶縁カバー100を固定子端部に装着した図である。また図9は、図8に示した固定子端部に散乱防止用絶縁カバー100を装着した場合のL字状の係り止め部400Cが解るようにしたA―A’断面図である。散乱防止用絶縁カバー100の外側側壁400には巻線の撓み、或いは口出線や接続点等が散乱しないように散乱防止用絶縁カバー100で押さえ込むためのL字状の係り止め部400Cが設けられている。これにより樹脂絶縁2の外側鍔部4の係り止め部4Cと係り合わせることができ確実に散乱防止用絶縁カバー100を固定子1に固定することができる。
【0050】
また、散乱防止用絶縁カバー100の内側側壁300は、固定子1の鉄心歯部のスロット開口部80と対峙する部分を突出させ、樹脂絶縁2の内側鍔部300と凹凸で噛み合う形状としている。これにより、巻線や口出線及び接続点等が、樹脂絶縁2と固定子1のスロット開口部80との隙間から固定子内径側にはみ出して回転子と接触し焼損事故となるような絶縁不良の発生を防ぐことができる。
【0051】
また、断面形状が略V字形状に形成された絶縁部材8、断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9は、樹脂絶縁2の周方向先端部3bの段差部分7で引っ掛り固定子の積層方向に抜けないようにしているが、更に、この散乱防止用絶縁カバー100の内側側壁300の凹凸部の凸部300aの先端部分により絶縁部材8及び9の積層方向の動きを強制的に押さえ込むことができ絶縁部材8及び9の飛び出しを防ぐことができる。
【0052】
尚、図10には別の実施形態を示している。図1〜図3で示した電動機と同様の機能を有する樹脂絶縁2の別の実施形態を示す。図1〜図3と同様に、固定子1の鉄心歯部に巻き付ける巻線は、図を解り易くするために便宜上図示を省略している。
【0053】
図10の樹脂絶縁20は固定子10の鉄心歯部と鉄心継鉄部とで構成したスロット形状と同じかそれよりも若干広いスロット断面積を有したスロット形状となっている。また、樹脂絶縁20は、薄板鉄板を積層した固定子端面から積層方向に起立するように固定子内径側に内側鍔部30、固定子外径側に外側鍔部40が設けられている。また、この内側鍔部30と外側鍔部40とを固定子10の鉄心歯部の上に沿うように装着し胴部50にて連結している。この樹脂絶縁20の胴部50には巻線が集中巻きされている。このように構成された樹脂絶縁20は薄板鉄板を積層した固定子両端部に装着している。
【0054】
この樹脂絶縁20の固定子端面から起立した内側鍔部30の周方向先端部30bには、固定子1の積層方向に貫通する凹溝30aが設けられている。この場合の凹溝30aは、樹脂絶縁20の内側鍔部30の周方向先端部30bの上端部30aaから下端部30abにかけてスロット60内に向かう斜めに貫通した凹溝30aを固定子1の積厚方向に設けている。また、樹脂絶縁20の内側鍔部30の周方向先端部30bには固定子端面から切り欠いた段差部70を設けている。
【0055】
これにより、相間絶縁紙で断面形状が略V字に形成された絶縁部材8の折り曲げ部8aや、楔絶縁の断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材9の周方向端部9aを、樹脂絶縁20の内側鍔部30に設けた固定子10の積層方向に貫通する凹溝30aをガイド溝とし、固定子鉄心歯部に巻き付けた巻線と、固定子鉄心のスロット60との間に容易に介挿することができる。また、介挿させた絶縁部材8及び9が固定子10の積厚方向に抜けないように樹脂絶縁20の内側鍔部30の周方向先端部30bに設けた、固定子端面から切り欠いた段差部70によって絶縁部材20を押さえ込み脱落しないように固定することができる。尚、内側鍔部30の周方向先端部30bに設けた貫通する凹溝30aは、固定子10の両端部に装着される樹脂絶縁20の両方またはどちらか一方に設けても良い。
【0056】
以上のように本実施形態の電動機は作業性を大幅に改善し、絶縁不良を低減した電動機とすることができるので冷蔵庫やエアコン等の室外機の圧縮機内に搭載、或いは車両用途の電動機として用いることにより製造コストを低減し、品質を向上し、焼損事故等のない電動機とすることができる。
【0057】
尚、本実施形態で用いた電動機の樹脂絶縁、散乱防止用絶縁カバーの材質としては、ポリエチレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、液晶ポリマー(LCP)等を用いるのが好ましい。また、スロット絶縁の材質としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態における電動機の図。
【図2】本実施形態の電動機に絶縁部材(相間絶縁)を挿入する図。
【図3】本実施形態の電動機に絶縁部材(楔絶縁)を挿入する図。
【図4】断面形状が略V字状に形成された絶縁部材(相間絶縁)の図。
【図5】断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材(楔絶縁)の図。
【図6】スロット絶縁の別の実施形態を表す図。
【図7】散乱防止用絶縁カバーの図。
【図8】固定子に散乱防止用絶縁カバーを装着して固定子上部から見た図。
【図9】図8のA−A’断面図。
【図10】別の実施形態における電動機の図。
【図11】内側鍔部の周方向先端部の凹溝3aの部分拡大図。
【図12】従来の実施形態における電動機の図。
【図13】従来の実施形態における電動機の図。
【符号の説明】
【0059】
1、10、11、12・・・固定子
2、20・・・樹脂絶縁
3、30・・・内側鍔部
3a、30a・・・凹溝
3b、30b・・・内側鍔部の周方向先端部
30aa・・・周方向先端部の上端部
30ab・・・周方向先端部の下端部
31、32・・・巻線
4、40・・・外側鍔部
4a・・・外側鍔部の凸部
4b・・・内側鍔部の凹部
4c・・・外側鍔部の係り止め部
5、50・・・胴部
6、60、61,62・・・スロット
6a、60a、61a、62a、63a・・・スロット絶縁
63aa・・・耳折れ部
7、70・・・段差部
8・・・断面形状略V字状に形成された絶縁部材
8a・・・折り曲げ部
81・・・断面形状略V字状に形成された絶縁部材
9・・・断面形状略矩形状に形成された絶縁部材
9a・・・周方向端部
91・・・断面形状略矩形状に形成された絶縁部材
100・・・散乱防止用絶縁カバー
200・・・リング板
300・・・内側側壁
300a・・・内側側壁の凸部
400・・・外側側壁
400c・・・外側側壁の係り止め部
500・・・風孔
600・・・口出線固定子溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板鉄板を積層した固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻線を巻き付けた固定子であって、固定子の内側で回転子が内転する電動機において、
前記樹脂絶縁は外側鍔部と内側鍔部と巻線を巻き付ける胴部から構成される樹脂絶縁であり、
前記樹脂絶縁のスロット形状は固定子の鉄心歯部と鉄心継鉄部とで構成されるスロット形状と同じかそれよりも広いスロット断面積を有し、
前記内側鍔部の周方向先端部には固定子の積層方向に貫通する凹溝が設けられ、且つ周方向先端部は固定子端面から切り欠いた段差部を設け、固定子の積層方向の端面に装着した樹脂絶縁であり、
固定子の鉄心歯部と鉄心継鉄部とによって構成されるスロット内にはフィルム状のスロット絶縁が施され、前記スロット絶縁の両端部は固定子の積厚方向両端面から飛び出た絶縁構造とし、
前記スロット内には、隣接する巻線相互間に介挿される相間絶縁を有し、前記相間絶縁の断面形状は略V字に形成された絶縁部材であって、前記絶縁部材の断面形状が略V字に形成された開口部を、前記固定子の各スロット開口部に面するように配置させ、前記絶縁部材の開口部の端部がスロット開口部とは反対方向に折り曲がった折り曲げ部が設けられており、
前記折り曲げ部を前記内側鍔部の周方向先端部の固定子の積層方向に貫通する凹溝から挿通させ、前記折り曲げ部を固定子の鉄心歯部と巻線との間に介挿し、前記内側鍔部の周方向先端部の固定子端面から切り欠いた段差部により前記折り曲げ部が固定され、断面形状が略V字で形成された絶縁部材が固定子のスロット開口部を塞ぐように固定したことを特徴とする電動機。
【請求項2】
薄板鉄板を積層した固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻線を巻き付けた固定子であって、固定子の内側で回転子が内転する電動機において、
前記樹脂絶縁は外側鍔部と内側鍔部と巻線を巻き付ける胴部から構成される樹脂絶縁であり、
前記樹脂絶縁のスロット形状は固定子の鉄心歯部と鉄心継鉄部とで構成されるスロット形状と同じかそれよりも広いスロット断面積を有し、
前記内側鍔部の周方向先端部には固定子の積層方向に貫通する凹溝が設けられ、且つ周方向先端部は固定子端面から切り欠いた段差部を設け、固定子の積層方向の端面に装着した樹脂絶縁であり、
固定子の鉄心歯部と鉄心継鉄部とによって構成されるスロット内にはフィルム状のスロット絶縁が施され、前記スロット絶縁の両端部は固定子の積厚方向両端面から飛び出た絶縁構造とし、
前記内側鍔部の周方向先端部の固定子の積層方向に貫通する凹溝から、断面形状が略矩形状に形成された絶縁部材を挿通させ、前記絶縁部材の周方向端部を固定子の鉄心歯部と巻線との間に介挿し、前記内側鍔部の周方向先端部の固定子端面から切り欠いた段差部により前記絶縁部材が固定され、前記絶縁部材が固定子のスロット開口部を塞ぐように固定したことを特徴とする電動機。
【請求項3】
前記電動機の固定子の鉄心歯部によって構成されるスロット内はフィルム状のスロット絶縁が施され、前記スロット絶縁の両端部が固定子の積厚方向両端面から飛び出し、固定子の積厚方向両端面側に折り曲げられた耳折れ部を有し、前記耳折れ部により固定子に係り止めしたことを特徴とする請求項1又は請求項2項記載の電動機。
【請求項4】
前記電動機は、固定子の鉄心歯部に樹脂絶縁を施し直接巻き付けた巻線や口出線及び接続点等が散乱しないための散乱防止用絶縁カバーを備え、前記散乱防止用絶縁カバーは前記樹脂絶縁の外側鍔部または内側鍔部の一方または両方に係り止め固定したことを特徴とする請求項1項及至請求項3項いずれか記載の電動機。
【請求項5】
前記散乱防止用絶縁カバーは、内側側壁と外側側壁を有しており、前記内側側壁は、固定子の鉄心歯部のスロット開口部と対峙する部分を突出させ、前記樹脂絶縁の内側鍔部と凹凸で噛み合う形状としたことを特徴とする請求項4項記載の電動機。
【請求項6】
前記電動機を冷蔵庫やエアコン等の室外機の圧縮機内に搭載したことを特徴とする請求項1項及至請求項5項のいずれか記載の電動機。
【請求項7】
前記電動機を車両用途として搭載したことを特徴とする請求項1項及請求項5項のいずれか記載の電動機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−42959(P2008−42959A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209730(P2006−209730)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000100872)アイチエレック株式会社 (58)
【Fターム(参考)】