説明

電動調理器

【課題】調製部材の清掃を行い易く、本体に対する容器の装着を容易に行うことができ、容器や蓋が装着されたとの動作を検知部に伝達する構造の簡素化を図る。
【解決手段】容器台2及び容器3を装着する動作に伴う容器装着動作、又は、装着された容器3に蓋4を装着する動作に伴う蓋装着動作が、容器3側に備えられた容器側伝達部材26と本体1側に備えられた本体側伝達部材27との間での伝達を介して検知部24、25に伝達自在に構成され、検知部24、25は、容器装着動作が伝達されると容器装着状態を検知する、又は、蓋装着動作が伝達されると蓋装着状態を検知するように構成され、容器側伝達部材26と本体側伝達部材27は、容器台2の外側を通して容器側伝達部材26と本体側伝達部材27との間での直接伝達を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、果物や野菜等の食材を混ぜ合わせる又は粉砕する等の調製を行う電動調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電動調理器は、駆動手段を備えた本体と、本体に対して着脱自在で且つ本体に装着した状態で駆動手段にて回転駆動される調製部材を備えた容器台と、調製部材が内部に配置されるように容器台に対して装着自在で且つ取り外し自在な容器と、容器に対して着脱自在な蓋とを備えている(例えば、特許文献1、2参照。)。この特許文献1、2に記載の電動調理器では、容器台が筒状に形成され、その容器台を本体に装着した状態で筒状の容器台の内部に調製部材が配置され、容器がその内部に調製部材が配置されるように筒状の容器台の内部に嵌まり込む状態で容器台に容器が装着自在に構成されている。
【0003】
このような電動調理器は、容器台に容器を装着して容器台と容器とを一体結合し、その容器台と容器とが一体結合されたものを本体に装着することで容器を装着している。そして、その容器の装着状態において容器に蓋を装着したのち、スイッチ等を操作して駆動手段にて調製部材を回転駆動させて、容器内に投入された食材の調製を行うようにしている。しかしながら、容器を装着していない場合に、誤ってスイッチ等を操作すると、駆動手段を回転駆動させてしまう可能性がある。
【0004】
そこで、特許文献1、2に記載の電動調理器では、本体に容器台を装着し且つ容器台に容器を装着している容器装着状態か否かを検知する検知部が本体に備えられており、その検知部にて容器装着状態を検知していない場合には、スイッチ等の操作を行っても、駆動手段の回転駆動を禁止し、検知部にて容器装着状態を検知した場合にだけ、スイッチ等の操作により駆動手段の回転駆動を許容する安全機構を備えている。
【0005】
特許文献1に記載の電動調理器では、容器台の内部に、上下方向に移動自在で且つ容器が装着されるとその容器の底部に押圧されて下方側に移動する中継部材が配設され、本体に、上下方向に移動自在で且つ中継部材の下方側への移動により押圧されて下方側に移動する容器検知体が設けられ、容器が装着されたとの動作が、中継部材と容器検知体との間での伝達を介して検知部に伝達自在に構成され、検知部が、容器が装着されたとの動作が伝達されると容器装着状態を検知するように構成されている。
特許文献2に記載の電動調理器では、容器台の内部及び本体の内部に亘って、上下方向に移動自在で且つ容器が装着されるとその容器の底部に押圧されて下方側に移動するレバーが設けられ、容器が装着されたとの動作が、レバーを介して検知部に伝達自在に構成され、検知部が、容器が装着されたとの動作が伝達されると容器装着状態を検知するように構成されている。
【0006】
また、容器を装着していても、その容器に蓋が装着されていない場合に、スイッチ等の操作により駆動手段にて調製部材を回転駆動させてしまうと、容器内の食材が容器の外側に飛散する、或いは、作業者が誤って容器内に手指を入れてしまう可能性がある。そこで、別の電動調理器として、本体に装着された容器に対して蓋が装着されている蓋装着状態であるか否かを検知する検知部が本体に備えられ、その検知部にて蓋装着状態を検知していない場合には、スイッチ等の操作を行っても、駆動手段の回転駆動を禁止し、検知部にて蓋装着状態を検知した場合にだけ、スイッチ等の操作により駆動手段の回転駆動を許容する安全機構を備えているものもある(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
この特許文献3に記載の電動調理器では、特許文献1、2に記載の電動調理器とは異なり、容器台が設けられておらず、容器自体に調製部材が備えられており、本体に対して容器台を介さずに容器を直接装着している。容器には、上下方向に移動自在で且つ蓋が装着されるとその蓋にて押圧されて下方側に移動する作動杆が備えられ、本体には、上下方向に移動自在で且つ作動杆の下方側への移動により押圧されてONされる検知部が備えられ、蓋が装着されたとの動作が、作動杆を介して検知部に伝達自在に構成され、検知部が、蓋が装着されたとの動作が伝達されると蓋装着状態を検知するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−70658号公報
【特許文献2】特開平11−346939号公報
【特許文献3】特開2002−336139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1、2に記載の電動調理器では、容器が装着されたとの動作を検知部に伝達する中継部材やレバーが容器台の内部又は容器台の内部に亘って設けられており、容器台の内部を利用して容器が装着されたとの動作を本体に備えられた検知部に伝達する構造である。したがって、特許文献1、2に記載の電動調理器では、中継部材やレバーを容器台の内部に配置しなければならないが、中継部材やレバーは、上下方向に移動自在であるので、その設置スペースとして上下方向に長くなる大きな設置スペースを確保しなければならず、容器台の内部の限られたスペースに、中継部材やレバーの上下方向に長くなる大きな設置スペースを確保することが難しいものとなっていた。しかも、容器台の内部には調製部材等も配設されており、これらの部材との干渉を避けながら、中継部材やレバーを配置しなければならず、容器が装着されたとの動作を伝達する構造の複雑化を招くものとなっていた。また、中継部材やレバーを容器台の内部に配置するに当たり、調整部材等との干渉を考慮するだけでなく、容器内の食材が外部に漏れないように、中継部材やレバーを設けなければならず、この点からも構造の複雑化を招くものとなっている。
【0010】
上記特許文献3に記載の電動調理器では、蓋が装着されたとの動作を検知部に伝達する作動杆が備えられているが、この作動杆は、容器の径方向外方側に張り出したハンドル部の内部に備えられている。したがって、容器に作動杆を設けるに当たり、容器の内部に備えられた調製部材等との干渉を考えなくてもよく、構造の簡素化を図ることができるとも考えられる。しかしながら、この特許文献3に記載の電動調理器は、上述の如く、特許文献1、2に記載の電動調理器とは異なり、容器台が設けられておらず、容器自体に調製部材が備えられており、本体に対して容器を直接装着している。その為に、調製部材の清掃を行う際には、容器の内部から調製部材を取り外さなければならず、その取り外し作業が行い難く面倒な作業となっているので、調製部材の清掃が行い難いものとなっている。しかも、容器をそのまま本体に装着するので、適切な位置に容器を装着しなければ、容器の姿勢が不安定になる、蓋の装着の有無を検知できない等の理由から、本体の適切な位置に容器を位置あわせした状態で本体に対して容器を装着しなければならず、本体に対して容器を装着する作業が複雑なものとなっている。
【0011】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、調製部材の清掃を行い易く、しかも、本体に対する容器の装着を容易に行うことができながら、容器や蓋が装着されたとの動作を検知部に伝達するための構造の簡素化を図ることができる安全機構を備えた電動調理器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、本発明に係る電動調理器の特徴構成は、駆動手段を備えた本体と、前記本体に対して着脱自在で且つ前記本体に装着された状態で前記駆動手段にて回転駆動される調製部材を備えた容器台と、前記調製部材が内部に配置されるように前記容器台に装着自在で且つ前記容器台から取り外し自在な容器と、前記容器に対して着脱自在な蓋とが備えられ、前記本体には、前記容器台及び前記容器が装着されている容器装着状態、又は、前記容器台、前記容器及び前記蓋が装着されている蓋装着状態を検知する検知部が備えられ、前記容器台及び前記容器を装着する動作に伴う容器装着動作、又は、装着された前記容器に前記蓋を装着する動作に伴う蓋装着動作が、前記容器側に備えられた容器側伝達部材と前記本体側に備えられた本体側伝達部材との間での伝達を介して前記検知部に伝達自在に構成され、前記検知部は、前記容器装着動作が伝達されると前記容器装着状態を検知する、又は、前記蓋装着動作が伝達されると前記蓋装着状態を検知するように構成され、前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材は、前記容器台の外側を通して前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材との間での直接伝達を行うように構成されている点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、本体に対して容器台が着脱自在であり、容器台に対して容器が着脱自在であり、更に、容器に対して蓋が着脱自在であるので、例えば、容器台に容器を装着して容器台と容器とを一体結合し、その一体結合したものを本体に装着して容器台及び容器を本体に装着し、その装着された容器内に食材を投入したのち、その装着された容器に対して蓋を装着することで、駆動手段にて調製部材を回転駆動させて食材の調製を行うことができる。そして、容器台は、容器とは別部材に構成されており、容器台としては、容器を安定した姿勢で装着でき、本体に対して装着し易い構成を採用することができる。したがって、容器をそのまま装着するのではなく、容器台に装着された状態で容器を本体に装着することで、容器を安定した姿勢で装着できるとともに、本体に対して容器台を簡易に装着することができる。そして、容器台、容器及び蓋が装着されている場合に、容器から蓋を取り外し、容器台と容器とを一体結合したものを本体から取り外し、更に、容器台から容器を取り外すことで、本体、容器台、容器、蓋の夫々を分離することができる。したがって、容器台、容器、蓋の各部材を水で洗い流す等の作業を行うことで、容器、容器台、調製部材や蓋等の清掃を簡易に行うことができる。
【0014】
そして、容器台及び容器を本体に装着する動作、又は、装着された容器に蓋を装着する動作を行うと、その動作に伴う容器装着動作又は蓋装着動作が、容器側伝達部材と本体側伝達部材との間での伝達を介して検知部に伝達される。これにより、検知部は、容器装着動作又は蓋装着動作の伝達により容器装着状態又は蓋装着状態を適切に検知することができる。したがって、例えば、検知部にて容器装着状態又は蓋装着状態を検知していない非検知状態には、駆動手段の駆動を禁止することで、誤った駆動手段の駆動を禁止することができる安全機構を備えることができる。
【0015】
しかも、本特徴構成によれば、容器側伝達部材と本体側伝達部材との間の伝達は、容器台の外側を通して容器側伝達部材と本体側伝達部材との間で直接行うことができるので、容器台の内部に伝達部材等を備えなくてもよい。そして、容器台の外側とは、容器台の外側の外部空間であり、この容器台の外部空間を容器側伝達部材と本体側伝達部材との間の直接伝達を行う空間として有効に活用することができる。このようにして、本特徴構成によれば、容器台の外側、すなわち容器台の外部空間を通して直接伝達できるように、容器側伝達部材と本体側伝達部材を設けるだけでよく、容器や蓋が装着されたとの動作を検知部に伝達するための構造の簡素化を図ることができる。
【0016】
以上のことから、本特徴構成によれば、調製部材の清掃を行い易く、しかも、本体に対する容器の装着を容易に行うことができながら、容器や蓋が装着されたとの動作を検知部に伝達するための構造の簡素化を図ることができる安全機構を備えた電動調理器を実現できる。
【0017】
本発明に係る電動調理器の更なる特徴構成は、前記本体は、前記容器台を着脱させる本体第1部位とその本体第1部位の外側に張り出した本体第2部位を備えて構成され、前記容器は、食材を収納可能な容器本体とその容器本体の外側に張り出したハンドル部を備えて構成され、前記容器側伝達部材が前記ハンドル部に備えられ、前記本体側伝達部材が前記本体第2部位に備えられ、前記本体第2部位に前記ハンドル部を装着した装着状態において、前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材とが接触自在に構成されている点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、本体に容器台を装着することに加え、本体第2部位にハンドル部を装着することで、容器をより安定した姿勢で装着することができる。そして、本体第2部位にハンドル部を装着した装着状態において、ハンドル部に備えられた容器側伝達部材と本体第2部位に備えられた本体側伝達部材とが接触自在に構成されているので、本体第2部位にハンドル部を装着することで、容器側伝達部材と本体側伝達部材との間での直接伝達を行うことができる。したがって、ハンドル部及び本体第2部位を有効に活用して、より構成の簡素化を図ることができながら、容器側伝達部材と本体側伝達部材との間での伝達を適切に行うことができる。
【0019】
本発明に係る電動調理器の更なる特徴構成は、前記本体第2部位に前記ハンドル部を装着した装着状態において、前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材とが接触する位置が前記本体に装着される前記容器台の下端部よりも上方側に設定されている点にある。
【0020】
容器と容器台を確実に装着出来ていなかった場合に、食材の調製を行ったときには、容器内の食材のうち液分が容器と容器台の間から流出し、例えば、その液分が本体に装着された容器台の下端部と本体との隙間に溜まることがある。そこで、本特徴構成によれば、容器側伝達部材と本体側伝達部材とが接触する位置を本体に装着される容器台の下端部よりも上方側に設定することで、容器台の下端部と本体との隙間に溜まった液分が容器側伝達部材と本体側伝達部材とが接触する位置に到達するのを防止でき、容器側伝達部材と本体側伝達部材との伝達に悪影響を及ぼすことがなく、容器側伝達部材と本体側伝達部材との伝達を適切に行うことができる。
【0021】
本発明に係る電動調理器の更なる特徴構成は、前記本体第2部位には、前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材が接触する位置に前記ハンドル部を案内自在で、且つ、前記本体側伝達部材の周囲での液体滞留を防止自在な案内・液体滞留防止部が備えられている点にある。
【0022】
上述の如く、本体第2部位にハンドル部を装着することで、容器側伝達部材と本体側伝達部材が接触して容器側伝達部材と本体側伝達部材との間での直接伝達が行われるが、本体第2部位にハンドル部を装着する際には、このように、容器側伝達部材と本体側伝達部材が接触する適切な位置にハンドル部を装着しなければならない。そこで、本特徴構成によれば、案内・液体滞留防止部にて、容器側伝達部材と本体側伝達部材が接触する位置にハンドル部を案内することができるので、本体第2部位に対する適切な位置にハンドル部を簡易に装着することができる。しかも、案内・液体滞留防止部は、ハンドル部を案内するだけでなく、本体側伝達部材の周囲での液体滞留を防止するので、本体側伝達部材の周囲に水等の液体が滞留することによって、容器側伝達部材と本体側伝達部材との伝達に悪影響を与えることがなく、容器側伝達部材と本体側伝達部材との伝達を適切に行うことができる。
【0023】
本発明に係る電動調理器の更なる特徴構成は、前記検知部として、前記容器装着状態を検知する第1検知部と前記蓋装着状態を検知する第2検知部とが設けられ、前記容器側伝達部材として、容器側第1伝達部材と容器側第2伝達部材とが設けられ、前記本体側伝達部材として、本体側第1伝達部材と本体側第2伝達部材とが設けられ、前記容器装着動作が、前記容器側第1伝達部材と前記本体側第1伝達部材との間での伝達を介して前記第1検知部に伝達自在に構成され、前記蓋装着動作が、前記容器側第2伝達部材と前記本体側第2伝達部材との間での伝達を介して前記第2検知部に伝達自在に構成され、前記第1検知部にて前記容器装着状態を検知していない又は前記第2検知部にて前記蓋装着状態を検知していない非検知状態では、前記駆動手段の駆動を禁止し、前記第1検知部にて前記容器装着状態を検知し且つ前記第2検知部にて前記蓋装着状態を検知している検知状態では、前記駆動手段の駆動を許容する駆動禁止・駆動許容手段を備えている点にある。
【0024】
本特徴構成によれば、検知部として、容器装着状態を検知する第1検知部と蓋装着状態を検知する第2検知部が設けられているので、容器装着状態の検知と蓋装着状態の検知との両者を行うことができる。そして、駆動禁止・駆動許容手段は、第1検知部にて容器装着状態を検知し且つ第2検知部にて蓋装着状態を検知している検知状態の場合にだけ、駆動手段の駆動を許容し、それ以外の場合に、駆動手段の駆動を禁止している。したがって、第1検知部にて容器装着状態を検知しているだけでは、駆動手段が駆動されることがなく、第1検知部による容器装着状態の検知に加えて、第2検知部にて蓋装着状態が検知された場合に、はじめて駆動手段が駆動される。これにより、容器台、容器、及び、蓋の全てが装着されている場合にだけ、駆動手段を駆動することができ、誤って駆動手段が駆動されるのを的確に防止することができる。
【0025】
本発明に係る電動調理器の更なる特徴構成は、前記本体には、前記本体側第1伝達部材と前記本体側第2伝達部材が近接して配設されるとともに、前記本体側第1伝達部材と前記本体側第2伝達部材の間に、前記第1検知部にて前記容器装着状態の検知を開始するときの前記本体側第1伝達部材の位置、及び、前記第2検知部にて前記蓋装着状態の検知を開始するときの前記本体側第2伝達部材の位置の少なくとも一方よりも上方側に突出する突起部が備えられている点にある。
【0026】
本特徴構成によれば、本体側第1伝達部材と本体側第2伝達部材を近接して本体に配設することにより、容器側第1伝達部材と容器側第2伝達部材も近接して配設させて、容器装着動作及び蓋装着動作を伝達するための部材を集中した位置に効率よく配置することができる。
ここで、使用者の指等が本体側第1伝達部材や本体側第2伝達部材に接触することで誤って容器装着状態や蓋装着状態の検知が行われる虞があるが、上述の特徴構成で述べた如く、駆動禁止・駆動許容手段を備えることで、本体側第1伝達部材及び本体側第2伝達部材の何れか一方だけが誤って操作されて容器装着状態及び蓋装着状態の何れか一方だけが検知されても、駆動手段が駆動されることがない。
しかしながら、上述の如く、本体側第1伝達部材と本体側第2伝達部材を近接して配設しているので、本体側第1伝達部材と本体側第2伝達部材の両者に使用者の指等が接触して、本体側第1伝達部材と本体側第2伝達部材が同時に誤って操作される虞が生じる。そこで、本特徴構成によれば、本体側第1伝達部材と本体側第2伝達部材の間に突起部を備え、その突起部を、第1検知部にて容器装着状態の検知を開始するときの本体側第1伝達部材の位置、及び、第2検知部にて前記蓋装着状態の検知を開始するときの前記本体側第2伝達部材の位置の少なくとも一方よりも上方側に突出する構成としているので、使用者の指等によって、第1検知部による容器装着状態の検知及び第2検知部による蓋装着状態の検知の両者が誤って行われることを防止でき、駆動禁止・駆動許容手段との協働作用で誤って駆動手段が駆動されるのを的確に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】電動調理器の各部材を分離させた分解斜視図
【図2】電動調理器の各部材を装着させた斜視図
【図3】電動調理器の各部材を分離させた断面図
【図4】電動調理器の一部の部材を装着させ、残りの部材を取り外した断面図
【図5】電動調理器の各部材を装着させた断面図
【図6】スイッチボタンの構成を示す分解斜視図
【図7】スイッチボタンの構成を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る電動調理器の実施形態について、図面に基づいて説明する。
この電動調理器は、図1〜図5に示すように、本体1と容器台2と容器3と蓋4との4つの部材を主な構成部材としている。そして、本体1に対して容器台2が着脱自在に構成されており、容器台2に対して容器3が着脱自在に構成されており、容器3に対して蓋4が着脱自在に構成されている。図1は、本体1と容器台2と容器3と蓋4との各部材に分離したときの分解斜視図を示しており、図2は、本体1と容器台2と容器3と蓋4との各部材の全てを装着したときの斜視図を示している。図3は、本体1と、容器台2と容器3とを一体結合したものと、蓋4の各部材に分離したときの断面図を示しており、図4は、本体1に容器台2及び容器3を装着し、蓋4を取り外しているときの断面図を示しており、図5は、本体1に容器台2及び容器3を装着するとともに、その容器3に蓋4を装着したときの断面図を示している。
【0029】
本体1には、図3〜図5に示すように、電動式のモータ5(駆動手段に相当する)が備えられ、容器台2には、本体1に装着された状態でモータ5にて回転駆動される食材調製用のブレード6(調製部材に相当する)が備えられている。容器3は、ブレード6が内部に配置されるように容器台2に装着自在に構成されている。
【0030】
この電動調理器では、容器3を容器台2に装着して容器3と容器台2とを一体結合し、その容器3と容器台2とを一体結合したものを本体1に装着して、図4に示すように、容器台2及び容器3を装着する。そして、装着された容器3内に食材を投入したのち、図2及び図5に示すように、容器3に蓋4を装着して容器3の上端部の開口を閉塞したのち、本体1に備えられたスイッチボタン7をON操作(押し込み操作)することで、モータ5を駆動させてブレード6を回転駆動させ、容器3内に投入された食材の調製を行うようにしている。容器台2、容器3及び蓋4を装着している場合に、容器3から蓋4を取り外し、容器3と容器台2とを一体結合したものを本体1から取り外し、更に、容器台2から容器3を取り外すことで、図1及び図3に示すように、本体1、容器台2、容器3、蓋4の夫々の部材に各別に分離できるようになっている。そして、このように、容器台2、容器3、蓋4の各部材に分離できることから、例えば、容器台2、容器3、蓋4の各部材を水で洗い流す等の作業を行うことで、容器3、ブレード6や蓋4等の清掃を簡易に行うことができる。
【0031】
以下、本体1、容器台2、容器3、蓋4の各部材について説明する。
(本体)
本体1は、容器台2を着脱させる本体第1部位8とその本体第1部位8の外側に張り出した本体第2部位9を備えて構成されている。
本体第1部位8は、図1に示すように、その上方側部位が概略円柱状に形成され、その下方側部位が概略円錐台形状に形成されており、その上方側部位の上面の中央部に上方側に膨出する円盤状の基台部10が備えられている。そして、基台部10が容器台2の内部に入り込むように、本体第1部位8の上部に容器台2が装着自在に構成されている。本体第1部位8の内部には、図3〜図5に示すように、モータ5が配設されており、そのモータ5の回転軸5aの下部には、冷却用のファン11が固定接続されており、回転軸5aの上部には、モータ5の回転駆動力を伝達してブレード6を回転駆動させるためのクラッチ12の駆動側部材12aが固定接続されている。駆動側部材12aは、基台部10の中央側に周方向で均等に配置された複数の係合ブレードから構成されている。
【0032】
本体第2部位9は、図1に示すように、本体第1部位8の周方向の一部から本体第1部位8の外側(本体第1部位8の径方向外側)に張り出すように延設して形成されており、概略、四角錘台形状に形成されている。そして、本体第2部位9の側壁部位9aには、モータ5を駆動させるときや駆動停止させるときに操作するための複数のスイッチボタン7が配設されている。ちなみに、この実施形態では、スイッチボタン7が4つ設けられており、上方側から、食材を調製するときにON操作(押し込み操作)している間だけモータ5を駆動させるための第1スイッチボタン7a、ブレード6の清掃等を行うときに回転速度を落としてモータ5を駆動させるための第2スイッチボタン7b、食材を調製するときにモータ5を駆動させるための第3スイッチボタン7c、モータ5の駆動を停止させるための第4スイッチボタン7dが設けられている。
【0033】
また、本体第2部位9は、図2、図3、図4及び図5に示すように、その上部に容器3のハンドル部23が装着自在に構成されている。つまり、図1に示すように、ハンドル部23の下端部位23aは、下方側に突出する凸状に形成されており、本体第2部位9の上端部位9bは、ハンドル部23の下端部位23aの凸部が嵌まり込む凹状に形成されている。そして、ハンドル部23の下端部位23aが本体第2部位9の上端部位9bに嵌まり込むことで、本体第2部位9の上部にハンドル部23が装着自在に構成されている。
【0034】
(容器台)
容器台2は、図1、及び、図3〜図5に示すように、上方側ほど小径となる円筒状に形成された容器台第1部位13とその容器台第1部位13の径方向内側に延設されてブレード6を回転自在に支持する容器台第2部位14を備えて構成されている。
容器台第1部位13は、その内部に本体第1部位8の基台部10が入り込む状態で本体第1部位8の上部に装着自在に構成されており、本体第1部位8に装着された状態で本体第1部位8の外壁部に連なる容器台2の外壁部を形成している。そして、容器台第1部位13は、その中心と本体第1部位8の中心とが合致する状態で本体第1部位8の上部に装着される。
【0035】
上述の如く、容器台2は本体1に着脱自在に構成されているが、本体1に容器台2を装着した場合にその装着状態を保持するために、本体1側及び容器台2側の夫々に互いに係合自在な係合部15、16が備えられている。
つまり、容器台第1部位13の下端部には、図3〜図5に示すように、容器台第1部位13の径方向内側に延びる容器台側係合部15が延設されており、この容器台側係合部15は、容器台第1部位13の周方向の全周に亘って設けられている。一方、本体1の本体第1部位8には、容器台側係合部15に係合自在な本体側係合部16が備えられており、図4及び図5に示すように、この容器側係合部15と本体側係合部16との係合により本体1に容器台2を装着した状態が保持される。本体側係合部16は、一対備えられており、その一対の本体側係合部16は、本体第1部位8の周方向で対向する位置に配置されている。
【0036】
このように、本体第1部位8の周方向で対向する位置に配置された一対の本体側係合部16の夫々が容器台側係合部15に係合して本体1に容器台2が装着された状態を安定して適切に保持することができる。容器台側係合部15は、容器台第1部位13の周方向の全周に亘って設けられているので、容器台第1部位13の周方向のどの位置であっても、容器台2を本体1に装着できるとともに、その装着状態が保持される。
【0037】
本体1から容器台2を取り外すために、本体第1部位8には、本体第1部位8の径方向に移動自在なフックボタン17が備えられている。そして、一対の本体側係合部16の一方は、このフックボタン17に一体的に形成されており、一対の本体側係合部16の他方は、図外の連係機構によりフックボタン17の動きに連係されている。フックボタン17は、本体第1部位8の外周部と略面一となる第1位置(図3〜図5参照)とその第1位置よりも本体第1部位8の径方向内側に押し込まれた第2位置とに移動自在に設けられており、第1付勢部材B1(例えば弾性バネ)により第1位置側に復帰付勢されている。フックボタン17が第1位置に位置するときには、図4及び図5に示すように、容器側係合部15と一対の本体側係合部16とが係合自在となっており、フックボタン17が第2位置に押し込み移動されると、容器側係合部15と一対の本体側係合部16との係合が解除自在となっている。これにより、本体1から容器台2を取り外すときには、フックボタン17を第1位置から第2位置に押し込み操作することで、容器側係合部15と一対の本体側係合部16との係合が解除されて、本体1から容器台2を簡易に取り外すことができる。
【0038】
容器台第2部位14は、図3〜図5に示すように、容器台第1部位13の上端部から折り返して下方側に延びて容器台2の内壁部を形成するとともに、その内壁部の下端部から容器台第1部位13の中央部に向けて延びる容器台2の底部を形成する概略凹状に形成されている。そして、容器台第2部位14にて形成される容器台2の底部には、その中央部に回転軸18が容器台2の底部を上下方向に貫通する状態で回転自在に支持されており、回転軸18の上部にはブレード6が固定連結され、回転軸18の下部にはクラッチ12の従動側部材12bが固定連結されている。従動側部材12bは、周方向で均等に配置された複数の係合ブレードから構成されており、上述の駆動側部材12aと従動側部材12bとが係合することで、モータ5の回転駆動力が回転軸18に伝達されてブレード6が回転駆動される。容器台第2部位14にて形成される容器台2の底部には、その径方向の外端部に容器3の下端部がパッキン19を介して嵌め込み自在に構成されている。そして、容器台第2部位14にて形成される容器台2の内壁部には、容器3の下部に形成された容器側ネジ部20に螺合する容器台側ネジ部21が形成されている。これにより、容器側ネジ部20を容器台側ネジ部21に螺合することで、容器台2に容器3を装着して容器台2と容器3とを一体結合することができるように構成されている。
【0039】
(容器)
容器3は、食材を収納可能な容器本体22とその容器本体22の外側に張り出して容器本体22の上方側部位と下方側部位とを接続するハンドル部23を備えて構成されている。
容器本体22は、上端部及び下端部の夫々が開口された透明ガラス製又は透明樹脂製の概略円筒状の縦長に形成されており、容器本体22の下方側部位には容器側ネジ部20が形成されている。そして、上述の如く、容器本体22に形成された容器側ネジ部20を容器台第2部位14に形成された容器台側ネジ部21に螺合させて、容器本体22が容器台2に装着自在に構成されている。
ハンドル部23は、容器本体22の上方側部位から容器本体22の外側(容器本体22の径方向外側)に張り出し、その張り出し先端から下方側に延びたのち、その下端部から容器本体22の内側(容器本体22の径方向内側)に延びて容器本体22の下方側部位に接続された概略コ字状に形成されている。容器本体22は、容器台2に装着されるのであるが、このハンドル部23は、図2、図4及び図5に示すように、本体第2部位9に装着自在に構成されている。つまり、上述の如く、ハンドル部23の下端部位23aを本体第2部位9の上端部位9bに嵌め込むことで、ハンドル部23が本体第2部位9に装着され、このハンドル部23が本体第2部位9に装着される位置が、本体第1部位8の周方向において、本体1に対して容器台2及び容器3を装着する適正な装着位置となっている。これにより、本体第2部位9にハンドル部23を装着する状態で容器台2と容器3とを一体結合したものを本体1に装着すると、容器台2と容器3とを一体結合したものが本体1に対して安定した姿勢で装着されることになる。
【0040】
(蓋)
蓋4は、容器本体22の上端部の開口を開閉自在な蓋第1部位4aとその蓋第1部位4aの外側に張り出してハンドル部23の上部を覆う蓋第2部位4bとを備えて構成されている。
【0041】
以上の如く、本発明に係る電動調理器は、本体1、容器台2、容器3、蓋4の各部材を主として構成されているが、本体1に対して容器台2と容器3とを結合したものを装着することで、容器台2及び容器3を装着するとともに、その装着された容器3に対して蓋4を装着した上で、スイッチボタン7をON操作してモータ5にてブレード6を回転駆動させることで、容器3内に投入した食材の調製を行うようにしている。
そして、本発明に係る電動調理器では、容器台2及び容器3を装着していない場合や、容器3を装着していても蓋4を装着していない場合に、モータ5の回転駆動を禁止するための安全機構が備えられている。
【0042】
この安全機構として、図3〜図5に示すように、容器台2及び容器3が装着されている容器装着状態を検知する第1検知部24(検知部に相当する)と、容器台2、容器3及び蓋4が装着されている蓋装着状態を検知する第2検知部25(検知部に相当する)とが本体1に備えられている。そして、図示は省略するが、これら第1検知部24及び第2検知部25の検知情報に基づいて、モータ5の駆動を禁止又は許容する駆動禁止・駆動許容手段も本体1に設けられている。この駆動禁止・駆動許容手段は、第1検知部24にて容器装着状態を検知していない又は第2検知部25にて蓋装着状態を検知していない非検知状態では、モータ5の駆動を禁止し、第1検知部24にて容器装着状態を検知し且つ第2検知部25にて蓋装着状態を検知している検知状態では、モータ5の駆動を許容するように構成されている。つまり、駆動禁止・駆動許容手段は、第1検知部24にて容器装着状態を検知し且つ第2検知部25にて蓋装着状態を検知している検知状態の場合にだけモータ5の駆動を許容し、それ以外の場合にはモータ5の駆動を禁止している。
【0043】
第1検知部24は、容器台2及び容器3を装着する動作に伴う容器装着動作が伝達されると容器装着状態を検知するように構成されている。ここで、図4に示すように、容器台2及び容器3を装着する際には、容器台2と容器3とを一体結合したものを本体1に装着している。そして、容器台2と容器3とを一体結合したものを本体1に装着する際には、ハンドル部23を本体第2部位9に嵌め込むように容器台2と容器3とを一体結合したものを下降させて、ハンドル部23を本体第2部位9に装着することで、容器台2及び容器3の本体1への装着を完了している。そこで、この実施形態では、ハンドル部23を本体第2部位9に装着する動作を容器装着動作としている。
【0044】
第2検知部25は、本体1に装着された容器3に蓋4を装着する動作に伴う蓋装着動作が伝達されると蓋装着状態を検知するように構成されている。ここで、この実施形態では、本体1に装着された容器3に蓋4を装着する際には、容器台2と容器3とを一体結合したものを本体1に装着した上で、図5に示すように、その容器3に蓋4を装着するので、その容器3に蓋4を装着する動作を蓋装着動作としている。
【0045】
上述の如く、図3〜図5に示すように、第1検知部24及び第2検知部25の両者は本体1に備えられているので、第1検知部24による容器装着状態の検知、及び、第2検知部25による蓋装着状態の検知を行うためには、容器3側から本体1側に容器装着動作及び蓋装着動作を伝達することが必要である。
そこで、本発明に係る電動調理器では、容器3側には容器側伝達部材26が備えられ、本体1側には本体側伝達部材27が備えられ、容器側伝達部材26と本体側伝達部材27との間での伝達を介して、第1検知部24に容器装着動作を伝達するとともに、第2検知部25に蓋装着動作を伝達するように構成されている。
【0046】
容器側伝達部材26として、容器側第1伝達部材26aと容器側第2伝達部材26bとが設けられ、本体側伝達部材27として、本体側第1伝達部材27aと本体側第2伝達部材27bとが設けられている。そして、容器装着動作が、図4に示すように、容器側第1伝達部材26aと本体側第1伝達部材27aとの間での伝達を介して第1検知部24に伝達自在に構成され、蓋装着動作が、図5に示すように、容器側第2伝達部材26bと本体側第2伝達部材27bとの間での伝達を介して第2検知部25に伝達自在に構成されている。
【0047】
(容器装着動作の伝達)
容器側第1伝達部材26aは、ハンドル部23の下端部位23aから下方側に突出する凸状部材にて構成されており、ハンドル部23の下端部位23aに設けられている。この容器側第1伝達部材26aは、第2付勢部材B2(例えば弾性バネ)によりハンドル部23の下端部位23aから下方側に突出する位置に付勢されている(図3参照)。
本体側第1伝達部材27aは、本体第2部位9における凹状の上端部位9bの底部9cを貫通して本体第2部位9の内部に延びる状態で上下方向に長尺のレバー状に形成されており、その上端側部位が本体第2部位9における凹状の上端部位9bの底部9cよりも上方側に突出する第1非伝達位置(図3参照)とその第1非伝達位置よりも下方側の第1伝達位置(図4参照)とに上下方向に移動自在に設けられている。そして、本体側第1伝達部材27aは、図3に示すように、図外の付勢部材(例えば弾性バネ)により第1非伝達位置に復帰付勢されている。
【0048】
図3に示す状態から、本体第2部位9にハンドル部23を装着する容器装着動作が行われた場合の動作について説明する。
図4に示すように、容器装着動作が行われると、ハンドル部23の下端部位23aが本体第2部位9の上端部位9bに装着されるので、このときに、容器側第1伝達部材26aが、本体側第1伝達部材27aの上端部に接触される。これにより、本体側第1伝達部材27aが下方側に押圧されて第1伝達位置に移動し、容器側第1伝達部材26aと本体側第1伝達部材27aとの間での直接伝達により、容器3側から本体1側に容器装着動作が伝達される。
【0049】
このようにして、容器側第1伝達部材26aと本体側第1伝達部材27aの間での直接伝達により、容器3側から本体1側に容器装着動作が伝達されるのであるが、容器側第1伝達部材26aは、容器本体22から外側に張り出したハンドル部23に設けられており、本体側第1伝達部材27aも、本体第1部位8から外側に張り出した本体第2部位9に設けられているので、容器側第1伝達部材26aと本体側第1伝達部材27aの間での直接伝達は、容器台2の外側、すなわち容器台2の外部空間にて行われる。したがって、容器台2の内部に容器3側から本体1側に容器装着動作を伝達するための部材を設けなくても、容器台2の外部空間を有効に活用して、ハンドル部23に容器側第1伝達部材26aを設け、本体第2部位9に本体側第1伝達部材27aを設けるだけで、容器3側から本体1側への容器装着動作の伝達を適切に行うことができ、容器3側から本体1側へ容器装着動作を伝達するための構造が簡易なものとなる。
【0050】
(蓋装着動作の伝達)
容器側第2伝達部材26bは、ハンドル部23の上端部及び下端部を貫通する状態でハンドル部23の上下方向の全長に亘って延びるレバー状に形成されており、上下方向に移動自在に設けられている。そして、容器側第2伝達部材26bは、上方位置(図4参照)とその上方位置よりも下方側の下方位置(図5参照)との間で上下方向に移動自在に設けられており、第3付勢部材B3(例えば弾性バネ)により上方位置に復帰付勢されている。
本体側第2伝達部材27bは、本体第2部位9における凹状の上端部位9bの底部9cを貫通して本体第2部位9の内部に延びる棒状に形成されており、その上端側部位が本体第2部位9における凹状の上端部位9bの底部9cよりも上方側に突出する第2非伝達位置(図4参照)とその第2非伝達位置よりも下方側の第2伝達位置(図5参照)とに上下方向に移動自在に設けられている。そして、本体側第2伝達部材27bは、図外の付勢部材(例えば弾性バネ)により第2非伝達位置に復帰付勢されている。
【0051】
蓋4は、上述の如く、容器本体22の上端部の開口を開閉自在な蓋第1部位4aを備えるだけでなく、ハンドル部23の上部を覆う蓋第2部位4bも備えられており、この蓋第2部位4bの下面部には、下方側に突出する蓋側凸部28が備えられている。
【0052】
図4に示す状態において、容器3に蓋4を装着する蓋装着動作が行われた場合の動作について説明する。
図5に示すように、蓋装着動作が行われると、蓋第2部位4bがハンドル部23の上部を覆うので、このときに、蓋側凸部28がハンドル部23の上下方向の全長に亘って延びる容器側第2伝達部材26bの上端部に接触して容器側第2伝達部材26bを下方側に押圧する。これにより、蓋装着動作が、容器側第2伝達部材26bにより、ハンドル部23の内部を介してハンドル部23の上端部から下端部に伝達されている。そして、蓋側凸部28の押圧によって容器側第2伝達部材26bが第3付勢部材B3の付勢力に抗して上方位置から下方位置に移動され、その容器側第2伝達部材26bが下方位置に移動することで、容器側第2伝達部材26bの下端部が本体側第2伝達部材27bの上端部に接触されている。これにより、本体側第2伝達部材27bが下方側に押圧されて第2伝達位置に移動され、容器側第2伝達部材26bと本体側第2伝達部材27bの間での直接伝達により、容器3側から本体1側に蓋装着動作が伝達される。
【0053】
このようにして、容器側第2伝達部材26bと本体側第2伝達部材27bとの間での直接伝達により、容器3側から本体1側に蓋装着動作が伝達されるのであるが、容器側第1伝達部材26aと本体側第1伝達部材27aとの間での伝達と同様に、容器側第2伝達部材26bと本体側第2伝達部材27bとの間での直接伝達も、容器台2の外側、すなわち容器台2の外部空間にて行われる。したがって、容器3側から本体1側への蓋装着動作の伝達を適切に行うことができ、容器3側から本体1側へ蓋装着動作を伝達するための構造が簡易なものとなる。
【0054】
上述の如く、容器側第1伝達部材26aと本体側第1伝達部材27aとの間での容器装着動作の伝達、及び、容器側第2伝達部材26bと本体側第2伝達部材27bとの間での蓋装着動作の伝達は、本体第2部位9にハンドル部23を装着した装着状態に行われるのであるが、本体第2部位9にハンドル部23を装着する際に、本体第2部位9の適切な位置にハンドル部23を案内自在に構成されている。
つまり、本体第2部位9の上端部位9bは、ハンドル部23の下端部位23aが嵌め込まれるように凹状に形成されているが、図1及び図3に示すように、平面視で方形状の上端部位9bの4辺のうち、本体第1部位8に近接する側を除く3辺には、本体側壁部29が備えられ、本体第1部位8に近接する側の1辺には、本体側壁部29が存在せず、水平方向に開口されている。これにより、本体第2部位9の上端部位9bには、3方向が本体側壁部29に囲まれ且つ残りの1方向が開放された平面視コ字状の本体側凹部30が形成されている。一方、ハンドル部23の下端部位23aには、図1及び図3に示すように、下方側に延びる容器側壁部31が備えられ、その容器側壁部31の存在箇所が平面視で方形状になるように形成されている。そして、容器側壁部31が本体側壁部29の内側に当接する状態で本体側凹部30に嵌め込み自在に構成されており、ハンドル部23の位置が適切な位置からずれていても、本体側壁部29が容器側壁部31に当接案内することで、本体第2部位9の適切な位置にハンドル部23を装着できるようになっている。
【0055】
そして、ハンドル部23の下端部位23aには、容器側第1伝達部材26aと容器側第2伝達部材26bとが設けられているのであるが、容器側第1伝達部材26aと容器側第2伝達部材26bとは、容器側壁部31に囲まれた空間内に近接して配設されている。また、本体第2部位9の上端部位9bには、本体側第1伝達部材27aと本体側第2伝達部材27bとが設けられているのであるが、本体側第1伝達部材27aと本体側第2伝達部材27bとは、本体側壁部29にて囲まれた本体側凹部30内に近接して配設されている。これにより、容器側伝達部材26及び本体側伝達部材27の夫々が、容器側壁部31や本体側壁部29にて囲まれて配設されているので、容器側伝達部材26及び本体側伝達部材27が誤って押圧操作される等の誤操作を防止することができ、本体第2部位9にハンドル部23を装着するだけで、容器側第1伝達部材26aと本体側第1伝達部材27aとの間での容器装着動作の伝達、及び、容器側第2伝達部材26bと本体側第2伝達部材27bとの間での蓋装着動作の伝達を簡易に且つ適切に行うことができる。
そして、ハンドル部23の下端部が容器台2に装着された容器本体22の下端部よりも上方側に設定されているので、容器本体22を机上等に置いた場合においても、ハンドル部23の下端部位23aに設けた容器側伝達部材26が机に当たらないため、容器側伝達部材26が破損し難いものとなっている。
【0056】
また、本体側凹部30は、3方向が本体側壁部29に囲まれ且つ残りの1方向が開放されているので、例えば、水等の液体が本体凹部30に侵入しても、その液体が開放された部位から本体側凹部30の外部に流出するので、本体側凹部30に液体が滞留するのを防止することができる。このようにして、容器側伝達部材26と本体側伝達部材27が接触する位置にハンドル部23を案内自在で、且つ、本体側伝達部材27の周囲での液体滞留を防止自在な案内・液体滞留防止部が、本体側壁部29及び本体側凹部30にて構成されている。
【0057】
上述の如く、本体側伝達部材27は、図外の付勢部材の付勢力により本体第2部位9における凹状の上端部位9bの底部9cよりも上方側に突出する第1、第2非伝達位置に復帰付勢されており、容器側伝達部材26と本体側伝達部材27とが接触する位置は、本体第2部位9における凹状の上端部位9bの底部9cよりも上方側となっている。一方、本体1に装着される容器台2は、容器台側係合部15と本体側係合部16との係合によりその装着状態が保持されるのであるが、その装着状態の容器台2の下端部は、本体第2部位9における凹状の上端部位9bの底部9cよりも下方側となっている。これにより、容器側伝達部材26と本体側伝達部材27とが接触する位置は、本体1に装着される容器台2の下端部よりも上方側に設定されている。したがって、例えば、容器台2と容器3を確実に装着出来ていなかった場合に、容器3内の食材のうち液分が容器3と容器台2の間から流出し、その液分が容器台2の下端部と本体1との隙間に溜まったとしても、その液分が容器側伝達部材26と本体側伝達部材27とが接触する位置に到達するのを防止でき、容器側伝達部材26と本体側伝達部材27との伝達に悪影響を及ぼすことがないようにしている。
【0058】
(駆動禁止・駆動許容手段)
上述の如く、駆動禁止・駆動許容手段は、第1検知部24にて容器装着状態を検知し且つ第2検知部25にて蓋装着状態を検知している検知状態の場合にだけモータ5の駆動を許容し、それ以外の場合にはモータ5の駆動を禁止しているので、この点について説明する。
【0059】
容器装着動作については、上述の如く、容器側第1伝達部材26aと本体側第1伝達部材27aの間での直接伝達により、容器3側から本体1側に伝達されるのであるが、本体1側に伝達されると、本体側第1伝達部材27aが第1伝達位置に移動することで本体側第1伝達部材27aを介して第1検知部24に伝達される。第1検知部24は、本体側第1伝達部材27aにより容器装着動作が伝達されると、容器装着状態を検知するわけであるが、この第1検知部24は、本体側第1伝達部材27aにより容器装着動作が伝達されるまでは、スイッチボタン7(実際には、後述するように、第1〜第3スイッチボタン7a〜7c)のON操作(押し込み操作)を規制することで、モータ5の駆動を禁止している。これにより、第1検知部24は、容器装着動作が伝達されることで容器装着状態を検知する検知部としての構成を備えるだけでなく、第1検知部24にて容器装着状態を検知していない場合にモータ5の駆動を禁止する駆動禁止・駆動許容手段の構成をも備えており、検知部と駆動禁止・駆動許容手段とを兼用するように構成されている。
【0060】
図6及び図7に示すように、第1検知部24は、スイッチボタン7のON操作(押し込み操作)を規制するロック位置(図7(a)参照)とスイッチボタン7のON操作(押し込み操作)を許容するロック解除位置(図7(b)参照)とに上下方向に移動自在な移動部材にて構成されている。第1検知部24は、スイッチボタン7を支持する板状の支持体34に形成された貫通孔35を貫通して上下方向に延びる形態で設けられており、水平方向に突出する検知側当接部24aが上下方向に間隔を隔てて複数備えられている。そして、図7(a)に示すように、ロック位置に位置するときには、その検知側当接部24aがスイッチボタン7のボタン側当接部7Aに当接してスイッチボタン7の押し込み移動を規制しており、この当接によってスイッチボタン7がON操作されるのを規制している。一方、図7(b)に示すように、第1検知部24がロック解除位置に位置するときには、検知側当接部24aがスイッチボタン7とは上下方向で異なる位置に位置しており、スイッチボタン7が押し込み移動されても、検知側当接部24aがボタン側当接部7Aに当接することがなく、スイッチボタン7がON操作されるのを許容している。そして、第1検知部24は、図外の付勢部材(例えば弾性バネ)によりロック位置に復帰付勢されており、本体側第1伝達部材27aの下方側への移動により容器装着動作が伝達されると、その伝達に伴ってロック位置からロック解除位置に下方側に移動自在に設けられており、このロック位置からロック解除位置に下方移動することで容器装着状態を検知する機械式の検知部として構成されている。
【0061】
ちなみに、この実施形態では、スイッチボタン7として、第1スイッチボタン7a、第2スイッチボタン7b、第3スイッチボタン7c、第4スイッチボタン7dの4つが設けられているが、第1スイッチボタン7a、第2スイッチボタン7b、及び、第3スイッチボタン7cが、モータ5を駆動させるときにON操作されるスイッチボタンであるので、第1検知部24は、容器装着動作が伝達されるまで、第1〜第3スイッチボタン7a〜7cがON操作されるのを禁止しており、モータ5の駆動を停止させるときにON操作(押し込み操作)される第4スイッチボタン7dに対しては、図6及び図7(a)に示すように、ボタン側当接部7Aに当接する検知側当接部24aが設けられておらず、容器装着動作が伝達される以前であっても、ON操作(押し込み操作)可能となっている。
【0062】
また、第2、第3スイッチボタン7b、7cについては、図6及び図7に示すように、ON操作された状態を保持する保持部材32が備えられており、この保持部材32によりON操作された状態が保持されることで、モータ5の駆動が継続されるようになっている。保持部材32は、支持体34に形成された貫通孔35を貫通して上下方向に延びる板状に形成されており、第1検知部24と水平方向に並ぶように配設されている。この保持部材32も、第1検知部24と同様に上下方向に移動自在に設けられ、図外の付勢部材(例えば弾性バネ)により下方側に付勢されており、第1検知部24が下方側に移動するに伴って下方側に移動するように、第1検知部24の動きに連動して移動自在に設けられている。保持部材32には、第2、第3スイッチボタン7b、7cがON操作されるとその第2、第3スイッチボタン7b、7cに備えられたボタン側当接部7Aに係合自在な保持側係合部32aを備えており、保持側係合部32aとボタン側当接部7Aとの係合により第2、第3スイッチボタン7b、7cがON操作された状態に保持されている。
【0063】
保持部材32の動きについて説明すると、保持部材32は、第1検知部24がロック位置(図7(a)参照)からロック解除位置(図7(b)参照)に下方移動されると、図外の付勢部材の付勢力により下方側に移動され、保持側係合部32aがボタン側当接部7Aと係合可能な位置に移動される。そして、第2、第3スイッチボタン7b、7cがON操作(押し込み操作)されると、図7(c)に示すように、ボタン側当接部7Aと保持側係合部32aが係合して、第2、第3スイッチボタン7b、7cがON操作(押し込み操作)された状態に保持される。ここで、図7(c)では、第3スイッチボタン7cがON操作された状態を保持している場合を示している。この保持が行われているときに、第4スイッチボタン7dがON操作(押し込み操作)されると、第4スイッチボタン7dのボタン側当接部7Aにより保持部材32の傾斜部位32bが押圧されて保持部材32が上方側に移動され、保持側係合部32aが上方側に移動される。これにより、ボタン側当接部7Aと保持側係合部32aとの係合が解除され、第2スイッチボタン7b、7cがON操作された状態の保持が解除されて、モータ5の駆動が停止される。
【0064】
図5に戻り、蓋装着動作の伝達について説明すると、蓋装着動作については、上述の如く、容器側第2伝達部材26bと本体側第2伝達部材27bとの間での直接伝達により、容器3側から本体1側に伝達されるのであるが、本体1側に伝達されると、本体側第2伝達部材27bを介して第2検知部25に伝達される。第2検知部25は、本体側第2伝達部材27bの下方側への移動により蓋装着動作が伝達されると、その伝達に伴ってスイッチがON操作されて蓋装着状態を検知する電気式の検知部にて構成されている。
【0065】
駆動禁止・駆動許容手段は、図示は省略するが、モータ5の駆動及び駆動停止等を制御する制御部に備えられており、第1〜第3スイッチボタン7a〜7cがON操作されているか否かのスイッチボタンON/OFF情報が、制御部に入力自在に構成されている。そこで、上述の如く、第1検知部24にて容器装着状態を検知すると、第1〜第3スイッチボタン7a〜7cがON操作可能となることから、駆動禁止・駆動許容手段は、スイッチボタンON/OFF情報により、第1〜第3スイッチボタン7a〜7cがON操作されていると判別すると、第1検知部24にて容器装着状態を検知していると認識している。
また、第2検知部25は、蓋装着動作が伝達されるとスイッチがON操作されて蓋装着状態を検知するように構成されているが、そのスイッチのON/OFF情報も、制御部に入力自在に構成されている。そこで、駆動禁止・駆動許容手段は、そのスイッチのON/OFF情報により、そのスイッチがONされていると判別すると、第2検知部25にて蓋装着状態を検知していると認識している。
このようにして、駆動禁止・許容手段は、第1検知部24及び第2検知部25の検知情報に基づいて、第1検知部24にて容器装着状態を検知し且つ第2検知部25にて蓋装着状態を検知している検知状態の場合にだけモータ5の駆動を許容し、それ以外の場合にはモータ5の駆動を禁止している。したがって、容器3が装着されていない場合は勿論、容器3が装着されていても、蓋4が装着されていない場合にも、モータ5の駆動を禁止することで、誤ってモータ5が駆動されるのを的確に防止することができる。
【0066】
上述の如く、第1検知部24及び第2検知部25は、本体側伝達部材27a、27bが下方側に移動することで容器装着状態や蓋装着状態の装着状態を検知するが、本体側伝達部材27a、27bの下方側への移動量が設定量以上となると、容器装着状態や蓋装着状態の装着状態の検知を開始するように構成されている。つまり、第1検知部24及び第2検知部25は、本体側伝達部材27a、27bの下方側への移動量が設定量未満であると、容器装着状態や蓋装着状態の装着状態の検知をせず、本体側伝達部材27a、27bの下方側への移動量が設定量以上となってはじめて、容器装着状態や蓋装着状態の装着状態の検知を開始する。これにより、使用者の指等が本体側伝達部材27に誤って触れる等によって、本体側伝達部材27a、27bが少しだけ下方側に移動しても、第1検知部24及び第2検知部25が容器装着状態や蓋装着状態の装着状態の検知を行わず、容器装着状態や蓋装着状態の装着状態の誤検知を防止することができる。
【0067】
また、本発明に係る電動調理器では、本体側第1伝達部材27aと本体側第2伝達部材27bが単独で或いは同時に下方側に押圧されないように、図1及び図3に示すように、本体第2部位9における凹状の上端部位9bの底部9cから上方側に延びる複数の延設壁33が、本体側第1伝達部材27aと本体側第2伝達部材27bの周囲を囲むように備えられている。つまり、延設壁33として、本体側第1伝達部材27aと本体側第2伝達部材27bの周囲を囲む第1延設壁33aと、本体側第1伝達部材27aと本体側第2伝達部材27bの間に配設された第2延設壁33bとが設けられている。
【0068】
図3に示すように、第1延設壁33aは、第1非伝達位置に位置する本体側第1伝達部材27aよりも上方側に突出し、且つ、第2非伝達位置に位置する本体側第2伝達部材27bよりも上方側に突出するように構成されている。つまり、第1延設壁33aの上端部が、第1非伝達位置に位置する本体側第1伝達部材27aの上端部よりも上方側が位置し、且つ、第2非伝達位置に位置する本体側第2伝達部材27bの上端部よりも上方側に位置する。
【0069】
また、第2延設壁33bについては、その上端部が、上下方向において、第1非伝達位置に位置する本体側第1伝達部材27aの上端部と第2非伝達位置に位置する本体側第2伝達部材27bの上端部の少なくとも一方と同等の位置或いはそれよりも上方側に位置するように構成されている。この実施形態では、第1非伝達位置に位置する本体側第1伝達部材27aの上端部の方が第2非伝達位置に位置する本体側第2伝達部材27bの上端部よりも上下方向で下方側に位置するので、第2延設壁33bの上端部が、上下方向において、第1非伝達位置に位置する本体側第1伝達部材27aの上端部と同等の位置となっている。
【0070】
そして、この第2延設壁33bは、第1検知部24による容器装着状態の検知及び第2検知部25による蓋装着状態の検知の両者が誤って行われないようにする突起部として構成されている。つまり、第1検知部24は、本体側第1伝達部材27aが下方側に移動し、その移動量が設定量以上となると、容器装着状態の検知を開始するので、第1検知部24にて容器装着状態の検知を開始するときの本体側第1伝達部材27aの位置は、第1非伝達位置に位置する本体側第1伝達部材27aよりも設定量だけ下方側に移動した位置となる。また、第2検知部25も、本体側第2伝達部材27bが下方側に移動し、その移動量が設定量以上となると、蓋装着状態の検知を開始するので、第2検知部25にて蓋装着状態の検知を開始するときの本体側第2伝達部材27bの位置は、第2非伝達位置に位置する本体側第2伝達部材27bよりも設定量だけ下方側に移動した位置となる。したがって、上述の如く、第2延設壁33bの上端部を、上下方向において、第1非伝達位置に位置する本体側第1伝達部材27aの上端部と第2非伝達位置に位置する本体側第2伝達部材27bの上端部の少なくとも一方と同等の位置或いはそれよりも上方側に位置させている。これにより、第2延設壁33bを、第1検知部24にて容器装着状態の検知を開始するときの本体側第1伝達部材27aの位置、及び、第2検知部25にて蓋装着状態の検知を開始するときの本体側第2伝達部材27bの位置の少なくとも一方よりも上方側に突出するように構成することができる。したがって、本体側第1伝達部材27a及び本体側第2伝達部材27bの両者に同時に使用者の指等が触れても、この第2延設壁33bによって、第1検知部24及び第2検知部25の両者が検知を開始する位置まで本体側第1伝達部材27a及び本体側第2伝達部材27bの両者が下方側に押圧されるのを防止でき、第1検知部24による容器装着状態の検知及び第2検知部25による蓋装着状態の検知の両者が誤って行われることを防止できる。
【0071】
〔別実施形態〕
(A)上記実施形態では、本体側伝達部材27と第1、第2検知部24、25とを別の部材にて構成しているが、例えば、本体側伝達部材を、容器側伝達部材と接触して容器側伝達部材との間で直接伝達自在であり、その容器側伝達部材との間で直接伝達によりONされるスイッチ部にて構成することもでき、1つの部材にて本体側伝達部材と検知部とを兼用することもできる。
【0072】
(B)上記実施形態では、第1検知部24と第2検知部25の両者を設けた例を示したが、第1検知部24のみ、或いは、第2検知部25のみを設けて実施することも可能である。
【0073】
(C)上記実施形態では、ハンドル部23を本体第2部位9よりも上方側から下降させて本体第2部位9にハンドル部23を装着することで、本体第2部位9に対してハンドル部23を装着する方向を上下方向とし、容器側伝達部材26を本体側伝達部材27に上下方向で接触させて容器側伝達部材26と本体側伝達部材27との間での直接伝達を行うことで、容器側伝達部材26を本体側伝達部材27に接触させる方向も上下方向としているが、本体第2部位に対してハンドル部を装着する方向、及び、容器側伝達部材を本体側伝達部材に接触させる方向については、上下方向に限らず、水平方向等、他の方向として実施することもできる。
【0074】
(D)上記実施形態において、突起部としての第2延設壁33bは、第1検知部24にて容器装着状態の検知を開始するときの本体側第1伝達部材27aの位置、及び、第2検知部25にて蓋装着状態の検知を開始するときの本体側第2伝達部材27bの位置の少なくとも一方よりも上方側に突出するものであればよく、第1検知部にて容器装着状態の検知を開始するときの本体側第1伝達部材の位置よりも上方側に突出させるか、第2検知部にて蓋装着状態の検知を開始するときの本体側第2伝達部材の位置よりも上方側に突出させるか、或いは、第1検知部にて容器装着状態の検知を開始するときの本体側第1伝達部材の位置及び第2検知部にて蓋装着状態の検知を開始するときの本体側第2伝達部材の位置の両者よりも上方側に突出させるかについては、適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、駆動手段を備えた本体と、前記本体に対して着脱自在で且つ前記本体に装着された状態で前記駆動手段にて回転駆動される調製部材を備えた容器台と、前記調製部材が内部に配置されるように前記容器台に装着自在で且つ前記容器台から取り外し自在な容器と、前記容器に対して着脱自在な蓋とが備えられ、調製部材の清掃を行い易く、しかも、本体に対する容器の装着を容易に行うことができながら、容器や蓋が装着されたとの動作を検知部に伝達するための構造の簡素化を図ることができる安全機構を備えた各種の電動調理器に適応可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 本体
2 容器台
3 容器
4 蓋
5 モータ(駆動手段)
6 ブレード(調製部材)
8 本体第1部位
9 本体第2部位
22 容器本体
23 ハンドル部
24 第1検知部
25 第2検知部
26 容器側伝達部材
26a 容器側第1伝達部材
26b 容器側第2伝達部材
27 本体側伝達部材
27a 本体側第1伝達部材
27b 本体側第2伝達部材
29 本体側壁部(案内・液体滞留防止部)
30 本体側凹部(案内・液体滞留防止部)
33b 第2延設壁(突起部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段を備えた本体と、前記本体に対して着脱自在で且つ前記本体に装着された状態で前記駆動手段にて回転駆動される調製部材を備えた容器台と、前記調製部材が内部に配置されるように前記容器台に装着自在で且つ前記容器台から取り外し自在な容器と、前記容器に対して着脱自在な蓋とが備えられ、前記本体には、前記容器台及び前記容器が装着されている容器装着状態、又は、前記容器台、前記容器及び前記蓋が装着されている蓋装着状態を検知する検知部が備えられ、前記容器台及び前記容器を装着する動作に伴う容器装着動作、又は、装着された前記容器に前記蓋を装着する動作に伴う蓋装着動作が、前記容器側に備えられた容器側伝達部材と前記本体側に備えられた本体側伝達部材との間での伝達を介して前記検知部に伝達自在に構成され、前記検知部は、前記容器装着動作が伝達されると前記容器装着状態を検知する、又は、前記蓋装着動作が伝達されると前記蓋装着状態を検知するように構成され、前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材は、前記容器台の外側を通して前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材との間での直接伝達を行うように構成されている電動調理器。
【請求項2】
前記本体は、前記容器台を着脱させる本体第1部位とその本体第1部位の外側に張り出した本体第2部位を備えて構成され、前記容器は、食材を収納可能な容器本体とその容器本体の外側に張り出したハンドル部を備えて構成され、前記容器側伝達部材が前記ハンドル部に備えられ、前記本体側伝達部材が前記本体第2部位に備えられ、前記本体第2部位に前記ハンドル部を装着した装着状態において、前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材とが接触自在に構成されている請求項1に記載の電動調理器。
【請求項3】
前記本体第2部位に前記ハンドル部を装着した装着状態において、前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材とが接触する位置が前記本体に装着される前記容器台の下端部よりも上方側に設定されている請求項2に記載の電動調理器。
【請求項4】
前記本体第2部位には、前記容器側伝達部材と前記本体側伝達部材が接触する位置に前記ハンドル部を案内自在で、且つ、前記本体側伝達部材の周囲での液体滞留を防止自在な案内・液体滞留防止部が備えられている請求項2又は3に記載の電動調理器。
【請求項5】
前記検知部として、前記容器装着状態を検知する第1検知部と前記蓋装着状態を検知する第2検知部とが設けられ、前記容器側伝達部材として、容器側第1伝達部材と容器側第2伝達部材とが設けられ、前記本体側伝達部材として、本体側第1伝達部材と本体側第2伝達部材とが設けられ、前記容器装着動作が、前記容器側第1伝達部材と前記本体側第1伝達部材との間での伝達を介して前記第1検知部に伝達自在に構成され、前記蓋装着動作が、前記容器側第2伝達部材と前記本体側第2伝達部材との間での伝達を介して前記第2検知部に伝達自在に構成され、前記第1検知部にて前記容器装着状態を検知していない又は前記第2検知部にて前記蓋装着状態を検知していない非検知状態では、前記駆動手段の駆動を禁止し、前記第1検知部にて前記容器装着状態を検知し且つ前記第2検知部にて前記蓋装着状態を検知している検知状態では、前記駆動手段の駆動を許容する駆動禁止・駆動許容手段を備えている請求項1〜4の何れか1項に記載の電動調理器。
【請求項6】
前記本体には、前記本体側第1伝達部材と前記本体側第2伝達部材が近接して配設されるとともに、前記本体側第1伝達部材と前記本体側第2伝達部材の間に、前記第1検知部にて前記容器装着状態の検知を開始するときの前記本体側第1伝達部材の位置、及び、前記第2検知部にて前記蓋装着状態の検知を開始するときの前記本体側第2伝達部材の位置の少なくとも一方よりも上方側に突出する突起部が備えられている請求項5に記載の電動調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−244910(P2011−244910A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118984(P2010−118984)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】