説明

電子時計

【課題】任意の時間帯を任意の時間感覚で時刻を運行させる時計の提供。
【解決手段】基準クロックを出力する発振回路1と、基準クロックを所定の分周比で分周する分周回路2と、仮想時刻を設定するための入力部3と、設定された時刻に基づき周波数カウント数を算出するカウント回数算出部4と、分周回路で分周されたクロックを、カウント回数算出部で算出されたカウント数に達するまでカウントを行う周波数カウンタ部5と、カウントが終了するとパルス信号を出力するパルス発生部6と、パルス信号を取得して秒カウント、分カウント、時カウントの計時を開始する計時カウンタ部7と、計時状態を取得して表示する表示部8と、これら機能部を制御する処理制御部9と、これら機能部に電源電圧を供給する定電圧回路10とを少なくとも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計に関し、特に、任意の時間帯につき任意の時間間隔で時刻を運行させることができる電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、様々な形態の電子時計・電波時計が提案されており、正確に時間を計時して時刻を運行させる通常のモードの他に、正確な時間よりも早く時刻を進行させることができるモードを備える時計がある。このような時計としては、初期設定時等に時刻を正確に合わせるために、時刻設定ボタンを押すと、標準時間に係る情報を電波で受信して、現在時刻に達するまで秒針が通常よりも早く回転する電波時計が知られている。また、特許文献1には発振器の出力を計時基準とする電子時計であって、使用により表示時刻が現在時刻より遅れたり、反対に早く進んだ場合に、モードを切り替えることにより、時刻を通常よりも早く進行させて、素早く簡単に正しい時刻に補正することができる電子時計の補正技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−325316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、人間の時間感覚はあいまいで、その過ごし方によって時間が早く進んでいるように感じたり、逆に遅く進んでいるように感じたりするものであるため、時刻を知るためには時計を頼りにする。とすると、時計の時刻を任意の時間間隔すなわち仮想時間で運行させ、その時計により仮想時間で運行させた場合の時刻すなわち仮想時刻を知るようにすれば、同じ時間を違った感覚で過ごすことができて便利である。すなわち、現実時間よりも早く時刻を進行させれば、例えば、現実時間と仮想時間の差を有効に利用することができる。また、現実時間よりも遅く時刻を進行させれば、例えば、実際よりも余裕があるように認識してゆったりとした気持ちで時間を過ごすことができる。
【0004】
しかしながら、従来の電子時計では、時刻を正確に合わせるためにのみ、時刻を通常よりも早く進行させる機能しか備えていなかった。
【0005】
そこで本発明は、任意の時間帯を任意の時間間隔で時刻を運行させることができる電子時計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1記載の本発明は、時刻を計時する計時手段と、前記計時手段により計時された時刻を表示する表示部と、現実時間と異なる任意の仮想時間、前記仮想時間で時刻の運行を開始させる仮想開始時刻、及び、前記仮想時間での時刻の運行を停止させる仮想終了時刻を入力する入力部と、前記入力部より入力された仮想時間に基づいて時刻を計時するように前記計時手段を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、基準クロックを出力する発振回路と、当該基準クロックを所定の分周比で分周する分周回路と、仮想時刻を設定するための入力部と、前記設定された時刻に基づき周波数カウント数を算出するカウント回数算出部と、前記分周回路で分周されたクロックを、前記カウント回数算出部で算出されたカウント数に達するまでカウントを行う周波数カウンタ部と、当該カウントが終了するとパルス信号を出力するパルス発生部と、当該パルス信号を取得して秒カウント、分カウント、時カウントの計時を開始する計時カウンタ部と、当該計時状態を取得して表示する表示部と、これら機能部を制御する処理制御部と、これら機能部に電源電圧を供給する定電圧回路とを少なくとも備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載の本発明であって、前記入力部は、仮想開始時刻、仮想終了時刻、及び仮想時間を入力する時刻入力部を備え、前記カウント回数算出手段は、前記仮想終了時刻から前記仮想開始時間を減算し、その結果を仮想時間で除算して、更にその結果に通常時の1秒あたりのクロックカウント数を乗算して得た新たなカウント数を前記周波数カウンタ部に出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ある一定の現実時間を長く感じさせたり、短く感じさせたりすることができる。特に時間を短く感じさせた場合、現実時間と仮想時間の差が生じることにより、使用者に違和感を与えることなく時間を創出することができ、使用者はその時間を有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子時計の構成を示すブロック図である。
【0012】
この電子時計は、基準クロックを出力する発振回路1と、この基準クロックを所定の分周比で分周する分周回路2と、仮想時刻を設定するための入力部3と、設定された時刻に基づき周波数カウント数を算出するカウント回数算出部4と、分周回路2で分周されたクロックをカウント回数算出部4で算出されたカウント数に達するまでカウントする周波数カウンタ部5と、このカウントが終了するとパルス信号を出力するパルス発生部6と、パルス信号を取得して秒カウント、分カウント、時カウントの計時を開始する計時カウンタ部7と、この計時状態を取得して表示する表示部8と、これら機能部を制御する処理制御部9と、これら機能部に電源電圧を供給する定電圧回路10とを少なくとも備えている。
【0013】
ここで発振回路1とは、水晶振動子、コンデンサー、抵抗、増幅素子から構成され、生成された発振信号を基準クロックとして出力する回路である。本実施の形態においてこの発振回路1は、基準クロックとして12.8MHzの周波数を出力する。発振回路1を構成する振動子の種類には、前述した水晶振動子以外にセラミック振動子が挙げられる。また発振回路1には、前述の構成を有する発振回路以外に、RC発振回路、水晶振動子内臓オシレータ、水晶振動子・分周器内臓オシレータ、PLL(Phase Locked Loop:位相同期回路)などが挙げられる。これら振動子および発振回路の選択は要求される周波数精度や消費電力またはコストを加味して適時選択されるものとする。
【0014】
分周回路2とは、発振回路1から取得した基準クロック信号を入力とし、このクロック信号に同期させて所定の分周比で分周を行う回路である。分周されたクロック信号は周波数カウンタに出力される。
【0015】
周波数カウンタは、分周回路2から分周されたクロック信号を取得すると共に、カウンタ回数算出部からカウント回数を取得し、この周波数をカウント回数分だけ計数する機能部である。カウントが終了するとカウント終了信号を処理制御部9に出力する。
【0016】
入力部3は、現実の時刻表示させる通常モード選択ボタンと、仮想時刻を表示させる仮想モード設定ボタンと、仮想開始時刻、仮想終了時刻、及び仮想時間を設定するための秒設定部ボタン、分設定部ボタン時設定部ボタンを少なくとも備える。
【0017】
カウント回数算出部4は、処理制御部9からの仮想開始時刻、仮想終了時刻、及び仮想時間を取得すると、下記式(1)に基づきカウント回数を算出して、その値を周波数カウンタに出力する。
【0018】
カウント回数=
{(仮想終了時刻B―仮想開始時刻A)/仮想時間C}×3125 ・・・式(1)
なお、カウント回数算出部4及び処理制御部9は、請求項1における制御部を構成する。
【0019】
パルス発生部6は、処理制御部9からパルス発生指示を取得すると、パルス信号を生成して計時カウンタに出力する機能部である。
【0020】
計時カウンタは、秒カウンタ、分カウンタ、時カウンタを備え、パルス発生部6からパルス信号を取得すると、秒カウンタのカウントを開始する機能部である。秒カウンタにて60回のカウントが完了すると同時に分カウンタのカウントが桁上げされる。これを繰り返し、分カウンタのカウント数が60回になると、時カウントのカウントが桁上げされる。
【0021】
なお、発振回路1、分周回路2、周波数カウンタ部5、パルス発生部6、及び計時カウンタ部7は、請求項1における計時手段を構成する。
【0022】
表示制御部11は、処理制御部9から、秒カウンタ値、分カウンタ値、及び時カウンタ値を取得し、これをキャラクターコードに変換して表示部8に出力する機能部である。
【0023】
表示部8は、秒表示部、分表示部、時表示部、及び文字表示部を備えており、表示制御部11からキャラクターコードを取得すると、このコードに対応する数値又は文字をこれら表示部の各セグメントを発光させることで表示する機能部である。
【0024】
記憶部12は、処理の手順を記述したプログラムや処理されるべきデータを一時的に記憶し、処理制御部9の要請に従ってプログラムの機械命令やデータを引き渡す機能部である。
【0025】
定電圧回路10は、これら電子回路に安定した電源電圧を供給する手段であって、特に、動作周波数の高い回路部分(例えば、発振回路、分周回路)の電源電圧を、定電圧回路10を使って定電圧化した低い電圧を供給し、時計の安定化を図る回路である。
【0026】
次に、図2を参照して本発明の実施の形態に係る電子時計の処理手順を説明する。
【0027】
まず、ステップS1において、電源を投入すると定電圧回路10から各機能に大して供電が開始される。ステップS2において、周波数カウンタ部のカウント値が初期値(D=0)に設定され、同時に秒カウンタS、分カウンタM、時カウンタHも初期値(S=0、M=0、H=0)に設定される。
【0028】
ステップS3において、処理制御部9は入力部3の通常モード選択ボタンと仮想モード選択ボタンのどちらが選択されているかを検出する。ここで通常モード選択ボタンが選択されていることを検出した場合はステップS4に進み、仮想モード選択ボタンが選択されていることを検出した場合はステップS20(図3)に進む。
【0029】
ステップS4において、処理制御部9は、発振回路1から出力される12.8MHzの基準クロック信号を分周回路2で3.125KHzまで分周させ、周波数カウンタ部に出力させる。周波数カウンタ部は、この周波数をカウントすると共に、現在のカウント値Dが3125に達しているか否か判定する。まだカウント値Dが3125に達していない場合はステップS5に進み、このDに1を加算して再度ステップS3、S4の処理を繰り返す。D=3125に達したことを検出したときは、ステップS6において、パルス信号が出力される。
【0030】
ステップS7において、計数カウント部は、パルス信号を取得すると、秒カウンタ値Sに1を加算し、ステップS8においてこの値を表示部8に出力する。ここでステップS9において、秒カウンタが60に達したか否か判定し、達していない場合はS3に戻りS3〜S8の処理を繰り返す。ここでS=60であることを検出した場合はステップS10に進む。
【0031】
ステップS10〜S11において、計数カウンタ部の分カウンタは、Mに1を加算して桁上げを行い、この値を表示部8に出力する。
【0032】
ステップS12において、分カウンタが60に達したか否か判定し、達していない場合はS3に戻りS3〜S11までの処理を繰り返す。ここでM=60であることを検出した場合はステップS13に進む。
【0033】
ステップS13〜S14において、Hカウンタは、Hに1を加算して桁上げを行い、この値を表示部8に出力する。
【0034】
ステップS15において、時カウンタが24に達したか否か判定し、達していない場合はS3に戻りS3からS14までの処理を繰り返す。ここでH=24であることを検出した場合はステップS2に戻る。
【0035】
以上の処理が通常モードの計時処理である。次に仮想モードの処理を説明する。
【0036】
図2のステップS2において仮想モード選択ボタンが選択されていることを検出すると、ステップS20において、入力部3から仮想開始時刻A、仮想終了時刻B、仮想時間Cを更に取得する。
【0037】
ステップS21において、カウンタ回数算出部は、この仮想終了時刻Bから仮想開始時刻Aを減算し、これを仮想時間Cで除算して、その結果得られた値に3125を乗算してカウント回数Xを求めて、この値Xを周波数カウンタ部に出力する。
【0038】
ステップS22において、処理制御部9は、現在の時刻が仮想開始時刻であるか否かを検出し、仮想開始時刻に達した場合はステップS23に進む、未だ仮想開始時刻に達していない場合は、ステップS4(図2)に戻って、通常モードの計時を引き続き行う。
【0039】
ステップS23において、処理制御部9は、発振回路1から出力される12.8MHzの基準クロック信号を分周回路2で3.125KHzまで分周させ、この周波数をカウント値DがXに達しているか否か判定する。まだ達していない場合はステップS24に進み、Dに1を加算して再度ステップS23の処理を繰り返す。
【0040】
ステップS25において、処理制御部9は、ステップS23でD=Xに達したことを検出するとパルス発生部6からパルス信号を出力させる。
【0041】
ステップS26において、秒カウンタの値Sに1が加算されると、ステップS27においてこの値を表示部8に出力する。
【0042】
ここでステップS28において、処理制御部9は、仮想終了時刻に達したか否かを検出し、未だ仮想終了時刻に達していないことを検出した場合はステップS29に進む。ここで仮想終了時刻に達していることを検出した場合はS4(図2)に戻って、通常モードの計時を開始する。
【0043】
ステップS29において、処理制御部9は、計時カウンタ部7の秒カウンタが60に達したか否か判定を行い、達していない場合はS23に戻りS23〜S28の処理を繰り返し、S=60であることを検出した場合はステップS29に進む。
【0044】
そしてステップS30〜S31において、分カウンタは、Mに1を加算して桁上げを行い、この値を表示部8に出力する。
【0045】
ステップS32において、処理制御部9は、分カウンタが60に達したか否か判定し、達していない場合はS23に戻りS23からS31までの処理を繰り返す。ここでM=60であることを検出した場合はステップS33に進む。
【0046】
ステップS33〜S34において、Hカウンタは、Hに1を加算して桁上げを行い、この値を表示部8に出力する。そしてステップS35において、時カウンタが24に達したか否かを判定し、達していない場合はS23に戻りS23からS34までの処理を繰り返す。ここでH=24であることを検出した場合はステップS2(図2)に戻る。
【0047】
以上の仮想時間処理により、使用者が仮想開始時刻A、仮想終了時刻B、仮想時間Cを設定すると、仮想開始時刻Aから仮想終了時刻Bまでの時間を自由自在に伸縮させて表示させることができる。これにより、ある一定の現実時間を、長く感じさせたり、短く感じさせたりすることができる。また時間を短く感じさせた結果、その分が蓄積されて、使用者に違和感を与えることなく最終的に時間の蓄積を還元することができる。
【0048】
次に、具体的な使用方法を説明する。
【0049】
ここで仮に現在時刻が12:00で、人との待ち合わせ時刻が14:00であって、13:00〜14:00の1時間の時間を早く進めて待ち合わせ時間に余裕を持って着きたいとする。
【0050】
この場合、まず本発明の電子時計の仮想モード選択ボタンを選択し、次いで、仮想開始時刻A(13:00)、仮想終了時刻B(14:00)と入力し、仮想時間Cを65分と設定する。このときカウント回数は、式(1)より、(60[min]/65[min])×3125=約2885回となるので、これを周波数カウンタ部5に設定して計数を行う。
【0051】
これにより通常ならば3125回カウントすると1秒とみなしていたところを、2885回カウントしたら1秒とみなすため、1秒当たり約8%〜9%程度短く計数されることになる。これを分、時間・・・と蓄積を重ねると、最終的に5分の余裕時間が生まれる。すなわち、本発明の電子時計は14:00を表示しているが、現在時刻は13:55である、という具合である。
【0052】
このようなことから使用者は本発明の電子時計の計時に従っていつもの通りに待ち合わせ場所に向かえば、電子時計が14:00を表示したところで、現在時刻の約13:55に切り替わるので、5分前に到着することができる。本発明の特徴は、予め時間を5分進めておく場合と違って、ある範囲の時間の中で少しずつ時間の伸縮を行うので、人間の感覚に無理を与えずに時間を制御することができる点にある。
【0053】
このような理屈から、本発明の電子時計をマラソンのペースメーカとして利用すると、走る間だけ時計を早めることができ、しかもその計時が無理なく自然に行われるので、走者の心理状態に負担をかけずに記録を向上させる可能性がある。
【0054】
また1日24時間の計時の全てについて約5%、時間を早めると、1日当たり約1時間の時間の余裕ができる。これにより25時間分の時間を過ごす感覚を得ることができる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、分周回路2による分周後の周波数を変えることなく、周波数カウンタ部5における周波数のカウント回数を変更することにより、進行させる時間を伸縮させるようにしたが、分周回路による分周回数を仮想時間に応じて変更して分周後の周波数を変えることにより、周波数のカウント回数を変更することなく進行させる時間を伸縮させるようにしてもよい。
【0056】
また、本実施の形態では、時刻をデジタル形式で表示するようにしたが、アナログ形式で表示するようにしてもよい。具体的には、時刻を表示する指針の内の秒針を、パルス発生部6により発生された1パルス毎に6度ずつ回転させるようにするとよい。また、秒針を運行させるための運針モータの秒針を現実時間で運行させる場合における回転速度に、仮想終了時刻から仮想開始時刻を減算した値を仮想時間で除算して得た値を乗算した速度で運針モータを回転させるように、運針モータに電圧を印加する電源を制御して印加電圧値を変更するようにしてもよい。なお、この場合における電源やこれを制御する制御装置は計時手段を構成する。
【0057】
以上説明した本発明に係る電子時計は、腕時計、置時計、掛時計のいずれの時計にも適用可能であり、必要に応じて携帯電話や車の時計などに組み込むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子時計の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子時計の通常モード選択時の計時処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る電子時計の仮想モード選択時の計時処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1…発振回路
2…分周回路
3…入力部
4…カウント回数算出部
5…周波数カウンタ部
6…パルス発生部
7…計時カウンタ部
8…表示部
9…処理制御部
10…定電圧回路
11…表示制御部
12…記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を計時する計時手段と、
前記計時手段により計時された時刻を表示する表示部と、
現実時間と異なる任意の仮想時間、前記仮想時間で時刻の運行を開始させる仮想開始時刻、及び、前記仮想時間での時刻の運行を停止させる仮想終了時刻を入力する入力部と、
前記入力部より入力された仮想時間に基づいて時刻を計時するように前記計時手段を制御する制御部と
を備えることを特徴とする電子時計。
【請求項2】
基準クロックを出力する発振回路と、
当該基準クロックを所定の分周比で分周する分周回路と、
仮想時刻を設定するための入力部と、
前記設定された時刻に基づき周波数カウント数を算出するカウント回数算出部と、
前記分周回路で分周されたクロックを、前記カウント回数算出部で算出されたカウント数に達するまでカウントを行う周波数カウンタ部と、
当該カウントが終了するとパルス信号を出力するパルス発生部と、
当該パルス信号を取得して秒カウント、分カウント、時カウントの計時を開始する計時カウンタ部と、
当該計時状態を取得して表示する表示部と、
これら機能部を制御する処理制御部と、
これら機能部に電源電圧を供給する定電圧回路とを少なくとも備える電子時計。
【請求項3】
前記入力部は、仮想開始時刻、仮想終了時刻、及び仮想時間を入力する時刻入力部を備え、
前記カウント回数算出手段は、前記仮想終了時刻から前記仮想開始時刻を減算し、その結果を仮想時間で除算して、更にその結果に通常時の1秒あたりのクロックカウント数を乗算して得た新たなカウント数を前記周波数カウンタ部に出力することを特徴とする請求項2記載の電子時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−322903(P2006−322903A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148644(P2005−148644)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年11月20日 電気通信大学第7回エレクトロニクスコンテスト実行委員会発行の「第7回 エレクトロニクスコンテスト発表予稿集」に発表
【出願人】(504133110)国立大学法人 電気通信大学 (383)
【Fターム(参考)】