説明

電子機器、及びプログラム

【課題】ユーザに与える不快感や悪影響を回避しつつ、より少ないストレスで調整可能とする。
【解決手段】表示パネル62には、動画再生や、音楽再生時、撮影時などに、スライドバーが表示される。ユーザは、タッチパネル61に対して、スライドバーをスライド操作する。制御部2は、ユーザによりタッチパネル61に対してスライド操作されると、スライド操作の速度が設定速度より速いと判別された場合には、設定速度に基づいて調整量を制御する一方、該ユーザによるスライド操作の速度が該設定速度以下と判別された場合には、スライド操作の速度に基づいて調整量を制御する。このとき、タッチ表示部6には、スライドバーに対応させて、ユーザによるスライド操作に応じた調整位置、制御される調整量の位置などが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子ボリュームで音量制御を行う機器が多数存在するが、急激な音量変化操作にリアルタイムに追従して音量を変化させると、再生音量が急激に変化しユーザの耳に衝撃を与えてしまう悪影響もある。そこで、増幅器の大音量調整域で音量を連続して増加するときに、急激な音量の上昇を抑えることができ、その大音量調整域で音量を連続して減少させるときに、急激な音量の絞り込みができるようにした電子ボリュームの技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−68484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術では、ロータリースイッチを使用したものであるが、スライダを使用した電子ボリュームも存在している。スライダを使用した電子ボリュームでは、指が滑りロータリースイッチと比べ、より急激に変化させてしまう悪影響も高い。ユーザは、音量の変化を確認しながら、スライダを移動/調整しなければならず、その操作にストレスを感じたり、不快になるという問題があった。また、この問題は、音量に限らず、水量、風量、温度、レンズ移動量といった調整量全般についての共通の課題といえる。
【0005】
そこで本発明は、ユーザに与える不快感や悪影響を回避することができる電子機器、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、表示部と該表示部上における位置を指定する位置指定手段とを備える電子機器であって、当該電子機器の備える機能の調整量を調整するためのスライダを前記表示部に表示するスライダ表示手段と、前記スライダ表示手段により表示された前記スライダに対して前記位置指定手段で行われたユーザによるスライド操作の指定位置に対応する調整位置を前記スライダに対応させて表示する調整位置表示手段と、前記ユーザによるスライド操作の速度が予め設定されている調整量の変化速度より速いか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別された場合には、該ユーザによるスライド操作の速度より遅くなるように調整量を制御する制御手段と、前記制御手段により制御される調整量の位置を前記スライダに対応させて表示する制御位置表示手段とを備えることを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、ユーザに与える不快感や悪影響を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態による電子機器1の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による、動画再生、音楽再生時の音量調整を行うための音量調整用設定速度テーブル71の一例を示す概念図である。
【図3】本実施形態による、撮影時のズーム調整を行うためのズーム量調整用設定速度テーブル72の一例を示す概念図である。
【図4】本実施形態による音量調整用スライドバー10a、10bの一例を示す模式図である。
【図5】本実施形態によるズーム量調整用スライドバー20a、20bの一例を示す模式図である。
【図6】本実施形態による音量調整用スライドバー10a、10bの一例を示す模式図である。
【図7】本実施形態によるズーム量調整用スライドバー20a、20bの一例を示す模式図である。
【図8】本実施形態による音量調整用スライドバー10a、10bの一例を示す模式図である。
【図9】本実施形態によるズーム量調整用スライドバー20a、20bの一例を示す模式図である。
【図10】本実施形態による、音量が増加方向に操作された場合でのスライド速度、設定速度、及び実際の音量変化を示す概念図である。
【図11】本実施形態による、音量が減少方向に操作された場合でのスライド速度、設定速度、及び実際の音量変化を示す概念図である。
【図12】本実施形態による電子機器1の動作(メインルーチン)を説明するためのフローチャートである。
【図13】本実施形態による電子機器1の動作(メインルーチン)を説明するためのフローチャートである。
【図14】本実施形態による調整量制御処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】本実施形態による調整量制御処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、タッチインターフェースのスライダによる制御量の変更操作に対する応答表示を、ユーザ操作に対する表示と実際の制御量変化とに対する表示の2つに分け、最終的な制御変更量を表示しつつ、ユーザに不快感や悪影響を与えないように設定されている適切な速度で制御量を変化させる。
【0010】
例えば、制御量が音量である場合、小音量域では、ユーザの音量変更操作に実際の音量変化を追随させ、中大音量域では、ユーザの音量変更操作に対して実際の音量変化の加速度を低下させることで、ユーザに与える急激な音量変化による不快感や悪影響を回避しつつ、ストレスの少ない調整量で調整することができる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態による電子機器1の構成を示すブロック図である。図において、電子機器1は、携帯電話、スマートフォン、PDA、デジタルカメラ、タブレット端末などの撮影・再生機能を有する電子機器である。電子機器1は、制御部2、操作部3、撮像部4、電源部5、タッチ表示部(タッチパネル61、表示パネル62)6、記憶部7を備えている。
【0013】
制御部2は、電子機器1の各部を制御するワンチップマイコンである。特に、本実施形態では、制御部2は、動画再生、または音楽再生時の音量調整、あるいは動画撮影時のズーム量調整において、ユーザによりタッチパネル61(後述)に対してスライド操作されると、その操作位置、スライド方向、スライド速度、予め設定された設定速度などのパラメータに従って、動画再生、または音楽再生時の音量調整、あるいは動画撮影時のズーム量調整の制御を行うようになっている。
【0014】
また、制御部2は、スライド操作ではなく、ユーザが調整したいボリューム位置に直接タッチ操作した場合を想定し、ユーザによりタッチパネル61(後述)に対してタッチ操作されると、そのタッチ位置、増加/減少方向、予め設定された設定速度などのパラメータに従って、動画再生、または音楽再生時の音量調整、あるいは動画撮影時のズーム量調整の制御を行うようにもなっている。
【0015】
特に、本発明では、タッチインターフェースのスライダによる調整量変更操作に対する応答表示を、操作に対する表示と実際の調整変化とに対する表示との2つに分け、最終的な調整変更量を表示しつつ、ユーザに不快感や悪影響を与えないように、設定されている適切な速度で調整量を変化させるため、ユーザ操作による調整量変化と実際の調整量変化とが異なる場合がある。このため、制御部2は、ユーザに不快感や悪影響を与えないように、上記動画再生、または音楽再生時の音量調整、あるいは動画撮影時のズーム量調整において、表示パネル62に表示する、音量調整用のスライドバー、あるいはズーム量調整用のスライドバーに係る表示を制御する。
【0016】
操作部3は、電源ボタン等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号を制御部2に出力する。撮像部4は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、撮像素子などを含み、被写体像を撮像素子上に結像し、投影された被写体の光を電気信号に変換して出力する。電源部5は、例えば、二次電池からなり、各部に電力を供給する。
【0017】
タッチ表示部6は、タッチパネル61と表示パネル62とを備えている。表示パネル62は、カラーLCDや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、バックライトなどとその駆動回路とを含み、各種データや、撮像部4によって撮像された画像や、動画を表示する。特に、本実施形態では、例えば、動画再生や、音楽再生時に、音量を設定するためのスライドバーを表示するようになっている。
【0018】
タッチパネル61は、表示パネル62上に設けられた透過型のタッチセンサであり、タッチ位置と表示パネル62上の位置(座標)とが対応付けられている。特に、本実施形態では、動画再生や、音楽再生時、撮影時などに、表示パネル62に表示されたスライドバーをスライド操作したり、所望する位置をタッチ操作したりすることで、音量や、ズーム量を調整するために用いられる。
【0019】
記憶部7は、撮像された画像や、動画を記憶するメモリや、制御部2による、電子機器1の各部の制御に必要なプログラム、及び各部の制御に必要なデータを保持するメモリなどからなる。特に、本実施形態では、記憶部7は、音量調整用設定速度テーブル71とズーム調整用設定速度テーブル72とを備えている。音量調整用設定速度テーブル71は、動画再生、または音楽再生時の音量調整で用いられ、ズーム調整用設定速度テーブル72は、動画撮影時のズーム量調整で用いられる。以下、詳細に説明する。
【0020】
図2は、本実施形態による、動画再生、音楽再生時の音量調整を行うための音量調整用設定速度テーブル71の一例を示す概念図である。本実施形態では、音量調整範囲を3つ領域a1、a2、a3に分割し、スライド方向/タッチ位置の増加方向、減少方向のそれぞれで、各領域a1、a2、a3の各々に設定速度s1、s2、s3(増加方向)、速度t1、t2、t3(減少方向)を対応付けて記憶する音量調整用設定速度テーブル71を備えている。設定速度s1、s2、s3(増加方向)、速度t1、t2、t3(減少方向)は、音量変化の閾値であり、出荷時に工場で予め設定されるが、ユーザにより設定可能としてもよい。
【0021】
制御部2は、タッチ表示部6に表示される音量調整用スライドバー(後述)がスライド操作された場合には、上記音量調整用設定速度テーブル71を参照し、スライド操作された領域に応じた設定速度を取得し、スライド速度が設定速度より大である場合には、該設定速度で音量を変化させ、スライド速度が設定速度より小である場合には、スライド速度で音量を変化させる。また、制御部2は、タッチ表示部6に表示される音量調整用スライドバーがタッチ操作された場合には、上記音量調整用設定速度テーブル71を参照し、タッチ操作された領域(位置)に応じた設定速度を取得し、該設定速度で音量を変化させる。
【0022】
図3は、本実施形態による、撮影時のズーム調整を行うためのズーム量調整用設定速度テーブル72の一例を示す概念図である。本実施形態では、音量調整と同様に、ズーム量調整範囲を3つ領域b1、b2、b3に分割し、スライド方向/タッチ位置の増加方向、減少方向のそれぞれで、各領域b1、b2、b3の各々に設定速度u1、u2、u3(増加方向)、速度v1、v2、v3(減少方向)を対応付けて記憶するズーム量調整用設定速度テーブル72を備えている。設定速度u1、u2、u3(増加方向)、速度v1、v2、v3(減少方向)は、出荷時に工場で予め設定されるが、ユーザにより設定可能としてもよい。
【0023】
制御部2は、タッチ表示部6に表示されるズーム量調整用スライドバー(後述)がスライド操作された場合に、上記ズーム量調整用設定速度テーブル72を参照し、スライド操作された領域に応じた設定速度を取得し、スライド速度が設定速度より大である場合には、該設定速度でズーム量を変化させ、スライド速度が設定速度より小である場合には、スライド速度でズーム量を変化させる。また、制御部2は、タッチ表示部6に表示されるズーム量調整用スライドバーがタッチ操作された場合には、上記ズーム量調整用設定速度テーブル72を参照し、タッチ操作された領域(位置)に応じた設定速度を取得し、該設定速度でズーム量を変化させる。
【0024】
なお、設定速度を「0」とすることで、常にユーザのスライド速度に追随した速度で調整することが可能となる。また、悪影響の小さい小音量のような特定の領域だけ、あるいは、減少方向の全領域というように設定してもよい。
【0025】
図4(a)、(b)は、各々、本実施形態による音量調整用スライドバー10a、10bの一例を示す模式図である。図4(a)に示す音量調整用スライドバー10aは、音量のミュート(消音)から最大までの音量設定範囲を示すスライダ11aと、音量の大小を示すアイコン12a、13aと、ユーザの操作位置を示す第1アイコン14aと、実際の音量位置を示す第2アイコン15aとから構成される。同様に、図4(b)に示す音量調整用のスライドバー10bは、音量のミュート(消音)から最大までの音量設定範囲を示すスライダ11bと、音量の大小を示すアイコン12b、13bと、ユーザの操作位置を示す第1アイコン14bと、実際の音量位置を示す第2アイコン15bとから構成される。
【0026】
図4(a)の音量調整用スライドバー10aでは、第1アイコン14aと第2アイコン15aとがスライダ11aの下側に配置されており、図4(b)の音量調整用スライドバー10bでは、第1アイコン14bと第2アイコン15bとがバー11bの内側に配置されている点が異なっている。
【0027】
いずれの例でも、ユーザは、第1アイコン14a、14bを左右にスライド操作することで音量を調整する。これに対して、電子機器1側では、スライド速度で第1アイコン14a、14bを左右に移動させる。一方、スライド速度が、操作された第1アイコン14a、14bが位置する領域に応じた設定速度より大である場合には、該設定速度で音量を変化させるとともに、その変化に連動させて第2アイコン15a、15bを左右に移動させる。また、スライド速度が設定速度より小である場合には、スライド速度で音量を変化させるとともに、その変化に連動させて第2アイコン15a、15bを左右に移動させる。
【0028】
したがって、スライド操作の位置、スライド速度、及び設定速度の関係で、ユーザの操作位置を示す第1アイコン14a、14bと、実際の音量位置を示す第2アイコン15a、15bとは、図4(a)、(b)に示すように、同じ位置にあるとは限らず、ユーザの操作位置を示す第1アイコン14a、14bの移動に追随するように、実際の音量位置を示す第2アイコン15a、15bが移動、すなわち実際の音量が変化することになる。
【0029】
図5(a)、(b)は、各々、本実施形態によるズーム量調整用スライドバー20a、20bの一例を示す模式図である。図5(a)に示すズーム量調整用スライドバー20aは、ワイド端からテレ端までのズーム設定位置を示すスライダ21aと、ワイド端、テレ端のそれぞれを示すアイコン22a、23aと、ユーザの操作位置を示す第1アイコン24aと、実際のズーム位置を示す第2アイコン25aとから構成される。
【0030】
同様に、図5(b)に示すズーム量調整用スライドバー20bは、ワイド端からテレ端までのズーム設定位置を示すスライダ21bと、ワイド端、テレ端のそれぞれを示すアイコン22b、23bと、ユーザの操作位置を示す第1アイコン24bと、実際のズーム位置を示す第2アイコン25bとから構成される。
【0031】
図5(a)、(b)の違いは、図4(a)、(b)と同様に、ズーム量調整用スライドバー20aでは、第1アイコン24aと第2アイコン25aとがスライダ21aの下側に配置されており、ズーム量調整用スライドバー20bでは、第1アイコン24bと第2アイコン25bとがスライダ21bの内側に配置されている点が異なっている。
【0032】
いずれの例でも、ユーザは、第1アイコン24a、24bを左右にスライド操作することでズーム位置を調整する。これに対して、電子機器1側では、スライド速度で第1アイコン24a、24bを左右に移動させる。一方、スライド速度が、操作された第1アイコン24a、24bが位置する領域に応じた設定速度より大である場合には、該設定速度でズーム量を変化させるとともに、その変化に連動させて第2アイコン25a、25bを左右に移動させる。また、スライド速度が設定速度より小である場合には、スライド速度でズーム量を変化させるとともに、その変化に連動させて第2アイコン25a、25bを左右に移動させる。
【0033】
したがって、スライド操作位置、スライド速度、及び設定速度の関係で、ユーザの操作位置を示す第1アイコン24a、24bと、実際のズーム位置を示す第2アイコン25a、25bとは、図5(a)、(b)に示すように、同じ位置にあるとは限らず、ユーザの操作位置を示す第1アイコン24a、24bの移動に追随するように、実際のズーム位置を示す第2アイコン25a、25bが移動すること、すなわち実際のズーム量が変化することになる。
【0034】
図6(a)、(b)は、各々、本実施形態による音量調整用スライドバー10a、10bの一例を示す模式図である。上述した図4(a)、(b)に示す表示形態において、第1アイコン14a、14bと第2アイコン15a、15bとの位置が一致した場合には、ユーザが容易に認識できるように、図6(a)、(b)に示すように、第3アイコン16a、16bに変更して表示する。
【0035】
図7(a)、(b)は、各々、本実施形態によるズーム量調整用スライドバー20a、20bの一例を示す模式図である。上述した図5(a)、(b)に示す表示形態において、第1アイコン24a、24bと第2アイコン25a、25bとの位置が一致した場合には、ユーザが容易に認識できるように、図7(a)、(b)に示すように、第3アイコン26a、26bに変更して表示する。
【0036】
なお、図6(a)、(b)、及び図7(a)、(b)では、第3アイコン16a、16b、26a、26bに変更するようにしたが、これに限らず、色を変えるようにしてもよい。
【0037】
図8(a)、(b)は、各々、本実施形態による音量調整用スライドバー10a、10bの一例を示す模式図である。上述した図4(a)、(b)に示す表示形態において、第1アイコン14a、14bと第2アイコン15a、15bとの位置が一致した場合に、ユーザが容易に認識できるように、図8(a)、(b)に示すように、スライダ11a、11bを強調表示するようにしてもよい。
【0038】
図9(a)、(b)は、各々、本実施形態によるズーム量調整用スライドバー20a、20bの一例を示す模式図である。上述した図5(a)、(b)に示す表示形態において、第1アイコン24a、24bと第2アイコン25a、25bとの位置が一致した場合には、ユーザが容易に認識できるように、図9(a)、(b)に示すように、スライダ21a、21bを強調表示するようにしてもよい。
【0039】
なお、図8(a)、(b)、図9(a)、(b)では、スライダを強調表示するようにしたが、これに限らず、スライダ11a、11b、及び21a、21bの色を変えるようにしてもよい。
【0040】
図10(a)、(b)、(c)は、本実施形態による、音量が増加方向に操作された場合でのスライド速度、設定速度、及び実際の音量変化を示す概念図である。図10(a)、(b)、(c)には、横軸に時間、縦軸に調整量をとっており、線分の傾きは変化速度を表わし、傾きが大きいほど変化速度が大きいことを表わしている。また、破線L1がスライド速度、点線L2が設定速度、実線L3が実際の音量変化速度を表わしている。
【0041】
図10(a)には、スライド速度L1が領域a1〜a3の全てで設定速度L2(s1、s2、s3)より速いので、実線L3(=設定速度L2)に従って実際の音量を変化させる様子が示されている。図10(b)には、スライド速度L1が領域a1〜a3の全てで設定速度L2(s1、s2、s3)より遅いので、実線L3(=スライド速度L1)に追随して実際の音量を変化させる様子が示されている。また、図10(c)では、スライド速度L1が、領域a1、a2で設定速度L2(s1、s2)より速く、領域a3の一部で同じになり、その後、設定速度L2(s3)より遅くなるというように途中で変化している。この場合、領域a1、a2では、実線L3(=設定速度L2)で実際の音量を変化させ、双方が同じになった領域a3の一部では、スライド速度L1(=L2=L3)で実際の音量を変化させ、領域a3の後半では、実線L3(=スライド速度L1)で実際の音量を変化させる。
【0042】
図11(a)、(b)、(c)は、本実施形態による、音量が減少方向に操作された場合でのスライド速度、設定速度、及び実際の音量変化を示す概念図である。図11(a)、(b)、(c)には、横軸に時間、縦軸に調整量をとっており、線分の傾きは変化速度を表わし、傾きが大きいほど変化速度が大きいことを表わしている。また、破線L1がスライド速度、点線L2が設定速度、実線L3が実際の音量変化速度を表わしている。
【0043】
図11(a)では、スライド速度L1が領域a3〜a1の全てで設定速度L2(t3、t2、t1)より速いので、実線L3(=設定速度L2)に従って実際の音量を変化させる。図11(b)では、スライド速度L1が領域a3〜a1の全てで設定速度L2(t3、t2、t1)より遅いので、実線L3(=スライド速度L1)に追随して実際の音量を変化させる。また、図11(c)では、スライド速度L1が、領域a3、a2で設定速度L2(t3、t2)より速く、領域a1の半ばまで設定速度L2(t1)より速く、その後、設定速度L2(t1)より遅くなるというように途中で変化している。この場合、領域a3、a2、及び領域a1の半ばまでは、実線L3(=設定速度L2)で実際の音量を変化させ、領域a1で設定速度L2より遅くなってからは、実線L3(=スライド速度L1)で実際の音量を変化させる。
【0044】
B.実施形態の動作
次に、上述した実施形態の動作について説明する。
図12、及び図13は、本実施形態による電子機器1の動作(メインルーチン)を説明するためのフローチャートである。まず、制御部2は、動画再生であるか否かを判断し(ステップS10)、ユーザにより動画再生が指示されている場合には(ステップS10のYES)、ユーザにより指定された動画ファイルの再生を行うとともに、動画再生中の表示を行う(ステップS12)。動画再生中には、動画ファイルの再生、一時停止、早送り、逆戻し、停止などの動作指示アイコンや、音量調整用スライドバー10a、10b(図4(a)、(b)や、図6(a)、(b)を参照)がタッチ表示部6に表示される。そして、再生中に、音量調整操作があったか否かを判断する(ステップS14)。
【0045】
音量調整操作とは、例えば、図4(a)に示す例では、表示パネル62上に表示されている音量調整スライドバー10a(図4(a)を参照)の第1アイコン14aが、ユーザによりタッチパネル61上で左右にスライド操作されることや、ユーザにより音量調整スライドバー10a上の設定したい位置がタッチ操作されることを意味する。そして、再生中に、ユーザにより音量調整操作が行われた場合には(ステップS14のYES)、図2の音量調整用設定速度テーブル71を参照し、スライド操作位置、スライド速度、スライド方向、及び設定速度、あるいはタッチ操作位置、増加/減少方向、及び設定速度に従って、動画再生中の音量を調整する調整量制御処理を実行する(ステップS16)。なお、該調整量制御処理の詳細については後述する。その後、ステップS14に戻り、動画再生を継続する。
【0046】
一方、動画再生中に、ユーザにより音量調整操作が行われない場合には(ステップS14のNO)、ユーザにより停止操作が行われたか否かを判断する(ステップS18)。そして、動画再生中に、ユーザにより停止操作が行われた場合には(ステップS18のYES)、再生している動画に対して停止処理を実行し(ステップS20)、ステップS10に戻る。
【0047】
また、動画再生中に、音量調整操作も、停止操作も行われなかった場合には(ステップS18のNO)、早送り、逆戻し、一時停止等のその他の操作が行われたか否かを判断し(ステップS22)、その他の操作が行われた場合には(ステップS22のYES)、行われた操作に応じた処理を実行し(ステップS24)、ステップS14に戻り、動画再生を継続する。一方、その他の操作も行われなかった場合には(ステップS22のNO)、ステップS14に戻り、動画再生を継続する。
【0048】
一方、ユーザにより動画再生が指示されていない場合には(ステップS10のNO)、音楽再生が指示されているか否かを判断する(ステップS26)。そして、音楽再生が指示されている場合には(ステップS26のYES)、ユーザにより指定された音楽ファイルの再生を行うとともに、音楽再生中の表示を行う(ステップS28)。音楽再生中には、音楽ファイルの再生、一時停止、早送り、逆戻し、停止などの動作指示アイコンや、音量調整用スライドバー10a、10b(図4(a)、(b)や図6(a)、(b)を参照)がタッチ表示部6に表示される。そして、音楽再生中に、音量調整操作があったか否かを判断する(ステップS30)。
【0049】
音量調整操作とは、例えば、図4(a)に示す例では、表示パネル62上に表示されている音量調整スライドバー10a(図4(a)を参照)の第1アイコン14aが、ユーザによりタッチパネル61上で左右にスライド操作されることや、ユーザにより音量調整スライドバー10a上の設定したい位置がタッチ操作されることを意味する。そして、音楽再生中に、ユーザにより音量調整操作が行われた場合には(ステップS30のYES)、図2の音量調整用設定速度テーブル71を参照し、スライド操作位置、スライド速度、スライド方向、及び設定速度、あるいはタッチ操作位置、増加/減少方向、及び設定速度に従って、音楽再生中の音量を調整する調整量制御処理を実行する(ステップS32)。なお、該調整量制御処理の詳細については後述する。その後、ステップS30に戻り、音楽再生を継続する。
【0050】
一方、音楽再生中に、ユーザにより音量調整操作が行われない場合には(ステップS30のNO)、ユーザにより停止操作が行われたか否かを判断する(ステップS34)。そして、音楽再生中に、ユーザにより停止操作が行われた場合には(ステップS34のYES)、音楽再生を停止する停止処理を実行し(ステップS36)、ステップS10に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0051】
また、音楽再生中に、音量調整操作も、停止操作も行われなかった場合には(ステップS34のNO)、早送り、逆戻し、一時停止等のその他の操作が行われたか否かを判断し(ステップS38)、その他の操作が行われた場合には(ステップS38のYES)、行われた操作に応じた処理を実行し(ステップS40)、ステップS30に戻り、音楽再生を継続する。一方、その他の操作も行われなかった場合には(ステップS38のNO)、ステップS30に戻り、音楽再生を継続する。
【0052】
一方、動画再生でも、音楽再生でもなかった場合には(ステップS26のNO)、撮影の指示操作があったか否かを判断する(図13のステップS42)。そして、撮影の指示操作がなかった場合には(ステップS42のNO)、静止画再生、設定等のその他の操作が行われたか否かを判断し(ステップS44)、その他の操作が行われた場合には(ステップS44のYES)、行われた操作に応じた処理を実行し(ステップS46)、図12のステップS10に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、その他の操作も行われなかった場合には(ステップS44のNO)、何もせずにステップS10に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0053】
一方、撮影の指示操作があった場合には(ステップS42のYES)、撮像部4により取り込んだ撮影画像を表示パネル62に出力してライブビュー表示を行う(ステップS48)。ライブビュー表示中には、撮影開始を指示するレリーズ操作、終了操作、静止画再生、設定などの動作指示アイコンや、ズーム量調整用スライドバー20a、20b(図5(a)、(b)や図7(a)、(b)を参照)がタッチ表示部6に表示される。そして、ライブビュー表示中に、ズーム操作があったか否かを判断する(ステップS50)。
【0054】
ズーム操作とは、例えば、図5(a)に示す例では、表示パネル62上に表示されているズーム量調整スライドバー20a(図5(a)を参照)の第1アイコン24aが、ユーザによりタッチパネル61上で左右にスライド操作されることや、ユーザによりズーム量調整スライドバー20a上の設定したい位置がタッチ操作されることを意味する。そして、ライブビュー表示中に、ユーザによりズーム操作が行われた場合には(ステップS50のYES)、図3のズーム調整用設定速度テーブル72を参照し、スライド操作位置、スライド速度、スライド方向、及び設定速度、あるいはタッチ操作位置、増加/減少方向、及び設定速度に従って、ズーム量を調整する調整量制御処理を実行する(ステップS52)。なお、該調整量制御処理の詳細については後述する。その後、ステップS50に戻り、撮影動作を継続する。
【0055】
一方、ライブビュー表示中に、ユーザによりズーム操作が行われない場合には(ステップS50のNO)、ユーザによりレリーズ操作が行われたか否かを判断する(ステップS54)。そして、ライブビュー表示中に、ユーザによりレリーズ操作が行われた場合には(ステップS54のYES)、撮影部4によりシーン設定、露出調整などを行って撮影を行う(ステップS56)。その後、ステップS50に戻り、撮影処理を継続する。
【0056】
一方、ズーム操作も、レリーズ操作も行われなかった場合には(ステップS54のNO)、ユーザにより終了操作が行われたか否かを判断する(ステップS58)。そして、ライブビュー表示や、撮影中に、ユーザにより終了操作が行われた場合には(ステップS58のYES)、撮影を終了する終了処理を実行し(ステップS60)、図12のステップS10に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0057】
また、ライブビュー表示や、撮影中に、ズーム操作も、レリーズ操作も、終了操作も行われなかった場合には(ステップS58のNO)、シーン設定、露出調整等のその他の操作が行われたか否かを判断し(ステップS62)、その他の操作が行われた場合には(ステップS62のYES)、行われた操作に応じた処理を実行し(ステップS64)、ステップS50に戻り、撮影処理を継続する。一方、その他の操作も行われなかった場合には(ステップS62のNO)、何もせずにステップS50に戻り、撮影処理を継続する。
【0058】
次に、上述した調整量制御処理の動作について説明する。
図14、及び図15は、本実施形態による調整量制御処理の動作を説明するためのフローチャートである。調整量制御処理では、まず、ユーザにより音量調整スライドバー10a(10b)、またはズーム量調整スライドバー20a(20b)でスライド操作が行われたか否かを判断する(ステップS70)。そして、スライド操作が行われた場合には(ステップS70のYES)、スライド方向を取得し(ステップS72)、スライド速度を取得する(ステップS74)。次に、機能に応じて、音量調整用設定速度テーブル71、またはズーム量調整用設定速度テーブル72を参照し(ステップS76)、スライド方向、及びスライド速度に対応する設定速度(領域に応じて変化)を取得する(ステップS78)。
【0059】
次に、スライド速度が設定速度より大であるか否かを判断し(ステップS80)、図10(a)、図10(c)の領域a1、a2、a3の途中まで、図11(a)や図11(c)の領域a3、a2、a1の途中までに示すように、スライド速度が設定速度より大である場合には(ステップS80のYES)、スライド操作位置に第1アイコン14a(14b、24a、24b)を表示し(ステップS82)、設定速度で調整量(音量またはズーム量)を制御し、制御位置に第2アイコン15a(15b、25a、25b)を表示する(ステップS84)。次に、スライド操作が停止したか否かを判断し(ステップS86)、スライド操作が継続している場合には(ステップS86のNO)、ステップS82に戻り、調整量(音量またはズーム量)の制御と第1アイコン、第2アイコン表示とを逐次更新する。
【0060】
一方、スライド操作が停止した場合には(ステップS86のYES)、第1アイコン14a(14b、24a、24b)の位置と第2アイコン15a(15b、25a、25b)の位置とが一致したか否かを判断する(ステップS88)。そして、双方の位置が一致していない場合には(ステップS88のNO)、ステップS84に戻り、調整量(音量またはズーム量)の制御と第2アイコン表示とを逐次更新する。その後、第1アイコン14a(14b、24a、24b)の位置と第2アイコン15a(15b、25a、25b)の位置とが一致した場合には(ステップS88のYES)、図6(a)、(b)、図7(a)、(b)に示すように、アイコン表示を第3アイコン16a(16b、26a、26b)に変更したり、あるいは、図8(a)、(b)、図9(a)、(b)に示すように、スライダ表示を変更したりするなどし(ステップS90)、メインルーチンに戻る。
【0061】
一方、図10(b)、図10(c)の領域a3の途中から、図11(b)や図11(c)の領域a1の途中からに示すように、スライド速度が設定速度より大でない場合には(ステップS80のNO)、スライド速度で調整量(音量またはズーム量)を制御し、制御位置に第2アイコン15a(15b、25a、25b)を表示し(ステップS92)、スライド操作が停止したか否かを判断し(ステップS94)、スライド操作が継続している場合には(ステップS94のNO)、ステップS92に戻り、スライド速度での調整量(音量またはズーム量)の制御と第2アイコン表示とを逐次更新する。そして、スライド操作が停止した場合には(ステップS94のYES)、そのまま当該処理を終了し、メインルーチンに戻る。
【0062】
一方、ユーザにより音量調整スライドバー10a(10b)、またはズーム量調整スライドバー20a(20b)でスライド操作が行われていない場合には(ステップS70のNO)、タッチ操作が行われたか否かを判断する(ステップS96)。そして、タッチ操作も行われていない場合には(ステップS96のNO)、ステップS70に戻り、スライド操作、またはタッチ操作が行われるまで待機する。
【0063】
一方、ユーザによりタッチ操作が行われた場合には(ステップS96のYES)、タッチ位置を取得し(図15のステップS98)、該タッチ位置と現在の調整量(第2アイコン15a、15b:音量、第2アイコン25a、25b:ズーム量)との位置関係から増加/減少方向を判別する(ステップS100)。次に、機能に応じて、音量調整用設定速度テーブル71、またはズーム量調整用設定速度テーブル72を参照し(ステップS102)、増加/減少方向、及びタッチ位置に対応する設定速度を取得する(ステップS104)。
【0064】
次に、タッチ位置に第1アイコン14a(14b、24a、24b)を表示し(ステップS106)、設定速度で調整量(音量またはズーム量)を制御し、制御位置に第2アイコン15a(15b、25a、25b)を表示する(ステップS108)。次に、第1アイコン14a(14b、24a、24b)の位置と第2アイコン15a(15b、25a、25b)の位置とが一致したか否かを判断する(ステップS110)。そして、双方の位置が一致していない場合には(ステップS110のNO)、ステップS108に戻り、調整量(音量またはズーム量)の制御と第2アイコン表示とを逐次更新する。
【0065】
その後、第1アイコン14a(14b、24a、24b)の位置と第2アイコン15a(15b、25a、25b)の位置とが一致すると(ステップS110のYES)、前述した図14のステップS90に進み、図6(a)、(b)、図7(a)、(b)に示すように、アイコン表示を第3アイコン16a(16b、26a、26b)に変更したり、あるいは、図8(a)、(b)、図9(a)、(b)に示すように、スライダ表示を変更するなどし、その後、メインルーチンに戻る。
【0066】
なお、上述した実施形態においては、タッチパネル61へのタッチ(スライト操作、タッチ操作)で制御量の変更を指示したが、これに限らず、マウス等で指示するようにしてもよい。
【0067】
また、音量や、ズーム量以外の調整量として、水量、風量、温度、レンズ移動量等に適用可能である。
【0068】
上述した実施形態によれば、当該電子機器1の備える機能の調整量を調整するためのスライダを表示パネル62に表示し、スライダに対してタッチパネル61で行われたユーザによるスライド操作に応じた調整位置をスライダに対応させて表示し、ユーザによるスライド操作の速度が予め設定されている設定速度より速いか否かを判別し、ユーザによるスライド操作の速度が設定速度より速いと判別された場合には、ユーザによるスライド操作の速度より遅くなるように調整量を制御し、制御される調整量の位置をスライダに対応させて表示するようにしたので、ユーザにより急激な調整量の調整が行われても、ユーザによるスライド操作の速度より遅くなるように調整量の変化が制限されるのでユーザに与える不快感や、悪影響を回避することができる。
【0069】
また、上述した実施形態によれば、ユーザによるスライド操作の速度が設定速度より速いと判別された場合には、設定速度に基づいて調整量を制御する一方、ユーザによるスライド操作の速度が設定速度以下と判別された場合には、ユーザによるスライド速度に基づいて調整量を制御するようにしたので、ユーザにより急激な調整量の調整が行われても、設定速度で調整量の変化が制限されるのでユーザに与える不快感や、悪影響を回避しつつ、ユーザが所望する調整量と現在の調整量とが同時に把握できるので、より少ないストレスで調整することができる。
【0070】
また、上述した実施形態によれば、ユーザによるスライド速度が設定速度以下と判別された場合に、表示されている調整位置まで調整量を変化させた後に停止させるようにしたので、ユーザが所望する調整量に確実に調整することができる。
【0071】
また、上述した実施形態によれば、調整量の調整範囲を分割した複数の領域の各々に設定速度を設定し、ユーザによるスライド速度が、前記スライド操作に対応する領域に対する設定速度より速いか否かを判別するようにしたので、例えば音量調整の場合に音量変化速度が速くても不快感や悪影響の低い小音量領域では、設定速度を高速とし、音量変化速度が速いと不快感や悪影響が高い大音量領域では、設定速度を低速とすることで、不快感や悪影響を回避しつつ、より少ないストレスで調整することができる。
【0072】
また、上述した実施形態によれば、ユーザによる操作が調整位置への位置指定操作であった場合に、位置指定操作に応じた調整位置をスライダに対応させて表示し、ユーザによる操作が調整位置への位置指定操作であった場合に、位置指定操作の速度が設定速度より速いと判別し、設定速度に基づいて、表示されている調整位置まで調整量を変化させた後に停止させるようにしたので、スライド操作を省略し、位置指定操作で直接調整したい調整位置を指定した場合でも、不快感や悪影響を回避しつつ、より少ないストレスで調整することができる。
【0073】
また、上述した実施形態によれば、ユーザ操作に応じた調整位置と実際の調整位置とが一致する場合、各調整位置の表示形態を変化させるようにしたので、一目で一定調整量であるのか、調整量が変化中であるのかを識別することができる。
【0074】
また、上述した実施形態によれば、ユーザ操作に応じた調整位置と実際の調整位置とが一致する場合、各調整位置の表示方法を変化させるようにしたことで、表示されているスライダの表示形態を変化させるようにしたので、一目で一定調整量であるのか、調整量が変化中であるのかを識別することができる。
【0075】
また、上述した実施形態によれば、予め設定されている調整量の変化速度をユーザにより設定可能としたので、ユーザの好みに合ったより少ないストレスで調整することができる。
【0076】
また、上述した実施形態によれば、設定速度を、調整量が増加方向の場合と減少方向の場合とで異なるように設定可能とするようにしたので、より自然な調整量で調整することができる。
【0077】
また、上述した実施形態によれば、音声を出力する際の音量を調整するようにしたので、不快感や、悪影響を回避しつつ、より自然な調整量で音量を調整することができる。
【0078】
また、上述した実施形態によれば、撮影時のズーム量を調整するようにしたことで、不快感や、悪影響を回避しつつ、より自然な調整量でズーム量を調整することができる。
【0079】
また、上述した実施形態によれば、位置指定をタッチパネルで行うようにしたことで、広く利用されているタッチパネル搭載装置で、不快感や、悪影響を回避しつつ、より自然な調整量でズーム量を調整することができる。
【0080】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0081】
(付記1)
付記1に記載の発明は、表示部と該表示部上における位置を指定する位置指定手段とを備える電子機器であって、当該電子機器の備える機能の調整量を調整するためのスライダを前記表示部に表示するスライダ表示手段と、前記スライダ表示手段により表示された前記スライダに対して前記位置指定手段で行われたユーザによるスライド操作の指定位置に対応する調整位置を前記スライダに対応させて表示する調整位置表示手段と、前記ユーザによるスライド操作の速度が予め設定されている調整量の変化速度より速いか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別された場合には、該ユーザによるスライド操作の速度より遅くなるように調整量を制御する制御手段と、前記制御手段により制御される調整量の位置を前記スライダに対応させて表示する制御位置表示手段とを備えることを特徴とする電子機器である。
【0082】
(付記2)
付記2に記載の発明は、前記制御手段は、前記判別手段により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別された場合には、該予め設定されている調整量の変化速度に基づいて調整量を制御する一方、該ユーザによるスライド操作の速度が該予め設定されている調整量の変化速度以下と判別された場合には、該ユーザによるスライド操作の速度に基づいて調整量を制御することを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
【0083】
(付記3)
付記3に記載の発明は、前記制御手段は、前記判別手段により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度以下と判別された場合に、ユーザによるスライド操作の速度に対応する速度で、調整量を制御前記調整位置表示手段により表示されている調整位置まで前記調整量を変化させた後に停止させることを特徴とする付記2に記載の電子機器である。
【0084】
(付記4)
付記4に記載の発明は、前記予め設定されている調整量の変化速度は、調整量の調整範囲を分割した複数の領域の各々に設定可能であり、前記判別手段は、前記ユーザによるスライド操作の速度が、前記スライド操作に対応する領域に対して設定されている調整量の変化速度より速いか否かを判別することを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載の電子機器である。
【0085】
(付記5)
付記5に記載の発明は、前記調整位置表示手段は、前記ユーザによる操作が調整位置への位置指定操作であった場合に、前記位置指定操作によるユーザの指定位置に対応する調整位置を前記スライダに対応させて表示し、前記判別手段は、前記ユーザによる操作が調整位置への位置指定操作であった場合に、前記位置指定操作の速度が予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別し、前記制御手段は、前記判別手段の判別結果に応じて、予め設定されている調整量の変化速度に対応する速度で、前記調整位置表示手段により表示されている調整位置まで前記調整量を変化させた後に停止させることを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
【0086】
(付記6)
付記6に記載の発明は、前記調整位置表示手段により表示されている調整位置と前記制御位置表示手段により表示されている調整位置とが一致するか否かを判別する一致判別手段と、前記一致判別手段により一致していると判別された場合、前記調整位置表示手段により表示されている調整位置と前記制御位置表示手段により表示されている調整位置との表示形態を変更する表示形態変更手段とを更に備えることを特徴とする付記3乃至5のいずれか一項に記載の電子機器である。
【0087】
(付記7)
付記7に記載の発明は、前記調整位置表示手段により表示されている調整位置と前記制御位置表示手段により表示されている調整位置とが一致するか否かを判別する一致判別手段と、前記一致判別手段により一致していると判別された場合、前記スライダ表示手段により表示されているスライダの表示形態を変更するスライダ表示形態変更手段とを更に備えることを特徴とする付記3乃至5のいずれか一項に記載の電子機器である。
【0088】
(付記8)
付記8に記載の発明は、前記予め設定されている調整量の変化速度は、ユーザにより設定可能であることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の電子機器である。
【0089】
(付記9)
付記9に記載の発明は、前記予め設定されている調整量の変化速度は、調整量が増加方向の場合と減少方向の場合とで異なるように設定されることを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項に記載の電子機器である。
【0090】
(付記10)
付記10に記載の発明は、前記機能は、音声を出力する機能であって、前記調整量は、前記出力される音声の音量であることを特徴とする付記1乃至9のいずれか一項に記載の電子機器である。
【0091】
(付記11)
付記11に記載の発明は、前記機能は、撮影機能であって、前記調整量は、前記撮影機能におけるズーム調整量であることを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載の電子機器である。
【0092】
(付記12)
付記12に記載の発明は、前記位置指定手段は、タッチパネルであることを特等とする付記1乃至9のいずれか一項に記載の電子機器である。
【0093】
(付記13)
付記13に記載の発明は、表示部と該表示部上における位置を指定する位置指定手段とを備える電子機器のコンピュータに、当該電子機器の備える機能の調整量を調整するためのスライダを前記表示部に表示するスライダ表示機能、前記スライダ表示機能により表示された前記スライダに対して前記位置指定機能で行われたユーザによるスライド操作の指定位置に対応する調整位置を前記スライダに対応させて表示する調整位置表示機能、前記ユーザによるスライド操作の速度が予め設定されている調整量の変化速度より速いか否かを判別する判別機能、前記判別機能により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別された場合には、該ユーザによるスライド操作の速度より遅くなるように調整量を制御する制御機能、前記制御機能により制御される調整量の位置を前記スライダに対応させて表示する制御位置表示機能を実行させることを特徴とするプログラムである。
【符号の説明】
【0094】
1 電子機器
2 制御部
3 操作部
4 撮像部
5 電源部
6 タッチ表示部
61 タッチパネル
62 表示パネル
7 記憶部
71 音量調整用設定速度テーブル
72 ズーム量調整用設定速度テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と該表示部上における位置を指定する位置指定手段とを備える電子機器であって、
当該電子機器の備える機能の調整量を調整するためのスライダを前記表示部に表示するスライダ表示手段と、
前記スライダ表示手段により表示された前記スライダに対して前記位置指定手段で行われたユーザによるスライド操作の指定位置に対応する調整位置を前記スライダに対応させて表示する調整位置表示手段と、
前記ユーザによるスライド操作の速度が予め設定されている調整量の変化速度より速いか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別された場合には、該ユーザによるスライド操作の速度より遅くなるように調整量を制御する制御手段と、
前記制御手段により制御される調整量の位置を前記スライダに対応させて表示する制御位置表示手段と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記判別手段により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別された場合には、該予め設定されている調整量の変化速度に基づいて調整量を制御する一方、該ユーザによるスライド操作の速度が該予め設定されている調整量の変化速度以下と判別された場合には、該ユーザによるスライド操作の速度に基づいて調整量を制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判別手段により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度以下と判別された場合に、ユーザによるスライド操作の速度に対応する速度で、調整量を制御前記調整位置表示手段により表示されている調整位置まで前記調整量を変化させた後に停止させることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記予め設定されている調整量の変化速度は、調整量の調整範囲を分割した複数の領域の各々に設定可能であり、
前記判別手段は、前記ユーザによるスライド操作の速度が、前記スライド操作に対応する領域に対して設定されている調整量の変化速度より速いか否かを判別することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記調整位置表示手段は、前記ユーザによる操作が調整位置への位置指定操作であった場合に、前記位置指定操作によるユーザの指定位置に対応する調整位置を前記スライダに対応させて表示し、
前記判別手段は、前記ユーザによる操作が調整位置への位置指定操作であった場合に、前記位置指定操作の速度が予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別し、
前記制御手段は、前記判別手段の判別結果に応じて、予め設定されている調整量の変化速度に対応する速度で、前記調整位置表示手段により表示されている調整位置まで前記調整量を変化させた後に停止させることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記調整位置表示手段により表示されている調整位置と前記制御位置表示手段により表示されている調整位置とが一致するか否かを判別する一致判別手段と、
前記一致判別手段により一致していると判別された場合、前記調整位置表示手段により表示されている調整位置と前記制御位置表示手段により表示されている調整位置との表示形態を変更する表示形態変更手段と
を更に備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記調整位置表示手段により表示されている調整位置と前記制御位置表示手段により表示されている調整位置とが一致するか否かを判別する一致判別手段と、
前記一致判別手段により一致していると判別された場合、前記スライダ表示手段により表示されているスライダの表示形態を変更するスライダ表示形態変更手段と
を更に備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記予め設定されている調整量の変化速度は、ユーザにより設定可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記予め設定されている調整量の変化速度は、調整量が増加方向の場合と減少方向の場合とで異なるように設定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記機能は、音声を出力する機能であって、
前記調整量は、前記出力される音声の音量であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記機能は、撮影機能であって、
前記調整量は、前記撮影機能におけるズーム調整量であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子機器。
【請求項12】
前記位置指定手段は、タッチパネルであることを特等とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項13】
表示部と該表示部上における位置を指定する位置指定手段とを備える電子機器のコンピュータに、
当該電子機器の備える機能の調整量を調整するためのスライダを前記表示部に表示するスライダ表示機能、
前記スライダ表示機能により表示された前記スライダに対して前記位置指定機能で行われたユーザによるスライド操作の指定位置に対応する調整位置を前記スライダに対応させて表示する調整位置表示機能、
前記ユーザによるスライド操作の速度が予め設定されている調整量の変化速度より速いか否かを判別する判別機能、
前記判別機能により前記ユーザによるスライド操作の速度が前記予め設定されている調整量の変化速度より速いと判別された場合には、該ユーザによるスライド操作の速度より遅くなるように調整量を制御する制御機能、
前記制御機能により制御される調整量の位置を前記スライダに対応させて表示する制御位置表示機能
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−37556(P2013−37556A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173629(P2011−173629)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】