説明

電子機器用ハンドルおよび電子機器

【課題】電子機器本体の背面側に接続したケーブルやコネクタを損傷させることなく電子機器本体を任意の傾斜角度に傾斜させて載置し得る電子機器用ハンドルを提供する。
【解決手段】電子機器本体に取り付けられる電子機器用ハンドルであって、電子機器本体における互いに対向する一対の側面に各々の一端部31a側が回動可能に取り付けられる一対のアーム31と、各アーム31における各々の他端部31bにその両端部32aが取り付けられた取手部32と、各アーム31における各々の他端部31bにその基端部33aがそれぞれ取り付けられると共にその先端部33bが基端部33aよりも各アーム31における各々の一端部31aからそれぞれ離間する向きに突出する一対の突起部33とを備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器本体に取り付けられる電子機器用ハンドル、およびその電子機器用ハンドルを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の電子機器として、特許3561181号公報に開示された電子機器(小型携帯オシロスコープ)が知られている。この電子機器は、直方体状のハウジング(機器用ハウジング)、およびハンドル(可動ベイル・ハンドル)を備えている。この場合、ハウジングの正面パネルには、表示スクリーン、およびインタフェース・コネクタが配設されている。また、ハウジングの側面パネルには、ハンドルを支持するボス(中央ピボット・ボス)が配設されている。ハンドルは、横材および一対のアームを備えて構成されている。この場合、各アームの先端部には、ピボット機構が取り付けられており、このピボット機構がハウジングの各ボスに接続されている。この電子機器では、複数の異なる位置にハンドルを位置させる(回動させる)ことが可能となっている。具体的には、電子機器を運搬する際には、ハンドルの横材を上面パネル側に位置させる。また、正面パネル(表示スクリーン)を載置面(水平面)に対して傾斜させるときには、ハンドルの横材を背面パネル側に位置させて、ハウジングを後方に傾けた状態で横材(横材に配設されたグリップ)とハウジングの背面縁とで電子機器を支える。このように、この電子機器では、ハンドルがハウジングに対して回動可能に構成されているため、正面パネル(表示スクリーン)を載置面に対して傾斜させた状態(正面パネルを斜め上向きにした状態)で載置面に載置することが可能となっている。
【特許文献1】特許3561181号公報(第3−4頁、第1−6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の電子機器には、以下の問題点がある。すなわち、この電子機器では、ハンドルの横材をハウジングの背面パネル側に位置させて、横材とハウジングの背面縁とで電子機器を支えることで、ハウジングを後方に傾けた状態で載置面に載置することを可能としている。一方、この種の電子機器では、電源ケーブル接続用のコネクタやデータケーブル接続用のコネクタがハウジングの背面パネルに配設されていることがある。この場合、ハウジングがこのように構成されているときには、背面パネルのコネクタに接続した各ケーブルのコネクタが背面パネルから突出する。このため、この電子機器では、上記のようにハウジングを後方に傾けた状態で載置面に載置しようとしたときに、背面パネルから突出したコネクタが載置面に接触して押圧されて破損したり、ケーブルがコネクタと載置面との間で強制的に曲げられて断線したりするおそれがある。この場合、アームを十分に長く形成することで、このような事態の発生を防止することも可能であるが、アームが長すぎたときには、ハウジングの揺れ等によって持ち運び難くなったり、持ち運びの際にハウジングと床等とが衝突し易くなったりするという不都合が生じるおそれがある。
【0004】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、電子機器本体の背面側に接続したケーブルやコネクタを損傷させることなく電子機器本体を任意の傾斜角度に傾斜させて載置し得る電子機器用ハンドルおよび電子機器を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく請求項1記載の電子機器用ハンドルは、電子機器本体に取り付けられる電子機器用ハンドルであって、前記電子機器本体における互いに対向する一対の側面に各々の一端部側が回動可能に取り付けられる一対のアームと、当該各アームにおける各々の他端部にその両端部が取り付けられた取手部と、前記各アームにおける各々の前記他端部にその基端部がそれぞれ取り付けられると共にその先端部が当該基端部よりも当該各アームにおける各々の前記一端部からそれぞれ離間する向きに突出する一対の突起部とを備えて構成されている。
【0006】
また、請求項2記載の電子機器用ハンドルは、請求項1記載の電子機器用ハンドルにおいて、前記突起部は、前記アームから突出する突出長を変更可能に構成されている。
【0007】
また、請求項3記載の電子機器用ハンドルは、請求項1または2記載の電子機器用ハンドルにおいて、前記突起部は、前記アームの長さ方向に対して傾斜している。
【0008】
さらに、請求項4記載の電子機器用ハンドルは、請求項3記載の電子機器用ハンドルにおいて、前記突起部は、前記アームの前記長さ方向に対する傾斜角度を変更可能に構成されている。
【0009】
また、請求項5記載の電子機器は、請求項1から4のいずれかに記載の電子機器用ハンドルと、当該電子機器用ハンドルが取り付けられた電子機器本体とを備え、前記電子機器用ハンドルの前記突起部と前記電子機器本体の所定部位とを載置面に当接させた状態で当該載置面に載置することによって当該載置面に対して当該電子機器本体を傾斜可能に構成されている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の電子機器用ハンドルでは、各アームの他端部にその基端部が取り付けられると共にその先端部が基端部よりもアームの一端部から離間する向きに突出する一対の突起部を備えている。このため、この電子機器用ハンドルによれば、アームの長さが短く規定されていたとしても、突起部を備えていない構成と比較して、例えば、アームの他端部を電子機器本体の背面側に位置させて突起部と電子機器本体の所定部位(背面および底面の角部)とを載置面に当接させた状態で載置したときの電子機器本体の背面と載置面との間をより広く(長く)離間させることができる。したがって、この電子機器用ハンドルによれば、電子機器本体の背面側に接続したケーブルのコネクタが背面から突出していたとしても、コネクタが載置面に接触して押圧されて破損したり、ケーブルがコネクタ(電子機器本体の背面)と載置面との間で強制的に曲げられて断線したりする事態を確実に防止しつつ電子機器本体を任意の傾斜角度で傾斜させた状態で載置することができる。
【0011】
また、請求項2記載の電子機器用ハンドルでは、アームから突出する突出長を変更可能に突起部が構成されている。このため、この電子機器用ハンドルによれば、突起部の突出長を変更することで、例えば、アームの他端部を電子機器本体の背面側に位置させて突起部と電子機器本体の所定部位(背面および底面の角部)とを載置面に当接させた状態で載置したときの電子機器本体の背面と載置面との間の広さ(長さ)を任意に変更することができる。
【0012】
また、請求項3記載の電子機器用ハンドルでは、突起部がアームの長さ方向に対して傾斜している。この場合、例えば下向きに傾斜させることで、この電子機器用ハンドルによれば、突起部がアームの長さ方向に対して傾斜していない(突起部がアームの長さ方向と同方向に突出している)構成と比較して、例えば、アームの他端部を電子機器本体の背面側に位置させて突起部と電子機器本体の所定部位(背面および底面の角部)とを載置面に当接させた状態で載置したときの背面と載置面との間をより広く(長く)離間させることができる。
【0013】
さらに、請求項4記載の電子機器用ハンドルでは、アームの長さ方向に対する傾斜角度を変更可能に突起部が構成されている。このため、この電子機器用ハンドルによれば、アームの長さ方向に対する突起部の傾斜角度を変更することで、例えば、アームの他端部を電子機器本体の背面側に位置させて突起部と電子機器本体の所定部位(背面および底面の角部)とを載置面に当接させた状態で載置したときの電子機器本体の背面と載置面との間の広さ(長さ)を任意に変更することができる。
【0014】
また、請求項5記載の電子機器によれば、上記の電子機器用ハンドルを電子機器本体に取り付けたことにより、上記の電子機器用ハンドルが有する各効果を実現することができると共に、電子機器用ハンドルの突起部と電子機器本体の所定部位とを載置面に当接させた状態でその載置面に載置することで、電子機器本体(例えば、電子機器本体に配設されている表示部)を載置面に対して任意の傾斜角度に傾斜させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る電子機器用ハンドルおよび電子機器の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0016】
最初に、測定装置1の構成について説明する。図1に示す測定装置1は、本発明に係る電子機器の一例であって、電子機器本体2およびハンドル3を備えて所定の電気的検査を実行可能に構成されている。電子機器本体2は、図1〜図3に示すように、前面パネル11、背面パネル12、側面パネル13a,13b(以下、区別しないときには「側面パネル13」ともいう)、底面パネル14および天面パネル15を備えて、全体として略直方体状に構成されている。
【0017】
この場合、図1に示すように、電子機器本体2の前面パネル11には、表示部21および操作部22が配設されている。また、図2に示すように、電子機器本体2の背面パネル12には、データケーブル101のコネクタ101aを接続するためのコネクタ23a、電源ケーブル102のコネクタ102aを接続するためのコネクタ23b、および高周波同軸ケーブルのコネクタ(図示せず)を接続するためのコネクタ23cが配設されている。さらに、図1〜図3に示すように、電子機器本体2の側面パネル13a,13bには、ハンドル3を回動可能に取り付けるための接続部24がそれぞれ配設されている。また、図3に示すように、側面パネル13aには、上記したデータケーブル101とは異なる図外のデータケーブル(例えば、LANケーブルやUSBケーブル)を接続するための各種のコネクタ23d〜23g(以下、上記したコネクタ23a〜23cおよびコネクタ23d〜23gを区別しないときには「コネクタ23」ともいう)が配設されている。また、図2,3に示すように、電子機器本体2における背面パネル12と底面パネル14との角部には、脚部25(本発明における「電子機器本体の所定部位」に相当する)が配設されている。この場合、脚部25は、載置面(図7に示す載置台111の載置面111aや、図9に示す床112の載置面(床面)112a)に測定装置1が載置されたときの滑り止めとして機能する。このため、脚部25の構成としては、芯材の表面に摩擦抵抗の大きな材料(一例として、エラストマーやゴム)をコーティングした構成や、全体を摩擦抵抗の大きな材料で形成した構成を採用するのが好ましい。
【0018】
ハンドル3は、本発明に係る電子機器用ハンドルの一例であって、図4に示すように、2本のアーム31,31、取手部32および2つの突起部33,33を備えて構成されている。アーム31は、同図に示すように、棒状に形成されて、その一端部31a側が電子機器本体2の側面パネル13に回動可能に取り付けられる。具体的には、アーム31の一端部31aには、被接続部41が配設されており、図1〜図3に示すように、この被接続部41が電子機器本体2の側面パネル13に配設されている接続部24に接続される。
【0019】
ここで、接続部24および被接続部41は、接続状態においてピボット機構を構成し、アーム31の回動方向に所定値以上の力が加わったとき(つまり、被接続部41に所定値以上のトルクが加わったとき)にアーム31の回動を許容し、アーム31の回動方向に加わる力が所定値よりも小さいときには、アーム31の非回動状態を維持する。この場合、アーム31の回動を許容する所定値は、電子機器本体2の脚部25およびハンドル3の突起部33を載置面111a,112aに当接させて測定装置1を載置したときに(図7,9参照)、アーム31に加わる力よりも大きな値に規定されている。この構成により、この測定装置1では、アーム31(実際には取手部32)に所定値以上の力を加えることでハンドル3を回動させ、ハンドル3の突起部33および電子機器本体2の脚部25を載置面111a,112aに当接させて測定装置1を載置したときには電子機器本体2をその姿勢に維持させることが可能となっている。
【0020】
取手部32は、図4に示すように、棒状に形成されて、その両端部32a,32aが各アーム31の各他端部31bそれぞれ取り付けられている。この場合、取手部32の取付け位置、つまりアーム31の長さは、被接続部41(接続部24)を中心としてハンドル3を回動させたときに、取手部32が電子機器本体2に接触しない程度に極力短くなるように規定されている。
【0021】
突起部33は、図4に示すように、先端部33bが基端部33aよりもアーム31の一端部31aから離間する向きに突出するようにして、基端部33aがアーム31の他端部31b(取手部32の端部32a)に取り付けられている。また、突起部33は、図8に示すように、電子機器本体2の底面パネル14を水平またはほぼ水平な状態で下側に位置させた状態において、アーム31の他端部31bを電子機器本体2の背面パネル12側に位置させたときにアーム31の長さ方向に対して下向きに傾斜するように構成されている。この場合、突起部33の長さ(突出長)は、一例として、アーム31の長さの1/3程度の長さに規定されている。また、突起部33は、上記した脚部25と同様にして、載置面111a,112aに測定装置1が載置されたときの滑り止めとしても機能する。このため、突起部33の構成としては、芯材の表面に摩擦抵抗の大きな材料をコーティングした構成や、全体を摩擦抵抗の大きな材料で形成した構成を採用するのが好ましい。
【0022】
次に、測定装置1の使用方法について、図面を参照して説明する。
【0023】
この測定装置1を測定現場に持ち運ぶときには、ハンドル3(アーム31)を回動させて、例えば、図1〜図3に示すように、アーム31の他端部31bを電子機器本体2の天面パネル15の上方に位置させた状態、または図5に示すように、アーム31の他端部31bを電子機器本体2の前面パネル11の前方(同図では上方)に位置させた状態で、取手部32を掴んで測定装置1を吊り下げる。この測定装置1では、上記したように、ハンドル3の回動時に取手部32が電子機器本体2に接触しない程度に極力短くなるようにアーム31の長さが規定されている。このため、この測定装置1では、アームが長すぎることに起因して生じる不都合、つまり持ち運びの際の測定装置1の揺れや、持ち運びの際の測定装置1と床との衝突等を解消することが可能となっている。また、この測定装置1では、アーム31の他端部31bに突起部33が取り付けられてハンドル3が構成されているため、例えば、図6に示すように、電流測定に用いるクランプ式のセンサ103を、ハンドル3の取手部32にクランプさせて測定装置1と共に持ち運ぶときの、取手部32からアーム31の一端部31a側へのセンサ103の落下によるセンサ103と電子機器本体2との衝突を確実に防止することが可能となっている。このため、この測定装置1では、このような使用形態における電子機器本体2との衝突によるセンサ103の破損を確実に防止することが可能となっている。加えて、取手部32にセンサ103をクランプさせて測定装置1と共に持ち運ぶときに、取手部32からアーム31の一端部31a側へのセンサ103の落下が突起部33によって防止されるため、測定装置1の重心が偏らない結果、測定装置1およびセンサ103をバランス良く持ち運ぶことができる。
【0024】
次いで、例えば、図7に示す載置台111の載置面111aに測定装置1を載置して測定作業を行うときには、同図に示すように、ハンドル3(アーム31)を回動させて、アーム31の他端部31bを前面パネル11と底面パネル14との角部の近傍に位置させる。続いて、同図に示すように、ハンドル3の突起部33および電子機器本体2の脚部25を載置面111aに当接させるようにして、測定装置1を載置面111aに載置する。この場合、この測定装置1では、上記したように、載置したときの電子機器本体2の姿勢がそのままの状態に維持されるため、アーム31の他端部31bの位置(ハンドル3の回動量)を調節することで、電子機器本体2の前面パネル11に配設されている表示部21を載置面111aに対して任意の角度で傾斜させた状態に維持させることができる。また、突起部33および脚部25が摩擦係数の大きな材料で形成されているため、載置面111aに対する測定装置1の滑り(移動)が防止される。
【0025】
一方、例えば、立った姿勢で測定作業を行うときには、図7に示すように測定装置1を載置台111の載置面111aに載置したときよりも、表示部21をさらに上向きして(水平に近づく向きにして)表示部21の視認性を向上させるのが好ましい。このようなときには、図8に示すように、ハンドル3(アーム31)を回動させて、アーム31の他端部31bを背面パネル12側(本発明における「電子機器本体の背面側」の一例であって、具体的には、背面パネル12における天面パネル15寄りの部位)に位置させる。次いで、図9に示すように、ハンドル3の突起部33および電子機器本体2の脚部25を床112の載置面(床面)112aに当接させるようにして電子機器本体2を傾斜させて、測定装置1を載置面112aに載置する。これにより、測定装置1を載置台111の載置面111aに載置したときよりも、表示部21が上向きの状態となる。この場合においても、測定装置1を載置面111aに載置したときと同様にして、アーム31の他端部31bの位置(ハンドル3の回動量)を調節することで、載置面112aに対する表示部21の傾斜角度を任意に変更して、電子機器本体2の姿勢をその状態に維持させることができる。
【0026】
また、この測定装置1では、図9に示すように、ハンドル3におけるアーム31の他端部31bに突起部33が取り付けられているため、上記したようにアーム31の長さが短く規定されていたとしても、突起部33を備えていない構成と比較して、突起部33の分だけ背面パネル12と載置面112aとの間を広く(長く)離間させることが可能となっている。したがって、この測定装置1では、背面パネル12に配設されているコネクタ23に接続されているデータケーブル101や電源ケーブル102のコネクタ101a,102aが背面パネル12から突出していたとしても、これらのコネクタ101a,102aが載置面112aに接触して押圧されて破損したり、ケーブル101,102がコネクタ101a,102aと載置面112aとの間で強制的に曲げられて断線したりする事態が確実に防止されている。また、この測定装置1では、同図に示すように、突起部33がアーム31の長さ方向に対して下向きに傾斜しているため、突起部33がアーム31の長さ方向に対して傾斜していない(突起部33がアーム31の長さ方向と同方向に突出している)構成と比較して、背面パネル12と載置面112aとの間をより広く離間させることが可能となっている。
【0027】
このように、このハンドル3および測定装置1では、各アーム31の他端部31bにその基端部33aが取り付けられると共にその先端部33bが基端部33aよりもアーム31の一端部31aから離間する向きに突出する一対の突起部33を備えてハンドル3が構成されている。このため、このハンドル3および測定装置1によれば、アーム31の長さが短く形成されていたとしても、突起部33を備えていない構成と比較して、電子機器本体2を傾斜させたときの背面パネル12と載置面112aとの間を突起部33の分だけ広く(長く)離間させることができる。したがって、このハンドル3および測定装置1によれば、データケーブル101や電源ケーブル102のコネクタ101a,102aが背面パネル12から突出していたとしても、これらのコネクタ101a,102aが載置面112aに接触して押圧されて破損したり、各ケーブル101,102がコネクタ101a,102aと載置面112aとの間で強制的に曲げられて断線したりする事態を確実に防止しつつ電子機器本体2を任意の角度で傾斜させた状態で載置することができる。
【0028】
また、このハンドル3および測定装置1では、突起部33がアーム31の長さ方向に対して一例として下向きに傾斜している。このため、このハンドル3および測定装置1によれば、突起部33がアーム31の長さ方向に対して傾斜していない(突起部33がアーム31の長さ方向と同方向に突出している)構成と比較して、背面パネル12と載置面112aとの間をより広く(長く)離間させることができる。
【0029】
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上記したハンドル3に代えて、図10に示すハンドル203を採用することもできる。このハンドル203は、同図に示すように、他端部231bに係合凸部241が形成されたアーム231を上記したアーム31に代えて備えると共に、係合凸部241に係合する係合孔242が基端部233aに形成された突起部233を上記した突起部33に代えて備えている。このハンドル203では、係合凸部241と係合孔242とを係合させた状態で突起部233をアーム231の長さ方向(他端部231b側に向けて)に沿ってスライドさせることにより、アーム231の他端部231bから突出する突起部233の先端部233b側の突出長を変更することが可能となっている。この構成においても、上記のハンドル3と同様の効果を実現することができる。また、この構成によれば、突起部233の先端部233b側の突出長を変更することで、背面パネル12と載置面112aとの間の広さ(長さ)を任意に変更することができる。
【0030】
また、上記したハンドル3に代えて、図11に示すハンドル303を採用することもできる。このハンドル303は、同図に示すように、他端部331bに軸341が配設されたアーム331を上記したアーム31に代えて備えると共に、アーム331の軸341を中心としてその基端部333aが回動可能に取り付けられた突起部333を上記した突起部33に代えて備えている。このハンドル303では、軸341を中心として突起部333を回動させることにより、突起部333をアーム331の内側に位置させる(収納する)ことができると共に(同図における左上図参照)、突起部333の先端部333b側をアーム331から突出させた状態でアーム331の長さ方向に対する突起部333の傾斜角度を任意に変更し(同図における右上図および下図参照)、かつこれらの各状態(アーム331に対して突起部333を傾斜させた状態)を維持することが可能となっている。この構成においても、上記のハンドル3と同様の効果を実現することができる。また、この構成によれば、アーム331の長さ方向に対する突起部333の傾斜角度を変更することで、背面パネル12と載置面112aとの間の広さ(長さ)を任意に変更することができる。
【0031】
また、電子機器本体2の側面パネル13に配設した接続部24とアーム31の一端部31aに配設した被接続部41とで構成されるピボット機構によってアーム31の一端部31aを電子機器本体2の側面パネル13に回動可能に取り付けた構成例について上記したが、アーム31の一端部31aを側面パネル13に取り付ける構成はこれに限定されない。具体的には、アーム31の一端部31aと電子機器本体2の側面パネル13とを回動可能に連結すると共に、ロックボタン等の操作に応じてアーム31の回動の許容および禁止を行うロック機構を備えた構成を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】前面パネル11側から見た測定装置1の構成を示す斜視図である。
【図2】背面パネル12側から見た測定装置1の構成を示す斜視図である。
【図3】測定装置1の側面図である。
【図4】ハンドル3の斜視図である。
【図5】アーム31の他端部31bを前面パネル11の上方に位置させた状態の測定装置1の側面図である。
【図6】ハンドル3の取手部32にセンサ103をクランプさせた状態の測定装置1の斜視図である。
【図7】載置台111に載置した状態の測定装置1の側面図である。
【図8】アーム31の他端部31bを背面パネル12側に位置させた状態の測定装置1の側面図である。
【図9】床112に載置した状態の測定装置1の側面図である。
【図10】ハンドル203の構成を示す構成図である。
【図11】ハンドル303の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0033】
1 測定装置
2 電子機器本体
3,203,303 ハンドル
11 前面パネル
12 背面パネル
13a,13b 側面パネル
14 底面パネル
21 表示部
24 接続部
31,231,331 アーム
31a 一端部
31b,231b,331b 他端部
32 取手部
32a 端部
33,233,333 突起部
33a,233a,333a 基端部
33b,233b,333b 先端部
41 被接続部
241 係合凸部
242 係合孔
341 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体に取り付けられる電子機器用ハンドルであって、
前記電子機器本体における互いに対向する一対の側面に各々の一端部側が回動可能に取り付けられる一対のアームと、当該各アームにおける各々の他端部にその両端部が取り付けられた取手部と、前記各アームにおける各々の前記他端部にその基端部がそれぞれ取り付けられると共にその先端部が当該基端部よりも当該各アームにおける各々の前記一端部からそれぞれ離間する向きに突出する一対の突起部とを備えて構成されている電子機器用ハンドル。
【請求項2】
前記突起部は、前記アームから突出する突出長を変更可能に構成されている請求項1記載の電子機器用ハンドル。
【請求項3】
前記突起部は、前記アームの長さ方向に対して傾斜している請求項1または2記載の電子機器用ハンドル。
【請求項4】
前記突起部は、前記アームの前記長さ方向に対する傾斜角度を変更可能に構成されている請求項3記載の電子機器用ハンドル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の電子機器用ハンドルと、当該電子機器用ハンドルが取り付けられた電子機器本体とを備え、前記電子機器用ハンドルの前記突起部と前記電子機器本体の所定部位とを載置面に当接させた状態で当該載置面に載置することによって当該載置面に対して当該電子機器本体を傾斜可能に構成されている電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−109222(P2010−109222A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280956(P2008−280956)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】